JP2538296B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2538296B2
JP2538296B2 JP62317884A JP31788487A JP2538296B2 JP 2538296 B2 JP2538296 B2 JP 2538296B2 JP 62317884 A JP62317884 A JP 62317884A JP 31788487 A JP31788487 A JP 31788487A JP 2538296 B2 JP2538296 B2 JP 2538296B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はたとえばビデオテープ、オーディオテープ
等に用いられる磁気記録媒体に関し、さらに詳しく言う
と、磁性層の形成に用いる磁性塗料の粘度の上昇が小さ
く停滞安定性に優れるとともに強磁性合金粉末の分散状
態が良好であって、電磁変換特性、走行性および耐久性
に優れ、高密度記録に適した磁気記録媒体に関する。
[従来の技術およびその問題点] 磁気記録媒体は、基本的には非磁性支持体と強磁性粉
末を含有する磁性層とからなり、非磁性体上に磁性層を
設けることにより構成されている。
そして、一般に磁性層は結合剤に強磁性粉末を分散し
てなる。
このような構成からなる磁気記録媒体、特にVTR用の
磁気記録媒体においては、近年、たとえば従来の1/2イ
ンチ幅規格に比較して幅の狭い8mm幅規格が登場し、広
く普及しつつある等の事情から、高密度記録化への要請
が強い。
そこで、この高密度記録を実現するために、強磁性粉
末として従来より使用されてきたγ−Fe2O3等の金属酸
化物系の強磁性粉末およびたとえばコバルト等の他の成
分を含有する酸化鉄系強磁性粉末に代わり、微粉末化す
ることによりさらに高密度記録が可能な強磁性合金粉末
が使用されるようになってきている。
しかしながら、たとえばS/Nを向上させるために強磁
性合金粉末を微粉末化して使用すると、結合剤中におけ
る強磁性合金粉末の分散性が劣化したり、磁性塗料の粘
度の上昇が大きくなって磁性塗料の停滞安定性が低下す
るという問題を生じる。
これらの問題は、磁性層の電磁変換特性、表面性およ
び耐久性などに悪影響を及ぼすとともに磁気記録媒体の
製造時における作業性の悪化を招く原因にもなる。
そこで、結合剤中における強磁性合金粉末の分散状態
を改善することを目的として、たとえば結合剤中に−SO
3M、−OSO2M、 −COOMおよび (ただし、式中、Mは水素原子、リチウムおよびナトリ
ウムのいずれかであり、M1およびM2は、それぞれ水素原
子、リチウム、カリウム、ナトリウムおよびアルキル基
のいずれかである。またM1とM2とは、互いに同じであっ
ても良いし、異なっていても良い。) よりなる群から選ばれた少なくとも1種類の極性基を有
する樹脂を結合剤中に含有する磁気記録媒体が提案され
ている(特開昭59−5423号公報、同59−5424号公報、同
59−8127号公報等参照。)。
しかしながら、これらの磁気記録媒体においては、確
かに強磁性合金粉末の分散直後における分散状態は良好
であるものの、停滞する時間が長くなると粘度上昇など
により分散状態が悪化するので、良好な走行性を得るこ
とができなくなって磁気記録媒体のエッジ折れやヘッド
目詰りが発生するという新たな問題が生じる。
すなわち、上記の極性基を導入してなる結合剤を含有
する磁気記録媒体においては、磁性層の機械的特性に未
だ改善の余地があり、走行性および耐久性は充分である
とは言いがたい。
この発明は、前記事情に基いてなされたものである。
この発明の目的は、磁性層を形成する磁性塗料の粘度
の上昇が小さく停滞安定性が良好であり、かつ強磁性合
金粉末の分散状態が良好であって電磁変換特性に優れる
とともに、走行性および耐久性に優れ、高密度記録に適
した磁気記録媒体を提供することにある。
[前記問題点を解決するための手段] 前記問題点を解決するために、この発明者が鋭意、検
討を重ねた結果、上記の極性基のうち、−COOMを除いた
特定の極性基を有する樹脂を特定の割合で含有する結合
剤と特定の比表面積を有するFe−Al系合金粉末とを含有
するとともに、磁性層中に上記の極性基を有し、かつ分
子量が特定の範囲内にある化合物を含有する磁気記録媒
体は、磁性塗料の粘度の上昇が小さく、磁性層における
Fe−Al系合金粉末の分散状態が良好であって、電磁変換
特性が優れるとともに、耐久性および走行性に優れ、高
密度記録に適することを見出してこの発明に到達した。
すなわち、この発明の構成は、非磁性支持体上にFe−
Al系合金粉末と結合剤とを含有する磁性層を設けてなる
磁気記録媒体において、前記Fe−Al系合金粉末のBET法
による比表面積が45m2/g以上であり、かつ前記結合剤が
極性基を有する樹脂を90重量%以上の割合で含有し、さ
らに前記極性基を有する樹脂の極性基が、−SO3M、−OS
O3Mおよび (ただし、式中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンおよ
びアルキルアンモニウムイオンのいずれかであり、M1
よびM2は、それぞれ水素イオン、アルカリ金属イオンお
よびアルキル基のいずれかである。またM1とM2とは互い
に同じであっても良いし、異なっても良い。) のうちの少なくともいずれかであり、かつ前記磁性層が
−SO3M、−OSO3Mおよび (ただし、式中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンおよ
びアルカリアンモニウムイオンのいずれかであり、M1
よびM2は、それぞれ水素イオンおよびアルカリ金属イオ
ンのいずれかである。またM1とM2とは互いに同じであっ
ても良いし、異なっても良い。) のうち少なくとも1種類の極性基を有するとともに分子
量が300〜4000である化合物を含有することを特徴とす
る磁気記録媒体である。
この発明の磁気記録媒体を構成する非磁性支持体と磁
性層とにつき、以下に説明する。
(非磁性支持体) 前記非磁性支持体を形成する素材としては、たとえば
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類;ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類;セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート等のセルロース誘導体;ポリカーボネ
ート等のプラスチックなどを挙げることができる。さら
にCu、Al、Znなどの金属、ガラス、いわゆるニューセラ
ミック(例えば窒化ホウ素、炭化ケイ素等)等の各種セ
ラミックなどを使用することもできる。
前記非磁性支持体の形態には特に制限はなく、テー
プ、シート、カード、ディスク、ドラム等のいずれであ
ってもよく、形態に応じて、また、必要に応じて種々の
材料を選択して使用することができる。
前記非磁性支持体の厚みはテープ状あるいはシート状
の場合には、通常、3〜100μm範囲内、好ましくは5
〜50μmの範囲内にある。また、ディスク状あるいはカ
ード状の場合は通常30〜100μmの範囲内にある。さら
にドラム状の場合には円筒状にする等、使用するレコー
ダーに対応させた形態にすることができる。
前記非磁性支持体の磁性層が設けられていない面(裏
面)には、磁気記録媒体の走行性の向上、帯電防止およ
び転写防止などを目的として、バックコート層を設けて
もよい。
また、非磁性支持体の磁性層が設けられる面には、磁
性層と非磁性支持体との接着性の向上等を目的として、
中間層(例えば接着剤層)を設けることもできる。
(磁性層) 前記非磁性支持体上には、前記磁性層が設けられてい
る。
前記磁性層は、前記Fe−Al系合金粉末を結合剤中に分
散してなる層である。
前記Fe−Al系合金粉末としては、たとえばFe−Al合金
粉末およびFe−Al−Ni合金粉末などを挙げることができ
る。Fe−Al系合金の粉末は耐候性に優れている。
前記Fe−Al系合金粉末のBET法による比表面積は45m2/
g以上、好ましくは45〜80m2/gである。この比表面積が4
5m2/g未満であると、磁気記録媒体のS/N比が低下するこ
とがあり、特に高密度記録に適さなくなることがある。
前記Fe−Al系合金粉末の形状については特に制限はな
く、例えば、針状、球状あるいは楕円体状などのものを
使用することができる。
この発明において重要な点の一つは、前記結合剤が極
性基を有する樹脂[以下、単に樹脂(A)と言うことが
ある。]を90重量%以上の割合で含有することにある。
前記極性基を有する樹脂[樹脂(A)]は、この発明
の磁気記録媒体の結合剤中における前記Fe−Al系合金粉
末の分散状態を良好にして、粉落ちやヘッド目詰りを防
止する作用を有する。
前記極性基を有する樹脂[樹脂(A)]は、極性基と
して−SO3M、−OSO3Mおよび (ただし、式中、Mは水素原子、アルカリ金属イオン
(リチウムイオン,ナトリウムイオン等)、アルカリ土
類金属イオン、アンモニウムイオンおよびアルキルアン
モニウムイオンのいずれかであり、M1およびM2は、それ
ぞれ水素原子、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、
カリウムイオン、ナトリウムイオン等)、およびアルキ
ル基のいずれかである。またM1とM2とは、互いに異なっ
ていても良いし、同じであっても良い。) のうちの少なくともいずれかを有する樹脂からなる。
前記樹脂(A)を構成する樹脂としては、たとえば塩
化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリエチレン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は種々の方法により得ることができる。
たとえば、スルホン酸金属塩基含有ポリエステル樹脂
は、スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸をジカ
ルボン酸成分の一部として用い、これとスルホン酸金属
塩基を有しないジカルボン酸とをジオールと共に縮合さ
せることにより得ることができる。
スルホン酸金属塩基を含有するポリウレタン樹脂は、
上記のスルホン酸金属塩基を含有するポリエステルの出
発材料であるスルホン酸金属塩基を含有するジカルボン
酸とスルホン酸金属塩基を含有しないジカルボン酸とジ
オールとの3種類の化合物とジイソシアネートとを用い
て、縮合反応と付加反応とにより得ることができる。
さらに、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化
ビニル系樹脂を変性して、極性基を導入する方法も考え
られる。
すなわち、これらの樹脂と、たとえば Cl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO3M (ただし、式中、M、M1およびM2は上記と同じ意味であ
る。) 等の分子中に上記の極性基および塩素を含有する化合物
とを脱塩酸反応により縮合させて導入する方法である。
ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂を得るため
に使用される上記カルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸
等の芳香族ジカルボン酸;p−オキシ安息香酸、p−(ヒ
ドロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン
酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ト
リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリ
およびテトラカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、好ましいのはテレフタル酸、イソフ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸である。
上記スルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸成分
としては、たとえば5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウム
スルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸
などが挙げられる。
上記ジオール成分としては、たとえばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−
トリメチル−1,3−オペンタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキ
シド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシ
ド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げら
れる。また、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのトリ
および/またはテトラオールを併用することもできる。
ポリウレタン樹脂を得るために使用される上記イソシ
アネート成分としては、たとえば2,4−トリレンジイソ
シアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ビフェニレンジイソ
シアネート、4,4´−ジイソシアネート−ジフェニルエ
ーテル、1,3−ナフタレンジイソシアネート、p−キシ
リレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネ
ート、1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、
1,4−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4´−
ジイソシアネートジシクロヘキサン、4,4´−ジイソシ
アネートジシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシ
アネートなどが挙げられる。
塩化ビニル系樹脂を変性してスルホン酸金属塩基を導
入する場合には、塩化ビニル系樹脂としてたとえば塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化
ビニル−プロピオン酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニ
ル−マレイン酸ビニル−ビニルアルコール共重合体など
を用いることができる。
これらの共重合体に含まれているビニルアルコールOH
基と、上記のCl−CH2CH2SO3M、 Cl−CH2CH2OSO3M等の塩素を含むスルホン酸金属塩の塩
素とを、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等の極性溶媒中で、たとえばピリジン、ピコリン、トリ
エチルアミン等のアミン塩、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド等のエポキシ化合物等の脱塩酸剤の存
在下で、脱塩酸反応させる方法を好適に用いることがで
きる。
前記樹脂(A)の中でも、好ましいのは塩化ビニル系
共重合体である。
前記塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニルモノマー、
スルホン酸もしくはリン酸のアルカリ塩を含有した共重
合性モノマーおよび必要に応じ他の共重合性モノマーを
共重合することによって得ることができる。この共重合
体はビニル合成によるものであるので合成が容易であ
り、かつ共重合成分を種々選ぶことができ、共重合体の
特性を最適に調整することができる。
上記のスルホン酸もしくはリン酸の塩の金属はアルカ
リ金属(特にナトリウム、カリウム、リチウム)であ
り、特にカリウムが溶解性、反応性、収率等の点で好ま
しい。
スルホン酸塩を含有する前記共重合性モノマーとして
は、たとえば、 CH2=CHSO3M CH2=CHCH2SO3M CH2=C(CH3)CH2SO3M CH2=CHCH2OCOCH(CH2COOR)SO3M CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2SO3M CH2=C(CH3)COOC2H4SO3M CH2=CHCOOC4H8SO3M CH2=CHCONHC(CH32CH2SO3M などが挙げられる。
また、リン酸塩としては、 CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2−O−PO3M3Y1 CH2=CHCONHC(CH32CH2−O−PO3M3Y2 CH2=CHCH2O(CH2CH2O)mPOMX2 [ただし、上記において、Mはアルカリ金属を表わし、
Rは炭素原子数1〜20個のアルキル基を表わし、Y1は水
素原子、M、 およびCH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2−のいずれかを表わ
し、Y2は水素原子、M、 およびCH2CH=CONHC(CH32CH2−のいずれかを表わ
し、X1OHおよびOMのいずれかを表わし、X2はCH2=CHCH2O(CH2
CH2O)−、OHおよびOMのいずれかを表わす。また、m
およびnは1〜100の正数である。] また、必要に応じ共重合させる共重合性モノマーとし
ては、たとえば種々のビニルエステル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、種々のアクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、
イソブテン、ブタジエン、イソプレン、ビニルエーテ
ル、アリールエーテル、アリールエステル、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸エス
テルなどが挙げられる。
この発明における前記結合剤は乳化重合、溶液重合、
懸濁重合、塊状重合等の重合法により重合される。いず
れの方法においても、必要に応じて分子量調節剤、重合
開始剤、モノマーの分割添加あるいは連続添加などの公
知の技術を応用することができる。
結合剤中の上記酸性基の塩含有モノマー量は0.01〜30
モル%であるのが好ましい。該塩含有モノマー量が多す
ぎると、溶剤への溶解性が悪く、またゲル化が起こり易
くなることがある。一方、塩含有モノマー量が少なすぎ
ると、所望の特性が得られないことがある。
前記塩化ビニル系共重合体は、さらにエポキシ基また
は水酸基を含有していることが好ましい。
ところで、従来の塩化ビニル系共重合体は、たとえば
次のようなモノマーユニットの共重合体であった。
[ただし、j、kおよび1は整数を表わす。] しかし、ここで、CH3CO−O−の基は、硬化剤等との
架橋反応には寄与しにくいものと考えられる。
そこで、この発明においては、CH3COに代えて、 等のエポキシ基を含有させるのが好ましい。
具体的には、次のようなユニットの組合せの樹脂を例
示することができる。
[ただし、q、rおよびsは前記と同じ意味であり、t
は整数である。また、Zはスルホ基またはホスホ基のア
ルカリ金属塩を含んだモノマーユニット部分である。] 前記樹脂(A)の分子量は、通常、2000〜70000、好
ましくは4000〜50000である。この分子量が70000を超え
ると、磁性塗料の粘度が許容範囲を超えて大きくなり、
この発明の目的が達成できなくなることがある。一方、
分子量が2000未満であると、磁性塗料を前記非磁性支持
体上に塗布してから硬化剤を用いて硬化させる段階で、
未反応部分が生じ、低分子量成分が残存することになっ
て塗膜の物性を劣化させることがある。
また、前記樹脂(A)は、極性基1個当りの分子量が
200〜70000の範囲内にあることが望ましい。極性基1個
当りの分子量が200未満であると、親水性が強すぎて、
溶剤への溶解性、結合剤中の他の樹脂との相溶性および
磁性層の耐湿性の低下を招くことがある。一方、極性基
1個当りの分子量が70000を超えると、分散性の向上が
充分に図れないことがある。
結合剤中における前記樹脂(A)の含有率は90重量%
以上、好ましくは95重量%以上である。この含有率が90
重量%未満であると、前記Fe−Al系合金粉末の分散状態
の悪化を招き、磁気記録媒体の電磁変換特性や走行性が
劣化することがある。また、前記樹脂(A)の含有率を
90重量%以上にすることで、特にスチル耐久性を向上さ
せることができる。
この発明の磁気記録媒体においては、結合剤中に前記
樹脂(A)とともに極性基を有さない樹脂[以下、単に
樹脂(B)と言うことがある。]を含有していても良
い。
ここで、極性基を有さないとは、たとえば前記極性基
を有する樹脂における極性基のように前記Fe−Al系合金
粉末の表面に特に吸着し易い極性基を全く有していない
こと、およびこのような極性基を有していたとしても、
実質的に磁性粉に吸着しない程度の微量であることのい
ずれかの意味である。
前記樹脂(B)は、この発明の磁気記録媒体における
磁性層の機械的強度を向上させて耐久性を改善する作用
および前記樹脂(A)により実現される平滑な磁性層表
面の摩擦係数の上昇を防止する作用を有する。
前記樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、通常、25
℃以上、好ましくは45℃以上である。このガラス転移温
度(Tg)が25℃未満であると、磁性層自身の剛性が低下
し、繰り返し走行時にテープのエッジが折れたり、ヘッ
ド目詰りを起したりすることがある。
前記樹脂(B)としては、平均分子量が約10000〜200
000の範囲内にある樹脂を用いることができる。
具体的には、たとえばウレタン樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、セルロース誘導体(例:セルロール
アセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セ
ルロースプロピオネート、ニトロセルロース等)、スチ
レンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、各種の合
成ゴム系バインダー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系
反応樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネート
プレポリマーとの混合物、ポリエステルポリオールとポ
リイソシアネートとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹
脂、低分子量グリコールと高分子量ジオール化合物との
混合物およびこれらの混合物などが挙げられる。
これらの中でも、好ましいのはウレタン樹脂である。
ウレタン樹脂を用いる場合の、前記樹脂(A)のウレ
タン樹脂との配合比は、通常、前記樹脂(A)が90〜10
重量部の範囲内にあり、好ましくは80〜20重量部の範囲
内にある。
この発明においては、結合剤中に前記樹脂とともにポ
リイソシアネート系硬化剤を添加することにより、磁性
層の耐久性の向上を図ることができる。
前記ポリイソシアネート系硬化剤としては、たとえば
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサンジイソシアネート等の2官能イソシ
アネート、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン工
業(株)製)、デスモジュールL(商品名;バイエル社
製)等の3官能イソシアネート、または両末端にイソシ
アネート基を含有するウレタンプレポリマーなどの従来
から硬化剤として使用されているものや、また硬化剤と
して使用可能であるポリイソシアネートであるものをい
ずれも使用することができる。
前記硬化剤の使用量は、通常、全結合剤量の5〜80重
量部である。
前記磁性層における前記Fe−Al系合金粉末と前記結合
剤(上記硬化剤を使用する場合には、硬化剤を含む)と
の配合割合は、前記Fe−Al系合金粉末100重量部に対し
て、通常、結合剤1〜200重量部、好ましくは1〜50重
量部である。結合剤の配合量が多すぎると、結果的にFe
−Al系合金粉末の配合量が低くなり磁気記録媒体の記録
密度が低下することがあり、少なすぎると、磁性層の強
度が低下して磁気記録媒体の走行耐久性が減退すること
がある。
この発明において重要な点の一つは、前記磁性層が、
−SO3M、−OSO3Mおよび (ただし、式中、M、M1およびM2は、Mは水素イオン、
アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモ
ニウムイオンおよびアルキルアンモニウムイオンのいず
れかであり、M1およびM2は、それぞれ水素イオンおよび
アルカリ金属イオンのいずれかであり、またM1とM2は互
いに同じであっても良いし、異なってもよい。) のうちの少なくともいずれか1種類の極性基を有すると
ともに分子量が300〜4000の範囲内にある化合物[以
下、単に化合物(C)と言うことがある。]を含有する
ことにある。
前記化合物(C)は、この発明の磁性記録媒体のエッ
ジ折れを防止し、良好な走行性を実現する作用を有する
とともに磁性塗料の停滞安定性を改善する作用を有す
る。
前記化合物(C)の分子量は300〜4000の範囲内にあ
る。この分子量が300未満であると、磁性層の強度の低
下を招き、この発明の磁気記録媒体の走行耐久性が劣化
することがある。一方、4000を超えると、磁性層におけ
る前記Fe−Al系合金粉末の分散状態の悪化を招くことが
ある。
前記化合物(C)としては、塩の形をしている、
アゾ系化合物である、赤色である、等の条件を満足す
るものが好ましい。
具体的には、次式(a); (ただし、式中、Xは塩素原子、ニトロ基、メチル、エ
チル、メトキシおよびエトキシのいずれかを示し、Yは
塩素原子を示し、Zはスルホ基またたはそのアンモニウ
ム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および有機
アミン塩のいずれかを示す。また、n1およびn2はそれぞ
れ0〜5の整数を示し、m1およびm2はそれぞれ0〜2の
整数を示す。) で表わされる有機色素化合物を好ましいものとして挙げ
ることができる。
前記式(a)で表わされる化合物の具体例としては、 などが挙げられる。
なお、前記式(a)で表わされる有機色素化合物は、
上記のものに限定されるものではなく、修飾のための種
々の置換が可能である。
また、好ましい前記化合物(C)として次式(b); {ただし、式(b)中、Aは水酸基 [Rは水素原子または炭素数1〜30の脂肪族残基を示
す。]を示し、nは6以上の整数である。} で表わされる燐酸エステルを挙げることができる。
前記式(b)で表される燐酸エステルとしては、たと
えば および/またはこのジ燐酸エステル、 などが挙げられる。
前記化合物(C)は1種単独で使用しても良いし、2
種以上を組み合わせて使用しても良い。
前記化合物(C)の分子量は300〜4000の範囲内にあ
る。この分子量が300未満であると、磁性層の強度の低
下を招き、この発明の磁気記録媒体の走行耐久性が劣化
することがある。一方、4000を超えると、磁性層におけ
る前記Fe−Al系合金粉末の分散状態の悪化を招くことが
ある。
前記化合物(C)の添加量は、前記Fe−Al系合金粉末
100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは
0.1〜10重量部である。この添加量が0.1重量部未満であ
ると、この発明の磁気記録媒体の走行性が充分に向上し
ないことがある。一方、20重量部を超えると、塗膜強度
の低下を招き、粉落ちやエッジ折れ等が発生することが
ある。
この発明においては、前記化合物(C)とともに他の
潤滑剤を用いることができる。
前記潤滑剤としては、たとえばカーボンブラック、グ
ラファイト、カーボンブラックグラフトポリマー、二硫
化モリブデン、および二硫化タングステン等の固体潤滑
剤;シリコーンオイル、変性シリコーン化合物、脂肪酸
および脂肪酸エステルなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
前記潤滑剤の使用量は前記Fe−Al系合金粉末100重量
部に対して、通常、0.05〜10重量部である。
この発明の磁気記録媒体においては、磁性層中に、前記
樹脂(A)、樹脂(B)、化合物(C)および上記の潤
滑剤とともに研磨剤および帯電防止剤等を含有していて
も良い。
前記研磨剤としては、たとえば酸化アルミニウム、酸
化チタン(TiO、TiO2)、酸化ケイ素(SiO、SiO2)、窒
化ケイ素、酸化クロムおよび炭化ホウ素等の無機粉末並
びにベソゾグアナミン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末およ
びフタロシアニン化合物粉末等の有機粉末が挙げられ
る。
前記研磨剤の平均粒子径は、通常、0.1〜1.0μmの範
囲内にある。
また、前記研磨剤の配合量は、前記Fe−Al系合金粉末
100重量部に対して、通常、0.5〜20重量部の範囲内にあ
る。
前記帯電防止剤としては、たとえばグラファイト、カ
ーボンブラック、酸化錫−酸化アンチモン系化合物、酸
化錫−酸化チタン−酸化アンチモン系化合物、カーボン
ブラックグラフトポリマー等の導電性粉末;サポニンな
どの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリセ
リン系、グリシドール系等のノニオン界面活性剤;高級
アルキルアミン類、第4級ピリジン、その他の複素環
類、ホスホニウムおよびスルホニウム類等のカチオン界
面活性剤:カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステ
ル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活
性剤:アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸および燐酸エステル類等の両性界面活性剤な
どが挙げられる。
これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を組
み合せて使用しても良い。
前記帯電防止剤の配合量は、Fe−Al系合金粉末100重
量部に対して、通常、0.5〜20重量部である。
なお、前記潤滑剤、帯電防止剤等は、単独の作用のみ
を有するものではなく、例えば、一の化合物が潤滑剤お
よび帯電防止剤として、作用する場合がある。
したがって、この発明における上述の分類は、主な作
用を示したものであり、分類された化合物の作用が分類
に示す作用によって、限定されるものではない。
次に、この発明の磁気記録媒体を製造する方法につい
て説明する。
(製造方法) この発明の磁気記録媒体は、前記Fe−Al系合金粉末、
結合剤などの磁性層形成成分を溶媒に混練分散して磁性
塗料を調製した後、得られた磁性塗料を前記非磁性支持
体上に塗料および乾燥することにより製造することがで
きる。
磁性層形成成分の混練・分散に使用する溶媒として
は、たとえばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)およびシクロヘキサノ
ン等のケトン系:メタノール、エタノール、プロパノー
ルおよびブタノール等のアルコール系;酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸プロピルおよ
びエチレングリコールモノアセテート等のエステル系;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−エトキシ
エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル系;ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族
炭化水素;メチレンクロライド、エチレンクロライド、
四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリンお
よびジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素などを使
用することができる。
磁性塗料成分の組成混練にあたっては、前記Fe−Al系
合金粉末およびその他の磁性塗料成分を、同時にまたは
個々に順次混練機に投入する。たとえば、まず分散剤を
含む溶液中に前記磁性粉を加え、所定時間混練した後、
残りの各成分を加えて、さらに混練を続けて磁性塗料と
する。
混練分散にあたっては、各種の混練機を使用すること
ができる。この混練機としては、たとえば二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、サイド
グラインダー、Sqegvariアトライター、高速インペラー
分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ
ーニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分
散機などが挙げられる。
このようにして調製した磁性層形成成分の塗布液は、
公知の方法により、非磁性支持体上に塗布される。
この発明において利用することのできる塗布方法とし
ては、たとえばグラビアロールコーティング、ワイヤー
バーコーティング、ドクタープレードコーティング、リ
バースロールコーティング、ディップコーティング、エ
アーナイフコーティング、カレンダーコーティング、ス
キーズコーティング、キスコーティングおよびファンテ
ィンコーティングなどが挙げられる。
このようにして、塗布された前記磁性層の厚みは、通
常、乾燥厚で0.5〜20μmである。
こうして、磁性層形成成分を塗布した後、末乾燥の状
態で、必要により磁場配向処理を行ない、さらに、通常
はスーパーカレンダーロールなどを用いて表面平滑化処
理を行なう。
次いで、所望の形状に裁断することにより、磁気記録
媒体を得ることができる。
この発明の磁気記録媒体は、たとえば長尺状に裁断す
ることにより、ビデオテープ、オーディオテープ等の磁
気テープとして、あるいは円盤状に裁断することによ
り、フロッピーディスク等として使用することができ
る。さらに、通常の磁気記録媒体と同様に、カード状、
円筒状などの形態でも使用することができる。
[実施例] 次に、この発明の実施例および比較例を示し、この発明
についてさらに具体的に説明する。なお、以下に記載す
る実施例および比較例において、「部」は「重量部」を
表わすものとする。
(実施例1) 以下に示す組成の磁性層組成物をボールミルを用い
て、48時間混合分散することにより分散液とした後、こ
の分散液にポリイソシアネート化合物[商品名「コロネ
ートL」;日本ポリウレタン(株)製]5部を添加して
混合し、磁性塗料を調製した。
Fe−Al系強磁性合金粉末 (比表面積 50m2/g) 100部 スルホン酸ナトリウム基含有 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 スルホン酸ナトリウム基含有ポリウレタン 10部 スルホン酸基含有塩アゾ系化合物 2部 α−Al2O3 7部 ステアリン酸 2部 ステアリン酸ブチル 2部 メチルエチルケトン 300部 トルエン 100部 [ただし、上記スルホン酸基含有塩アゾ系化合物は、次
式; で表わされる化合物である。] 得られた磁性塗料を、乾燥厚が3μmになるように厚
み10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗
布した。
次いで、加熱下に溶剤を除去した後、スーパーカレン
ダーにかけて表面平滑化処理を行い、8mm幅にスリット
して8mmビデオ用テープを作製した。
この8mmビデオ用テープにつき、諸特性を測定した。
結果を第1表に示す。
なお、それぞれの特性は次のようにして測定した。
塗料粘度;B型回転粘度計を使用し、4号ロータにより30
回転で測定した。
角形比;VSMを使用して(測定磁場10kOe)残留磁束密度
(Br)と飽和磁束密度(Bm)との比(Bm/Br)を求め
た。
Y−S/N;ノイズメーター(シバソク社製)を使用し、HP
F(ハイパスフィルター)10KHz、LPF(ローパスフィル
ター)4.2KHzの条件下に測定した。
粉落ち;繰り返し走行(100回)後のデッキ内における
テープ走行部の汚れを拭き取り、その汚れ具合を目視で
判定した。
ヘッド目詰り;テープの全長にわたって録画・再生を行
い、ヘッド目詰りによるRF−DOT低下の有無を調べた。
スチル耐久性;スチルモードにおける初期の出力から出
力が2db低下するまでの時間を測定した。
(実施例2) 前記実施例1において、スルホン酸ナトリウム基含有
ポリウレタン10部に代えて、スルホン酸ナトリウム基含
有ポリウレタン7.5部とポリウレタン(極性基なし)2.5
部との混合物を使用したほかは、前記実施例1と同様に
して実施した。
結果を第1表に示す。
(実施例3) 前記実施例1において、スルホン酸基含有アゾ系化合
物に代えて、次式; で表わされるリン酸エステルを使用したほかは、前記実
施例1と同様にして実施した。
結果を第1表に示す。
(比較例1) 前記実施例1において、スルホン酸ナトリウム基含有
ポリウレタン10部に代えて、スルホン酸ナトリウム基含
有ポリウレタン5部とポリウレタン(極性基なし)5部
との混合物を使用したほかは、前記実施例1と同様にし
て8mmビデオ用テープを作製した。
この8mmビデオ用テープについて、前記実施例1と同
様にして諸特性を測定した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、この比較例の磁気記録媒
体はこの発明の磁気記録媒体に比較して、磁性塗料の粘
度の上昇が大きく停滞安定性に劣り、かつ角型比および
Y−S/Nの測定結果から電磁変換特性が劣るとともに、
粉落ちおよびヘッド目詰りが見られたことから走行性お
よび耐久性にも劣っていた。
(比較例2) 前記実施例1において、スルホン酸基含有アゾ系化合
物に代えてレシチンを使用したほかは、前記実施例1と
同様にして8mmビデオ用テープを作製した。
この8mmビデオ用テープについて、前記実施例1と同
様にして諸特性を測定した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、この比較例の磁気記録媒
体はこの発明の磁気記録媒体に比較して、磁性塗料の粘
度の上昇が大きく停滞安定性に劣り、かつ角型比および
Y−S/Nの測定結果から電磁変換特性が劣るとともに、
粉落ちおよびヘッド目詰りが見られたとともにスチル耐
久性が著しく悪かったことから走行性および耐久性にも
劣っていた。
(比較例3) 前記実施例1において、スルホン酸基含有アゾ系化合
物に代えて次式; で表わされる化合物(分子量4700)を使用したほかは、
前記実施例1と同様にして8mmビデオ用テープを作製し
た。
この8mmビデオ用テープについて、前記実施例1と同
様にして諸特性を測定した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、この比較例の磁気記録媒
体はこの発明の磁気記録媒体に比較して、磁性塗料の粘
度の上昇が大きく停滞安定性に劣り、かつ角型比および
Y−S/Nの測定結果から電磁変換特性が劣るとともに、
粉落ちおよびヘッド目詰りが見られたことから走行性お
よび耐久性にも劣っていた。
(比較例4) 前記実施例1において、スルホン酸基含有アゾ系化合
物を使用しなかったほかは、前記実施例1と同様にして
8mmビデオ用テープを作製した。
この8mmビデオ用テープについて、前記実施例1と同
様にして諸特性を測定した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、この比較例の磁気記録媒
体はこの発明の磁気記録媒体に比較して、磁気塗料の粘
度の上昇が大きく停滞安定性に劣り、かつ角型比および
Y−S/Nの測定結果から電磁変換特性が劣るとともに、
粉落ちおよびヘッド目詰りが見られたとともにスチル耐
久性が著しく悪かったことから走行性および耐久性にも
劣っていた。
(比較例5) 前記実施例1において、Fe−Al系強磁性合金粉末(比
表面積50m2/g)に代えて、Fe−Zn−Ni強磁性合金粉末
(比表面積50m2/g)を使用したほかは、前記実施例1と
同様にして8mmビデオ用テープを作製した。
この8mmビデオ用テープについて、前記実施例1と同
様にして諸特性を測定した。
結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、この比較例の磁気記録媒
体はこの発明の磁気録媒体に比較して、粉落ちおよびヘ
ッド目詰りが見られたとともにスチル耐久性が著しく悪
かったことから走行性および耐久性に劣っていた。
[発明の効果] この発明によると、 (1) 特定の極性基を有する樹脂を90重量%以上の割
合で含有する結合剤を用いているので、磁性塗料の粘度
の上昇が小さく停滞安定性に優れ、かつ強磁性合金粉末
の分散状態が良好であり、 (2) したがって、電磁変換特性に優れ、 (3) また、特にビデオテープにしたときのスチル耐
久性を向上させることができ、 (4) さらに、特定の極性基を有するとともに特定の
分子量を有する化合物を磁性層中に含有するので、機械
的特性の劣化を招くことなく良好な走行性および耐久性
を実現することができ、特に高密度記録用の磁気記録媒
体として好適に利用することができる、 等の種々の利点を有する磁気記録媒体を提供することが
できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上にFe−Al系合金粉末と結合
    剤とを含有する磁性層を設けてなる磁気記録媒体におい
    て、前記Fe−Al合金粉末のBET法による比表面積が45m2/
    g以上であり、かつ前記結合剤が極性基を有する樹脂を9
    0重量%以上の割合で含有し、さらに前記極性基を有す
    る樹脂の極性基が、−SO3M、−OSO3Mおよび (ただし、式中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオ
    ン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンおよ
    びアルキルアンモニウムイオンのいずれかであり、M1
    よびM2は、それぞれ水素イオン、アルカリ金属イオンお
    よびアルキル基のいずれかである。またM1とM2とは互い
    に同じであっても良いし、異なっても良い。) のうちの少なくともいずれかであり、かつ前記磁性層が
    −SO3M、−OSO3Mおよび (ただし、式中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオ
    ン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンおよ
    びアルキルアンモニウムイオンのいずれかであり、M1
    よびM2は、それぞれ水素イオンおよびアルカリ金属イオ
    ンのいずれかである。またM1とM2とは互いに同じであっ
    ても良いし、異なっても良い。) のうち少なくとも1種類の極性基を有するとともに分子
    量が300〜4000である化合物を含有することを特徴とす
    る磁気記録媒体。
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