JP2545104Y2 - 包装用シート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば自動車合成樹脂
製バンパ用の包装用シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、合成樹脂製自動車用のバンパ
は、従来、ポリエチレン製の袋に入れ、かつ、通常、段
ボール紙の外箱につめていた。しかしながら従来のよう
に、合成樹脂製の自動車のバンパをポリ袋に入れると、
静電気が発生してスパークによりバンパが汚れる。ま
た、バンパは両側部が曲った形状なので、外箱が大きく
なり、かつ、デッドスペースが多い。

【０００３】また、一般に包装材として緩衝作用を有す
るものは種々知られており、例えば実開昭５２−１１３
０７９号公報には段ボール製の支持体に繊維ラップを重
ね合せたものが開示されている。しかしながら、段ボー
ルでは複雑な形状のものに対してはなじみが悪く、した
がってデッドスペースが大きくなる。さらに実開昭５２
−１３６８０６号公報には容器又は袋体として、紙体に
接着剤を部分的に塗布して合成樹脂クロスに接着したも
のが開示されている。しかしながら、かかる公知技術で
は緩衝作用がなく、包装材としては不適当である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】したがって本考案は、
外箱がなくても充分に被包装体を緩衝的に包装でき、か
つ静電気の発生もない包装用シートを提供することを目
的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案によれば、繊維製
表皮シートと緩衝材シートとを積層した包装用シートに
おいて、繊維製表皮シートはクラフト紙であり、緩衝材
シートは互いに複数個所をエンボス状ののり付け部で接
合した薄紙積層品であり、かつクラフト紙と薄紙積層品
とは複数個所をエンボス状ののり付け部で接合されてい
る。

【０００６】

【０００７】

【０００８】

【０００９】

【００１０】

【００１１】

【作用効果の説明】以上の通り、構成された本考案の包
装用シートはクラフト紙を外側にして、例えば合成樹脂
製の自動車のバンパのような被包装物を直接に包装す
る。すると軽い薄紙積層品が被包装物と接触するので、
被包装物が傷付かない。しかも薄紙積層品は衝撃に対し
て緩衝効果がよく、そのために外箱等が不必要となり包
装作業の工程が少なくてすむ。

【００１２】クラフト紙は薄くて丈夫であるので、嵩ば
らず、また衝撃にも強く、やぶれにくく、そして軽量で
あるので、外側の包装体として好適である。すなわち、
外部からの力に対して被包装物を保護することができ
る。

【００１３】そしてクラフト紙と薄紙積層品および薄紙
積層品自体が複数のエンボス状ののり付け部で部分的に
接合されているので、クラフト紙や薄紙積層品を構成す
る薄紙がばらばらにならず、かつ包装時に曲げに際して
相互の相対的なずれがあり柔軟性を有するので、包装作
業が容易である。そしてのり付け部は公知ののり付け装
置により簡単にのり付けでき、製造が容易である。そし
て紙を主体とする包装用シートであるために静電気の発
生がない。

【００１４】

【実施例】以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

【００１５】図１及び図２において、全体を符号１で示
す包装用シートは、繊維製表皮シートであるクラフト紙
２と、緩衝材シートである薄紙積層品３とを積層し、両
者２、３及び薄紙積層紙間を複数箇所においてエンボス
状ののり付け部４で接合して形成されている。

【００１６】

【００１７】また、前記緩衝材シートを構成する薄紙積
層品３は、１０枚の１ｍｍ程度のものを積層したもの
で、包装シート１の全体の厚さは、１０ｍｍ程度が望ま
しい。そして図示の如く互いに部分的なのり付け部４で
接合され、相互にばらばらにならず、また可撓性に富む
ようになっている。このような薄紙積層品３は、軽く、
緩衝性に富み、曲げやすいので、この種の包装材として
は好ましい。しかしながら、強度的に弱いので繊維製表
皮シート２と組合せることによって良好な包装用シート
１が得られる。

【００１８】

【００１９】次に、作用について説明する。

【００２０】例えば合成樹脂製バンパのような被包装物
を包装する場合、クラフト紙２を外側にして薄紙積層品
３を内側にして包装する。その際に、包装用シート１は
エンボス状ののり付け部４により一体化されており、し
かも若干の相対運動が薄紙積層品３自体およびクラフト
紙と薄紙積層品との間に許容されるので、柔軟で可撓性
があり、包装作業が向上する。

【００２１】また包装用シート１は紙製品であるので、
静電気の発生がなく、被包装物が放電により汚れること
がない。

【００２２】そして薄紙積層品３は緩衝性に富むので、
クラフト紙２の丈夫さと組合せて衝撃力に対して被包装
物を充分に保護することができる。したがって外箱が不
要となる。

【００２３】

【００２４】

【００２５】

【００２６】

【考案の効果】以上の通り本考案によれば、下記のすぐ
れた効果を奏する。 （ａ） クラフト紙の丈夫で軽量な点と薄紙積層品の緩
衝性とを組合せて、被包装物を外力から充分に保護でき
る包装用シートを得ることができる。 （ｂ） シートがエンボス状ののり付け部で互いに接合
されているので、部分的に互いに相対運動でき、柔軟で
包装作業を容易に行うことができる。 （ｃ） エンボス状ののり付け部は公知の装置に実施で
き、製造が容易である。 （ｄ） 紙製品のため静電気の発生による放電で被包装
物を汚すことがなく、また使用後に焼却しても公害の発
生がない。

【００２７】

【００２８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す側断面図。

【図２】接合部を示す平面図。

【符号の説明】

１・・・包装用シート ２・・・クラフト紙 ３・・・薄紙積層品 ４・・・のり付け部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 繊維製表皮シートと緩衝材シートとを積
   層した包装用シートにおいて、繊維製表皮シートはクラ
   フト紙であり、緩衝材シートは互いに複数個所をエンボ
   ス状ののり付け部で接合した薄紙積層品であり、かつク
   ラフト紙と薄紙積層品とは複数個所をエンボス状ののり
   付け部で接合されていることを特徴とする包装用シー
   ト。