JP2532800B2

JP2532800B2 - 平面アンテナ

Info

Publication number: JP2532800B2
Application number: JP4205017A
Authority: JP
Inventors: 清瀬下; 元昭内田
Original assignee: NHK Spring Co Ltd
Current assignee: NHK Spring Co Ltd
Priority date: 1992-07-31
Filing date: 1992-07-31
Publication date: 1996-09-11
Anticipated expiration: 2011-09-11
Also published as: JPH0653735A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は移動体通信分野におけ
るアンテナに関し、特に、移動体通信用アンテナの小型
化及び強度・耐久性の向上技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動車電話用の平面アンテナ（板
状アンテナ、平板アンテナ）は、天板と地板から構成さ
れ、天板の中心に給電し、数か所で天板と地板をショー
トさせることによりアンテナの性能を得ている。この平
面アンテナの共振周波数は、天板及び地板の外形、ショ
ート位置及びショートの幅を調整して目的周波数に一致
させる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】移動体通信の場合、そ
のアンテナを極力小さくしたいという要望がある。しか
し、従来の平面アンテナでは、共振周波数が低くなるに
従って、アンテナのサイズ、特に、径を大きくしなけれ
ばならないという問題がある。

【０００４】また、移動体通信用のアンテナは振動や温
度変化を受けやすく、強度及び耐久性が要求される。し
かし、従来の平面アンテナは部品数が多く、接続・接合
点が多く、強度及び耐久性が低いという問題があった。
この発明は上記実情に鑑みてなされたもので、小型の移
動体通信用アンテナを提供することにある。この発明の
他の目的は、強度及び耐久性に優れた平面アンテナを提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第１の観点にかかるアンテナは、導電性
の地板と、前記地板と対向して配置された導電性の天板
と、前記天板の所定位置に給電するための給電管と、前
記天板と地板を短絡するインピーダンス整合ピンとを備
えた平面アンテナにおいて、上記天板又は地板の少なく
とも一方の周縁部に、他方側に向って４５度以上の角度
で折曲げたスカートを一体に設けるとともに、上記天板
の中央部に、上記地板に向って凸となるようにプレスに
より押し出した円錐状の部分を設け、この円錐状の部分
を上記給電管として用いるようにしたことを特徴とする
ものである。この明細書で言う「スカート」とは、天板
と地板の少なくとも一方の周縁部を４５度以上の角度で
折曲げた部分であって、折曲げ位置から末端までの部位
である。前記スカートは、例えば、前記天板の周縁部を
垂直に折曲げることによって天板と一体に形成される。

【０００６】上記目的を達成するため、この発明の第２
の観点にかかるアンテナは、前記インピーダンス整合ピ
ンが前記天板と一体に形成されていることを特徴とす
る。また、給電用のケーブルを固定するクランプは前記
地板の一部を切り起こすことによって地板と一体形成さ
れてもよい。

【０００７】

【作用】この発明の第１の観点にかかるアンテナによれ
ば、天板又は地板の少なくとも一方（一般的には天板）
の周縁部を折曲げることによってスカートが一体に形成
されている。図２から理解できるように、スカートはア
ンテナの共振周波数を低下させる機能を有する。従っ
て、この発明の第１の観点にかかるアンテナによれば、
同一の体積の従来のアンテナに比して共振周波数を低減
させることができ、従来と同一共振周波数ならばアンテ
ナを小型化できる。図３から理解できるように、スカー
トの角度が４５度以下では、周波数の変化が小さいの
で、スカートを天板又は地板に直角に設けた場合に、そ
の効果は大きい。そしてこの発明では、天板の中央部に
プレスによって一体に形成された円錐状の部分を給電管
として用いるため、この給電管を兼ねる円錐状の部分に
よって天板の剛性を大幅に高めることができ、移動体通
信用として強度アップを図る上で有効であるとともに、
部品点数も削減できる。

【０００８】この発明の第２の観点にかかるアンテナに
よれば、前記給電管及び前記インピーダンス整合ピン或
いは給電用のケーブルを固定するクランプは前記天板又
は地板と一体形成される。従って、従来に比してアンテ
ナの部品数が減少すると共に溶接・半田付け箇所が少な
くなり、アンテナの強度及び耐久性が向上する。

【０００９】

【実施例】実施例の説明に先立ち、この発明が準拠する
基本概念を図面を参照して簡単に説明する。

【００１０】図１は天板（上側導体）１、地板（下側導
体）２、インピーダンス整合ピン（接地ピン）３、給電
ロッド（給電管）４からなる平面アンテナの天板１の周
辺部にスカート５を取り付けた状態を示す。スカート５
の長さＬ（mm) と平面アンテナの共振周波数(MHz) の関
係を図２に示す。図２から理解できるように、スカート
５の長さＬ（mm）が増加するに従って平面アンテナの共
振周波数(MHz) が減少する。換言すれば、このことは、
スカート５を形成することにより、共振周波数を所定値
に維持したまま平面アンテナの径を小さくし、小型化で
きることを意味する。

【００１１】図３にスカート５の角度θと共振周波数の
関係を示す。図３に示されるように、平面アンテナの発
振周波数は角度θが４５度以下ではほとんど変化しな
い。従って、平面アンテナの体積を小さくするという観
点からはスカート５は天板１に垂直に配置することが最
も効率的である。次に、上記概念に基づいた実施例を図
４乃至図７を参照して説明する。

【００１２】図４はこの実施例の自動車電話用アンテナ
の主要部の平面図、図５はこの実施例の自動車電話用ア
ンテナの断面図、図６はこの実施例の自動車電話用アン
テナの主要部の拡大断面図である。図４から図６に示さ
れる自動車電話用アンテナは、大別して、地板１１と、
天板１３、同軸ケーブル１５、樹脂ケース１７（図５）
から構成されている。

【００１３】地板１１は導電性でほぼ円盤状に形成され
る。天板１３は導電性の円盤から構成され、その中央部
は地板１１に向かって円錐状にプレスされ、給電用の中
心ピン（給電ピン）２１として機能する。天板１３には
支持体２３がプレスにより一体形成されており、支持体
２３は折り曲げられ、その先端は地板１１にねじ２５や
溶接により固定される。支持体２３は天板１３を地板１
１に固定する機能と平面アンテナの入力インピーダンス
を調整するインピーダンス整合ピンとしての機能を果た
す。天板１３の端部に天板１３に直角にスカート３１が
取り付けられている。スカート３１は、例えば、天板１
３の端部をプレスして折り曲げて形成される。

【００１４】給電用の同軸ケーブル１５が地板１１上に
配置され、その中心導体は中心ピン２１に半田等により
接続及び固定され、網線は地板１１に半田付け等により
接続及び固定されている。同軸ケーブル１５は地板１１
に切り込みを入れ、図７に示すように、プレスで湾曲さ
せたクランプ３３を通し、クランプ３３をかしめて固定
される。

【００１５】上記構成のアンテナ本体は、平板状の樹脂
ケース１７に固定され、樹脂ケース１７は取り付け金具
３５により移動体、例えば、自動車のルーフ板、トラン
ク等３７に固定される。上記構成の平面アンテナの動作
は通常の平面アンテナの動作と基本的に同一である。

【００１６】平面アンテナを小型化する上では、見掛け
上の物理的体積を減少させつつ電気的体積を維持しなけ
ればならない。ここで、図５に示されるように、平面ア
ンテナの径をＤ、天板と地板の距離をＨ、スカートの長
さをＬとし、平面アンテナの電気的体積をＶｒとおく
と、電気的体積Ｖｒは、Ｖｒ＝（Ｄ＋２Ｌ）² πＨ／４λ_c

【００１７】となる。従って、図４〜図６の平面アンテ
ナの物理的体積はＤ² πＨ／４であるが、その共振周波
数は物理的体積が（Ｄ＋２Ｌ）² πＨ／４の平面アンテ
ナの共振周波数とほぼ同一になり、２Ｌ分アンテナを小
型化できる。

【００１８】上記実施例によれば、インピーダンス整合
ピンとして機能する支持体２３及び給電用の中心ピン２
１を天板１３をプレス整形して、天板１３と一体に形成
している。従って、インピーダンス整合ピンや中心ピン
を天板と別個に製造して天板に溶接、半田等により固定
する場合と比較して、製造上の工程数を削減することが
できると共に品質のばらつきを低減し、強度を向上でき
る。また、同軸ケーブル１５を地板１１をプレスして形
成したクランプ３３をかしめて固定するので、同軸ケー
ブル１５を確実に固定できる。また、アンテナ全体を樹
脂カバー１７で覆い、取り付け金具３５により固定する
ようにしたので、アンテナを車外、車内の任意の場所に
設置できる。

【００１９】この発明は上記実施例に限定されない、例
えば、中心ピン２１、支持体２３、スカート３１、クラ
ンプ３３はピン、管、金属箔等を地板１１或いは天板１
３に溶接又は半田付けすることにより形成されてもよ
い。また、スカート３１は、図８に示されるように、天
板１３と地板１１の両方に形成されてもよく、スカート
の取り付け角度も任意である。また、地板１１のみにス
カートを形成してもよい。中心ピン２１は円錐状である
必要はなく、任意の形状を選択すればよい。また、支持
体２３も２つに限定されない。支持体２３を３つ配置す
る場合には、例えば、ほぼ１２０度軸対象に配置し、支
持体２３を４つ配置する場合には、ほぼ９０度軸対象に
配置する。また、天板及び地板は四角形、五角形、六角
形等の多角形でもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
同一体積の従来の平面アンテナに比して共振周波数を低
減させることができるため、アンテナの小型化および広
帯域化が図れると共に、天板の中央部にプレスによって
一体に形成された円錐状の部分を給電管として用いるこ
とによって天板の剛性を高めることができるから、天板
又は地板の周縁部にスカートを一体に折曲げたこととあ
いまって強度及び耐久性を向上でき、特に移動体通信用
として好ましい平面アンテナにすることができ、しかも
部品点数の削減が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の基本概念を説明するための平面アン
テナの断面図である。

【図２】図１に示されるスカートの長さと共振周波数の
関係を示すグラフである。

【図３】図１に示されるスカートの取り付け角度と共振
周波数の関係を示すフラフである。

【図４】この発明の一実施例にかかる平面アンテナの主
要部の平面図である。

【図５】図４に示される平面アンテナの構造を示す断面
図である。

【図６】図５に示される平面アンテナの主要部の拡大断
面図である。

【図７】同軸ケーブルを固定するクランプを説明するた
めの図である。

【図８】図４に示される平面アンテナの変形例を示す断
面図である。

【符号の説明】

１、１３…天板（上側導体）、２、１１…地板（下側導
体），３…インピーダンス整合ピン、４…給電ロッド、
５、３１…スカート、１５…同軸ケーブル，１７…樹脂
ケース，２１…中心ピン（給電ピン），２３…支持体
（インピーダンス整合ピン）、２５…ねじ、３３…同軸
ケーブル固定用クランプ、３５…金具。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】導電性の地板と、前記地板と対向して配置
された導電性の天板と、前記天板の所定位置に給電する
ための給電管と、前記天板と地板を短絡するインピーダ
ンス整合ピンとを備えた平面アンテナにおいて、上記天
板又は地板の少なくとも一方の周縁部に、他方側に向っ
て４５度以上の角度で折曲げたスカートを一体に設ける
とともに、上記天板の中央部に、上記地板に向って凸と
なるようにプレスにより押し出した円錐状の部分を設
け、この円錐状の部分を上記給電管として用いるように
したことを特徴とする平面アンテナ。
【請求項２】前記スカートは前記天板又は地板の少なく
とも一方の周縁部を垂直に折曲げたものであることを特
徴とする請求項１記載のアンテナ。
【請求項３】前記インピーダンス整合ピンは前記天板と
一体に形成されていることを特徴とする請求項１記載の
アンテナ。
【請求項４】前記給電管に接続される給電用のケーブル
を固定するためのクランプを備え、このクランプは前記
地板の一部を切り起こすことにより地板と一体に形成さ
れていることを特徴とする請求項１記載のアンテナ。