JP2543110B2

JP2543110B2 - 車高調節装置

Info

Publication number: JP2543110B2
Application number: JP62310359A
Authority: JP
Inventors: 達夫山口; 清英吉川; 敏広原
Original assignee: Yanmar Diesel Engine Co Ltd
Current assignee: Yanmar Co Ltd
Priority date: 1987-12-07
Filing date: 1987-12-07
Publication date: 1996-10-16
Anticipated expiration: 2011-10-16
Also published as: JPH01148622A

Description

【発明の詳細な説明】（イ）産業上の利用分野本発明は、車輌において、機体の地上高を変更する為
の車高調節装置に関するものである。

（ロ）従来技術従来から車輌の最低地上高を変更可能とする為に、機
体に対して操向車軸と駆動車軸の位置を上下に調節する
技術は公知とされているのである。

例えば、特開昭59−202938号公報や、特開昭60−1522
4号公報や、実開昭58−111626号公報や、実開昭61−169
627号公報や、特開昭56−112326号公報に記載の技術の
如くである。

しかし、従来の技術においては、操向車軸の上下位置
の調節装置を、キングピンを内装したベベルギヤボック
スをフロントアクスルケースに対して回動するか、また
は、ベベルギヤボックスに回動自在に付設したファイナ
ル車軸ケースとの間か、どちらかの１箇所で行っていた
ので、次のような不具合が有ったのである。

即ち、車輌の機体側に支持したキングピンに対して、
ファイナル車軸ケースを回動して位置を変更するので、
該キングピンと操向車輪との間で構成する、キャンパ・
キャスタ・トゥーイン等の操向車輪アライメントが変化
する恐れがあるのである。このアライメントが変化する
と、機体の直進性や操作性を低下してしまうのである。

この操向車輪アライメントが変化しないようにする為
には、ファイナル車軸ケースを上下に180度回動した位
置で、操向車軸の位置を固定する必要があるのである。

逆に言えば、その中途の角度の位置で、操向車軸の位
置を中途半端に止めると、アライメントが変化して、直
進性や操向操作性に悪影響が発生するのである。

（ハ）発明が解決しようとする問題点以上のような不具合があるので、従来の車高調節装置
において、操向車軸の位置の調節は、180度回動した２
位置のみしか取れず、通常の位置と、車高の高低のうち
のどちらかの位置しか調節出来なかったのである。

オペレーターとしては、車高が高の位置で畝越え作業
ができ、また車高が通常の位置で水田作業ができ、車高
が低の位置で果樹園の枝下での作業ができることが望ま
れているのである、実情では、通常の位置と、低か高か
のどちらかの位置しか取れなかったのである。

本発明は、この操向車軸の位置を、高・通常・低と上
下に３箇所以上の調節を行うことができ、このように３
箇所以上の位置を取った場合にも操向車輪のアライメン
トが変化しない構成としたものである。

（ニ）問題を解決するための手段本発明の目的は以上の如くであり、次に該目的を達成
するの構成を説明する。

フロントデフギア装置より左右に延長して、フロント
アクスルケース5,5を設け、該フロントアクスルケース
5,5の両端にて、車高調節ケース４を180度上下に回動す
ることにより、上下２段のキングピン前段調節部を構成
し、前記車高調節ケース４に回動側ベベルギヤボックス
７を固設し、該回動側ベベルギヤボックス７にキングピ
ン３を枢支し、該回動側ベベルギヤボックス７に、操向
車軸Ａを枢支したファイナル車軸ケース９を180度上下
に回動することにより、上下２段のキングピン後段調節
部を構成し、キングピン３の前後に、キングピン前段調
節部とキングピン後段調節部とを分けて配置し、操向車
軸Ａの上下調節段を３段階以上設けたものである。

（ホ）実施例本発明の目的・構成は以上の如くであり、次に添付の
図面に示した実施例の構成を説明する。

第１図は車高調節装置付きのトラクターの全体側面
図、第２図はキングピン前段調節部が低の位置で、キン
グピン後段調節部が高の状態の前面断面図、第３図はキ
ングピン前段調節部が低で、キングピン後段調節部が低
の状態の側面断面図、第４図はキングピン前段調節部が
高の状態を示す前面断面図である。

第１図において全体的な構成を説明する。

該図面においては車輌としてトラクターを開示してお
り、該実施例においては前輪が操向車輪11であり、後輪
が駆動車輪12を構成している。

しかし、操向車輪11が後輪で、駆動車輪12が前輪の車
輌であっても良いものである。

このような車輪の中の操向車輪11の部分に、本発明の
車高調節装置を配置したものである。

そして、操向回動を行わない駆動車輪12の部分には、
キャンパ・キャスタ・トゥーイン等のアライメントを設
ける必要はないので、該部分においては、後輪車高調節
中心軸Ｃを中心に、後輪ファイナル車軸ケースを回転す
る途中においても停止可能であり、後輪車高調節中心軸
Ｃの回動経路の３箇所において、高・通常・低の３段の
車高位置を、駆動車軸ＤのD1,D2,D3の位置で構成してい
るのである。

これに対して、操向車軸Ａの場合には、キャンパ・キ
ャスタ・トゥーインのアライメント角度が変化するのを
避ける為に、キングピン後段調節部を構成する車高調節
中心軸Ｂの周囲に回転するファイナル車軸ケース９は、
上下に180度回転した位置においてのみ固定可能として
いるのである。

そして、キングピン３の前部に構成した、キングピン
前段調節部において、別に上下に２段の調節を可能とし
て、実際には操向車軸Ａの高低４段の調節位置を得て、
その中の３段を、『A1』、『A2またはA3』、『A4』とし
て高・通常・低の車高調節位置としているのである。

次に、第２図より第４図において説明する。

第２図は、操向車軸Ａである前輪に動力伝達して駆動
可能とした構成における、ベベルギヤボックス近傍の前
面断面図である。

フロントデフギア装置より左右に延長して、フロント
アクスルケース5,5を設け、該フロントアクスルケース
5,5の両端に車高調節ケース４を位置調節可能に取り付
けている。

そして、該フロントアクスルケース5,5と車高調節ケ
ース４の間で、車高調節ケース４を180度上下に回動す
ることにより、キングピン前段調節部を構成しているの
である。

第２図においては、フロントアクスル軸１を中心に、
車高調節ケース４を上方へ回動した低位置であり、第４
図はフロントアクスル軸１を中心に車高調節ケース４を
下方へ回動した高位置である。

次に、フロントアクスル軸１の上のギア13がカウンタ
ー軸２の上のギア14と噛合しておりカウンター軸２が回
転される。

次に、カウンター軸２の端部が固定側ベベルギヤボッ
クス６内に挿入されており、その端部にベベルギヤ15が
固設されている。該ベベルギヤ15はキングピン３の上端
のベベルギヤ16と噛合しており、キングピン３の下端は
回動側ベベルギヤボックス７内に軸受支持されている。

そして、キングピン３の下端に固設されたベベルギヤ
17が、ファイナル車軸ケース９内の車高調節中心軸Ｂの
回動側ベベルギヤボックス７内に突出した部分に固設さ
れたベベルギヤ18と噛合している。

該ファイナル車軸ケース９は、回動側ベベルギヤボッ
クス７に固設された回動ガイド板10に嵌挿され、回動ガ
イド板10の円形溝内でファイナル車軸ケース９が回動す
ることによりキングピン後段調節部を構成している。

該車高調節中心軸Ｂの他端のギア19と、ファイナル車
軸ケース９の他端に軸受支持された操向車軸Ａ上のギア
20とが噛合している。操向車軸Ａに操向車輪11が固設さ
れている。

回動側ベベルギヤボックス７はナックルアーム基部８
と一体化されており、キングピン３を中心に、ナックル
アーム基部８を回転することにより、回動側ベベルギヤ
ボックス７とファイナル車軸ケース９と操向車輪11がキ
ングピン３を中心に操向回動を可能としているのであ
る。

第２図においては、操向車軸Ａが低の位置の状態を示
しており、第３図においては、操向車軸Ａが高の位置に
ある状態を示している。

該キングピン前段調節部による調節高はフロントアク
スル軸１とカウンター軸２の軸心距離H1の２倍の高さで
ある。

キングピン後段調節部の車高調節幅は、車高調節中心
軸Ｂと操向車軸Ａとの軸心距離H2の倍である。

キングピン前段調節部における調節幅である軸心距離
H1と、キングピン後段調節部における調節幅である軸心
距離H2とが同じ場合には、第１図において示す如く、操
向車軸Ａの中間の位置であるA2とA3とが同じとなるので
ある。

次に、４段の調節位置を示す。

逆に、軸心距離H1と軸心距離H2の値を大きく相違させ
ることにより、A2とA3との位置が相違してくるので、４
段の調節高とすることができるのである。

（ヘ）発明の効果本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を
奏するものである。

第１に、従来の車高調節装置においては、操向車輪11
の上下の調節は、キングピンの位置に対して操向車軸Ａ
の位置を上下するので、キャンパ・キャスタ・トゥーイ
ン等の操向輪アライメントを変化しないように調節しよ
うとすると、どうしても、ファイナル車軸ケース９を上
下に180度回動する必要があり、通常高さと低い位置と
の２位置しか取れないこととなっていたのである。

これに対して、本発明の如く、キングピン３の前後の
複数箇所の車高調節部を設けることにより、この複数箇
所の調節を組み合わせることにより、３段以上の車高調
節が可能となり、果樹園の枝下作業や通常の水田作業
や、畑での畝間作業等の３通りの作業用に使用可能な車
輌を得ることが出来たものである。

第２に、複数の車高調節部を設けることにより、該車
高調節の為の軸回動位置毎に、減速ギア連を構成するこ
とが出来るので、エンジンから車軸までの減速比を大き
くとることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は車高調節装置付きのトラクターの全体側面図、
第２図はキングピン前段調節部が低の位置で、キングピ
ン後段調節部が高の状態の前面断面図、第３図はキング
ピン前段調節部が低で、キングピン後段調節部が低の状
態の側面断面図、第４図はキングピン前段調節部が高の
状態を示す前面断面図である。Ａ……操向車軸Ｂ……車高調節中心軸Ｃ……後輪車高調節中心軸Ｄ……駆動車軸１……フロントアクスル軸２……カウンター軸３……キングピン４……車高調節ケース５……フロントアクスルケース９……ファイナル車軸ケース 11……操向車輪 12……駆動車輪

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭59−202938（ＪＰ，Ａ) 特開昭60−15224（ＪＰ，Ａ) 実開昭58−111626（ＪＰ，Ｕ) 実開昭61−169627（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】フロントデフギア装置より左右に延長し
て、フロントアクスルケース5,5を設け、該フロントア
クスルケース5,5の両端にて、車高調節ケース４を180度
上下に回動することにより、上下２段のキングピン前段
調節部を構成し、前記車高調節ケース４に回動側ベベル
ギヤボックス７を固設し、該回動側ベベルギヤボックス
７にキングピン３を枢支し、該回動側ベベルギヤボック
ス７に、操向車軸Ａを枢支したファイナル車軸ケース９
を180度上下に回動することにより、上下２段のキング
ピン後段調節部を構成し、キングピン３の前後に、キン
グピン前段調節部とキングピン後段調節部とを分けて配
置し、操向車軸Ａの上下調節段を３段階以上設けたこと
を特徴とする車高調節装置。