JP2547136B2 - 審美性に優れた陶磁器類の製造方法 - Google Patents
審美性に優れた陶磁器類の製造方法Info
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Description
際して、その表面に金属表面が呈する如き反射光沢面を
表現させることができると共に、該反射光沢面につき艶
消し調ものからメタリック調のものまで所望に応じて簡
単に操作できるようにした、陶磁器類の新規な製造方法
に関するものである。
その表面に金属薄膜を被着させることにより、鏡面の如
き鮮やかな反射光沢が得られるようにしたものがあっ
た。この種陶磁器類を製造するには、既に施釉,焼成さ
れて成る陶磁器類を対象として、その表面にTiCl4
などを用いた金属蒸着法を施すものであった。
磁器類は、その全面が一様にツルツルの状態となってい
たため、微細傷の一つも存在しない金属板面やメッキ面
などとして見せ掛けることはできるものの、それ以外の
反射光沢面(例えば、輝き度合を深く渋いものに抑えた
艶消し調や、輝き度合に乱反射を伴わせてキラキラ輝く
ようにしたメタリック調など)を表現させることはでき
なかった。すなわち、陶磁器類によって表現し得る反射
光沢面の種類(金属材の品種など)には、自ずと限界が
あった。
たものであって、陶磁器類の表面に対して艶消し調から
メタリック調まで、所望に応じた任意の反射光沢面を形
成することができるようにして、表現性に富みまた審美
性に優れた陶磁器類が得られるものとした、新規な製造
方法を提供することを目的とする。
磁器類を異にした二つの製造方法に係るものであって、
そのうちの一つ(以下、本件第1方法と言う)の要旨と
するところは、マット釉を施釉し焼成した陶磁器類の表
面に対してラスター液10〜40重量部,雲母粉0.1
〜2.5重量部,溶媒10〜40重量部が配合されて成
る混合液を塗布し、該陶磁器類を700〜900℃で焼
付処理する点にある。
う)の要旨とするところは、陶磁器類の表面へ予め施
釉,焼成しておく前記マット釉をブライト釉と置換し
て、それ以降、本件第1方法と同じ手順を経る点にあ
る。
を発しようとするが、該ラスター液中に混在する雲母粉
はその反射性を適度に抑えると共に、該雲母粉自らも、
細かな乱反射を誘発するようになる。また、これらの状
況は、その下地となるマット釉(本件第1方法)やブラ
イト釉(本件第2方法)によって所望色に着色されて見
えるようになる。そのため、輝き度合を深く渋いものに
抑えた艶消し調や、輝き度合に乱反射を伴わせてキラキ
ラ輝くようにしたメタリック調などを表現することが可
能となっている。
づいて説明すると次のとおりである。図1は、本件第1
方法の実施状況を示す図である。本件第1方法は、表面
が艶消し調と成る陶磁器類を製造する方法である。陶磁
器類の表面を艶消し調とするうえで最も重要なことは、
その生素地(1)に対して予めマット釉(2)を施釉し
焼成して基礎となる陶磁器類3を製造する点にある。な
お、該生素地(1)の組成や成形方法などには、従来公
知のあらゆるものが適用され得るものであり、ここでの
説明は省略する。本実施例では、マット釉(2)として
焼成後に(下地釉層4となった状態で)灰色に発色する
ものを用いた。
(マット釉(2)によるもの)の表面に対して、混合液
5をスプレー掛けによって塗布する。該混合液5は、ラ
スター液,雲母粉及び溶媒を所定割合で配合したもので
ある。
塩溶液を主成分とするものを用い、その配合割合は10
〜40重量部の範囲とした。10重量部に満たない場合
は爾後に行う焼付処理によっても十分な発色及び反射光
沢が得られず、40重量部を超える場合は沈澱が起こっ
て混合液5の塗布時にムラが生じ、また塗布後に層間剥
離が生じるおそれがある。
って、その配合割合は0.1〜2.5重量部の範囲とし
た。0.1重量部に満たない場合は上記ラスター液の反
射光沢を十分に抑えきれず、2.5重量部を超える場合
はラスター液の反射光沢を滅失しすぎると共に、ラスタ
ー液との結合強度が弱くなる欠点がある。
を用い、その配合割合は10〜40重量部の範囲とし
た。10重量部に満たない場合は混合液5のスプレー掛
けがし難くなり、40重量部を超える場合は塗布後の混
合液5に流れが生じるおそれがある。
塗布した後は、該陶磁器類3を700〜900℃で焼付
処理する。焼付温度が700℃よりも低い場合は、ラス
ター液による発色及び反射光沢が十分に得られないばか
りでなく、焼付不良によって層間剥離が起こり易くな
る。また、焼付温度が900℃よりも高い場合は、陶磁
器類3の下地釉層4(マット釉)が溶けだして混合液5
と反応を起こすようになり、期待通りの発色が得られな
いこととなる。
スター液25重量部,雲母粉1重量部,溶媒(テレビン
油)25重量部を配合したものを用いた。そして、該混
合液5のスプレー掛けは口径1mmの携帯用スプレーガ
ン6を用いて行った。また、その後の焼付処理は、電気
炉(図示省略)により850℃で30分行った。このよ
うにして得られた陶磁器類は、その表面が灰色系統の背
景色によって深く渋い輝きを呈するものと成っていた。
なお、マット釉(2)において、その焼成後に発せられ
る灰色が色調の淡いものを用いた場合は、得られた陶磁
器類が銀白色を呈することとなって恰もアルミ合金の引
抜き製品の如く見えるものであり、色調の濃いものを用
いた場合は、得られた陶磁器類が黒みがかった銀色を呈
することとなって恰もアルミ鋳物製品の如く見えるもの
であった。また、マット釉(2)の色調を更にだんだん
濃くしてゆくとその終局となる黒色を含めて燻銀の如く
見えるものが得られた。従来燻調の陶磁器類を得るため
には、還元焼成が必要となり、大変であった。また、そ
の結果得られる燻調の陶磁器類は人の手が触れたりする
とその油脂分がくっきりとついてしまうという欠点もあ
った。これに対し、本発明によって得られるものは酸化
焼成によるものであり、通常の窯を使用でき、焼成工程
等も通常どおりで良い。また、表面に油脂分が付着する
欠点もなくなった。これとは反対に、マット釉(2)の
色調をだんだん淡くしてゆくとその終局となる白色を含
めて真珠の如く見えるものが得られた。このような真珠
の如き見えかたは、マット釉(2)としてピンク色系統
又は水色系統に発色するものを用いた場合にも得られる
ものであった。
その大筋において同様なものであるが、対象とする陶磁
器類の表面には、本件第1方法の場合のマット釉製下地
釉層とは異なり、ブライト釉を用いた下地釉層が形成さ
れたものとする。従って、本件第2方法によって得られ
る陶磁器類は、キラキラと乱反射を起こすメタリック調
のものとなる。例えば、ブライト釉において、その焼成
後に赤茶色系統に発色するものを用いたとするとき、そ
の色調が淡い場合には、得られた陶磁器類がゴールドに
輝く金製品の如く見えるものであり、色調が濃い場合に
は、得られた陶磁器類が恰も銅製品の如く見えるもので
あった。
に限らず、便器や洗面器などの衛生陶器類、花瓶や茶器
などの美術工芸品、茶碗や湯呑などの実用食器類であっ
てもよい。このように、本発明(本件第1方法及び本件
第2方法)の細部にわたる構成は、実施の態様に応じて
適宜変更可能である。
係る審美性に優れた陶磁器類の製造方法によれば、輝き
度合を深く渋いものに抑えた艶消し調のものから、輝き
度合に乱反射を伴わせてキラキラ輝くようにしたメタリ
ック調のものまで簡単に形成できるものであるから、所
望する全ての反射光沢面(殆どの品種にわたる金属材な
ど)を表現できるものとなる。従って、陶磁器類により
形成されるあらゆる物品において、これまでになかった
高級感,重量感を醸し出させ、且つ意外性を持たせるこ
とができる。また、このことにより、従来は陶磁器類で
は形成していなかった物品についても、陶磁器製とする
試みが広がる等、幾多の優れた利点を有している。
層 5…混合液
Claims (2)
- 【請求項1】 マット釉を施釉し焼成した陶磁器類の表
面に対してラスター液10〜40重量部,雲母粉0.1
〜2.5重量部,溶媒10〜40重量部が配合されて成
る混合液を塗布し、該陶磁器類を700〜900℃で焼
付処理することを特徴とする審美性に優れた陶磁器類の
製造方法。 - 【請求項2】 陶磁器類の表面へ予め施釉,焼成してお
く前記マット釉をブライト釉と置換することを特徴とす
る請求項1に記載の審美性に優れた陶磁器類の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3269925A JP2547136B2 (ja) | 1990-11-19 | 1991-07-17 | 審美性に優れた陶磁器類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31498690 | 1990-11-19 | ||
JP2-314986 | 1990-11-19 | ||
JP3269925A JP2547136B2 (ja) | 1990-11-19 | 1991-07-17 | 審美性に優れた陶磁器類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05871A JPH05871A (ja) | 1993-01-08 |
JP2547136B2 true JP2547136B2 (ja) | 1996-10-23 |
Family
ID=26548989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3269925A Expired - Lifetime JP2547136B2 (ja) | 1990-11-19 | 1991-07-17 | 審美性に優れた陶磁器類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2547136B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100478583B1 (ko) * | 2001-11-16 | 2005-03-28 | 주식회사 서울세라믹스 | 금속 타일용 유약 조성물과 이를 이용한 금속 타일 및 그제조방법 |
-
1991
- 1991-07-17 JP JP3269925A patent/JP2547136B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05871A (ja) | 1993-01-08 |
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