JP2519177B2 - 製糖用連続結晶化方法 - Google Patents

製糖用連続結晶化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、さとうきびまたはビー
トを原料として砂糖を得る場合における製糖用連続結晶
化方法に関する。したがって、主に粗糖段階における結
晶化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、さとうきびまたはビート
を原料として砂糖を得ることが多く行われており、その
工程の概要は、さとうきびまたはビートを原料とし、こ
れを圧搾法または拡散法により糖を回収し、清澄化した
後、これを多重効用缶で濃縮して濃縮シラップを得て、
さらに結晶缶で加熱結晶化し、得られた結晶スラリー
(白下)を精製し製品化している。
【0003】この場合、濃縮シラップからの結晶化にお
いては、伝統的にバッチ式で行われており、濃縮シラッ
プに対して粒度分布を揃えた種結晶(シードまたはシー
ドマグマ)を添加し、蒸発速度とシラップの供給速度を
調節しながら、できるだけ速くかつ均一な結晶の成長を
行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】製糖工場において、結
晶化工程は、消費エネルギーの大部分を占めている。し
かも、結晶化工程がバッチであるために、結晶化のため
の蒸気使用が間欠的であるために、工場全体の蒸気負荷
の変動要因となり、経済的に有効ではないものであっ
た。
【0005】したがって、本発明の課題は、連続的な結
晶化を行うことにより、使用エネルギーの低減を図るこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、結晶缶を複
数基設け、最終結晶缶と遠心分離機とを連結し、シラッ
プを第1の結晶缶に供給し、濃度の高まった結晶スラリ
ーを後続の結晶缶に供給し、最終結晶缶からの結晶スラ
リーをそのまま前記遠心分離機に供給し、この遠心分離
機において重液と軽液とに分離することを連続的に行
い、前記遠心分離機での重力加速度を50〜250Gと
し、前記重液を製品化し、軽液をシードとするか、再溶
解してシラップとすることで解決できる。
【0007】
【作用】本発明では、結晶化を連続化している。したが
って、その結晶化のための蒸気使用量が時間あたり均一
化でき、製糖工場における蒸気使用量を安定化し、結果
として経済的な運転が可能となる。
【0008】従来、製糖工場において、結晶化を連続化
しなかった主たる理由は、伝統的にバッチ処理が良好な
粒度分布をもった結晶スラリーを得ることができるとの
確信であると考えられる。実際に、後述の実施例でも示
すとおり、単に結晶缶をシリーズ化しても、得られる結
晶スラリーの粒度分布はバッチ式の場合に比較してばら
つき、均等係数(均等数)は悪くなる。
【0009】しかるに、連続化した結晶化工程からの結
晶スラリー(白下)を、従来のように、一旦保持タンク
に導入して結晶が沈着しないようにゆっくり混合した
後、バッチ式の遠心分離機にかけて煎糖を得るのではな
く、結晶スラリーをそのまま遠心分離機にかけて、結晶
粒径の比較的大きな重液と結晶粒径の比較的小さな軽液
とに分離するとともに、その際に、遠心分離機での重力
加速度を50〜250Gと低く設定すると、遠心分離操
作中に受ける機械的な破砕作用が抑制され、粒度分布の
広がりを抑制できることが判明した。実際に、後述の実
施例で示すとおり、遠心分離機から得られる重液の均等
数は、バッチ式のものに比較して、実用上遜色のないも
のとなる。
【0010】糖液は、粘度が数百〜数千cPと高く、か
つ糖液の比重と砂糖結晶との比重差が小さいなどの理由
により分級が困難であると考えられてきた。しかし、低
い重力加速度の下では、遠心分離機の内部でスラリーの
厚み、および遠心力によって凝集した粒径の大きな結晶
が作り出す間隙の大きさが適切になるものと考えられ
る。逆に、遠心分離機としては、低い重力加速度を示す
もので足りるので、高価なものは不要となる。
【0011】一方、遠心分離機により分級した重液は、
粗糖として製糖工程に導かれ、最終的に製品化される。
軽液は、軽液をシードとして、第1結晶缶に供給する
か、シラップを追加して加熱攪拌溶解させて原シラップ
とする。もちろん、両態様を併用することもできる。
【0012】従来は、シードはバッチ生産されており、
これも連続化のための障害となっている。しかるに、軽
液をシードとする場合には、連続化工程の中で、シード
を得ることができるので、シードを別途生産する必要が
ないので、特に有効である。
【0013】
【実施例】以下本発明を図面を参照しながら実施例によ
りさらに詳説する。図1は本発明方法を実施するための
設備の概要図であり、前工程で得られた濃縮シラップ1
は、複数、図示例では2基の結晶缶2A、2Bに順に供
給され、最終結晶缶2Bからの結晶スラリー(白下)
は、そのまま抜き出しポンプ3Pにより遠心分離機、遠
心デカンター3に供給されるようになっている。遠心デ
カンター3で分級された重液4Hは、重液槽5Aに供給
され、重液ポンプ6Aにより分離機(図示せず)に導か
れ、最終的に粗糖とされる。
【0014】一方、軽液4Lは、軽液槽5Bに供給さ
れ、軽液ポンプ6Bにより、一部は経路7を通って、第
1結晶缶2Aに対してシードマグマ8と共に供給される
とともに、残部は経路9を通ってシラップタンク10に
供給され、加熱再溶解の後、補充シラップとともにポン
プ11により第1結晶缶2Aに供給される。
【0015】結晶缶2A、2Bは適宜の形式を採用でき
るが、実施例においては、二重攪拌羽根方式(いわゆる
DP方式)のカランドリア(強制循環方式の加熱管群を
縦型に内部に有する)方式のものを用いた。第1の結晶
缶2Aからの結晶スラリーは、移行路12を通って自然
落下方式で第2の結晶缶2Bに供給される。ポンプによ
る移行でも可能である。
【0016】第1結晶缶2Aおよび第2結晶缶2Bは真
空ポンプ13により、真空下で操作され、発生ベーパー
は、蒸気ベーパー凝縮器14、たとえば縦型流下液膜式
シェルアンドチューブ型熱交換器に導かれ、スクリュー
圧縮式ヒートポンプ15および蒸発発生器16を通る冷
媒循環路17中の低圧冷媒の蒸発を図り、自らはドレン
18として凝縮する。19は膨張弁として機能する流量
可変エジェクター、20は駆動モーターである。
【0017】他方、結晶缶2A、2Bからの戻り温水
は、蒸気発生器16、たとえば縦型流下液膜式シェルア
ンドチューブ型熱交換器に供給され、スクリュー圧縮式
ヒートポンプ15により昇圧された高圧冷媒ガスの凝縮
潜熱を奪って蒸発し、結晶缶2A、2Bの加熱器2h、
2hに供給され、糖液の加熱蒸発熱源とされる。
【0018】従来においては、濃縮シラップをボイラー
スチームにより加熱蒸発して過飽和にしており、蒸発ベ
ーパーは結晶缶の上部より排出し、バロメトリックコン
デンサーにより海水で冷却凝縮していたが、上記のヒー
トポンプ方式によれば、必要なエネルギーは約1/6程
度となることが判明した。また、ボイラーの燃料として
バガスを使用する場合があるが、これを他の用途に利用
である利点もある。
【0019】さて、最終結晶缶2Bからの白下は、遠心
デカンター3により重液と軽液とに分級される。その操
作条件としては、重力加速度が50〜250G、より好
ましくは100〜200Gとされる。滞留時間は10〜
20秒が好ましい。滞留時間が20秒を超え、特に30
秒を超えると、結晶の破砕割合が多くなり、粒度分布の
広がりをもたらす。また、軽液がわに平均粒径100〜
300μm 程度の結晶を分級し、重液がわの均等数を白
下の段階より約0.5程度上げるように操作するのが適
している。したがって、遠心デカンター3はインバータ
ーなどにより回転速度を自由に変更できるようにするの
が好ましい。
【0020】本発明において、結晶缶の数をさらに増や
すことができる。好ましくは3〜4缶が好適である。結
晶缶内の攪拌機は必須ではないが、糖液の循環や均一性
を確保するために少なくとも最終結晶缶には攪拌手段も
設けるのが望ましい。また、遠心分離機としては、デカ
ンター型のものに限定されない。
【0021】(実験例)以下本発明を効果を実験例によ
り説明する。図1のシステム構成の下で粗糖を得た。機
器の構造は、第1および第2結晶缶:カランドリア形式
結晶缶,有効容量2m3,伝熱面積24m2、抜き出しポン
プ・重液ポンプ・軽液ポンプ:容積式ポンプ、遠心デカ
ンター:ロータ径250mmφ、重液槽:リボンミキサー
式、軽液槽:加熱用コイルおよび攪拌機付きである。
【0022】操作条件は次記のとおりである。 加熱スチーム圧力(mmHg) 400〜420(飽和蒸気
温度換算83〜84℃) 蒸気ベーパー圧力(mmHg) 85〜90 (飽和蒸気
温度換算48〜49℃) シラップ(Bx) 60 白下濃度(Bx) 88〜92 シード (Bx) 80〜90 シード比率(wt%) 15〜30 缶内滞留時間(hr) 3〜4 結晶生産量(kg/hr) 800〜900 かかる条件の下で、表1の各段階における平均粒径およ
び均等数を調べたところ、同表に示す結果が得られた。
ここに平均粒径とは、粒度分布解析用のR−R線図にお
ける50wt%粒径を示し、均等数は同線図上での分布線
の傾き(正接)で、数値が大きい粒度分布の幅が狭い
(粒子径が揃っている)ことを示している。同表中にお
けるFはデカンターフィード、Hはデカンター重液、L
はデカンター軽液を示す。また、備考欄のRTは結晶缶
の滞留時間を示す。
【0023】
【表1】
【0024】結果から判るように、白下の均等数はバッ
チ処理の場合に比較して均等数は良くないものの、デカ
ンターからの重液の均等数は良化しており、実用上問題
のない程度である。また、軽液をシードとする自己シー
ド運転としても、外部からシードを得るシード供給運転
と実質的な相違はない。
【0025】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、連続的
な結晶化を行うことにより、使用エネルギーの低減を図
ることができるなどの利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための設備の概要図であ
る。
【符号の説明】
1…(濃縮)シラップ、2A,2B…結晶缶、2h…加
熱器、3…遠心デカンター、3P…抜き出しポンプ、4
H…重液、4L…軽液、5A…重液槽、5B…軽液槽、
8…シード(マグマ)、12…移行路、13…真空ポン
プ、14…蒸気ベーパー凝縮器、15…ヒートポンプ、
16…蒸発発生器、17…冷媒循環路17、20…駆動
モーター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 正夫 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (72)発明者 上條 泰彦 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶缶を複数基設け、最終結晶缶と遠心分
    離機とを連結し、 シラップを第1の結晶缶に供給し、濃度の高まった結晶
    スラリーを後続の結晶缶に供給し、最終結晶缶からの結
    晶スラリーをそのまま前記遠心分離機に供給し、この遠
    心分離機において重液と軽液とに分離することを連続的
    に行い、 前記遠心分離機での重力加速度を50〜250Gとし、 前記重液を製品化し、軽液をシードとするか、再溶解し
    てシラップとすることを特徴とする製糖用連続結晶化方
    法。
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KR100783746B1 (ko) * 2006-05-19 2007-12-07 주식회사 뜨레봄 유기농 설탕 제조방법
JP5020769B2 (ja) * 2007-10-17 2012-09-05 日本甜菜製糖株式会社 ラフィノース結晶の製造方法
KR101200149B1 (ko) * 2010-05-26 2012-11-12 씨제이제일제당 (주) 갈색 설탕 제조 장치 및 갈색 설탕 제조 공정
JP5605557B2 (ja) * 2010-08-11 2014-10-15 三浦工業株式会社 ヒートポンプ式蒸気発生装置

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