JP2520002Y2 - ディスク状記録媒体のクリーニング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えばカートリッジに収納された光ディス
ク等のディスク状記録媒体をクリーニングするディスク
状記録媒体のクリーニング装置に関する。

（従来の技術） 光ディスク装置、光磁気ディスク装置、固定ハードデ
ィスク装置、リムーバブルハードディスク装置等の各種
ディスク装置は、情報記録媒体としてのディスクの記録
面上をトラックに沿ってヘッドを走査することにより記
録情報を読取ったり、書込み、又は消去を行うよう構成
されている。ディスク装置の読取性能又は書込性能は、
ディスクの表面に異物が大量に付着していると劣化す
る。このようなディスク面への異物の付着を防止するた
め、ディスクはカートリッジ内に収納されているととも
に、カートリッジにはディスク面が露出する窓を開閉可
能なシャッタが設けられ、ディスク装置の外部ではシャ
ッタが窓を閉成することによってディスク面が保護され
ている。

ところで、カートリッジを着脱することができるリム
ーバブル式の磁気ディスク装置においては、カートリッ
ジの外部に付着した塵埃等が装置内部に侵入したり、カ
ートリッジの着脱時に開放される装置本体のシャッタか
ら大気中の塵埃等が装置内部に侵入する恐れがある。カ
ートリッジをディスク装置に挿入するとシャッタが開放
されてディスク面が露出されるため、装置内部に侵入し
た塵埃がディスク面に付着する。従って、カートリッジ
の着脱が繰り返される経年後にはディスク面の塵埃が堆
積して読取性能又は書込性能が劣化する恐れがある。

これに対し、ディスク表面に付着した異物をクリーニ
ングする装置として、カートリッジ全体を挿入する筐体
を備え、この筐体内に、ディスクを位置決め固定して回
転駆動するスピンドル部と、カートリッジのシャッタを
開放する機構と、開放された窓より露出するディスクを
払拭するクリーナとを有するものが開発されている。

しかしながら、このような従来のディスク状記録媒体
のクリーニング装置は、カートリッジ全体を挿入するに
足る大きさを有しているため装置全体が大型であるとい
う問題がある。

（考案の目的） 本考案は上記課題に鑑みてなされたものであり、ディ
スクの表面をクリーニングできる構成でありながら小型
化を図ることができるディスク状記録媒体のクリーニン
グ装置を提供することを目的としている。

（考案の構成） 上記目的を達成するため本考案は、カートリッジ内に
回転可能に収納され、且つその中央部には読取装置又は
書込装置にチャッキングするための磁性体を有するとと
もに、前記カートリッジには記録面を露出するための窓
と、この窓を開閉可能なシャッタとを備えたディスク状
記録媒体をクリーニングするクリーニング装置であっ
て、前記ディスク状記録媒体の磁性体を位置決め固定す
るための磁性ハブと、この磁性ハブを回転駆動する媒体
駆動手段と、前記カートリッジの前記シャッタの側部に
当接して前記シャッタの開状態を保持するためのシャッ
タストッパと、前記シャッタが開放されると前記窓より
前記ディスク状記録媒体の表面に摺接する非誘電体より
成る媒体クリーナと、前記ディスク状記録媒体の回転軸
に対して垂直方向に設けた回転軸を回転させて前記媒体
クリーナを回転させることで前記ディスク状記録媒体の
表面を払拭するためのクリーナ駆動手段と、前記磁性ハ
ブ、前記媒体駆動手段、前記シャッタストッパ、前記媒
体クリーナ及び前記クリーナ駆動手段を有する筐体とを
備え、前記磁性ハブ、前記シャッタストッパおよび前記
媒体クリーナを前記筐体から露出して配設したことを特
徴とする。また、前記媒体クリーナをベルト状に構成
し、前記ディスク状記録媒体の内周側から径方向に外周
側へ前記ディスク状記録媒体の表面に摺接しながら循環
移動するように前記媒体クリーナを駆動させることを特
徴とする。

また、前記媒体クリーナを前記ディスク状記録媒体の
内周側から外周側に径方向に沿って移動させる移動手段
を設けたことを特徴とする。

以下、添付図面に示した好適な実施例に基づいて本考
案を詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例に係るディスク状記録媒体
のクリーニング装置を示し、このクリーニング装置１
は、磁気情報、或は光学的情報が記録されたディスク
（記録媒体）３のディスク面（記録面）をクリーニング
するものであって、このようなディスク３は矩形状のカ
ートリッジ５に対して回転可能に収納され、且つその中
央部には図示しない読取装置又は書込装置にチャッキン
グするための円盤状の磁性板（磁性体）７を有し、磁性
板７の中央部には位置決め用の開孔９が形成されている
とともに、カートリッジ５にはディスク面を露出するた
めの窓11と、この窓11を開閉可能なシャッタ13とを備え
ている。

クリーニング装置１は、カートリッジ５の中央部から
その半径方向に延在された長さを有する直方体状のコン
パクトな筐体15を備えている。筐体15の上面にはディス
ク３の磁性板７を位置決め固定するための着磁された磁
性ハブ17が露出され、ハブ17は筐体15内に収装されたス
ピンドルモータ（媒体駆動手段）19の駆動軸21に連結さ
れている。従って、スピンドルモータ19を駆動すること
により、ハブ17に固定されたディスク３を所定速度で回
転することができる。また、ハブ17の中央部にはディス
ク３を位置決めするためのスピンドルシャフト23が突出
形成されている。尚、スピンドルモータ19による回転速
度は、読取装置や書込装置のドライブ用スピンドルモー
タによる回転速度に比して低速に設定されている。この
ような磁性ハブ17及びスピンドルモータ19は、筐体15の
長手方向一側部に配設されている。

筐体15の長手方向他の側部には同方向の開口25が形成
されている。この開口25からは非誘電体より成る無端ベ
ルト状のクリーナベルト（媒体クリーナ）27が露出さ
れ、クリーナベルト27は筐体15の長手方向に沿って移動
可能となっている。クリーナベルト27は、ディスク３の
接線方向の軸を有する筐体15内に配設された４本の回転
ローラ29,29に巻き回されている。いずれかの回転ロー
ラ29は筐体15内に収装されたモータボックス（クリーナ
駆動手段）31に連結され、モータボックス31内のベルト
モータ（図示しない）を駆動することにより回転ローラ
29を介してクリーナベルト27が回転するよう構成されて
いる。

筐体15の上面には、カートリッジ５のシャッタ13の側
部に当接してシャッタ13の開状態を保持するため開口25
の両側方に位置する一対のシャッタストッパ33a,33bが
立設されている。シャッタストッパ33とシャッタ13との
位置関係は、シャッタ13を開いた状態でその側部をシャ
ッタストッパ33に当接するとともに磁性板７を磁性ハブ
17に位置決め固定したとき、下方を向いたディスク３面
が窓11を介してクリーナベルト27に摺接するよう設定さ
れている。

シャッタストッパ33aは第１図に示されるディスク３
のＡ面をクリーニングするときにシャッタ13の開放を保
持するものであり、シャッタスロッパ33bはＡ面の裏側
であるディスク３のＢ面をクリーニングするときにシャ
ッタ13の開放を保持するものである。第１図では、ディ
スクのＡ面の反対側であるＢ面側にてシャッタ13がシャ
ッタストッパ33bに当接され、ディスク３のＢ面がクリ
ーナベルト27に摺接される。この状態で、ベルトモータ
を駆動することによりクリーナベルト27が回転してディ
スク３の表面が払拭される。

以上の構成を有したクリーニング装置１の作用を以下
に説明する。

まず、カートリッジのシャッタ13を開放し、その側部
をシャッタストッパ33に当接して該シャッタ13の開放状
態を保持しつつ、ディスク３の磁性板７をクリーニング
装置１の磁性ハブ17に着座すると、ハブ17から突出され
たスピンドルシャフト23がディスク３の開孔９内に挿入
されて位置決めが行なわれる。次いで、スピンドルモー
タ19を駆動してディスク３を低速回転するとともに、モ
ータボックス31内のベルトモータを駆動してクリーナベ
ルト27を回転すると、クリーナベルト27がディスク３の
表面が径方向の外側に向かって払拭され、窓11から対面
されるディスク３面が順次周方向に移動するため、全面
をクリーニングすることができる。

上記のようにこの実施例によれば、ディスク３を位置
決め固定する磁性ハブ17、シャッタ13の開状態を保持す
るためのシャッタストッパ33a,33b及びディスク３の表
面を払拭するクリーナベルト27を筐体15から露出して配
設し、ハブ17を回転駆動するスピンドルモータ19及びク
リーナベルト27を回転駆動するモータボックス31が筐体
15内に収装されているため、筐体15をコンパクトにする
ことができ、小型・軽量にして携帯性が良好なクリーニ
ング装置１を実現することができる。

尚、本考案は上記実施例のものに限定されず、例えば
媒体クリーナはクリーナベルト27に代えてクリーナロー
ラであってもよい。例えば、トラックの接線方向の軸を
有するクリーニングローラを径方向移動手段により径方
向に移動すれば、ディスク３の全面をクリーニングする
ことができる。また、ディスク３の径方向の軸を有する
クリーニングローラとすれば、移動手段を要せずディス
ク３の全面をクリーニングすることができ軽量化が図れ
る。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、記録媒体を位置決め固
定して回転する磁性ハブ、シャッタの開状態を保持する
ためのシャッタストッパ及び記録媒体の表面を払拭する
媒体クリーナを筐体から露出して配設したため、小型で
携帯性が良好なクリーニング装置を実現することができ
る。

さらに媒体クリーナの回転軸がディスク状記録媒体の
回転軸に対して垂直方向に配置されているため、払拭さ
れたディスク状記録媒体上の塵埃は記録面から離れるよ
うになり、その結果、ディスク状記録媒体上の塵埃を空
いているシャッタの窓から外部に出すことが可能とな
り、カートリッジ内に塵埃を残さずにすむ。

また、媒体クリーナをベルト状に構成してディスク状
記録媒体の内側から径方向に外側へ循環移動させるこ
と、あるいは媒体クリーナをディスク状記録媒体の内側
から外側に径方向に沿って移動させることにより、ディ
スク状記録媒体上全面の塵埃を、ディスク状記録媒体の
内周側から外周側を経てシャッタの窓から外部に出すこ
とが可能となり、より確実にカートリッジ内の塵埃を除
去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るディスク状記録媒体の
クリーニング装置の斜視図である。 １……クリーニング装置、５……カートリッジ、７……
磁性板（磁性体）、11……窓、13……シャッタ、15……
筐体、17……磁性ハブ、19……スピンドルモータ（媒体
駆動手段）、23……スピンドルシャフト、27……クリー
ナベルト（媒体クリーナ）、31……モータボックス（ク
リーナ駆動手段）、33……シャッタストッパ

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カートリッジ内に回転可能に収納され、且
   つその中央部には読取装置又は書込装置にチャッキング
   するための磁性体を有するとともに、前記カートリッジ
   には記録面を露出するための窓と、この窓を開閉可能な
   シャッタとを備えたディスク状記録媒体をクリーニング
   するクリーニング装置であって、 前記ディスク状記録媒体の磁性体を位置決め固定するた
   めの磁性ハブと、この磁性ハブを回転駆動する媒体駆動
   手段と、前記カートリッジの前記シャッタの側部に当接
   して前記シャッタの開状態を保持するためのシャッタス
   トッパと、前記シャッタが開放されると前記窓より前記
   ディスク状記録媒体の表面に摺接する非誘電体より成る
   媒体クリーナと、前記ディスク状記録媒体の回転軸に対
   して垂直方向に設けた回転軸を回転させて前記媒体クリ
   ーナを回転させることで前記ディスク状記録媒体の表面
   を払拭するためのクリーナ駆動手段と、前記磁性ハブ、
   前記媒体駆動手段、前記シャッタストッパ、前記媒体ク
   リーナ及び前記クリーナ駆動手段を有する筐体とを備
   え、前記磁性ハブ、前記シャッタストッパおよび前記媒
   体クリーナを前記筐体から露出して配設したことを特徴
   とするディスク状記録媒体のクリーニング装置。
2. 【請求項２】前記媒体クリーナをベルト状に構成し、前
   記ディスク状記録媒体の内周側から径方向に外周側へ前
   記ディスク状記録媒体の表面に摺接しながら循環移動す
   るように前記媒体クリーナを駆動させることを特徴とす
   る請求項（１）記載のディスク状記録媒体のクリーニン
   グ装置。
3. 【請求項３】前記媒体クリーナを前記ディスク状記録媒
   体の内周側から外周側に径方向に沿って移動させる移動
   手段を設けたことを特徴とする請求項（１）記載のディ
   スク状記録媒体のクリーニング装置。