JP2529167B2 - 炭素材用ピッチの製造方法 - Google Patents

炭素材用ピッチの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は炭素材、特に炭素繊維の製造に適した特定の
性状を有する炭素材用ピッチを効率よく製造する方法に
関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
炭素材を得る方法としては近年、石油系の炭素材用ピ
ッチの原料とする方法が多く用いられている。この石油
系の炭素材用ピッチを製造する方法の1つに、不活性ガ
ス吹込み下または減圧下で熱処理する方法があるが、こ
の方法では炭素材用ピッチの収率が低いうえに、熱処理
時間が長いと炭素材用ピッチの流動性も悪くなるため、
炭素繊維の製造に用いると紡糸性が悪くなる等の問題が
あった。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、上記問題点を解消した炭素材用
ピッチの製造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
特定の性状を有する原料ピッチを用いて加圧下熱処理を
し、次いで減圧下熱処理すれば炭素材用ピッチの収率が
向上し、紡糸性の良好な炭素材用ピッチが得られること
を見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、石油系重質油中の軽質油分を除去
して得られる、20℃における比重が1.0〜1.35,トルエン
可溶成分の含有量が70%以上,数平均分子量が105〜65
0,全縮合環数が2〜14,ナフテン環数が0〜5,芳香族炭
素分率が0.5〜0.9である原料ピッチを、圧力1〜100kg/
cm2,温度400〜500℃で加圧下熱処理し、次いで圧力0.1
〜50Torr,温度400〜500℃で減圧下熱処理することを特
徴とする炭素材用ピッチの製造方法を提供するものであ
る。
本発明に用いる原料ピッチは、石油類の接触分解残渣
油,熱分解残渣油,水素化分解残渣油などの石油系重質
油から軽質油分を除去したもので、かつ20℃における比
重が1.0〜1.35、好ましくは1.05〜1.35、トルエン可溶
成分の含有量が70%以上、好ましくは90%以上、数平均
分子量(Mn)が105〜650,全縮合環数が2〜14,ナフテン
環数が0〜5,芳香族炭素分率が0.5〜0.9という性状を持
つものである。中でも石油類の接触分解残渣油から得ら
れる上記性状を有する原料ピッチを用いることが好まし
い。なお、全縮合環数およびナフテン環数はWilliams法
(P.B.Williams,Symposium on Composition of Petrole
um Oils,ASTM Special Technical Publication,No.224,
168(1957))および片山法(片山優久雄,石油誌,21,
175(1978))によって求めた値である。また、芳香族
炭素分率とは、芳香族環の骨格を構成する炭素数を原料
ピッチ中の全炭素数で割ったものをいう。軽質油分を除
去するには、上記石油系重質油を予め減圧蒸留して、沸
点約400℃以下(常圧換算)の軽質油分を留去すればよ
い。
なお、本発明において原料ピッチは上記性状の1つで
も欠いていると、炭素材用ピッチの収率が低くなった
り、炭素材を製造しても強度が低くなる等の問題を生じ
るので、上記性状を全て具備していることが必要であ
る。
本発明では、まず上記原料ピッチを圧力1〜100kg/cm
2、好ましくは2〜30kg/cm2,温度400〜500℃、好まし
くは420〜480℃の条件下で通常は0.5〜5時間熱処理を
行なう。なお、不活性ガスによる加圧も可能である。こ
こで圧力が1kg/cm2未満であると、収率が悪いので好ま
しくなく、100kg/cm2を超えると、製造価格の上昇要因
となるので好ましくない。また、温度400℃未満である
と、反応が不充分であるので好ましくなく、500℃を超
えると、製造価格の上昇要因およびコーキング原因とな
るので好ましくない。
加圧下熱処理した原料ピッチを減圧下熱処理するに先
立って、好ましくは該ピッチをフラッシュドラムなどの
装置に導き、低分子量成分を除去する。除去した低分子
量成分は、原料ピッチとして加圧熱処理の工程に戻して
再利用することができる。低分子量成分を原料ピッチと
して再利用すると、次第に低分子量成分が結合し高分子
量成分となり、炭素材用ピッチが形成されるなど、炭素
材用ピッチの収率を向上させることになり好ましい。
次に、上記原料ピッチを減圧下熱処理する。まず、該
原料ピッチを薄膜蒸発器などの反応器に導入し、圧入0.
1〜50Torr、好ましくは0.5〜5Torr,温度400〜500℃、好
ましくは430〜480℃の条件で通常は10分〜2時間、減圧
下で熱処理を行なう。ここで圧力が0.1Torr未満である
と、収率が低下するので好ましくなく、50Torrを超える
と、メソ相への転化が不充分であるので好ましくない。
また、温度が400℃未満では、反応が不充分であるので
好ましくなく、500℃を超えると、炭化が進みすぎコー
キングの原因となるので好ましくない。減圧下で熱処理
する際に低分子量成分を除去することが望ましく、除去
した低分子量成分は前記と同様に、炭素材用ピッチの収
量を向上させる目的で原料ピッチとして再利用するため
に加圧下熱処理工程に戻すことができる。
本発明の方法にしたがえば、重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)の比、Mw/Mn=1.1〜2.5、好ましく
は1.5〜1.7,数平均分子量が700〜1500、好ましくは800
〜1200,キノリン不溶分(QI)の含有量が5〜60重量
%、好ましくは10〜30重量%,メソ相含有量30〜100重
量%、好ましくは60〜100重量%,分子量3000以上の分
率が20%以下、好ましくは3〜5%,軟化点が260〜380
℃である炭素材用ピッチが効率よく製造できる。
このようにして得られた炭素材用ピッチは各種炭素製
品の製造に供給され、たとえばピッチ系炭素繊維を製造
するには、常法によりまずこのピッチを紡糸し、次いで
不融化処理し、さらに焼成すればよく、得られた炭素繊
維は機械的強度が高いものである。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により説明する。
実施例1 デカントオイルの軽質留分を80%除去したピッチ(比
重1.12,トルエン可溶成分78重量%,数平均分子量510,
全縮合環数8,ナフテン環数0.8,芳香族炭素分率0.82)を
原料ピッチとし、この原料ピッチ1kgをオートクレーブ
に入れ、窒素初期圧5kg/cm2Gで攪拌しながら450℃で30
分間加熱処理を行なった。次いで、1Torr,450℃で30分
間、400rpmで攪拌しながら減圧熱処理を行なった。得ら
れた炭素材用ピッチの性状を第1表に示す。
得られた炭素材用ピッチを押出機により、穴径0.3mm,
長さ1.2mmのキャピラリーを通し、剪断速度400sec-1
押出し、500m/minの速度で巻き取ったところ、5分以上
糸が切れなかった。この繊維を300℃で30分間不融化処
理した後、1500℃で焼成した。得られた炭素繊維の強度
および弾性率を第1表に示す。
比較例1 実施例1において、加圧熱処理を行なわなかったこと
以外は実施例1と同様の操作を行ない、炭素材用ピッチ
を得た。得られた炭素材用ピッチの性状を第1表に示
す。
この炭素材用ピッチを実施例1と同様の操作により紡
糸したところ、5分以内で糸が切れた。さらに、実施例
1と同様の操作により不融化および焼成をし、炭素繊維
を得た。得られた炭素繊維の性状を第1表に示す。
実施例2 実施例1で用いた原料ピッチ1kgをオートクレーブに
入れ、20kg/cm2で攪拌しながら450℃で平均滞留時間30
分で加圧熱処理し、次いでフラッシュドラムに導き、低
分子量成分を除去した。除去した低分子量成分は原料ピ
ッチとして加圧熱処理工程に戻して再利用した。次い
で、低分子量成分を除去したピッチをギヤーポンプによ
り薄膜蒸発器に導入し、窒素ガス流通下で1Torr,450℃
で平均滞留時間12分で減圧熱処理を行なった。なお、薄
膜蒸発器は回転複数羽根を有するものを用いた。減圧処
理時に除去された低分子量成分も原料ピッチとして加圧
熱処理工程に戻し、再利用した。得られた炭素材用ピッ
チの性状を第1表に示す。
この炭素材用ピッチを実施例1と同様の操作により紡
糸したところ、5分以上糸が切れなかった。さらに、実
施例1と同様の操作により不融化および焼成をし、炭素
繊維を得た。得られた炭素繊維の性状を第1表に示す。
比較例2 実施例2において、加圧熱処理を行わなったこと以外
は実施例2と同様の操作を行ない、炭素材用ピッチを得
た。得られた炭素材用ピッチの性状を第1表に示す。
得られた炭素材用ピッチを実施例1と同様の操作によ
り紡糸したところ、5分以内で糸が切れた。さらに、実
施例1と同様に操作により不融化および焼成をし、炭素
繊維を得た。得られた炭素繊維の性状を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、炭素材用ピッチを効率よく製
造することができるうえ、本発明の炭素材用ピッチから
得られる炭素材は引張強度,弾性率などの性質にすぐれ
ている。したがって、本発明は炭素繊維,ヤーン,フィ
ラメント,リボン,フィルムなどの各種炭素製品の製造
に有用なものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石油系重質油中の軽質油分を除去して得ら
    れる、20℃における比重が1.0〜1.35,トルエン可溶成分
    の含有量が70%以上,数平均分子量が105〜650,全縮合
    環数が2〜14,ナフテン環数が0〜5,芳香族炭素分率0.5
    〜0.9である原料ピッチを、圧力1〜100kg/cm2,温度40
    0〜500℃で加圧下熱処理し、次いで圧力0.1〜50Torr,温
    度400〜500℃で減圧下熱処理することを特徴とする炭素
    材用ピッチの製造方法。
  2. 【請求項2】加圧下熱処理工程および減圧下熱処理工程
    において低分子量成分を除去し、該低分子量成分を該加
    圧下熱処理工程に原料ピッチとして再利用することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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JPS6232179A (ja) * 1985-08-01 1987-02-12 Koa Sekiyu Kk 炭素材用原料ピツチの製造方法

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