JP2519620Y2 - 紙折り機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機とソーター等の用紙収容手段との間
に設け、大サイズの用紙を折込んでソーターに搬送出来
るような紙折り機に関し、特に、紙折り機の搬送路とは
別にバイパス搬送路を設け、小サイズの用紙を、紙折り
機を通さずにソーターに搬送出来るように構成してなる
装置に関する。

（従来の技術） 従来より、複写機にソーターを接続して、複写機によ
って作成された大サイズのコピーを、紙折り機によって
自動的に所定のサイズに折込み、同一サイズのコピーと
して形成し、ソーター等の用紙収容手段のトレイに仕分
けを行って堆積させるようなことが行なわれている。上
記したような紙折り機は、例えば、第２図に示されるよ
うな中間処理装置５に設けられ、複写機の搬出口に隣接
して切換え爪６を設け、大サイズのコピーは紙折り機10
に向けて搬送し、自動的に折込みの作業を行い得るよう
にしている。また、前記紙折り機10に至る用紙搬送路と
は別にバイパス搬送路7aを設け、小サイズのコピーを該
バイパス搬送路7aを経由させて直接ソーターに向けて搬
送するような手段を用いている。上記紙折り機の前後の
用紙搬送路は、搬入路18と搬出路19とによって構成し、
その搬出路19の終端部はバイパス搬送路7aに合流し、排
出ローラ９を介してソーターに接続されるようになって
おり、複写機に設定された用紙サイズの情報によって、
切換え爪６を作動させ、両用紙搬送路の切換えを行うよ
うにされる。

また、図示される紙折り機10においては、４本の紙折
りローラ11〜14、および、挿入路15、16が配置されてお
り、ローラ11と12との間を通って、コピーの先端部が搬
入路18から挿入路15に挿入されて、ローラ12、13の間で
第１の折目が形成され、挿入路16に用紙の先端が挿入さ
れる。そして、その後で、ローラ13、14によって第２の
折目が形成されて、Ｚ折りとして折込まれたコピーが搬
出路19を通って、ソーターに排出されるような機構のも
のが用いられている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、最近多く用いられるようになっている
高性能の複写機においては、大サイズと小サイズの原稿
とを混合した状態で、自動原稿送り装置にセットする方
式が用いられている。そして、複写機の画像読取り装置
等に設けた原稿サイズ検知装置によって、前記原稿サイ
ズを自動的に検出し、そのサイズに応じて用紙を選択し
て複写を行うようなことが行なわれている。したがっ
て、自動原稿送り装置を装備した複写機に接続される紙
折り機では、複写機の制御装置から出力される用紙サイ
ズの情報によって用紙搬送路の切換えを行い、紙折り機
に向けて搬送する用紙搬送路と、バイパス搬送路とにコ
ピーを案内するような手段が用いられる。

ところが、紙折り機に導入されて、折り込みが行われ
るコピーは大サイズのものであり、紙折り機によって折
込みを行う時間が比較的長く必要とされるのに対して、
バイパス搬送路を案内されるコピーは小サイズのもので
あるために、そのバイパス搬送路での搬送時間が比較的
短い等の特性がある。

そのために、大小のサイズのコピーが混合された状態
で排出される複写機に、紙折り機を接続して設ける場合
には、大サイズのコピーが紙折り機によって折込まれて
いる間に、次の小サイズのコピーがバイパス搬送路を通
って先に排出されてしまう等の問題が発生しやすい。ま
た、上記したような中間処理装置内でのコピーの追い越
しが発生しなくとも、大サイズのコピーと同時に小サイ
ズのコピーが排出ローラに向けて移送されて、これらの
コピーが頁の乱れを発生したままで、ソーターのトレイ
に堆積される等の好ましくない問題が生じてしまう等の
欠点が発生する。

そのような不都合な状態の発生を防止するために、従
来の中間処理装置においては、大サイズの用紙の後に小
サイズの用紙が搬送される場合には、前記中間処理装置
または複写機の制御装置からの用紙サイズ信号の出力に
よって、複写機の複写の動作を一時停止させたり、画像
読取り装置による走査を一時スキップさせたりする等の
動作を行わせる必要があり、それによって、複写機の制
御装置におけるプログラムの設定が煩雑になる等の欠点
が発生する。それに加えて、複写機にスキップモードを
設定した場合には、複写機による複写の能率が大幅に低
下する等の別の問題点が発生することになる。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられている装
置の欠点を解消するもので、中間処理装置に設けるバイ
パス搬送路での用紙の搬送時間を、紙折り機を経由する
場合と同じに設定することによって、コピーの頁の乱れ
が発生することを防止出来るような装置を提供すること
を目的としている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案は、複写機の排出部に対応させて紙折り機を設
けた中間処理装置を配置し、前記中間処理装置に設けた
紙折り機により大サイズの用紙を折込み、ソーター等の
用紙収容手段に向けて排出するように構成してなる装置
に関する。本考案においては、前記紙折り機へ用紙を案
内する用紙搬送路に対して切換え爪を介してバイパス搬
送路を設け、前記バイパス搬送路に設ける搬送ローラ装
置の用紙搬送速度を、紙折り機側の搬送速度に比較して
遅く設定する手段を設け、バイパス搬送路を通る用紙の
通過時間と、紙折り機を通る用紙の通過時間が同一にな
るように搬送速度を設定する手段を構成している。

したがって、本考案の装置を用いる場合には、複写機
に大小サイズの原稿を混合した状態でセットして、複写
を行う場合でも、大サイズのコピーを紙折り機によって
折込んでいる間に、次の小サイズのコピーが追越す等の
不都合が発生することを防止できる。また、本考案で
は、複写機とソーター等の用紙収容手段の間で、小サイ
ズのコピーがバイパス搬送路を通過する時間と、大サイ
ズのコピーが折込まれて排出されるまでに要する時間と
を同一に設定するので、ソーターのトレイに堆積される
コピーの頁が乱れる等の不都合な状態が発生することが
なくなる。

さらに、本考案の装置においては、バイパス搬送路を
通るコピーの搬送速度が紙折り機を通るコピーの速度と
同じにするために、バイパス搬送路を長い迂回路として
構成すること、または、バイパス搬送路に設ける搬送ロ
ーラの搬送速度を遅くする等の手段を用いることが出来
るものであるために、中間処理装置の機構を任意に選択
出来るものとなり、中間処理装置の設計の自由度が向上
されるものとなる。

（実施例） 図示された実施例に従って、本考案の装置の構成を説
明する。

第１図に示されるように、本考案の紙折り機10を設け
る中間処理装置５は、複写機１とソーター３との間に設
けられており、その用紙搬送路の先端部が複写機１の排
出口に接続され、終端部がソーター３の用紙導入口に接
続されている。本考案の中間処理装置５内に設けられる
用紙搬送路は、その導入口部分に切換え爪６を介して、
バイパス搬送路７と紙折り機10に至る搬入路18が分岐さ
れており、バイパス搬送路７には複数組の搬送ローラ８
を設け、それらの搬送ローラによって用紙の搬送を行
う。

前記中間処理装置の用紙導入口に設けられる切換え爪
６は、複写機において検知された原稿のサイズの情報、
または、選択された用紙のサイズの情報等にもとづいて
揺動されるように構成することが出来るが、その他の用
紙サイズ検知装置からのサイズ情報を用いることも可能
である。そして、それらの検知装置によって検知された
用紙のサイズの情報によって、複写機の制御装置を介し
て、または、中間処理装置に設けた制御装置によって、
中間処理装置に導入された用紙に対して折込みを行う
か、あるいは直接ソーターに向けて排出するか等の、搬
送モードの設定を行うようにする。

また、前記バイパス搬送路７は、図示されるように、
湾曲された長い用紙搬送路として構成され、前記用紙搬
送路を用紙が通過する時間を長くするような状態にして
いる。これに加えて、本考案のバイパス搬送路において
は、その用紙搬送路内に設けられる搬送ローラ８の駆動
速度を、複写機からコピーが排出される速度に比較して
遅く設定し、前記バイパス搬送路７内で用紙が搬送され
る時間を長く設定出来るようにすることが可能である。
これは、後述するように、紙折り機10によって用紙が折
込まれている間に、バイパス搬送路を通過する小サイズ
の用紙が追越すことを防止するためである。さらに、本
考案の中間処理装置５におけるバイパス搬送路から分岐
された搬入路18には、紙折り機10を接続しており、前記
紙折り機10からは搬出路19を介して、ソーター３に至る
用紙搬送路に接続し、排出ローラ９を介してソーター３
に向けて送り出すように構成している。

本考案の紙折り機10は、図示される実施例において
は、Ｚ折りが可能な紙折り機として構成されているもの
で、４つのローラ11〜14と、挿入路15、16が設けられて
いる。そして、搬入路18からローラ11、12のニップ部分
を通って、挿入路15に導入される用紙の先端部が、前記
挿入路15のストッパーに当接した後で、尚も送り込みの
動作が継続されることによって、ローラ12に当接する部
分に座屈が発生して折目が形成される。その後で、前記
折目の部分がローラ12に沿って移動され、ローラ12と13
とのニップ部分に導入され、第１の折目が形成される。
この第１の折目が形成されて一部が重合した用紙は、そ
のままで第２の挿入路16に導入される。

第２の挿入路16に導入された用紙の先端部が、前記挿
入路16の端部に設けたストッパーに当接すると、前記ロ
ーラ12、13間にニップされた部分の近傍で座屈が生じ
て、第２の折目が形成され、この第２の折目がローラ1
3、14間に導入されて折込みが行われ、Ｚ折りとして形
成された用紙は、搬出路19を通って排出ローラ９に案内
され、ソーター３に向けて排出される。

本考案の中間処理装置においては、上記したように、
紙折り機10を通って折込みが行われる大サイズの用紙
が、切換え爪６と排出ローラ９との間の用紙搬送路を通
過する時間と、バイパス搬送路を通って直接排出される
小サイズの用紙が、前記バイパス搬送路を通過する時間
とを同じに設定することが出来るように構成されている
ものであって、そのために、上記したようなバイパス搬
送路の構成を採用している。

これに加えて、本考案の装置においては、バイパス搬
送路に設ける搬送ローラ８の速度を可変に形成し、前記
中間処理装置の制御装置に設定したプログラムによっ
て、大サイズの用紙に続いて小サイズの用紙がコピーと
して排出される場合にのみ、前記バイパス搬送路におけ
る用紙搬送速度を小さく出来るようにすることも可能で
ある。そして、上記したように構成する場合には、小サ
イズの用紙が連続して排出されるときには、バイパス搬
送路内での用紙の滞留時間を短縮出来るものとなる。

つまり、本考案の中間処理装置においては、複写機か
ら大小サイズのコピーが混合された状態で、連続して排
出される場合に、大サイズの用紙が紙折り機を通過する
時間と、小サイズの用紙がバイパス搬送路を通過する時
間とを、ほぼ同じに設定出来るようにすることが出来る
ので、排出ローラ９を通過する際に、大サイズの用紙が
小サイズの用紙に追い越される等の、不都合な状態が発
生することを防止出来るものとなる。

なお、上記した本考案の実施例においては、複写機１
に中間処理装置５を接続し、紙折り機によって折込みが
行なわれた用紙を、ソーター３に向けて排出するような
機構を設けた装置として示されているが、本考案の装置
においては、中間処理装置から排出トレイに直接排出す
るような機構のものとして構成すること等の、任意の手
段を用いることが出来るものである。さらに、紙折り機
としても、Ｚ折り、袋折り、または、２つ折り等の任意
の構成の装置を用いることが可能であり、搬入路部分に
用紙の方向変換手段等を設けて、用紙を90°方向変換さ
せて紙折り機に挿入する等の、他の装置を付属して設け
ることも可能である。

（考案の効果） 本考案の装置は、前述したように構成したものである
から、複写機に大小サイズの原稿を混合した状態でセッ
トして、複写を行う場合でも、大サイズのコピーを紙折
り機によって折込んでいる間に、次の小サイズのコピー
が追越す等の不都合が発生することを防止できる。ま
た、本考案では、複写機とソーター等の用紙収容手段の
間で、小サイズのコピーがバイパス搬送路を通過する時
間と、大サイズのコピーが折込まれて排出されるまでに
要する時間とを同一に設定するので、ソーターのトレイ
に堆積されるコピーの頁が乱れる等の不都合な状態が発
生することがなくなる。

したがって、大サイズの用紙を紙折り機によって処理
している間に、小サイズの用紙が追越す等の問題が発生
することを防止出来る。また、本考案の装置を用いる場
合には、複写機の性能が影響を与えることがないので、
複写機の複写速度を十分に発揮させ得ることになり、複
写機によるコピー作成の生産性を向上させることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の中間処理装置の構成を示す説明図であ
り、第２図は従来例の説明図である。 図中の符号 １……複写機、２……排出ローラ、３……ソーター、５
……中間処理装置、６……切換え爪、７……バイパス搬
送路、８……搬送ローラ、９……排出ローラ、10……紙
折り機、11〜14……ローラ、18……搬入路、19……搬出
路。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複写機の排出部に対応させて紙折り機を設
   けた中間処理装置を配置し、前記中間処理装置に設けた
   紙折り機により大サイズの用紙を折込み、ソーター等の
   用紙収容手段に向けて排出するように構成してなる装置
   において、 前記紙折り機へ用紙を案内する用紙搬送路に対して切換
   え爪を介してバイパス搬送路を設け、 前記バイパス搬送路に設ける搬送ローラ装置の用紙搬送
   速度を、紙折り機側の搬送速度に比較して遅く設定する
   手段を設け、 バイパス搬送路を通る用紙の通過時間と、紙折り機を通
   る用紙の通過時間が同一になるように搬送速度を設定す
   ることを特徴とする紙折り機。