JP2544431B2 - 物体の密度等の測定方法と装置 - Google Patents

物体の密度等の測定方法と装置

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JP2544431B2 JP63051502A JP5150288A JP2544431B2 JP 2544431 B2 JP2544431 B2 JP 2544431B2 JP 63051502 A JP63051502 A JP 63051502A JP 5150288 A JP5150288 A JP 5150288A JP 2544431 B2 JP2544431 B2 JP 2544431B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は放射線を利用し非破壊的に物体内の密度およ
び密度分布を測定する方法および装置に係り、特に厚さ
方向に密度差が存在する板状物体内の密度を測定するの
に好適な密度および密度分布測定方法に関する。
〔従来の技術〕
厚さ方向にのみ密度差が存在する板状物体内の密度分
布を測定するには、アイ・イー・イー・イー,トランザ
クシヨン オン ニユークリア サイエンス,エヌ エ
ス−30,2(1983年)第1680頁から第1684頁(IEEE,Tran
s.Nucl.Sci.,NS−30,No.2(1983)pp 1680−1684)に
おいて論じられているような散乱γ線を利用してコンク
リート建造物中の欠陥を検出する方法の適用が考えられ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来技術は単に欠陥の有無を検知
するものであり物体内の密度を定量的に評価する点につ
いての配慮がなされておらず、厚さ方向にのみ密度差の
存在する板状物体内の密度分布を定量的に測定する方法
に上記従来技術を適用した場合、データ処理が複雑にな
り、かつ、深い位置ほど密度の測定誤差が大きくなつて
しまうという問題点があつた。
尚、散乱放射線を利用した密度分布測定装置として
は、特開昭56−74644号公報に記載のものがある。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、厚さ方向にのみ
密度差の存在する板状物体内の密度および密度分布を簡
単に、そして精度良く測定する方法および装置を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、γ線源からコリメートして物体に放出し
た一次γ線の入射角の一次γ線が物体内で散乱した散乱
γ線をコリメートした放射線検出器で検出するときの検
出角を、一次γ線に対する物体の線吸収係数と散乱γ線
に対する物体の線吸収係数の比が該入射角の余弦と該検
出角の余弦の比に等しくするような体系で測定すること
により達成される。
即ち、本発明は、γ線源からコリメートしたγ線(一
次γ線)を板状の被測定物体に照射し、この被測定物体
に対してγ線源が位置する側とは反対側に設けられた少
なくとも一つの放射線検出器により、被測定物体の測定
領域においてコンプトン散乱した散乱γ線と、被測定物
体の透過した一次γ線とを検出して物体内部の密度を測
定するようにするとともに、γ線の線吸収係数と、γ線
透過パスが板状の被測定物体の厚み方向となす角度の余
弦との比で定義されるγ線の実効線吸収係数を、一次γ
線と散乱γ線とで等しくなるように、γ線の照射方向と
散乱γ線の検出方向を規定することにより前記目的を達
成するものである。
また、一次γ線の物体への入射方向と、散乱γ線の検
出方向をそれぞれ一定にするとともに、γ線源と放射線
検出器とを一定間隔を保持して上下動させることによつ
て板状物体の厚み方向の密度分布を測定することができ
る。
板状物体の厚み方向の密度分布の測定する他の方法と
しては、板状物体の厚さ方向の測定領域の位置変化に応
じて、一次γ線の物体への入射方向と散乱γ線の検出方
向とをそれぞれ変化させることにより行う方法がある。
また、内部に溶融状態の金属がある板状物体の温度分
布を上記密度測定方法を用いることによつて求めること
もできる。
また、密度測定装置としては、次のような構成とする
ことにより前記目的を達成することができる。
即ち、本発明の装置は、板状の被測定物体の一方の面
側に配置されたコリメータ付きγ線源と、被測定物体の
他方の面側に配置され、被測定物体の測定領域において
γ線源から照射されたγ線(一次γ線)により発生した
散乱γ線と、被測定物体を透過した一次γ線を検出する
少なくとも1つのコリメータ付き放射線検出器とを備え
た物体の密度測定装置であつて、γ線源か被測定物体へ
γ線(一次γ線)を入射させる方向と放射線検出器のう
ち測定領域において発生した散乱γ線を検出する方向と
を、γ線の線吸収係数と、γ線透過パスが板状の被測定
物体の厚さ方向となす角度との比で定義されるγ線の実
効線吸収係数を、被測定物体に照射する一次γ線とコン
プトン散乱した散乱γ線とで等しくなるように設定し、
放射線検出器で検出された散乱γ線の強度と、放射線検
出器で検出された透過一次γ線強度により求められる一
次γ線の物体内での減衰(一次γ線の物体の測定領域ま
での減衰と散乱γ線の物体の測定領域からの減衰として
把えた一次γ線の物体内での減衰)に基づき物体の密度
を計算する装置と、この計算した密度を出力する装置と
を備えるものである。
γ線の検出手段としては、散乱γ線と透過一次γ線を
同一のコリメータ付き放射線検出器で検出するととも
に、該散乱γ線と透過一次γ線を区別するための波高分
析装置を設けることが考えられる。また、散乱γ線と透
過一次γ線を別々のコリメータ付き放射線検出器で検出
するようにしても良い。
また、γ線源のコリメータと放射線検出器のコリメー
タを次のように構成することが有効である。即ち、γ線
源のコリメータは、一次γ線がコーン状に放射するよう
にした部分と、一次γ線が該コーンの中心部を通り放射
するようにした部分を有するように構成し、放射線検出
器のコリメータはγ線源からのコーン状の一次γ線によ
り測定領域で発生した散乱γ線をコーン状にコリメート
して検出する部分と、γ線源のコリメータのコーン中心
部からの物体を透過した一次γ線を検出する部分を有す
るように構成する。この場合、散乱γ線と透過一次γ線
を同一の放射線検出器で検出するとともに、この散乱γ
線と透過一次γ線を区別する波高分析装置と、透過一次
γ線の検出値に基づきコーン状に放射され物体を透過し
た一次γ線の減衰を求める手段を設ける。
また、上記のγ線源のコリメータは、一次γ線がコー
ン状の中心部を通るようにした部分へ遮へい体を設ける
ようにしても良い。
また、上述の散乱γ線と透過一次γ線を同一の放射線
検出器で検出するのに代えて、コーン状にコリメートさ
れた散乱γ線を検出する円環状の放射線検出器と、該円
環状の放射線検出器の内側に遮へい体を介して設けられ
た透過一次γ線を検出する円柱状の放射線検出器とによ
り別々に検出するようにしても良い。
また、密度分布を求めるために、γ線源と放射線検出
器とを一定間隔で保持し、該γ線源と放射線検出器とを
前記物体の厚さ方向に移動させる装置を設けることが有
効である。
〔作用〕
本発明の原理を第1図に従つて以下に説明する。
試料(物体)10は厚さ方向(x)にのみ密度差のある
板状とする。γ線源20から放出されたエネルギーE0の一
次γ線22は入射角23(θ)で試料10に入射する。放射
線検出器30aは一次γ線22が深さxの測定領域11でコン
プトン散乱角34()で散乱したエネルギーE1の散乱γ
線32を検出角33(θ)で検出する。このとき、放射線
検出器30aで検出するエネルギーE1の散乱γ線32の強度I
1(E1,x)は次式で表わせる。
ここに、 I0(E0,x):測定領域11におけるエネルギーE0の一次γ
線強度 μ(E,x):エネルギーEのγ線に対する深さxにおけ
る試料10の線吸収係数 f(E0,,x):エネルギーE0の一次γ線が測定領域11
内の1個の電子に衝突し散乱角でコンプトン散乱し、
放射線検出器30aを見込む立体角内に放出される確率 ρ(x):測定領域11内の電子密度 L:試料10の厚さ ここで、試料10の全領域にわたつて、 が成立するとき(尚、 を実効線吸収係数と定義する)、(1)式は次式のよう
になる。
(3)式において、 は、一次γ線の試料10内での減衰を示したものであり、
第1図に示す別の放射線検出器30bでエネルギーE0の一
次γ線22を検出することにより求めることができる。し
たがつて、(3)式は次のように整理できる。
ここに、 (4)式において、I0(E0,x)とf(E0,,x)は試
料10の種類には依存せず、測定体系が決まれば計算で評
価可能である。電子密度ρ(x)は試料10の密度分布
ρ(x)に密接し関連しており、例えば試料10が全て同
一物質で構成されており厚さ方向にその密度だけが異な
るものである場合には、ρ(x)に原子番号に応じた
係数を掛ければρ(x)になる。すなわち、(4)式か
ら試料10の厚さ方向の密度分布を求めることができる。
また、(4)式のJ1(E0)は深さxには依存しないの
で、密度の測定誤差は単に放射線検出器30aの測定値I1
(E1,x)の統計誤差に依存するだけであり、深さxに直
接に依存するという不都合は生じない。
次に、(2)式に表す条件について述べる。線吸収係
数は、あるエネルギー以上のγ線に対しては近似的に次
式で表わすことができる。
μ(E,x)≒σ(E)ρ(x) …(5) ここに、σ(E)はエネルギーEのγ線に対する単
位電子密度当りのコンプトン散乱断面積であり、物質の
種類には依存しない。したがつて、(5)式の関係を用
いると(2)式は次のように書き換えることができる。
また、コンプトン散乱の法則と幾何学的な条件より、 θ=+θ …(8) が成立する。ここに、m0は電子の静止質量である。
(6)式は深さxに依存しないので、(7),(8)式
から(6)を満足するθとθすなわちを容易に求
めることができる。第2図は、例として、60C0の放出す
る1.33MeVのγ線を一次γ線としたときの(すなわち
θ)とθの関係を求めたものである。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。
20と21はγ線源(例えば60C0)とそのコリメータ(例
えば鉛)であり、γ線源20から放出されるエネルギーE0
の一次γ線22が試料10(厚さ方向にのみ密度差の存在す
る板状であり、その厚さはLである)に入射角23
(θ)で入射するように設置されている。30aと31aは
放射線検出器(例えばNaI(Tl)シンチレータと図示さ
れていないが光電子増倍管よりなる)とそのコリメータ
であり、一次γ線22が試料10中の測定しようとする特定
の深さxの測定領域11において散乱角34()でコンプ
トン散乱したエネルギーE1の散乱γ線32だけを検出でき
るように設置されている。33は散乱γ線32の検出角θ
である。このとき、一次γ線22の入射角23(θ)と散
乱γ線の検出角33(θ)は(6)式の関係を満足する
ように設置されている。また、30bと31bは30a,31bと同
様に放射線検出器とコリメータであり、γ線源20から放
出され試料10を透過してきたエネルギーE0の一次γ線の
みを検出できるように設置されている。
散乱γ線用放射線検出器30aの出力は40aの散乱γ線計
数装置で予め設定された一定時間エネルギーE1の散乱γ
線を計数し、これは、測定領域11の位置xの強度
((4)式に示すI1(E1,x))として記憶装置50に蓄え
られる。一方、一次γ線用放射線検出器の出力は40bの
一次γ線計数装置において放射線検出器30aで散乱γ線
を測定している時間、エネルギーE0の一次γ線を計数
し、(4)式に示すJ1(E0)の値として密度演算装置60
に送られる。密度演算装置60では、記憶装置50に蓄えて
ある散乱γ線強度I1(E1,x)と一次γ線の透過強度J
1(E0)の値から、(4)式に基づいて密度を演算す
る。(4)式におけるI0(E0,x)とf(E0,,x)は予
め評価され密度演算装置60に組み込まれている。70は密
度演算装置60の結果を出力する出力装置であり、例えば
CRTあるいは印字装置である。
試料10は厚さ方向にのみ密度分布が存在すると仮定し
たが、本実施例では、一次γ線及び散乱γ線の試料10中
の透過領域内でこの仮定が成立すれば良く、比較的狭い
平面領域内の厚さ方向の任意の一点の密度を測定するこ
とができる。
次に、本発明の別の実施例を第3図により以下に説明
する。
25はγ線源20のコリメータであり、試料10に対してエ
ネルギーE0の一次γ線22のコーン状に放射するように作
られている。35は試料10中の円環状の測定領域11中で一
次γ線がコンプトン散乱された散乱γ線32を測定するた
めのコリメータであり、コリメータ開口部はコリメータ
25と同様にコーン状である。また、コリメータ25,35
は、γ線源20から放出され試料10を通過してきた一次γ
線22を測定できるような開口部を有している。30は放射
線検出器、41は波高分析装置であり、エネルギーE0の一
次γ線22とエネルギーEの散乱γ線32を区別してそれぞ
れ、43,42の一次γ線計数装置と散乱γ線計数装置に信
号を送る。他の符号は、第1図と同様である。この場合
も、第1図に示した実施例と同様に、一次γ線22の入射
角23(θ)と散乱γ線32の検出角33(θ)すなわち
コンプトン散乱角()は、(6)式の関係を満足する
ように設置されている。
放射線計測値から密度を求める方法は、第1図に示し
た実施例と同様であるが、一次γ線の試料10内での減衰
を示す(4)式のJ1(E0)の評価方法が異なる。(4)
式のJ1(E0)の関係式は、 であり、本実施例で直接に求められるのは、 である。したがつて、 として、J1(E0)を求める。
本実施例では、測定領域11は円環状であり放射線検出
器に入射する散乱γ線の強度が大きくなり、測定時間を
短縮することができる。
第4図は、第3図に示した実施例のうちγ線源側のコ
リメータに関する別の実施例である。
100は一次γ線の第3図に示す試料10中での減衰を測
定するための開口部に設けた遮へい体である。本実施例
では、第3図の放射線検出器30に入射する一次γ線の強
度は、散乱γ線の強度と同程度になり、放射線検出器30
での散乱γ線強度の測定誤差が小さくなり、密度の測定
精度が向上する。本実施例の効果は、遮へい体100を放
射線検出器側のコリメータに取り付けても同じである。
第5図は、第3図に示した実施例のうち検出器に関す
る別の実施例である。
30b′は第3図に示す一次γ線22を検出する円柱状の
放射線検出器、30a′は同様に散乱γ線32を検出する円
環状の放射線検出器、30cは一次γ線22が放射線検出器3
0a′に、散乱γ線32が放射線検出器30b′に検知される
ことを防ぐための遮へいであり、円環状である。放射線
検出器30a′,30b′は例えばNaI(Tl)シンチレータで作
製することができる。
放射線検出器30a′,30b′の出力のデータ処理は、第
1図と同様である。
本実施例では、一次γ線と散乱γ線をそれぞれ別の放
射線検出器で検知するので、該検出器内での一次γ線と
散乱γ線の相互作用がなくなる。したがつて、両者を高
計数率でしかも高精度で測定可能であり、密度の測定精
度が向上しかつ測定時間を短縮できる。
第6図は、本発明の別の実施例を示す図である。
200は、γ線源とコリメータからなる外部線源部であ
り、第1図の実施例においては20と21、第3図の実施例
においては20と25とより構成される。300は、放射線検
出器とコリメータからなる放射線検出部であり、第1図
の実施例においては30a,31a,30b,31b、第3図の実施例
においては30と35から構成される。210は外部線源部200
と放射検出部300とを一体として支持する支持具、220は
スクリユー、230は電動機である。240は距離検出器、25
0は深さ演算機である。他の符号は、第1図及び第3図
と同じである。
本実施例の動作を次に説明する。試料10中の測定領域
11の位置xは、電動機230と支持具220を介して外部線源
部200と放射線検出部300とが一体となり試料10に対して
上下に移動することで変化する。このとき、測定領域11
の位置xは、距離検出器240で測定した距離yの信号を
受けて、深さ演算機250で確定できる。すなわち、 x=a−y ここに、aは外部線深部200と測定領域11までの距離
であり幾何学的配置により一義的に決まる量である。深
さ演算機250の出力は第1図に示す記憶装置に入力す
る。このとき、記憶装置50では、深さxの強度として、
散乱γ線の強度を記憶する。
深さxに対する密度の演算は、第1図の実施例と同様
である。
本実施例によれば、試料中の深さ方向の任意の深さに
おける密度を、すなわち、密度分布を測定できる。ま
た、板状試料の厚さが不明のものに対しても適用するこ
とができる。
第7図は、放射線検出器として別のものを使用した場
合の本発明の実施例を示す図である。
310は、非常にエネルギー分解能の高い、しかも検出
器内での散乱γ線の影響が無視出来る程度に小さく、ま
た、形状の小さい放射線検出器である。他の符号は、第
1図,第3図と同じである。本実施例においても、一次
γ線と散乱γ線の強度測定値から密度を演算する方法は
第1図及び第3図に示したものと同様である。したがつ
て、一次γ線と散乱γ線の強度測定方法を以下に説明す
る。
放射線検出器310の出力は、エネルギー分解能が高
く、しかも該検出器内での散乱γ線の影響は非常に小さ
いので、第8図に示すようになる。E0は一次γ線22のエ
ネルギー、E1は該一次γ線22がコンプトン散乱角34
()で散乱された後の散乱γ線32のエネルギーであ
る。ここにおいて、一次γ線22は、γ線源側のコーン状
コリメータ25によりコーン状に放射されているので、測
定体系が決まれば、エネルギーE1は、一義的に測定領域
11の深さxに対応している。したがつて、(6),
(7),(8)式を満足するコンプトン散乱角34()
に対応するエネルギーE1のみを測定すれば、その値が、
深さxに対応する散乱γ線の強度になる。一方、一次γ
線の強度は、エネルギーE0を測定すれば、それが一次γ
線の強度になる。
本実施例では、放射線検出器側のコリメータが不要で
あるから、放射線検出器を試料に近づけることができる
ので、散乱γ線の計数率を高くすることができる。した
がつて、測定時間を短縮できる。
尚、上述の密度および密度分布測定方法は、温度分布
の測定方法として有効である。
板状の物体として内部に溶融状態の金属が存在する場
合、密度は金属が溶融状態にある時は小さく、金属が固
まつている状態では大きい。即ち、密度は温度に比例す
ることになる。従つて、上述の密度測定方法を利用する
ことによつて、板状の物体内の温度を計測することがで
きる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、物体内のある位置で散乱した散乱γ
線強度の測定値が一義的にその位置の密度に対応するの
で、厚さ方向にのみ密度差の存在する板状物体内の密度
及び密度分布を簡単なデータ処理でしかも精度良く測定
できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例を示す図、第2図は本発明に
おけるコンプトン散乱角と一次γ線の入射角の関係の例
を示す図、第3図は本発明の別の実施例を示す図、第4
図は第3図に示す実施例のうちγ線源コリメータの別の
実施例を示す図、第5図は第3図に示す実施例のうち放
射線検出器の別の実施例を示す図、第6図は測定領域の
深さを任意に変えることのできる本発明の別の実施例を
示す図、第7図は放射線検出器について別の実施例を示
す図、第8図は第7図に示す放射線検出器によるγ線の
検出例を示す図である。 10……試料、11……測定領域、20……γ線源、21,25…
…コリメータ、22……一次γ線、23……一次γ線の入射
角、30,30a,30b……放射線検出器、31a,31b,35……コリ
メータ、33……散乱γ線の検出角、34……コンプトン散
乱角、40a,42……散乱γ線計数装置、40b,43……一次γ
線計数装置、50……記憶装置、60……密度演算装置、70
……表示装置、240……距離検出器、250……深さ演算
器、230……電動機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出海 滋 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 矢葺 隆 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】γ線源からコリメートした一次γ線を同一
    物質で構成され厚さ方向にのみその密度が異なる板状の
    被測定物体に照射し、 上記被測定物体に対して上記γ線源が位置する側とは反
    対側に設けられた少なくとも一つの放射線検出器によ
    り、上記被測定物体の測定領域においてコンプトン散乱
    した散乱γ線と、上記被測定物体の透過した上記一次γ
    線とを検出して物体内部の上記測定領域の密度を測定す
    る方法があって、 γ線の線吸収係数と、γ線透過パスが上記板状の被測定
    物体の厚み方向となす角度の余弦との比で定義されるγ
    線の実効線吸収係数を、上記一次γ線と上記散乱γ線と
    で等しくなるように、上記γ線の照射方向と上記散乱γ
    線の検出方向を設定し、上記散乱γ線と一次γ線とを測
    定することを特徴する物体の密度測定方法。
  2. 【請求項2】γ線源からコリメートした一次γ線を同一
    物質で構成され厚さ方向にのみその密度が異なる板状物
    体に照射し、 上記物体に対して上記γ線源が位置する側とは反対側に
    設けられた放射線検出器により、上記物体の測定領域に
    おいてコンプトン散乱した散乱γ線と、上記物体の透過
    した上記一次γ線とを検出して物体内部の密度を測定す
    る方法であって、 を満たす条件下において、下式に基づいて電子密度を求
    め該電子密度に上記物質を構成する物質に応じた係数を
    乗じて、上記物質の測定領域における密度を測定する物
    体の密度測定方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、 とした時に、 に代えて、 を満たすようにする密度測定方法。
  4. 【請求項4】放射線源からコリメートした一次放射線を
    同一物質で構成され厚さ方向にのみその密度が異なる板
    状の物体に照射し、該一次放射線により発生した散乱放
    射線をコリメートして検出することにより物体内の密度
    を測定する方法において、 前記散乱放射線を、物体に対して放射線源が位置する側
    とは反対側において検出するようにするとともに、 放射線の線吸収係数と、放射線透過パスが上記板状の物
    体の厚み方向となす角度を余弦との比で定義される放射
    線の実効線吸収係数を、上記一次放射線と上記散乱放射
    線とで等しくなるように、上記放射線の照射方向と上記
    散乱放射線の検出方向を設定し、 前記物体を透過した一次放射線強度から求めた前記一次
    放射線の物体内での減衰を、前記一次放射線の物体の測
    定領域までの減衰及び前記散乱放射線の物体を測定領域
    からの減衰として把えて物体の測定領域の密度を求める
    ことを特徴とする物体の密度測定方法。
  5. 【請求項5】同一物質で構成され厚さ方向にのみ密度が
    異なる板状の被測定物体の一方の面側に配置されたコリ
    メータ付きγ線源と、 上記被測定物体の他方の面側に配置され、上記被測定物
    体の測定領域において上記γ線源から照射された一次γ
    線により発生した散乱γ線と、上記被測定物体を透過し
    た一次γ線を検出する少なくとも1つのコリメータ付き
    放射線検出器とを備えた物体の密度測定装置であって、 前記γ線源から被測定物体へγ線を入射させる方向と前
    記放射線検出器のうち測定領域において発生した散乱γ
    線を検出する方向とを、γ線の線吸収係数と、γ線透過
    バスが上記板状の被測定物体の厚さ方向となす角度の余
    弦との比で定義されるγ線の実効線吸収係数を、被測定
    物体に照射する一次γ線とコンプトン散乱した散乱γ線
    とで等しくなるように上記γ線源側コリメータの入射角
    及び検出器側コリメータの検出角を設定し、 前記放射線検出器で検出された散乱γ線の強度と、前記
    放射線検出器で検出された透過一次γ線強度により求め
    られる前記一次γ線の入射部から前記物体の測定領域ま
    での減衰と前記散乱γ線の前記物体の測定領域から出射
    部までの減衰として把えた一次γ線の物体内での減衰に
    基づき物体の密度を計算する装置と、 該計算した密度を出力する装置とを備えた物体の密度測
    定装置。
  6. 【請求項6】同一物質で構成され厚さ方向にのみ密度が
    異なる板状の被測定物体の一方の面側に配置されたコリ
    メータ付きγ線源と、 上記被測定物体の他方の面側に配置され、上記被測定物
    体の測定領域において上記γ線源から照射された一次γ
    線により発生した散乱γ線と、上記被測定物体を透過し
    た一次γ線を検出する少なくとも1つのコリメータ付き
    放射線検出器とを備えた物体の密度測定装置であって、 前記γ線源から被測定物体へ一次γ線を入射させる方向
    と前記放射線検出器のうち測定領域において発生した散
    乱γ線を検出する方向とを、一次γ線に対する単位電子
    密度当りの全コンプトン散乱断面積と一次γ線透過パス
    が物体の厚さ方向となす角度の余弦との比と、散乱γ線
    に対する単位電子密度当りの全コンプトン散乱断面積と
    散乱γ線透過パスが物体の厚さ方向となす角度の余弦と
    の比を等しくなるように上記γ線側コリメータの入射角
    及び検出基側コリメータの検出角を設定し、前記放射線
    検出器で検出された散乱γ線の強度と、前記放射線検出
    器で検出された透過一次γ線強度により求められる前記
    一次γ線の前記物体の測定領域までの減衰と前記散乱γ
    線の前記物体の測定領域からの減衰として把えた一次γ
    線の物体内での減衰に基づき物体の密度を計算する装置
    と、 該計算した密度を出力する装置とを備えた物体の密度測
    定装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6において、 前記散乱γ線と透過一次γ線を同一のコリメータ付き放
    射線検出器で検出するとともに、該散乱γ線と透過一次
    γ線を区別するための波高分析装置を備えた物体の密度
    測定装置。
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