JP2533260C - - Google Patents

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JP2533260C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、パルプ繊維を含むと共に水圧によって絡め合わせた不織複合布に関
するものである。また、本発明は不織複合布の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 パルプ繊維の不織ウエブが吸収性を有することは知られているが、パルプ繊維
のみから成る不織ウエブは、酷使される払拭布などのような特定の用途には不向
となる場合がある。その理由は、このような不織ウエブが強度および耐磨耗性に
欠けているからである。過去において、パルプ繊維ウエブは外側にバイダーを塗
布することによって補強されている。例えば、パルプ繊維の湿式ウエブの一つあ
るいはそれ以上の面上にバインダをプリントすることによって、強度と耐磨耗性
を備えた吸収性払拭布を作成している。代表的な場合には、このように外側が補
強された払拭布は最大、重量で約25%のバインダを含んでいる。このように高
濃度のバインダを含んでいることは、価格を高めることになる。また、使用中に
すじが残ってしまい、例えば自動車の塗装などの用途においては望ましくない表
面ができてしまう。さらに、このように外側が補強された払拭布を特定の揮発剤
あるいは半揮発剤と共に使用する場合に、バインダが浸出することもある。 【0003】 パルプ繊維および/またはパルプ繊維ウエブは、不織スパンボンデッドウエブ
、メルトブローウエブ、スクリム素材、および編織素材等と混合される場合もあ
る。これらの素材を混合するための公知の技法の一つには水圧による絡み合わせ
法がある。例えば、Suskindに付与された米国特許第4,808,467
号には、連続フィラメントのベース・ウエブに絡み合わせた木質パルプとテキス
タイル繊維の混合体から成る高強度の不織織布が開示されている。パルプ繊維を
、織編ウエブおよび/または不織ウエブにラミネートすることが、Shambe
lanに付与されたカナダ特許第841,398号に開示されている。この特許
によれば、高圧のジェット水流を使用して、未処理のペーパー層を、連続フィラ
メント・ウエブ等のベース・ウエブに絡め合わせている。 【0004】 欧州特許出願第128,667号においては、上側面と下側面を備えた、絡み
合わせによって製造された複合布が開示されている。上側面は、印刷された再パ
ルプ化可能なペーパーシートから形成されたものであるとして開示されている。
他方の面は、例えば連続フィラメント不織ウエブなどのベース・テキスタイル層
から形成されたものであるとして開示されている。この特許出願によれば、各層
が、パルプ層の繊維をベース層の繊維に対して水柱ジェットを利用して絡み合わ
せることによって、相互に結合されている。 【0005】 これらの文献は繊維材料の水中ジェット交絡を行っている者にとっては興味あ
るものではあるが、高強度と高い耐磨耗性を備え、高強度の払拭布等として使用
される高パルプ含有量の不織複合布の必要性については言及していない。迅速に
自重の数倍の水、水状の液体あるいはオイルを吸収することができる廉価で高強
度の払拭布に対する需要は依然として存在している。また、迅速に自重の数倍の
水、水状の液体あるいはオイルを吸収することができ、しかも平均繊維長の短い
繊維の比率が高い高パルプ含有率の高い補強払拭布に対する需要も依然として存
在している。払拭布として使用でき、あるいは、吸収性のパーソナル・ケア製品
の流体分散層および/または吸収体として使用できるパルプ含有量の高い複合布
に対する需要が存在している。さらに、パルプ含有量の高い不織複合布の実用的
な製造方法に対する需要も存在している。この需要の中には、平均繊維長の短い
繊維を高い比率で含んでいる複合布の製造方法に対する需要も含まれている。こ
のような需要を満たすことは重要である。何故ならば、高品質バージン木質繊維
パルプに代えて平均繊維長の短い二次(すなわちリサイクル)繊維パルプを用い
ることは経済的にも環境保護の検知からも望ましいことだからである。 (定義) 本明細書において「縦方向」とは、吸収性不織ウエブを形成する際に、繊維が
堆積される表面を形成していく形成方向を指す。 【0006】 本明細書において「横方向」とは、「縦方向」に直交する方向を指す。 本明細書において「パルプ」とは、木または木以外の植物などの天然繊維を含
むパルプを指す。「木」には、例えば、落葉樹または針葉樹などを指す。「木以
外の植物」とは、例えば、綿、亜麻、エスパルト、ミルクウィード、わら、ジュ
ート・アサ、バガスなどを指す。 【0007】 本明細書において「平均繊維長」とは、Kajaani Oy Electr
onics社(フィンランド)が販売しているKajaani繊維分析器(形式
番号FS−100)を用いて求められた計量されたパルプ繊維の平均長さである
。試験の手順に従って、パルプのサンプルは解離液で処理され、繊維の束、すな
わち結束繊維が存在しないようにされる。各パルプサンプルは熱湯に入れて分解
され、約0.001%溶液で希釈される。各試験サンプルとして希釈溶液から約
50ないし100ミリリットルずつが採取され、前述の繊維分析器を用いて試験
が行われる。計量された平均繊維長は次式によって表すことができる。 【0008】 【数1】 【0009】 ここで、k =最大繊維長さ xi=繊維長さ ni=長さxiを有する繊維の数 n =測定した繊維の総数 である。 【0010】 本明細書において「平均繊維長が短いパルプ」とは、多量の短い繊維と非繊維
粒子とを含むパルプを指し、このように多量の短い繊維や非繊維粒子が存在する
と比較的緊密で、非浸透性の紙シート、あるいは不織ウエブが出来上がり、これ
らは吸収性や急速な液体吸入が必要とされるような場合には好ましくないもので ある。二次的な木質繊維パルプの多くは平均繊維長が短いパルプであると考えら
れるが、二次的木質繊維パルプの品質はリサイクルされた繊維の品質や前処理の
形式や程度によって変わる。平均繊維長の短いパルプは光学繊維分析器、例えば
前述のFS−100型の繊維分析器などで測定して、平均繊維長として約1。2
mm以下の長さを有する。例えば、平均繊維長が短いパルプは平均繊維長として
約0.7から1.2mmを有する。平均繊維長が小さいパルプの例としては、バ
ージンの硬木パルプ、あるいは、事務系廃棄物、新聞紙、板紙などからつくられ
た二次繊維パルプなどがある。 【0011】 本明細書において「平均繊維長が長いパルプ」とは、比較的少量の短い繊維と
非繊維粒子とを含むパルプを指し、このように少量の短い繊維や非繊維粒子しか
存在しないと比較的緩やかで、浸透性の紙シート、あるいは不織ウエブができあ
がり、これらは吸収性や急速な液体吸入が必要とされるような場合には好ましい
ものである。平均繊維長が長いパルプは、一般的には非二次繊維(すなわちバー
ジン繊維)から形成される。選別された二次繊維パルプもまた平均繊維長が長い
。平均繊維長が長いパルプは光学繊維分析器、例えば前述のFS−100型の繊
維分析器などで測定して、平均繊維長として約1.5mm以上の長さを有する。
例えば、平均繊維長の大きいパルプは平均繊維長として約1.5から約6mmを
有する。木質パルプ繊維のうちで平均繊維長が長いパルプの例としては、例えば
、漂白、または未漂白のバージン軟木繊維パルプが挙げられる。 【0012】 本明細書で使用する用語「スパンボンデッド・フィラメント」とは、小径の連
続フィラメントであり、このフィラメントは、溶融した熱可塑性材料を、紡糸口
金における複数の微細で通常は円形であり、押し出されたフィラメントと同一径
の毛細管からフィラメントとして押し出し、次に、吸引引出し法および/または
他の周知のスパンボンディング機構等を利用して急速に径を細くすることによっ
て形成されたものである。スパンボンドされた不織ウエブの製造は、例えば、A
ppel等に付与された米国特許第4,340,563号、Dorschner
等に付与された米国特許第3,692,618号等に説明されている。これらの 特許の開示内容は、本明細書の内容の一部とされる。 【0013】 【本発明が解決しようとする課題】 本発明の課題は、高パルプ含有量の不織複合布を提供することによって上記の
各要求を満足することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】 本発明の複合布は、重量で約70%以上の木パルプ繊維を含有しており、この
木パルプ繊維は、平均繊維長が約1.5mm より大きい高平均繊維長パルプと平均繊
維長が1.2mm より小さい低平均繊維長パルプの混合物であり、布重量の約30%
未満の不織連続フィラメントの支持材に水圧によって絡み合わされている。不織
連続フィラメントの支持材は、平方インチあたり100ボンドより大きいボンド
密度を有し、全ボンド面積が約2から約30パーセントである。例えば、本発明
の不織複合布は、重量で約10から約25%の不織連続フィラメントの基材と、
同じく重量で約75から約90%のパルプ繊維とを含有していてもよい。 【0015】 連続フィラメントの不織支持材を、連続スパンボンデッドフィラメントの不織
ウエブとしてもよい。本発明の一つの形態においては、この不織連続フィラメン
トの支持材は、合計ボンド面積が(光学顕微鏡による測定法で測定した場合に)
約30%未満であり、ボンド密度が平方インチ当たり約100ビンのボンド位置
以上となるようにしてもよい。一例として、この不織連続フィラメントの支持材
を、その合計ボンド面積が約2から約30%の範囲であり、そのボンド密度が約
100から約500ピン/平方インチとなるようにすることができる。別の例と
しては、この不織連続フィラメントの支持材の合計ボンド面積を約5から約20
%の範囲とし、そのボンド密度を約250から約350ピン/平方インチの範囲
にすることができる。 【0016】 本発明の複合不織布におけるパルプ繊維要素は、木および/または木以外の植
物の繊維パルプとすることができる。このパルプは、異なる形式および/または 量のパルプ繊維の混合体としてもよい。一例として、本発明の一つの実施形態に
おいては、重量で約50%以上の平均繊維長の短いパルプと、重量で約50%未
満の平均繊維長の長いパルプ(バージン軟木パルプ等)を含むパルプを有してい
る。平均繊維長の短いパルプは、平均繊維長が約1.2mm未満であると規定で
きる。例えば、この平均繊維長の短いパルプは、繊維長が約0.7から約1.2
mmである。平均繊維長の長いパルプは、平均繊維長が約1.5mm以上である
と規定できる。例えば、この平均繊維長の長いパルプは、繊維長が約1.5から
約6mmである。一例としての繊維混合体は、重量で約75%の平均繊維長の短
いパルプと、重量で約25%の平均繊維長の長いパルプを含んでいる。 【0017】 本発明によれば、平均繊維長が短いパルプは、新聞紙、再生板紙、事務径廃棄
物等から得られるある程度の品質のバージン硬木パルプおよび低品質の二次的(
すなわち、リサイクル)繊維パルプである。平均繊維長の長い繊維パルプは、漂
白したバージン軟木パルプあるいは漂白しないバージン軟木パルプとすることが
できる。 【0018】 本発明は、不織複合布を、少量の材料、例えば、結合剤、界面活性剤、架橋剤
、剥離剤、燃焼遅延剤、水和剤および/または色素等で処理することも意図して
いる。このような処理を行う代わりに、および/またはこのような処理に加えて
さらに、本発明は、各種の粒子、例えば、活性炭、粘土、スターチ、および超吸
収体を不織複合布に付加することも意図している。 【0019】 本発明の不織複合布は、丈夫な払拭布あるいは吸収性のパーソナル・ケア製品
における流体分散材として使用することができる。一つの実施形態においては、
本発明の不織複合材料を、平方メートル当たりの秤量が約20から約200グラ
ム(gsm)までの範囲の単一プライあるいはマルチ・プライの払拭布としてい
る。一例として、このような払拭布の秤量は、約25から約150gsmであり
、さらに特定すると、約30から約110gsmの範囲内である。このような払
拭布の吸水量は約450%以上とし、その油吸収量は約250%以上とし、その 水吸い上げ速度を縦方向において15秒間当たり約2.0cm以上とし、その油
吸い上げ速度を縦方向において15秒間当たり約0.5cm以上とすることが望
ましい。パーソナル・ケア製品における流体処理材として使用する場合には、本
発明の不織複合布の特性は払拭布の場合と同一とすることができるが、但し、そ
の秤量は、約40から約170gsmまでの範囲内、例えば、約60から約12
0gsmまでの範囲内にされる。さらに、1層あるいはそれ以上の層の不織複合
布を使用してパーソナル・ケア製品の吸収要素として使用することができ、特に
、超吸収材が付加して使用される。吸収要素として使用する場合には、本発明の
不織複合布の秤量を約100gsmあるいはそれ以上として、これを流体分散材
としても使用することができる。例えば、この不織複合材料の秤量を、約100
から約350gsmとすることができる。 【0020】 本発明は、さらに、高パルプ含有量の不織複合布の製造方法に関するものであ
る。本発明の方法は、パルプ繊維の層を、合計ボンド面積が約30パーセント未
満で、ボンド密度が約100ピンボンド位置/平方インチ以上の不織連続フィラ
メント支持材の上に重ね合わせて、これらの層を水圧によって絡み合わせて、複
合素材を形成し、しかる後にこの複合素材を乾燥させる工程を有している。 【0021】 本発明によれば、湿式形成法あるいは乾式形成法により、不織連続フィラメン
トの支持材の上にパルプ繊維を堆積させることによって、各層を重ね合わせるよ
うにしてもよい。各層の重ね合わせは、不織連続フィラメントの支持層を凝集性
のパルプ繊維で覆うようにしても行うことができる。凝集性のパルプ繊維として
は、例えば、再パルプ化が可能なペーパーシート、再パルプ化可能なティシュシ
ートあるいは木質パルプ繊維のバットなどを挙げることができる。 【0022】 水圧によって絡み合わせた不織複合布の乾燥は、非圧縮性の乾燥工程を利用し
て行うことができる。空気中乾燥処理は、特に好ましいことが見出された。他の
利用できる乾燥方法としては、赤外線放射法、ヤンキー乾燥器、蒸気缶、真空脱
水法、超音波および超短波エネルギがある。 【0023】 【実施例】 図1には、高パルプ含有率の不織複合布を形成するための処理装置を番号10
として概略的に示してある。本発明においては、パルプ繊維の希釈懸濁液がヘッ
ドボックス12から供給され、従来の製紙機の形成用布16の上に、仕切り弁1
4を介して均一に散布される。パルプ繊維懸濁液は従来の製紙方法において一般
的に使用されている濃度まで希釈することができる。例えば、懸濁液は約0.1
から約1.5重量%までのパルプ繊維を水中に浮遊させたものである。このパル
プ繊維懸濁液から水を除去して、均一なパルプ繊維の層18を形成する。 【0024】 パルプ繊維は平均繊維長が長いパルプでもよく、あるいは平均繊維長が短いパ
ルプでもよく、またはそれらの混合物でもよい。平均繊維長が長いパルプの平均
繊維長は、約1.5から約6mmまでの範囲である。平均繊維長の長い木質パル
プの例としては、キンバリー・クラーク社が「Longlac 19」、「Co
osa River 56」、「Coosa River 57」の商品名で販
売しているものがある。 【0025】 平均繊維長が短いパルプの例としては、例えば、バージンの硬木パルプや二次
繊維パルプ(すなわち、リサイクルされた繊維パルプ)がある。二次繊維パルプ
は、例えば、新聞紙、再生板紙、事務用紙などからつくられたものである。平均
繊維長が短いパルプは、一般的には、平均繊維長として約1.2mm以下の長さ
を有する。例えば、約0.7から約1.2mmの長さを有する。 【0026】 平均繊維長が長いパルプと平均繊維長が短いパルプとの混合物においては、平
均繊維長が短いパルプは有意の比率を有するようにする。例えば、双方の混合物
においては、約50重量%以上の平均繊維長が短いパルプと、約50重量%以下
の平均繊維長が長いパルプとが混合されるようにする。このような混合物の一例
としては、75重量%の平均繊維長の短いパルプと約25重量%の平均繊維長の
長いパルプとを有している。 【0027】 本発明において用いられるパルプ繊維は精製しなくてもよいし、あるいは打殻
して様々な程度の精製をおこなってもよい。少量の耐湿樹脂および/または樹脂
結合剤を加えて強度および耐磨耗性を向上させるようにしてもよい。結合剤およ
び耐湿樹脂として有用なものとしては、例えば、Hercules Chemi
cal Companyが販売している「Kymene 557H」やAmer
ican Cyanamid Inc.が販売している「Parez 631」
がある。また、架橋剤および/または水和剤をパルプ混合物に加えてもよい。弛
緩した不織パルプ繊維ウエブが必要である場合には、剥離剤をパルプ混合物に加
えて水素結合力を弱めてもよい。剥離剤の例としては、Guaker Chem
ical Companyが「Quaker 2008」の商品名で販売してい
るものがある。剥離剤を複合材に対して1乃至4重量%添加することは、静的あ
るいは動的な摩擦係数を減少させて、複合布の連続フィラメントが多い側の耐磨
耗性を高めるものと思われる。この剥離材は、潤滑剤あるいは摩擦低減剤として
機能するものと判断される。 【0028】 連続フィラメントの不織支持体20は供給ロール22から巻き出されて、この
供給ロール22がそこに付されている方向に回転するのに伴って、矢印で示す方
向に移動する。不織支持体20は、スタック・ローラ28、30から形成されて
いるS形ロール列26のニップ部24を通過する。 不織支持体20は公知の連続フィラメント不織押し出し工程、例えば公知の溶
剤スピニング工程あるいは溶融スピニング工程により形成することができ、供給
ロールに巻き取られることなく、ただちにニップ部16を通過する。この連続フ
ィラメント不織支持体20はスパンボンド処理によって形成された連続溶融スパ
ンフィラメントの不織ウエブであることが好ましい。このスパンボンドフィラメ
ントは、溶融スピンが可能なポリマーあるいはコーポリマー、またはそれらのブ
レンドから形成することができる。例えば、スパンボンドフィラメントは、ポリ
オレフィン類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリウレタン類、A−Bおよび
A−B−A’ブロック・コーポリマー類(ここに、AおよびA’は熱可塑性エン ドブロックであり、Bはエラストマー・ミッドブロックである。)、エチレンと
少なくとの1種類のビニルモノマーのコーポリマー類(ビニルモノマーとしては
、ビニルアセテート類、不飽和脂肪族モノカルボン酸類およびこれらのモノカル
ボン酸類のエステル類等がある。)から形成することができる。フィラメントが
、ポリオレフィン、例えばポリプロピレンから形成される場合には、不織支持体
20の秤量は約3.5から約70gsmになる。さらに言及すると、不織支持体
20の秤量は約10から約35gsmとなる。ポリマー類には、色素、酸化防止
剤、流動促進剤、安定剤などの材料が含まれる。 【0029】 不織連続フィラメントの支持体の一つの重要な特性は、その合計ボンド面積が
約30パーセント以下であり、均一なボンド密度が、約100ボンド/平方イン
チ以上であると言うことである。例えば、不織連続フィラメント支持体の合計ボ
ンド面積は約2から約30パーセントの範囲であり(従来の光学顕微鏡法によっ
て測定した場合)、そのボンド密度は、約250から約500ピンボンド位置/
平方インチである。 【0030】 このような値に合計ボンド面積とボンド密度がなるようにするためには、連続
フィレメント支持体の接着を、約100ピンボンド位置/平方インチ以上のピン
状のボンドパターンで行えばよく、このようなピン状ボンドパターンによって、
支持体を平滑なアンビルロールに完全に接触させた場合に約30パーセント以下
の合計ボンド面積が形成される。このボンドパターンとしては、平滑なアンビル
ロールに接触させた場合に、ピンボンド密度が約250から約350ピン/平方
インチで、合計ボンドめんねきが約10から約25パーセントとなるものが望ま
しい。このボンドパターンの一例を図2(714 パターン)に示してある。こ
のボンドパターンのピン密度は約306ピン/平方インチである。各ピンは、約
0.025インチの辺長の正方形のボンド表面を形成している。各ピンが平滑な
アンビルロールに接触した場合には、それは約15.7パーセントの合計ボンド
表面積を形成する。秤量の大きな支持体は一般的に言ってこの値に近いボンド面
積を有する。秤量の小さな支持体は一般的に言って小さなボンド面積を有する。 図3には、別のボンドパターン(WW13 パターン)を示してある。図3のボ
ンドパターンのピン密度は約278ピン/平方インチである。各ピンによって形
成されるボンド表面は、約0.035インチ長さの平行な二辺(相互の間隔は約
0.02インチ)と、二つの凸状の辺(それぞれ約0.0075インチの半径を
有している。)を有している。ピンが平滑なアンビルロールに接触すると、それ
らはは、約17.2パーセントの合計ボンド表面積を形成する。図4には使用可
能な別のボンドパターンを示してある。この図4のパターンのピン密度は約10
3ピン/平方インチである。各ピンによって形成される正方形のボンド表面は、
約0.043インチの辺長を有している。これらのピンが平滑なアンビルロール
に接触すると、それらにより、約16.5パーセントの合計ボンド表面積が形成
される。 【0031】 サーマルボンドロールによって形成されるピン接着を上に述べたが、本発明は
、フィラメントを最小のボンド面積で良好に結合できる接着形態の全てを含むも
のである。例えば、熱接着とラテックス含浸を利用して、最小ボンド面積による
フィラメントの望ましい結合を形成することができる。このようにする代わりに
、および/または、これに加えて、樹脂、ラテックスあるいは接着剤を、例えば
スプレーあるいは印刷によって不織連続フィラメントのウエブに塗布して、乾燥
させることによって、望ましい接着を形成することができる。 【0032】 パルプ繊維の層18は次に、従来の水圧交絡機構における孔付きの交絡用表面
32に乗っている不織支持体20の上に置かれる。パルプ層18を、水圧交絡用
のマニフォールド34と不織支持体20の間に位置させることが望ましい。これ
らのパルプ繊維層18と不織支持体20は、一つあるいはそれ以上の水圧交絡用
マニホールド34の下側を通過して、流体ジェットによって処理されて、パルプ
繊維が連続フィラメント不織支持体20のフィラメントに絡み合った状態とされ
る。流体ジェットにより、パルプ繊維が不織支持体20の内部に入り、あるいは
それを貫通し、これによって複合材料36が形成される。 【0033】 この代わりに、パルプ繊維18と不織支持体20が、湿式堆積が行われる同一
の有孔スクリーン(すなわちメッシュ布)の上に位置する間に、水圧交絡を行う
ようにしてもよい。また、本発明は、乾燥させたパルプシートを連続フィラメン
ト不織支持体の上に重ねて、一定のコンシステンシーとなるまで元に戻し、しか
る後に、このようにして元に戻したパルプシートを水圧交絡させるようにするこ
とも包含する。 【0034】 パルプ繊維の層18が水により高飽和状態にある間に水圧交絡を行ってもよい
。例えば、水圧交絡を行う直前に、パルプ繊維層18に最大約90重量パーセン
トの水を含ませるようにしてもよい。この代わりに、パルプ繊維層18を、パル
プ繊維の空中堆積層、あるいは乾式堆積層とすることもできる。 パルプ繊維の湿式堆積層を水圧交絡することが望ましい。この理由は、「ペー
パー」結合(水素結合と呼ばれる場合もある)に妨げられることなく、パルプ繊
維を、連続フィラメント支持体に埋め込み、および又は絡め合わせることができ
るからである。それと言うのも、パルプ繊維が水和状態に保持されるからである
。「ペーパー」結合は、高パルプ含有率の複合布の耐磨耗性および引張り特性を
改善するとも思われる。 【0035】 水圧交絡を行うのに、米国特許第3,485,706号において見出されるよ
うな従来の水圧交絡用機器を利用してもよい。この特許明細書の内容は、本発明
の一部とされる。本発明の水圧交絡は、水などの適切な作動流体を用いて行うこ
とができる。作動用流体はマニホールドを通って流れ、ここにおいて、流体が実
際上一群の孔あるいはオリフィスに分散される。これらの孔の直径は約0.00
3から約0.015インチである。例えば、本発明を実施するにあたり、Bid
deford、Maine所在のHoneycomb Systems Inc
orporated製のマニホールドを利用することができ、このマニホールド
は、0.007インチ径のオリフィスの帯と、インチ当たり30個の孔と、一列
の孔を有している。その他の各種のマニホールドの構造、組み合わせを使用する
ことができる。例えば、単一のマニホールドを使用してもよいし、複数個のマニ ホールドを連続配置してもよい。 【0036】 水圧交絡処理においては、作動用流体が約200から約2000ポンド/平方
インチ・ゲージ(psig)の圧力でオリフィスを通って流れる。この圧力の上
側の領域においては、約1000フィート/分(fpm)の速度で複合布を処理
することを意図している。流体はパルプ繊維層18および不織支持体20に衝突
する。これらは、例えば、メッシュサイズが約40×40から約100×100
までの範囲内の単一平面メッシュの有孔表面によって支持されている。有孔表面
は、メッシュサイズが約50×50から約200×200までの範囲のマルチ・
プライ・メッシュとすることもできる。水ジェットによる処理工程においては典
型なものであるが、真空スロット38を、水圧ニードリング・マニホールドの直
下、あるいは交絡用マニホールドの下流側の有孔交絡用表面32の直下に位置さ
せて、過剰水を、水圧によって交絡状態となった複合材料36から吸引するよう
にしてもよい。 【0037】 特定の作動理論に基づくものはないが、不織連続フィラメント支持体の上に堆
積されているパルプ繊維に直接に衝突する作動用流体の柱状ジェットは、これら
の繊維を、支持体の母材あるいはフィラメント不織ネットワーク内に入れ込み、
あるいは部分的に貫通させるように、作用するものと考えられる。流体ジェット
およびパルプ繊維が、上述したボンド特性(および約5ミクロンから約40ミク
ロンの範囲のデニール)を備えた不織連続フィラメントウエブと相互に作用しあ
ったときには、パルプ繊維もまた、不織ウエブのフィラメントに絡み合うと共に
、パルプ繊維が相互に絡み合う。不織連続フィラメント支持材の結合が緩やか過
ぎる場合には、フィラメントが全体として移動し易く、パルプ繊維を固定するた
めの凝集マトリックスを形成することができない。一方、支持体の合計ボンド面
積が大きすぎると、パルプ繊維の貫通がほどんと発生しない。さらには、ボンド
面積が大きすぎると、流体ジェットが広い孔無しのボンド・スポットに当たった
場合に飛散して、パルプ繊維を洗い流してしまうので、しみのある複合布ができ
る原因にもなる。特定のレベルの接着によって凝集した支持体が形成され、この 支持体は、一方の面にのみ水圧による交絡を行うことによって、パルプ繊維の複
合布となる。しかも、このように特定のレベルの接着によって、望ましい寸法安
定性を有する複合布を形成できると共に、強くて有用な布を形成することができ
る。 【0038】 本発明の一つの形態においては、パルプ層および支持体に衝突する流体ジェッ
トのエネルギを調節して、布の両面が改善されるように、パルプ繊維を連続フィ
ラメント支持体に潜り込ませると共に絡み合わせるようにしてもよい。すなわち
、交絡状態を調整することによって、布の一方の面におけるパルプ繊維の密度を
高め、反対の面におけるパルプ瀬にの密度を低くすることができる。このような
構成は、特に、特定用途の払拭布および、使い捨ておむつ、女性用パッド、大人
用失禁製品等のパーソナル・ケア製品の用途に有用である。この代わりに、連続
フィラメント支持体を、一方の面のパルプ繊維層に絡み合わせると共に、他方の
面の異なるパルプ繊維層に絡み合わせることによって、両面がパルプを多量に含
んでいる複合布を形成するようにしてもよい。このような場合には、複合布の両
面に対して水圧交絡を行うことが望ましい。 【0039】 流体ジェットによる処理を終えた後は、複合布36は非圧縮状態での乾燥処理
に移行する。異なる速度のピックアップロール40を用いて、材料を水圧ニード
リングベルトから非圧縮乾燥工程に向けて搬送してもよい。この代わりに、従来
の真空式ピックアップおよび搬送布を利用してもよい。必要な場合には、複合布
を、乾燥工程に搬送するのに先立って湿潤状態でクリープ付けしてもよい。ウエ
ブの非圧縮乾燥を行うには、図1において番号42として示す従来のロータリド
ラム・スルーエアー乾燥用装置を利用すればよい。このスルードライヤー42は
孔46と共にこの孔46を通して吹き出されるホットエアーを受け入れる外側フ
ード付きの外側回転可能シリンダー44とすることができる。スルードライヤベ
ルト50は、スルードライヤー外側シリンダ40の上側部分上に複合布36を搬
送する。このスルードライヤー42の外側シリンダ44の孔46から吹き出され
た加熱空気は、複合布36から水を除去する。このスルードライヤー42によっ て複合布36に対して吹き付けられる空気の温度は、華氏約200度から約50
0度の範囲である。他の有用なスルードライング法および装置は、例えば、米国
特許第2,666,369号および同第3,821,068号に見受けられ、こ
れらの内容は本発明の内容の一部とされる。 【0040】 仕上げ工程および/または後処理工程を行って、複合布36に対して所定の特
性を付与することが望ましい。例えば、この布をカレンダーロールによって軽く
圧縮、クリープ付けあるいはブラシ掛けすることによって、均一な外観、および
/または、或る触質性を付与してもよい。この代わりに、および/または、これ
に加えて、化学的な後処剤、例えば接着剤や染料を布に添加してもよい。 【0041】 本発明の一つの形態においては、布に、各種の材料、例えば活性炭、クレー、
スターチおよび超吸収材料等を加えてもよい。例えば、これらの材料を、パルプ
繊維層を形成するために用いるパルプ繊維の懸濁液に加えてもよい。これらの材
料を、流体ジェットによる処理に先立ってパルプ繊維層に添加して、流体ジェッ
トの作用によって、これらの材料を複合布の内部に入れ込むようにしてもよい。
この代わりに、および/または、これに加えて、これらの材料を流体ジェットに
より処理の後に加えるようにしてもよい。水ジェット処理の前に、超吸収材料を
パルプ繊維の懸濁液あるいはパルプ繊維層に加える場合には、超吸収材料として
、湿式形成時、および/または水ジェット処理の間は不活性状態にあり、その後
に活性状態になる種類のものとすることが好ましい。水ジェット処理の後に、従
来の超吸収材料を複合布に添加してもよい。有用な超吸収剤としては、例えば、
商品名が「Sanwet IM−5000 P」としてHoechst Cel
anese Corporationから購入できるナトリウム・ポリアクリレ
ート超吸収剤がある。超吸収剤の量は、パルプ繊維層のパルプ繊維100グラム
当たり最大約50グラムとすることができる。例えば、不織ウエブは、パルプ繊
維100グラム当たり約15から約30グラムの超吸収剤を含むことができる。
さらに特定すると、不織ウエブは、パルプ繊維100グラム当たり約25グラム
の超吸収剤を含むことができる。 【0042】 図5は、一例として掲げた高パルプ含有率の不織複合布の断面を示す50.6
倍の顕微鏡写真である。図6は、一例として掲げた高パルプ含有率の不織複合布
における、冷間エンボス用パターンローラによって後処理した後の断面を示す5
0.6倍の顕微鏡写真である。これらの図5および図6から分かるように、不織
複合布は、連続フィラメント不織ウエブによって、内部が補強され、あるいは一
体的に補強されたパルプ繊維のウエブを含んでいる。これによって、外側の補強
、例えば、バインダあるいは接着剤の印刷が不要となる。本発明におけるこのよ
うな内部あるいは一体的に補強された材料を用いることによって、平均繊維長の
短いパルプ繊維の使用が可能になる。このような低級の繊維を剥離剤で処理して
、素材の特性を変化させる強度および/または耐磨耗性を損なうことなく、より
柔軟で、より布状の素材を形成することができる。 図7は、液体分散材として高パルプ含有率の不織複合布を組み込んだ吸収構造
体100の一例の分解斜視図である。図7は単に吸収構造体の各層相互間の関係
を示したものであり、如何なる意味においても、特定の製品においてこれらの層
(または他の層)がこのように形成されるということに限定されるものではない
。例えば、図14に示すものよりも少ない層あるいはそれよりも多い層を有して
いてもよい。ここの示す吸収構造体100は、使い捨ておむつ、女性用パッドあ
るは他の看護用品などに用いるのに適しており、4枚の層からなる。すなわち、
頂部層102、流体分散層104、吸収層106および底面層108である。頂
部層102は、メルトスパン繊維またはフィラメントの不織ウエブ、有孔フィル
ムまたはエンボス加工したネットから形成することができる。頂部層102は使
い捨ておむつのライナーとして機能し、あるいは女性用パッド、看護用製品等の
カバー層として機能する。頂部層102の上面110は吸収性構造体100が着
用者の皮膚と接触する部分である。頂部層102の下面112は、高パルプ含有
率の不織複合布からなる流体分散層104の上に重ねられている。液体分散層1
04は、頂部層102から流体をすばやく吸収し、流体分散層104内において
その流体を分散させ、さらに、吸収層106に流体を排出する機能を有する。流
体分散層104は頂部層102の下面112と接触している上面114を有して いる。さらに、流体分散層104は、吸収層106の上面118に重ねられてい
る下面116を有している。流体分散装置104は吸収層106とは異なるサイ
ズまたは形状とすることができる。吸収層106はパルプフラッフ、超吸収性物
質、またはこれらの混合物の層から形成することができる。吸収層106は液体
非透過性底面層108の上に重ね合わされている。吸収層106は、液体非透過
性底面層108の上面122に接触している下面120を有している。底面層1
08の底面124が吸収構造体100の外側表面を形成している。通常用いられ
る用語で言うと、ライナー層102はトップシートであり、流体非透過性底面層
108はバックシートであり、流体分散層104は分散層であり、吸収層106
は吸収性コアである。各層の他の層に結合させる前に、あるいはその後に、裁断
して特定の製品の形状に適合させるようにすることができる。 【0043】 各層を結合して、例えば女性用パッド等の製品を形成する場合、高パルプ含有
率の不織複合布の流体分散層104は、頂部層102において保持される流体を
減少させるという利点を奏する。これによって、着用者の皮膚から吸収層106
への流体の移動が促進され、吸収層106内部の水分と着用者の皮膚との間にお
ける分離を促進して、さらに、流体を吸収体の大部分に分散させることによって
吸収層106をより効率的に利用することが可能になる。これらの利点は垂直方
向の吸い上げ率および水分吸収特性の向上に伴うものである。本発明の一実施形
態においては、流体分散層104が、頂部層102および/または吸収層106
としても機能させることができる。このような構成のために特に有用な不織複合
布は、パルプを多量に含む面と、連続フィラメント支持体によって主に形成され
ている面とを有する布である。実験例 Instron Model 1122 Universal 試験機を用い
て、合衆国試験方法基準No.191Aの方法5100に従って、引張強さと伸
びの測定を行った。引張強度はサンプルを破断するまで伸張させたとみに最大荷
重(ピーク荷重)である。最大荷重の測定は湿りサンプルと乾燥サンプルの商法
に対して縦方向および横方向についてそれぞれ行った。各サンプルは幅3インチ 、長さ6インチであり、試験結果の単位はグラム重である。 【0044】 「伸び」あるいは「伸び率」とは、不織ウエブの伸張前の最初の長さと伸張後
の長さの差を特定の単位で測定し、その差を不織ウエブの伸張前の最初の長さ(
同一単位)で除した値である。伸び率を「%」で表す場合には100を乗ずる。
伸びの測定はウエブのほぼその破断点に達したときに行った。 台形引き裂き強度の測定は、ASTM Standard Test D 1
117−14に従って行ったが、異なる点は、引き裂き荷重を、最も低い最大荷
重と最も高い最大荷重の平均としてではなく、最初の最大荷重と最も高い最大荷
重の平均値として算出していることである。 【0045】 サンプル布から取り出した粒子および繊維の測定は、INDA Standa
rd Test 160.0−83に従って、Climet Lint試験によ
り行ったが、異なる点は、サンプルの寸法を、7インチ×8インチではなく、6
インチ×6インチとした点である。 サンプルの水および油吸収力の測定は、工業用および機関用タオルおよび払拭
用ペーパーについての合衆国試験方法基準No.UU−T−595Cに従って行
った。吸収力は、材料が一定の期間の間に液体を吸収する能力であり、飽和時点
において材料の保持されている液体の総量である。吸収力は、液体を吸収したこ
とによる材料の重量の増加を計測することによって決定する。吸収力をパーセン
ト表示とするには、次式に従って、吸収された液体の重さを、サンプルの重量で
割ればよい。 【0046】 総吸収力 =〔(飽和したサンプル重量−サンプル重量)/サンプル重量〕×100 サンプルの水および油の吸い上げ率の測定は、TAPPI Method U
M451に従って行った。吸い上げ率とは、吸収材料のストリップによって垂直
方向に吸い上げられる水の速度のことである。 【0047】 サンプルの秤量は、基本的にはASTM D−3776−9に従って測定した
が次の点が異なっている。1)サンプルの寸法を4インチ×4インチ平方とした
。2)9個のサンプルの合計の重さを測定した。 摩擦係数の測定はASTM1894に従って行った。 サンプルのドレープ剛度の測定は、ASTM D1383に従って行ったが、
サンプルの寸法は1インチ×8インチとした。 【0048】 サンプルのカップクラッシュテストを測定した。このカップクラッシュテスト
は、カップ状の布が約6.5cm直径の円筒で囲まれて均一な変形状態が保持さ
れている状態において、9インチ×9インチの布片をほぼ6.5cm直径で高さ
が6.5cmの倒立カップ状に潰すために、4.5cm直径の半球状のフットが
必要とする最大荷重を測定することにより評価する。フットおよびカップを整列
させて、最大荷重の影響を及ぼすおそれのあるカップ側面とフットとの間の接触
を回避した。最大荷重の測定は、フットが約0.25インチ/秒(15インチ/
分)の速度で降下している間に、ニュージャージー州のTennsauken所
在のScheitz Companyから購入可能なModel FTD−G−
500ロードセル(500グラム・レンジ)を用いて行った。 【0049】 サンプルの嵩(すなわち厚さ)の測定は、マサチューセッツ州のWaltha
m所在のB.C.Ames Companyから購入可能なAmes Thic
kness Tester Model 3223を用いて、厚さテスターに5
インチ×5インチのフットを取付けて行った。各サンプルの嵩を、182グラム
の上下5グラムの範囲内の荷重時に行った。 【0050】 サンプルの嵩の測定を、ニューヨーク州のAmityville所在のTMI
(Testing Machines Incorporated)から入手可
能なModel 49−70 厚さテスターを用いて行う際には、2インチ直径
の円形フットに約0.2ポンド/平方インチ(spi)を加えて、厚さの測定を
行った。5/8インチ直径のフットを使用した厚さ測定値は、TMI Mode 1 549−M 厚さテスターを用いて得られたものである。サンプルの秤量の
測定は、基本的にはASTM D−3776−9 に従って行った。 【0051】 Handle−O−Meter試験は、Thwing−Albert Ins
trument Companyから入手可能なHandle−O−Meter
Mode No.211−5で行った。この試験は、INDA Standa
rd Test IST 90.0−75(R82)に従って行ったが、サンプ
ルの寸法を、8インチ×8インチとせずに、4インチ×4インチとした。 【0052】 耐磨耗性の試験は、ノースカロライナ州のCharlotte所在のAhib
a−Mathis製の磨耗性テスターModel No.103で行った。試験
方法は、ASTMに従って、12キロパスカル(kPa)の圧力を加えて行った
。複合体のパルプを多量に含む面に対しては、磨耗試験により、このパルプを多
量に含む面に1/2インチの孔を開けるために必要なサイクル数を測定した。布
の連続フィラメントの面に対しては、サンプルにたしいて150サイクルの試験
を行い、表面における毛羽立ち(繊維の立ち上がり)、ピリング、撚り合わせ、
あるいは孔の存在を調べた。サンプルを可視スケールと比較して、1から5まで
の磨耗番号を付与した。番号5は磨耗がほとんどないか、あるいは可視できない
状態を意味し、番号1はサンプルが磨耗して孔が形成されていることを意味して
いる。 【0053】 実験例 1 高パルプ含有率の不織複合布を次のようにして製造した。北方軟木繊維パルプ
(Kimberly−Clark Corporationから入手可能な「L
onglac 19」)からなる73gsmのウエブを湿式法により形成して、
このウエブを、ポリプロピレンのスパンボンドフィラメントからなる0.5オン
ス/平方ヤード(osy)(17gsm)のウエブ(例えば、先に引用した米国
特許第4,340,563号、同第3,692,618号等に記載されているよ
うに製造されたものである。)の上に搬送した。スパンボンドフィラメントの接 合を、ほぼ103ピンボンド位置/平方インチを有し、平滑なアンビルロールに
接触した際に約16.5パーセントの最大ボンド面積を形成するパターンを用い
て行った。このようにして得た合計秤量が約90gsmの積層体を、4個のマニ
ホールドを用いて、水圧によって絡み合わせて、複合素材を形成した。各マニホ
ールドには、1インチ当たり30孔の密度となる0.007インチ孔の列を一列
備えたジェット・ストリップを配置した。マニホールド内の水圧を650psi
(ゲージ)とした。各層を、約20fpmの速度でマニホールドの下を通過する
100メッシュのステインレススチール製の形成用ワイヤ上に支持した。この複
合布を一般的なスルーエアー乾燥器具を用いて乾燥した。最大荷重、最大歪み(
すなわち伸び量)および最大合計吸収エネルギを測定し、表1に掲げてある。 【0054】 実験例 2 高パルプ含有率の不織複合布を次のように製造した。北方軟木繊維パルプ(K
imberly−Clark Corporationから入手可能な「Lon
glac 19」)からなる73gsmのウエブを湿式法により形成して、この
ウエブを、ポリプロピレンのスパンボンドフィラメントからなる0.6オンス/
平方ヤード(osy)(20gsm)のウエブの上に搬送した。Delawar
e州のWilmington所在のHercules Chemical Co
mpanyから入手可能な「Kymene 557 H」と呼ばれる湿潤紙力増
強用樹脂を、乾燥繊維1トン当たり5乾燥ポンドの割合でパルプ繊維に加えた。
スパンボンドフィラメントの接合を、ほぼ306ピンボンド位置/平方インチを
有し、平滑なアンビルロールに接触した際に約16パーセントの最大ボンド面積
を形成するパターンを用いて行った。このようにして得た合計秤量が約90gs
mの積層体を、4個のマニホールドを用いて、水圧によって絡み合わせて、複合
素材を形成した。各マニホールドには、1インチ当たり30孔の密度となる0.
007インチ孔の列を一列備えたジェット・ストリップを配置した。マニホール
ド内の水圧を700psi(ゲージ)とした。各層を、約30fpmの速度でマ
ニホールドの下を通過する100メッシュのステインレススチール製の形成用ワ
イヤ上に支持した。この複合布をスチーム缶ローラを通過させることにより乾燥 した。乾燥後の布に対して冷間エンボス加工を施した。複合布の物理的特性を測
定し、その結果を表1に掲げてある。 【0055】 実験例 3 高パルプ含有率の不織複合布を次のように製造した。北方軟木繊維パルプ(K
imberly−Clark Corporationから入手可能な「Lon
glac 19」)からなる76gsmのウエブを湿式法により形成して、この
ウエブを、ポリプロピレンのスパンボンドフィラメントからなる0.4オンス/
平方ヤード(osy)(14gsm)のウエブの上に搬送した。Hercule
s Chemical Companyから入手可能な「Kymene 557
H」と呼ばれる湿潤紙力増強用樹脂を、乾燥繊維1トン当たり5乾燥ポンドの
割合でパルプ繊維に加えた。さらに、剥離剤(ペンシルベニア州のConsho
hocken所在のQuaker Chemical Companyから入手
可能な「Quaker 2008」)を乾燥繊維1トン当たり90乾燥ポンドの
割合でパルプ繊維に加えた。スパンボンドフィラメントの接合を、ほぼ306ピ
ンボンド位置/平方インチを有し、平滑なアンビルロールに接触した際に約16
パーセントの最大ボンド面積を形成するパターンを用いて行った。このようにし
て得た合計秤量が約90gsmの積層体を、実施例2において使用した器具およ
び手順によって、水圧によって絡み合わせて、複合素材を形成した。この複合布
をスチーム缶ローラを通過させることにより乾燥した。乾燥後の布に対して冷間
エンボス加工を施した。複合布の物理的特性を測定し、その結果を表1に掲げて
ある。 【0056】 実験例 4 高パルプ含有率の不織複合布を次のように製造した。北方軟木繊維パルプ(K
imberly−Clark Corporationから入手可能な「Lon
glac 19」)からなる73gsmのウエブを湿式法により形成して、この
ウエブを、ポリプロピレンのスパンボンドフィラメントからなる0.5オンス/
平方ヤード(osy)(17gsm)のウエブの上に搬送した。スパンボンドフ ィラメントの接合を、ほぼ103ピンボンド位置/平方インチを有し、平滑なア
ンビルロールに接触した際に約16.5パーセントの最大ボンド面積を形成する
パターンを用いて行った。このようにして得た合計秤量が約90gsmの積層体
を、実施例1における条件と同一の条件の下で3個のマニホールドを用いて水圧
によって絡み合わせて、複合素材を形成した。ペンシルベリア州のPhilad
elphia所在のRohm & Haas Companyから、商品名「R
hoplex(登録商標)B」として入手可能な接着剤を、複合布に対して、約
0.9gsmの速度で(90gsm布の約1重量%となるまで)吹き付けた。こ
の複合布を一般的なスルーエアー乾燥用器具を用いて乾燥した。最大荷重、最大
歪み(すなわち伸び量)および最大合計エネルギ吸収量を測定して、表1に掲げ
てある。 【0057】 【表1】【0058】 実験例 5 高パルプ含有率の不織複合布を次のようにして製造した。北方軟木繊維パルプ (Kimberly−Clark Corporationから入手可能な「L
onglac 19」)からなる72gsmのウエブを湿式法により形成して、
このウエブを、ポリプロピレンのスパンボンドフィラメントからなる0.5オン
ス/平方ヤード(osy)(17gsm)のウエブの上に搬送した。スパンボン
ドフィラメントの接合を、ほぼ103ピンボンド位置/平方インチを有し、平滑
なアンビルロールに接触した際に約16.5パーセントの最大ボンド面積を形成
するパターンを用いて行った。このようにして得た合計秤量が約89gsmの積
層体を、4個のマニホールドを用いて、水圧によって絡み合わせて、複合素材を
形成した。各マニホールドには、1インチ当たり30孔の密度となる0.007
インチ孔の列を一列備えたジェット・ストリップを配置した。マニホールド内の
水圧を650psi(ゲージ)とした。各層を、約20fpmの速度でマニホー
ルドの下を通過する100メッシュのステインレススチール製の形成用ワイヤ上
に支持した。この複合布を一般的なスルーエアー乾燥器具を用いて乾燥した。こ
の布の物理的特性および吸収特性を測定した。測定結果を表2に掲げてある。 【0059】 実験例 6 高パルプ含有率の不織複合布を実験例5について記述したようにして製造した
。ただし、布の秤量を約82gsmとし、インターメッシュの溝付きロールを用
いて機械的に柔軟にした。この布の物理的特性および吸収特性を測定した。測定
結果を表2に掲げてある。 【0060】 実験例 7 高パルプ含有率の不織複合布を実験例5について記述したようにして製造した
。ただし、布の秤量を約86gsmとし、冷間エンボス加工によって花模様を付
けた。この布の物理的特性および吸収特性を測定した。測定結果を表2に掲げて
ある。 【0061】 実験例 8 ペンシルベニア州のPhiladelphia所在のScott Paper Companyから入手可能な外側を補強した「Wypall(登録商標)5
700」払拭布の物理特性および吸収特性を試験した。この払拭布の秤量は85
gsmであり、約84重量パーセントのクリープ付きパルプシートと、約16重
量パーセントの接着剤を、パルプシートの両面に含んでいた。試験結果を表2に
掲げてある。 【0062】 実験例 9 高パルプ含有率の不織複合布を次のようにして製造した。北方軟木パルプ繊維
(Kimberly−Clark Corporationから入手可能な「L
onglac 19」)を約70重量パーセントと、南方軟木パルプ繊維(ジョ
ージア州のアトランタ所在のGeorgia Pacific Corpora
tionから入手可能な「Brunswickパルプ」)を約30重量パーセン
ト含む混合体から73gsmのウエブを形成し、このウエブを、ポリプロピレン
のスパンボンドフィラメントからなる0.4オンス/平方ヤード(osy)(1
4gsm)のウエブの上に搬送した。スパンボンドフィラメントの接合を、ほぼ
278ピンボンド位置/平方インチを有し、平滑なアンビルロールに接触した際
に約17.2パーセントの最大ボンド面積を形成するパターンを用いて行った。
このようにして得た合計秤量が約87gsmの積層体を、3個のマニホールドを
用いて、水圧によって絡み合わせて、複合素材を形成した。各マニホールドには
、1インチ当たり30孔の密度となる0.007インチ孔の列を一列備えたジェ
ット・ストリップを配置した。マニホールド内の水圧を1050psi(ゲージ
)とした。各層を、約100fpmの速度でマニホールドの下を通過する100
メッシュのステインレススチール製の形成用ワイヤ上に支持した。この複合布を
一般的なスチーム缶乾燥器具を用いて乾燥した。この布に冷間エンボス加工を施
して図8に示すパターンを付けた。この布の物理的特性および吸収特性を測定し
た。測定結果を表3に掲げてある。 【0063】 実験例 10 高パルプ含有率の不織複合布を次のようにして製造した。北方軟木パルプ繊維 (Kimberly−Clark Corporationから入手可能な「L
onglac 19」)から73gsmのウエブを形成し、このウエブを、ポリ
プロピレンのスパンボンドフィラメントからなる0.5オンス/平方ヤード(o
sy)(17gsm)のウエブの上に搬送した。スパンボンドフィラメントの接
合を、実験例9において記述したパターンで行った。このようにして得た合計秤
量が約87gsmの積層体を、実験例9における場合と同様にして水圧によって
絡み合わせて、複合素材を形成した。ただし、本実験例では、マニホールドの水
圧を約1100psi(ゲージ)とした。この複合布を一般的なスチーム缶乾燥
器具を用いて乾燥した。この布に冷間エンボス加工を施して図8に示すパターン
を付けた。この布の物理的特性および吸収特性を測定した。測定結果を表3に掲
げてある。 【0064】 実験例 11 高パルプ含有率の不織複合布を次のようにして製造した。北方軟木パルプ繊維
(Kimberly−Clark Corporationから入手可能な「L
onglac 19」)を約30重量パーセントと、二次繊維(ジョージア州の
アトランタ所在のPonderosa Fibers of Americaの
支店であるPonderosa Pulp Products から入手可能な
BJ−インク抜き二次繊維パルプ)を約70重量パーセント含む混合体から73
gsmのウエブを形成し、このウエブを、ポリプロピレンのスパンボンドフィラ
メントからなる0.4オンス/平方ヤード(osy)(14gsm)のウエブの
上に搬送した。スパンボンドフィラメントの接合を、実験例9に記載のパターン
を用いて行った。このようにして得た合計秤量が約87gsmの積層体を、実験
例9に記載のようにして水圧によって絡み合わせて、複合素材を形成した。しか
し、本実験例においては、4個のマニホールドを用いた。この複合布を一般的な
スチーム缶乾燥器具を用いて乾燥した。この布に冷間エンボス加工を施して図8
に示すパターンを付けた。この布の物理的特性および吸収特性を測定した。測定
結果を表3に掲げてある。 【0065】実験例 12 高パルプ含有率の不織複合布を実験例10におけるようにして製造した。しか
し、本実施例においては、パルプ層を、北方軟木パルプ繊維(Kimberly
−Clark Corporationから入手可能な「Longlac 19
」)を約70重量パーセントと、二次繊維(ジョージア州のアトランタ所在のP
onderosa Fibers of Americaの支店であるPond
erosa Pulp Products から入手可能なBJ−インク抜き二
次繊維パルプ)を約30重量パーセント含む混合体から形成した。この布の物理
的特性および吸収特性を測定した。測定結果を表3に掲げてある。 【0066】 【表2】【0067】 【表3】【0068】 実験例 13 湿潤可能なカバーを備えた薄い吸収構造体を次のものを用いて製造した。トッ
プ層として、Rohm& Hass Companyから入手可能な約0.3%
の「TRITON(登録商標) X102」(オクチルフィノキシポリエソキシ
エタノールの非イオン表面活性剤)で処理した27gsmのポリプロピレン・ス
パンボンデッド・ポリプロピレンから形成した。中間層としては、秤量が約11
0gsmの高パルプ含有率の不織複合布(図4に示すパターンで接着した約20
gsmのスパンボンド・ポリプロピレンと約90gsmの北方軟木パルプ)から
形成した。吸収コアーとしては、1)75gsmのポリアクリレートの超吸収性
粒子の層を挟んでいる2層の空中堆積によって形成した2プライの52gsmの
ティシュを含むC形に重ね合わせたラミネート複合体の二重層と、2)縦方向に
筋を付けた169gsmの木質パルプ繊維のブロッタペーパーから形成した。各
層を約1.25インチ×約8インチに測定した。各層を重ねて、平坦な水平表面
上に保持された吸収構造体にした。 【0069】 別の薄い吸収構造体を、同一のカバー材料と吸収性コアーと、中間層としての
、約1重量パーセントのジオクチル・ソジウム・スルホサクシネート表面活性剤
で処理したメルトブローポリプロピレン繊維からなる60gsmの不織ウエブと
を用いて製造した。 これら二つの構造体を試験して、ウイスコンシン州のニーナ所在のKimbe
rly−Clark CorporationのAnalytical Lab
oratory から入手した人工生理液を分散および吸収速度を測定した。こ
の液体の粘度は室温(華氏約73度)で約17センチポアズであり、表面張力は
約53ダイン/センチメートルである。 【0070】 約10立方cmの液体を定速の10立方cm/分で約1cmの高さから各構造
体の中心に落とした。約1時間後に、流体分散層の縦方向における染みの長さを
測定した。この染みの長さが大きいほど望ましい。それは、そのことが流体のよ
り良好な分散性を示しているからである。この試験結果を表4に掲げてある。 実験例 14 実験例13の薄い吸収構造体を試験して、各構造体が人工流体8立方cmを吸
収する時間を測定した。測定は、1)「Lucite」(登録商標)ブロックと
2)平坦な水平試験表面を備えた試験装置を用いて行った。 【0071】 図8には、この「Lucite」ブロックの平面を示してある。図9にはこの
ブロックの断面を示してある。このブロック200は、ベース202を有し、こ
のベースはブロックの底面から突出している。ベース202はフラットな表面2
04を有し、この表面は長さがほぼ2.875インチで幅が1.5インチであり
、ブロック200の底面を形成している。長円形の開口206(長さが約1.5
インチで幅が約0.25インチ)がブロックの中心に位置しており、ブロックの
頂点からベース202まで延びている。開口206の底が塞がれると、この開口
206は約10立方cm以上の流体を保持可能である。開口206の上のマーク
は約2立法cmの液体レベルを示している。ブロックの頂部の漏斗208は通路
210に連通し、この通路210は長円形の開口206に繋がっている。漏斗2
08内に注ぎこまれた流体は、通路210を通過して長円形の開口206に入り
、ブロック直下の試験サンプル上に流れ出す。 【0072】 各サンプルを、平坦で水平な試験表面上に設置し、サンプルの上にブロックの
平坦な突出ベースを乗せて長円形開口の長軸がサンプルの長手方向に平行になる
ようにし、サンプルの両側および両端の間の中心に位置するようにして、各サン
プルの試験を行った。ブロックの重量を調節して約162グラムにし、構造体の
上に、ブロックを圧力約7グラム/平方cm(約1psi)で乗せるようにした
。ストップウオッチをスタートさせて、ほぼ10立方cmの流体をRepipe t(カタログ番号13−687−20;Fischer Scientific
Company)から漏斗内に供給した。流体がブロックの長円形開口を満た
し、流体のメニスカスが、8立方cmの流体が吸収されたことを示す2立方cm
レベルに達した時にウオッチを停止した。この試験結果を表5に掲げてある。 実験例 15 エンボス加工したネっトカバーを備えた厚手の吸収構造体を次のものから製造
した。秤量が約45gsmで開口面積が約35から約40%のエンボスネッティ
ングのトップ層と、秤量が約110gsmの高パルプ含有率の不織複合布(図4
のパターンで接着された約25gsmのスパンボンド・ポリプロピレンと約90
gsmの北方軟木パルプ)からなる中間層と、約760gsmの南方軟木パルプ
のフラッフ(Kimberly−Clark CorporatlonのCoo
sa River 工場製の54番のパルプ・フラッフ)からなる吸収コアから
構成した。吸収コアを約2.5インチ×約7.5インチに切取り、カバーを、そ
れを充分に覆うことができる大きさにした。 【0073】 別の厚手の吸収構造体を、同一のカバー材料と、吸収コアーと、実験例13で
述べた表面活性剤で処理したメルトブロー・ポリプロピレン繊維からなる60g
smの不織布から形成した中間層とから製造した。 二つの構造体を試験して、それぞれの人工生理液を10立方cm分散する時間
を、実験例13で述べた手順に従って測定した。結果を表6に掲げてある。 実験例 16 実験例15の構造体を、実験例14の手順に従って試験して、それぞれの構造
体が8立方cmの人工生理液を吸収する時間を測定した。結果を表7に掲げてあ
る。 表4および6から分かるように、110gsmの高パルプ含有率の不織複合布
を含む本発明の吸収構造体は、表面活性剤処理済みのメルトブロー・ポリプロピ
レン製流体分散層に比べて良好な試験流体の分散性を有する。表5および7かわ
分かることは、110gsmの高パルプ含有率の不織複合布を含む本発明の吸収
構造体は、表面活性剤処理済みのメルトブロー・ポリプロピレン製流体分散層を
含む吸収構造体と同一あるいはそれ以上の試験流体の吸収性を備えている。 【0074】 実験例 17 高パルプ含有率の不織複合布を次のようにして製造した。北方軟木パルプ繊維
(Kimberly−Clark Corporationから入手可能な「L
onglac 19」)を約30重量パーセントと、二次繊維(ジョージア州の
アトランタ所在のPonderosa Fibers of Americaの
支店であるPonderosa Pulp Products から入手可能な
BJ−インク抜き二次繊維パルプ)を約70重量パーセント含む混合体から76
gsmのウエブを湿式法により形成し、このウエブを、ポリプロピレンのスパン
ボンドフィラメントからなる0.4オンス/平方ヤード(osy)(14gs m)のウエブの上に搬送した。Quaker2008剥離剤(Quaker C
hemical Company製)をパルプ繊維に対して、乾燥パルプ繊維の
重量で0、1、2、3パーセントのレベルで添加した。スパンボンドフィラメン
トの接合を、ほぼ306ピンボンド位置/平方インチを有し、平滑なアンビルロ
ールに接触した際に約16パーセントの最大ボンド面積を形成するパターンを用
いて行った。このようにして得た合計秤量が約90gsmの積層体を、4個のマ
ニホールドを用いて、水圧によって絡み合わせて、複合素材を形成した。各マニ
ホールドには、1インチ当たり30孔の密度となる0.007インチ孔の列を一
列備えたジェット・ストリップを配置した。マニホールド内の水圧を600ps
i(ゲージ)とした。各層を、約20fpmの速度でマニホールドの下を通過す
る100メッシュのステインレススチール製の形成用ワイヤ上に支持した。この
複合布を試験して、パルプ繊維含有率の低い側の面の耐磨耗性と共に動的および
静的な摩擦係数を測定した。この結果を表8に掲げてある。 本発明を特定の好ましい実施例について説明したが、本発明により包含される
主題はこれらの特定の実施例に限定されるものでない。逆に、本発明は、添付の
請求の範囲の記載の範囲内に含まれる全ての変更物、修正物および等価物を含む
ものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 高パルプ含有量の不織複合布を製造するための処理の一例の斜視図である。 【図2】 ボンド・パターンの一例を示す平面図である。 【図3】 ボンド・パターンの一例を示す平面図である。 【図4】 ボンド・パターンの一例を示す平面図である。 【図5】 高パルプ含有率の不織複合布の一例における断面の繊維の形状を示す顕微鏡写
真である。 【図6】 後処理工程後における高パルプ含有率の不織複合布の一例における断面の繊維
の形状を示す顕微鏡写真である。 【図7】 高パルプ含有率の不織複合布を含む吸収構造体の例を示す斜視図である。 【図8】 エンボス・パターンの例を示す平面図である。 【図9】 吸収構造体の液体吸収率を測定するための試験装置の上面図である。 【図10】 吸収構造体の液体吸収率を測定するための試験装置の断面図である。 【符号の説明】 10 処理装置 18 パルプ繊維の層 20 不織支持体 36 複合布 100 吸収構造体 102 頂部層 104 流体分散層 106 吸収層 108 底面層 110 上面 114 上面 116 下面 118 上面 120 下面 122 上面 124 底面 200 ブロック 202 ベース 204 平坦面 206 開口 208 漏斗 210 通路

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 水圧により交絡されたパルプ含有率の高い不織複合布であって
    、 平方インチあたり約100ボンドより大きいボンド密度を有し、全ボンド面積
    が約2から約30パーセントである、約30重量パーセント以下の不織連続フィ
    ラメント支持体と、 平均繊維長が約1.5 ミリメーターより大きい高平均繊維長パルプと平均繊維長
    が約1.2mm より小さい低平均繊維長パルプの混合物である木パルプからなり、約
    70重量パーセント以上の繊維部分と、 を含むことを特徴とする不織複合布。 【請求項2】 請求項1において、約10から25重量パーセントの不織連続
    フィラメント支持体と、パルプからなり約75から90重量パーセントの繊維部
    分を含むことを特徴とする不織複合布。 【請求項3】 請求項1において、約20から約200グラム/平方メートル
    の秤量を有することを特徴とする不織複合布。 【請求項4】 請求項1において、更に、クレー、スターチ、粒状物質および
    超吸収剤粒子を含むことを特徴とする不織複合布。 【請求項5】 請求項1において、更に、最大約3パーセントの剥離剤を含む
    ことを特徴とする不織複合布。 【請求項6】 請求項1に記載の不織複合布からなる層を一層あるいはそれ以
    上含み、秤量が約20から約200gsmであることを特徴とする払拭布。 【請求項7】 請求項6において、約40から約150gsmの秤量を有する
    ことを特徴とする不織複合布。 【請求項8】 請求項1に記載の不織複合布の層を一層あるいはそれ以上含み
    、秤量が約20から約300gsmであることを特徴とする吸収性看護用製品の
    流体分散体。 【請求項9】 請求項8において、秤量が約30から約170gsmである ことを特徴とする不織複合布。 【請求項10】 請求項1において、前記連続フィラメント不織支持体は連続
    スパンボンデッド・フィラメントの不織ウェブであることを特徴とする不織複合
    布。 【請求項11】 請求項1において、前記繊維部分は、バージン硬木パルプ繊
    維、バージン軟木パルプ繊維、二次繊維、およびこれらの混合体から選択したも
    のであることを特徴とする不織複合布。 【請求項12】 請求項11において、前記繊維部分は、50重量パーセント
    以上の平均繊維長の短いパルプと、約50重量パーセント以下の平均繊維長の長
    いパルプの混合体であることを特徴とする不織複合布。 【請求項13】 約30重量パーセント以下の不織連続フィラメント支持体と
    、約70重量パーセント以上の木パルプからなる繊維部分を含むパルプ含有率の
    高い不織複合布の製造方法において、 平均繊維長が約1.5 mmより大きい高平均繊維長パルプ繊維と平均繊維長が1.2
    mmより小さい低平均繊維長パルプ繊維の混合物を有する木パルプ繊維の層を、ボ
    ンド密度が約100ピンボンド位置/平方インチで合計ボンド面積が約2から約
    30パーセントまでの不織連続フィラメント支持体の上に重ね合わせて、 前記の各層を水圧によって絡め合わせて複合素材を形成し、 この複合素材を乾燥することを特徴とする不織複合布の製造方法。 【請求項14】 請求項13において、乾式形成法あるいは湿式形成法によっ
    て、パルプ繊維を不織連続フィラメント支持体の上に堆積させることにより各層
    の重ね合わせを行うことを特徴とする製造方法。 【請求項15】 請求項13において、各層の重ね合わせを、パルプ繊維の凝
    集シートを不織連続フィラメント支持体の層と混合することによって行うことを
    特徴とする製造方法。 【請求項16】 請求項13において、パルプ繊維の凝集シートは、再パルプ
    化可能なペーパーシート、再パルプ化可能なティシュシート、木質パルプ繊維の
    バットから選択したものであることを特徴とする製造方法。

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