JP2531938Y2

JP2531938Y2 - 出隅コーナー部材

Info

Publication number: JP2531938Y2
Application number: JP1990112990U
Authority: JP
Inventors: 英郎佐藤
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1990-10-25
Filing date: 1990-10-25
Publication date: 1997-04-09
Anticipated expiration: 2005-10-25
Also published as: JPH0468136U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、出隅コーナー部材に関するものである。
さらに詳しくは、この考案は、外装材を施工した出隅コ
ーナー部の耐水、耐凍害性、および外観意匠性を向上さ
せ、しかもその施工が容易でもある出隅コーナー部材に
関するものである。

（従来の技術）従来より、家屋外壁等への外装材の取付施工において
は、その出隅コーナー部に、隣り合う左右の外装材の端
縁接合部の外観修飾や防水性の確保のために各種の出隅
コーナー役物を用いてきている。

たとえば、第５図に例示したように、ガルバリウム鋼
板等の金属板からなる出隅コーナー役物（ア）をコーナ
ー部柱（イ）にネジまたは釘等により固定し、その折り
曲げ差し込み溝（ウ）に外装材（エ）の端縁を差し込ん
で、外装材（エ）を外壁面に取付け固定する構造が知ら
れている。

また、第６図に示したように別のタイプの出隅コーナ
ー役物（カ）も知られている。この例の出隅コーナー役
物（カ）の場合には、通常セメント系無機質材等の外装
材（エ）と同じ材質からなっており、固定金具（キ）を
コーナー部柱（イ）にネジまたは釘等で固定し、この固
定金具（キ）の突起部（ク）を出隅コーナー役物（カ）
の係止溝（ケ）に嵌合している。また、露出した突起部
（ク）に上段の出隅コーナー役物（カ′）の下端部を連
結して、相互の連結部（オ）の連続性や密着性を向上さ
せるようにしてもいる。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、たとえばこれらの第５図および第６図
に例示した従来の出隅コーナー役物（ア）および（カ）
の場合には、雨水等の侵入を防止する手段を備えていな
いため、外壁出隅コーナー部における耐水、耐凍害性の
向上が難しいのが実情であった。このような欠点を解消
するためには、たとえば防水シート、水切り板、あるい
はシーリング材等の併用が不可欠であり、その施工は大
変に面倒であった。

さらに第６図に例示した出隅コーナー役物（カ）の場
合には、その側面端縁部に外装材（エ）の端面を当接さ
せるが、材質がセメント系無機質材等の塑性体であるた
め、外装材（エ）の取付け後の膨張や収縮に柔軟に対応
することができない。このため出隅コーナー役物（カ）
と外装材（エ）との当接部において圧接力が増大した
り、あるいはそこに隙間が発生したりすることが避けら
れず、仕上がり外観が好ましくないばかりか、耐久性も
著しく低下するという問題があった。

この考案は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもの
であり、従来の出隅コーナー役物の欠点を解消し、外装
材の伸縮等による寸法変化に柔軟に対応し、しかも外壁
出隅コーナー部の耐水、耐凍害性、および外観意匠性を
向上させることができる、施工容易な新しい出隅コーナ
ー部材を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段）この考案は上記の課題を解決するものとして、外壁出
隅コーナー部の左右の壁面の各々に一体として当接する
垂直板に、外側面が左右の外装材端面に各々当接し、か
つ、内側面が対向して開口部を形成する１対の対向突起
片を立設した出隅ジョイナーと、この出隅ジョイナーの
開口部に係止して各々の対向突起片を外装材の端面に押
圧する、前記開口部の内側に向かって湾曲する凹板状の
出隅役物とからなることを特徴とする出隅コーナー部材
を提供する。

また、この考案は、出隅ジョイナーの対向突起片に外
装材端部表面を覆う封止片を配設すること、および係止
一体化した出隅ジョイナーと出隅役物の外観形状が連続
した凹曲面を形成すること、さらにはこれらの部材の間
に空隙を形成することを好ましい態様としている。

（作用）この考案の出隅コーナー部材は、壁面に一体として当
接する垂直板に内側面が対向して開口部を形成する１対
の対向突起片を立設した出隅ジョイナーと、この出隅ジ
ョイナーの開口部に係止一体化して出隅ジョイナーの対
向突起片と外装材端面に押圧させる湾曲板状の出隅役物
とから構成しているため、出隅コーナージョイナーが外
装材の膨張や収縮に柔軟に対応し、圧接力の増大による
クラックや、あるいは接合部での隙間の発生がなく、施
工外観性も向上する。また、外壁出隅コーナー部の密封
性、密着性も良好となり、他の放水手段を併設する必要
がなく、施工が容易となる。

出隅役物は、上記の通りの湾曲凹板状の部材であり、
外観意匠性に優れている。出隅ジョイナーに係止一体化
した外観形状を連続した凹曲面状とした場合には、外観
意匠性はさらに向上する。

さらには、出隅ジョイナーの対向突起片の先端に外装
材端部表面を覆う封止片を配設することにより、外装材
の木口に凹凸等がある場合にもこれを覆い隠すため、仕
上がり外観が良好となる。

しかも、係止一体化した出隅ジョイナーと出隅役物と
の間に空隙を設けることにより、ここに各種の配線、配
管等を内蔵することが可能となり、建物全体の外観の納
まりが良好となり、意匠性はさらに向上する。

（実施例）以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この考案
の出隅ジョイナー部材についてさらに詳しく説明する。

第１図は、この考案の出隅コーナー部材の一実施例を
示した断面図である。

この第１図に例示したように、この考案の出隅コーナ
ー部材（１）は、出隅ジョイナー（２）と出隅役物
（３）との２つの部材からなっている。出隅ジョイナー
（２）は、外壁出隅コーナー部（４）の左右の壁面の各
々に一体として当接する垂直板（５）と、この垂直板
（５）から立設した１対の対向突起片（６）を有してい
る。この対向突起片（６）の各々はその先端部に、外装
材端面に当接するクッション片（７）と、その木口を覆
い隠すための封止片（８）とを有している。

また、１対の対向突起片（６）は、その対向する内側
面によって開口部（９）を形成しており、ここに、開口
部（９）の内側に向かって湾曲する凹板状の出隅役物
（３）を図中矢印（Ａ）方向へ挿入し、これら２つの部
材が係止一体化するようになっている。このため、開口
部（９）の間隔は、出隅役物（３）の幅より狭くしてお
り、その内側面には、出隅役物（３）の両端部（10）を
係止するための突起部（11）を形成している。また、突
起片（６）の台座部（12）には、先端円空状の切れ込み
（13）を形成してもいる。この切れ込み（13）は、垂直
板（５）の左右の開きを調整しやすくしている。

このように、この考案の出隅コーナー部材（１）にお
いては、出隅役物（３）を出隅ジョイナー（２）に係止
一体化した、その対向突起片（６）を図中矢印（Ｂ）方
向へ折れ曲げるようにするため、出隅ジョイナー（２）
は、たとえば、ゴムやプラスチック等の弾性材を用いる
のが好ましく、また、出隅役物（３）は、たとえばプラ
スチックや硬質樹脂材等を用いることが好ましい。これ
らの部材は、たとえば、押出成形やプレス成形などによ
って製造することができる。

第２図および第３図は、各々、第１図に例示した出隅
コーナー部材の施工例を例示した断面図および斜視図で
ある。

この第２図に示したように、この出隅コーナー部材
（１）を施工する場合には、まず、出隅ジョイナー
（２）の垂直板（５）をコーナー部柱（14）に当接さ
せ、これを釘（15）等によって取付ける。次いで、外装
材（16）を外壁面に取付けた後、出隅役物（３）を出隅
ジョイナー（２）の開口部（９）に挿入し、これを係止
する。それにより対向突起片（６）の各々のクッション
片（７）を外装材（16）の端面に圧接させ、封止片
（８）によって外装材（16）の木口面を封止することが
できる。

このように、クッション片（７）や封止片（８）が外
装材（16）の端面および木口表面を密封、しかもこの例
では、垂直板（５）に防水水切り（17）を設けているた
め、雨水等の侵入が効果的に防止される。

また、第３図に例示したように、この出隅コーナー部
材（１）は、係止一体化した出隅ジョイナー（１）と出
隅役物（２）の外観形状を連続した凹曲面状とすること
ができ、その表面に各種のデザイン性を持たせることも
できるため、建物全体の外観意匠性を向上させることが
できる。

第４図は、この考案の別の実施例を示した断面図であ
り、この例では、出隅ジョイナー（２）の開口部（９）
をより深くして係止一体化した出隅ジョイナー（２）と
出隅役物（３）との間に空隙（18）を形成している。こ
の空隙（18）には、たとえば各種の配線や、あるいはた
て樋やクーラー等の排水パイプなどの配管等を設置する
ことができ、建物全体の外観の納まりが良好となり、意
匠性はさらに向上する。

また、出隅役物（３）に光透過材を用い、空隙（18）
に光源を配置すれば、この出隅コーナー部材（１）は照
明管として機能するようにもなる。

もちろんこの考案は以上の例によって限定されるもの
ではなく、出隅ジョイナーおよび出隅役物の各々の大き
さや形状、あるいは材質等の細部については様々な態様
が可能であることはいうまでもない。

（考案の効果）以上詳しく説明した通り、この考案によって、外壁出
隅コーナー部の耐水、耐凍害性を向上させ、しかも施工
が容易で、外観意匠性にも優れた出隅コーナー部材を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の出隅コーナー部材の一実施例を示
した断面図である。第２図および第３図は、各々、この
出隅コーナー部材の施工例を示した断面図および斜視図
である。第４図は、この考案の別の実施例を示した断面図であ
る。第５図および第６図は、各々、従来の出隅コーナー役物
を示した斜視図である。１……出隅コーナー部材２……出隅ジョイナー３……出隅役物４……外壁出隅コーナー部５……垂直板６……対向突起片７……クッション片８……封止片９……開口部 10……端部 11……突起部 12……台座 13……切れ込み 14……コーナー部柱 15……釘 16……外装材 17……防水水切り 18……空隙

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】外壁出隅コーナー部の左右の壁面の各々に
一体として当接する垂直板に、外側面が左右の外装材端
面に各々当接し、かつ、内側面が対向して開口部を形成
する１対の対向突起片を立設した出隅ジョイナーと、こ
の出隅ジョイナーの開口部に係止して各々の対向突起片
を外装材の端面に押圧する、前記開口部の内側に向かっ
て湾曲する凹板状の出隅役物とからなることを特徴とす
る出隅コーナー部材。
【請求項２】出隅ジョイナーの対向突起片に外装材端部
表面を覆う封止片を配設した請求項（１）記載の出隅コ
ーナー部材。
【請求項３】一体化した出隅ジョイナーと出隅役物の外
観形状が、連続した凹曲面を形成する請求項（１）また
は（２）記載の出隅コーナー部材。
【請求項４】一体化した出隅ジョイナーと出隅役物との
間に空隙を形成した請求項（１）ないし（３）記載の出
隅コーナー部材。