JP2538665Y2 - 電気絶縁用マイカテープ - Google Patents
電気絶縁用マイカテープInfo
- Publication number
- JP2538665Y2 JP2538665Y2 JP1990006492U JP649290U JP2538665Y2 JP 2538665 Y2 JP2538665 Y2 JP 2538665Y2 JP 1990006492 U JP1990006492 U JP 1990006492U JP 649290 U JP649290 U JP 649290U JP 2538665 Y2 JP2538665 Y2 JP 2538665Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- curing accelerator
- mica tape
- curing
- tape
- butyral
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Insulating Bodies (AREA)
- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本考案は、高電圧回転機のコイル等の絶縁に用いる電
気絶縁用マイカテープ、特に含浸樹脂の硬化を速める硬
化促進剤が塗布されている電気絶縁用マイカテープに関
するものである。
気絶縁用マイカテープ、特に含浸樹脂の硬化を速める硬
化促進剤が塗布されている電気絶縁用マイカテープに関
するものである。
B.考案の概要 本考案は、高電圧回転機のコイル等の絶縁に用いる電
気絶縁用マイカテープにおいて、 硬化促進剤にブチラール樹脂を添加した塗布溶液をマ
イカテープ上に塗布することにより、 塗布表面をブチラールの薄い膜で覆って硬化促進剤が
直接空気等と触れるのを防止するとともに、接着剤との
反応を断って、その効力を長時間、安定に維持できるよ
うにしたものである。
気絶縁用マイカテープにおいて、 硬化促進剤にブチラール樹脂を添加した塗布溶液をマ
イカテープ上に塗布することにより、 塗布表面をブチラールの薄い膜で覆って硬化促進剤が
直接空気等と触れるのを防止するとともに、接着剤との
反応を断って、その効力を長時間、安定に維持できるよ
うにしたものである。
C.従来の技術 高電圧回転機絶縁用マイカテープには、含浸樹脂の硬
化を速めるため、硬化促進剤を予めマイカテープ上に塗
布したり、マイカフィルムと裏打ち材を接着するための
接着剤中に混入したものがある。
化を速めるため、硬化促進剤を予めマイカテープ上に塗
布したり、マイカフィルムと裏打ち材を接着するための
接着剤中に混入したものがある。
D.考案が解決しようとする課題 しかし、硬化促進剤をマイカフィルムと裏打ち材を接
着するための接着剤中に混入した場合には、接着剤と硬
化促進剤が徐々に反応してテープが硬くなる。また、硬
化促進剤をマイカテープ上に塗布しておくと、空気中で
徐々に酸化し硬化促進効果が薄れてくる、といった問題
がある。
着するための接着剤中に混入した場合には、接着剤と硬
化促進剤が徐々に反応してテープが硬くなる。また、硬
化促進剤をマイカテープ上に塗布しておくと、空気中で
徐々に酸化し硬化促進効果が薄れてくる、といった問題
がある。
本考案の目的は、硬化促進剤の効力を長期間維持でき
る電気絶縁用マイカテープを提供することにある。
る電気絶縁用マイカテープを提供することにある。
E.課題を解決するための手段 本考案は、含浸樹脂の硬化を速めるための硬化促進剤
と所要量のブチラール樹脂を溶剤に溶かした塗布溶液を
テープ本体としてのマイカテープ上に塗布し、表面がブ
チラールの薄い膜で覆われる塗膜を形成したことを特徴
とするものである。
と所要量のブチラール樹脂を溶剤に溶かした塗布溶液を
テープ本体としてのマイカテープ上に塗布し、表面がブ
チラールの薄い膜で覆われる塗膜を形成したことを特徴
とするものである。
F.作用 塗膜表面がブチラールの薄い膜で覆われており、硬化
促進剤が直接空気と触れることが避けられる。また、硬
化促進剤と接着剤との反応が断たれる。その結果、硬化
促進剤の効力が長期間、安定に維持されるとともに、テ
ープの柔軟性も保持される。
促進剤が直接空気と触れることが避けられる。また、硬
化促進剤と接着剤との反応が断たれる。その結果、硬化
促進剤の効力が長期間、安定に維持されるとともに、テ
ープの柔軟性も保持される。
G.実施例 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。
明する。
第1図は本考案の一実施例を示すもので、テープ本体
1としてアラミドフィブリッド入り無焼成集成マイカテ
ープを用い、その上面に塗膜2を形成している。この塗
膜2は、溶剤に硬化促進剤を溶かし、更にブチラール樹
脂を少量添加した塗布溶液をスプレー法により塗布して
形成しており、表面にブチラールの薄い膜が形成されて
いる。
1としてアラミドフィブリッド入り無焼成集成マイカテ
ープを用い、その上面に塗膜2を形成している。この塗
膜2は、溶剤に硬化促進剤を溶かし、更にブチラール樹
脂を少量添加した塗布溶液をスプレー法により塗布して
形成しており、表面にブチラールの薄い膜が形成されて
いる。
上記硬化促進剤としてはイミダゾール:2E4MZ(四国化
成製)を、ブチラール樹脂としてはエスレックBMS(積
水化学製)を、溶剤としてはMEK(メチルエチルケト
ン)を用いた。また、塗布時に、イミダゾールの量がマ
イカテープ上に2g/m2となるように溶液の濃度、スプレ
ーのスピードを調節し、ブチラール樹脂はイミダゾール
の量の10%とした。
成製)を、ブチラール樹脂としてはエスレックBMS(積
水化学製)を、溶剤としてはMEK(メチルエチルケト
ン)を用いた。また、塗布時に、イミダゾールの量がマ
イカテープ上に2g/m2となるように溶液の濃度、スプレ
ーのスピードを調節し、ブチラール樹脂はイミダゾール
の量の10%とした。
このようにブチラール樹脂を少量添加したことによ
り、表面にブチラールの薄い膜が形成され、硬化促進剤
が直接空気に触れるのを避けることができる。この結
果、酸化及び水分による効力低下が防止され、硬化促進
効果が長期間発揮される。しかも、接着剤と硬化促進剤
が直接接触しないため、接着剤と硬化促進剤が反応する
ことがなく、テープの硬化が少なくなる。また、ブチラ
ールの薄い膜が形成されることによって、マイカテープ
1からのマイカの飛散が防止されたり、硬化促進剤の塗
布によりテープ表面にべたつきが生じるものでは、その
べたつきがなくなる。
り、表面にブチラールの薄い膜が形成され、硬化促進剤
が直接空気に触れるのを避けることができる。この結
果、酸化及び水分による効力低下が防止され、硬化促進
効果が長期間発揮される。しかも、接着剤と硬化促進剤
が直接接触しないため、接着剤と硬化促進剤が反応する
ことがなく、テープの硬化が少なくなる。また、ブチラ
ールの薄い膜が形成されることによって、マイカテープ
1からのマイカの飛散が防止されたり、硬化促進剤の塗
布によりテープ表面にべたつきが生じるものでは、その
べたつきがなくなる。
第2図及び第3図は、上記実施例と比較例(ブチラー
ル樹脂を混入しない場合)で作製した電気絶縁用マイカ
テープをバー状のコイルに巻回し、エポキシ樹脂を含浸
・硬化させた場合の硬化状態を比較した場合であり、第
2図は作製直後のものを使用した場合、第3図は作製後
3ケ月室温で放置したものを使用した場合である。この
場合、硬化時の静電容量を測定し、その静電容量変化率
と時間の関係から、硬化状態を判断している。
ル樹脂を混入しない場合)で作製した電気絶縁用マイカ
テープをバー状のコイルに巻回し、エポキシ樹脂を含浸
・硬化させた場合の硬化状態を比較した場合であり、第
2図は作製直後のものを使用した場合、第3図は作製後
3ケ月室温で放置したものを使用した場合である。この
場合、硬化時の静電容量を測定し、その静電容量変化率
と時間の関係から、硬化状態を判断している。
一般に、硬化時静電容量の低下が早いもの程、樹脂の
硬化が早いと言える。作製直後の使用(第2図)では実
施例と比較例の硬化は略同様となり、3ケ月放置後の使
用(第3図)では実施例の場合は初期(第2図)と同様
な硬化状態となるのに対し、比較例の場合は硬化時静電
容量変化率の低下時点が初期よりも遅くなっている。即
ち、硬化促進剤の効果が減少している。
硬化が早いと言える。作製直後の使用(第2図)では実
施例と比較例の硬化は略同様となり、3ケ月放置後の使
用(第3図)では実施例の場合は初期(第2図)と同様
な硬化状態となるのに対し、比較例の場合は硬化時静電
容量変化率の低下時点が初期よりも遅くなっている。即
ち、硬化促進剤の効果が減少している。
なお、硬化促進剤は、アミン系、有機金属系等何でも
よいが、空気中の水分による劣化、空気による酸化劣化
があるものに特に有効である。また、ブチラール樹脂の
塗布量は、硬化促進剤量の5〜100%の範囲で適宜選定
する。
よいが、空気中の水分による劣化、空気による酸化劣化
があるものに特に有効である。また、ブチラール樹脂の
塗布量は、硬化促進剤量の5〜100%の範囲で適宜選定
する。
H.考案の効果 以上のように本考案によれば、少量のブチラール樹脂
を硬化促進剤に添加してマイカテープ上に塗膜を形成し
たので、塗膜表面がブチラールの薄い膜で覆われるよう
になり、硬化促進剤の効力を長期間安定に維持すること
ができる。また、硬化促進剤が接着剤と直接接触しない
ため、硬化促進剤と接着剤の反応によってテープが硬く
なってしまうことがなくなり、テープの柔軟性の経時変
化が少なく長期間にわたって使用可能となる。更に、硬
化促進剤の塗布によりべとつきが生じることを防止で
き、取扱いが容易となる。
を硬化促進剤に添加してマイカテープ上に塗膜を形成し
たので、塗膜表面がブチラールの薄い膜で覆われるよう
になり、硬化促進剤の効力を長期間安定に維持すること
ができる。また、硬化促進剤が接着剤と直接接触しない
ため、硬化促進剤と接着剤の反応によってテープが硬く
なってしまうことがなくなり、テープの柔軟性の経時変
化が少なく長期間にわたって使用可能となる。更に、硬
化促進剤の塗布によりべとつきが生じることを防止で
き、取扱いが容易となる。
第1図は本考案に係る電気絶縁用マイカテープの一実施
例を示す断面図、第2図及び第3図はエポキシ樹脂を含
浸させた場合の実施例と比較例の硬化状態の変化を示す
特性図である。 1……テープ本体、2……硬化促進剤及びブチラール樹
脂の塗膜。
例を示す断面図、第2図及び第3図はエポキシ樹脂を含
浸させた場合の実施例と比較例の硬化状態の変化を示す
特性図である。 1……テープ本体、2……硬化促進剤及びブチラール樹
脂の塗膜。
Claims (1)
- 【請求項1】含浸樹脂の硬化を速めるための硬化促進剤
と所要量のブチラール樹脂を溶剤に溶かした塗布溶液を
テープ本体としてのマイカテープ上に塗布し、表面がブ
チラールの薄い膜で覆われる塗膜を形成したことを特徴
とする電気絶縁用マイカテープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990006492U JP2538665Y2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | 電気絶縁用マイカテープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990006492U JP2538665Y2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | 電気絶縁用マイカテープ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0397824U JPH0397824U (ja) | 1991-10-09 |
JP2538665Y2 true JP2538665Y2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=31510168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1990006492U Expired - Lifetime JP2538665Y2 (ja) | 1990-01-26 | 1990-01-26 | 電気絶縁用マイカテープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2538665Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5166495B2 (ja) * | 2010-08-11 | 2013-03-21 | 株式会社日立製作所 | ドライマイカテープ及びこれを用いた電気絶縁線輪 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6079083A (ja) * | 1983-10-06 | 1985-05-04 | Dainichi Nippon Cables Ltd | 接着性テ−プ |
-
1990
- 1990-01-26 JP JP1990006492U patent/JP2538665Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0397824U (ja) | 1991-10-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3647611A (en) | Insulating tape for producing an insulating sleeve for electrical conductors impregnated with a thermosetting impregnation epoxy resin mixture | |
JP2538665Y2 (ja) | 電気絶縁用マイカテープ | |
ATE43759T1 (de) | Verfahren und vorrichtung zur bildung von motorspulen mit zwei schichten. | |
JP4298174B2 (ja) | 促進剤を混合した含浸可能な微細雲母テープの製造法 | |
JP2799100B2 (ja) | 電気機器巻線の製造方法 | |
FR2335922A1 (fr) | Inductance et son procede de fabrication | |
JPH085528Y2 (ja) | 薄型コイル | |
JPS5858845A (ja) | ブラシレスモ−タ | |
JPS58162036A (ja) | 半導体をド−プするド−プシ−ト及びその製造法 | |
JPS63154035A (ja) | 回転電機の絶縁コイル | |
JPS63213437A (ja) | 絶縁コイルの製造方法 | |
JPH04101651A (ja) | 電気機器用コイルの絶縁方法 | |
JP2892489B2 (ja) | 磁 心 | |
JPS6246252Y2 (ja) | ||
JPS62154711A (ja) | 電磁石装置の製造方法 | |
JPS59226641A (ja) | 回転電機のコロナ防止被覆の製造方法 | |
JPS5487803A (en) | Method of insulating treatment for rotary electric machine winding | |
JPS5694614A (en) | Insulation treatment for electric conductor | |
JPS59181604A (ja) | 鉄心の製造方法 | |
JPS627348A (ja) | 電気絶縁線輪の製法 | |
JPS6012714A (ja) | 電気絶縁線輪の製造方法 | |
JPS562618A (en) | Method of insulating electromagnetic coil | |
JPS51137731A (en) | Paints for electric wires of self fusion bonding | |
JPS6241411B2 (ja) | ||
JPS51130881A (en) | Tape winding machine for coating wire |