JP2535345Y2 - 収納ケース付折り畳み式自転車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、新規な収納ケース付折
り畳み式自転車に関し、更に詳しくは、収納ケース自体
が自転車のボディとなっており、不使用時においては、
収納ケース内に折り畳んで収納して置き、使用時には収
納ケースより引き出して収納ケースに跨り、ペダル操作
をして走行させる自転車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、折り畳み式構造の自転車は、分解
してこれを別に用意した布製等の収納ケースに収納して
運搬し、使用時においては、ケースより出して再度組み
立てるのが一般的であって、収納ケース自体が自転車の
ボディとなっている構造のものは見当らない。

【０００３】

【実施例】本考案の実施例について図面を参照して説明
すると、図１は前輪等を収納ケースより引き出した状態
での一部断面の概略側面図、図２は収納ケース内への折
り畳み収納状態を示す一部断面の概略側面図、図３は正
面図、図４は平面図、図５は底面図で、収納ケース１０
は、前面と底面が一部分を残して開口したやや縦長にし
て、かつ丸みを有した箱型体であって、該収納ケース１
０は、好ましくは強靱な硬質合成樹脂材による一体成形
品として得られる。更に説明すると、収納ケース１０
は、左右の側面板１１、１２、前面板１３、後面板１
４、上面板１５および底面板１６をもって形成され、前
面板１３の略中央下部には開口部１７が設けられると共
に、該開口部１７には円弧状切欠部１８が設けられ、ま
た、底面板１６には、後輪が軸支され、前輪が出し入れ
される開口部１９が設けられ、更に上面板１５には、サ
ドル部２０と持ち運び用把手２１が設けられている。な
お、サドル部２０はその高さが固定の外、上下に高さを
調整する構造とすることも可能である。また、把手２１
も引き出しバンド構造の外、起倒可能な一対のコ字形把
手構造としてもよく、その選択は適宜である。

【０００４】本考案は、このような従来の技術が有する
問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところ
は、分解することなく収納ケース内への折り畳み収納と
ケース内よりの引き出しが簡易であって、簡便に使用す
ることができる収納ケース付折り畳み式自転車を提供す
ることにある。

【０００５】また、本考案の他の目的は、全体がコンパ
クト化されて保管スペースが少なくて済み、また外観上
も体裁がよくて持ち運びも簡易な収納ケース付折り畳み
式自転車を提供することにある。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】この目的のため、本考
案は、左右の側面板１１、１２、前面板１３、後面板１
４、上面板１５および底面板１６をもって一体形成さ
れ、かつ前面板１３の略中央下部には円弧状切欠部１８
を有する開口部１７が設けられると共に、底面板１６に
は開口部１９が設けられ、更に上面板１５上にはサドル
部２０と持ち運び用把手２１が付設された補助車５９付
の箱型収納ケース１０内における前記左右の側面板１
１、１２の後寄り間に後輪２２、ブレーキ２３、スプロ
ケットホイール２４が車軸２５を介して回転可能に軸支
され、前記後輪２２と一対の後輪ステー２６を介して連
結された折り畳み可能なペダル３２を有するペダル軸２
８のスプロケット２９と前記後輪２２のスプロケットホ
イール２４の間にはチェーン３０が懸架され、前記ペダ
ル軸２８の筒状支持部材２７の上面両端に固着された一
対のブラケット３３、３３間には横軸３４を介して前輪
ステー３５が上下方向に回動可能に連結されると共に、
該前輪ステー３５の分岐ステー部３６の下端フロントフ
ォーク３７、３７間には前輪３８が車軸３９を介して回
転可能に軸支され、更に前記分岐ステー部３６の上端に
起倒可能に連結されたハンドル軸４０の左右にはハンド
ル４１が起倒可能に連結されると共に、前記前輪ステー
３５の横軸３４には上端に略Ｕ字形係止部５３を有する
ボディステー５１の二股状取付部５２が上下方向に回動
可能として連結され、前記収納ケース１０における前面
板開口部１７の上端縁には前記ボディステー５１の略Ｕ
字形係止部５３が係止せられ、かつ止めねじ５５が止め
られる係止縁部材５４が設けられ、更に前記一対の後輪
ステー２６のいずれか一方には上端受部５７を有する支
持杆５６が立設され、使用時においては、前記前輪３
８、ハンドル４１等が収納ケース１０より出されて、ボ
ディステー５１の略Ｕ字形係止部５３が係止縁部材５４
に係止せられ、かつ止めねじ５５によりその係止状態が
保持せられて使用され、不使用時においては、止めねじ
５５が外されてハンドル４１、前輪３８等が折り畳ま
れ、かつ倒されたボディステー５１の略Ｕ字形係止部５
３が支持杆５６の上端受部５７に係止せられて収納ケー
ス１０内に完全収納される構成を特徴とするものであ
る。

【０００７】

【作用】上記の構成に係る本案自転車は、使用時におい
ては、収納ケース内に折り畳まれて収納されている前
輪、ハンドル、ペダル等の構成部材が外方に引き出され
て自立せられ、該状態で収納ケースに跨り、そのサドル
部に臀部を載せ、ペダルを漕いで走行させ、また、不使
用時においては、ハンドル、前輪、スプロケットおよび
ペダル等の構成部材が折り畳まれて収納ケース内に完全
収納され、外観上恰も海外旅行用のスーツケースの如き
にコンパクト化されてその状態で保管され、また、収納
ケースを押し、後輪と補助車との回転を介して走行させ
ることにより簡易に持ち運びががなされる。

【０００８】

【実施例】本考案の実施例について図面を参照して説明
すると、図１は前輪等を収納ケースより引き出した状態
での一部断面の概略側面図、図２は収納ケース内への折
り畳み収納状態を示す一部断面の概略側面図、図３は正
面図、図４は平面図、図５は底面図で、収納ケース１０
は、前面と底面が一部分を残して開口したやや縦長にし
て、かつ丸みを有した箱型体であって、該収納ケース１
０は、好ましくは強靱な硬質合成樹脂材による一体成形
品として得られる。更に説明すると、収納ケース１０
は、左右の側面板１１、１２、前面板１３、後面板１
４、上面板１５および底面板１６をもって形成され、上
面板１５の略中央下部には開口部１７が設けられると共
に、該開口部１７には円弧状切欠部１８が設けられ、ま
た、底面板１６には、後輪が軸支され、前輪が出し入れ
される開口部１９が設けられ、更に上面板１５には、サ
ドル部２０と持ち運び用把手２１が設けられている。な
お、サドル部２０はその高さが固定の外、上下に高さを
調整する構造とすることも可能である。また、把手２１
も引き出しバンド構造の外、起倒可能な一対のコ字形把
手構造としてもよく、その選択は適宜である。

【０００９】収納ケース１０内における左右の側面板１
１、１２の後寄り間には後輪２２、ブレーキ２３、スプ
ロケットホイール２４等が車軸２５を介して回転可能に
軸支されている。後輪２２の伝動系は、車軸２５の左右
両端に一対の後輪ステー２６の一端が取り付けられると
共に、他端は筒状支持部材２７に取り付けられて、該筒
状支持部材２７で回転可能に支持されたペダル軸２８の
スプロケット２９と後輪２２のスプロケットホイール２
４にはチェン３０が懸架され、ペダル軸２８の左右両端
に一体的に取り付けられたペダルアーム３１、該ペダル
アーム３１に対し折り畳み可能に連結されたペダル３２
を介してペダル軸２８が駆動され、その回転力が後輪２
２に伝達されるようになっている。

【００１０】筒状支持部材２７の上面両端には一対のブ
ラケット３３が溶着等にて設けられると共に、該ブラケ
ット３３、３３間に固着の横軸３４には前輪ステー３５
が上下方向に回動可能として連結されている。前輪ステ
ー３５は略Ｔ字形を呈し、その分岐ステー部３６の下端
フロントフォーク３７、３７間には前輪３８が車軸３９
を介して回転可能に軸着され、また、分岐ステー部３６
の上端には、ハンドル軸４０が起倒可能に連結され、更
に該ハンドル軸４０には左右のハンドル４１が起倒可能
に連結されている。分岐ステー部３６に対するハンドル
軸４０の起倒可能な連結手段としては、例えば、図９に
示されているように、ステー部３６の上端面に、径方向
の中央に開口部４３を形成して対称形にして、かつねじ
部４４と軸孔４５を有する一対の支承部４２が立設さ
れ、該支承部４２の開口部４３にはハンドル軸４０の下
端ブロック部４６が嵌入されて、その軸孔４７と支承部
軸孔４５との適合孔に挿着の軸４８によって上下方向に
回動可能に軸支されると共にハンドル軸４０に遊挿の締
付ナット４９のねじ部５０が支承部４２のねじ部４４に
螺合せられることによって、ハンドル軸４０と分岐ステ
ー部３６が一体的に直線状となり、締付ナット４９をゆ
るめ、軸４８を支体としてハンド軸４０を後方に倒すこ
とによって折り畳まれるようになっている。この起倒構
造は、ハンドル軸４０と左右のハンドル４１との関係に
おいても同様であり、その説明は省略する。

【００１１】図１に示されているように、前輪３８が収
納ケース１０より外に出された使用時の状態において、
前輪ステー３５、スプロケット２９等を支持するため、
前輪ステー３５にボディステー５１が回動可能に取り付
けられている。更に説明すると、ボディステー５１は、
図１０に示されているように、その下部の二股に分岐さ
れた取付部５２が前輪ステー３５を跨いでブラケット３
３、３３間の横軸３４に上下方向に回動可能に軸支さ
れ、その上端の略Ｕ字形係止部５３が収納ケース１０に
おける前面板開口部１８の上端縁に設けられた係止縁部
材５４に係止せられ、その係止支持状態は止めねじ５５
によって保持され、また、不必要時においては、止めね
じ５５が外され、収納ケース１０のやや上向きの持ち上
げ等を介して係止縁部材５４との係合が外され、更に横
軸３４を支体として下方に回動せられて、その係止部５
３が一方の後輪ステー２６に立設の支持杆５６の上端受
部５７により支持されて前輪３８等を含む全体が収納ケ
ース１０内に折り畳まれて収納されるようになってい
る。また、図５および図１に示されているように、収納
ケース１０における底面板１６の切欠部５８には、運搬
用補助車５９がブラケット６０、車軸６１を介して自由
回転可能に軸着されている。

【００１２】そして、使用時においては、図１に示され
ているように、前輪３８、ハンドル４１等が収納ケース
１０より出され、かつボディステー５１の係止部５３が
収納ケース１０の係止縁部材５４に係止せられた状態で
収納ケース１０に跨がり、サドル部２０に臀部を載せペ
ダル３２を漕いで走行させる。

【００１３】不使用時においては、図２に示されている
ように、ハンドル４１、ハンドル軸４０、前輪３８等の
部材は収納ケース１０内に折り畳まれて収納される。更
に説明すると、左右のハンドル４１は下方に回動せられ
てハンドル軸４０に対して折り畳まれ、ハンドル軸４０
は、締付ナット４９をゆるめて軸４８を支体として下方
に回動せられて前輪ステー３５に対して折り畳まれ、ま
た、ボディステー５１はその係止部５３による収納ケー
ス１０における開口部係止縁部材５４に対する係止が解
除され、かつ横軸３４を支体として後方に回動されて倒
され、支持杆５６の受部５７に係止部５３が係合せられ
て支持され、更に両ペダル３２は折り畳まれると共に、
前輪ステー３５は前輪３８と共に横軸３４を支体として
後方に回動せられ、これに伴いスプロケット２９は後輪
ステー２６を介し、かつ車軸２５を支体として後方に回
動せられ、全部が収納ケース１０内に収納される。

【００１４】

【考案の効果】しかして、本考案によれば、収納ケース
自体が自転車ボディの一部部となっているから、収納ケ
ース内への折り畳み収納と収納ケース内よりの引き出し
組み立てが簡易で、速やかに行うことができるばかり
か、その使用時においては、ボディステーの略Ｕ字形係
止部が収納ケースにおける係止縁部材に係止せられ、か
つ止めねじによりその係止状態が保持されて使用される
ものであるから、前輪と後輪との間にあるスプロケット
の定位置が保持されて軽快に走行させることができる。
また、不使用時においては、止めねじが外されてハンド
ル、前輪等が折り畳まれ、かつ倒されたボディステーの
略Ｕ字形係止部が支持杆の上端受部により係止支持され
て収納されるものであるから、整然と収納されて出っぱ
りがなくて全体がコンパクトになり、積み重ね等が可能
となるため保管スペースが少なくてすみ、また、運搬も
押すことにより後輪と補助車の回転を介して走行させる
ことができるので、簡易であり、かつボディステーと支
持杆との作用によって折り畳み収納状態が良好に保持さ
れるので、ガタ付くことなく走行させることができ、そ
の上、運搬時における外観上は恰も海外旅行用のスーツ
ケースの如きであって、体裁がよく、ファション性にも
優れるものである。

【００１５】また、収納ケースは強靱な硬質合成樹脂製
であるから、全体が軽量であって、運搬等が容易であ
り、また、収納ケース内への折り畳み収納は後輪と前
輪、補助車の接地部分を残して他は完全に収納ケース内
にあるから、保管時等においては雨水等は直接内部の自
転車にかからないので、さびたり、汚れたりすることが
なく、耐久性等に優れるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】前輪等を収納ケースより引き出した状態での一
部断面の概略側面図である。

【図２】収納ケース内への折り畳み収納状態を示す一部
断面の概略側面図である。

【図３】図２における正面図である。

【図４】図２における平面図である。

【図５】図２における一部省略の底面図である。

【図６】収納ケースにおける運搬用把手を示す説明図で
ある。

【図７】収納状態における側面図である。

【図８】図７における背面図である。

【図９】ハンドル軸部分の折り畳み構造の一例を示す分
解斜視図である。

【図１０】一部を破断した要部の拡大正面図である。

【符号の説明】

１０ 収納ケース １１、１２ 側面板 １３ 前面板 １４ 後面板 １５ 上面板 １６ 底面板 １７、１９ 開口部 ２０ サドル部 ２１ 持ち運び用把手 ２２ 後輪 ２４ スプロケットホイール ２５ 車軸 ２６ 後輪ステー ２７ 筒状支持部材 ２８ ペダル軸 ２９ スプロケット ３０ チェン ３１ ペダルアーム ３２ ペダル ３５ 前輪ステー ３６ 分岐ステー部 ３７ フロントフォーク ３８ 前輪 ４０ ハンドル軸 ４１ ハンドル ５１ ボディステー ５３ 係止部 ５４ 係止縁部材 ５６ 支持杆 ５７ 上端受部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右の側面板１１、１２、前面板１３、
   後面板１４、上面板１５および底面板１６をもって一体
   形成され、かつ前面板１３の略中央下部には円弧状切欠
   部１８を有する開口部１７が設けられると共に、底面板
   １６には開口部１９が設けられ、更に上面板１５上には
   サドル部２０と持ち運び用把手２１が付設された補助車
   ５９付の箱型収納ケース１０内における前記左右の側面
   板１１、１２の後寄り間に後輪２２、ブレーキ２３、ス
   プロケットホイール２４が車軸２５を介して回転可能に
   軸支され、前記後輪２２と一対の後輪ステー２６を介し
   て連結された折り畳み可能なペダル３２を有するペダル
   軸２８のスプロケツト２９と前記後輪２２のスプロケッ
   トホイール２４の間にはチェーン３０が懸架され、前記
   ペダル軸２８の筒状支持部材２７の上面両端に固着され
   た一対のブラケット３３、３３間には横軸３４を介して
   前輪ステー３５が上下方向に回動可能に連結されると共
   に、該前輪ステー３５の分岐ステー部３６の下端フロン
   トフォーク３７、３７間には前輪３８が車軸３９を介し
   て回転可能に軸支され、更に前記分岐ステー部３６の上
   端に起倒可能に連結されたハンドル軸４０の左右にはハ
   ンドル４１が起倒可能に連結されると共に、前記前輪ス
   テー３５の横軸３４には上端に略Ｕ字形係止部５３を有
   するボディステー５１の二股状取付部５２が上下方向に
   回動可能として連結され、前記収納ケース１０における
   前面板開口部１７の上端縁には前記ボディステー５１の
   略Ｕ字形係止部５３が係止せられ、かつ止めねじ５５が
   止められる係止縁部材５４が設けられ、更に前記一対の
   後輪ステー２６のいずれか一方には上端受部５７を有す
   る支持杆５６が立設され、使用時においては、前記前輪
   ３８、ハンドル４１等が収納ケース１０より出されて、
   ボディステー５１の略Ｕ字形係止部５３が係止縁部材５
   ４に係止せられ、かつ止めねじ５５によりその係止状態
   が保持せられて使用され、不使用時においては、止めね
   じ５５が外されてハンドル４１、前輪３８等が折り畳ま
   れ、かつ倒されたボディステー５１の略Ｕ字形係止部５
   ３が支持杆５６の上端受部５７に係止せられて収納ケー
   ス１０内に完全収納される構成を特徴とする収納ケース
   付折り畳み式自転車。