JP2527468Y2

JP2527468Y2 - ラムネ壜

Info

Publication number: JP2527468Y2
Application number: JP1988084834U
Authority: JP
Inventors: 智彦野々垣; 浩一郎岡田
Original assignee: 石塚硝子株式会社
Priority date: 1988-06-27
Filing date: 1988-06-27
Publication date: 1997-02-26
Anticipated expiration: 2003-06-27
Also published as: JPH028742U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は充填作業が容易で密封性に優れたラムネ壜に
関するものである。

（従来の技術）従来一般のラムネ壜は、壜口から首部に球体を入れた
うえで壜口を加熱して口径を縮少させたものであって、
その製造工程が複雑であり、またラムネ壜を充填する際
には上下を反転して球体が壜口部まで落下しガス圧によ
り開口部を密着するのを待たねばならぬために充填に時
間を要し、また充填作業が複雑であるという欠点を有し
ていた。そこで最近では実公昭63-18594号公報に示され
るように、球体を保持させたキャップを充填後に打栓機
によって壜口部に打栓する構造のラムネ壜が考案されて
いる。しかしこのようなラムネ壜はガス圧によってキャ
ップが押上げられ密封性が低下し易いこと、打栓時の衝
撃により球体が落下するおそれがあること、これを防止
するために球体保持部を強固な構造とすると消費者が球
体を落下させることが困難になり飲みにくいラムネ壜と
なってしまうこと等の欠点であった。

（考案が解決しようとする課題）本考案はこのような従来の問題点を解決して、ラムネ
壜の製造及び充填が容易であり、しかも密封性に優れ、
打栓時に球体が落下するおそれがないうえ、飲み易いラ
ムネ壜を目的として完成されたものである。

（課題を解決するための手段）本考案は球体を保持させたキャップを壜口部に打栓し
たラムネ壜であって、このキャップは壜口部の外周面と
係合する硬質樹脂製の外筒とその内側に一体成形された
軟質材料製の内筒とからなるものであり、この内筒には
壜口部の天面に係合するフランジ部と、自然状態におい
ては壜口部の内径よりも大きく打栓により圧縮状態で壜
口部の内面に密着する環状部と、下部に球体落下防止用
の突起を備えた円筒状の球体保持部とが形成されてお
り、更にこの突起には球体が突起の下方へ押圧されたと
きにガスを逃がすための突起の上部の最突出部からの下
方に向って外向きに凹設されたガス抜き溝が形成され、
前記球体が内筒により直径部とその上下２箇所でシール
されていることを特徴とするものである。

（実施例）次に本考案を図示の実施例によって更に詳細に接続す
ると、（１）は壜口部、（２）は球体（３）を保持する
キャップである。壜口部（１）の外周にはキャップ
（２）を係止するための突部（４）が形成されており、
また壜口部（１）の天面には凹溝（５）が全周にわたり
形成されている。

本考案のキャップ（２）は従来のものとは異なり、硬
質樹脂製の外筒（６）とその内側に一体成形された軟質
材料製の内筒（７）とからなるものである。外筒（６）
は例えばポリプロピレン樹脂からなり、前記した壜口部
（１）の突部（４）と係合する環状凹部（８）を内周面
に備え、またその上方部は肉厚の主体部（９）とされる
とともに飲口（10）が透設されている。一方、内筒
（７）は軟質合成樹脂又はエラストマーのような軟質材
料製のものであって、二色成形機のようなプラスチック
成形機によって一体成形され外筒（６）と一体化されて
いる。この内筒（７）は壜口部（１）の天面及び内面に
密着するフランジ部（11）と環状部（12）とを備えてい
るうえ、この環状部（12）から下方への垂下した円筒状
の球体保持部（13）を備えている。

フランジ部（11）は壜口部（１）の天面に密着すると
ともにその凹溝（５）の内部に食い込んでガスの漏出を
防止する部分である。また環状部（12）は自然状態にお
いては壜口部（１）の内径よりも大きい外径を持つよう
に成形されており、打栓時には図示のよう圧縮状態で壜
口部（１）の内面に密着し、この部分とフランジ部（1
1）とによって密封性を確実なものとしている。また球
体保持部（13）は図示のように球体（３）を弾性的に保
持する部分であって、その下部には球体（３）が壜内に
落下することを防止するための大型の突起（14）が全周
にわたって形成されている。この突起（14）の部分の内
径は球体（３）の外径が17.0mmであるときに15.6mm程度
に形成されており、またその高さ方向の幅は3.5mm程度
とされている。従って球体（３）はこの突起（14）によ
り確実に保持されるので、打栓時の衝撃によっても落下
することがない。図示のように、この突起（14）には一
定間隔でガス抜き溝（15）が形成されている。このガス
抜き溝（15）は突起（14）の上部の最突出部から下方に
向って外向きに凹設されたものであって、消費者が球体
（３）を下向きに強く押圧した際に球体（３）と円筒状
の球体保持部（12）との接線が突起（14）の上部を越え
ると、このガス抜き溝（15）を通じて壜内のガスが上方
へ抜けるようにするためのものである。なお内筒（７）
にも外筒（６）の飲口（10）と同径の孔（16）が透設さ
れていることは勿論である。

（作用）このように構成された本考案のラムネ壜は、常法によ
り内容液を充填したうえで予め球体（３）を保持させて
おいたキャップ（２）を打栓すればよいもので、打栓後
はガス圧によって球体（３）が軟質材料製の内筒（７）
の内面に強く押圧されるので、従来のように壜を反転さ
せて球体が落下するのを待つ必要もなく、充填作業を極
めて容易に行えることとなる。またキャップ（２）は外
側の硬質樹脂製の外筒（６）が壜口部（１）の突部
（４）と係合しているためにガス圧によって押上げられ
ることがないのみならず、軟質材料からなる内筒（７）
のフランジ部（11）が壜口部（１）の天面で係合してい
ること及び内筒（７）の環状部（12）が圧縮状態で壜口
部（１）の内面と密着していることによって、キャップ
（２）と壜口部（１）との間からのガスの漏洩は完全に
防止され、極めて高い密封性が確保される。また、球体
（３）は内筒（７）により直径部とその上下２箇所でシ
ールされているので、従来のようにフランジ部のみでシ
ールされているのに比べて優れた密封性を発揮すること
となる。更にまた、球体（３）は円筒状の球体保持部
（13）の下部の突起（14）によって確実に保持されてい
るために打栓時に落下することがないうえ、消費者がこ
の球体（３）を下方へ押し込んだ際に球体（３）と球体
保持部（13）との接線が突起（14）の上部を越えると同
時に突起（14）の上部の最突出部から下方に向って外向
きに凹設されたガス抜き溝（15）から壜内のガスが上方
へ逃げるため、消費者は容易に球体（３）を壜内へ落と
すことができる。これに対してガス抜き溝（15）のない
場合には消費者はガス圧に抗してある寸法だけ球体
（３）を押下げねばならず、開栓は容易ではないことと
なる。

（考案の効果）本考案は以上に説明したように充填が容易であり、密
封性に優れ、打栓時の球体落下がないうえに飲み易さに
も優れたものである。また本考案においては異なる材質
からなる外筒と内筒とを一体成形してキャップとしたの
で機能的に優れることは勿論、このようなキャップを常
法によって成形されたガラス壜と組合わせるだけでよい
のでラムネ壜の製造が容易かつ安価に行える利点もあ
る。よって本考案は従来の問題点を一掃したラムネ壜と
して、実用的価値は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の要部の拡大断面図である。（１）：壜口部、（２）：キャップ、（３）：球体、
（５）：凹溝、（６）：外筒、（７）：内筒、（11）：
フランジ部、（12）：環状部、（13）：球体保持部、
（14）：突起、（15）：ガス抜き溝。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】球体（３）を保持させたキャップ（２）を
壜口部（１）に打栓したラムネ壜であって、このキャッ
プ（２）は壜口部（１）の外周面と係合する硬質樹脂製
の外筒（６）とその内側に一体成形された軟質材料製の
内筒（７）とからなるものであり、この内筒（７）には
壜口部（１）の天面に係合するフランジ部（11）と、自
然状態においては壜口部（１）の内径よりも大きく打栓
により圧縮状態で壜口部（１）の内面に密着する環状部
（12）と、下部に球体落下防止用の突起（14）を備えた
円筒状の球体保持部（13）とが形成されており、更にこ
の突起（14）には球体（３）が突起（14）の下方へ押圧
されたときにガスを逃がすための突起（14）の上部の最
突出部からの下方に向って外向きに凹設されたガス抜き
溝（15）が形成され、前記球体（３）が内筒（７）によ
り直径部とその上下２箇所でシールされていることを特
徴とするラムネ壜。