JP2527879Y2 - 廃棄物用焼却炉 - Google Patents

廃棄物用焼却炉

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JP2527879Y2
JP2527879Y2 JP1993057236U JP5723693U JP2527879Y2 JP 2527879 Y2 JP2527879 Y2 JP 2527879Y2 JP 1993057236 U JP1993057236 U JP 1993057236U JP 5723693 U JP5723693 U JP 5723693U JP 2527879 Y2 JP2527879 Y2 JP 2527879Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、焼却炉に関するもので
あり、特に、金属を除き、一般に燃が困難である産業
廃棄物の焼却のための焼却炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般の産業廃棄物は、その処理に
当たり、金属を除き、可燃物は、焼却炉により焼却処理
する方法が、多く採用されている。また、このための焼
却炉としては、一般的に、火格子を備えた炉が使用さ
れ、燃料の供給の下に燃料させているが、この場合に、
廃棄物の中に、例えば、プラスチックなどが含まれる時
には、その燃焼が高温度で行われるために、火格子や、
炉壁に損傷を与えることが多く、この修理のために、焼
却炉の運転を休止する必要がある外、多大な修理費用を
必要としたり、焼却炉の耐用年数を著しく短縮すると言
う問題点を有している。
【0003】その上、プラスチックなどの焼却の際に
は、煤煙や、硫黄酸化物や、窒素酸化物や、塩化水素な
どの有害ガスをはなはだしく発生し、その飛散の防止の
ための付帯設備を必要とするが、この飛散防止は、必ず
しも、満足な程度に行われることが出来ないので、煤煙
や、硫黄酸化物や、窒素酸化物や、塩化水素などの有害
ガスが煙突から大気中に拡散され、大きな公害問題を引
き起こしているのが、現状である。
【0004】本出願人は、従来の金属を除く、一般に燃
焼が困難である各種の廃棄物の焼却による処理における
上記のような各種の問題点を解消することが出来る、新
規な焼却方法及び焼却炉を既に提案している(特開平4
−24407号公報参照、以下、「先の発明」とい
う。)が、この先の発明による焼却炉は、装入された
燃焼廃棄物を、その上表層から一次空気を供給して点火
し、側部から調整された二次空気の供給により燃焼さ
せ、この燃焼により順次下層の被燃焼廃棄物を乾燥
未燃焼ガスを発生させて対応する側部から調整された二
次空気を順次供給することにより最下層まで燃焼させる
焼却方法に適用するための焼却炉である。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】先の発明による焼却炉
は、その使用の結果、特別に燃料を供給することなく、
順次側方から調整された空気を供給するのみにて、被焼
却廃棄物自体が発生する高温度の燃焼熱により被焼却廃
棄物を完全燃焼させることができるものであるが、実際
の使用において、点火時の初期燃焼を促進させることに
より、より燃焼が完全になるとともに燃焼時間が短縮さ
れることが判明した。なお、主燃焼室の炉床を天然露地
とする場合には燃焼室内の温度が不当に高温となるこ
とを防止できるとともに被燃焼廃棄物のガス化に好影響
を得ることができるが、主燃焼室の炉床に燃焼かすとし
て残っている灰の中に有害物質が含まれている場合に
は、この有害物質が炉床から地中に直接的に浸透し、環
境汚染の原因となる恐れあることが分かった。
【0006】そこで、本考案は、先の発明による焼却炉
におけるこれらの問題点を解決するためになされたもの
で、点火時の初期燃焼において素早く完全燃焼に達し、
全体の燃焼時間を短縮させることのできる、改良された
廃棄物用焼却炉を提供するることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案は、適宜な平面輪郭とある高さを有し、ほぼ
垂直な周壁と水平な炉床とからなる上部を開放した主燃
焼室と、この主燃焼室の開放している上部を閉鎖するカ
バーと、この主燃焼室の上部部分に連結されたほぼ水平
な二次燃焼室と、この二次燃焼室に連結されたほぼ垂直
な煙突と、前記主燃焼室内に二次燃焼室の底面より下方
の位置で開口する、垂直方向に間隔を置いて水平に配列
された数列の二次空気口と、各列の二次空気口に制御可
能なそれぞれの弁を介して個別に空気を供給するための
送風機と、主燃焼室の上部に開口する一次空気口とから
り、被燃焼廃棄物を上層から下層へ順次燃焼させる
棄物用焼却炉において、前記二次燃焼室の底面より上方
の位置において主燃焼室内に開口する初期燃焼促進用二
次空気口を水平に配置し、この初期燃焼促進用二次空気
口を制御可能な弁を介して前記送風機に連結したもので
ある。したがって、点火時に初期燃焼促進用二次空気口
から必要な空気を供給することにより、点火時の火の回
りを早くすることができ、初期燃焼から早期に完全燃焼
を達成し、かつ全体の燃焼時間を短縮することができ
る。なお、煙突の途中にこれを包囲するように中空環状
の風箱を設置し、風箱から煙突の壁を貫いて数個の通気
力助成用空気噴射ノズルを煙突内に開口するように配置
し、風箱には空気を供給するようにする場合には、煙突
の通気力を調整することができ、より完全な燃焼を目指
すことができる。さらに、空気噴射ノズルが、その中心
線が上方に傾斜するように配置されると共にその水平投
影線が煙突の外周壁に対して同一の角度を同一方向に形
成するように配置され、また、風箱が送風機に制御可能
な弁を介して連結されている場合には、より効果的に煙
突の通気力を強化および調整することができる。また、
主燃焼室の炉床が、主燃焼室の周壁から下方に延長して
構成された有底の中空箱状の炉下方部分の炉底の上に堆
積された水分を含有している砂層の上に形成されている
場合には、燃焼室の高温化を防止し、被燃焼廃棄物の水
性ガス化を促進するとともに有害物質が炉床から地中に
浸透するのを防止することができる。
【0008】
【実施例】以下、本考案を説明するが、上に述べたよう
に、本考案は、先の発明による焼却炉の改良に係るもの
であるので、本考案の理解を容易とするために、本考案
を説明する前に、この焼却炉の概略を、添付図面の図4
について説明をする。
【0009】まず、図4は、先の発明による焼却炉30
を縦断して示した略図であるが、同図に示すように、こ
の炉30は、平面輪郭が、ほぼ長方形状であり、ある深
さを有しているほぼ垂直な主燃焼室1と、その一つの側
壁10の上部部分に連結された、横断面が長方形状であ
り、ある長ささを有している、ほぼ水平な二次燃焼室
(煙道)2と、その端部に連結された、ある高さを有して
いる煙突3とを主体とし、主燃焼室1の二次燃焼室(煙
道)2を設けられている側壁10と反対側の側壁10の下
部部分には、主燃焼室1と同様に、長方形状の平面輪郭
及びある深さを有している灰出しピット4が接続されて
いる。
【0010】そして、これらの主燃焼室1、二次燃焼室
(煙道)2及び灰出しピット4は、原則として、全部を地
中に埋め込んだ地下式とするか、又は、その一部を埋め
込んだ半地下式としてある。また、主燃焼室1の側壁1
0及び煙突3の下方部分の周壁並びに底部30は、コンク
リート製とし、更に、これらのコンクリート製の側壁1
0及び30の内面並びに二次燃焼室(煙道)2の周壁は、耐
火耐熱材料により、主燃焼室1の耐火耐熱側壁11,二
次燃焼室(煙道)2の耐火耐熱周壁20及び煙突3の下方
部分の耐火耐熱周壁31が、それぞれ、形成されてい
る。
【0011】また、灰出しピット4は、コンクリート製
の周壁40から構成されている。なお、主燃焼室1の炉
床1Bは、コンクリートも、耐火耐熱材料も施されるこ
と無く、掘り出し面が露出したままの天然露地となって
いる。
【0012】更に、主燃焼室1の上方の開口部の上に
は、これを包囲するように、横断面が長方形状である水
冷壁7が配置されており、この上面に、開口部の全開口
面積を覆うような平面輪郭及び寸法を有している、偏平
な水平箱状のカバー5が、水平移動自在に設置されてい
るが、このカバー5には、これを垂直に貫通して数個の
一次空気口6が、開口されている。
【0013】また、主燃焼室1の耐火耐熱側壁11
は、垂直方向に間隔を置かれて数列の水平な二次空気口
1〜83が設けられており、これらの二次空気口81
3には、それぞれ、管路91〜93を介して、地上に設
置してある送風機10から強制通風が行われるようにな
っているが、各管路91〜93には、それらへの供給空気
量を別個に制御するために、それぞれ、弁111〜113
が設置してある。
【0014】更に、二次燃焼室(煙道)2の耐火耐熱側壁
1には、その長さ方向のほぼ中間部に、二次燃焼室
(煙道)2内に開口する少なくとも1個の予備バーナ1
2が設置してある外、その上方には、二次燃焼室(煙
道)2内に二次空気供給口13が開口している。
【0015】先の発明による焼却炉30は、このような
構成を有しているが、この焼却炉30の操業は、次ぎの
ようにして行われる。まず、各部材が、図に示すような
状態にある炉30の主燃焼室1の上部の開口部を閉鎖し
ているカバー5を水平移動させることにより開放し、こ
の開口部を経て、焼却すべき被焼却廃棄物を主燃焼室1
内に、二次燃焼室(煙道)2の開口部のほぼ底面の高さ
に到達するまで投入する。この状態において、主燃焼室
1の上部の開口部を、カバー5を元の位置に戻すことに
より、図3に示す状態に閉鎖する。
【0016】次いで、主燃焼室1内に投入された被焼却
廃棄物層の上表面において、適宜な可燃物を適宜な手段
により燃焼させることにより(例えば、油を浸した布片
を置き、これに点火し、燃焼させることにより)、最上
層の被焼却廃棄物に点火し、その燃焼を開始させる。こ
の場合、被焼却廃棄物には、カバー5に明けられた一次
空気口6から入る一次空気及び送風機10から弁111
〜113及び管路91〜93を介して、二次空気口81〜8
3から二次空気を制御して供給することにより、主燃焼
室1内に特殊な波状の空気の対流を生じさせ、これによ
り、最上層の被焼却廃棄物に水性ガス化反応を生じさ
せ、高温燃焼を起こさせ、この層の被焼却廃棄物を、特
別に燃料を供給する必要無しに、被焼却廃棄物自体が発
生する高温度の燃焼熱により、完全燃焼をさせる。
【0017】また、この際に発生する、硫黄酸化物や、
窒素酸化物や、塩化水素などを含有する燃焼ガスは、二
次燃焼室(煙道)2及び煙突3を経て大気中に排出され
る。更に、この燃焼は、高温度の下に行われるので、初
期の点火時を除き、燃焼期間中における煙や、硫黄酸化
物や、窒素酸化物や、塩化水素などの発生は、最少限に
抑制されると共に悪臭のある有害ガスの発生も、各公共
機関によって規定される排出基準の、例えば、1/10
以下と言う低い値に抑制される。
【0018】同時に、この燃焼の際に発生する高熱は、
最上層の被焼却廃棄物から、その直下部の下層の被焼却
廃棄物に伝達され、この被焼却廃棄物を、高温状態に導
き、これをガス化すると同時に、それよりも下方の被焼
却廃棄物層へも熱を伝達し、これを乾燥化させる。この
ようにして、最上層の被焼却廃棄物の下部のガス化され
た被焼却廃棄物層は、最上層の被焼却廃棄物の場合と同
様に、一次及び二次空気の供給の下に高温の下に完全に
燃焼され、発生した排ガスは、二次燃焼室(煙道)2及
び煙突3を経て大気中に、無煙・無臭の排ガスとして排
出される。無論、この場合には、各列の二次空気口81
〜83から供給される二次空気の量を、弁111〜113
の制御により、最適なものに調整するものである。
【0019】このようにして、主燃焼室1内において
は、ガス化された被焼却廃棄物層が、今度は、最上層の
被焼却廃棄物層として完全燃焼をし、その間に、その下
方にある下層の乾燥化された被焼却廃棄物層が、一次及
び二次空気の供給の下にガス化されると共にその下方の
被焼却廃棄物層を、同様に、一次及び二次空気の供給の
下に乾燥化する。このような熱作用が、順次、上方の被
焼却廃棄物層から、下方の被焼却廃棄物層へと連続的に
移行して行われ、最終的には、最下層の被焼却廃棄物の
完全燃焼が、行われるようになる。
【0020】このように、燃焼が、上層から下層へ、順
次、ガス化及び乾燥化の過程を経て進行し、最終的に
は、被焼却廃棄物の全量の完全燃焼が完了し、炉床1B
の上には、燃焼かすである粉末状の灰が残ることとな
る。この場合、主燃焼室1の炉床1Bは、コンクリート
を施されること無く、天然露地となっているので、これ
から発生する湿気が、主燃焼室1内の被焼却廃棄物の温
度が、不当に高温度となることを防止し、主燃焼室1内
の温度を最適温度、例えば、1,200℃に維持し、完
全燃焼させることに役立っている。
【0021】また、この場合に、必要があれば、二次燃
焼室(煙道)2内に設置してある予備バーナ12が、未
燃焼ガスを、そこに空気供給口13を経て同時に送られ
て来る新鮮な二次空気と混合させ、これを完全燃焼させ
るようにすることが出来る。このようにして、主燃焼室
1内に投入された被焼却廃棄物の全量が焼却されると、
燃焼かすを、主燃焼室1内から、灰出しピット4を経て
地上に取り出す。これにより、被焼却廃棄物の焼却の1
サイクルが完了する。なお、水冷壁7は、その内部を水
を循環させ、この水を、被焼却廃棄物の燃焼により発生
する熱を利用して加熱し、温水を得ることを意図してい
るものである。
【0022】以上、本考案の基礎となっている先の発明
による廃棄物用焼却炉30の構成、作用及び効果につい
て説明をしたが、本考案による焼却炉は、その基本的構
成においては、先の発明による焼却炉30と全く同一の
構成を有しているものであり、この焼却炉30と相違し
ているのは、主燃焼室1内に二次燃焼室(2)底面より
上方に、初期燃焼促進用二次空気口を開口させると共に
煙突3の高さの中間部分に通気力助成用空気噴射ノズル
を追加したことや、主燃焼室1の炉底1Bを水分を含有
した砂により構成したことなどにあるものである。
【0023】すなわち、本考案による焼却炉の各実施例
においては、その主要部の構成は、図4に示した先の発
明による焼却炉30と全く同一であり、その作用も同一
である。すなわち、被焼却廃棄物を燃焼室1の中にほぼ
二次燃焼室2の底面2 1 に達するまで装入し、この被焼
却廃棄物の上表層に点火し、この上表層に上方の一次空
気口6から一次空気を供給すると同時に、この上表層の
側部から、弁11 3 で調整された二次空気を二次空気口
3 から強制的に供給することによってこの上表層を燃
焼させる(いわゆる初期燃焼させる)。この初期燃焼に
より発生する燃焼ガスを二次燃焼室2を介して煙突から
排出する一方、この燃焼による熱を下層に伝達し(下方
から空気を送らないので伝達し易い。)、伝達された熱
によって上表層の下層に未燃焼ガスを発生させるととも
に、さらにその下の下層を乾燥させた後、この下層に発
生した未燃焼ガスに側部から弁11 2 で調整された二次
空気を二次空気口8 2 から強制的に供給し、この下層を
上方の一次空気口6からの一次空気とによって燃焼させ
る。この燃焼による熱をさらに下の下層に伝達し、初期
燃焼で乾燥しているこの層に未燃焼ガスを発生させ、さ
らなる下層を乾燥させる。この下の下層には、弁11 1
で調整された二次空気を二次空気口8 1 から強制的に供
給し、燃焼させるものである。このように、この焼却炉
では、下方から空気を供給しないので下方への熱の伝達
が容易かつ迅速に行われ、被燃焼廃棄物に応じて調整さ
れた空気を側部から強制的に供給することによって燃焼
させることがことができるので、従来の焼却炉によって
は焼却することのできなかった被焼却廃棄物も焼却する
ことができるとともに、火格子等を必要としないので、
火格子に付随するトラブル(損傷や熔融物による目詰ま
り等)の発生がない。
【0024】以下、本考案を、その各実施例を詳細に説
明をする。まず、図1及び2には、本考案の第一実施例
による焼却炉50が示されている。この焼却炉50にお
いては、図1から分かるように、二次燃焼室2の底面の
上方の位置における主燃焼室1の上方領域内に、二次空
気口81〜83と平行に初期燃焼促進用二次空気口20が
水平に設けられており、これには送風機10から、二次
空気を弁114を介して空気量を制御自在に供給するこ
とが出来るようにされている。
【0025】また、この焼却炉50においては、図1に
示すように、煙突3の外周に、その高さの中間部分に、
適宜な大きさの長方形状の横断面を有している環状の風
箱40が設置してあり、その外壁と煙突3の外周との間
に密閉された環状空間400が形成されるようにしてあ
り、風箱40の外壁には、送風機10から弁115を経
て管路41が接続されており、環状空間400内へ制御
された量の二次空気が供給されるようになっている。
【0026】更に、図1及び2に示すように、風箱40
の内部において、煙突3の壁を貫通して数個の空気噴射
用ノズル42が煙突3内に開口するように設置してある
が、その中心線は煙突3の上方を向くように傾斜される
と共に水平投影線は煙突3の外周に対して、同一角度を
同一方向に傾斜するように配置されている。
【0027】本考案の第一実施例による焼却炉50は、
上記のような構成を有しているので、その主要構造部分
は、先の発明による焼却炉30の場合と全く同一の構成
を有している。従って、その被焼却廃棄物に対する焼却
作用も、基本的に、前述したところと同一である。その
上、本実施例による焼却炉50においては、主燃焼室1
内の二次燃焼室2の底面より上方の位置に、初期燃焼促
進用二次空気口20が開口するように水平に配置されて
いるので、焼却のために炉床1Bの上に、二次燃焼室2
の底面の近くまで装入された被焼却廃棄物は、点火され
た直後の初期燃焼状態にある時に、一次空気口6からの
一次空気、二次空気口83からの二次空気(調整量は多
くされている)に加えて、初期燃焼促進用二次空気口2
0からの二次空気が水平方向か供給されるので、装入
された被焼却廃棄物の上表面全体に火が素早く回り、そ
の初期燃焼は大幅に促進されることが出来る。
【0028】また、本実施例による炉0においては、
煙突3に通気力助成用空気噴射ノズル41が設けられて
おり、これに送風機10から、弁115、管路41及び
風箱40を介して圧力空気を噴射されるので、初期燃焼
時に、煙突3の通気力が、まだ十分で無い場合にも、煙
突3内には、所要の通気力が発生され、初期燃焼促進用
二次空気口20の設置と共同して初期燃焼を一層加速す
ると共に燃焼を完全なものとすることが出来る。特に、
この空気噴射ノズル41は、煙突3に対して特殊な配置
としてあることにより、煙突3内に上昇する旋回空気流
を発生させ、その通気作用を一層強力なものとすること
が出来るものである。
【0029】次ぎに、図3には、本考案の第実施例に
よる廃棄物用焼却炉60が示されているが、この焼却炉
60は、その基本構成は、第一実施例廃棄物用焼却炉
50と実質的に同一の構成を有しているものであり、
の構成による作用、効果も同じであるが、この焼却炉5
0と相違しているのは、その主燃焼室1の炉床1Bが天
然露地となっていたのを、天然露地1Bの代わりに、水
分を含有している砂の上面により形成するようにした点
にあるものである。
【0030】すなわち、この第二実施例による焼却炉6
0においては、主燃焼室1の周壁10は、第一実施例に
よる焼却炉60の周壁10を構成しているコンクリート
製の周壁10を、その底周縁101から耐火耐熱周壁11
底周縁111をも含めて下方へ地中ある深さまで一体に延
長し、その下端部周縁を、ある厚さを有する水平なコン
クリート壁12により一体に連結することにより、上部
が開放している有底の中空箱状の炉下方部分15を形成
し、その底部のコンクリート壁12の上面13を主燃焼室
1の炉底15としたものである。
【0031】本実施例による焼却炉60は、上記のよう
な構成を有しているが、その使用の際には、最初に、炉
底15の上に、第一実施例による炉50の場合における
炉床1Bに相当する高さまで水分を含有した砂Sを堆積
して置くことにより、この炉60による被焼却廃棄物に
対する燃焼作用が、第一実施例による焼却炉50の場合
と全く同様に行われるようにし、特に、第一実施例によ
る炉50の場合における、主燃焼室1内における被焼却
廃棄物の温度の過度の上昇を、炉床1Bを形成している
天然露地から発生する湿気により防止する作用を、第二
実施例による炉60の場合には、炉底15の上に堆積さ
れた水分を含有している砂層Sから発生する湿気によ
り、同様に防止することが出来るようにするものであ
る。
【0032】しかも、このような構成とすることによ
り、燃焼かすである灰の中に万一残ることがある有害物
質が、地中に浸透することを、コンクリート製の炉底1
3により有効に阻止することが出来るものである。
【0033】
【考案の効果】本考案による廃棄物用焼却炉は、被燃焼
廃棄物を上層から下層へ順次燃焼させることにより、
来の炉によっては焼却処理することが困難であった被焼
却廃棄物を焼却することを可能とし、その排出ガスの濃
度を排出基準に適合させることが出来ると共に、主燃焼
室に火格子を使用することが無いので、その焼損などに
基づく炉運転の休止などの不都合の発生することを皆無
とし、また、その構成が極めて簡単であるので、建設費
も、従来のものに比べ、遥かに低減させることが出来る
という、先の発明の焼却炉の利点を踏襲しそれに追加
して、点火時における被焼却廃棄物への全表面への着火
を早めて初期の燃焼を改善し、全体の焼却処理の所要時
間を短縮するものである。また、炉床、主燃焼室の周
壁から下方に延長して構成された有底の中空箱状の炉下
方部分の炉底に堆積された水分を含有している砂層によ
り形成する場合には、被焼却廃棄物の燃焼により発生す
る燃えかすである灰の中に有害物質が含まれていても、
これが炉床を経て地中に浸透し、二次公害を発生する恐
れを無くすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す廃棄物用焼却炉の
縦断面である。
【図2】図1の2−2線による切断面図である。
【図3】本考案の第二実施例を示す廃棄物用焼却炉の
縦断面図である。
【図4】先の発明による廃棄物用焼却炉を示す略断面図
である。
【符号の説明】
1 主燃焼室 1B 炉床 2 二次燃焼室(煙道) 3 煙突 4 灰出しピット 5 カバー 6 一次空気口 7 水冷壁 8 二次空気口 10 送風機 11 弁 12 予備バーナ 13 二次空気供給口 20 初期燃焼促進用二次空気口 30 先の発明によ廃棄物用焼却炉 40 風箱 41 管路 42 空気噴射ノズル 50 第一実施例による廃棄物用焼却炉 60 第二実施例による廃棄物用焼却炉 S 砂層

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適宜な平面輪郭とある高さを有し、ほぼ
    垂直な周壁(11水平な炉床(1B)とからなる上部
    を開放した主燃焼室(1)と、この主燃焼室の開放して
    いる上部を閉鎖するカバー(5)と、この主燃焼室
    (1)の上部部分に連結されたほぼ水平な二次燃焼室
    (2)と、この二次燃焼室(2)に連結されたほぼ垂直
    な煙突(3)と、前記主燃焼室(1)内に二次燃焼室
    (2)の底面より下方の位置で開口する、垂直方向に間
    隔を置いて水平に配列された数列の二次空気口(81
    3)と、各列の二次空気口(81〜83)に制御可能な
    それぞれの弁(111〜113)を介して個別に空気を供
    給するための送風機(10)と、主燃焼室(1)の上部
    に開口する一次空気口(6)とから成り、被燃焼廃棄物
    を上層から下層へ順次燃焼させる廃棄物用焼却炉におい
    て、前記二次燃焼室(2)の底面より上方の位置におい
    て主燃焼室(1)内に開口する初期燃焼促進用二次空気
    口(20)を水平に配置し、この初期燃焼促進用二次空
    気口(20)を制御可能な弁(114)を介して前記送
    風機(10)に連結したことを特徴とする廃棄物用焼却
    炉。
  2. 【請求項2】 上記煙突(3)の途中にこれを包囲する
    ように中空環状の風箱(40)を設置し、風箱(40)
    から煙突(3)の壁を貫いて数個の通気力助成用空気噴
    射ノズル(42)を煙突(3)内に開口するように配置
    し、風箱(40)には空気を供給するようになっている
    請求項1記載の廃棄物用焼却炉。
  3. 【請求項3】 上記空気噴射ノズル(42)が、その中
    心線が上方に傾斜するように配置されると共にその水平
    投影線が煙突(3)の外周壁に対して同一の角度を同一
    方向に形成するように配置されていることを特徴とする
    請求項2記載の廃棄物用焼却炉。
  4. 【請求項4】 上記風箱(40)が送風機(10)に制
    御可な弁(115)を介して連結されていることを特
    徴とする請求項2記載の廃棄物用焼却炉。
  5. 【請求項5】 上記主燃焼室(1)の炉床(1B)が、
    主燃焼室(1)の周壁(11)から下方に延長して構成
    された有底の中空箱状の炉下方部分(16)の炉底
    (12)の上に堆積された水分を含有している砂層
    (S)の上に形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の廃棄物用焼却炉。
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