JP2531326B2 - 繊維強化ポリアミド樹脂成形用シ―ト材料 - Google Patents

繊維強化ポリアミド樹脂成形用シ―ト材料

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JP2531326B2
JP2531326B2 JP4160036A JP16003692A JP2531326B2 JP 2531326 B2 JP2531326 B2 JP 2531326B2 JP 4160036 A JP4160036 A JP 4160036A JP 16003692 A JP16003692 A JP 16003692A JP 2531326 B2 JP2531326 B2 JP 2531326B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維強化ポリアミド樹脂
複合材に関し、特に吸水性を改良した繊維強化ポリアミ
ド樹脂成形用シート材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6やナイロン66に代表される
ポリアミド樹脂は広く複合材料のマトリックス樹脂とし
て用いられているが、優れた性質を持っている反面、吸
水率が非常に高く、また、その吸水速度も非常に速い。
従って、これらを複合材料に用いる場合も、吸水率のコ
ントロールが容易な射出成形には用いられるが、強化繊
維をポリアミド樹脂に含浸させて一旦シート状にしてお
き、成形時に加熱加圧成形する用途には適しないとされ
ていた。
【0003】通常このような用途には、吸水率の低いP
P(ポリプロピレン)、PBT(ポリブチレンテレフタ
レート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)とい
った樹脂がマトリックスとして採用されているが、成形
物の特性は次に示すように、ナイロン6やナイロン66
には及ばない。ナイロンやPP、PBT等をガラス繊維
で強化した場合の曲げ強さを以下に示す。 樹脂の種類 曲げ強さ(kg/mm) ナイロン6 70 PBT 45 PET 50 PP 40 (試料厚さ;2mm、ガラスクロス含有率;60wt
%)
【0004】ナイロン6を強化繊維と共に、一旦シート
状に成形し、その後最終目的の成形品とする場合、作業
の遅延により、ナイロン6の吸水率が0.3%以上にな
ると、成形前の予熱段階で部分的なふくれを生じ、デラ
ミネーション(層間剥離)が発生し、不良品となること
もしばしばである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の繊維強化ポリアミド樹脂成形用シート材料の吸水性
の問題を改良することにより、ポリアミド樹脂の優れた
特性を生かすための、改良された成形作業性を有する成
形用シート材料を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は前記課題
を解決するために、鋭意研究の結果、表裏両面にナイロ
ン11又はナイロン12の被膜を有する繊維強化ポリア
ミド樹脂成形用シート材料とすることにより、前記課題
の解決が可能であることを見出だした。又、少なくとも
表裏両面がナイロン11又はナイロン12を含む複合材
からなる繊維強化ポリアミド樹脂成形用シート材料とす
ることにより、前記課題の解決が可能であることを見出
だした。さらに、表裏両面の一方の面がナイロン11又
はナイロン12からなる被膜であって、他方の面がナイ
ロン11又はナイロン12を含む複合材からなる繊維強
化ポリアミド樹脂成形用シート材料とすることにより、
前記課題の解決が可能であることを見出だした。
【0007】本発明に於ける成形用シート材料とは、強
化材繊維を引き揃えて樹脂を含浸させたものや、強化材
繊維の織物に樹脂を含浸させたもの、もしくは、強化材
繊維を長さ25〜51ミリに切断してマット状にしたも
の、強化材繊維を連続繊維のままマット状にしたものに
樹脂を含浸させたものなどであるが、その形状や製造方
法により限定されるものではない。
【0008】即ち、上述の様に各種成形用シート材料の
表面に、吸水性の非常に低いポリアミド樹脂であるナイ
ロン11やナイロン12の被膜を配することによるか、
通常3層以上からなるシート材料の場合は、少なくとも
表裏各1層が吸水性の低いナイロン11又はナイロン1
2を含む複合材の層となるように配した構成とすること
によるか、さらに表裏両面の一方の面がナイロン11又
はナイロン12からなる被膜であって、他方の面がナイ
ロン11又はナイロン12を含む複合材からなる構成と
することにより、本来のポリアミド樹脂の特性を損なう
ことなくその吸水性を改良することができる。本発明の
繊維強化ポリアミド樹脂成形用シート材料のマトリック
ス樹脂として使用されるポリアミド樹脂は、ナイロン6
やナイロン66、ナイロン46、MXナイロン等があげ
られる。又、本発明の繊維強化ポリアミド樹脂成形用シ
ート材料の強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、
アルミナ繊維、およびアラミド繊維等があげられる。こ
れらの強化繊維はポリアミド樹脂との接着性をあげるた
めに適当な表面処理をされていることが望ましい。
【0009】
【作用】炭化水素の長鎖構造分子からなり、本質的に疎
水性の性質を持つナイロン11、ナイロン12は、吸水
性が低い半面、耐熱温度が低く、強化繊維との接着性に
劣るため、複合材のマトリックスとしてはほとんど用い
られていない。次に各種ポリアミド樹脂の吸水特性を示
す。 50%RHにおける 飽和吸水率 平衡吸水率(%) (%) ナイロン6 2.7 9.5 66 2.5 9.0 11 0.8 1.9 12 0.7 1.4 (飽和吸水率は、90%RH、40℃での吸水率を示す)
【0010】上記したように、ナイロン6やナイロン6
6と比較して、ナイロン11やナイロン12の吸水率が
非常に低い。従って、物性的には優れているが、吸水性
の大きいナイロン6やナイロン66などをマトリックス
樹脂とする繊維強化樹脂成形用シートの表裏両面を吸水
性の少ないナイロン11やナイロン12の被膜、又は、
ナイロン11やナイロン12の繊維強化樹脂層を配する
ことにより、機械特性に優れ、且つ吸水性も小さい繊維
強化ポリアミド樹脂成形用シート材料を得ることができ
る。吸水性を小さくすることが可能となるため、例えば
シート材料を予熱する際に、“ふくれ”などのデラミネ
ーションを起こさなくなり、作業性の良いシート材料を
得ることができる。ナイロン11やナイロン12の代わ
りに、ポリプロピレンやポリブチレンテレフタレート、
塩化ビニリデンといった吸水性の低い樹脂を用いること
も考えられるが、ポリアミド層との接着が不十分であっ
たり、製造温度条件の違いにより、適切に配置すること
が難しい。
【0011】又、これらのフィルムを接着剤を用いてシ
ート材料に貼り合わせることも考えられるが、コスト高
になる上、接着剤の耐熱性という問題が新たに発生し、
好ましくない。疎水性のナイロン11やナイロン12の
被膜を複合材の特性に関与しない表面部分にのみ、もし
くは、特性の低下を最小限にするため、通常3層以上か
らなる成形シート材料の場合は、表面層のみ、ナイロン
11もしくはナイロン12を含む繊維強化材層とするこ
とにより、さらに表裏両面の一方の面がナイロン11又
はナイロン12からなる被膜であって、他方の面がナイ
ロン11又はナイロン12を含む繊維強化材層とするこ
とにより本発明の目的を達成することが可能となった。
又、ナイロン11やナイロン12を用いることにより、
同じポリアミド樹脂同志のため、接着剤等を用いること
無く、容易にシート材料の両面に配置することができ
る。シート材料の表面に配されるナイロン11、又はナ
イロン12の被膜の厚さとしては、25μm〜150μ
m程度であれば良く、好ましくは、50μm〜100μ
mが望ましい。
【0012】
【実施例】[実施例1] 強化材ガラスクロスの仕様 (使用枚数4枚) 経糸 ECG75 1/0 1Z経密度 44本/
25mm 緯糸 ECG75 1/0 1Z緯密度 33本/
25mm 重さ 209g/m 織り組織 4枚繻子 マトリックス樹脂 ナイロン6フィルムの仕様
(使用枚数8枚) 厚さ 50μm 重さ 57g/m ナイロン12フィルムの仕様 (使用枚数2枚) 厚さ 50μm 重さ 52g/m 積層構成 ガラスクロスをG、ナイロン6フィルムをM、ナイロン
12フィルムを N12としそれぞれの順に積層する。 N12+M+G+M+M+G+M+M+G+M+M+G
+M+N12 プレス条件 のように積層したものを適当な離型剤を塗布した鏡面
板に挟み、次の条件でプレスし、繊維強化樹脂成形用シ
ート材料とする。 厚さ 0.75mm 温度 260℃ 圧力 15kg/cm 保持時間 15分 得られた成形用シート材料の強化繊維含有率は62wt
%であった。
【0013】[実施例2] コア層としてガラスクロス強化層を、シース層としてガ
ラスチョップドストランド強化層を有する成形用シート
材料とする。 コア層 (イ)ガラスクロス…実施例1と同じガラスクロスを2
枚使用。 (ロ)マトリツクス樹脂…実施例1と同じナイロン6フ
ィルムを6枚使用 (ハ)積層構成 ナイロンフィルム1枚+ガラスクロス+ナイロンフィル
ム4枚+ガラスクロス+ナイロンフィルム1枚 シース層構成 ガラスチョップドストランド……275g/m×2 ナイロンチョップドストランド…415g/m×2 を均一に混合散布する。 ナイロン11フィルム (2枚使用) 厚さ 50μm 重さ 52g/m 全体積層 ナイロン11フィルム+シース層+コア層+シース層+
ナイロン11フィルムシース層強化繊維含有量
40wt% コア層強化繊維含有量 60wt% シース層強化繊維含有量 40wt% 全体の強化繊維含有量 42wt% プレス条件 のように積層したものを適当な離型剤を塗布した鏡面
板に挟み、次の条件でプレスし、繊維強化樹脂成形用シ
ート材料とする。 厚さ 2.1mm 温度 260℃ 圧力 15kg/cm 保持時間 20分
【0014】[実施例3] 経糸を炭素繊維、緯糸をナイロン6とする一方向強化交
織布からなる成形用シート材料 基本となる交織布 経糸 炭素繊維(1K) 22本/2
5mm 緯糸 ナイロン6(32tex) 22本/2
5mm 重さ 90g/m 炭素繊維含有量 70wt% 表面に使用される一方向強化交織布 における交織布の緯糸をナイロン12(32teX)
に置き換えたもの 成形用シート構成 の交織布を0°の方向に置き、その上にの交織布3
枚を90°、0°、90°と重ね、更に、の交織布を
0°の方向に積層し、適当な離型剤を塗布したポリイミ
ドフィルムを用いて通常の方法でバギングし、真空ポン
プで引きながら下記条件でオートクレーブ成形をする。 湿度 260℃ 圧力 15kg/cm 保持時間 30分
【0015】[実施例4]経糸を炭素繊維、緯糸をナイ
ロン6とする一方向強化交織布からなる成形用シート材
料 実施例3のの交織布4枚との一方向強化交織布1枚
の計5枚を、の一方向強化交織布が表裏両面の一方の
面となるようにしてそれぞれ0゜、90゜、0゜、90
゜、0゜と重ね、他方の面にナイロン11フィルムをの
せた他は実施例3と同様の条件で成形をする。
【0016】[比較例1]実施例1における表面のナイ
ロン12フィルムをナイロン6フィルムに置き替え成形
用シート材とする。 [比較例2]実施例2におけるナイロン11フィルムを
使用せず、コア層の構成をナイロン6フィルム2枚+ガ
ラスクロス+ナイロン6フィルム4枚+ガラスクロス+
ナイロン6フィルム2枚とし、積層成形し、成形用シー
ト材とする。 [比較例3]実施例3において、基本となる一方向強化
交織布5枚を実施例3と同じ積層構成とし、成形用シー
ト材とする。実施例1〜4と比較例1〜3で得られた成
形用シート材について、吸水性と曲げ強さを測定した。
結果を表1及び表2に示す。
【0017】実施例1〜4と比較例1〜3との時間毎の
吸水率の変化(40℃ 90%RH)
【0018】
【表1】
【0019】実施例1〜4と比較例1〜3との時間毎の
曲げ強さの変化(40℃ 90%RH)
【0020】
【表2】
【0021】表1及び表2より明らかな通り、本発明の
実施例の成形用シート材料は、いずれも比較例に比し吸
水率、吸水速度が低く、一方成形品の曲げ強さも良好な
結果が得られた。
【0022】
【発明の効果】元来、物性的には優れた特性を持ちなが
ら吸水率、吸水速度が高いために使用上問題の多いポリ
アミド樹脂を用いた複合材料において、本発明の構成を
とることによって、成形準備作業時における成形用シー
ト材料の取扱い難さを大幅に改善し、予熱時にふくれに
よるデラミネーションによる不良品の発生を防ぐことが
できる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏両面にナイロン11又はナイロン1
    2からなる被膜を有することを特徴とする繊維強化ポリ
    アミド樹脂成形用シート材料。
  2. 【請求項2】 少なくとも表裏両面が、ナイロン11又
    はナイロン12を含む複合材からなることを特徴とする
    繊維強化ポリアミド樹脂成形用シート材料。
  3. 【請求項3】 表裏両面の一方の面がナイロン11又は
    ナイロン12からなる被膜であって、他方の面がナイロ
    ン11又はナイロン12を含む複合材からなることを特
    徴とする繊維強化ポリアミド樹脂成形用シート材料。
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JP4660865B2 (ja) * 1999-02-18 2011-03-30 東洋紡績株式会社 易接着性ポリアミドフィルム
JP4917593B2 (ja) * 2005-03-07 2012-04-18 スパンファブ・リミテッド 均一な厚さを有する熱可塑性ナイロン接着マトリックス及びそれから形成した複合材料積層体

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