JP2538537Y2

JP2538537Y2 - ガスバーナ用燃焼筒

Info

Publication number: JP2538537Y2
Application number: JP1992046068U
Authority: JP
Inventors: 秀伸高田
Original assignee: 株式会社成田製陶所
Priority date: 1992-06-09
Filing date: 1992-06-09
Publication date: 1997-06-18
Anticipated expiration: 2007-06-09
Also published as: JPH0622716U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は工業炉に使用する高負
荷燃焼用ガスバーナの燃焼筒に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来工業炉に設置する高負荷燃焼用ガス
バーナの燃焼筒として初期の頃は、図６に示す耐火物製
燃焼筒Ａが主流であったが、スポーリングによる割れが
多発し、たびたび燃焼筒の交換が必要なため、現在では
スポーリングによる割れのない耐熱金属製燃焼筒が広く
採用されるに至っている。

【０００３】しかし、耐熱金属製燃焼筒では、耐熱鋳鋼
で絞り部分とストレート部分を一体成形してあるが、金
属であるが故に炉に接する先端の絞り部が熱負荷や燃焼
時に生ずる高熱で酸化してなくなってしまったり、最悪
の場合溶融してしまう恐れがあり、耐用年数が短かく、
また、鋳物製であるためその肉厚も厚くする必要があ
り、しかも比重も大きいために燃焼筒が非常に重い。そ
もそも、工業炉に設置する燃焼筒が酸化もしくは溶融に
より損傷してしまう個所は、経験上、すべて先端の絞り
部分に限定され、ストレート部分の損傷はないことか
ら、燃焼筒の先端の絞り部分にだけ別体の耐熱性ノズル
を一体に設けて対処しているものはある（たとえば、実
開昭５３−７８６４６号公報参照）。なお、上記従来の
耐熱性ノズルは、炭化けい素を主成分とする複数のパイ
プを相互に隙間を存して並列状に積層し、各々のパイプ
間に充填物を充填して全体を充填物で包み最終的に２０
００℃にて硅化反応させて一体化し、複数のパイプ（ノ
ズル孔）を有する円柱状に形成された構造となってい
る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の耐熱金属製燃焼筒及び燃焼筒の先端絞り部分にだけ
耐熱性ノズルを一体に設けた燃焼筒では、ともに使用目
的に応じてバーナ性能を変化させるためには、先端絞り
部を異にした数種の燃焼筒を予め用意しておき、その都
度バーナ性能に適応した先端絞り部をもった燃焼筒に取
り替える必要があるから、不経済であり、取り替え作業
に際しては燃焼筒が重いので、その取扱いが容易でなく
多大の手間を要するという問題点があった。

【０００５】また、上記従来の燃焼筒は、先端絞り部分
とストレート部分とが一体に作られているから、先端絞
り部分が損傷しただけでも燃焼筒全体を新しいものと交
換しなければならないので、不経済であり、また、燃焼
筒自体は鋳物製であるため、相当の重量を有するから、
その交換作業には前述したようにその取扱いが容易でな
いことと相まって多大の手間を要するという問題点があ
った。なお、上記従来の耐熱性ノズルは、複数の直管状
ノズルで構成されているから、実際使用上目詰まりが著
しく、噴出する炎に斑が生じ常に一定の火力が得られな
いという問題点があった。

【０００６】この考案は上記課題を解決し、特に、使用
目的に応じたバーナ性能をもつ燃焼筒が簡易に得られ、
併せて、その取扱いも容易で、しかも、常に一定の火力
が安定的に得られるガスバーナ用燃焼筒の提供を目的と
している。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するこの
考案のガスバーナ用燃焼筒は、耐熱金属製燃焼筒１の先
端に焼成耐火物製ノズル２を着脱可能に備えたガスバー
ナ用燃焼筒であって、上記焼成耐火物製ノズル２の中心
に任意の長さと内径をもって目的のバーナ性能に適応し
た絞り比に形成された先細形状の先絞り単孔３を設けた
ことを特徴とする。

【０００８】

【作用】上記構成を有するこの考案のガスバーナ用燃焼
筒は、耐熱金属製燃焼筒１の先端に備えられている焼成
耐火物製ノズル２は着脱可能となっているから、焼成耐
火物製ノズル２だけをバーナ性能に適応した先絞り単孔
３のものに取り替えれば、燃焼筒全体を取り替えなくて
もバーナ性能を使用目的に応じて変化させることができ
る。この結果、経済的であり、また、使用目的に応じた
バーナ性能をもつ燃焼筒が簡単、容易に得られる。

【０００９】また、この考案のガスバーナ用燃焼筒は、
燃焼筒１が耐熱金属製であり、この耐熱金属製燃焼筒１
の先端に焼成耐火物製ノズル２を備えたものであるか
ら、燃焼筒自体の重量は極めて軽量となる。この結果、
燃焼筒のバーナ本体への組み付け作業等の際の取扱いに
便利で、その作業性は向上する。

【００１０】さらに、この考案の焼成耐火物製ノズル
は、その中心に先細形状の先絞り単孔３を設けたもので
あるから、目詰まり等のトラブルはない。この結果、常
に一定の火力が安定的に得られる。

【００１１】

【実施例】図１及び図２において、１は耐熱金属製燃焼
筒で、筒状体からなり、その先端周縁に耐熱金属製被い
１ａを一体的に溶着して備え、筒状体の先端部に取付け
孔４を設けている。該燃焼筒１は耐熱鋳鋼では肉厚が厚
いために重くなるから、耐熱金属の４乃至５ｍｍ程度の
肉厚品を用いる。

【００１２】２は焼成耐火物製ノズルで、図３、図４に
示すように外径を上記燃焼筒１にガタつきのないよう挿
入できる径とし、かつ、その外周面の一部に接着剤用の
凹面５を設け、その中心部に任意の先絞り単孔３を形成
する。この先絞り単孔３はノズル２の長さと内径をもっ
て目的のバーナ性能に適応した絞り比に形成され、か
つ、ノズル２の全長にわたり徐々に先絞りにする先細形
状となっている。そして、ノズルの材質はもともと耐熱
鋳鋼でもある程度は耐えられる使用温度なので、高耐火
度にする必要はなく、極めて低膨張である溶融シリカを
主体とした耐火物でも使用できるので、スポーリングに
よる割れも全くなくすることができ、長期使用が可能で
ある。図３、図４の焼成耐火物製ノズルは先絞り単孔３
の吹出口の径Ｄの異なるもの、即ち、小径の吹出口のも
のと大径の吹出口のものとを示したが、これらに限られ
るものではなく、また、先絞り単孔３の内面形状も図示
のものに限らない。

【００１３】而して、耐熱金属製燃焼筒１内に焼成耐火
物製ノズル２を基端側から挿入して被い１ａに当たる先
端部にまで移動し、燃焼筒１とノズル２との間に形成さ
れる凹面５による隙間にセラミック接着剤６を充填して
接着し、取付孔４から止めビス７をねじ込んで取着し燃
焼筒を構成する。

【００１４】図５は工業用炉に使用するガスバーナの一
例で、８はガス導入ヘッド、９は空気導入ヘッド、１０
はガス管、１１はパイロット用混合ガス管、１２は保炎
器であり、その空気導入ヘッド９にこの考案の燃焼筒を
連設して使用する。したがって、ガスバーナの保炎器１
２の外周から噴出する空気は、燃焼筒１の内面に沿って
内周面を冷却しながら流れ、火炎を包み込んだ状態のま
まノズル２の先絞り単孔３に至るので、焼成耐火物製ノ
ズル２は空気の冷却作用で高温とならないように保護さ
れる。

【００１５】前記した構造としたので、使用目的に応じ
てガスバーナの性能を変えるときは、バーナ本体の空気
導入ヘッド９から燃焼筒１を取り外し、目的のバーナ性
能に適応した先絞り単孔３のノズル２に取り替えれば、
バーナ性能に適応した燃焼筒が得られ、また、焼成耐火
物製ノズル２の耐用年数がきたとき、或いは熱負荷等で
損傷を生じたとき等にも同様に燃焼筒１からノズル２を
取り外し、新しいノズル２と交換する。

【００１６】上記ノズル２の交換作業において、燃焼筒
１は肉厚が４乃至５ｍｍ程度の耐熱金属製であるから軽
くその取扱いが容易で作業性は向上する。

【００１７】

【考案の効果】以上説明したこの考案のガスバーナ用燃
焼筒によれば、ノズルの長さと内径をもって目的のバー
ナ性能に適応した絞り比の異なる先細形状の先絞り単孔
を中心に有するノズルを数種類用意しておけば、使用バ
ーナに適応した最適の燃焼筒を工業炉に設置することが
できる。したがって、使用目的に応じたバーナ性能をも
つ燃焼筒が簡易に得られ、また、焼成耐火物製ノズルだ
けの在庫でよいので管理も容易である。

【００１８】また、ノズルの耐用年数がきたときやノズ
ルが熱負荷で損傷した場合にもノズルだけを取り替えて
使用できるので経済的である。

【００１９】さらに、燃焼筒を耐熱金属製としたのでそ
の肉厚が薄くできるから重量も従来のものに比べかなり
軽量となるから、取扱いが容易であり、また、製作コス
トも安価になる。

【００２０】さらには、焼成耐火物製ノズルは、その中
心に先細形状の先絞り単孔を設けているから、目詰まり
等のトラブルはなく、常に一定の安定した火力が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のガスバーナ用燃焼筒を示す縦断面図
である。

【図２】耐熱金属製燃焼筒を示す縦断面図である。

【図３】焼成耐火物製ノズルの一実施例を示す縦断面図
である。

【図４】異径の焼成耐火物製ノズルを示す縦断面図であ
る。

【図５】この考案の燃焼筒を取付けたガスバーナを示す
縦断面図である。

【図６】従来の耐火物製燃焼筒を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１耐熱金属製燃焼筒２焼成耐火製ノズル３先絞り単孔

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】耐熱金属製燃焼筒（１）の先端に焼成耐
火物製ノズル（２）を着脱可能に備えたガスバーナ用燃
焼筒であって、上記焼成耐火物製ノズル（２）の中心に任意の長さと内
径をもって目的のバーナ性能に適応した絞り比に形成さ
れた先細形状の先絞り単孔（３）を設けたことを特徴と
するガスバーナ用燃焼筒。