JP2520261B2 - フライス主軸と深穴加工主軸を持つ複合機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一台の機械でフライス加工及び深穴加工が能
率良くできるフライス主軸と深穴加工主軸を持つ複合機
に関する。

〔従来の技術とその問題点〕

金型等の機械加工の主体はフライス加工であるが、深
穴加工も必要とし、この場合フライス専用機と深穴加工
専用機とを具備するとコスト高となり、更には機械の設
置場所も広く必要となり、加工能率も落ちることになる
ので、フライス加工と深穴加工の両方ができる装置が望
まれていた。

一方、従来のフライス加工と深穴加工の両方ができる
複合機、例えばマシニングセンターにおいては、フライ
ス加工は能率良く加工できるが、深穴加工の一例である
ガンドリルは主軸を共通して付加的に設けたものである
から切削条件が制限され、従って、難削材の加工やより
深い穴の加工が困難であるという問題点があった。

また、フライス主軸が設けられた垂直コラムとガンド
リルが設けられた垂直コラムとを別々に設けた複合機も
あるが、それぞれ別個の垂直コラムを設けているので装
置全体が複雑となり、しかもフライス加工とガンドリル
加工とを同時に行うことはないので、全体として無駄の
多い装置であるという問題点があった。

本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、全
体の装置が簡単に構成でき、しかも加工能率も良いフラ
イス主軸と深穴加工主軸を持つ複合機を提供することを
目的とする。

〔問題点を解決する手段〕

上記目的に沿う本発明に係るフライス主軸と深穴加工
主軸を持つ複合機は、昇降手段が設けられた垂直コラム
と、前記垂直コラムに、前記昇降手段によって昇降自在
に取付けられ、しかもフライス主軸が水平横置き状態で
配置されたフライス基台と、前記フライス基台の手前側
の側部に平行状態で取付けられた深穴加工基台と、前記
フライス基台及び深穴加工基台の刃物取付け方向に配置
されて、前後方向に進退可能なワーク載置台とを有して
いる。

ここで、フライス基台とは専用の駆動モータを有して
フライス主軸が取付けられたブロックをいい、深穴加工
基台とは独立に駆動モータが取付けられて例えばガンド
リル方式、BAT方式あるいはエジェクタドリル方式によ
る深穴加工手段が設けられたブロックをいう。

〔作用〕

本発明に係るフライス主軸と深穴加工主軸を持つ複合
機は、垂直コラムにフライス基台が昇降自在に取付けら
れ、該フライス基台の手前側の側部に平行状態で深穴加
工基台が取付けられている。従って、それぞれのフライ
ス基台及び深穴加工基台に刃物を回転させる駆動モータ
を独立に取付けることができるので、それぞれを兼用す
ることによる切削能力の減少を防ぐことができる。

そして、これらを取付ける垂直コラム及びワーク載置
台は１つであるので、全体の構造及び制御が簡単とな
り、更には深穴加工基台の方が外側に取付けられている
ので、側部が開放となって長い刃物の保守点検が容易に
できることになる。

〔実施例〕

続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化
した一実施例について説明し、本発明の理解に供する。

ここに、第１図は本発明の一実施例に係るフライス主
軸と深穴加工主軸を持つ複合機の主要構成部を示す平面
図、第２図は同側面図、第３図は上記実施例に係るフラ
イス主軸と深穴加工主軸を持つ複合機の平面図である。

第１図、第２図に示すように、本発明の一実施例に係
るフライス主軸と深穴加工主軸を持つ複合機10は、垂直
コラム11に取付けられたフライス基台12と、該フライス
基台12に取付けられた深穴加工基台の一例であるガンド
リル基台13とを有して構成されている。以下、これらに
ついて詳しく説明する。

上記フライス基台12は後部に駆動モータ14が取付けら
れ内部に図示しない減速機構を有してフライス主軸15a
を回転駆動するようになっている。そして、該フライス
基台12は垂直コラム11に摺動自在に取付けられ、しかも
フライス基台12には雌捻子孔15が形成され、該雌捻子孔
15に螺合する雄ネジ軸16の回転駆動によって上記垂直コ
ラム11を上下方向に摺動移動するようになって、フライ
ス基台12の昇降手段が構成されている。なお、本実施例
においては昇降手段として捻子機構を用いているが、例
えば、ラックピニオンを使用することも可能である。

このフライス基台12にはガンドリル基台13が取付けら
れているが、該ガンドリル基台13にも駆動モータ17が取
付けられていると共に、図示しない適当な減速機構を介
してガンドリル主軸18を回転駆動するようになってい
る。

ここで、第１図、第２図において19はチップボックス
を示し、20、21はガンドリル22の振れ止めを示す。

第３図には上記実施例に係るフライス主軸と深穴加工
主軸を持つ複合機10の平面図を示すが、図に示すように
フライス主軸と深穴加工主軸を持つ複合機10は、前進後
退するワーク載置台23が上記フライス基台12とガンドリ
ル基台13の前に設けられて、加工対象物を載せて前後す
るようになっている。図中、24は切削油ユニット及びタ
ンクを、25は制御盤を、26は油圧ユニットを、27は計器
箱を、28は操作盤を示す。

従って、該フライス主軸と深穴加工主軸を持つ複合機
10をフライスとして使用する場合には、上記ワーク載置
台23に金型等の切削対象物を載せてワーク載置台23を所
定の位置に移動させ必要なフライス加工及びガンドリル
加工を行うことになる。

この場合、ガンドリル主軸18とフライス主軸15aとの
距離は一定であるので、これをNCに記憶させて置くこと
によって制御装置の省略が可能となる。

上記実施例においては垂直コラム11にフライス基台12
を取付けて使用したが、該フライス基台12を取り除き、
所定の位置に雌捻子孔15の形成されたガンドリル基台13
を取付けることも可能であり、これによってガンドリル
専用機として使用することも可能である。

〔発明の効果〕

本発明に係るフライス主軸と深穴加工主軸を持つ複合
機は以上の説明からも明らかなように、垂直コラムにフ
ライス基台が取付けられ、しかも該フライス基台には深
穴加工基台が取付けられているので、それぞれフライス
基台及び深穴加工基台に独立に駆動モータを取付けるこ
とができ、しかも比較的長い距離を必要とする深穴加工
基台が外側に取付けられているので、充分な能力を有す
る深穴加工が行えることになると共に、垂直コラムが１
つで済むので、機械全体が簡素に構成できることとなっ
た。

また、ドリル切り換え等を必要とする深穴加工基台が
手前側に設けられているので、その保守点検が容易とな
った。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るフライス主軸と深穴加
工主軸を持つ複合機の主要構成部を示す平面図、第２図
は同側面図、第３図は上記実施例に係るフライス主軸と
深穴加工主軸を持つ複合機の平面図である。 〔符号の説明〕 10……フライス主軸と深穴加工主軸を持つ複合機、11…
…垂直コラム、12……フライス基台、13……ガンドリル
基台、14……駆動モータ、15a……フライス主軸、15…
…雌捻子孔、16……雄ネジ軸、17……駆動モータ、18…
…ガンドリル主軸、19……チップボックス、20、21……
振れ止め、22……ガンドリル、23……ワーク載置台

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】昇降手段が設けられた垂直コラムと、 前記垂直コラムに、前記昇降手段によって昇降自在に取
   付けられ、しかもフライス主軸が水平横置き状態で配置
   されたフライス基台と、 前記フライス基台の手前側の側部に平行状態で取付けら
   れた深穴加工基台と、 前記フライス基台及び深穴加工基台の刃物取付け方向に
   配置されて、前後方向に進退可能なワーク載置台とを有
   してなることを特徴とするフライス主軸と深穴加工主軸
   を持つ複合機。