JP2538422B2 - 5―フルオロウラシル類により起こる炎症の発生を抑制する非注射剤形態の制癌剤 - Google Patents

5―フルオロウラシル類により起こる炎症の発生を抑制する非注射剤形態の制癌剤

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、5−フルオロウラシル(5−FU)類を制癌
成分として含有し、5−フルオロウラシル類により起こ
る炎症の発生を抑制する非注射剤形態の制癌剤及び癌の
治療方法に関する。
従来技術 5−フルオロウラシル(5−FU)類は優れた抗腫瘍効
果を有し、制癌剤として臨床上広く使用されているが、
その投与により、口腔内、消化管組織等にしばしば炎症
が発生したり、下痢が起こるという重大な問題を有して
いることが知られている。
一方、ジェイ・ジー・ニーヅヴィック(J.G.Niedzwic
ki)らは、5−FUは生体内のリン酸化酵素で活性化さ
れ、この活性化物が癌細胞においては抗腫瘍作用を示す
が、正常組織においては炎症を引き起こすこと、及びあ
る種のピリミジン化合物が前記リン酸化酵素による5−
FUの活性化を阻害することを報告している。〔バイオケ
ミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacolog
y),Vol.33,No.15,pp.2383−2395,1984〕 また、特公昭63−37766号公報には、5−FU類ととも
に、特定のトリアジン化合物又はピリミジン化合物を併
用することにより、5−FU類の抗腫瘍効果が増強され、
その毒性及び副作用を強めることがない旨記されてい
る。該公報に於て5−FU類の抗腫瘍効果の増強につきテ
ストされたピリミジン化合物は、いずれも5−FUに基づ
く炎症という副作用を余り強めることはないとしても、
これを低減させることはできない。
発明の開示 本発明の目的は、5−FU類を有効成分とするにもかか
わらず、5−FU類により起る炎症の発生を著しく抑制す
ることができる、優れた制癌剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、5−FU類により起る炎症の発生
を著しく抑制しながら、癌を治療する方法を提供するこ
とにある。
すなわち本発明は、5−フルオロウラシル類及びオキ
ソン酸又はその薬理的に許容される塩を有効成分として
含有し、オキソン酸又はその薬理的に許容される塩の含
有量が5−フルオロウラシル類に対して0.05〜6倍重量
である、5−フルオロウラシル類により起こる炎症の発
生を抑制する非注射剤形態の制癌剤、並びにオキソン酸
又はその薬理的に許容される塩を有効成分として含有す
ることを特徴とする5−フルオロウラシル類によって起
こる炎症の予防及び治療剤を提供するものである。
本発明者は、5−FU類の抗腫瘍効果増強剤として公知
である多くのピリミジン化合物について、抗腫瘍増強効
果と5−FU類投与に基づく炎症抑制効果について検討を
重ねてきた。しかし、これ迄抗腫瘍効果増強効果がある
ことの確認された化合物の殆んどは、炎症抑制効果を有
しないか或いは低いものでしかなかった。然るに引続き
鋭意研究の結果、オキソン酸が、5−FU類の抗腫瘍効果
を実質的に低下させることなく、5−FU類により誘発さ
れる炎症や下痢に対し顕著な抑制作用を発現するという
予期しない事実を見出した。しかも、かかるオキソン酸
の効果は非注射剤形態の5−FU類の制癌剤に於てのみ顕
著に発現されることが認められた。斯くして本発明によ
れば、5−FU類の抗腫瘍効果を実質的に低下させること
なく、5−FU類によって起る炎症、例えば、消化管の炎
症、口内炎、下痢等の発生を著しく抑制することができ
る。しかも本発明製剤は5−FU類の毒性や炎症以外の副
作用を増大させることはない。さらに、特定の5−FU類
とオキソン酸を組み合わせると、炎症の発生がより一層
顕著に抑制されることを見出した。本発明は、かかる知
見に基づいて完成されたものである。
5−FU類としては、従来より制癌剤として知られてい
る各種のものが包含され、之等はその程度に差はある
が、いずれもその投与により炎症を誘発するおそれのあ
ることが知られている。具体的には、制癌剤の有効成分
として公知の各種のもの並びに例えば欧州特許公開第18
0897号公報、米国特許願第2192880A号、特開昭63−2011
27号等の特許公報、文献に記載の5−FU誘導体及びそれ
らの薬理的に許容される塩類を挙げることができる。そ
の代表例としては、例えば、5−フルオロウラシル(5
−Fu)、5′−デオキシ−5−フルオロウリジン(5′
DFUR)、1−(2−テトラヒドロフラニル)−5−フル
オロウラシル(FT−207)、3−〔3−(6−ベンゾイ
ルオキシ−3−シアノ−2−ピリジルオキシカルボニ
ル)ベンゾイル〕−1−エトキシメチル−5−フルオロ
ウラシル(化合物a)等の5−FU誘導体及びそれらの薬
理的に許容される塩類を挙げることができる。
オキソン酸(oxonic acid)、即ち1,4,5,6−テトラヒ
ドロ−4,6−ジオキソ−1,3,5−トリアジン−2−カルボ
ン酸は、従来主に高尿酸血症モデル作成用試薬〔クリニ
カル トキシコロジィー、13(1),47(1978)〕とし
て使用されているものであり、5−FU類により起こる炎
症や下痢の発生を抑制する目的で使用されたことはな
い。オキソン酸には、そのケト−エノール異性体が当然
に包含される。オキソン酸の塩類には薬理的に許容され
る酸付加塩及び塩基性化合物塩の両者が含まれる。該酸
付加塩を形成し得る酸としては、例えば塩酸、硫酸、リ
ン酸、臭化水素酸等の無機酸、シュウ酸、コハク酸、マ
レイン酸、フマール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン
酸、、マロン酸、、メタンスルホン酸、安息香酸等の有
機酸を例示できる。また薬理的に許容される塩基性化合
物塩を形成し得る塩基性化合物としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素カリウム等を例示できる。また、
オキソン酸として、生体内に於てオキソン酸を産生する
物質を用いても構わない。
本発明製剤は、通常有効成分である5−FU類とオキソ
ン酸を合わせて1つの製剤形態に調製して投与される
が、5−FU類とオキソン酸をそれぞれ単独の製剤形態に
調製して同時又は別々に投与しても良い。すなわち、オ
キソン酸の製剤を、5−FU類の製剤の投与前、後の任意
の時期に投与することができる。
本発明製剤は、前記したように5−FU類とオキソン酸
を含む混合製剤形態、或いは5−FU類とオキソン酸をそ
れぞれ単独で含む製剤形態に調製される。いずれの場合
も之等は適当な製剤用担体を用いて通常の方法に従い、
非注射剤形態の製剤組成物とされる。ここで用いられる
担体としては通常の薬剤に汎用される各種のもの、例え
ば充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢
剤等の希釈剤乃至賦形剤等を例示できる。
本発明製剤の投与形態は非注射剤形態であれば特に制
限されず、治療目的に応じて適宜選択でき、具体的には
錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプ
セル剤、坐剤、軟膏剤、うがい薬、口腔錠(トローチ)
等を例示できる。
錠剤の形態に成形するに際しては、担体として例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプ
ン、、炭酸カルシウム、カリオン、結晶セルロース、ケ
イ酸等の賦形剤、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン
液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラ
ック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニル
ピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナト
リウム、カンテラ末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン
酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、
ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制
剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム
等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デ
ンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケ
イ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸
末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用でき
る。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例
えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコー
テイング錠、二重錠、多層錠等とすることができる。
丸剤の形態に成形するに際しては、担体として例えば
ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カ
オリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガン
ト末、ゼラチン等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の
崩壊剤等を使用できる。
坐剤の形態に成形するに際しては、担体として例えば
ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、
高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセ
ライド等を使用できる。
カプセル剤はオキソン酸又はこれと5−FU類とを上記
で例示した各種の担体と混合し、硬質ゼラチンカプセ
ル、軟質カプセル等に充填して調製される。
ペースト、クリーム及びゲルの形態に調製する際に
は、希釈剤として例えば白色ワセリン、パラフィン、グ
リセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコー
ル、シリコン、ベントナイト等を使用できる。
トローチは例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ
脂、硬化植物油、カオリン、タルク等を担体として調製
される。
うがい薬は有効成分であるオキソン酸に、必要に応じ
て適当な担体を加え、希釈剤で希釈して調製される。ま
たこれは用時調製型の製剤として例えばオキソン酸を含
有する錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤
等に調製され、用時に適当な希釈剤に溶解、懸濁又は乳
化させて用いられてもよい。上記希釈剤としては代表的
には水を例示できる。
更に上記各製剤には必要に応じて着色剤、保存剤、香
料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を配合されてもよ
い。
本発明製剤中に含まれる5−FU類及びオキソン酸の量
は特に限定されず適宜選択すればよいが、いずれも通常
製剤中1〜70重量%程度とするのがよい。
本発明製剤の投与方法は、例えば、経腸投与、経口投
与、直腸投与、口腔内投与、経皮投与等の非注射投与で
あれば特に制限されず、各種製剤形態、患者の年齢、性
別その他の条件、患者の症状の程度等に応じて決定され
る。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及
びカプセル剤は経口投与される。坐剤は直腸内投与され
る。軟膏剤は、皮膚、口腔内粘膜等に塗布される。
本発明製剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別その
他の条件、疾患の程度等により適宜選択できる。通常5
−FU類の量が1〜100mg/kg/日程度、好ましくは4〜20m
g/kg/日程度、オキソン酸の量が1〜100mg/kg/日、好ま
しくは2〜30mg/kg/日の範囲となる量を目安とするのが
よい。上記製剤中の5−FU類とオキソン酸又はその塩の
使用割合は、オキソン酸又はその塩が該5−FU類の0.05
〜6倍重量となる範囲とすればよい。本発明製剤は1日
に1〜4回程度に分けて投与することができる。尚、う
がい薬の形態の本発明製剤の場合、その適用量は一般的
なうがい薬と同様に約0.1〜10mgオキソン酸/ml(最終濃
度)の液剤形態で、1日1回当り100〜300ml量程度用い
られるのが適当であり、これは1日に複数回用いること
ができる。
実施例 以下、薬理試験例及び製剤例を挙げ、本発明を一層明
瞭なものとする。
薬理試験例1 〈消化管炎症防止作用試験〉 (a)被検液の調製I 3−3〔−)6−ベンゾイルオキシ−3−シアノ−2
−ピリジルオキシカルボニル)ベンゾイル〕−1−エト
キシメチル−5−フルオロウラシル(以下化合物aとす
る)を、濃度が4.0mg/mlとなるように、1%ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース溶液に懸濁させ、室温にてス
ターラーで約20分間撹拌した後、氷冷下に5分間超音波
処理し、被検液(1)を得た。
これにオキソン酸カリウムを濃度が0.2、0.5及び1.
0、2.0及び5.0mg/mlとなるように加え、上記と同様にし
てそれぞれ被検液(2)〜(6)を得た。
(b)被検液の調製II 上記Iにおいて化合物aに代えて、5′DFURを濃度が
20.0mg/mlとなるように、また5−FUを濃度が4.0mg/ml
となるように、更にUFT[大鵬薬品工業社製、ウラスとF
T−207とを4:1で含む5%アラビアガム懸濁液]をFT−2
07の濃度が4.0mg/mlとなるように、それぞれ1%ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース溶液に懸濁させ、室温に
てスターラーで約20分間撹拌した後、氷冷下に5分間超
音波処理し、被検液(7)、(13)及び(18)を得た。
上記被検液(7)にオキソン酸カリウムを濃度が0.
2、0.5及び1.0、2.0及び5.0mg/mlとなるように加えて同
様にして、被検液(8)〜(12)を得た。
上記被検液(13)にオキソン酸カリウムを濃度が0.5
及び1.0、2.0及び5.0mg/mlとなるように加えて同様にし
て、被検液(14)〜(17)を得た。
また上記被検液(18)にオキソン酸カリウムを濃度が
0.5及び1.0、2.0及び5.0mg/mlとなるように加えて同様
にして、被検液(19)〜(22)を得た。
(c)制癌実験 5週令のドンリュー系雄性ラットの背部皮下に2×10
4個の吉田肉腫細胞を移植した。移植から24時間経過後
より、1日1回の割合で、ラットの体重100gに対し上記
被検液(1)〜(22)のそれぞれ1.0mlを経口投与し
た。投与は7日間行なった。対照群の担癌ラットには、
1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液のみを経
口投与した。
腫瘍移植後8日目にラットを屠殺し、腫瘍及び消化管
組織を取出した。摘出した腫瘍の重量を測定し、下記式
により、腫瘍減少率(%)を求めた。
腫瘍減少率=〔1−(T/C)〕×100 T:被検液投与群の腫瘍重量(g) C:対照群の腫瘍重量(g) 摘出した消化管から切片標本を作製し、これを光学顕
微鏡で観察し、消化管の炎症の発生頻度を調べた。炎症
発生頻度は、その数に基づいて、(−)炎症なし、
(+)軽度の炎症、(++)中等度の炎症、(+++)
高度の炎症の4段階に評価分けした。尚、切片標本は摘
出した消化管を開管して生理食塩水で洗浄し、10%中性
緩衝ホルマリン溶液に浸漬して固定することにより得ら
れた。軽度の炎症以上の炎症の発生率(%)を消化管炎
症発生頻度とした。結果を下記第1表に示す。
比較薬理試験例 (a)5−FU類のリン酸化抑制作用を有することが知ら
れているアロプリノールと化合物a(4mg/100g)を併用
し、上記と同様にして、ラットにつき腫瘍縮小率(%)
と消化管炎症発生頻度(%)の関係を調べた。結果を、
下記第2表に示す。
(b)特公昭63−37766号に記載の、5−FU類による体
重低減を抑制する化合物と化合物a(4mg/100g)を併用
し、上記と同様にして、ラット7匹につき腫瘍縮小率
(%)と消化管炎症発生頻度(%)の関係を調べた。結
果を、下記第3表に示す。
(b)第1表乃至第3表の結果から、各種併用薬の、5
−FU類単独投与の腫瘍減少率を10%減弱する投与量
(A、mg/100g)、消化管炎症発生率が5−FU類単独投
与の半分になる投与量(B、mg/100g)を求め、効果係
数(A/B)を算出した。結果を、下記第4表に示す。
第4表より、オキソン酸カリウムが、他の併用剤に比
べて、5−FU類に対する効果係数が著しく高く、5−FU
類の併用剤として極めて有用であることが示唆された。
薬理試験例2 〈下痢止め作用試験〉 この試験は5−FU類の大量、連続投与によって起こる
下痢の発生に対するオキソン酸の防止効果をビーグル犬
を用いて試験したものであり、以下の通り行われた。
即ち、体重10〜12kgのビーグル犬4匹を実験群(A)
2匹及び実験群(B)2匹に分け、実験群(A)では対
照群(1匹)には化合物aの75mg/kg/dayのみを、試験
群(1匹)には化合物aの75mg/kg/dayにオキソン酸20m
g/kg/dayを併用して投与した。
また、実験群(B)では対照群(1匹)には化合物a
の50mg/kg/dayのみを、試験群(1匹)には化合物aの5
0mg/kg/dayにオキソン酸10mg/kgを併用して投与した。
上記各供試物質はそれぞれ粉末をゼラチンカプセルに
詰め、強制経口投与した。
経口投与開始後より毎日朝夕2回ーグル犬の便の状態
を観察し、軟便、水様便の発生をもって下痢の発生日と
し、その発現までの日数を求めた。
得られた結果を下記第5表に示す。
上記第5表より、化合物a単独投与群(対照群)では
投与開始後5〜7日で下痢が発生したが、オキソン酸併
用群(試験群)では下痢の発生が14〜15日までに遅延さ
れた。また、オキソン酸を併用することにより、下痢の
発生までに化合物aの投与量を増加させることができ
た。
薬理試験例3 〈口腔内炎症治療効果試験〉 この試験は5−FU類の大量、連続投与によって起こる
口腔内炎症(口内炎)に対するオキソン酸塗布による回
復効果を、ビーグル犬を用いて検討したものであり、以
下の通り行われた。
即ち、薬理試験例2で用いたと同一のビーグル犬2匹
を対照群(1匹)及び試験群(1匹)とし、これらのそ
れぞれに化合物aの50mg/kgをゼラチンカプセルに入れ
て強制経口投与した。該投与は1週当り6日間連続的に
行なった。
対照群には、口内炎発生後も上記と同様にして化合物
aの50mg/kgを投与し続けた。
試験群は、口内炎発生後(制癌剤投与開始11日目)よ
り、化合物aの投与を続けながら、更にオキソン酸を含
む軟膏を朝夕2回(1回当り1g)口腔の炎症部位に塗布
した。上記軟膏としては、オキソン酸カリウムをオリー
ブ油含有さらし密蝋軟膏に20mg/gになるように添加し、
均一に練り合わせたものを使用した。
化合物a投与時にビーグル犬の口腔内を肉眼的に観察
し、炎症の程度を日本癌治療学会副作用の口内炎の項に
準じて次の4段階で評価した。
−…無、+…疼痛、紅斑、水疱形成 ++…びらん、潰瘍、+++…潰瘍、出血、摂食不可 結果を下記第6表に示す。
上記第6表より、口内炎発生後よりオキソン酸を口腔
内に塗布することにより、炎症の進行を防止し、更に回
復させることが可能と示唆された。
製剤例1 オキソン酸カリウム 60mg デンプン 112mg マグネシウムステアレート 18mg乳糖 45mg 合計 235mg 常法により1錠中、上記組成の錠剤を製造した。
製剤例2 化合物a 50mg オキソン酸カリウム 25mg デンプン 112mg マグネシウムステアレート 18mg乳糖 45mg 合計 250mg 常法により1錠中、上記組成の錠剤を製造した。
製剤例3 5′−DFUR 250mg オキソン酸カリウム 13mg デンプン 112mg マグネシウムステアレート 20mg乳糖 45mg 合計 440mg 常法により1錠中、上記組成の錠剤を製造した。
製剤例4 5−FU 50mg オキソン酸カリウム 20mg デンプン 112mg マグネシウムステアレート 18mg乳糖 45mg 合計 245mg 常法により1錠中、上記組成の錠剤を製造した。
製剤例5 FT−207 200mg オキソン酸カリウム 50mg デンプン 237mg マグネシウムステアレート 18mg乳糖 45mg 合計 550mg 常法により1錠中、上記組成の錠剤を製造した。
製剤例6 オキソン酸カリウム 2g グリセリン 10g はっか油 0.2g エタノール 10g水 77.8g 合計 100g 常法により100ml中、上記組成のうがい薬を製造し
た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5−フルオロウラシル類及びオキソン酸又
    はその薬理的に許容される塩を有効成分として含有し、
    オキソン酸又はその薬理的に許容される塩の含有量が5
    −フルオロウラシル類に対して0.05〜6倍重量である、
    5−フルオロウラシル類により起こる炎症の発生を抑制
    する非注射剤形態の制癌剤。
  2. 【請求項2】5−フルオロウラシル類が、5−フルオロ
    ウラシル、5′−デオキシ−5−フルオロウリジン、1
    −(2−テトラヒドロフラニル)−5−フルオロウラシ
    ル、3−〔3−(6−ベンゾイルオキシ−3−シアノ−
    2−ピリジルオキシカルボニル)ベンゾイル〕−1−エ
    トキシメチル−5−フルオロウラシル、それらの誘導体
    及びそれらの薬理的に許容される塩類からなる群から選
    ばれた少なくとも1種である請求項1の制癌剤。
  3. 【請求項3】オキソン酸又はその薬理的に許容される塩
    を有効成分として含有することを特徴とする5−フルオ
    ロウラシル類によって起こる炎症の予防及び治療剤。
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