JP2538751B2 - 白血球捕捉分離器具 - Google Patents

白血球捕捉分離器具

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JP2538751B2 JP5104031A JP10403193A JP2538751B2 JP 2538751 B2 JP2538751 B2 JP 2538751B2 JP 5104031 A JP5104031 A JP 5104031A JP 10403193 A JP10403193 A JP 10403193A JP 2538751 B2 JP2538751 B2 JP 2538751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白血球捕捉分離器具
さらに詳しくは、多量の血液又は血球浮遊液から血球
を捕捉分離するための白血球捕捉分離器具に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、患者が必要とする成分のみを輸血
する成分輸血に供するため、血液から赤血球、白血球、
血小板などの血球類および血漿などの分離が盛んに行わ
れている。従来、多量の血液又は、血球浮遊液から簡単
な操作で、しかも短時間の処理で白血球や血小板を捕捉
分離するための血液成分分離用器具として第6図に示す
ような血液処理装置が開示されている(例えば特開昭6
1−128979号公報参照)。
【0003】このような血液処理装置100を使用する
場合、先ず生理食塩水を装置内に流しプライミング後、
血液を流過し、更に内部に滞った血液を押し出すために
生理食塩水を流し、リンスするという手順が通常とられ
ている。すなわち、生理食塩水でプライミング後、血液
が血液入口102から流され、濾過材(フィルター)で
ある充填材104、105により、目的成分である白血
球や血小板などが選択的に捕捉され、前記目的成分の除
去された血液は充填材104、105を通過し、血液出
口108から流出する。次に、血液フィルター内に滞っ
ている血液を回収するために、生理食塩水が血液入口1
02から流され、フィルター内部をリンスして、残留赤
血球を前記生理食塩水とともに血液出口108から流出
させている。
【0004】ところが、生理食塩水は、血液よりも比重
が軽く、濾過抵抗となるような赤血球などの血球も含ま
ないのでリンスする際、生理食塩水は、濾過材である充
填材上部を主に流れてしまい、血液入口側空間(血液
室)に在る血液は充分にリンスする事が出来ず、前述の
赤血球などの血球の回収という点に問題が有る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解消し、多量の血液または血球浮遊
液から簡単な操作で、しかも短時間の処理で確実かつ効
率よく白血球を捕捉分離または回収することのできる
血球捕捉分離器具を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、血液流
入口および濾液流出口を有するハウジングと、該ハウジ
ング内に固着され、かつ該ハウジング内を前記血液流入
口と連通する血液室および前記濾液流出口と連通する濾
液室とに二分する白血球捕捉分離用フィルターとを備
え、該フィルターが鉛直方向となる状態で使用される
血球捕捉分離器具であって、前記血液室および濾液室は
共にハウジング内面とフィルターにより囲まれた空間か
ら構成され、前記フィルタは前記ハウジング内面の血
液室および濾液室に対応する部分に形成される突起によ
って挟持され、さらに前記フィルターを鉛直方向にした
とき、前記血液流入口からハウジング内に流入した血液
が、前記血液室の下端から前記血液室内に流入し、か
つ、前記濾液室内の濾液は、該濾液室上端から濾液室外
に流出して濾液流出口へ向かうよう構成したことを特徴
とする白血球捕捉分離器具が提供される。
【0007】また、前記血液流入口および前記血液室の
入口を結ぶ線と、前記濾液流出口および前記濾液室の出
口を結ぶ線とのなす角度が90°以下であるのが好まし
い。
【0008】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明における白血球捕捉分離とは血液または血球浮遊
液からの白血球の分離除去を意味し、フィルター部材に
よる濾過、吸着を利用した目的成分の除去あるいは捕捉
を全て含むものである。
【0009】本発明の白血球捕捉分離器具に用いられる
ハウジングは血液を変質せず、製作加工の容易なものな
らなんでもよく、その形状を除いて公知のものを使用し
てもよい。該ハウジングは血液流入口と濾液流出口を有
し、該ハウジング内を前記血液流入口と連通する血液室
と前記濾液流出口と連通する濾液室とに二分する白血球
捕捉分離用フィルターを固着でき、該フィルターを鉛直
方向となる状態で使用できるように構成できればいかな
る形状であってもよく、例えば、血液流入口側部分と濾
液流出口側部分とに二分割でき、その間に前記フィルタ
ーを介在させる構成にしてもよい。
【0010】また、前記血液室の形態および前記濾液室
の形態は、血液や濾液が前記フィルター部材表面に均一
に分散し、かつ長時間停留しない構造であれば、いかな
る形状でもよく、いかなる厚みを有していてもよい。
【0011】本発明の白血球捕捉分離器具では、白血球
捕捉分離用フィルターが鉛直方向となる状態で使用され
る際に、血液流入口からハウジング内に流入した血液
が、該フィルターと前記ハウジング内面により囲まれた
空間から構成された血液室の下端から前記血液室内に流
入するように構成されている。また、この時、本発明の
白血球捕捉分離器具では、該フィルターと前記ハウジン
グ内面により囲まれた空間から構成された濾液室内の濾
液は、該濾液室上端から濾液室外に流出して濾液流出口
へ向うように構成するのが好ましい。
【0012】本発明に用いられる白血球捕捉分離用フィ
ルター部材は鉛直方向となる状態で使用できるものであ
ればその形状を除き公知のものでよく、好適に白血球捕
分分離できるものならば何でもよく、例えば、層状の
繊維状物、または板状の多孔質海綿状物からなるフィル
ター部材あるいはこれらのフィルター部材に吸着剤を担
持させたフィルター部材などが好ましい。
【0013】前記繊維状物は、血液を変性させない繊維
が好ましく、例えば、天然繊維としては木綿、絹が、再
生繊維としては、キュプラアンモニウムレーヨンが、半
合成繊維としてはセルロースアセテートがあり、合成繊
維としては、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエス
テル、ポリアクリロニトリル系、ポリトリフルオロクロ
ルエチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレ
ン、ポリプロピレンなどが挙げられる。前記多孔質の海
綿状物としては、例えば、発泡したポリウレタンが挙げ
られる。前記吸着剤としては酸性官能基を有する親水性
不溶固体、スチレン−ジビニールベンゼン系粒状多孔質
固体、糖リン酸を含む低分子量物質を含む不溶性固体、
活性炭等の血球、蛋白質、電解質、有害物質などを吸着
する吸着剤が好ましい。
【0014】本発明に係る白血球捕捉分離器具の一例を
添付の図面に示し、好適実施例に基づいてさらに詳細に
説明する。第1図は本発明の白血球捕捉分離器具の正面
図であり、第2図および第3図にその断面図を示す。本
発明に係る白血球捕捉分離器具10は、第1図、第2
図、第3図、第4a図および第4b図に示すように、血
液流入通路12を有するハウジング14および濾液流出
通路16を有するハウジング18からなるハウジング
と、フィルター部材20とを含む。
【0015】第1図、第2図、第3図および第4a図に
示すように、流入側ハウジング14は外側に血液流入通
路12を構成する管状体13を有し、内側中央部に血液
室22を構成する窪みを有し、該窪みにフィルター部材
20を挟持して支持するための多数の突起24を有し、
内側周辺部にフィルター部材20を挟持するための円状
の肩部26と、流出側ハウジング18と嵌合する円状の
凸部28と肩部30とを有する円形容器である。
【0016】管状体13は円形容器である流入側ハウジ
ング14の外側にほぼその直径に沿って横断するように
配設されている。管状体13の一端部はハウジング14
の外周から突出し、チューブなどの連結管に接続できる
ように構成され、この端部は血液流入口12aとなる。
血液流入通路12の他端部はハウジング14の内側にあ
る前述の窪みの端に設けられた開口12bに連通し、血
液流入通路12の出口を構成し、同時に血液室22への
入口となる。
【0017】第1図、第2図、第3図および第4b図に
示すように流出側ハウジング18は流入側ハウジング1
4と嵌合する外周部を除き、流入側ハウジング14と同
じ構造とするのが好ましい。すなわち、外側に濾液流出
通路16を構成する管状体17を有し、内側中央部に、
濾液室32を構成する窪みを有し、該窪みにフィルター
部材20を挟持して支持するための多数の突起34を有
し、内側周辺部に流入側ハウジング14の凸部に当接し
かつフィルター部材20を挟持するための円状の肩部3
6と、ハウジング14の肩部30と当接し、嵌合する円
状の凸部38とを有する円形容器である。
【0018】管状体17は円形容器である流出側ハウジ
ング18の外側にほぼその直径に沿って横断するように
配設されている。管状体17の一端部はハウジング18
の外周から突出し、チューブなどの連結管に接続できる
ように構成され、この端部は濾液流出口16bとなる。
濾液流出通路16の他端部はハウジング18の内側にあ
る前述の窪みの端に設けられた開口16aに連通し、濾
液流入通路16の入口を構成し、濾液室32からの出口
となる。
【0019】流入側ハウジング14と流出側ハウジング
18とは血液流入口12aと濾液室側の開口16aとが
同じ側のその対向する近傍位置にくるとともに、血液室
側の開口12bと濾液流出口16bとが同じ側のその対
向する近傍位置にくるように嵌合するのが好ましい。
【0020】第1図〜第4図に示す例では、血液流入口
12aを上方に、濾液流出口16bを下方になるように
してフィルター部材20を鉛直方向となる状態にて使用
する際に、血液室22への血液の入口である開口12b
は血液室22の下端にくるように設ける必要があり、一
方濾液室32からの濾液の出口である開孔16aは濾液
室32の上端にくるように設けるのが好ましい。
【0021】また、血液流入口12aおよび血液室22
への入口となる開口12bを結ぶ線と、濾液流出口16
aおよび濾液室32からの出口となる開口16bを結ぶ
線とのなす角は90°以下であるのが好ましい。この理
由は90°をこえると、血液や血液浮遊液や生理食塩水
などの流れに停留や閉塞を生じ、あるいはチャネリング
を起こしフィルター部材20の一部のみを流れることに
なり、好適な血液処理が行われなくなるためである。
【0022】フィルター部材20はその外周部を流入側
ハウジング14円状の肩部26と流出側ハウジング1
8の円状の肩部36とですきまなく挟持され、その中央
部を突起24および34で挟持される円形の2層構造の
層状物である。フィルター部材20は流入側ハウジング
14と流出側ハウジング18とを嵌め合せた時に、それ
らの中央部の窪みによって形成される空間を完全に血液
室22と濾液室32とに分離するように前記空間に介在
する。また、その中央部が突起24および34で挟持さ
れているので、分離操作の際にも血液室22および濾液
室32は変形することなく一定形状に保たれ、血液およ
び濾液の通過を妨げることはないので安定に分離操作を
実施することができる。フィルター部材20は目的成分
に応じて濾過または吸着することができるように、前述
の材料、通過抵抗を定めることができる。
【0023】第1図ないし第4b図に示す例では、白血
球捕捉分離器具10の血液流入通路12および濾液流出
通路16は管状体13および17で構成したけれども、
これに限定されるわけではなく、血液や生理食塩水等を
好適に流すことができればその断面は矩形、三角形、楕
円形等どのような形状でもよい。また血液流入通路12
と濾液流出通路16はそれぞれその入口、すなわち血液
流入口12aと開口16aおよびそれぞれの出口、すな
わち開口12bと濾液流出口16bとがその対向する近
傍位置にあれば、その形状および寸法はいかなるもので
もよい。
【0024】また、第1図ないし第4b図に示す例では
白血球捕捉分離器具10のハウジング14および18の
形状は円形容器とし、フィルター部材20の形状も円形
の層状物としたけれども、これに限定されるわけではな
く、ハウジング14および18の形状は、矩形、菱形、
平行四辺形、三角形、楕円形などいかなる形状の容器で
もよい。フィルター部材20はこれらの容器に介在物と
して好適に収納できれば、いかなる形状でもよく、同様
に矩形、菱形、平行四辺形、三角形、楕円形などの層状
物でよい。
【0025】次に、本発明の白血球捕捉分離器具10を
組み込んだ血液処理システムについて説明する。第5図
に示す血液処理システムは本発明の白血球捕捉分離器具
の一使用態様であり、採血バッグ40および生理食塩水
バッグ42はそれぞれチューブからなる回路44および
46によって白血球捕捉分離器具10の血液流入口12
aに連通されている。回路44および46はそれぞれそ
の途中にクレンメ48、48を有し、回路44および4
6を開閉することができる。
【0026】また、回収バッグ50および52はそれぞ
れチューブなどからなる回路54および56によって
血球捕捉分離器具10の濾液流出口16bに連通されて
いる。回路54および56はそれぞれその途中にクレン
メ48、48を有し、回路54および56を開閉するこ
とができる。
【0027】本発明の白血球捕捉分離器具10は血液流
入口12aが鉛直上方に、濾液流出口16bが鉛直下方
になるように用いるのが好ましい。これは白血球捕捉
離用フィルター20が鉛直方向で使用され、血液室22
への血液の流入が血液室22の下端から行われ、濾液室
32からの濾液の流出が濾液室32の上端から行われる
からである。従って、本発明の白血球捕捉分離器具10
を組み込んだ血液処理システムにおいても、採血バッグ
40および生理食塩水バッグ42を鉛直上方に、その下
方に本発明の血液成分分離用器具10、その下方に回収
バッグ50および52を配置するのが好ましい。
【0028】もちろん、本発明の白血球捕捉分離器具
よび血液処理システムはこれに限定されるわけではな
く、前記血液処理システム内にポンプ等の駆動装置を配
設することにより、様々な使用態様で用いることができ
る。
【0029】
【作用】本発明に係る白血球捕捉分離器具は基本的には
以上のように構成されるものであり、その作用について
説明する。第5図に示す血液処理システムにおいて、ま
ずクレンメ48、48により回路46と56とを開き、
生理食塩水バッグ42中の生理食塩水を下方にある本発
明の白血球捕捉分離器具10に流し、白血球捕捉分離器
10内、特にフィルター部材20を洗浄し、洗浄済生
理食塩水を回収バッグ52に回収する。
【0030】白血球捕捉分離器具10内が生理食塩水で
満たされた時点でプライミングを終了し、クレンメ48
で回路46を閉じ、次いで、クレンメ48で回路44を
開け採血バッグ40中の血液を回路44中を流下させ、
本発明の白血球捕捉分離器具10に流す。第1図〜第4
b図に示すように、血液は血液流入口12aから流下
し、採血バッグ40と白血球捕捉分離器具10との落差
圧により、血液室22の下端の開口12bより流入し、
血液室に均一に充満し、フィルター部材20の通過抵抗
により目的成分が濾過あるいは吸着される。
【0031】フィルター部材20により濾過されたある
いは吸着されなかった処理済血液は、すなわち濾液は、
濾液室32に均一に充満し、濾液室32の上端の開口1
6aより血液流出通路16に入り、濾液流出通路16を
流下し、濾液流出口16bから白血球捕捉分離器具10
を流出する。
【0032】濾液が血液流出口16bから流出し始めた
ところで、クレンメ48で回路56を閉じ、回路54を
開け、回収バッグ52を新しい回収バッグ50に取替え
て血液の回収を行う。この操作が採血バッグ40中の血
液がなくなるまで続けられ、前記濾液はすべて回収バッ
グ50に回収される。
【0033】この時、血液流入口12aおよび開口12
bを結ぶ線と、開口16aおよび濾液流出口16bを結
ぶ線とのなす角が90°以下であり、血液室22への血
液の入口が血液室の下端にあり、濾液室32からの濾液
の出口が濾液室の上方にあるため、血液および濾液の流
れは停留や閉塞を生ぜず、フィルター部材20の全面に
かつ均一に起こる。このため血液は好適に処理される。
【0034】次に、クレンメ48、48により回路44
を閉じ、46を開き、生理食塩水バッグ42中の生理食
塩水を回路46を流下させ、白血球捕捉分離器具10内
に流す。生理食塩水は血液流入通路12を流下し、血液
室22に充満し、フィルター部材20を通過する際に血
液室22およびフィルター部材20に残留している血液
成分を濾液室32に洗い出す。この時、血液室22にあ
った捕捉目的成分はフィルター部材20に捕捉される。
【0035】こうして、白血球捕捉分離器具10内に残
留していた血球成分を含んだ洗浄済生理食塩水は濾液室
32から、濾液流出通路16に流出し、出口16bより
流出する。流出した処理済生理食塩水は回路54を通っ
て回収バッグ50に回収される。この操作が前述の捕捉
成分が充分に洗い流されるまで繰り返され、前記洗浄済
生理食塩水はすべて回収バッグ52に回収される。
【0036】この時、生理食塩水は血液流入通路12の
下端のある開口12bから血液室22に入り、フィルタ
ー部材20を通過した血球成分を含有する洗浄済生理食
塩水は濾液室32の上方から濾液流出通路16の上方に
ある開口16aに入り、生理食塩水は停留や閉塞を生ぜ
ずに流れ、フィルター部材20においてもチャネリング
を起こさずフィルター部材20の全面を好適に流れるの
で、前記残留成分は充分に回収される。
【0037】白血球捕捉分離器具10内に残留している
血液が充分に洗い流されたらクレンメ48で回路46、
54を閉じ操作を終了する。
【0038】プライミング後、血液を流す際は、採血バ
ッグ40と白血球捕捉分離器具10の落差圧、フィルタ
ー部材20の通過抵抗の違いによって速やかに置換する
事が出来る。また血液を流した後のリンスの際は、生理
食塩水と血液との比重差による血液室22での置換効
果、装置下部でフィルター部材20を通過した生理食塩
水が、濾液室32を流れる時の誘引効果が相まって、血
液室22に残留する赤血球が効率良くフィルター部材2
0を通過し、回収される。
【0039】
【実施例】以下に、本発明を実施例につき具体的に説明
する。400 mlの血液を200 mlずつ2つのバッグ
に等分し、第5図に示す血液処理システムを用いて、こ
れを第6図に示す従来の血液処理装置(矩形一辺70mm
×厚さ10mm)と本発明による第1図ないし第4b図に
示す白血球捕捉分離器具(円形半径30mm×厚さ10m
m)にそれぞれ流し、その後100 mlの生理食塩水で
リンスした時の赤血球回収率を比較した。この時、フィ
ルター部材は両方とも同じポリエステル不織布を用い
た。
【0040】従来の血液処理装置での赤血球回収率は、
88%であったのに対して本発明による白血球捕捉分離
器具での赤血球回収率は96%(いずれも5回実施時の
平均値)であり、本発明の血液成分分離用器具は、従来
の血液処理装置よりも極めて効率よく、赤血球が回収出
来た。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ハウジング内面とフィルター部材とで構成される血液室
への血液、血球浮遊液および生理食塩水の流入を該血液
室の下端より行ない、さらに該フィルター部材により濾
過された濾液を該ハウジング内面と該フィルター部材と
で構成される濾液室の上端から流出できるように構成し
たので、血液および血球浮遊液から白血球および血小板
などの血球類を始めとする捕捉成分を好適に捕捉でき、
かつ、血液処理空間、特に血液室に残存する血液を効率
よくリンスする事ができるので、必要とする血球成分の
回収率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る白血球捕捉分離器具の正面図であ
る。
【図2】図1のII−II線切断面図である。
【図3】図1の III−III 線切断面図である。
【図4】(a)は本発明に係る白血球捕捉分離器具の血
液流入通路を有するハウジングの内側面図であり、
(b)は濾液流出通路を有するハウジングの内側面図で
ある。
【図5】本発明に係る白血球捕捉分離器具を組み込んだ
血液処理システムの一使用態様を示す図である。
【図6】従来の血液処理装置の断面図である。
【符号の説明】
10 白血球捕捉分離器具 12 血液流入通路 12a 血液流入口 12b,16a 開口 13,17 管状体 14 流入側ハウジング 16 濾液流出通路 16b 濾液流出口 18 流出側ハウジング 20,104,105 フィルター部材 22 血液室 32 濾液室 40 採血バッグ 42 生理食塩水バッグ 44,46,54,56 回路 48 クレンメ 50,52 回収バッグ 100 血液処理装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液流入口および濾液流出口を有するハウ
    ジングと、該ハウジング内に固着され、かつ該ハウジン
    グ内を前記血液流入口と連通する血液室および前記濾液
    流出口と連通する濾液室とに二分する白血球捕捉分離用
    フィルターとを備え、該フィルターが鉛直方向となる状
    態で使用される白血球捕捉分離器具であって、 前記血液室および濾液室は共にハウジング内面とフィル
    ターにより囲まれた空間から構成され、前記フィルタ
    は前記ハウジング内面の血液室および濾液室に対応する
    部分に形成される突起によって挟持され、さらに前記フ
    ィルターを鉛直方向にしたとき、前記血液流入口からハ
    ウジング内に流入した血液が、前記血液室の下端から前
    記血液室内に流入し、かつ、前記濾液室内の濾液は、該
    濾液室上端から濾液室外に流出して濾液流出口へ向かう
    よう構成したことを特徴とする白血球捕捉分離器具
  2. 【請求項2】前記血液流入口および前記血液室の入口を
    結ぶ線と、前記濾液流出口および前記濾液室の出口を結
    ぶ線とのなす角度が90°以下である請求項1に記載の
    白血球捕捉分離器具
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