JP2548590B2 - 共役ジエンの選択的酸化カルボニル化方法 - Google Patents

共役ジエンの選択的酸化カルボニル化方法

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JP2548590B2 JP62325647A JP32564787A JP2548590B2 JP 2548590 B2 JP2548590 B2 JP 2548590B2 JP 62325647 A JP62325647 A JP 62325647A JP 32564787 A JP32564787 A JP 32564787A JP 2548590 B2 JP2548590 B2 JP 2548590B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/10Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction with carbon monoxide
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/52Esters of acyclic unsaturated carboxylic acids having the esterified carboxyl group bound to an acyclic carbon atom
    • C07C69/593Dicarboxylic acid esters having only one carbon-to-carbon double bond

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、共役ジエンの選択的酸化カルボニル化方法
に関するものである。本発明は特に、白金族金属触媒
と、酸化剤としてのキノン誘導体との存在下に、ジエン
と、一酸化炭素と、ヒドロキシル基含有化合物との反応
によつてアルケンポリカルボン酸エステルを生成させる
ことからなる酸化カルボニル化方法に関する。さらにま
た本発明は、この反応に使用される触媒系自体にも関す
る。
発明の背景 米国特許第4,575,562号明細書には、メタノールと、
高酸化状態の白金族金属の化合物を含有する触媒と、キ
ノンの如き有機酸化剤と、脱水剤と、好ましくは1以上
のリガンドとの存在下に、かつ反応が可能な温度、圧力
条件下に1,3−ブタジエンを一酸化炭素と反応させるこ
とによつて、主としてジメチルヘキス−3−エンジオエ
ート(dioate)を生成させ、このジメチルヘキス−3−
エンジオエートに其後に水素化反応を行つてアジピン酸
ジメチルを生成させることからなるアジピン酸ジメチル
の製造方法が記載されている。この反応はパラジウム化
合物の存在下に実施するのが好ましい。有利に使用でき
るリガンドの例にはトリフエニルホスフイン、トリ(p
−メトキシフエニル)ホスフイン、トリ(p−フルオロ
フエニル)ホスフイン、トリブチルホスフイン、トリフ
エニルアルシン、トリエチルアルシン、ベンゾニトリ
ル、アセトニトリル、プロピオニトリル、バレロニトリ
ル、サクシノニトリル、グルタロニトリル、トリフエニ
ルホスフアイト、塩化リチウム、臭化ナトリウム、沃化
リチウム、沃化カリウム、塩化銅があげられる。さら
に、この公知方法では、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫
酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸のうちから選択され
た少量の酸が使用できる。
しかしながら、前記の米国特許明細書中の実施例に記
載のブタジエンの変換率、およびジメチルヘキス−3−
エンジオエートへの選択率の値から当業者には明らかな
ように、この公知方法は、所望のアルケンジカルボン酸
エステルを高収量(ブタジエンの量を基準として30%を
超える収量)で得るための選択的製造方法とは考えられ
ない。このアルケンジカルボン酸エステルは、アジペー
トの製造如き化学合成操作の原料として近年特に重要性
が増してきた物質である。さらに、この公知方法は比較
的高い圧力(34−350気圧)および温度(60−190℃)に
おいて実施されるので、この高温高圧に耐える反応装置
を使用しなければならず、そのために経費がかさむ。
国際特許第(WO)80/00250号明細書には、共役ジオレ
フイン(たとえば1,3−ブタジエン)を、パラジウム触
媒、銅(II)塩および塩基の存在下に、一酸化炭素およ
びアルコール(たとえばベンジルアルコール)と反応さ
せることによつて、この共役ジオレフインをアルケンポ
リカルボン酸エステル(たとえばジメチルヘキス−3−
エンジオエート)に変換させる方法が開示されている。
そして、この不飽和ジエステルに加水分解反応および水
素化反応(これらの反応を逆の順次で行つてもよい)を
行うことによつて、それに対応する線状二塩基酸すなわ
ちジ−酸(di−acid)(たとえばアジピン酸)が製造で
きる。銅(II)化合物の使用量は、この公知方法の実施
時に生じたパラジウム(O)を酸化して元のパラジウム
(II)に戻すのに充分な量であるべきである。求核性の
塩基の使用量は、少なくとも1モル当量〔銅(II)塩の
使用量基準〕であるべきである。前記の銅塩として塩化
銅を使用するのが好ましい。好ましい塩基はカルボン酸
のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩ならびに種
々の炭酸塩(たとえば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、
プロピオン酸ナトリウム、ラク酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム)、およびアミン(たとえばトリエチルアミンや
ルチジン)である。
今述べた公知方法の実施例から当業者には明らかなよ
うに、この公知方法は、所望のアルケンジカルボン酸エ
ステル(たとえばジメチルヘキス−3−エンジオエー
ト)を高収量で得るための選択的製法とは考えられな
い。さらにまた、この公知方法は、反応時間が比較的長
い(実施例Iでは144時間)という特徴がある。
発明の目的 したがつて本発明の目的は、比較的安価なフアインケ
ミカルの需要の増大に対処するために、これの化学合成
の際の出発物質であるジエチルまたはジメチルヘキス−
3−エンジオエートおよび/またはジメチルヘキス−2
−エンジオエートの如きアルケンジカルボン酸ジエステ
ルを製造するために、ブタジエンまたはその同族体をア
ルケンジカルボン酸ジエステルに選択的に変換する新規
方法を開発することである。
発明の構成 本発明者は長年月にわたつて種々の研究を行つた結
果、前記の所望化合物を選択的に製造する方法を今や見
出したのである。これは従来の知識からみて全く予想外
のことである。
したがつて本発明は、少なくとも次の成分、すなわ
ち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
および (c)共触媒(cocatalyst)としての、マンガンおよび
バナジウムのうちから選択される金属の化合物 を含有してなる触媒系の存在下に、共役ジエンの酸化カ
ルボニル化反応を行い、しかしてこの反応は、ジエン1
モル当り少なくとも2モル当量のアルコールおよび一酸
化炭素を用いて実施することを特徴とする、次式 および/または (ここにRは低級アルキル基またはアルアルキル基を表
わし、 R′およびR″の各々は水素、低級アルキル基、 アリール基またはアルアルキル基を表わし、 Rは水素または低級アルキル基を表わす) の化合物の選択的製造方法に関するものである。
容易に理解されるように、用語“低級アルキル基”は
炭素原子1−4個のアルキル基を意味し、用語“アリー
ル基”は非置換または置換フエニル基またはナフチル基
を意味し、用語“アルアルキル基”すなわちアラールキ
ル基は、低級アルキル基で置換されたフエニル基または
ナフチル基を意味する。
本発明方法の好ましい具体例では、Rがメチル基また
はエチル基であり、R′,R″およびRが水素またはメ
チル基である化合物が製造できる。共役ジエン(特に1,
3−ブタジエン)の酸化カルボニル化反応によつてヘキ
ス−3−エンジカルボン酸ジエステルおよび/またはヘ
キス−2−エンジカルボン酸ジエステルを製造するのが
一層好ましい。
前記の触媒系の成分の他に、もし所望ならば1種また
はそれ以上の脱水剤が少量使用できる。反応器で反応を
実施した場合に、反応中に水が生じ、この水が反応に悪
影響を与えるから、このようなときに脱水剤を使用して
水を除去するのが好ましい。
白金族金属の化合物はさらに追加リガンドを含有し得
る。しかしながら、変換反応を最適条件下に行うのにこ
のリガンドは不必要であることが見出された。
酸化剤の再生のために酸素が使用できる。酸素は一酸
化炭素と共に反応器に添加でき、あるいは別の反応器に
添加できる。
反応は回分法、連続法または半連続法によつて実施で
きる。用語“半連続法”は、反応体を連続的に反応器に
供給し、ただし反応生成物は反応完了時まで反応器から
除去しないという反応実施方法を意味する。アルコール
の使用量は、ジカルボン酸エステル生成物の量を基準と
した化学量論量またはそれ以上の量であるべきである。
好ましくは、このアルコールとしてメタノールおよびエ
タノールを2−10モル(ジエステル生成物基準)使用す
る。任意的に、少量の脱水剤が反応混合物に添加でき
る。これは、所望の無水条件を維持するのに役立つ。適
当な脱水剤の例にはオルト蟻酸メチル、メタ硼酸、2,2
−ジメトキシプロパン、1,4−ジメトキシシクロヘキサ
ン、メチルビニルエーテルおよび1−エトキシ−シクロ
ヘキセンがあげられる。
用語“白金族金属の化合物”は、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の化合
物(およびその混合物)を意味する。適当な白金族金属
の化合物の例には臭化白金、塩化白金、沃化パラジウ
ム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウム
があげられる。適当な触媒金属塩が反応中に生ずるよう
な反応条件下に反応を行う場合には、金属または金属酸
化物が使用できる。本発明に従つて変換反応を行うとき
には、金属化合物としてパラジウム化合物を使用するの
が好ましく、酢酸パラジウムが特に好ましい。この白金
族金属触媒は均質または不均質に作用するものであり得
る。不均質型のものは、スラリーとして使用でき、ある
いは、酸化珪素、酸化アルミニウム、炭素等や、天然ま
たは合成ゼオライトや他の不活性材料中に含浸させて使
用できる。金属触媒はまた、重合体に結合させた形で使
用することもできる。白金族金属触媒の使用量は0.001
−10グラム原子、好ましくは0.01−1.0グラム原子であ
る(ジエン100モル当り)。
白金族金属をその酸化状態に保つために使用される酸
化剤の例には、1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−1,
4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノ
ン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニ
ル)、2,3−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラメチ
ル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシア
ノ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフエニル−1,4−ベン
ゾキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−
ナフトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナフトキノンおよ
びその混合物があげられる。上記の酸化剤は内部(Inte
rnal)酸化剤であると考えられる。好ましい内部酸化剤
はテトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)で
ある。任意的に、キノン/ハイドロキノン混合物が使用
できる。キノン(または、キノンとハンドロキノンとの
混合物)は天然または合成ゼオライトの如き不活性材料
中に吸着でき、あるいは、有機重合体中に混入し得る。
内部酸化剤と白金族金属成分とのモル比は広い範囲内で
種々変えることができ、一般に100−700、好ましくは30
0−600である。
適当なマンガンおよびバナジウムの化合物の例には塩
化マンガン、塩化バナジウム、臭化マンガン、臭化バナ
ジウム、酢酸マンガン、酢酸バナジウム(およびその混
合物)があげられる。塩化マンガンまたは塩化バナジウ
ムを使用するのが好ましい。
共触媒と白金族金属触媒との使用量の比率は臨界条件
ではなく、広い範囲内で種々変えることができる。変換
率および選択率の両者を高い値にするために、パラジウ
ム1グラム原子当りマンガン塩またはバナジウム塩を5
−50モル使用するのが好ましい。この共触媒を10モルよ
り多く、45モルより少なく使用したときに(パラジウム
1グラム原子当り)、選択率が高くなり(>80%)、か
つ変換率も高くなる。
反応体のうちの1種(一般にアルコール)を大過剰量
使用した場合、または反応生成物のうちの1種が適当な
液相を形成するものである場合には、本発明方法の実施
のときに追加溶媒は不必要である。しかし本発明の好ま
しい具体例では、追加溶媒が使用される。この目的のた
めに、任意の不活性溶媒が使用できる。この溶媒は、た
とえばスルホン〔たとえばジプロピルスルホン、テトラ
ヒドロチオフエン−1,1−ジオキサイド(スルホラ
ン)、2−メチル−4−ブチルスルホラン、3−メチル
スルホラン、2−メチル−4−ブチルスルホラン〕;ニ
トリル(たとえばアセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリル);炭化水素(たとえばベンゼン、トル
エン、キシレン、イソオクタン、n−ヘキサン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン);エステ
ル(たとえば酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メ
チル、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、アジピン
酸ジメチル、ブチロラクトン);ケトン(たとえばアセ
トン、アセトフエノン、2−ブタノン、シクロヘキサノ
ン、メチルイソブチルケトン);エーテル〔たとえばア
ニソール、2,5,8−トリオキサノン(別名ジグリム)、
ジフエニルエーテル、ジイソプロピルエーテル〕のうち
から選択できる。エーテル型溶媒たとえばジグリムを使
用するのが好ましい。
本発明方法は比較的穏和な反応条件下に実施できる。
適当な温度は50−200℃、好ましくは50−150℃である
が、80−125℃の温度が一層好ましい。本発明方法で
は、白金族金属錯体を所望の高酸化状態に保つために、
すなわちカルボニル化反応のための高触媒活性を保つた
めに内部酸化剤を使用するが、この酸化剤の濃度を充分
高い値に保つために酸素が使用できる。酸素は一酸化炭
素と共に添加できるが、この場合には、爆発性の酸素/
一酸化炭素混合物の生成を防止するための注意を払わな
ければならない。あるいは酸素は別の反応器に添加でき
る。別の具体例では、反応器に一酸化炭素および酸素を
交互に添加できる。
容易に理解され得るように、本発明方法のカルボニル
化反応自体では水は生成しないが、ハイドロキノン誘導
体からのキノン誘導体の再生(これは酸化反応である)
の際に水が生ずる。カルボニル化反応とキノン再生反応
とが同一反応器内で行われる場合には、充分な量の脱水
剤を添加して、ブタンまたはその同族体もしくは誘導体
の酸化反応の如き副反応を最小限に抑制するのが望まし
い。カルボニル化反応とキノンの再生反応とをそれぞれ
別々の反応器で行う場合には、カルボニル化反応の反応
器中のキノン含有原料は実質的に無水のものでなければ
ならない。
上記の目的のために必要な脱水操作は、1種またはそ
れ以上の同じ種族の前記脱水剤を用いて実施でき、ある
いは、キノン含有原料を適当な固定脱水剤の中を通過さ
せることによつて実施でき、あるいは、水を留去させる
こともできる。
一酸化炭素は実質的に純粋なものが使用でき、あるい
は酸素および/または1種またはそれ以上の不活性ガス
(たとえば窒素または貴ガス)と混合して使用できる。
本発明方法における一酸化炭素の圧力は一般に、公知の
方法の場合の圧力よりも低い値であつてよい。50バール
またはそれ以上の圧力が好ましい。
アルコールと共役ジエン(特にブタジエン)とのモル
比は広い範囲内で種々変えることができるが、一般に2:
1ないし10:1である。このアルコールは脂肪族、環式脂
肪族または芳香族アルコールであり得、そしてこのアル
コールは1またはそれ以上の不活性置換基を含んでいて
もよい。適当なアルコールは、炭素原子20個まだのもの
である。メタノール、エタノール、プロパノール、2,2
−ジヒドロキシメチル−1−ブタノールの如きアルカノ
ールおよびベンジルアルコールが、適当な出発化合物で
ある。これらのうちで、メタノールおよびエタノールが
特に好ましい。
後記の実施例から明らかなように、マンガンまたはバ
ナジウムの化合物を共触媒として使用した場合には、ア
ルカノールからヘキス−3−エンジカルボン酸および/
またはヘキス−2−エンジカルボン酸のジエステルへの
選択的変換反応の平均変換率および選択率が、塩化銅、
クロム化合物または鉄化合物(これらは、マンガンやバ
ナジウムの化合物と等価な共触媒であると今迄思われて
いたものである)を使用した場合に比して、予想外に高
い値になることが判明した。
本発明はまた、共役ジエンの酸化カルボニル化反応
を、一酸化炭素およびアルコールを用いて行うときに使
用される触媒系において、少なくとも次の成分、すなわ
ち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
および (c)共触媒としての、マンガンおよびバナジウムのう
ちから選択される金属の化合物 を含有することを特徴とする触媒系にも関する。
触媒系の前記成分の他に、既述の1種またはそれ以上
の脱水剤を少量配合できる。
適当な白金族金属化合物、酸化剤および共触媒化合物
については既に述べた。
本発明の触媒系には、白金族金属触媒成分1グラム原
子当りマンガンまたはバナジウムの化合物(好ましくは
塩)を5−50モル配合するのが好ましい。触媒系内にお
ける内部酸化剤対白金族金属成分のモル比は一般に100
−700、好ましくは300−600である。既述の如くこの触
媒系はさらに、追加溶媒(好ましくはジグリム)を含有
し得る。
次に、本発明の実施例を示す。
例1 磁力攪拌機を付けたハステロイ−C(登録商標)製オ
ートクレーブ(容量250ml)に、ジグリム40ml、ブタジ
エン10ml、エタノール15ml、酢酸パラジウム0.1ミリモ
ル、クロラニル50ミリモルおよび塩化マンガン(MnC
l2)4ミリモルを入れた。このオートクレーブに一酸化
炭素を60バールの圧力で入れ、オートクレーブを閉鎖
し、110℃の温度に加熱した。2時間の反応時間の経過
後に、オートクレーブの内容物を気液クロマトグラフイ
により分析した。エタノールからジエチルヘキス−3−
エンジオエートおよびジエチルヘキス−2−エンジオエ
ートへの変換反応における選択率は89%であつた。平均
変換反応速度は200モル/gat.Pd.時であつた。
例2 例1の場合と実質的に同様な方法に従つて実験を行つ
た。ただし今回はMnCl24ミリモルの代りに、これを2
ミリモル含む触媒系を使用した。エタノールからジエチ
ルヘキス−3−エンジオエートおよびジエチルヘキス−
2−エンジオエートへの変換反応における選択率は85%
であつた。平均変換速度は155モル/gat.Pd.時であつ
た。
例3 例1の場合と実質的に同様な方法によつて実験を行つ
た。ただし今回は、一酸化炭素の圧力を60バールでなく
70バールとした。エタノールからジエチルヘキス−3−
エンジオエートおよびジエチルヘキス−2−エンジオエ
ートへの変換反応における選択率は91%であつた。平均
変換反応速度は170モル/gat.Pd.時であつた。
例4 例1の場合と実質的に同様な方法によつて実験を行つ
た。ただし今回は、MnCl2(4ミリモル)の代りに塩化
バナジウム(VCl3)2ミリモルを使用し、かつ、一酸化
炭素の圧力を60バールでなく50バールとした。エタノー
ルからジエチルヘキス−3−エンジオエートおよびジエ
チルヘキス−2−エンジオエートへの変換反応における
選択率は80%であつた。平均変換反応速度は130モル/ga
t.Pd.時であつた。
参考例 例1の場合と実質的に同様な方法に従つて実験を行つ
た。ただし今回使用された触媒系は、MnCl24ミリモル
の代りに、塩化銅(CuCl2)2ミリモル、アセト酢酸ク
ロム〔Cr(Acac)3〕2ミリモルまたは塩化第二鉄(FeC
l3)2モリモルを含むものであつた。反応時間は、CuCl
2を使用した場合には5時間であり、他の上記無機塩を
使用した場合には2時間であつた。この変換反応におけ
る選択率はそれぞれ72%、90%および30%であり、平均
変換速度はそれぞれ100、50および150モル/gat.Pd.時で
あつた。アセト酢酸クロムを使用した理由は、塩化クロ
ムの溶解度が非常に低いためである。
共触媒を使用しないことを除いて、同様な実験を行つ
た。選択率は85%であり、平均変換反応速度は75モル/g
at.Pd.時であつた。
これらの実験結果から明らかなように、共触媒として
のマンガンおよびバナジウムの化合物は、銅、クロム、
および鉄の化合物と比較して、予想外にすぐれた特性を
有するものである。

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも次の成分、すなわち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
    される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
    および (c)共触媒としての、マンガンおよびバナシウムのう
    ちから選択される金属の化合物 を含有してなる触媒系の存在下に、共役ジエンの酸化カ
    ルボニル化反応を行い、しかしてこの反応は、ジエン1
    モル当り少なくとも2モル当量のアルコールおよび一酸
    化炭素を用いて実施することを特徴とする、次式 および/または (ここにRは低級アルキル基またはアルアルキル基を表
    わし、 R′およびR″の各々は水素、低級アルキル基、アリー
    ル基またはアルアルキル基を表わし、Rは水素または
    低級アルキル基を表わす) の化合物の選択的製造方法。
  2. 【請求項2】Rがメチル基またはエチル基であり、
    R′,R″およびRが水素またはメチル基であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】1,3−ブタジエンの変換反応を行うことを
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】触媒系の前記成分の他に、少量の、1種ま
    たはそれ以上の脱水剤をも使用することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項−第3項のいずれか一項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】脱水剤として、オルト蟻酸メチル、メタ硼
    酸、2,2−ジメトキシプロパン、1,4−ジメトキシシクロ
    ヘキサン、メチルビニルエーテルまたは1−エトキシ−
    シクロヘキセンを使用することを特徴とする特許請求の
    範囲第4項に記載の方法。
  6. 【請求項6】白金族金属の化合物として、沃化パラジウ
    ム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウ
    ム、臭化白金または塩化白金を使用することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項−第5項のいずれか一項に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】白金族金属触媒成分の使用量が0.001−10
    グラム原子(ジエン100モル当り)であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項−第6項のいずれか一項に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】白金族金属触媒成分の使用量が0.01−1.0
    グラム原子(ジエン100モル当り)であることを特徴と
    する特許請求の範囲第7項に記載の方法。
  9. 【請求項9】使用される酸化剤が、1,4−ベンゾキノ
    ン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロ
    ロ−1,4−ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキ
    ノン(クロラニル)、2,3−ジシアノ−1,4−ベンゾキノ
    ン、テトラメチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ
    −5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフエニ
    ル−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジ
    クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナ
    フトキノンおよびその混合物のうちから選択されたもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項−第8項
    のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】内部酸化剤対白金族金属成分のモル比が
    100−700好ましくは300−600であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項−第9項のいずれか一項に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】塩化マンガン、塩化バナジウム、臭化マ
    ンガン、臭化バナジウム、酢酸マンガン、酢酸バナジウ
    ムのうちから選択された化合物またはその混合物を、共
    触媒として使用することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項−第10項のいずれか一項に記載の方法。
  12. 【請求項12】マンガン塩またはバナジウム塩の使用量
    が5−50モル(白金族金属触媒成分1グラム原子当り)
    であることを特徴とする特許請求の範囲第11項記載の方
    法。
  13. 【請求項13】アルコール対共役ジエンのモル比が2:1
    ないし10:1であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項−第12項のいずれか一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】メタノールまたはエタノールを使用する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項−第13項のいず
    れか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記の触媒系の成分の他に、追加の溶媒
    としてジグリムをも存在させてこの方法を実施すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項−第14項のいずれか
    一項に記載の方法。
  16. 【請求項16】反応を80−125℃の温度において実施す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項−第15項のい
    ずれか一項に記載の方法。
  17. 【請求項17】反応を50バールまたはそれ以上の圧力下
    に実施することを特徴とする特許請求の範囲第1項−第
    16項のいずれか一項に記載の方法。
  18. 【請求項18】共役ジエンの酸化カルボニル化反応を、
    一酸化炭素およびアルコールを用いて行うときに使用さ
    れる触媒系において、少なくとも次の成分、すなわち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
    される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
    および (c)共触媒としての、マンガンおよびバナジウムのう
    ちから選択される金属の化合物 を含有することを特徴とする触媒系。
  19. 【請求項19】触媒系の前記成分の他に、少量の、1種
    またはそれ以上の脱水剤をも存在させたことを特徴とす
    る特許請求の範囲第18項に記載の触媒系。
  20. 【請求項20】白金族金属の化合物として、沃化パラジ
    ウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウ
    ム、臭化白金または塩化白金を存在させたことを特徴と
    する特許請求の範囲第18項または第19項に記載の触媒
    系。
  21. 【請求項21】添加された酸化剤が、1,4−ベンゾキノ
    ン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロ
    ロ−1,4−ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキ
    ノン(クロラニル)、2,3−ジシアノ−1,4−ベンゾキノ
    ン、テトラメチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ
    −5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ
    −1,4−ナフトキノン、2,5−ジフエニル−1,4−ベンゾ
    キノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナ
    フトキノンおよびその混合物のうちから選択されたもの
    であることを特徴とする特許請求の範囲第18項−第20項
    のいずれか一項に記載の触媒系。
  22. 【請求項22】塩化マンガン、塩化バナジウム、臭化マ
    ンガン、臭化バナジウム、酢酸マンガン、酢酸バナジウ
    ムおよび/またはその混合物を、共触媒として存在させ
    たことを特徴とする特許請求の範囲第18項−第21項のい
    ずれか一項に記載の触媒系。
  23. 【請求項23】マンガン塩またはバナジウム塩の存在量
    が5−50モル(白金族金属触媒成分1グラム原子当り)
    であることを特徴とする特許請求の範囲第18項−第22項
    のいずれか一項に記載の触媒系。
  24. 【請求項24】内部酸化剤対白金族金属成分のモル比が
    100−700であることを特徴とする特許請求の範囲第18項
    −第23項のいずれか一項に記載の触媒系。
  25. 【請求項25】さらにまたジグリムも含有することを特
    徴とする特許請求の範囲第18項−第24項のいずれか一項
    に記載の触媒系。
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