JP2536477B2 - 印字記録装置 - Google Patents

印字記録装置

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JP2536477B2
JP2536477B2 JP61084974A JP8497486A JP2536477B2 JP 2536477 B2 JP2536477 B2 JP 2536477B2 JP 61084974 A JP61084974 A JP 61084974A JP 8497486 A JP8497486 A JP 8497486A JP 2536477 B2 JP2536477 B2 JP 2536477B2
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/315Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material
    • B41J2/32Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads
    • B41J2/325Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads by selective transfer of ink from ink carrier, e.g. from ink ribbon or sheet

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、ノンインパクトタイプの記録を行うことの
できる印字記録装置に係わり、詳細には、電気信号を熱
エネルギに変換して、これによって溶融したインクを記
録用紙に転写して画像の形成を行う印字記録装置に関す
る。
「従来の技術」 電気信号を熱エネルギに変換して普通紙に画像情報を
記録する印字記録方法が各種提案され、また実用化され
ている。これらの印字記録方法としては、(i)熱ヘッ
ド転写方式、(ii)通電転写方式、(iii)熱的転写印
刷方式が代表的である。
このうち、(i)熱ヘッド転写方式は、サーマルヘッ
ドを印字ヘッドとして用い、低融点のインクを塗布した
熱記録媒体(インクドナーフィルム)のベース側にこの
ヘッドを摺接させる。そして画像情報に応じて熱パルス
をインクドナーフィルムに印加し、熱導電によって該当
する部位のインクを溶融させる。インクドナーフィルム
のインク層側には普通紙(以下、記録用紙と称する。)
が重ね合わされており、溶融したインクはこの記録用紙
に転写される。
これに対して(ii)通電転写方式では、針電極を用い
てインク層に通電を行い、そのとき発生する熱を利用し
てインクを溶融させ記録用紙に転写する。また(ii)熱
的転写印刷方式では、中抵抗のインク支持体上に発熱抵
抗層と帰路電極を設ける。そしてインク支持体側に針電
極を接触させインク媒体中に電流路を設けてインクを選
択的に溶融させ、記録用紙に転写させる。
このうち(i)熱ヘッド転写方式では、インクドナー
フィルムを構成するコンデンサ紙等からなるベース紙を
介してインク層に熱パルスを伝達させる。従って長い距
離を熱伝導に頼ることとなり、例えば1画素(ドット)
当りの印字要素時間が1mS(ミリ秒)以上となって印字
速度が遅い。また、このベース紙部分で熱エネルギの損
失が生じるために、インク層に伝達されるエネルギが少
ない。このため、インク材料はワックス系の材料しか使
用することができず、その選択余裕度が小さい。従って
記録用紙に対するインクの転移制御も難しく、例えば階
調表現を行うためにドットの大きさを多段階に制御する
ことは実際上困難となる。
次に(ii)通電転写方式では、インク層への導電性付
与が色調制御を難しくするためカラー記録が困難となる
欠点がある。また支持体部分の導電的な損失が大きく、
この部分の機械的特性も良くない。更に印字ドットが安
定せず、支持体部分の電気異方性が不十分であるために
この部分でのエネルギ損失が大きいという欠点もある。
最後に(iii)熱的転写印刷方式では、インク支持体
に導電異方性がないので、ドットに広がりが生じてしま
う。また、発熱に寄与しないリーク電流が大きく、エネ
ルギ効率が悪い。更にこの方式ではインク支持体にある
程度の抵抗分が必要となるので、電極とインク支持体間
の接触抵抗が大きくなるという問題もある。
そこで、特開昭56−93585号公報等では、非打撃型の
プリント・リボンを用いた印字記録方法が開示されてい
る。
第17図はこの印字記録方法の原理を説明するためのも
のである。この方法では、プリント・リボン1を上部層
2、下部層3、導体層4およびインク層5によって構成
している。そして低抵抗の上部層2にプリント電極6と
接地電極7を接触させておく。接地電極7とプリント電
極6は互いに非接触状態に保っておく。画像信号に応じ
て、プリント電極6に電圧を印加すると、電流が上部層
2、下部層3、導体層4と流れ、再び下部層3と上部層
2を流れて接地電極7に到達する。このとき、上部層2
の発熱は少ないが、下部層3の電流通路部分で大部分の
発熱が生じる。発熱箇所の熱エネルギは導体層4を経て
インク層5に到達し、インクの溶融を起こさせる。これ
により、記録用紙に対するインクの転写が行われる。
「発明が解決しようとする問題点」 ところがこの提案された印字記録方法では、電流が第
17図に破線で示すように下部層3を2カ所で横切ること
になる。従って、熱エネルギの使用効率が低いのみなら
ず、プリント電極6と接地電極7の2カ所でプリント・
リボンと摺接することになる。この結果、接触抵抗が大
きくなり、この分だけエネルギが浪費されるという問題
もある。
そこで本発明の目的は、エネルギ効率がよく、しかも
印字速度を高速化することのできる印字記録装置を提供
することにある。
「問題点を解決するための手段」 本発明では、印字記録装置に導電性を有する層状のイ
ンク支持体と、このインク支持体の他方の面に重ね合わ
されて通電によって発熱する発熱抵抗層と、この発熱抵
抗層におけるインク支持体と重ね合わされていない方の
面と電気的に接触する帰路電極層と、この帰路電極層の
前記した面と反対の面側に形成され発熱抵抗層の発熱に
よって溶融するインク層とを有する通電転写方式用イン
ク媒体を用いることにしている。
印字記録装置は、(イ)インク支持体に圧接するとと
もに画像信号に応じた電圧を印加する電圧印加手段と、
(ロ)帰路電極層に少なくとも電圧印加手段による電圧
印加時間だけ電圧印加手段の出力電圧と逆極性の電圧を
印加する帰路電極電圧印加手段とを備えており、インク
層に重ね合わされた記録用紙に前記発熱抵抗体層の選択
的加熱によって溶融した部分のインクを転写させ画像情
報に応じた画像形成を行うようにしている。
すなわち本発明の印字記録装置では、電圧印加手段に
よってインク支持体に画像信号に応じた電圧を印加する
一方、帰路電極層に少なくとも電圧印加手段による電圧
印加時間だけ電圧印加手段の出力電圧と逆極性の電圧を
印加するので、画像信号を比較的定電圧で制御すること
ができ、印字速度を高速化することができる。また、本
発明ではインク支持体から発熱抵抗層を経て帰路電極層
に電流が流れ、従来のようにインク支持体へ電流の経路
が戻る必要がないので、無駄がなくエネルギ効率を高め
ることができる。
「実施例」 以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
「第1の実施例」 第1図は本発明の第1の実施例の印字記録装置を表わ
したものである。この装置には、長尺のインク媒体を巻
回したインク媒体ロール11と、同じく長尺の記録用紙を
巻回した転写材ロール12が備えられている。
第2図はインク媒体の構造を表わしたものである。イ
ンク媒体ロールを構成するインク媒体13は、インク支持
体14の一方の面に発熱抵抗層15を形成し、これに帰路電
極16と熱溶融性インク層17を順に層状に形成したもので
ある。インク支持体14は図で上下方向すなわちインク媒
体13の面と垂直の方向に導電性を持った異方性の支持体
である。
このような構造のインク媒体13はインク媒体ロール11
から繰り出された後、転写材ロール12から繰り出された
記録用紙21と共に1対の搬送ロール22を通過し、これら
が重ね合わされる。重ね合わされたインク媒体13と記録
用紙21は、信号印加電極24と背面圧接駆動ロール25の間
を通過する。信号印加電極24は、インク媒体13等の搬送
方向(副走査方向)26と直行する方向(主走査方向)に
針状電極を一列に配した記録ヘッドである。画像信号に
応じてこれらの針状電極へ印加される電圧が制御され、
記録が行われることになる。
第3図はこの記録原理を表わしたものである。信号印
加電極24はインク媒体の支持体14に圧接されるようにな
っている。インク支持体14は異方導電性を有し、その面
方向の導電度よりも厚み方向の導電度が10倍以上良くな
っている。
このようなインク支持体14の一方の面に信号印加電極
24を摺接させた状態で、帰路電極16を接地すると、次の
ような電流の流れが生じる。
信号印加電極24→インク支持体14→発熱抵抗層15→帰
路電極16 このとき、発熱抵抗層15の通電によって発生した熱は
次のように伝達される。
発熱抵抗層15→帰路電極16→熱溶融性インク層17→記
録用紙21 ここで記録用紙21に対する熱の伝達は、熱溶融性イン
ク層中の溶融されたインク17Aが記録用紙21に転移する
ことによって行われる。
以上の印字記録装置に用いられるインク媒体13の製造
方法の一例を次に説明する。
第4図および第5図はこのようなインク媒体を構成す
るインク支持体の一例を表わしたものである。このうち
第4図は平面図であり、第5図は断面図である。インク
支持体14は、直径35μmのニッケル線28を50μm×50μ
mの面積に1本の密度で垂直方向に並べてシリコンエラ
ストマー29で固定したもので、面側を凹凸が0.1μm以
下になるように研摩し、研摩後の厚さが1.5mmになるよ
うに設定している。これにより、支持体14の厚さ方向の
抵抗値は5×10-6Ωcmとなり、表面抵抗は1平方cm当り
1014Ωとなる。
インク支持体14がこのように厚さ方向に導電性を有
し、面方向の抵抗値の少なくとも4分の1以下、好まし
くは10分の1以下であることは、信号印加電極24から選
択的に供給される電流を帰路電極16に向かって拡散する
ことなく効率的に流す上で必要である。
インク支持体14が形成されたら、これを有機溶剤で十
分に洗浄する。この後、インク支持体14は乾燥され、真
空系に設置される。真空系が2×10-6torrの高真空状態
にされた後、アルゴンガスを導入して、これを3×10-3
に設定する。そして高周波スパッタリング法によって、
500Åの厚さで支持体14の片面にSiCの薄膜を形成し、こ
れを発熱抵抗層15とする。発熱抵抗層15を構成する抵抗
材層は一般に10-2Ω・cmから104Ω・cmの間の固有抵抗
を有する物質であることが必要であり、またそれ自身発
熱するので200℃以上の熱にたえられることも必要であ
る。
SiCの膜からなる発熱抵抗層15の上には、真空蒸着法
によって4×10-6TorrでAuの着膜が行われ、その厚さが
1500Å程度に調整される。このようにして形成されたAu
膜が帰路電極16を構成する。帰路電極16の上には、融点
が60℃のポリエチレン・ワックス中にカーボンブラック
5wt%を混入・分散させた7μmのインク層17が配置さ
れる。これによりインク媒体が完成する。なお、帰路電
極16は発熱抵抗層材よりも体積固有抵抗値で0.5倍以下
のものが好ましく、また発熱抵抗層15に隣接するので、
一般に200℃以上の温度に耐えられる材質であることが
必要である。
第1図に戻って、説明を続ける。信号印加電極24と背
面圧接駆動ロール25の間を通過した記録用紙21は、信号
印加電極24によって後述するようにインク媒体13からイ
ンクを選択的に転写される。搬送ロール31、32を通過し
た後、記録用紙21はインク媒体13から分離され、排出ト
レイ33に回収される。一方、インク媒体13はパルス印加
電極ロール34とピンチロール35の間を通過し、紙管に順
次巻回されて使用済み媒体ロール36となる。パルス印加
電極ロール34はインク媒体の帰路電極16と電気的接触を
保つようになっている。このために、パルス印加電極ロ
ール34と接触するインク媒体13の部分(インク媒体13の
両側部)には熱溶融性インク層17が形成されておらず、
この部分では帰路電極16が露出している。
ところでパルス印加電極ロール34はパルス発振器37に
接続されている。パルス発振器37は、信号印加電極24に
電圧が印加されるタイミングでそれと逆方向の極性のパ
ルス電圧を周期的に発生する。印字を行う画素部分で信
号印加電極24からパルス状の電圧が印加されると、電流
が支持体14を厚み方向に流れ、発熱抵抗層15のその部分
を通電によって発熱させる。これによってインクの選択
的転写が行われる。
実験例1 実験例1では、この第1の実施例で説明したインク支
持体を用いた。信号印加電極24には直径90μmの針電極
を使用し、これらの針電極の配置を8本/mmの密度とし
た。パルス発振器37から帰路電極16に−30Vのパルス電
圧を周期的に印加し、信号印加電極24から3種類の電圧
(+50V、+110V、+240V)を印加したところ、記録用
紙21に転移したドットは次の第1表に示すようなものと
なった。
比較例1−1 比較のためにインク支持体を35μmの直径のものから
直径180μmのニッケル線に変更した。またその配置密
度は、50μm×50μmに1本の割合から240μm×240μ
mに1本の割合に変更した。この比較例1−1における
インク支持体は、厚み方向の抵抗値が10-6Ω・cmであ
り、表面抵抗は1014Ω/cm2となった。これを実験例1と
同様に印字に使用した。その評価は次の第2表に示す通
りである。
比較例1−2 更にインク支持体の特性を評価するために、インク支
持体として次のようなものを作成した。すなわち、導電
性カーボンブラックを30wt%分散させた熱硬化型シリコ
ン樹脂を、40μm厚の厚み抵抗値4×10Ω・cmで表面抵
抗7×10Ω/cm2のフィルム状にした。そしてその上に発
熱抵抗層、帰路電極(導電層)、熱溶融性インク層を先
の実験例と同様に形成し、比較用のインク媒体とした。
これによる評価を次の第3表に示す。
なお、この比較例1−2では、信号印加電極24に240V
の電圧を印加したところ、インク支持体がかなり発熱
し、印加された支持体の部分に大きな変形が生じた。
実験例2 この第2の実験例では、インク支持体を次のようにし
て製造した。まず、0.1μm程度の線径を有するカーボ
ン繊維をウレタンエラストマーで互いに垂直方向に並べ
られた状態で固定した。この後、両面を充分研摩し、厚
さ5mm程度のシートとすると共に、表面の凹凸を数百Å
にした。このインク支持体は、厚み方向の抵抗値が5×
10-4Ω・cmであり、表面抵抗値は5×1013Ω/cm2であっ
た。
次にこのインク支持体を十分洗浄し、乾燥した後、真
空系に設置し、1×10-6torrの高真空とした。キャリア
ガスとしてアルゴンガスをこの真空系に導入し、6×10
-4torrとし、次に酸素ガスを導入して2×10-3torrとし
た。この状態でAlターゲットを高周波でスパッタリング
し、Al2O3とAlの液晶体を1500Åの厚さに形成した。こ
のようにして形成された発熱抵抗層は、抵抗値が厚み方
向に102Ωであった。
この発熱抵抗層には、更に1500Åの厚さのAu膜と、7
μm厚の熱溶融性インク層を順に形成し、インク媒体と
した。
なお、このインク媒体製造時における抵抗値の測定
は、第6図に示すような原理で行った。すなわち、測定
サンプル41の一方の面に第1と第2の2種類の測定電極
42、43を所定の間隔で配置し、他方の面には第1の測定
電極42に対向する位置に第3の測定電極44を配置した。
そして厚み方向の測定を行う際には第1および第3の測
定電極42、44を用い、表面抵抗の測定を行う際には第1
および第2の測定電極42、43を用いた。第7図はこれら
の測定のときにおける測定サンプル41と電流計45および
電圧計46の配置を表わしたものである。
この第2の実施例における印字の評価を次の第4表に
示す。
このように、この第2の実験例では印加電圧を変化さ
せることによりドット径を複数の段階に変化させること
ができ、ドット単位での階調表現が可能となる。
以上説明した第1の実施例では、インク媒体の帰路電
極に熱溶融性インク層を直接形成しているので、後に説
明する他の実施例に比べて構成が簡単であり、熱効率も
よいという長所がある。
「第2の実施例」 第8図は第2の実施例における印字記録装置の概要を
表わしたものである。この実施例では、先の実施例と異
なりインク剥離層を配置したインク媒体51を使用する。
第1図と同一部分には同一の符号を付しており、それら
の説明は適宜省略する。この図に示す装置では、インク
媒体ロール52からインク媒体51が順次繰り出され、転写
材ロール53に巻き取られることになる。
第9図は、この実施例で使用されるインク媒体の断面
構造を表わしたものである。インク媒体51は、インク支
持体14の一方の面に発熱抵抗層15を形成し、これに帰路
電極16とインク剥離層55および熱溶融性インク層17を順
に層状に積み重ねたものである。インク支持体14は図で
上下方向すなわちインク媒体13の面と垂直の方向に導電
性を持った異方性の支持体である。
第10図はこの第2の実施例における発熱抵抗層の通信
制御を説明するためのものである。
信号印加電極24(第8図)の該当する針状電極には、
第10図の上側の部分に示したように印字を行うラインで
+100Vのパルス電圧が印加される(同図の実線部分5
7)。印字を行わないライン(図で破線部分58)にはな
んらの電圧も印加されない。
一方、パルス発振器37は第10図の下側の部分に実線59
で示したように各ラインの印字タイミングで−50Vの電
圧を発生する。パルス印加電極ロール34はこの負の電圧
をインク媒体の帰路電極16に印加することになる。この
インク媒体51における電流の流れは、次に示すようにな
る。
信号印加電極24→インク支持体14→発熱抵抗層15→帰
路電極16 すなわち印字の行われる部分では発熱抵抗層15の両側
に150V近くの電圧が印加されることになり、この部分が
導通される。この印字記録装置では、印字の行われない
部分でも印字タイミングで50V近くの電圧が印加され
る。しかしながらこれによる電流は先の電流に比べて微
小である。
発熱抵抗層15に発生した熱は次のように伝達される。
発熱抵抗層15→帰路電極16→インク剥離層55→熱溶融
性インク層17→記録用紙21 印字の行われる部分では、発熱抵抗層15に大量の電流
が流れるのでこの部分が強く発熱し、この熱はインク剥
離層55を経て熱溶融性インク層17に到達し、インクの選
択的な溶融が行われる。印字の行われない部分では、発
熱抵抗層15に微小電流しか流れないので、この部分が予
熱されることはあっても熱溶融性インク層17の対応する
部位のインクが溶融することはない。
さて、この第2の実施例では帰路電極と熱溶融性イン
ク層との間にインク剥離層を設けている。これによりイ
ンクの加熱時における記録用紙に対する転移効率が向上
し、インクが完全に記録用紙に転移されることになる。
すなわち、インクの転移の安定性が確保されるので、印
加エネルギを変化させることでドット径を他段階にかつ
安定して変化されることが可能となる。
またインク剥離層を設けたために、インクの選択が第
1の実施例のそれよりも容易となる。インクに要求され
る必要充分な条件は、加熱によって粘度が低下し転移し
易くなる熱可塑性あるいは熱溶融性をもっていることだ
けであり、色材等に対する制約は存在しない。ことた
め、インク剥離層を設けることで色材の選択がより豊富
となり、高色調再現が可能となる。
実験例2 インク支持体を次のようにして作成した。
直径15μmの銅線を100μm×100μmの面積に9本以
上存在する確率で並設し、常温硬化型シリコンエラスト
マーでこれらを固定した。次にこのシート状部材の面方
向(銅線の長さ方向と直角方向)を精密研摩し、それら
の表面を400Å以下の凹凸とした。作成されたインク支
持体の厚さは1.5mmに調整した。このインク支持体の厚
み方向の抵抗値は0.1Ωであり、面方向のそれは1013Ω
であった。
インク支持体はこの後、十分に洗浄され、乾燥されて
真空系に設置された。真空系は2×10-5torrに設定さ
れ、アルゴンガスの導入によって3×10-3torrにされ
た。この状態で、ZnO2にCuをドーピングしたターゲット
を用い薄膜状の発熱抵抗層を形成した。この発熱抵抗層
は、体積抵抗値が102Ω・cmであった。
次に真空系は真空度4.0×10-6torrに設定され、真空
蒸着法によってまずCrを5000Åの厚さで形成した。更に
その上には、電子ビーム真空蒸着法を用いてCuを2000Å
の厚さで着膜させて帰路電極とした。この帰路電極の上
には、ポリエステル樹脂で1μmの厚さの膜を形成し、
インク剥離層とした。このインク剥離層は、臨界表面張
力が36dyne(ダイン)/cmであった。
このインク剥離層の上にはインク層が形成され、イン
ク媒体が完成した。このインク媒体はガラス転移点が5
℃で、着色材5wt%を含有し、3mm厚に着膜したものであ
る。以上の過程でインク媒体が完成する。
この実験例では、信号印加電極24に直径70μmの銅の
針電極を使用し、これらの針電極の配置を8本/mmの密
度とした。信号印加電極(ラインヘッド)24は、インク
媒体のインク支持体表面に1.0kg/m2で圧接された。信号
印加電極24を構成する針状電極のそれぞれの先端部は、
楔状に研摩してもよく、また針状電極はインク媒体51の
移動に逆らうように斜めの角度でインク支持体表面に圧
接されてもよい。このような圧接状態によって、インク
媒体表面に多少のうねりが生じていても、針状電極が安
定して接触されることになる。インク支持体はかなりの
剛性があるので、針状電極の接触による力学的な歪に対
しても安定である。
信号印加電極24の印字ドットに対応する針状電極に
は、+10V、+50Vおよび+100Vの3種類の電圧が180μ
Sの矩形パルスとして印加された。このとき、インク媒
体の帰路電極16には、その側部の露出部分と接触するパ
ルス印加電極ロール34によって負の電圧のパルスが印加
された。この負の電圧のパルスはパルス幅が300μSで
あり、画像信号の入力されるそれぞれのタイミングより
も20μSだけ早い時間から印加を開始された。もっと
も、パルス印加電極ロール34側から印加される電極パル
スの時間幅は、通常の場合、信号印加電極24の側から印
加される電圧パルスの時間幅と等しいか例えば1.1倍以
上の長さであればよく、この実験例に限定されるもので
はない。
この実験例では、背面圧接駆動ロール25としてゴム硬
度45のゴムロールを使用し、インク媒体51とこの背面圧
接駆動ロール25との間に複写機用の普通紙(富士ゼロッ
クス株式会社の販売するL紙)を通し、印字を行った。
次の第5表は、これによる評価を表わしたものである。
比較例2 実験例2と同様なインク媒体および印字装置を使用し
て、帰路電極16を接地した状態で印字を行った。この場
合の印字ドットの評価を次の第6表に示す。
以上説明したように、この第2の実施例ではインク支
持体にインク剥離層を設け、また帰路電極側に信号印加
電極側と反対極性の電圧を印加したので、画像信号に対
応させて比較的低い電圧を発生させるだけで、安定した
印字を行うことが可能となる。またこの実施例のように
信号印加電極を構成する針状電極の先端を斜め研摩する
ことにより、印字のむらを解消することも可能となる。
「第3の実施例」 第11図は本発明の第3の実施例を説明するためのもの
である。この第3の実施例の印字記録装置では、印字動
作を高速に行うことができ、しかも良好な印字が長時間
にわたって案内して行われる方法を実現している。
この第11図に示すように、この印字記録装置の機構部
分は先の実施例と同一である。すなわち、この方法では
第9図に示したインク媒体51をインク媒体として使用し
ている。
インク媒体51とインク支持体14側の面には信号印加電
極71が圧接されるようになっている。信号印加電極71
は、多数の針状電極72を図示しないエポキシ樹脂によっ
て固定したものである。針状電極72の各々は、それぞれ
同じく図示しないヘッド本体に搭載されたドライバの対
応する出力端子に接続されている。インク媒体51の他方
の面(熱溶融性インク層17)には、記録用紙21が背面圧
接駆動ロール25によって圧接されている。背面圧接駆動
ロール25が矢印73方向に回転すると、インク媒体51と記
録用紙21は副走査方向26に搬送されることになる。
され、針状電極72に電圧が印加されると、電流はイン
ク支持体14から帰路電極16へとインク媒体51の厚さ方向
に流れ、電熱抵抗層15の通電された部分を発熱させる。
この発熱部分の発生する熱エネルギは、流した電流の積
分値とほぼ等しくなる。すなわち、この熱エネルギによ
って生ずる温度分布に従った印字が記録用紙21上に行わ
れることになる。
従来から信号印加電極71には第12図Aに示すような電
圧または電流波形のパルス信号が印加されていた。記録
用紙21とインク媒体51はこのパルス信号が印加されてい
るとき所定の速度で副走査される。従って、それらの移
動方向に対する熱溶融性インク層17の温度変化は同図B
に示すような頂上の平坦な山形の波形となった。
ところで第13図は、熱溶融性インク層17を構成するイ
ンクの通電による温度上昇と記録用紙21に対する転移と
の関係を表わしたものである。インクがある程度(ガラ
ス転移点)まで上昇すると、急激にインクの転移が行わ
れることがわかる。これは、インク剥離層55の効果によ
るところが大きい。
このようにいわば“0"、“1"の2値で画像の記録が行
われるので、ガラス転移点に到達するタイミングが印字
ドットによって異なると、ドット径がばらつき、印字濃
度が均一とならない。従来では第12図Bにも示したよう
にインクの温度の上昇程度が必ずしも急激には行われな
いので、ガラス転移点に到達するタイミングがばらつ
き、このため印字濃度に多少の変動を生じることが避け
られなかった。もちろん、全体として印加パルスの電圧
を上昇させて短時間の通電で大電流を流すようにすれば
温度の立ち上がりはよくなるが、電源が大型化し、印字
装置の価格上昇を招くという問題があった。また、大電
圧のパルスを使用すると、インク媒体51に与える損傷が
大きく、インクの再塗布によってこれを再使用すること
のできる印字装置では再使用の寿命を短くするといった
問題もあった。
そこでこの第3の実施例では、熱溶融性インク層17の
インクの分散のばらつきや表面(界面)物性の局所的ば
らつき、あるいは記録用紙21の表面特性や記録用紙21と
熱溶融性インク層17の押圧力のばらつきといった他の条
件は別にして、ガラス転移点の変動に基づく印字ドット
の径のばらつきを無くすものである。
これを第14図を基にして説明する。本実施例では、同
図Aに示すように信号印加電極71に電圧の立ち上がり時
と立ち下がり時の双方でピークを有するようなパルス電
圧を印加し、通電特性もほぼこれと同様に設定する。こ
れにより、熱溶融性インク層17の温度特性は同図Bのよ
うになり、温度の立ち上がりが急速に行われる。この結
果、インクの転移するタイミングが揃うことになり、印
字ドットの径も安定する。
この実施例では印加パルスの立ち上がり部分と立ち下
がり部分の双方で電圧を通常よりも高く設定し、中央部
分で通常よりも低く設定したが、これ以外の変形が可能
である。例えば、第15図に示すように立ち上がり部分に
ついてのみ電圧を高く設定してもよい。また印字動作の
行われる時間帯や、少なくとも印字動作の前半部分で記
録用紙21等の搬送を停止することによっても、同様に印
字とタイミングを揃えることができ、印字濃度の均一化
を図ることができる。
本実施例では、加圧パルスの両ピークの電圧を40Vに
設定し、中央の電圧を20Vを設定した。ここで印加パル
スの全パルス幅は400μSであり、各ピーク部の時間幅
は100μSであった。印字ドットの平均の直径が100μm
のとき、この場合の系の変動幅の平均値は7μmであっ
た。これをパルス電圧が均一に30Vで印加パルスの時間
幅が400μmのものと比較すると、この従来タイプのも
のは印字ドットの平均の直径が100μmのとき、系の変
動幅の平均値は15μmであり、本実施例の方が格段に印
字濃度の安定化が達成されていることがわかる。
以上説明したようにこの第3の実施例によれば、熱溶
融性インク層の温度上昇がより急速に行われるので、切
れのよい印字を行うことができる。また温度上昇が急速
に行われるので、環境温度の変動に対しても記録が安定
する。
「第4の実施例」 第16図は本発明の第4の実施例を説明するためのもの
である。
この第4の実施例では、より高速で記録を実現するた
めにインク媒体の予熱を行うこととしている。すなわち
インク媒体51を構成する熱溶融性インク層17を予熱する
ための加熱手段81を設け、印字の際に印加するエネルギ
を相対的に少なくし、印加パルスの時間幅を短くするこ
とで高速化を実現する。従って、加熱手段81は熱溶融性
インク層17が融性しない程度の加熱(予熱)を行う必要
がある。
ところで、サーマルヘッドを印字ヘッドとして用いる
熱転写記録方式の装置では、熱記録媒体としてのインク
ドナーフィルムを非常に薄く作成する必要がある。ま
た、通電熱転写記録方式の装置では、インク自体が発熱
機能を兼ね備え、制御電極がインク媒体と分離している
ためにそのインクドナーフィルムはやはり非常に薄いも
のとなる。このように、従来の熱転写記録方式では、印
字動作の前に予熱を行って印字時の印加エネルギを低下
させて高速印字を実現しようとしても、インクドナーフ
ィルムが薄いために、機械的強度が弱く、また熱容量が
小さいために変形や破断が生じるおそれがあった。また
インクドナーフィルム自体の耐熱性が十分でない場合も
あり、この場合にはその変質や熱膨張あるいは熱収縮が
生じ、画像の再生に悪影響を与える場合もあった。
本発明の印字記録方法では、インク支持体14が強靱で
あり、また耐熱性に優れ、熱容量も大きいので、変形、
変質、破断等の不都合を解消することができる。
本実施例で用いるインク媒体51の特性を次に簡単に説
明する。インク支持体14は、その電気伝導率が厚さ方向
と面方向で10:1以上、好ましくは1000:1以上の特性を持
つ異方導電体である。インク支持体14の厚さ方向の抵抗
値は100Ω以下、好ましくは10Ω以下である。インク支
持体14の厚さ1μm以上である。
発熱抵抗層15は、その体積固有抵抗率が10-1Ω・cm以
上104Ω・cm以下、好ましくは10Ω・cm以上103Ω・cm以
下の物質であり、厚みが1000Å以上20μm以下、好まし
くは4000Å以上1μm以下であるこのが望まれる。
発熱抵抗層15の体積抵抗値は、この層の着膜基体表面
等よりも信頼性の高い安定した抵抗膜条件として1000Å
以上、好ましくは4000Å以上の膜厚を必要とする。膜厚
が1μm以下のときに発熱および熱伝導率が良好となる
ために、その膜厚でパルスを印加し印字動作を行うに
は、しかる範囲の体積固有抵抗値すなわちち10Ω・cm以
上103Ω・cm以下か望まれる。
帰路電極16は、発熱抵抗値15よりも体積抵抗率で10分
の1以下の値を有する物質で構成され、200℃以上の耐
熱性を有するものでなければならない。
インク剥離層55は、転写体としての記録用紙21の表面
の臨界表面張力γよりも低い値を有する表面特性を持
ち、できるかぎり薄膜がよい。厚みは10μm以下がよ
く、1μm以下であれば十分である。臨界表面張力γ
の値は、38dyne/cm以下がよい。熱溶融性インク層17は
熱可塑性物質がよく、融点が200℃以下でガラス転移点
が120℃以下の高分子物質を基本材料とし、これに直色
材料を混合あるいは融解着色させたものがより良好であ
る。
実験例3 この実験例では、インク支持体14を次のように作成し
た。すなわち、直径15μmの金蒸着によって被覆したNi
線を40μm×40μmの面積に1本以上存在するように、
これらを垂直方向に並べて室温硬化型シリコンエラスト
マーで固定し、両面を300Å以上の表面精度で精密仕上
げ研磨を行った。インク支持体14の厚さ方向における抵
抗値は0.7Ωであり、面方向の抵抗値は1014Ω以上とな
った。
次にこのインク支持体14を十分に洗浄および乾燥し、
真空の室内において真空度を2×10-6torrに設定した。
次にアルゴンガス導入後3×10-3torrとし、高周波スパ
ッタリングによりSiO2を20wt%含むTaNターゲットをス
パッタリングし、抵抗値80Ω/10-2mm2の抵抗で6500Åの
発熱抵抗層15を設けた。この発熱抵抗層15の上には、真
空蒸着によって到達真空度1.5×10-6torrでCr500Å、Cu
2000Åを電子ビーム蒸着によって蒸着し、帰路電極16と
した。
次にテフロン樹脂で3μmの厚さの膜を作り、臨界表
面張力20dyne/cmのインク剥離層55を帰路電極16上に設
けた。
信号制御のための信号印加電極24としては、直径90μ
mの針状電極を8本/mmの密度で一列に配置した。
この実験例では、加熱手段81として電子複写機に通常
用いられる熱定着用のヒートロールフューザを使用し
た。そしてヒートロールフューザの表面を40℃以上110
℃以下にし、インク媒体51を熱溶融性インク層17の側か
ら予熱した。予熱された熱溶融性インク層17に、10Vの
印加電圧で100μSの時間幅で電圧を印加したところ、
直径100μmの良好な印字ドットが得られた。
比較のためにヒートロールフューザを使用しないでそ
れ以外の同一の条件で印字を行ってみた。この結果、直
径100μmの印字ドットを得るためには信号印加電極24
に40Vの電圧を100μSの間印加する必要があることがわ
かった。印加電圧を等しくすれば、本実施例ではその分
だけ印加パルスの時間幅を短縮することができ、印字速
度をあげることができる。
以上説明した実験例では加熱手段としてヒートロール
フューザを使用したが、これに限るものではない。例え
ば赤外線ランプによってインク媒体51の予熱を行っても
よいし、レーザ光による一様加熱等も有効である。
このようにこの第4の実施例ではインク媒体の予熱手
段を設けたので、信号印加電極24を駆動するための駆動
回路や小型化することができる。また寒冷地等や冬期で
あっても、環境に左右されるこくなる常に良好な印字動
作を確保することが可能となる。
「発明の効果」 以上説明したように本発明によれば信号印加電極と帰
路電極をインク媒体を挟むようにして配置した通電転写
式用インク媒体を用いることにしたので、次のような効
果がある。
低エネルギで印字が可能となる。
電流が発熱抵抗層を片方向のみ流れるので、効率がよ
い。従って、この点でも印字の高速化を図ることが可能
となる。
カラーの再現性がよい。
熱溶融性インク層は電流路としての機能を持つことを
必要とせず、インクの選択の幅が広がるのでインクの色
調制御が簡単となり、またカラー特性も安定する。
インク媒体が機械的に強度である。
インク媒体の破損が生ぜず、従って熱溶融性インクを
再塗布すること等によってその繰り返し使用が可能とな
る。また信号印加電力をかなりの圧力で接触させること
ができるので、記録にむらが発生しない。
また、本発明によれば、このような通電転写方式用イ
ンク媒体のインク支持体に電圧印加手段を圧接させて画
像信号に応じた電圧を印加すると共に、帰路電極層に帰
路電極電圧印加手段によって少なくとも電圧印加手段に
よる電圧印加時間だけ電圧印加手段の出力電圧と逆極性
の電圧を印加することにした。これによって、次のよう
な効果も生じる。
画像信号に応じて電圧印加手段から出力される印加電
圧を比較的低い電圧に抑えることができる。印加電圧の
制御は光電圧よりも低電圧の方がより容易に、また正確
に制御することができるので、画像信号のように信号の
発生タイミングに正確さを要求される信号電圧を比較的
低くすることができるのは、印字の高速化と装置のコス
トダウンに効果がある。
帰路電極電圧印加手段は電圧印加手段による電圧印加
時間だけ電圧の印加を行うので、印字が行われない部分
でも微小な電流が流れ、これによってその部分のインク
層が余熱される。このため、印字が比較的長時間行われ
なかった部分でも所定の印字濃度を短時間で実現するこ
とができ、印字速度の高速化に寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明の第1の実施例を説明するため
のもので、このうち第1図は本実施例の印字記録方法を
適用した印字装置の概略構成図、第2図はインク媒体の
構成を示す断面図、第3図は印字記録の原理を示す原理
図、第4図はインク支持体の平面図、第5図はインク支
持体の断面図、第6図は抵抗値の測定原理を示す原理
図、第7図はこのための測定回路の構成を示す測定回路
図、第8図〜第10図は本発明の第2の実施例を説明する
ためのもので、このうち第8図は本実施例の印字記録方
法を適用した印字装置の概略構成図、第9図はインク媒
体の構成を示す断面図、第10図は発熱抵抗層の通電制御
を行うための印加パルスを表わした各種波形図、第11図
〜第15図は本発明の第3の実施例を説明するためのもの
で、このうち第11図は本実施例の印字記録方法を適用し
た印字装置の要部を示す説明図、第12図Aは従来の印加
パルスの波形図、同図Bはインクの温度変化を示す特性
図、第13図はインクの温度とその転移の状態を示す特性
図、第14図Aは本実施例における印加パルスの波形図、
同図Bはインクの温度変化を示す特性図、第15図は印加
パルスの他の例を示す波形図、第16図は本発明の第4の
実施例における印字記録方法を適用した印字装置の原理
図、第17図は従来の印字記録方法の原理図である。 13、51……インク媒体、 14……インク支持体、15……発熱抵抗層、 16……帰路電極、17……熱溶融性インク層、 21……記録用紙、 24、71……信号印加電極、 37……パルス発振器、55……インク剥離層、 72……針状電極、81……加熱手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 七穂 海老名市本郷2274番地 富士ゼロツクス 株式会社海老名事業所内 (56)参考文献 特開 昭59−227491(JP,A) 特開 昭49−2437(JP,A) 特開 昭60−116475(JP,A) 特開 昭55−42885(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性を有する層状のインク支持体と、こ
    のインク支持体の他方の面に重ね合わされて通電によっ
    て発熱する発熱抵抗層と、この発熱抵抗層における前記
    インク支持体と重ね合わされていない方の面と電気的に
    接触する帰路電極層と、この帰路電極層の前記面と反対
    の面側に形成され電気発熱抵抗層の発熱によって溶融す
    るインク層とを有する通電転写方式用インク媒体を用
    い、 前記インク支持体に圧接するとともに画像信号に応じた
    電圧を印加する電圧印加手段と、 前記帰路電極層に少なくとも前記電圧印加手段による電
    圧印加時間だけ前記電圧印加手段の出力電圧と逆極性の
    電圧を印加する帰路電極電圧印加手段とを備え、 前記インク層に重ね合わされた記録用紙に前記発熱抵抗
    体層の選択的加熱によって溶融した部分のインクを転写
    させ画像情報に応じた画像形成を行うことを特徴とする
    印字記録装置。
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