JP2530969B2 - 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯 - Google Patents

塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯

Info

Publication number
JP2530969B2
JP2530969B2 JP4066729A JP6672992A JP2530969B2 JP 2530969 B2 JP2530969 B2 JP 2530969B2 JP 4066729 A JP4066729 A JP 4066729A JP 6672992 A JP6672992 A JP 6672992A JP 2530969 B2 JP2530969 B2 JP 2530969B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel strip
roll
steel
steel sheet
per
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4066729A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05269505A (ja
Inventor
康隆 縄田
康男 浜本
隆治 川本
修一 塩沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP4066729A priority Critical patent/JP2530969B2/ja
Publication of JPH05269505A publication Critical patent/JPH05269505A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2530969B2 publication Critical patent/JP2530969B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板表面粗度パターン
を規制する事により、塗装鮮映性、及びプレス成型性を
向上させる事を目的とし、冷間圧延鋼板、表面処理鋼
板、熱間圧延鋼板、アルミ鋼板、アルミ合金鋼板及びク
ラッド鋼板に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、加工用冷間圧延鋼板は、プレス
加工し易くするため、鋼板表面をダル仕上げする。即
ち、プレス加工時、鋼板表面に形成された凹凸に、加工
用潤滑油が貯留され、金型と鋼板の摩擦を少なくし、か
つ焼付けを防止する作用をするからである。プレス成型
性に関する研究は、素材である鉄板側と、成型技術の両
面から行われてきているが、製品の高精度化と複雑化に
伴い、鋼板に対する要求特性がより高級化、多様化しつ
つある。このため、現状としては、鋼板粗度を最終的に
調整する調質圧延において、鋼板表面にショットプラス
ト、放電、あるいはレーザー等でダル加工したワークロ
ールを使用し、鋼板表面に粗さを転写している。また、
実際のプレス成型における評価基準は、従来用いられて
きた鋼板の機械的特性(r値、El値等)だけでは不十
分であり、鋼板表面粗度潤滑油等もプレス成型性に大き
な影響を及ぼす。
【0003】一方、自動車ボディや家電製品などの外装
鋼板は、塗装仕上げをして、美観を付与するが、この
際、塗装面の乱反射によって美観を損なわれないように
すること即ち、所謂鮮映性に優れていることが要求され
る。上記のような従来技術として、特開昭62−168
602号公報「塗装用鋼板及びその製造方法」がある。
その内容は、表面の中心線平均粗さRaが0.3〜2.
0μmの範囲内にあり、かつその表面粗さを構成する微
視的形態が、平坦な山頂面を有する台形状の山部と、そ
の周囲の全部または一部を取囲むように形成された溝状
の谷部と、山部の間であってかつ谷部の外側にその谷部
の底よりも高くかつ山部の山頂面より低いかまたは同じ
高さに形成された中間平坦部とによって構成され、しか
も隣り合う山部の平均中心間距離をSm、谷部の外縁の
平均直径をD、山部の平坦な山頂面の平均直径をd0
部の平坦な山頂面と前記中間平坦部の平坦面の面積の和
が全面積に占める割合をη(%)と定義したとき、0.
85≦Sm≦1.7、Sm−D<280(μm)、30
≦d0≦500(μm)、20≦η≦85(%)を満足
するように構成されている塗装用鋼板である。
【0004】上記の従来技術でのロール及び鋼板表面の
プロフィールを図4、図5(特開昭62−168602
号公報の第10図、第11図)で示すと以下のようにな
る。 D:ロール表面のフランジ2の平均外径=鋼板表面の谷
部11の外縁の平均直径 d:ロール表面のクレータ1の平均直径 d0:鋼板表面の山部10の平坦な山頂面8の平均直径 H:ロール表面のクレータ1の深さ h1:ロール表面のフランジ2の高さ=鋼板表面の中間
平坦部9から谷部11の底までの深さ h2:鋼板表面の山部10の平坦な山頂面8の中間平坦
部9からの高さ Sm:ロール表面の隣り合うクレータ1の平均中心間距
離=鋼板表面の隣り合う山部10の平均中心間距離 α:ロール表面のフランジ2の幅 η:平坦部の面積(山部10の平坦な山頂面8の面積占
有率η1と中間平坦部9の面積占有率η2との和)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば自動車用外板で
あれば従来の技術でも塗装鮮映性及びプレス成形性が十
分に得られるが、自動車用内板では外板に比べ過酷なプ
レス成形性が要求されるために従来の技術の課題として
は、自動車用内板のように塗装鮮映性を劣化させずに過
酷なプレス成形性が要求されるものには適用されない欠
点を有している。鋼板表面での塗装鮮映性は一般的に鋼
板表面の平坦部が多いほど向上する。それに対して鋼板
表面でのプレス成形性は一般的に鋼板表面の凹部体積が
多いほど凹部を濡らすプレス加工用潤滑油も多く含むの
で良好となる。
【0006】従来技術での凹部体積は凹部1つ当たりロ
ール表面のフランジ2の幅αを直径とした半円断面積の
環状(リング状)として、 u=(1/2)×(πα2/4)×π(D+d0)/2 (1) ロール表面のフランジ2の幅αは上記公報6頁4欄17
行より、 α=0.09×D (2) 1mm2当たりの凹部個数は、1mm=1000μmな
ので n=(1000/Sm)×(1000/Sm) (3) よって、1mm2当たりの凹部体積は V=u×n =4.99×103×(D+d0)/(Sm/D)2 (4) さらにD=d0+2α(図4、図5より)、d0=30〜
500μm、α=20〜40μm(上記公報8頁1欄1
9行より)なので、 V=(0.499〜5.389)×106/(Sm/D)2(5) 表1はSm/D、平坦部の面積η、1mm2当たりの凹
部体積Vとの関係を表すもので、平坦部の面積ηは上記
公報第2a表、第2b表より、1mm2当たりの凹部体
積Vは上記(5)式にSm/D;0.85〜1.75を
代入したものである。
【0007】
【表1】
【0008】表1では平坦部の面積がηが0.29〜
0.87で1mm2当たりの凹部体積Vが0.163〜
7.459×106となる。自動車用内板のように塗装
鮮映性を劣化させずに過酷なプレス成形性が要求される
ものには、従来技術に比べて1mm2当たりの凹部体積
Vが7.5×106を越えるもので、凹部を濡らす凹部
体積が多いプレス加工用潤滑油も多く含むものが要求さ
れる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は従来技術の課題
を有利に解決するものであって、鋼帯表面に微小且つ複
数の凹部を設け、該鋼帯の幅方向で端部の形状は、直径
dが50〜200μm、凹部深さhが16〜40μm、
鋼帯表面1mm2当たり凹部体積の合計が8×106μm
3以上を満足し、圧延方向に隣接する凹部間中心距離
(p1)=1.0d〜2.0d、圧延方向列の列間中心
距離(pc)=1.0d〜2.0dとし、該鋼帯の幅方
向で中央部の形状は、直径dが50〜200μm、凹部
深さhが2〜16μm、鋼板表面1mm2当たり凹部体
積の合計が0.70×106μm3以上を満足し、圧延方
向に隣接する凹部間中心距離(p1)=1.0d〜1.
5d、圧延方向列の列間中心距離(pc)=1.0d〜
1.5dとした事を特徴とする塗装鮮映性及びプレス成
形性の優れた鋼帯である。
【0010】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1(A)は、本発明で用いるロールの断面形状であ
る。ロール3の表面にレーザーを照射して、直径50〜
200μmの穴を形成する。鋼帯の端部に対向する部分
で、4は穴5の上に付着したロール表面より高さHが1
6〜40μmの範囲になるように突出したクロムを主成
分とする突起であり、圧延方向に隣接する穴2間中心距
離(p1)=1.0D〜2.0D、圧延方向列の列間中
心距離(pc)=1.0D〜2.0D間隔で配設する。
鋼帯の中央部に対向する部分で、4は穴5の上に付着し
たロール表面より高さHが2〜16μmの範囲になるよ
うに突出したクロムを主成分とする突起であり、圧延方
向に隣接する穴2間中心距離(p1)=1.0D〜1.
5D、圧延方向列の列間中心距離(pc)=1.0D〜
1.5D間隔で配設する。
【0011】突起4の高さHが40μmを越えると、圧
延時に突起4がロール表面より脱落したり、圧延荷重に
よる破壊を引き起こすことがあるため、この突起4の高
さは低い程良く40μm以下程度が好ましい。しかし2
μmより低くなると、鋼板表面に転写する凹部深さが低
く、粗度も小さくなり、本発明の目的が達成できない。
また、図1(B)には、上記した表面形状を有するロ
ールにて調質圧延し、40〜100%の割合で転写され
た本発明による鋼板の断面形状を示す。なお、40%以
下の転写率では、鋼板表面に転写する凹部深さが低く、
粗度も小さくなり、本発明の目的が達成できない。
【0012】図2は、本発明による鋼板表面の平面図を
模式的に示したもので、鋼板7表面に、直径50〜20
0μmの凹部を形成される。鋼帯の端部では、凹部の穴
高さhが16〜40μmの範囲である突起であり、圧延
方向に隣接する穴2間中心距離(P1)=1.0D〜
2.0D、圧延方向列の列間中心距離(P2)=1.0
D〜2.0D間隔で配設する。鋼帯の中央部では、凹部
の穴高さhが2〜16μmの範囲である突起であり、圧
延方向に隣接する穴2間中心距離(P1)=1.0D〜
1.5D、圧延方向列の列間中心距離(P2)=1.0
D〜1.5D間隔で配設する。
【0013】自動車用内板等の鮮映性とプレス性の両方
の機能を要求される部材においては、このピッチをあま
り大きくすると、鋼板表面粗度が低下し、圧延時にスベ
リの発生、伸率変動による材質低下、等の鋼板品位低下
及び、プレス性の低下等の問題を招く。鋼帯の端部での
ピッチの上限を2.0Dとする。また、あまり小さくす
ると、鋼板表面のうねりの増加による塗装後の鮮映性低
下を招くため、鋼帯の中央部でのピッチの下限を1.0
Dとし、鋼帯の中央部でのピッチの上限を1.5Dとす
る。ピッチが1.0D未満になると、凹部の穴同士が重
なり著しくプレス成形性を劣化させるため、鋼帯の中央
部でのピッチの下限を1.0Dとする。鋼板凹部深さの
上限は、前記に示した突起4の高さより40μmとし、
凹部の深さが2μmより低くなると、鋼板表面の凹部深
さが低く粗度も小さくなり本発明の目的が達成できな
い。
【0014】なお鋼板凹部形状は、プレス時の油溜め効
果、及び鋼板表面への潤滑効果等を考慮すると、台形、
及び角状の物も考えられ、鋼板凹部形状は、いかなる形
状でもかまわない。この方法を適用すれば従来のような
中途はんぱな粗度パターンを採用する必要はなく、幅中
央部は思いきって鮮映性に優れたパターンを、幅端部は
プレス性すなわち型かじり性の良好なパターンを採用す
ることが可能となり、鋼板の可能性を大幅に拡大するこ
とができる。すなわち本発明の薄鋼板は、鋼板表面の粗
度パターンが、幅方向で、端部と中央部とで異なる鋼板
である。
【0015】本発明による平坦部の面積ηをもとめるに
あたって、鋼帯の幅方向の端部は最初に1mm2当たり
の凹部個数nは、1mm=1000μmなので n=(1000/P1)×(1000/P2) (6) 平坦部の面積率ηは凹部が直径dの円形部を除くのでP
1=P2=Pとすると、 η=1−(πd2/4)×n/(1000×1000) =1−(π/4)×(d/P)2 (7) P=1.0d〜2.0dであるので、 η=0.215〜0.804 (8) となる。
【0016】本発明による1個当たりの凹部体積は u=(πd2/4)×h (9) とすると、本発明による1mm2当たりの凹部体積は、
1=P2=Pとし、h=16〜40μmであるので、 V=u×n =(π/4)×(d/P)2×h×106 =h×(1−η)×106 =(16〜40)×(1−η)×106(μm3/mm2)(10) となる。表2に本発明による鋼帯の幅方向の端部での平
坦部面積率ηと1mm2当たりの凹部体積Vとの関係を
(10)式を用いて示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2の括弧内の数字は(10)式の計算上
であって、本発明では1mm2当たりの凹部体積Vの下
限は8.00×106(μm3/mm2)である。表2で
は平坦部の面積率ηが0.215〜0.840で1mm
2当たりの凹部体積Vが8.00〜39.25×106
なる。自動車用内板のように塗装鮮映性を劣化させずに
過酷なプレス成形性が要求されるものには、1mm2
たりの凹部体積Vが8.00×106未満であると、凹
部を濡らすプレス加工用潤滑油が十分でないためプレス
加工後に鋼板表面にひび割れ疵が多発するのでVの下限
は8.00×106(μm3/mm2)とする。
【0019】本発明による平坦部の面積率ηをもとめる
にあたって、鋼板の幅方向の中央部は最初に1mm2
たりの凹部個数nは、1mm=1000μmなので n=(1000/p1)×(1000/P2) (6)’ 平坦部の面積率ηは凹部が直径dの円形部を除くのでP
1=P2=Pとすると、 η=1−(πd2/4)×n/(1000×1000) =1−(π/4)×(d/P)2 (7)’ P=1.0d〜1.5dであるので、(ηの下限を0.
6なので) η=0.215〜0.651 (8)’ となる。
【0020】本発明による1個当たりの凹部体積は u=(πd2/4)×h (9)’ とすると、本発明による1mm2当たりの凹部体積は、
1=P2=Pとし、h=2〜16μmであるので、 V=u×n =(π/4)×(d/P)2×h×106 =h×(1−η)×106 =(2〜16)×(1−η)×106(μm3/mm2)(10)’ となる。表3に本発明による鋼帯の幅方向中央部での平
坦部面積率ηと1mm2当たりの凹部体積Vとの関係を
(10)’式を用いて示す。
【0021】
【表3】
【0022】表3の括弧内の数字は(10)式の計算上
であって、本発明では1mm2当たりの凹部体積Vの下
限は8.00×106(μm3/mm2)である。表3で
は平坦部の面積率ηが0.215〜0.651で1mm
2当たりの凹部体積Vが0.70〜12.56×106
なる。自動車用内板のように塗装鮮映性を劣化させずに
過酷なプレス成形性が要求されるものには、1mm2
たりの凹部体積Vが0.70×106未満であると、凹
部を濡らすプレス加工用潤滑油が十分でないためプレス
加工後に鋼板表面にひび割れ疵が多発するのでVの下限
は0.70×106(μm3/mm2)とする。
【0023】
【実施例】図3は本発明による鋼板を製造するためのロ
ールの製造法についての説明図である。本発明は、まず
図3(A)に示す様に、ロール3表面に約20〜30μ
mの樹脂6を被覆する。被覆する樹脂は、耐アルカリ性
・耐クロム酸性・絶縁性等の性質を有し、後工程で除去
が容易である様にアルカリ系樹脂及びメッキシール用樹
脂等が好ましく、ロール表面に16〜50μmの厚さと
なる様に被覆する。被覆の方法としては、ロール非回転
によるロール引き抜き法、電着塗装法、及びロール回転
によるロールコーター、スプレーによる吹きつけ、カー
テンコーター、粉体塗装法、フィルム状樹脂等を巻きつ
ける、等の手段でロール表面に均一に付着させ乾燥させ
る。次いで、図3(B)に示す様に、樹脂を被覆したロ
ール3は高密度エネルギー、例えばレーザービーム12
により加工を受ける。即ち、レーザービーム12を被覆
した樹脂6の表面から照射して、その部分の樹脂を溶解
除去する。樹脂が溶解除去された後の穴凹部13径は、
レーザー照射条件、特にレーザー出力、集光レンズ〜ロ
ール間ギャップ(焦点ずれ)により調整することがで
き、本発明においては、穴径が50〜500μmの範囲
になる様にレーザー照射条件を選定する。上記したロー
ル表面にレーザー加工を行うには、樹脂被覆したロール
を回転させながらレーザー加工ヘッドを移動させ、あら
かじめ設定されたピッチ間隔Pに基づく加工周波数、ロ
ール回転数にてレーザーを照射して行う。
【0024】レーザー加工後、図3(C)に示す様に、
本発明ロールをクロムメッキ溶液中でクロムメッキ14
を行う。メッキ条件はクロムメッキ酸溶液中で20〜5
0A/dm2の電流密度、及び樹脂が溶解除去された後
の凹部直径、即ちクロムメッキ部有効面積比に応じた投
入電流2000A〜20000A等の条件で電解メッキ
を行うことにより、前記でレーザー加工によって形成さ
れた穴径5〜20μmの厚みでクロム突起を付着するこ
とができる。この際、樹脂が絶縁物質であるため、クロ
ムその表面に付着することなく、設定したメッキ条件に
より、樹脂の厚さとほぼ同等、またはそれ以下の厚さに
て、穴の部分だけにメッキされる。図3(C)は、クロ
ムメッキ後の表面状態を示すもので、樹脂6及びロール
3表面によって形成された穴凹部13に、電解メッキさ
れた曲面状のクロム突起15が付着している。次いで、
図3(D)に示す様に、クロム突起15を有するロール
は、溶剤を溶かした溶媒中に浸漬するか、溶剤でブラッ
シングするなどして、表面の樹脂を除去する。そして、
図3(D)に示すごとく、樹脂を除去したロール3の表
面には、クロム突起15が表出する。
【0025】まず、発明者らは自動車外板のプレス方法
について詳細に検討した。その結果一般にドア等の外板
は、7図aに示すように、鋼板7に沿って点線16の形
状の如くブランク(打抜き)され、そして実線17の形
状でプレスに供される。プレス品の断面は7図bに示す
ように比較的平坦な中央部(B)と、プレス時に大きな
変形を受ける端部(A)、(C)とから成る。成品の段
階では(A)、(C)部は殆んど目に触れることはな
い。それに対して(B)部は外観が重要な部分ではある
が、プレス時の変形は非常に小さい。したがってプレス
成形性は幅10〜20cm程度の(A)、(C)部によ
って支配され、鮮映性は(B)部によって支配されるこ
とがわかった。
【0026】本発明のロールを用いて、0.75mm厚
さの冷延鋼板を調質圧延し、ロール表面に形成した粗面
を鋼板に転写し、鋼帯の幅方向端部の鋼板形状パターン
を表4に示す。直径d(μm)、凹部間中心距離P
1(μm)、圧延方向列の列間中心距離P2(μm)、凹
部深さh(μm)、平坦部の面積率η、鋼板表面1mm
2当たり凹部体積V(×106μm3/mm2)に対して、
自動車用内板の評価テストとして、加工後にひび割れの
有無(プレス・加工性)を調査し且つ限界絞り比(L,
D,R)にて評価した。このL,D,Rはポンチ径32
mmの金型を用いて深絞りしうる最大素板径を求め、そ
の最大素板径とポンチ径との比から求めたものである。
本発明の鋼板は、No.1〜9までで、比較例をNo.
10〜12で示す。塗装鮮映性を劣化させずに過酷なプ
レス成形性が要求されるものには、1mm2当たりの凹
部体積Vが8.00×106未満であると、凹部を濡ら
すプレス加工用潤滑油が十分でないためプレス加工後に
鋼板表面にひび割れ疵が多発するのでVの下限は8.0
0×106(μm3/mm2)となる。
【0027】
【表4】
【0028】本発明の鋼帯中央部での鋼板形状パターン
を表5に示す。直径d(μm)、凹部間中心距離P
1(μm)、圧延方向列の列間中心距離P2(μm)、凹
部深さh(μm)、平坦部の面積率η、鋼板表面1mm
2当たり凹部体積V(×106μm 3/mm2)に対して、
評価テストとして、鋼板の各形状パターンについてリン
酸塩による化成処理を行い、化成処理後、下塗り、カチ
オンED塗料18〜20μm厚さ、中塗り30〜35μ
m厚さ、ないしは、上塗り、トップコート30〜35μ
m厚さの2コートまたは3コートの塗装を施した。その
塗装後の塗装表面の鮮映性評価として鮮映度計によるN
SI値の測定を行った。
【0029】その結果について、鮮映性(NSI値)な
らびにプレス加工性と共に表5に示す。なお本発明の鋼
板はNo.1〜9までで、比較例をNo.10〜12で
示す。自動車用外板等に要求されるプレス成形性を劣化
させずに塗装鮮映性を満足するには1mm2当たりの凹
部体積Vが8.00×106あれば充分であり、これ以
上でもよいが逆に平坦度の面積率ηが減少するので、上
記の値を上限とした。一方1mm2当たりの凹部体積V
が8.00×106未満であると、自動車用外板等に要
求されるプレス成形性を劣化し、加工用潤滑油が十分で
ないためプレス加工後に鋼板表面にひび割れ疵が多発す
るのでVの下限は1.00×106(μm3/mm2)と
なる。図6は、本発明による鋼板の平坦部の面積率ηと
鋼板表面1mm2当たり凹部体積V(×106μm3/m
2)との関係を示す図である。
【0030】
【表5】
【0031】
【発明の効果】本発明によって、従来のレーザー鋼板に
比較しプレス性と塗装後の高鮮映性を兼ね備えた冷延鋼
板の製造が可能となるとともに、従来出来なかった自動
車用鋼板のプレス加工特性も良く、ひび割れ等の品質問
題も解決する事が可能とならしめた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるロール及び鋼板の断面形状を示
す図。
【図2】本発明による鋼板表面の平面図を模式的に示し
た図。
【図3】本発明による鋼板を製造するためのロールの製
造工程を示す図。
【図4】従来技術でのロール及び鋼板表面のプロフィー
ルを示す図。
【図5】従来技術でのロール及び鋼板表面の断面図。
【図6】平坦部の面積率と凹部体積との関係図。
【図7】自動車外板の形状を示す図である。
【符号の説明】
1 ロール表面のクレータ 2 ロール表面のフランジ 3 ロール 4 突起 5 穴 6 樹脂 7 鋼板 8 平坦な山頂面 9 鋼板表面の中間平坦部 10 鋼板表面の山部 11 鋼板表面の谷部 12 レーザービーム 13 穴凹部 14 クロムメッキ 15 クロム突起 16 点線 17 実線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩沢 修一 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開 平2−37902(JP,A) 特開 平3−204103(JP,A) 特開 昭63−281715(JP,A) 特開 平5−69006(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯表面に微小且つ複数の凹部を設け、
    該鋼帯の幅方向で端部の形状は、直径dが50〜200
    μm、凹部深さhが16〜40μm、鋼帯表面1mm2
    当たり凹部体積の合計が8×106μm3以上を満足し、
    圧延方向に隣接する凹部間中心距離(p1)=1.0d
    〜2.0d、圧延方向列の列間中心距離(pc)=1.
    0d〜2.0dとし、該鋼帯の幅方向で中央部の形状
    は、直径dが50〜200μm、凹部深さhが2〜16
    μm、鋼板表面1mm2当たり凹部体積の合計が0.7
    0×106μm3以上を満足し、圧延方向に隣接する凹部
    間中心距離(p1)=1.0d〜1.5d、圧延方向列
    の列間中心距離(pc)=1.0d〜1.5dとした事
    を特徴とする塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼
    帯。
JP4066729A 1992-03-25 1992-03-25 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯 Expired - Lifetime JP2530969B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4066729A JP2530969B2 (ja) 1992-03-25 1992-03-25 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4066729A JP2530969B2 (ja) 1992-03-25 1992-03-25 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05269505A JPH05269505A (ja) 1993-10-19
JP2530969B2 true JP2530969B2 (ja) 1996-09-04

Family

ID=13324275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4066729A Expired - Lifetime JP2530969B2 (ja) 1992-03-25 1992-03-25 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2530969B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6796639B2 (ja) * 2015-10-08 2020-12-09 ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. アルミニウム熱間加工の最適化
CN109424844B (zh) 2017-08-29 2021-10-19 宝山钢铁股份有限公司 一种低摩擦系数和低波纹度的金属薄板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05269505A (ja) 1993-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0234698B1 (en) Steel sheets for painting and a method of producing the same
JP2530969B2 (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯
JP2718627B2 (ja) 摺動性と塗装鮮映性に優れた亜鉛系めっき鋼板
JP2530970B2 (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯
JP2530974B2 (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯
JP2530968B2 (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯
KR960015330B1 (ko) 도장의 선명성과 프레스 성형성이 우수한 강판 및 무딘 압연 롤의 제조방법
JP2530973B2 (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯
JP2509489B2 (ja) プレス成形性の優れた鋼板
JP2530972B2 (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼帯
JP2509490B2 (ja) 塗装鮮映性の優れた鋼板
JPH02175004A (ja) 鮮映性とプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0557310A (ja) 塗装鮮映性及びプレス成形性の優れた鋼板
JPH0784675B2 (ja) プレス成形性および塗装後鮮映性に優れるめつき鋼板
JPH0557312A (ja) 塗装鮮映性の優れた鋼板
JPS6350488A (ja) 塗装後鮮映性に優れた鋼板およびその製造方法
JP2855392B2 (ja) 冷間圧延板
JPH0339761B2 (ja)
KR102281203B1 (ko) 프레스 성형성 및 도장 선영성이 우수한 도금강판용 조질압연 롤 및 이를 이용한 도금강판의 제조방법
JPH04333309A (ja) 塗装鮮映性に優れた塗装用鋼板
JPS6333592A (ja) プレス成形性、耐型かじり性もしくは塗装後鮮映性に優れるめつき鋼板
JPH06344004A (ja) 自動車用合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
JPH04333310A (ja) プレス成形性に優れた塗装用鋼板
JPH0635676B2 (ja) 冷間圧延用表面ダルロールとその製造方法並びに鮮映性に優れた冷延鋼板とその冷間圧延方法
JP2004276064A (ja) プレス成形性の良好な金属板

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960305