JP2544224B2 - 脱臭粒剤並びにその製造方法 - Google Patents

脱臭粒剤並びにその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 《発明の目的》 <産業上の利用分野> 本発明はアンモニア、硫化水素等の悪臭ガスの臭気を
除去する脱臭微粉末剤を更に使用しやすい形態に加工し
た脱臭粒剤並びにその製造方法に関するものである。
<発明の背景> 近年、酸化亜鉛と二酸化チタンとを脱臭成分として含
む脱臭剤(特開昭63−54935号参照)が、その強力な脱
臭性能が評価されて種々の分野において使用されてい
る。このような脱臭剤に代表されるような脱臭微粉末剤
は、ミクロンないしサブミクロンオーダーの微粒子であ
るため、そのままの状態で使用すると飛散してしまう。
そこで、このものを使用するに際しては、ポリビニール
アルコール等のバインダーを用いて、紙、繊維、発泡体
等に担持させて使用していた。しかしながら、このよう
な方法で使用する場合には、バインダーの粘性または粘
着性のため造粒し難く、またポリビニールアルコールの
膜はガス透過性が悪いため、被膜層を通して脱臭が行わ
れる分、脱臭機能が低下していた。このようなことか
ら、例えば脱臭微粉末剤をシート状のものに担持させた
後、これを活性種存在雰囲気下に晒してその表面を粗く
する方法や、脱臭微粉末剤を分散させて高粘度水溶液と
し、このものから造粒する方法などの工夫がなされてい
る。しかし前者の方法では、シート状にする過程で多く
の脱臭微粉末剤を含有させることができず、従って必ず
しも脱臭性能の高いものが得られない。また後者の方法
では水が分散媒であるためにバインダー機能が得られ
ず、造粒されたものは指で潰すと粉々になってしまう程
度の必ずしも強度のあるものではなかった。
<開発を試みた技術的事項> 本発明はこのような背景に鑑みなされたものであっ
て、水溶性アルギン酸塩が、ある種の金属塩水溶液や酸
あるいはアルコール中で不溶性の膜を形成することに着
目し、この性質を利用して脱臭微粉末剤をその脱臭能力
を低下させることなく粒剤化する技術の開発を試みると
ともに、合わせてこの粒剤化された脱臭剤が一層商品
性、市場性を有するような脱臭粒剤の開発を試みたもの
である。
《発明の構成》 <目的達成の手段> 即ち、本出願に係る第一の発明たる脱臭粒剤は、脱臭
微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液中に混合して混合
液とし、この混合液を多価金属イオンとなり得る金属塩
水溶液に連続的にまたは非連続的に分散することにより
少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成し、更に
この中間生成物を誘電加熱により自己発熱させる内部加
熱、またはこれと併用して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠
赤外線等を熱源とした外部加熱により乾燥することによ
り得られることを特徴として成るものである。
また本出願に係る第二の発明たる脱臭粒剤は、脱臭微
粉末剤を、多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液に混
合して混合液とし、この混合液を水溶性アルギン酸塩水
溶液中に連続的にまたは非連続的に分散することにより
少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成し、更に
この中間生成物を誘電加熱により自己発熱させる内部加
熱、またはこれと併用して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠
赤外線等を熱源とした外部加熱により乾燥することによ
り得られることを特徴として成るものである。
更にまた本出願に係る第三の発明たる脱臭粒剤は、白
色の脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液中に混合
して混合液とし、この混合液を多価金属イオンとなり得
る金属塩水溶液に連続的にまたは非連続的に分散するこ
とにより少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成
し、更にこの中間生成物を乾燥後、焼成することにより
前記多価金属イオンの固有の色を発現させ、これにより
着色を施すようにしたことを特徴として成るものであ
る。
更にまた本出願に係る第四の発明たる脱臭粒剤は、白
色の脱臭微粉末剤を多価金属イオンとなり得る金属塩水
溶液に混合して混合液とし、この混合液を水溶性アルギ
ン酸塩水溶液中に連続的にまたは非連続的に分散するこ
とにより少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成
し、更にこの中間生成物を乾燥後、焼成することにより
前記多価金属イオンの固有の色を発現させ、これにより
着色を施すようにしたことを特徴として成るものであ
る。
更にまた本出願に係る第五の発明たる脱臭粒剤は、脱
臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液中に混合して混
合液とし、この混合液を酸に対して連続的にまたは非連
続的に分散して得られる少なくとも表面が不溶化した中
間生成物を生成し、更にこの中間生成物を誘電加熱によ
り自己発熱させる内部加熱、またはこれと併用して燃焼
熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とした外部加熱
により乾燥することにより得られることを特徴として成
るものである。
更にまた本出願に係る第六の発明たる脱臭粒剤は、脱
臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液中に混合して混
合液とし、この混合液をアルコールに対して連続的にま
たは非連続的に分散して得られる少なくとも表面が不溶
化した中間生成物を生成し、更にこの中間生成物を誘電
加熱により自己発熱させる内部加熱、またはこれと併用
して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とした
外部加熱により乾燥することにより得られることを特徴
として成るものである。
更にまた本出願に係る第七の発明たる脱臭粒剤の製造
方法は、脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液中に
混合して混合液とし、この混合液を多価金属イオンとな
り得る金属塩水溶液に連続的にまたは非連続的に分散す
ることにより少なくとも表面が不溶化した中間生成物を
生成し、更にこの中間生成物を誘電加熱により自己発熱
させる内部加熱、またはこれと併用して燃焼熱、抵抗
熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とした外部加熱により乾
燥することを特徴として成るものである。
更にまた本出願に係る第八の発明たる脱臭粒剤の製造
方法は、脱臭微粉末剤を、多価金属イオンとなり得る金
属塩水溶液に混合して混合液とし、この混合液を水溶性
アルギン酸塩水溶液中に連続的にまたは非連続的に分散
することにより少なくとも表面が不溶化した中間生成物
を生成し、更にこの中間生成物を誘電加熱により自己発
熱させる内部加熱、またはこれと併用して燃焼熱、抵抗
熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とした外部加熱により乾
燥することを特徴として成るものである。
更にまた本出願に係る第九の発明たる脱臭粒剤の製造
方法は、脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液中に
混合して混合液とし、この混合液を酸に対して連続的に
または非連続的に分散して得られる少なくとも表面が不
溶化した中間生成物を生成し、更にこの中間生成物を誘
電加熱により自己発熱させる内部加熱、またはこれと併
用して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とし
た外部加熱により乾燥することを特徴として成るもので
ある。
更にまた本出願に係る第十の発明たる脱臭粒剤の製造
方法は、脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液中に
混合して混合液とし、この混合液をアルコールに対して
連続的にまたは非連続的に分散して得られる少なくとも
表面が不溶化した中間生成物を生成し、更にこの中間生
成物を誘電加熱により自己発熱させる内部加熱、または
これと併用して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を
熱源とした外部加熱により乾燥することを特徴として成
るものである。
これら発明により前記目的を達成しようとするもので
ある。
以下、上記発明の構成要素について具体的に説明す
る。脱臭微粉末剤は、粒径がミクロンないしサブミクロ
ンオーダーの微粉末状の脱臭剤であり、一例として酸化
亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合した粒子の
集合体(特開昭63−54935号参照)が挙げられる。尚、
この酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合し
た粒子の集合体は白色であるため、白色の脱臭粒剤を製
造する場合に利用できる。また脱臭微粉末剤はこのほか
にも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等の吸着性の
ある酸化物の一部または全部を主体とした白色系のもの
やその他従来公知のものを使用することもできる。
次に水溶液アルギン酸塩について説明する。このもの
は具体的にはアルギン酸ナトリウムに代表されるもので
あり、ほかにもアルギン酸アンモニウムなどを使用する
ことができる。ここでは代表してアルギン酸ナトリウム
について説明する。このアルギン酸ナトリウムは、コン
ブ、カジメ、アラメなどの褐藻類の細胞膜を形成する物
質であり、乳化安定剤、粘強剤、型剥離剤などとして用
いられる。この物質は極めて高粘性のコロイド物質で親
水性が強く、冷水、温水、いずれにも良く溶解し、非常
に粘稠均一な溶液となる性質を有する。また、この溶液
にアルミニウム、バリウム、カルシウム、銅、鉄、鉛、
亜鉛、ニッケルなどの金属塩を加えると、水に不溶性の
アルギン酸塩となる。尚、請求項1、2、7、8にそれ
ぞれ記載した発明は、アルギン酸ナトリウムのこのよう
な性質を利用するものである。またアルギン酸ナトリウ
ムに酸を加えると、ゲル状で水に不溶のアルギン酸とな
る。尚、請求項5、9にそれぞれ記載した発明は、アル
ギン酸ナトリウムのこのような性質を利用するものであ
る。
また請求項1、2、7、8記載の発明における多価金
属イオンとなり得る金属は、具体的にはアルミニウム、
バリウム、カルシウム、銅、鉄、鉛、亜鉛、ニッケルな
どがある。即ち、要はアルギン酸と結合したときに水に
不溶ないしは難溶となるような金属を選定する。尚、請
求項3、4記載の発明は多価金属イオンの色を発色させ
ることを特徴とするものであるが、その例としては鉄イ
オンの赤褐色、銅イオンの黄青色、金イオンの青紫色、
ニッケルイオンの淡黄緑色などがある。
更に請求項5、9記載の発明における酸は、塩酸、硫
酸、硝酸などに代表される強酸のほか、アルギン酸より
も強い酢酸等の弱酸を含むものである。
更にまた請求項6、10記載の発明におけるアルコール
とは、鎖式または脂環式炭化水素の水素原子、または芳
香族炭化水素の側鎖の水素原子を水酸基で置換した構造
をもつ化合物を言い、例えばメタノール、エタノールな
どがある。
次に本発明たる脱臭粒剤の製造方法について説明す
る。まず脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液内に
混合し、ポンプを使用して毎秒一定量の混合液を吸い上
げてチューブ内に送る。尚、水溶性アルギン酸塩水溶液
は濃度が高いと粘度が上がるため、ポンプの吸引能力を
考慮するとその濃度は2%以下とすることが好ましい。
また一例として、脱臭微粉末剤に酸化亜鉛と二酸化チタ
ンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体を用い、水
溶性アルギン酸塩にアルギン酸ナトリウムを用いた場合
には、脱臭微粉末剤と水溶性アルギン酸塩との重量比は
90:10ないし95:5とすることが好ましい。次に多価金属
イオンとなり得る金属塩水溶液、酸もしくはアルコール
のうち、いずれかを入れた容器をチューブの先端側に用
意しておき、ポンプ圧によってチューブ内の混合液を少
しずつ送り出したり、あるいはタンクに混合液を溜めて
おき、タンク下方に設けたノズルから液滴を落下させる
方法で混合液を容器中に滴下する。これにより混合液を
分散させる分散媒の種類により、それぞれ分散滴が化学
的あるいは物理的変化を生じ、少なくとも表面が不溶化
した中間生成物を生じる。尚、分散媒として多価金属イ
オンとなり得る金属塩水溶液を使用した場合には、混合
液を分散させるにつれて、次第に水溶液中の多価金属イ
オンの濃度が低下していくため、製造能率を考慮して金
属塩水溶液の濃度を比較的高濃度としておくことが好ま
しいが、その一方、金属塩水溶液の濃度が高すぎると、
滴下された混合液の比重との関係から滴下液が水溶液上
に浮いて球になり難い。従って金属塩水溶液の濃度は0.
1〜10%程度とすることが好ましい。また混合液を分散
媒に分散させる方法としては、滴下する方法のほかに例
えばノズルをチューブの先端に取り付けて、このノズル
を分散媒中に入れ、ポンプ圧で混合液を水溶液中に押し
出すようにして繊維状の中間生成物を形成するようにし
てもよい。尚、本明細書中で使用する「粒」という語
は、小さな球体という意味は勿論のこと、線体を適宜の
大きさに切断した形状や円柱形状等の種々の形状を含む
概念である。次にこのようにして得られた中間生成物を
水溶液中から取り出した後、高温度下に放置したり、乾
燥機を使用するなどの方法により乾燥して本発明たる脱
臭粒剤を得る。また中間生成物が繊維状の場合には、こ
のものを適当な長さに切って脱臭粒剤とする。尚、乾燥
方法としては、燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を
熱源とした外部加熱のほか、誘電加熱により自己発熱さ
せる内部加熱、あるいはこれを併用してもよい。ここで
誘電加熱とは、高周波数帯域の電界内に誘電体たる加熱
物を置き、その誘電体の分子が印加電界の方向に一致し
ようとして、常に回転を繰り返して隣接分子と摩擦を起
こし、この摩擦熱で内部から発熱する原理を応用する加
熱方式であり、食品、木材等、水分を含むものの加熱、
乾燥、更には樹脂シート、プラスチック等の接着等の加
工に利用されている技術である。一般に誘電加熱の特徴
としては加熱に要する時間が短い、熱効率が高い、加熱
電力の制御が容易で応答が速い、複雑な形状のものでも
比較的均一に加熱できるなどが挙げられるが、中間生成
物を誘電加熱して乾燥させれば、気化した内部水分が膨
脹し、外部に放出され、若干なりとも発泡作用を起こし
て膨化した脱臭粒剤が得られる。因みにこのように膨化
した脱臭粒剤は表面積が大きくなるため、脱臭能力の高
いものとなる。尚、膨化した脱臭粒剤を製造するには、
中間生成物を真空凍結乾燥法で乾燥してもよい。尚、脱
臭微粉末剤として、酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子と
が緊密に結合した粒子の集合体を使用した場合には、乾
燥時に100℃を越えると変色するため、これ以下の温度
で乾燥するようにする。
次に脱臭粒剤の他の製造方法について説明する。この
方法は、いわば前記方法における分散滴と分散媒とを逆
にしたものであって、まず脱臭微粉末剤を塩化カルシウ
ムなどの多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液に混合
し、この混合液を水溶性アルギン酸塩水溶液中に連続的
にまたは非連続的に分散し、これにより得られる表面が
不溶化した中間生成物を乾燥するというものである。因
みにこの方法では分散滴表面の多価金属イオンたる例え
ばカルシウムイオンが、分散媒たる水溶性アルギン酸塩
のアルギン酸と結合して、水に不溶なアルギン酸カルシ
ウムを形成して中間生成物を生ずるのである。
以上が本発明たる脱臭粒剤の基本的な製造方法である
が、更に脱臭粒剤の脱臭効率を高め、あるいはその商品
性を高めるために、脱臭粒剤に種々の加工を施すことが
できる。即ち、まず上記方法により得られた脱臭粒剤を
焼成して、脱臭粒剤中の金属を酸化することができる。
因みにこのようにして脱臭粒剤中に生じた金属酸化物
(例えば酸化カルシウム)は、水、一酸化炭素、二酸化
炭素等を吸着する作用をする。また多価金属イオンとな
り得る金属塩水溶液を使用して脱臭粒剤を製造した場合
には、このものを焼成することにより多価金属イオンの
色を発色させて色付きの脱臭粒剤を得ることもできる。
尚、色付きの脱臭粒剤を製造する場合には、上記のよう
に多価金属イオンの色を発色させる方法のほか、特に脱
臭粒剤が白色の場合であったり、製造工程で多価金属イ
オンを使用しない場合に有効な方法として、適宜の着色
料を使用して脱臭粒剤を着色してもよい。また、他の着
色方法として着色料を脱臭微粉末剤や水溶性アルギン酸
塩等にあらかじめ混合しておき、この材料で脱臭粒剤を
製造するようにしてもよい。尚、このような場合に使用
する着色料は、衛生面を考慮して食用色素として使用さ
れる合成タール色素及びそのアルミニウムレーキ、無機
顔料、天然色素等を用いることが望ましい。
<発明の作用> 本発明では、混合液を分散させる分散媒の種類によ
り、それぞれ以下のような化学的あるいは物理的現象に
より中間生成物を生じる。
即ち多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液を分散媒
とする場合には、水溶性アルギン酸塩たる例えばアルギ
ン酸ナトリウムのナトリウムイオンが、多価金属イオン
たる例えばカルシウムイオンに置換して、水に不溶なア
ルギン酸カルシウムの層を少なくとも表面に形成した中
間生成物を生ずる。
また酸を分散媒とする場合には、水溶性アルギン酸塩
たる例えばアルギン酸ナトリウムのナトリウムイオンが
水素イオンに置換して、水に不溶なゲル状のアルギン酸
の層を少なくとも表面に形成した中間生成物を生ずる。
更にまたアルコールを分散媒とする場合には、水溶性
アルギン酸塩と水和状態にある水分子がアルコールの脱
水作用により脱水されるため、水溶性アルギン酸塩自体
が水に不溶となって中間生成物を生ずる。
更にまた中間生成物の乾燥方法として誘電加熱による
方法を適用すれば、内部水分が膨張して外部に放出さ
れ、このとき若干なりとも発泡作用を起こして膨化状態
の脱臭粒剤が得られる。
更にまた脱臭粒剤を焼成することにより脱臭粒剤中に
金属酸化物(例えば酸化カルシウム)を生じ、水、一酸
化炭素、二酸化炭素の吸着能をも有するようになる。
<実施例> 脱臭粒剤を製造する第一の実施例は、以下のとおりで
ある。まず水99部に水溶性アルギン酸塩たるアルギン酸
ナトリウム1部の割合で溶解して1%のアルギン酸ナト
リウム水溶液を調製し、このアルギン酸ナトリウム水溶
液5部に対し、脱臭微粉末剤たる酸化亜鉛と二酸化チタ
ンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体95部を入
れ、スクリュー撹拌して混合液を作る。一方、大きめの
容器に分散媒として10%塩化カルシウム水溶液を調製す
る。尚、本実施例では、多価金属イオンとなり得る金属
塩水溶液を分散媒としたが、酸またはアルコールを分散
媒とする場合には、それぞれ0.1N塩酸または90%エチル
アルコールを調製する。次にマイクロチューブポンプを
使用して混合液をチューブ内に吸い上げ、チューブ先端
から塩化カルシウム水溶液中に滴下すると、塩化カルシ
ウム水溶液中に中間生成物を生じる。この中間生成物を
回収し、80℃のもと3時間放置して乾燥させ、白色の脱
臭粒剤を得る。尚、酸またはアルコールを分散媒とする
場合にも、同様にして脱臭粒剤を製造すればよい。
次に脱臭粒剤を製造する第二の実施例は以下のとおり
である。まず水95部に塩化カルシウム5部の割合で溶解
して5%の塩化カルシウム水溶液とし、この塩化カルシ
ウム水溶液2部に対し、酸化亜鉛と二酸化チタンと水分
子とが緊密に結合した粒子の集合体1部を入れてスクリ
ュー撹拌により酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊
密に結合した粒子の集合体を混合させて混合液とする。
一方、大きめのビーカーに0.5%アルギン酸ナトリウム
水溶液を調製する。次にマイクロチューブポンプを使用
して混合液をチューブ内に吸い上げ、アルギン酸ナトリ
ウム水溶液中に滴下すると、アルギン酸ナトリウム水溶
液中に中間生成物を生じる。この中間生成物を回収し、
80℃のもと3時間放置して乾燥させ白色の脱臭粒剤を得
る。
次に第三の実施例として、焼成した脱臭粒剤を製造す
る場合には、前記第一または第二の実施例により得た脱
臭粒剤を更に400℃の加熱炉中で2時間焼成して得るこ
とができる。また第一または第二の実施例において、塩
化カルシウムの代わりに塩化第一鉄、塩化第一銅、塩化
金、塩化ニッケルを用いれば、これにより得られる脱臭
粒剤を焼成することにより、それぞれ赤褐色、黄青色、
青紫色、淡黄緑色の脱臭粒剤を得る。
次に第四の実施例として、着色した脱臭粒剤を製造す
る場合には、上記第一または第二の実施例により得られ
た白色の脱臭粒剤を皿の上にのせて、噴霧器を用いて食
用青色2号(インジゴカルミン)を噴霧する。皿上の白
色の脱臭粒剤が万遍なく着色されたら、このものを取り
出して乾燥することにより着色された脱臭粒剤を得る。
次に第五の実施例として、周波数帯域としていわゆる
マイクロ波領域である高周波を照射して行うマイクロ波
加熱と熱風加熱とを併用した実施例を示す。前記第一の
実施例の途中で得られる中間生成物をいわゆる流動槽に
入れ、風速7.4m/s、120℃の熱風を供給しながら、併せ
てマイクロ波を照射して脱臭粒剤を製造した。尚、比較
例として前記第一の実施例の脱臭粒剤(以下比較例1と
いう)と、前記第一の実施例の途中で得られる中間生成
物を流動槽に入れ、風速7.4m/s、温度120℃の熱風を供
給することのみで乾燥した脱臭粒剤(以下比較例2とい
う)をそれぞれ併せて製造した。尚、この実施例のよう
に熱風加熱とマイクロ波加熱とを併用すれば、乾燥効率
の面からも優位性がある。
《発明の効果》 本発明たる脱臭粒剤は、脱臭微粉末剤を使用しやすい
粒剤にしたものであるから、広い用途で使用することが
できる。
またポリビニールアルコール等のバインダーを用い
て、紙、繊維、発泡体等に脱臭微粉末剤を担持させた従
来品と比べると、ガス透過性が良く、従って脱臭性能が
高い。また造粒を容易に行うことができるとともに、造
粒された脱臭粒剤は適度の強度を有するから、容易に崩
れることもない。
更に、従来脱臭剤として主流であった活性炭は黒色で
あり、冷蔵庫内等で使用するときは必ずしも清潔的な印
象を与えていなかった。しかし本発明たる脱臭粒剤の製
造方法によれば、白色のものや、焼成によりイオンの色
を発色させたもの、また着色したものなどを製造するこ
とができるから、冷蔵庫内など清潔面を重視する場所や
食品など衛生面を重視するものに応じて脱臭粒剤の色を
選択して使用することができる。また、このように脱臭
剤に着色を施すことにより、例えば例えば透明容器に入
れて部屋等の脱臭剤として使用するなど一種の装飾効果
を生むこともできるから、脱臭剤自体の商品価値も上が
る。
更にまた本発明たる脱臭粒剤の製造方法によれば、製
造過程でチューブやノズルの径を変えたり、落下高さを
変えるなどの様々な滴下方法をとることにより、大小種
々の粒径の脱臭粒剤を容易に製造することができる。
また前記第一の実施例において塩化カルシウムの代わ
りに塩化第一銅を用いて得られた脱臭粒剤と、このもの
を焼成した脱臭粒剤とを、それぞれ一酸化炭素を含む混
合ガス中に入れて両者が一酸化炭素を吸着する割合を比
較したところ、焼成した脱臭粒剤は焼成しない脱臭粒剤
に比べてほぼ四倍の吸着作用を示した。このように焼成
した脱臭粒剤は、水、一酸化炭素、二酸化炭素等の吸着
能をも有するから、多目的な用途に使用することができ
る。
更にまた中間生成物の乾燥方法として誘電加熱による
方法をとれば、膨化状態の脱臭粒剤が得られるため、表
面積の増大により吸着能が増大する。第1図に示すグラ
フは中間生成物を異なった乾燥手法により製造した脱臭
粒剤のアンモニアの吸着特性について除去率(%)と時
間(分)との関係を示すものである。実験に用いた検体
は第五の実施例に示すようにマイクロ波加熱を併用して
乾燥したもののほか、比較例として前記比較例1及び比
較例2として製造したものを使用した。このグラフから
明らかなように、例えば10分経過時ではマイクロ波を併
用した脱臭粒剤は、比較例1及び比較例2に比べてほぼ
1.5倍の吸着速度を示す。また最終的なアンモニアの除
去率についてもマイクロ波を使用した脱臭粒剤は、比較
例1及び比較例2に比べて高い除去率を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は中間生成物を異なった乾燥手法により製造した
脱臭粒剤のアンモニアの吸着特性の変化を表すグラフで
ある。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液
    中に混合して混合液とし、この混合液を多価金属イオン
    となり得る金属塩水溶液に連続的にまたは非連続的に分
    散することにより少なくとも表面が不溶化した中間生成
    物を生成し、更にこの中間生成物を誘電加熱により自己
    発熱させる内部加熱、またはこれと併用して燃焼熱、抵
    抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とした外部加熱により
    乾燥することにより得られることを特徴とする脱臭粒
    剤。
  2. 【請求項2】脱臭微粉末剤を、多価金属イオンとなり得
    る金属塩水溶液に混合して混合液とし、この混合液を水
    溶性アルギン酸塩水溶液中に連続的にまたは非連続的に
    分散することにより少なくとも表面が不溶化した中間生
    成物を生成し、更にこの中間生成物を誘電加熱により自
    己発熱させる内部加熱、またはこれと併用して燃焼熱、
    抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とした外部加熱によ
    り乾燥することにより得られることを特徴とする脱臭粒
    剤。
  3. 【請求項3】白色の脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩
    水溶液中に混合して混合液とし、この混合液を多価金属
    イオンとなり得る金属塩水溶液に連続的にまたは非連続
    的に分散することにより少なくとも表面が不溶化した中
    間生成物を生成し、更にこの中間生成物を乾燥後、焼成
    することにより前記多価金属イオンの固有の色を発現さ
    せ、これにより着色を施すようにしたことを特徴とする
    脱臭粒剤。
  4. 【請求項4】白色の脱臭微粉末剤を多価金属イオンとな
    り得る金属塩水溶液に混合して混合液とし、この混合液
    を水溶性アルギン酸塩水溶液中に連続的にまたは非連続
    的に分散することにより少なくとも表面が不溶化した中
    間生成物を生成し、更にこの中間生成物を乾燥後、焼成
    することにより前記多価金属イオンの固有の色を発現さ
    せ、これにより着色を施すようにしたことを特徴とする
    脱臭粒剤。
  5. 【請求項5】脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液
    中に混合して混合液とし、この混合液を酸に対して連続
    的にまたは非連続的に分散して得られる少なくとも表面
    が不溶化した中間生成物を生成し、更にこの中間生成物
    を誘電加熱により自己発熱させる内部加熱、またはこれ
    と併用して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源
    とした外部加熱により乾燥することにより得られること
    を特徴とする脱臭粒剤。
  6. 【請求項6】脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液
    中に混合して混合液とし、この混合液をアルコールに対
    して連続的にまたは非連続的に分散して得られる少なく
    とも表面が不溶化した中間生成物を生成し、更にこの中
    間生成物を誘電加熱により自己発熱させる内部加熱、ま
    たはこれと併用して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外線
    等を熱源とした外部加熱により乾燥することにより得ら
    れることを特徴とする脱臭粒剤。
  7. 【請求項7】脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液
    中に混合して混合液とし、この混合液を多価金属イオン
    となり得る金属塩水溶液に連続的にまたは非連続的に分
    散することにより少なくとも表面が不溶化した中間生成
    物を生成し、更にこの中間生成物を誘電加熱により自己
    発熱させる内部加熱、またはこれと併用して燃焼熱、抵
    抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とした外部加熱により
    乾燥することを特徴とする脱臭粒剤の製造方法。
  8. 【請求項8】脱臭微粉末剤を、多価金属イオンとなり得
    る金属塩水溶液に混合して混合液とし、この混合液を水
    溶性アルギン酸塩水溶液中に連続的にまたは非連続的に
    分散することにより少なくとも表面が不溶化した中間生
    成物を生成し、更にこの中間生成物を誘電加熱により自
    己発熱させる内部加熱、またはこれと併用して燃焼熱、
    抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源とした外部加熱によ
    り乾燥することを特徴とする脱臭粒剤の製造方法。
  9. 【請求項9】脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液
    中に混合して混合液とし、この混合液を酸に対して連続
    的にまたは非連続的に分散して得られる少なくとも表面
    が不溶化した中間生成物を生成し、更にこの中間生成物
    を誘電加熱により自己発熱させる内部加熱、またはこれ
    と併用して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外線等を熱源
    とした外部加熱により乾燥することを特徴とする脱臭粒
    剤の製造方法。
  10. 【請求項10】脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶
    液中に混合して混合液とし、この混合液をアルコールに
    対して連続的にまたは非連続的に分散して得られる少な
    くとも表面が不溶化した中間生成物を生成し、更にこの
    中間生成物を誘電加熱により自己発熱させる内部加熱、
    またはこれと併用して燃焼熱、抵抗熱、赤外線、遠赤外
    線等を熱源とした外部加熱により乾燥することを特徴と
    する脱臭粒剤の製造方法。
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