JP2544686B2 - エポキシ樹脂粉体組成物及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂粉体組成物及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂粉体組成物
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】エポキシ樹脂粉体組成物を
製造する方法としては、ドライブレンド法、溶融ブレン
ド法及び圧着ブレンド法の3種の方法が知られている。
ドライブレンド法は、配合成分であるエポキシ樹脂と硬
化剤とを粉体状で混合する方法である。この方法は混合
操作が容易であるが、エポキシ樹脂と硬化剤との接合力
が弱いために、得られる粉体組成物は、運搬中や取扱い
中、あるいは粉体塗装中に樹脂と硬化剤の分離を生じや
すいという問題を含む。溶融ブレンド法は、配合成分を
溶融状態に保持して混合又は混練し、冷却固化し、粉砕
する方法である。この方法は、樹脂と硬化剤との接合力
が強いために、樹脂と硬化剤の分離の問題はない。しか
し、この方法では、配合成分をいったん溶融させるた
め、配合成分として結晶性のものを用いる場合、その結
晶性が失なわれてしまうという問題がある。圧着ブレン
ド法は、配合成分をドライブレンド法により混合した
後、これに高圧を付加して各配合成分を圧着し、得られ
た圧着物を粉砕する方法である(特開昭61-55123号)。こ
の方法では、その操作中に配合成分の溶融がないことか
ら、配合成分として結晶性のものを用いても、その結晶
性が失なわれる問題はない。しかし、この方法で得られ
る粉体組成物は、樹脂と硬化剤との接合力が未だ十分で
はないため、運搬中や取扱い中等における樹脂と硬化剤
の分離の問題を依然として含むものである。また、この
方法の場合、高圧を用いるために、製造装置コストが高
くなるという問題もある。エポキシ樹脂粉体組成物にお
いて、配合成分ととして結晶性エポキシ樹脂や結晶性硬
化剤を含むものは、その溶融時粘度が低いために、微細
間隙内に浸透しやすく、コイルの固着用粉体塗料等とし
て非常に有用なものである。しかし、従来技術は、前記
したように各種の問題を含み、結晶性物質を含むエポキ
シ樹脂粉体組成物の製造技術としては未だ満足し得るも
のではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られる前記問題点の解決された結晶性物質を含むエポ
キシ樹脂粉体組成物及びその製造方法を提供することを
その課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0005】即ち、本発明によれば、少なくとも1種の
結晶性物質と少なくとも1種の非結晶性物質からなり、
該結晶性物質の少なくとも1種は粒子状で存在し、該非
結晶性物質の少なくとも1種は該粒子状で存在する結晶
性物質の融点より低いガラス転移点を有し、該粒子状で
存在する結晶性物質は該非結晶性物質に対し、該非結晶
性物質の加熱により生じた接着力で接合し、かつ前記結
晶性物質と非結晶性物質との組合せは少なくとも1種の
エポキシ樹脂と少なくとも1種の硬化剤を含むことを特
徴とするエポキシ樹脂粉体組成物が提供される。
【0006】また、本発明によれば、少なくとも1種の
結晶性物質と少なくとも1種の非結晶性物質とからな
り、該非結晶性物質の少なくとも1種は該結晶性物質の
融点より低いガラス転移点を有し、かつ前記結晶性物質
と非結晶性物質との組合せは少なくとも1種のエポキシ
樹脂と少なくとも1種の硬化剤を含む粉体混合物を、該
結晶性物質の少なくとも1種の融点より低い温度で該非
結晶性物質の少なくとも1種のガラス転移点より高い温
度で加熱した後、冷却固化し、次いで得られた固化物を
粉砕することを特徴とするエポキシ樹脂粉体組成物の製
造方法が提供される。
【0007】本発明で用いる結晶性物質には、結晶性エ
ポキシ樹脂及び結晶性硬化剤が包含される。結晶性エポ
キシ樹脂を例示すると、トリグリシジルイソシアヌレー
ト(「エピコートRXE-15」、油化シェルエポキシ社製、エ
ポキシ当量103、融点120℃)、エポキシプロポキシジメ
チルベンジルアクリルアミド(「カネカレジンAXE」、鐘淵
化学工成社製、エポキシ当量270、融点100℃)、ハイド
ロキノンジグリシジルエーテル(「HQDGE」、日本化薬社
製、エポキシ当量125、融点100℃)、ビスフェノールSジ
グリシジルエーテル(日本化薬社製、「EBPS-200」、エポ
キシ当量200、融点125℃、テトラメチルビフェノールジ
グリシジルエーテル(「エピコートYX-4000、油化シェル
エポキシ社製、エポキシ当量185、融点105℃)、テトラ
メチルビフェノールジグリシジルエーテル変性物(「YL-6
074C」、油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量190、融
点93℃)、2,5-ジ-t-ブチルハイドロキノンジグリシジル
エーテル(「DTBHQ-EX」、油化シェルエポキシ社製、エポ
キシ当量202、融点132℃)、テレフタル酸ジグリシジル
エーテル等が挙げられる。結晶性硬化剤としては、例え
ば、5(2,5-ジオキソテトラヒドロフロリル)-3-メチル-3
-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物(「エピクロン
B-4400」、大日本インキ社製、融点167℃)、テトラヒド
ロ無水フタル酸(THPA)(融点100℃)、ビスフェノールA
(融点157℃)、ビスフェノールS(融点245℃)の他、有機
酸ヒドラジド、ジシアンジアミド等が挙げられる。
【0008】本発明で用いる非結晶性物質には、非結晶
性エポキシ樹脂及び非結晶性硬化剤が包含される。非結
晶性エポキシ樹脂としては、従来公知の各種のものが用
いられ、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(「エ
ピコート1001」、エポキシ当量475、Tg(ガラ
ス転移点)29℃、デュランス軟化点(以下SPと略
す:68℃、「エピコート1002」、エポキシ当量6
50、Tg:42℃、SP:83℃、「エピコート10
04」、エポキシ当量950、Tg:53℃、SP:9
8℃油化シェルエポキシ社製)、o−クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂(「エピコートE180S65」エ
ポキシ当量:200、Tg:18℃、SP:65℃、
「エピコートE180S90」エポキシ当量:220、
Tg:43℃SP:90℃)等が挙げられる。非結晶性
エポキシ樹脂は、結晶性物質と非結晶性物質との粉体特
性が損なわれない範囲の配合量で使用される限り、液体
状のものも使用出来る。非結晶性硬化剤としては、従来
公知の各種のものが使用され、例えば、フェノールノボ
ラック型樹脂(「タマノール#754」Tg:49℃、
SP:100℃、荒川化学社製)、o−クレゾールノボ
ラック型樹脂(「OCN90」Tg:40℃、SP:9
0℃、「OCN120」Tg:70℃、SP:120
℃、日本化薬社製)等が挙げられる。本発明に用いられ
る結晶性物質の融点は、好ましくは90℃以上であり、
非結晶性成分のガラス転移点は、15〜75℃であり、
しかもそのデュランス軟化点(以下、単に軟化点又はS
Pとも略記する)は50℃以上が好ましい。
【0009】本発明では、前記したエポキシ樹脂及び硬
化剤の他に、さらに、硬化促進剤や、反応性固体状有機
物、着色剤、難燃剤、フロー調整剤、充填剤等の慣用の
補助成分を併用することができる。これらのものは結晶
性又は非結晶性のものであってもよい。硬化促進剤とし
ては、例えば、イミダゾール(「キュアゾール2MZ」
融点:147℃、四国化成社製)、又は変性イミダゾー
ル(キュアゾール2MZ−AZINE」融点:248
℃、四国化成社製)、エポキシ樹脂とイミダゾールとの
予備反応物(「エピキュアP−200」、油化シェルエ
ポキシ社製、Tg:95℃)、トリフェニルフォスフィ
ン、ジアザビシクロウンデセンのフェノールノボラック
樹脂塩(「U−Cat831」サンアプロ社製)等が挙
げられる。反応性固体状有機物は、エポキシ樹脂に対し
て反応性を示し、種々の効果を示すもので、このような
ものとしては、例えば、硬化物の耐熱性向上と配合成分
のバインダー効果を向上させるために、ビスマレイミド
・トリアジン樹脂(BTレジン)(「BT-2170」、三菱瓦斯化学
社製、Tg:42℃)、硬化物の耐熱性向上と、溶融時の粘度
を低下させるために、ビスマレイミド樹脂(「MB−300
0」、三菱油化社製、融点156℃)、硬化物の接着性向上の
ために、ブチラール樹脂(「エスレックBLS」、積水化学社
製、Tg:120℃)、硬化物の耐熱性と可とう性の向上のた
めに、固形ポリオール、例えば、トリス(2-ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレート(「THEIC」、四国化成社製、融
点:135℃)等が挙げられる。フロー調整剤は、硬化物の
クレータ発生防止のために添加し、例えば、アクリル酸
エステルオリゴマー(「ニカライトXK−21」、日本
カーバイト社製)等が挙げられる。
【0010】本発明のエポキシ樹脂組成物において、結
晶性物質と非結晶性物質との配合割合は、全結晶性物質
100重量部に対し、全非結晶性物質15〜70重量部、好ま
しくは20〜60重量部の割合である。非結晶性物質の配合
割合が前記範囲より少なくなると、結晶性物質と非結晶
性物質との接合力が弱くなり、一方、前記範囲より多く
なると、溶融時粘度が高くなる等の不都合が生じる。エ
ポキシ樹脂に対する硬化剤の配合割合は、全エポキシ樹
脂のエポキシ当量あたり、官能基の当量で、0.5〜1.5当
量、好ましくは0.7〜1.2当量の割合である。硬化促進剤
は、全エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜5.0重量
部、好ましくは0.3〜3.0重量部の割合である。反応性固
体状有機物の配合割合は所望に応じて適当に選ばれる
が、一般的には、エポキシ樹脂100重量部に対し、10〜5
0重量部、好ましくは20〜40重量部の割合である。
【0011】本発明の組成物を製造するには、先ず、各
配合成分をドライブレンド法により粉体状で混合する。
この場合、配合する非結晶性物質の少なくとも1種はガ
ラス転移点が結晶性物質の融点より低くなるように選定
する。非結晶性物質のガラス転移点は、結晶性物質の融
点よりも、10℃以上低くなるように、好ましくは30℃以
上低くなるように規定するのがよい。結晶性物質の平均
粒径は、10〜150μm、好ましくは20〜100μmである。
非結晶性物質の平均粒径は、10〜150μm、好ましくは2
0〜100μmである。結晶性物質と非結晶性物質の具体的
組合せとしては、例えば、次表に示すような組合せを示
すことができる。
【0012】
【表1】
【0013】結晶性物質と非結晶性物質を粉体混合する
に際し、非結晶性物質が2種以上のものからなる場合、
それら非結晶性物質をあらかじめ溶融ブレンド法により
溶融混合し、冷却固化し、微粉砕し、この微粉砕化物を
非結晶性物質としこれを結晶性物質と粉体混合するのが
好ましい。また、結晶性物質が2種以上のものからなる
場合、その少なくとも1種を残し、他のものを非結晶性
物質と溶融混合し、冷却固化し、微粉砕し、この微粉砕
化物を非結晶性物質としこれを残りの結晶性物質と粉体
混合することもできる。この場合、非結晶性物質と溶融
混合する結晶性物質は、その非結晶性物質との溶融混合
物のガラス転移点が残りの結晶性物質の融点よりも低く
なるように選定する。前記のようにして、結晶性物質に
混合する非結晶性物質として、各配合成分の溶融混合物
からなる非結晶性物質を用いる時には、分散均一性が一
層向上し、硬化物の物性が良好となる。また、前記粉体
混合物には、エポキシ樹脂及び硬化剤の他に、結晶性又
は非結晶性の硬化促進剤や、活性水素含有固体状有機物
等の補助添加剤を含有させることができる。前記結晶性
物質と非結晶性物質の粉体混合物は、加熱処理しやすい
ように、これをブロック状や層状等の任意の形状に成形
するが、好ましくは層状に成形する。層状に成形する場
合、その粉体層の厚さは、0.1〜30mm、好ましく
は1〜5mmにするのがよい。
【0014】前記のようにして得た粉体混合物は、これ
を加熱する。加熱に際しては粉体混合物の撹拌は行なわ
ない。加熱温度は、混合物中に粒子状で存在する結晶性
物質の融点より低くかつ非結晶性物質の少なくとも一つ
の成分のガラス転移点より高い温度である。ガラス転移
点は、高分子物質の軟化開始温度であり、この温度以上
に加熱すると非結晶性物質は熱接着性を生じ始める。従
って、この温度より高い温度に加熱することにより結晶
性物質と非結晶性物質を相互に接着させることができ
る。この相互接着を大気圧下に加熱で短時間に行うに
は、非結晶性物質中のガラス転移点の一番低い成分のガ
ラス転移点より15℃以上高い温度に加熱するのが好ま
しい。これは、大気圧下での加熱では、非結晶性物質の
ガラス転移点になると接着性は生じるがガラス転移点よ
り少々高い程度の温度での接着力は小さく、相互に望む
程度まで接着させるには長時間を要するためである。ま
た、この加熱温度は、結晶性物質中の一番低い融点を有
する物質の融点より低い温度でかつ非結晶性成分中一番
低い軟化点を有する物質の軟化点未満の温度にするのが
よい。結晶性物質は他の成分と相溶して結晶性がなくな
り、結晶性物質の融点以上に加熱すると、粉体塗料にな
った場合ブロッキングの原因になる。また、非結晶性物
質の軟化点以上の加熱すると、非結晶性物質の粘度が低
くなり、混合物中の下方へ流動化する現象が生じ、結晶
性物質と非結晶性物質の均一分散がそこなわれるように
なる。
【0015】加熱方法としては、空気や窒素ガス等の熱
媒体による加熱方法や、加熱板により加熱方法等があ
る。この加熱に際しては、粉体混合物を加熱する状態に
してから加熱前あるいは加熱中にあるいは冷却時等に必
要に応じて適度の加圧条件を採用することもできる。こ
の圧力としては、2kg/cm以上あれば十分であ
る。粉体混合物を好ましく加熱するには、移動するコン
ベア上に混合物を層状に載置し、これを加熱炉中を通過
させるのがよい。前記のような粉体混合物を加熱するこ
とにより非結晶性物質は軟化して接着性を生じ、この非
結晶性物質が融点の高い結晶性物質粒子と非結晶性物質
粒子とを相互接合はもちろん、他の成分粒子とも容易に
接合する。本発明では、このような加熱状態での混合物
を室温程度まで冷却固化し、全体が一体に接合した混合
物を得る。混合物を加熱し、相互に接合させるまでの時
間は1分以上、特に2〜15分で十分であり、接合後の
冷却時間は1分以上、特に10〜15分で十分である。
加熱時間が余り長いとエポキシ樹脂と硬化剤とが硬化反
応を生起し好ましくない。
【0016】本発明においては、前記した全体が一体的
に接合した混合物は、これを粉砕する。この混合物は粉
砕性にすぐれ、通常の粉砕装置により、容易に粉砕する
ことができる。この粉砕によって生成される粒子は、粒
子状で存在する結晶性物質に非結晶性物質が接合した構
造のもので、そして、各結晶性物質粒子は、非結晶性物
質を介して相互に接合している。粉砕化物は、所望粒度
に分級し、製品とされる。本発明の粉体組成物を構成す
る粒子の平均粒径は、通常、1000〜50μm、好ま
しくは800〜60μmである。また、本発明の粉体組
成物の見掛密度は、その粒度によるが、一般的に、1g
/cm3以下、通常0.35〜0.6g/cm3である。
【0017】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂粉体組成物におい
ては、少なくとも1種の結晶性物質は粒子状で存在し、
この結晶性物質粒子に非結晶性物質が接合し、そして、
結晶性物質粒子は非結晶性物質を介して相互に接合した
構造を有するものである。このような粉体組成物では、
結晶性粒子と非結晶性粒子との接合は、非結晶性物質の
加熱軟化により生じる接着力によるものであることか
ら、従来のドライブレンド法や、圧着ブレンド法で得ら
れる粉体組成物の場合に比較して、非常に強固であり、
運搬や取扱中の外力によって結晶性物質と非結晶性物質
とが容易に分離するようなことはなく、また耐ブロッキ
ング性にもすぐれている。また、本発明のエポキシ樹脂
粉体組成物の製造方法は、粉体混合物の加熱工程を含む
が、粉体混合物を構成する粉体の一部のみを加熱により
軟化させるだけで、溶融ブレンド法のように混合物を全
体的に溶融混合させるものではないことから、熱量は少
なくてすむ上、加熱及び冷却に要する時間も短かくてす
むので非常に効率的である。また、圧着ブレンド法に比
較しても、高圧装置を必要としないことから、製造装置
の面でも本発明法は非常に有利であり、さらに、得られ
る組成物の各配合物粒子の接合力も大きいことから、運
搬及び取扱いの面、さらに粉体塗装の面でも非常にすぐ
れている。本発明のエポキシ樹脂粉体組成物は、結晶性
物質を含み、その溶融時粘度は非常に低いので、微細空
隙内への浸透性に非常にすぐれている。本発明の粉体組
成物は、流動浸漬法や、静電塗装法、スプレー法等にお
ける粉体塗料として好適のものである。また、本発明の
粉体組成物は、含浸用粉体ワニスの原料としても好適の
ものである。
【0018】(実施例)次に本発明を実施例によりさらに
詳細に説明する。なお、以下において示す融点(MP)及び
ガラス転移点(Tg)はいずれもDSC(示差熱走査熱量計)で
測定されたものである。軟化点(SP)はデュランス法
で測定されたものである。
【0019】実施例1 成分材料として、次の結晶性エポキシ樹脂、非結晶性硬
化剤、硬化促進剤(触媒)、添加物を使用した。 〈処 方〉 結晶性エポキシ樹脂(YX4000): 57.5重量部 非結晶性硬化剤(OCN90) : 23.5重量部 触媒(エピキュアP−200) : 0.8重量部 非結晶性添加物(BT−2170) : 18.2重量部 合計 :100.0重量部 前記成分をそれぞれ2mm以下の粒径に粉粉砕した。次
に、結晶性エポキシ樹脂(商品名「YX4000」、テ
トラメチルビフェノールジグリシジルエーテル、MP:
105℃、油化シェルエポキシ社製)以外の成分である
非晶性硬化剤(商品名「OCN90」、o−クレゾール
ノボラック樹脂、Tg:40℃、日本化薬社製)と、触
媒(商品名「エピキュアP−200」、イミダゾールの
ビスフェノールA型エポキシ付加物、油化シェルエポキ
シ社製)と、非結晶性添加物(商品名「BT−217
0」、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、Tg:42
℃、三菱瓦斯社製)とを前記の重量比でヘンセルミキサ
ーで混合し、これを押出機(エクストルーダー)によっ
て温度100℃で押出し、溶融ブレンドしたのち、冷却
ロールを通して冷却し、板状に成形した。さらにこの板
状物を粉砕機で2mm以下の粒子に粉砕した。この粉砕
物のTgは41℃であった。次に、この粉砕物に、結晶
性エポキシ樹脂を加えてヘンシェルミキサーを混合し、
この混合物を微粉砕機で、100メッシュパス100%
の大きさに微粉砕した。以上の工程によって、成分材料
のそれぞれがよく分散した混合物を得た。
【0020】次に、この微粉砕混合物について、下記条
件で本発明の低温半溶融ブレンド法を実施した。即ち、
先ず前記で得られた微粉砕混合物を2mmの厚さでステ
ンレス板にのせ、60℃の表面温度で10分間加熱し
た。この温度状態では、成分材料のすべてが融解してい
るわけではないが、成分材料のうち、あらかじめ溶融混
合したOCN90とエピキュアP−200とBT−21
70とからなる粒子がわずかに融解あるいは軟化してバ
インダーとなり、融点の高い(即ち60℃では固体状の
ままである)結晶性エポキシ樹脂粒子に作用して凝集物
を形成する。次に、この凝集物をさらに室温で10分間放
置し、25℃まで冷却させることで固化させた。これをさ
らに粉砕機で粉砕し、20メッシュパス100%の大きさの粉
体からなる組成物を得た。この場合、凝集物の粉砕性が
すぐれていることから、その粉砕は円滑に行うことがで
きた。また、得られた粉体組成物は、成分分離の起きに
くい粉体組成物であるため非常に使いやすいことが確認
された。
【0021】実施例2 成分材料として、次の結晶性エポキシ樹脂、非結晶性硬
化剤、触媒、添加物を使用した。 〈処 方〉 結晶性エポキシ樹脂(YX−4000) : 60.2重量部 非結晶性硬化剤(OCN 90) : 38.0重量部 触媒(エピキュアP−200) : 0.9重量部 非結晶性添加物(ニカライトXK−21) : 0.3重量部 非結晶性添加物(エスレックBLS) : 0.6重量部 合 計:100.0重量部 上記成分のうち、エポキシ樹脂以外の成分材料を、常法
の溶融ブレンド法によりブレンドした。即ち、非結晶性
硬化剤粗粉砕物と、触媒粗粉砕物と、第1の添加物(商品
名「ニカライトXK-21」、アクリル酸エステルオリゴマ
ー、日本カーバイド社製)と、第2の添加物(商品名「エス
レックBLS」、ブチラール樹脂、積水化学社製)を前記の
重量比でヘンシェルミキサーを用いて混合した。次に、
この混合物を押出機によって温度100℃で押出し、溶
融ブレンドしたのち、冷却ロールを通して冷却し、板状
に成形した。さらにこの板状物を粉砕機で2mm以下の
大きさに粉砕した。この粉砕物のTgは41℃であった。
この粉砕物に結晶性エポキシ樹脂(YX-4000)の粗粉砕物
を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、微粉砕機で100
メッシュパス100%の大きさに微粉砕した。以上の工程に
よって、成分材料のそれぞれがよく分散した混合物を得
た。次に、前記で得た微粉砕混合物について、下記のよ
うにして本発明の低温半溶融ブレンド法を適用した。即
ち、先ず前記で得られた微粉砕混合物を2mm厚さでス
テンレス板にのせ、65℃の表面温度で10分間加熱し
た。実施例1で述べたような理由により、溶融ブレンド
で作製したOCN-90を主成分とする粒子がバインダーと
して作用して凝集物を形成することができた。次いで、
この凝集物をさらに室温で10分間放置し、25℃まで冷却
させることで固化させた。これをさらに粉砕機で粉砕
し、20メッシュパス100%の大きさの粉体組成物を得た。
【0022】実施例3 成分材料として、次の非結晶性エポキシ樹脂、結晶性硬
化剤、触媒、添加物を使用した。 〈処 方〉 非結晶性エポキシ樹脂(エピコート1002) : 29.6重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコートE180S90): 29.6重量部 結晶性硬化剤(ビスフェノールA) : 17.2重量部 結晶性硬化剤(エピクロンB−4400) : 4.1重量部 触媒(エピキュアP−200) : 0.6重量部 添加物(MB−3000) : 18.6重量部 合 計:100.0重量部 先ず、上記成分のうち、第1の非結晶性エポキシ樹脂
(商品名「エピコート1002」、Tg:42℃、油化
シェルエポキシ社製)の粗粉砕物と、第2の非結晶性エ
ポキシ樹脂(商品名「エピコートE180S90」、T
g:43℃、油化シェルエポキシ社製)の粗粉砕物と、
触媒(エピキュアP−200)の粗粉砕物と、第1の結
晶性硬化剤(商品名「ビスフェノールA(BPA)」、
MP:157℃、三井東圧社製)の粉末と、第2の結晶
性硬化剤(商品名「エピクロンB−4400」、MP1
67℃、大日本インキ化学工業社製)の粉末と結晶性添
加剤(「MB−3000」、三菱油化社製)の粉末とを
前記の重量比でヘンシェルミキサーを用いて混合した。
この混合物を微粉砕機で100メッシュパス100%の
大きさに粉砕した。次に、この微粉砕混合物について、
下記のようにして本発明の低温半溶融ブレンド法を適用
した。即ち、先ず前記で得られた微粉砕混合物を2mm
の厚さでステンレス板にのせ、60℃の表面温度で10
分間加熱した。実施例1で述べたような理由により、非
結晶性エポキシ樹脂粒子がバインダーとして作用して凝
集物が形成された。この凝集物をさらに室温で10分間
放置し、25℃まで冷却させることで固化させた。これ
をさらに粉砕機で粉砕し、20メッシュパス100%の
大きさの粉体組成物を得た。
【0023】実施例4 成分材料として、次の結晶性エポキシ樹脂、非結晶性エ
ポキシ樹脂、結晶性硬化剤、非結晶性硬化剤、結晶性添
加剤、触媒を使用した。 〈処方〉 結晶性エポキシ樹脂(YX−4000) : 33.8重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコートE180S90): 11.3重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコート1002) : 11.3重量部 結晶性硬化剤(エピクロンB−4400) : 5.6重量部 結晶性硬化剤(ビスフェノールA) : 11.3重量部 非結晶性硬化剤(OCN120) : 11.8重量部 結晶性添加剤(セイク) : 14.1重量部 触媒(エピキュアP−200) : 0.8重量部 合 計:100.0重量部 先ず、上記成分のうち結晶性エポキシ樹脂(エピコート
YX−4000)の粗粉砕物と、第1の非結晶性エポキ
シ樹脂(エピコート180S90)と第2の非結晶性エ
ポキシ樹脂(エピコート1002)の粗粉砕物と、非結
晶性硬化剤(OCN120)の粗粉砕物と、触媒(エピ
キュアP−200)の粗粉砕物と、第1の結晶性硬化剤
(エピクロンB−4400)の粉末と、第2の結晶性硬
化剤(ビスフェノールA)と、結晶性添加剤(商品名
「セイク(THEIC)」、固体ポリオール、MP:1
35℃、四国化成社製)とを前記の重量比でヘンシェル
ミキサーで混合し、次に、微粉砕機で粉砕し、100メ
ッシュパス100%の大きさの微粉砕混合物を得た。次
に、この微粉砕混合物について、下記のようにして本発
明の低温半溶融ブレンド法を適用した。即ち、先ず、前
記で得られた微粉砕混合物を約2mmの厚さでステンレ
ス板にのせ、60℃の表面温度で10分間加熱した。実
施例1で述べたような理由により、非結晶性成分の粒子
がバインダーとして作用し凝集物が形成された。この凝
集物をさらに室温で10分間放置し、25℃まで冷却さ
せることで固化させた。これをさらに粉砕機で粉砕し、
20メッシュパス100%の大きさの粉体組成物を得
た。
【0024】実施例5 成分材料として、次の結晶性エポキシ樹脂、非結晶性エ
ポキシ樹脂、結晶性硬化剤、非結晶性硬化剤、添加物を
使用した。 〈処方〉 結晶性エポキシ樹脂(エピコートYX−4000) : 39.0重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコート1002) : 13.0重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコートE180S90): 13.0重量部 結晶性硬化剤(ビスフェノールA) : 13.0重量部 結晶性硬化剤(エピクロンB−4400) : 6.5重量部 非結晶性硬化剤(OCN90) : 13.6重量部 触媒(エピキュアP−200) : 1.0重量部 添加物(ニカライトXK−21) : 0.3重量部 添加物(エスレックスBLS) : 0.6重量部 合 計:100.0重量部 上記成分のうち、第1の結晶性硬化剤(ビスフェノール
A)粗粉砕物と、第2の結晶性硬化剤(エピクロンB−
4400)の粗粉砕物と、非結晶性硬化剤(OCN9
0)の粗粉砕物と、触媒(エピキュアP−200)の粗
粉砕物と、第1の添加物(ニカライトXK−21)と、
第2の添加物(エスレックスBLS:積水化学社製)と
を前記重量比でヘンシェルミキサーを用いて混合した。
次に、この混合物を押出機によって、温度120℃で押出
し、溶融ブレンドしたのち、冷却ロールを通じて冷却
し、板状に成形した。さらにこの板状物を粉砕機で2m
m以下の大きさに粉砕した。この粉砕物に結晶性エポキ
シ樹脂(エピコートYX−4000)の粗粉砕物と、第
1の非結晶性エポキシ樹脂(エピコート1002)と第
2の非結晶性エポキシ樹脂(エピコートE180S9
0)の粗粉砕物を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、
この混合物を微粉砕機で粉砕し、100メッシュパス1
00%の大きさの微粉砕混合物を得た。次に、前記で得
た微粉砕混合物について、下記のようにして本発明の低
温半溶融ブレンドを適用した。即ち、先ず前記で得られ
た微粉砕混合物を約2mmの厚さでステンレス板にの
せ、65℃の表面温度で10分間加熱した。実施例1で
述べたような理由により、非結晶性エポキ樹脂成分の粒
子と溶融ブレンドで作成した粒子がバインダーとして作
用し、凝集物が形成された。この凝集物をさらに10分
間放置し、25℃まで冷却させることで固化させた。こ
れをさらに粉砕機で粉砕し、20メッシュパス100%
の大きさの粉体組成物を得た。
【0025】比較例1 成分材料として、次の非結晶性エポキシ樹脂、非結晶性
硬化剤、触媒、添加物を使用した。 〈処 方〉 非結晶性エポキシ樹脂(エピコート1002) : 35.5重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコートE180S65): 35.5重量部 非結晶性硬化剤(OCN−120) : 27.0重量部 触媒(エピキュア−200) : 1.1重量部 添加物(ニカライトXK−21) : 0.4重量部 添加物(エスレックスBLS) : 0.7重量部 合 計:100.0重量部 上記成分のうち、エポキシ樹脂以外の成分材料を前記の
重量比でヘシェルミキサーで混合し、この混合物を押出
機により、温度100℃で溶融ブレンドしたのち、冷却
ロールを通して冷却し、板状に成形した。さらにこの板
を粉砕機で2mm以下の大きさに粉砕した。この粉砕物
のTgは76℃であった。これに各エポキシ樹脂の粗粉
砕物を加えて、ヘンシェルミキサーで混合した後、微粉
砕機で100メッシュパス100%の大きさに粉砕し
た。次に、この微粉砕混合物を2mm厚さでベルトコンベ
アにのせ、65℃の表面温度で10分間加熱した。これをさ
らに室温で10分間放置し、25℃まで冷却させることで固
化させた。さらにこれを粉砕機で粉砕し、20メッシュパ
ス100%の大きさの粉体組成物を得た。
【0026】比較例2 成分材料として、次の結晶性エポキシ樹脂、非結晶性硬
化剤、触媒、添加物を使用した。 〈処 方〉(実施例2とおなじ) 結晶性エポキシ樹脂(エピコートYX−4000): 60.2重量部 非結晶性硬化剤(OCN 90) : 38.0重量部 触媒(エピキュアP−200) : 0.9重量部 添加物(ニカライトXK−21) : 0.3重量部 添加物(エスレックスBLS) : 0.6重量部 合 計:100.0重量部 前記成分材料のうち、樹脂、硬化剤、触媒をそれぞれヘ
シェルミキサーにて粗粉砕し、2mmの大きさの粗粉砕
混合物を得た。この混合物に各添加物を前記重量比で混
合し、得られた混合物を押出機にて、60〜70℃の温
度、1分間の時間で溶融ブレンドしたのち、冷却ロール
を通して冷却し、板状に成形した。この板状物は粘着性
を有し常温では粉砕できなかった。この板を液体窒素で
約マイナス70℃に冷却して粉砕機で粉砕し、20メッ
シュパス100%の大きさの粉体を得た。
【0027】比較例3 成分材料として、次の非結晶性エポキシ樹脂、結晶性硬
化剤、触媒、添加物を使用した。 〈処 方〉 非結晶性エポキシ樹脂(エピコート1002) : 36.0重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコートE180S65): 36.0重量部 結晶性硬化剤(ビスフェノールA) : 20.9重量部 結晶性硬化剤(エピクロンB−4400) : 5.0重量部 触媒(エピキュアP−200) : 1.1重量部 添加物(ニカライトXK−21) : 0.4重量部 添加物(エスレックスBLS) : 0.7重量部 合 計:100.0重量部 前記成分材料を粉末状でヘンシェルミキサーにて混合
し、この混合物を押出機にて、90〜100℃の温度、
1分間の時間で溶融ブレンドしたのち、冷却ロールを通
して冷却し、板状に成形した。さらにこの板を約5℃に
冷却して粉砕機で粉砕し、20メッシュパス100%の
微粉砕混合物を得た。
【0028】比較例4 成分材料として、次の結晶性エポキシ樹脂、非結晶性エ
ポキシ樹脂、硬化剤、触媒、添加物を使用した。 〈処 方〉(実施例5と同じ) 結晶性エポキシ樹脂(エピコートYX−4000) : 39.0重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコート1002) : 13.0重量部 非結晶性エポキシ樹脂(エピコートE180S90): 13.0重量部 非結晶性硬化剤(OCN90) : 13.6重量部 結晶性硬化剤(ビスフェノールA) : 13.0重量部 結晶性硬化剤(エピクロンB−4400) : 6.5重量部 触媒(エピキュアP−200) : 1.0重量部 添加物(ニカライトXK−21) : 0.3重量部 添加物(エスレックスBLS) : 0.6重量部 合 計:100.0重量部 前記、成分材料を粉末状でヘンシェルミキサーにて混合
し、この混合物を押出機にて、70℃の温度、1分間の
時間で溶融ブレンドしたのち、冷却ロールを通して冷却
し、板状に成形した。さらにこの板を約マイナス70℃
に冷却して粉砕機で粉砕し、20メッシュパス100%
の粉砕混合物を得た。
【0029】比較例5 比較例4において、押出機の操作温度を90〜100℃
の温度にした以外は同様にして実験を行ない、20メッ
シュパス100%の大きさの微粉砕混合物を得た。
【0030】次に前記実施例及び比較例で得た粉体組成
物について、そのゲルタイム、流れ性、分散性、ガラス
転移点、接着強度及び耐ブロッキング性を以下のように
して測定し、その結果を表2に示す。 ゲルタイム 150℃におけるゲルタイムをJIS C 2104に
もとずいて測定した。 流れ性 あらかじめ鉄板を150℃に予熱して10°の傾斜をも
たせておく。次に、試料0.5g採取し、常法により直
径13mmのタブレットを作成して鉄板にのせ、20
分、150℃で加熱し、加熱前後のタブレット(錠剤)
がメルトして流れた長さから、流れ性を測定した。流れ
性は20以上になると良好であると判断される。 分散性 粒度分布の差によって反応性(ゲルタイム)がどの程度相
違するかを、JISC 2104にもとずいて測定し
た。 〈粒度分布〉 (A) 60メッシュパス品 (B) 40〜20メッシュパス品 (C) 20メッシュオン品 ゲルタイムの差が少ないほど分散性良好と判断し、三段
階で評価した。 ○:A〜Cの差がほとんどない △:A〜Cの差が 5以内 ×:A〜Cの差が10以内 硬化物のガラス転移温度(Tg) サーモメカニカルアナライザー(TMA)にて測定し
た。Tgは140℃以上になると良好であると判断され
る。 接着強度 接着強度は180kg/cm2以上になると良好であると判断
される。 ,に用いた硬化物の硬化条件は180℃×30分と
した。 耐ブロッキング性 50gの粉体試料をカップにとり、40℃の恒温槽の中
に3時間入れたのち取り出して、ブロッキングの状況を
調べた。 ○:まったく塊状物がないもの △:塊状物があるが指で簡単にほぐれるもの ×:かたい塊状物となっているもの
【0031】
【表2】
【0032】表2に示した結果から、本発明による実施
例1〜実施例5により得られた粉体組成物は粉体塗料とし
て良好な性能を有することがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 勝治 東京都中央区銀座四丁目11番2号 ソマ ール株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−152761(JP,A) 特開 昭50−28532(JP,A) 特開 昭56−139563(JP,A) 特開 昭57−164117(JP,A) 特公 昭50−2163(JP,B1) 特公 昭50−5214(JP,B1)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の結晶性物質と少なくと
    も1種の非結晶性物質からなり、該結晶性物質の少なく
    とも1種は粒子状で存在し、該非結晶性物質の少なくと
    も1種は該粒子状で存在する結晶性物質の融点より低い
    ガラス転移点を有し、該粒子状で存在する結晶性物質は
    該非結晶性物質に対し、該非結晶性物質の加熱により生
    じた接着力で接合し、かつ前記結晶性物質と非結晶性物
    質との組合せは少なくとも1種のエポキシ樹脂と少なく
    とも1種の硬化剤を含むことを特徴とするエポキシ樹脂
    粉体組成物。
  2. 【請求項2】 該結晶性物質が結晶性エポキシ樹脂から
    なり、該非晶性物質が非結晶性硬化剤からなる請求項1
    の組成物。
  3. 【請求項3】 該結晶性物質が結晶性エポキシ樹脂と結
    晶性硬化剤からなり、該非結晶性物質が非結晶性硬化剤
    からなる請求項1の組成物。
  4. 【請求項4】 該結晶性物質が結晶性エポキシ樹脂から
    なり、該非結晶性物質が非結晶性エポキシ樹脂と非結晶
    性硬化剤からなる請求項1の組成物。
  5. 【請求項5】 該結晶性物質が結晶性エポキシ樹脂と結
    晶性硬化剤からなり、該非結晶性物質が非結晶性エポキ
    シ樹脂からなる請求項1の組成物。
  6. 【請求項6】 該結晶性物質が結晶性硬化剤からなり、
    該非結晶性物質が非結晶性エポキシ樹脂からなる請求項
    1の組成物。
  7. 【請求項7】 該結晶性物質が結晶性硬化剤からなり、
    該非結晶性物質が非結晶性エポキシ樹脂と非結晶性硬化
    剤からなる請求項1の組成物。
  8. 【請求項8】 該結晶性物質が結晶性エポキシ樹脂と結
    晶性硬化剤からなり、非結晶性物質が非結晶性エポキシ
    樹脂と非結晶性硬化剤からなる請求項1の組成物。
  9. 【請求項9】 該非結晶性物質が2種以上の非結晶性物
    質の溶融混合物からなる請求項1の組成物。
  10. 【請求項10】 該非結晶性物質が結晶性物質と非結晶
    性物質の溶融混合物からなる請求項1の組成物。
  11. 【請求項11】 硬化促進剤を含む請求項1〜10のいず
    れかの組成物。
  12. 【請求項12】 反応性の結晶性又は非結晶性固体状有
    機物を含む請求項1〜11のいずれかの組成物。
  13. 【請求項13】 結晶性物質100重量部に対する非結晶
    性物質の割合が15〜70重量部である請求項1〜12のいず
    れかの組成物。
  14. 【請求項14】 少なくとも1種の結晶性物質と少なく
    とも1種の非結晶性物質とからなり、該非結晶性物質の
    少なくとも1種は該結晶性物質の融点より低いガラス転
    移点を有し、かつ前記結晶性物質と非結晶性物質との組
    合せは少なくとも1種のエポキシ樹脂と少なくとも1種
    の硬化剤を含みドライブレンドして得られた粉体混合物
    を、該結晶性物質の少なくとも1種の融点より低い温度
    で該非結晶性物質の少なくとも1種のガラス転移点より
    高い温度で、非撹拌下に加熱した後、冷却固化し、次い
    で得られた固化物を粉砕することを特徴とするエポキシ
    樹脂粉体組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 該結晶性物質中で一番低い融点の成分
    の融点より低い温度でかつ該非結晶性物質中で一番低い
    ガラス転移点の成分のガラス転移点より少なくとも15
    ℃高い温度でしかもデュランス軟化点より低い温度で加
    熱した後、冷却固化し、次いで得られた固化物を粉砕す
    ることを特徴とする請求項14のエポキシ樹脂粉体組成
    物の製造方法。
  16. 【請求項16】 該非結晶性物質が2種以上の非結晶性
    物質の溶融混合物からなる請求項14又は15の方法。
  17. 【請求項17】 該非結晶性物質が結晶性物質と非結晶
    性物質の溶融混合物からなる請求項14又は15の方
    法。
  18. 【請求項18】 該粉体混合物が層状に形成されている
    請求項14〜17のいずれかの方法。
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