JP2530545B2 - トラバ―ス装置 - Google Patents

トラバ―ス装置

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JP2530545B2
JP2530545B2 JP4244240A JP24424092A JP2530545B2 JP 2530545 B2 JP2530545 B2 JP 2530545B2 JP 4244240 A JP4244240 A JP 4244240A JP 24424092 A JP24424092 A JP 24424092A JP 2530545 B2 JP2530545 B2 JP 2530545B2
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blade
yarn
traverse
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卓 岩出
順 高木
善朗 三垣
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Toray Engineering Co Ltd
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Toray Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は逆方向に回転する一対の
回転体に装着された複数枚の羽根によって1本の糸を綾
振りするトラバース装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、紡糸機から紡出された糸を巻取
る場合は、機枠に回転自在に取付けられたボビン装着用
のスピンドルと、該スピンドルの上方に位置し、機枠に
昇降自在に取付けられたトラバース装置により構成され
た巻取機、あるいは機枠に回動自在に支持されたターレ
ット部材に複数本のボビン装着用のスピンドルが回転自
在に装着されたターレット型巻取機が使用されている。
【0003】そして、高速度で糸を巻取る巻取機に設置
されているトラバース装置は、枠体に所定の間隔をもっ
て回転自在に設置された一対の回転体と、各回転体にそ
れぞれ取付けられた複数枚の羽根と、該羽根の糸案内縁
部の回動軌跡内に位置するよう枠体に取付けられた糸案
内用ガイドとによって1つのトラバースユニットを形成
し、該トラバースユニットをボビン装着用スピンドルの
軸心長手方向に所定の間隔をもって複数ユニット設ける
と共に、上述のトラバースユニットの羽根の川下側に近
接して位置するようにタッチローラを枠体に回転自在に
取付けた構成になっている。
【0004】該トラバースユニットは、2枚の羽根の場
合は180°角度がずれるように、3枚の羽根の場合は
120°角度がずれるように各羽根を回転体に取付け、
同枚数の羽根を取付けた一対の回転体を所定の間隔を有
するように枠体に回転自在に装着し、該回転体を互いに
逆方向に回転させるように構成されている。
【0005】この様な構成のトラバース装置は、例え
ば、特公平3−72544号公報、特公平4−2715
1号公報に記載されいてる。
【0006】上述のようなトラバース装置では、各トラ
バースユニットにおける回転体の軸間距離が非常に短く
なるため、一方の回転体から他方の回転体に回転を直接
伝えるように構成することは殆ど不可能であり、各回転
体をそれぞれ単独の駆動機構によって回転させる構成に
するか、あるいは中間歯車を設置して各回転体に取付け
られている歯車と噛合わせ、一方の回転体を共通の駆動
機構によって回転させると他方の回転体が同時に回転さ
れるように構成する必要がある。
【0007】上述のように中間歯車等を設置すると構成
が非常に複雑になり、部品の加工作業、組立作業、およ
び保全作業に多くの時間が必要であるという問題点があ
る。
【0008】上述のようなトラバース装置によって巻取
られたパッケージは、糸の折返し点、および糸の走行軌
跡が巻始めから巻終わりまで同一位置であるため、パッ
ケージの両端部に発生する耳高が大きくなると共に、リ
ボン域における糸の重なりあう頻度も多くなるという問
題がある。
【0009】そこで、パッケージに発生する耳高、リボ
ンを小さくするために回転体に取付けられている羽根の
糸案内縁部の形状を異なったものにし、糸の折返し位
置、および走行軌跡を複数箇所にする方法(端面耳崩し
法)が提案されている。
【0010】この様な折返し位置を複数箇所にするトラ
バース装置は、例えば、特公昭49−2394号公報に
記載されている。
【0011】上述のような羽根の糸案内縁部を異なった
形状にする方法では、糸の折返し点を羽根の枚数と同じ
にしかできないという問題がある。
【0012】また、折返し点の数が2点、または3点程
度の場合は端部が段付きになりやすく、耳高をより小さ
くするために羽根の枚数を6枚〜8枚のように多くする
と、トラバース装置が非常に大きくなり、実用化するこ
とができないという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】第1の課題は、2枚、
あるいは3枚の同一枚数の羽根を有する一対の回転体を
微少量偏心させて回転自在に設置したトラバース装置で
は、回転体の軸心間隔が非常に短く、一方の回転体によ
って他方の回転体を回転させるためには中間歯車等の部
品を設置しなければならず、その構成が複雑になり、部
品の加工作業、組立作業、保全作業に多くの時間が必要
であるという点である。
【0014】第2の課題は、3枚の羽根全ての糸案内縁
部の形状を異なったものにしても糸の折返し点を3箇所
にしかすることができず、耳高、リボンを製品として影
響のない大きさにすることができないという点である。
【0015】第3の課題は、羽根を交換しなければ折返
し点を変更することができないという点である。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の課題を解決するた
めに本発明のトラバース装置は、第1回転体に装着され
た羽根の枚数をm枚に、前記第2回転体に装着された羽
根の枚数をn枚(m≠n)にせしめ、前記各羽根が回転
平面上において円周上を等しく分割した位置になるよう
配置すると共に、前記第1回転体と第2回転体の各回転
中心位置を、一方の回転体上の1枚の羽根が糸に接触し
て糸を糸案内用ガイドに沿って移動させ、次いで他方の
回転体上の羽根に糸が案内され始めるまでに回転する回
転体の回転角度が第1回転体の場合は略360°/2m
に、第2回転体の場合は略360°/2nになるように
設定し、前記第1回転体と第2回転体の回転数比が、n
対mになるように構成してある。
【0017】第2の課題を解決するために本発明のトラ
バース装置は、第1回転体に装着された羽根の枚数をm
枚に、前記第2回転体に装着された羽根の枚数をn枚
(m≠n)にせしめ、前記各羽根を、羽根の端部に形成
された糸案内縁部が回転平面上において円周上を等しく
分割した位置と異なるように第1回転体と第2回転体に
それぞれ装着せしめた構成にしてある。
【0018】第3の課題を解決するために本発明のトラ
バース装置は、各羽根を、第1回転体と第2回転体にそ
れぞれ形成された円弧状の案内部を基準にして取付け位
置が変更できる構成にしてある。
【0019】
【実施例】図1は本発明のトラバース装置の1実施例を
示す概略断面図、図2は図1におけるI−I矢視図、図
3は図1におけるII部拡大図、図4は各羽根の変位状
態を示す概略図であって、トラバース装置は、機枠1に
形成されたガイド1aに係合して垂直方向に昇降するス
ライダー2と、機枠1に水平な状態で回転自在に突設さ
れたスピンドル8の上方に位置し、かつスピンドル8と
平行な状態になるようスライダー2に取付けられた枠体
3と、スピンドル8の軸心長手方向と同方向に所定の間
隔を有するよう枠体3に配設されたトラバースユニット
4-1〜4-4と、枠体3にスピンドル8と平行な状態で回
転自在に取付けられたタッチローラ5と、該タッチロー
ラ5をスピンドル8に挿着されたボビン30、あるいは
パッケージ40に所定の面圧で当接させる面圧付与機構
6と、トラバースユニット4-1〜4-4を回転させるため
の駆動機構7とにより構成されている。
【0020】上述のトラバースユニット4-1〜4-4は、
図3に示すように枠体3に突設された軸体9にベアリン
グ11によって回転自在に取付けられた第1回転体10
と、該第1回転体10に形成された円形凹部10aに係
合し、回転平面上から見て略120°分割角度が異なる
ように螺子13によって取付けられた羽根12-1〜12
-3と、軸体9の端部に取付けられた支持体14にベアリ
ング16によって回転自在に取付けられた第2回転体1
5と、該第2回転体15に形成された円形凸部15aに
当接し、回転平面上に見て略180°分割角度が異なる
ように螺子18によって取付けられた羽根17-1、17
-2と、第1回転体10に形成された歯車10bと噛合う
ように第2回転体15の端部に一体的に取付けられた歯
車19と、羽根12-1〜12-3と羽根17-1、17-2の
回転軌跡内に位置するよう枠体3にブラケット21によ
って取付けられた糸案内用ガイド20とにより構成され
ている。
【0021】上述の隣接するトラバースユニットは各回
転体の回転方向が逆方向になっていると共に、羽根12
-1〜12-3、17-1、17-2の形状が対称形になってい
る。
【0022】上述の面圧付与機構6は、スライダー2に
穿設された空気室2aに頭部22aが移動自在に挿着さ
れ、下端部がブラケット23を介在させて機枠1に取付
けられたピストン22と、スライダー2の空気室22a
に連結された圧力調節弁、電磁切換弁等を有する圧空供
給用管24とにより構成されている。
【0023】そして、高圧の圧空がスライダー2の空気
室2aに供給されると、スライダー2と共に枠体3に取
付けられたタッチローラ5が持上げられてスピンドル8
に対する面圧力が小さくなり、低圧の圧空が供給される
と持上げ量が小さくなって面圧が大きくなる。
【0024】また、駆動機構7は、枠体3に取付けられ
た電動機25と、該電動機25の出力軸25aに取付け
られた歯付プーリ26と、各トラバースユニット4-1〜
4-4の第1回転体10に形成された歯付プーリ10cに
張架された歯付ベルト27により構成されている。
【0025】そして、電動機25が作動して各トラバー
スユニット4-1〜4-4の第1回転体10が回転される
と、該第1回転体10に形成された歯車10bによって
歯車19と共に第2回転体15が回転される。
【0026】上述のトラバースユニット4-1、4-3にお
ける第1回転体10に対する羽根12-1〜12-3の取付
け、第2回転体15に対する羽根17-1、17-2の取付
けは下記のようにして行なう。
【0027】ここではトラバースユニット4-1について
説明する。
【0028】先ず、仮位置決めを行なうため、図4に示
すように羽根17-1、17-2を回転平面上から見て18
0°角度がずれるように、すなわち、点(P)を中心に
した点対称になるように第2回転体15に取付け、羽根
12-1〜12-3を回転平面上から見て120°角度がず
れるように第1回転体10に取付けた時、糸受渡し位置
(A)から糸受渡し位置(B)に至るまでの羽根17-
1、17-2の回転角度が90°になるように点(P)の
位置を決定する。また、糸受渡し位置(B)から糸受渡
し位置(A)に至るまでの羽根12-1〜12-3の回転角
度が60°になるように点(R)と糸案内用ガイド20
の位置を決定する。
【0029】上述の点(P)が第2回転体15の回転軸
心位置に、(R)が第1回転体10の回転軸心位置にな
る。
【0030】また、第1回転体10と第2回転体15の
回転比が2対3になるように、第1回転体10に形成さ
れた歯車10aと第2回転体15に取付けた歯車19の
歯数を決定し、各糸受渡し位置(A)、(B)において
羽根12-1〜12-3と羽根17-1、17-2が交叉して糸
の受渡しができるように第1回転体10の歯車10bと
第2回転体15の歯車19の噛合い位置を選択する。
【0031】次いで、上述の方法で決定した点(P)、
(R)と糸案内用ガイド20と第1回転体10と第2回
転体15との関係をそのままの状態で、図5に示すよう
に実際の羽根12-1〜12-3と羽根17-1、17-2の位
置調節を行なう。
【0032】先ず、羽根12-1を基準にして羽根12-1
と羽根12-3の角度が120°より小さい角度になるよ
うに該羽根12-3を時計方向に移動させて第1回転体1
0に固定すると共に、羽根12-1と羽根12-2の角度が
120°より小さい角度になるように該羽根12-2を反
時計方向に移動させて第1回転体10に固定する。ま
た、羽根17-1を上述の位置から反時計方向に、羽根1
7-2を時計方向に移動させて第2回転体15に固定す
る。
【0033】すなわち、羽根12-1〜12-3は、図5に
おける点(R)から羽根12-1の先端に形成された糸案
内縁部の点(E)を通る直線(RE)を基準にして、点
(R)を通り120°反時計方向に変位させた直線(R
F)対し、羽根12-3が回転方向(時計方向)にθ-1だ
け変位させた直線(RF′)に接し、また時計方向に1
20°変位させた直線(RG)に対し、羽根12-2が回
転方向とは逆方向(反時計方向)にθ-2だけ変位させた
直線(RG′)に接するように取付ける。
【0034】また、羽根17-1と羽根17-2は、上述の
羽根12-1における直線(RE)を基準にして、第1回
転体10の歯車10bに第2回転体15の歯車19を噛
合せた状態で、糸案内用ガイド20上の糸受渡し位置
(A)において羽根12-1と羽根17-1が交叉して糸の
受渡しを行なう状態の羽根17-1の先端に形成された糸
案内縁部の点(S)と、該点(S)に対して180°ず
らせた位置にある羽根17-2の先端に形成された糸案内
縁部の点(T)を設定する。次いで、該点(S)と点
(T)が接する直線(SPT)を基準にして、羽根17
-2を回転方向(時計方向)にθ-4だけ変位させた直線
(PT′)に接するように、また羽根17-1を回転方向
とは逆方向(反時計方向)にθ-3だけ変位させた直線
(PS′)に接するように取付ける。
【0035】上述の変位角度θ-1〜θ-4は、糸太さ、糸
の種類、巻取速度等によっても異なるが、点(F)と点
(F′)、点(G)と点(G′)、点(S)と点
(S′)、点(T)と点(T′)の距離が0.5〜3mm
程度になるように設定するのが好ましい。
【0036】上述のトラバースユニット4-1における各
羽根の動きについて説明する。
【0037】先ず、第1回転体10が時計方向に回転さ
れると、羽根12-1によって糸が糸案内用ガイド20上
を受渡し位置(B)から受渡し位置(A)側に向って搬
送され、該羽根12-1が受渡し糸(A)に到達した時
に、反時計方向に回転されている第2回転体15に取付
けられた羽根17-1と交叉して糸が羽根12-1から羽根
17-1に受渡される。すると、糸は羽根17-1によって
受渡し位置(B)側に向って搬送され、該羽根17-1が
受渡し位置(B)に到達した時に、羽根12-3と交叉し
て糸が羽根17-1から羽根12-3に受渡される。該動作
によって糸は一往復したことになる。引続き、受渡し位
置(A)において羽根12-3から羽根17-2に、受渡し
位置(B)において羽根17-2から羽根12-2に、受渡
し位置(A)において羽根12-2から羽根17-1に、受
渡し位置(B)において羽根17-1から羽根12-1に、
受渡し位置(A)において羽根12-1から羽根17-2
に、受渡し位置(B)において羽根17-2から羽根12
-3に、受渡し位置(A)において羽根12-3から羽根1
7-1に、受渡し位置(B)において羽根17-1から羽根
12-2に、受渡し位置(A)において羽根12-2から羽
根17-2に、受渡し位置(B)において羽根17-2から
羽根12-1に糸が順次受渡されて最初の状態に戻る。
【0038】この様に糸が3枚の羽根12-1〜12-3と
2枚の羽根17-1、17-2によって順次受渡されること
によって糸案内用ガイド20上で綾振りされる。
【0039】上述の各羽根によって綾振りされる糸の動
きは図6に示す通りであり、図の上下方向に時間の経過
を、左右方向にパッケージ幅A、B間の糸の位置を連続
的に示したものである。
【0040】ここで、回転方向に変位させた羽根12-
3、17-2は(+)に変位した羽根とし、回転方向とは
逆方向に変位した羽根12-2、17-1は(−)に変位し
た羽根とする。
【0041】上述の綾振り動作を繰返す時、羽根17-2
は(+)に変位、羽根17-1は(−)に変位、羽根12
-3は(+)に変位、羽根12-2は(−)に変位している
ので糸の位置と時間の関係は、図6に示すように変位し
ない場合を示す破線に対して実線のような関係になり、
折返し位置が同期的に移動していることがわかる。
【0042】次に、各羽根間の糸の受渡し位置の変化は
図7に示す通りであり、(+)に変位した羽根から
(+)に変位した羽根、または(−)に変位した羽根に
対する受渡し位置は異なるものである。
【0043】ここで、θ-1〜θ-4を全て異なった分割角
度にすると折返し点は6点となる。つまり、3枚の羽根
12-1〜12-3と2枚の羽根17-1、17-2が順次組合
わされるためであり、3×2=6通りの組合わせが発生
する。
【0044】本実施例においては6種類の綾振り反転位
置を得ることができる。
【0045】上述の羽根の枚数を3枚と4枚の組合わせ
にすると共に、各羽根を全て異なった分割角度にする
と、折り返し点を12点にすることができる。
【0046】上述の図6、図7における糸の折返し部は
点で示してあるが、実際には糸がパッケージ上に巻取ら
れる場合、図3における糸案内用ガイド20の糸接触点
(U)とタッチローラ5の糸接触点(W)の間のフリー
レングスによって緩和されて滑らかな曲線の軌跡で折返
すことになり、該折返し曲線は各羽根の先端案内部の形
状によって異なったものになる。
【0047】また、リボン域、すなわち、トラバース周
期とパッケージの回転数が整数比、あるいは整数分数比
となる場合、例えば、糸が一往復する間にパッケージが
2回転する場合は、リボン域における糸のパッケージ表
面における軌跡も糸が6往復して初めて同一軌跡に戻る
ためリボンの成長が遅くなり、解舒操作時において輪抜
けが発生するのを防止することができる。
【0048】このことは、図8に示す2次のリボンの展
開図から明らかなように、交叉部(K)は6か所の点で
交叉し、この部分の厚方向の成長は各羽根の取付け位置
を変位させない場合の1/6の速さになり、また、同一
軌跡上に糸が連続して巻かれないため糸が綾振りの両端
部で重なりあっておらず、解舒されつつある糸と次に解
舒される糸が同時に引出されないことがわかる。これ等
のことから糸条解舒時に突発的な張力変動が発生するの
を防止することができ、高速度で糸条を解舒することが
できる。
【0049】上述のように2枚の羽根と3枚の羽根を組
合わせた場合、第1回転体10の回転中心点(R)と第
2回転体15の回転中心点(P)の距離がトラバース幅
寸法の約1/3になる。そのため、トラバース幅が12
3mmの場合は第1回転体10と第2回転体15の軸間距
離が約42mmに、トラバース幅が85mmの場合は軸間距
離が約30mmになり、各回転体に取付けた歯車を直接噛
合せて回転を伝達する構成にすることができる。
【0050】上述のトラバース装置によってポリエステ
ル糸(75D、36フイラメント)を、トラバース幅:
123mm、綾角度:5.7°、巻取速度:3100m/
min、巻終りパッケージ直径寸法:420mmの条件で、
各羽根の取付け位置を変えない状態と、各羽根を約1mm
変位させた状態で巻取り、得られたパッケージの硬度を
JISA型硬度試験機によって測定した硬度分布は図9
に示す通りであり、羽根の取付け位置を変位させた場合
は、取付け位置を変えない場合と比較して硬度差が小さ
くなっていることがわかる。
【0051】また、パッケージの両端部の耳立量(α)
と端面膨出し量(β)の関係は表1に示す通りであり、
各羽根の取付け位置を変位させた場合の方が小さくなっ
ていることがわかる。
【0052】
【表1】 上述の第1回転体10と第2回転体15に取付ける羽根
の枚数は、2枚と3枚、あるいは3枚と4枚のような奇
数枚と偶数枚の組合わせにすると、少ない枚数の羽根に
よってより多くの折返し点を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】本発明のトラバース装置は請求項1のよ
うに、第1回転体に装着された羽根の枚数をm枚に、前
記第2回転体に装着された羽根の枚数をn枚(m≠n)
にせしめ、前記各羽根が回転平面上において円周上を等
しく分割した位置になるよう配置すると共に、前記第1
回転体と第2回転体の各回転中心位置を、一方の回転体
上の1枚の羽根が糸に接触して糸を糸案内用ガイドに沿
って移動させ、次いで他方の回転体上の羽根に糸が案内
され始めるまでに回転する回転体の回転角度が第1回転
体の場合は略360°/2mに、第2回転体の場合は略
360°/2nになるように設定し、前記第1回転体と
第2回転体の回転数比が、n対mになるように構成して
あるため、第1回転体と第2回転体の軸間距離が大きく
なり、中間歯車等の部品を設置することなく直接回転さ
せることができ、構成が簡単になると共に、部品の加工
作業、組立作業、保全作業時間を短縮することができ
る。
【0054】請求項2のように、第1回転体に装着され
た羽根の枚数をm枚に、前記第2回転体に装着された羽
根の枚数をn枚(m≠n)にせしめ、前記各羽根を、羽
根の端部に形成された糸案内縁部が回転平面上において
円周上を等しく分割した位置と異なるように第1回転体
と第2回転体にそれぞれ装着せしめた構成にすると、糸
の折返し点を6箇所以上にすることができ、パッケージ
に発生する耳高、リボンを製品として影響のないものに
することができる。
【0055】請求項3のように、各羽根を、第1回転体
と第2回転体にそれぞれ形成された円弧状の案内部を基
準にして取付け位置が変更できる構成にすると、糸の折
返し位置を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラバース装置の1実施例を示す概略
断面図である。
【図2】図1におけるI−I矢視図である。
【図3】図1におけるII部の拡大図である。
【図4】各回転体と各羽根の位置関係を示する概略図で
ある。
【図5】各回転体と各羽根と糸案内用ガイドとの位置関
係を示する概略図である。
【図6】糸が各羽根によって綾振された時の糸軌跡を示
す概略図である。
【図7】折返し部における糸の位置の変化状態を示す概
略図である。
【図8】2次リボンにおける糸の交叉状態を示す概略図
である。
【図9】パッケージの硬度分布を示す概略図である。
【符号の説明】
1 機枠 2 スライダー 3 枠体 4-1〜4-4 トラバースユニット 5 タッチローラ 6 面圧付与機構 7 駆動機構 8 スピンドル 9 軸体 10 第1回転体 11、16 ベアリング 12-1〜12-3、17-1、17-2 羽根 13、18 螺子 14 支持体 15 第2回転体 19 歯車 20 糸案内用ガイド 21、23 ブラケット 22 ピストン 24 圧空供給用管 25 電動機 26 歯付プーリ 27 歯付ベルト 10a 円形凹部 10b 歯車 10c 歯付プーリ 15a 円形凸部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠体に回転自在に装着された第1回転体
    と第2回転体と、前記各回転体に装着された複数枚の羽
    根と、前記羽根の回転軌跡内に位置する枠体に装着され
    た糸案内用ガイドとにより一つのトラバースユニットを
    形成し、トラバースユニットにおける第1回転体と第2
    回転体を逆方向に回転させることにより一方の回転体に
    装着された羽根によって搬送された糸を他方の回転体に
    装着された羽根によって受取り逆方向に搬送せしめ、糸
    をトラバースユニットにおいて綾振りするように構成せ
    しめたトラバース装置において、前記第1回転体に装着
    された羽根の枚数をm枚に、前記第2回転体に装着され
    た羽根の枚数をn枚(m≠n)にせしめ、前記各羽根が
    回転平面上において円周上を等しく分割した位置になる
    よう配置すると共に、前記第1回転体と第2回転体の各
    回転中心位置を、一方の回転体上の1枚の羽根が糸に接
    触して糸を糸案内用ガイドに沿って移動させ、次いで他
    方の回転体上の羽根に糸が案内され始めるまでに回転す
    る回転体の回転角度が第1回転体の場合は略360°/
    2mに、第2回転体の場合は略360°/2nになるよ
    うに設定し、前記第1回転体と第2回転体の回転数比
    を、n対mになるようにせしめたことを特徴とするトラ
    バース装置。
  2. 【請求項2】 枠体に回転自在に装着された第1回転体
    と第2回転体と、前記各回転体に装着された複数枚の羽
    根と、前記羽根の回転軌跡内に位置する枠体に装着され
    た糸案内用ガイドとにより一つのトラバースユニットを
    形成し、トラバースユニットにおける第1回転体と第2
    回転体を逆方向に回転させることにより一方の回転体に
    装着された羽根によって搬送された糸を他方の回転体に
    装着された羽根によって受取り逆方向に搬送せしめ、糸
    をトラバースユニットにおいて綾振りするように構成せ
    しめたトラバース装置において、前記第1回転体に装着
    された羽根の枚数をm枚に、前記第2回転体に装着され
    た羽根の枚数をn枚(m≠n)にせしめ、前記各羽根
    を、羽根の端部に形成された糸案内縁部が回転平面上に
    おいて円周上を等しく分割した位置と異なるように第1
    回転体と第2回転体にそれぞれ装着せしめたことを特徴
    とするトラバース装置。
  3. 【請求項3】 各羽根を、第1回転体と第2回転体にそ
    れぞれ形成された円弧状の案内部を基準にして取付け位
    置が変更できるようにしたことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2のトラバース装置。
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