JP2526426B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、撥弦楽器等の音色を
形成する楽音合成装置に係り、弦のピッキング位置の違
いに応じて生じる音色の違いを実現する電子楽器に用い
て好適な楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自然楽器の発音メカニズムを
シミュレートすることにより、自然楽器の楽音を合成す
る装置が知られている。弦楽器音等の楽音合成装置とし
ては、弦の残響損失をシミュレートしたローパスフィル
タと、弦における振動の伝播遅延をシミュレートした遅
延回路とを閉ループ接続した構成のものが知られてい
る。このような構成において、閉ループ回路に例えばイ
ンパルス等の励起信号を導入すると、この励起信号が閉
ループ内を循環する。この場合、励起信号は、弦の振動
周期に等しい時間で閉ループ内を一巡するとともに、ロ
ーパスフィルタを通過する際に帯域が制限される。そし
て、この閉ループを循環する信号が弦楽器の楽音信号と
して取り出される。
【0003】このような楽音合成装置によれば、遅延回
路の遅延時間およびローパスフィルタの特性を調整する
ことにより、ギター等の撥弦楽器音など、自然の弦楽器
音にある程度近い楽音が合成できる。例えば、ギター等
の撥弦楽器による楽音合成について、図4を参照して説
明する。この図において、1は、閉ループ回路であり、
遅延回路2、加算器3、遅延回路4および加算器5から
構成されている。この閉ループ回路1は、ギターの弦
(1本)の振動をシミュレートするものである。
【0004】ここで、上記各構成要素の詳細について、
図5に示すギターの励起振動のメカニズム に対応させ
て説明する。まず、図において、Sはギターの弦、PP
は撥弦位置を示す。また、上記弦Sは、その両端を固定
端T1およびT2によって固定されている。このようなギ
ターにおいて、弦が撥弦されると、撥弦によって生じた
振動波WaおよびWbは、撥弦位置PPから両端の固定端
T1およびT2へ伝播し、固定端T1およびT2において反
射して反対側の固定端へ伝播する。
【0005】そして、再び固定端T1およびT2に達した
振動波WaおよびWbは、各々、該固定端において反射し
て反対側の固定端へ伝播する。このように、撥弦位置P
Pにおいて発生した振動波WaおよびWbは、両固定端T
1およびT2間をその振動が減衰してなくなるまで往復す
る。実際の撥弦楽器においては、図示の弦部Aと弦部B
の長さの比は、演奏に応じて異なり、この結果、各々の
場合によって発音される音色等が異なる。これは、長さ
の比が異なるために、弦部Aおよび弦部Bの遅延時間が
異なり、楽音の特徴が微妙に変化するわけである。
【0006】図4に示す閉ループ回路1では、このよう
な弦Sをシミュレートするために、遅延回路2および4
の各々に、図5に示す振動波Waが固定端T1で反射され
て撥弦位置まで戻ってくる時間、および振動波Wbが固
定端T2で反射されて撥弦位置まで戻ってくる時間が遅
延時間として、演奏情報に応じて設定される。また、遅
延回路2および3に設定される遅延時間のトータルは、
弦S全体における遅延時間に等しくなるようにする。
【0007】このようにすることで、励起振動に対応す
る励起信号が閉ループ回路1を一巡する時間と、弦Sの
定在波の振動周期とが等しくなる。また、加算器3およ
び5には、閉ループ回路1を循環する励起信号に、弦S
を撥弦した際の撥弦力に相当する信号Xを加算する。ま
た、閉ループ回路1を伝播する励起信号は、弦Sの長さ
に対応した音高の楽音信号Yとして取り出され、所定の
回路で楽音として発音される。
【0008】また、このモデルでは、出力信号Yは、次
式によって表される。 Y=B(Y・A+X)+X ………………………………………………(1) ここで、Aは遅延回路4の遅延量であり、Bは遅延回路
2の遅延量である。次に、(1)式を変形する。 Y(1−A・B)=X(1+B) ………………………………………(2) さらに、 Y/X=(1+B)/(1−A・B) ……………………………(3) のように変形すると、モデルの伝達関数が求まる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の楽音合成装置では、撥弦位置PPの違いをシミュレ
ートするために、図4に示す遅延回路2および4の遅延
時間(ディレイ長)の割り振りを上記撥弦位置PPに応
じて変えていた。しかしながら、このうような遅延時間
の割り振りは、弦S全体の遅延時間をも加味して行なわ
なければならず、遅延時間を求めるための演算が複雑に
なるため、両者の算出に高速な演算装置が必要となり、
コストアップにつながるという問題を生じる。
【0010】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
もので、弦全体の遅延時間と、撥弦位置をシミュレート
するための遅延時間とを分離可能とし、コストアップす
ることなく撥弦位置の違いによる音色の変化をシミュレ
ートできる楽音合成装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、請求項1記載の発明では、遅延素子をループ
状に接続してなり、該ループを信号が一巡するのに要す
る遅延時間を、発生する楽音の音高に応じて定める遅延
フィードバック手段と、前記遅延フィードバック手段を
巡回させるための該励起信号を前記遅延フィードバック
手段へ供給する励起手段と、前記遅延フィードバック手
段と前記励起手段との間に介挿され、該励起手段から直
接供給される励起信号とは別途に、該励起信号を遅延さ
せた後に、前記遅延フィードバック手段へ供給する遅延
手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
楽音合成装置において、前記遅延手段は、各々、異なる
遅延量を有する直列接続された複数の遅延素子からな
り、各遅延素子の出力端からそれぞれ励起信号を取り出
して前記遅延フィードバック手段へ供給することを特徴
とする。
【0013】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
楽音合成装置において、前記遅延手段は、各々、等しい
か、あるいは異なる遅延量を有する並列接続された複数
の遅延素子からなり、各遅延素子の出力端からそれぞれ
励起信号を取り出して前記遅延フィードバック手段へ供
給することを特徴とする。
【0014】
【作用】発音体に与える励起振動に相当する励起信号が
励起手段によって演算される。また、上記励起信号は、
撥弦位置を設定するための遅延手段によって所定の時間
だけ遅延させられる。そして、上記励起手段が出力した
励起信号と、上記遅延手段によって遅延させられた励起
信号とは、遅延フィードバック手段に供給される。両励
起信号は、遅延フィードバック手段において合成される
とともに、該遅延フィードバック手段内の弦全体の遅延
時間をシミュレートする遅延素子によって遅延される。
そして、該遅延フィードバック手段を巡回する信号が楽
音信号として取り出される。
【0015】
【実施例】次に図面を参照してこの発明の実施例につい
て説明する。図1はこの発明の概念を示すモデルのブロ
ック図である。この図において、駆動信号Xは、遅延回
路10および11に供給される。遅延回路10および1
1には、各々、別個の遅延時間が設定されるようになっ
ている。これら遅延回路10および11の出力信号は、
加算器12へ供給される。この加算器12には、上記出
力信号に加えてループ回路14を構成する遅延回路13
が出力する信号も供給されており、これらを加算して遅
延回路13へ供給する。すなわち、加算器12および遅
延回路13によってループ回路14を構成している。ま
た、この実施例では、ループ回路14を巡回する信号は
加算器12の出力端から楽音信号Yとして取り出され
る。
【0016】上述したモデルの伝達関数は、 Y/X=(b+c)/(1−a) ……………………(4) となる。ここで、aは遅延回路10の遅延量であり、b
は遅延回路11の遅延量である。また、cは遅延回路1
3の遅延量である。次に、上記各遅延量を、a=A・
B,b=k・B,c=k(kは定数)と置き換えると、
上記(4)式は、次にようになる。
【0017】 Y/X=k((1+B)/(1−A・B)) ……………………(5) となる。従って、図1に示すモデルの伝達関数は、従来
の伝達関数をk倍することによって同等のものとなるこ
とがわかる。上述したモデリングによって、この発明の
実施例では、ループ回路内には1つだけの遅延回路13
を有するようになる。ループ回路は、前述したように、
弦Sをシミュレートする手段であるので、弦Sの遅延時
間は、図示の遅延回路13の遅延時間を一義的に設定す
ればよい。すなわち、撥弦位置の違いは、ループ回路外
に設けられた遅延回路10および11の遅延時間を変更
することによって等価的に実現でき、遅延回路13の遅
延時間は、撥弦位置には影響しない。
【0018】次に、上述したモデルを電子回路によって
実現した楽音合成装置について、図2を参照して説明す
る。図2はこの発明の一実施例の構成を示すブロック図
である。この図において、操作子15は、白鍵および黒
鍵からなる鍵盤であり、演奏に応じた演奏情報(イニシ
ャルタッチITC、音高TP)をインターフェイス17
へ出力する。また、フットコントローラ16は、この実
施例において、図5に示す弦Sの撥弦位置PPを指示す
るための操作子であり、該撥弦位置PPをフットペダル
の踏込み程度に応じたフットデータFCとしてインター
フェイス17へ出力する。
【0019】インターフェイス17は、上記イニシャル
タッチITC、音高TPおよびフットデータFCのデー
タ形式を整形後、データバスを介してCPU(中央処理
装置)18へ供給する。CPU18は、ROM(Read O
nly Memory)19に記憶された所定のプログラムに従っ
て、各種係数等を演算するとともに、楽音合成装置全体
を制御する。また、RAM(RandamAccess Memory)2
0は、上記演算結果等を記憶するためのレジスタ等に用
いられる。
【0020】CPU18は、演算処理として、例えば、
閉ループ回路へ供給する駆動波形の読み出しスタートア
ドレスSDを求め、これをアドレスカウンタ21へ供給
する。アドレスカウンタ21は、読み出しスタートアド
レスSDに従って駆動波形メモリ22を順次アクセスす
る。駆動波形メモリ22には、後述する遅延ループに供
給される駆動波形が複数記憶されており、上記アクセス
に応じて駆動波形データWDを出力する。該駆動波形デ
ータWDは、撥弦位置および撥弦力をシミュレートする
ための櫛形フィルタ23へ供給される。該櫛形フィルタ
23は、シフトレジスタ23a、係数レジスタ23b、
23c、乗算器23d、23eおよび加算器23fから
構成されている。
【0021】上記駆動波形データWDは、シフトレジス
タ23aおよび乗算器23eの一方の入力端へ供給され
る。シフトレジスタ23aは、CPU18によってレジ
スタを構成する段数NAが設定される遅延回路として用
いられ、駆動波形データWDを所定のクロックに従って
順次シフトする。シフトレジスタ23aから出力された
駆動波形データWDは、乗算器23dの一方の入力端へ
供給される。該乗算器23dの他方の入力端には、係数
レジスタ23bに一時保持された係数CAが供給されて
おり、該係数CAを駆動波形データWDに乗算した後、
駆動波形データWD1として加算器23fの一方の入力
端へ供給される。
【0022】また、乗算器23eの他方の入力端には、
乗算器23dと同様に、係数レジスタ23cに一時保持
された係数CBが供給されており、該係数CBを駆動波形
データWDに乗算した後、駆動波形データWD2として
上記加算器23fの他方の入力端へ供給される。加算器
23fは、(係数CAが乗算された)駆動波形データW
1と(係数CBが乗算された)駆動波形データWD2
を加算した後、駆動波形データWD3としてループ回路
を構成する加算器24の一方の入力端へ供給する。ルー
プ回路は、弦Sをシミュレートする回路であり、上記加
算器24、シフトレジスタ25、乗算器26、ローパス
フィルタ27およびフィルタ28と、これらに付随する
係数レジスタ26a、27aおよび28aとから構成さ
れている。
【0023】加算器24の他方の入力端には、ループ回
路を構成する上記各手段を通ってきた波形データW
4、すなわちフィルタ28の出力データが供給されて
おり、上述した一方の入力端に供給された駆動波形デー
タWD3と上記波形データWD4とを加算し、シフトレジ
スタ25へ供給する。シフトレジスタ25は、上述した
シフトレジスタ23aと同様に、CPU18によってレ
ジスタを構成する段数が設定される遅延回路として用い
られ、波形データWD4を所定のクロックに従って順次
シフトする。
【0024】シフトレジスタ25から出力された波形デ
ータWD4は、乗算器26の一方の入力端へ供給され
る。該乗算器26の他方の入力端には、係数レジスタ2
6aに一時保持された係数CCが供給されており、該係
数CCを波形データWD4に乗算した後、ローパスフィル
タ27へ供給する。
【0025】ローパスフィルタ27は、弦の残響損失を
シミュレートする回路であり、通過する際に波形データ
WD4の帯域を制限する。また、このローパスフィルタ
27には、フィルタ特性を変更可能にするために、係数
レジスタ27aから係数CDが供給されている。ローパ
スフィルタ27によって帯域制限された波形データWD
4はフィルタ28に供給される。フィルタ28には、ロ
ーパスフィルタ27と同様に、係数レジスタ28aから
係数CEが供給されており、この係数CEに応じてフィル
タ特性が設定される。フィルタ28によって処理された
波形データWD4は前述した加算器24の他方の入力端
に供給される。
【0026】波形データWD4は、この実施例では、加
算器24の出力端から取り出されており、図示しないサ
ウンド・システムによって楽音信号に変換されて発音さ
れる。 また、上述した各係数レジスタ23a、23
b、23c、23d、23e、23f、26a、27a
および28aに一時保持される係数は、CPU18によ
ってデータバスを介して供給される。
【0027】次に、上述した構成による動作について、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。まず、
操作子15(鍵盤)およびフットコントローラ16は、
演奏に応じ、各々、押鍵情報(イニシャルタッチIT
C、音高TP)およびフット情報(フットデータFC)
をインターフェイス17を介して送出する(ステップS
A1)。これらイニシャルタッチIT、音高およびフッ
トデータFDはCPU18へ供給される。次に、CPU
4は、イニシャルタッチの値(ITC;0≦ITC≦
1)に基づいて駆動波形データの入力係数INPGAI
Nを次式から求める(ステップSA2)。
【0028】 INPUGAIN=DEFIN×KSC×ITC ……………………(6) なお、符号DEFINは、予め音色に応じて設定される
規定入力係数であり、0≦DEFIN≦1の値をとる。
また、KSCは、キースケール係数であり、0≦KSC
≦1の値をとる。
【0029】次に、CPU18は、フットコントローラ
16の値、すなわちフットデータFCに基づいて係数レ
ジスタ23bの係数Aおよび係数レジスタ23cの係数
Bの比率INPRATIOを次式から求める(ステップ
SA3)。 INPRATIO=DEFRATIO×KSC×FC ………………(7) なお、フットデータFCは、0≦FC≦1の値をとり、
符号DEFRATIOは、予め音色に応じて設定される
規定比率であり、0≦DEFRATIO≦1の値をと
る。
【0030】さらに、CPU18は、フットデータFC
に基づいてシフトレジスタ23aの段数NAを次の式か
ら求める(ステップSA4)。 段数NA=楽音の周期に対応するシフトレジスタの段数×KSC×FC ………………………(8) 次に、係数レジスタ23bおよび23cの係数CA、CB
を次式から求める(ステップSA5)。
【0031】 CA=INPGAIN×INPRATIO ………………………………(9) CB=−(INPGAIN×(1−INPRATIO)) …………(10) そして、イニシャルタッチITCに基づいて係数レジス
タ26aおよび27aの係数CC、CDを次式から求める
(ステップSA6)。
【0032】 CC=DEFCOEFC×KSC×ITC …………………………(11) CD=DEFCOEFD×KSC×ITC …………………………(12) なお、上記DEFCOEFCおよびDEFCOEFD
は、予め音色に応じて設定された規定係数であり、0≦
DEFCOEFC(DEFCOEFD)≦1の値をと
る。
【0033】次に、音高から得られるシフトレジスタ2
5の段数および係数レジスタ28aの係数CEを求めて
設定する(ステップSA7)。そして、CPU18は、
アドレスカウンタ21にスタートアドレスSDを設定
し、該アドレスカウンタ21を起動する(ステップSA
8)。
【0034】以下、櫛形フィルタ23およびループ回路
は、所定のクロックに従って動作する。まず、アドレス
カウンタ21のカウンタ出力に応じて駆動波形メモリ2
2から所定の駆動波形データWDが順次読み出される。
この駆動波形データWDは、乗算器23dにおいて、前
述したステップSA5で求められた係数CAが乗算され
た後、加算器23fの一方の入力端に供給される。ま
た、該駆動波形データWDは、乗算器23eにおいて、
ステップSA5で求められた係数CBが乗算された後、
上記加算器23fの他方の入力端に供給される。
【0035】加算器23fでは、上記演算された駆動波
形データWD1およびWD2が加算され、駆動波形データ
WD3として加算器24の一方の入力端に供給される。
初期状態においては、ループ回路内には、何ら信号が巡
回していないため、駆動波形データWD3はそのままシ
フトレジスタ25へ供給される。該シフトレジスタ25
には、前述したステップSA7において、CPU18に
よって求められた段数NBが設定されており、上記駆動
波形データWD3は、上記段数に従って遅延された後、
乗算器26に供給される。
【0036】該乗算器26には、前述したステップSA
6において求めた係数CCが設定されており、上記駆動
波形データWD3に乗算される。該駆動波形データWD3
は、それぞれ所定の係数CDおよびCEが設定されたロー
パスフィルタ27、フィルタ28によって整形された
後、加算器24に供給される。以後、駆動波形データW
4は、加算器24、シフトレジスタ25、乗算器2
6、ローパスフィルタ27およびフィルタ28からなる
ループ回路を巡回し、該巡回の度に上記加算器24にお
いて駆動波形データWD3が加算され、所定の波形デー
タを形成する。
【0037】そして、撥弦位置を変えるべく、フットコ
ントローラ16の踏込み程度を変化させると、前述した
ステップSA4におけるシフトレジスタ23aの段数N
Aが変化するとともに、ステップSA5における係数CA
およびCBが変化するため、前述したように、上記撥弦
位置に応じた楽音が形成される。
【0038】なお、上述した実施例において、遅延量の
異なる励起信号は2系統に限らず、さらに多くの異なる
遅延時間の遅延が施された励起信号を閉ループ回路に入
力するようにしてもよい。また、励起信号の遅延のさせ
方は、上記実施例に限らず直列接続された複数の遅延素
子の各出力を利用するようにしてもよい。また、本発明
の楽音合成装置は、ハード処理、ソフト処理を問わず、
実現可能である。以上、撥弦楽器の音色を形成するもの
として説明したが、各種パラメータの設定の仕方次第
で、さまざまな音色が形成できる。
【0039】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、励起信号を演算するための励起手段と弦をシミュレ
ートするための遅延フィードバック手段との間に遅延素
子を設けるようにしたため、弦全体の遅延時間と、撥弦
位置をシミュレートするための遅延時間とを分離可能と
し、コストアップすることなく撥弦位置の違いによる音
色の変化をシミュレートできるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の楽音合成装置の概念図である。
【図2】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】 本発明の動作を説明するためのフローチャー
トである。
【図4】 従来の閉ループ回路からなる楽音合成装置を
示すブロック図である。
【図5】 実際の弦楽器における発音メカニズムを説明
するための概念図である。
【符号の説明】
10,11……遅延回路(遅延手段)、12……加算
器、13……遅延回路(遅延素子)、14……ループ回
路(遅延フィードバック手段)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遅延素子をループ状に接続してなり、該
    ループを信号が一巡するのに要する遅延時間を、発生す
    る楽音の音高に応じて定める遅延フィードバック手段
    と、 前記遅延フェードバック手段を巡回させるための該励起
    信号を前記遅延フィードバック手段へ供給する励起手段
    と、 前記遅延フィードバック手段と前記励起手段との間に介
    挿され、該励起手段から直接供給される励起信号とは別
    途に、該励起信号を遅延させた後に、前記遅延フィード
    バック手段へ供給する遅延手段とを具備したことを特徴
    とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 前記遅延手段は、各々、異なる遅延量を
    有する直列接続された複数の遅延素子からなり、各遅延
    素子の出力端からそれぞれ励起信号を取り出して前記遅
    延フィードバック手段へ供給することを特徴とする請求
    項1記載の楽音合成装置。
  3. 【請求項3】 前記遅延手段は、各々、等しいか、ある
    いは異なる遅延量を有する並列接続された複数の遅延素
    子からなり、各遅延素子の出力端からそれぞれ励起信号
    を取り出して前記遅延フィードバック手段へ供給するこ
    とを特徴とする請求項1記載の楽音合成装置。
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