JP2546574Y2 - コンパクトディスクの光ピックアップレンズクリーナー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、レーザー光をディスクに照射するコンパク
トディスクの光ピックアップレンズを清掃するためのク
リーナーに関する。

［従来の技術］ コンパクトディスクの下面に臨む光ピックアップは、
先端のレンズからディスクにレーザー光を照射するもの
であり、レンズに埃が付着するとレーザー光の照射に支
障をきたすので、その場合音声の再生が正常とならない
不都合がある。

そこで従来、レンズに付着した埃を除去するために、
ディスクにブラシを設け、ブラシでレンズの表面を払拭
することを意図した技術がある（例えば特開昭60−4053
7号公報参照）。

この技術は、レンズと対向する面に繊維質よりなるブ
ラシを設け、ディスク回転時にレンズとブラシを接触さ
せるようにしたものである。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のブラシは、糸状のものを歯ブラシ形に密生させ
てなるものであるから、ブラシがレンズに接触すると光
の信号を切断してエラーが出てしまいディスクの回転を
止めてしまうといった欠点を有していた。

すなわち光ピックアップレンズは、高密度信号を再生
する頗る高密度な精密性を要求されるものであり、糸状
のものを歯ブラシ形に組み合わせただけではレンズへの
負荷がかゝり過ぎて機能せず、逆に毛量を減らしたりブ
ラシの突出状態を少なくすると、埃を十分に払拭できな
いのでクリーナーとしての所期する効果を奏することが
難しいという問題点があった。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みてなされたも
ので、光の信号を切断することなくレンズに付着した埃
を確実に払拭し、レンズ表面を傷つけることもなく、そ
れゆえディスクの回転に支障を生じることもないクリー
ナーを提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本考案においては、 ディスクの片面に、レンズと接触してもディスクの回
転に支障とならないクリーニングユニットを設けた光ピ
ックアップレンズクリーナーであって、前記クリーニン
グユニットが、ディスクの回転方向と直交状に形成した
長さが約10mm、深さと幅が0.5mm程度の溝の中に、溝の
サイズを越えない長さと幅でディスク面よりの高さが2m
m程度となる絹糸製のブラシを植毛してなることを主旨
としている。

［作用］ ディスクが回転すると下方に位置する光ピックアップ
レンズはディスクに近づくとともに横方向へと移動す
る。この移動中においてクリーニングユニットがレンズ
と接触して表面に付着している埃を吹き飛ばすので、レ
ンズは清掃される。

［実施例］ 第１図及び第２図において、１はディスクであり、プ
レーヤーに取り付けるときとは反対の向きに図示してあ
る。

２はディスク１に凹設された溝で、ディスク１の回転
中心部1aの外側に位置し且つディスクの回転方向と直交
する向きに形成され、深さと幅は約0.5mm、長さは約10m
mとしてある。

３はクリーニングユニットで、前記溝２の中に縦溝に
織成した絹糸から横糸を抜き取って形成したブラシを植
毛して構成したものであり、溝２より垂直に立ち上がっ
たときのディスク面よりの高さは2mm程度となる。ブラ
シの長さと幅は溝２のサイズを越えることはなく、また
絹糸製のブラシは柔軟で復元性があるため好ましい。

第３図は本考案の使用状態を示したもので、クリーニ
ングユニット３は光ピックアップ４に体面して臨み、デ
ィスク１が回転すると該光プックアップ４は上昇してデ
ィスク１面に近づくとともに横方向に移動するので、こ
の時クリーニングユニット３が光ピックアップ先端のレ
ンズ５に接触して埃を払拭する。絹糸のように柔らかで
復元性のよいものはレンズに接触して一旦は傾いても直
ちに立上がり、何回使用しても形崩れしない点で都合が
よい。

第４図及び第５図は本考案の他の実施例であって、デ
ィスク１にクリーニングユニット３を小間隔をおいて対
設した場合（第４図）と、180度の間隔をあけて対設し
た場合（第５図）とを示しており、こうすることによっ
て一方のクリーニングユニットでまずレンズの埃を浮き
上がらせ、浮いた埃を他方のクリーニングユニットで吹
き払うことができる。

而して図では、クリーニングユニット３を回転中心部
1aに近接してあるが、クリーニング開始の案内などを録
音する場合は、その分のスペースを中心部1aとクリーン
グユニットとの間に設けることは勿論である。

なお本考案は上記実施例等でクリーニングユニットに
おけるブラシを絹糸製としたが、本考案の目的・効果を
奏する範囲において柔軟で復元性のある他の素材からな
るものをも包含する。

［考案の効果］ 本考案は以下のような特有の効果を奏する。

（１）クリーニングユニットの長さと幅、及び高さが一
定した形状で所定の数値を有し、レンズと接触してもエ
ラー信号を出させるほどの負荷とはならないので、ディ
スクの回転に支障を生じることがない。

（２）クリーニングユニットがレンズの汚れを確実に払
拭するので、高音質の音声再生が常に保持される。

（３）ブラシが柔軟で復元性にすぐれるため、レンズの
耐久性が保たれるとともにクリーニングユニット自体も
長期使用ができる。

（４）クリーニングユニットを複数カ所に設けるとその
分払拭作業が確実になり、しかも何カ所に設けてもディ
スクの回転に支障を生じるおそれがないので安心して使
用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図はクリー
ニングユニットの取り付け状態を示す断面図、第３図は
本考案の使用状態を示す断面図、第４図及び第５図は本
考案の他の実施例を示す平面図である。 １……ディスク、２……溝 ３……クリーニングユニット、５……レンズ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスクの片面に、レンズと接触してもデ
   ィスクの回転に支障とならないクリーニングユニットを
   設けた光ピックアップレンズクリーナーであって、前記
   クリーニングユニットが、ディスクの回転方向と直交状
   に形成した長さが約10mm、深さと幅が0.5mm程度の溝の
   中に、溝のサイズを越えない長さと幅でディスク面より
   の高さが2mm程度となる絹糸製のブラシを植毛すること
   を特徴とするコンパクトディスクの光ピックアップレン
   ズクリーナー。