JP2518998Y2 - ガス制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主としてガスこんろその他の調理器に適用さ
れるガス制御装置に関する。

（従来の技術） 従来、調理器の能力調節や運転・停止操作等を行なう
ガス制御装置に備えられガスの流量を調節するレバー
は、その回動軌跡の始端から終端まで極めて軽い操作力
で自由に回動できるようにしたものであった。

（考案が解決しようとする課題） したがって、上記従来のレバーは早い操作が可能であ
り、操作性が良い反面例えばガスこんろの能力調節を行
なう場合、レバーを急に操作して能力を急に強から弱に
絞ると、ガスの急な減少に空気が追従できず、空気が過
剰となってガスバーナが消火してしまう不都合を生じ、
またガスバーナを点・消火操作する場合、レバーを小さ
な子供でも操作することができてしまう不都合を生じ
る。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記不都合を解消しようとするものであっ
て、ガスの流量を調節するレバーを備えたガス制御装置
において、該レバーを、ベース板上に回動自在に設けた
レバー基板と該レバー基板の回動方向にはレバー基板に
対して不動であり該回動方向に対して異なる方向には可
動的にレバー基板に取付けられたレバーつまみとで構成
し、該レバーの回動軌跡の途中に該レバーつまみに当接
してレバーの回動を一旦停止させるストッパーを設け、
制止状態にあるレバーつまみをレバー基板に対して動か
すことにより該ストッパーによる該レバーの制止が解除
され、該レバーを更に回動可能としたことを特徴とす
る。

（作用） 本考案は上記構成によるもので、これによれば、例え
ば、ガス制御装置のレバーを急に操作しても能力を急に
強から弱に絞ろうとしても、レバーは途中でストッパー
により制止され、レバーつまみをレバー基板に対して動
かしてレバーの制止を解除した後でなければ能力を弱に
絞ることができないので、レバーを急に操作して能力を
急に強から弱へ絞ることができず、絞り操作時に消火す
ることがない。また例えば、レバーを小さな子供が操作
してガスバーナを点火させようとしても、レバーはスト
ッパーにより制止され、レバーつまみをレバー基板に対
して動かしてレバーの制止を解除しない限り操作を始め
ることができない。尚、上記構成によればレバーつまみ
をつまんだままで持ち替えることなくレバーの回動操作
と制止解除操作との双方を行なうことができる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図面で１はガスこんろその他の調理器を構成するガス
制御装置を示し、該ガス制御装置１の後部に、ガスバー
ナに連なるガス通路２に介入されるガス流量制御弁３の
開度を調節するガス量制御用のレバー４を軸５で軸支し
て左右に回動自在に設けた。そして軸５の近傍に位置し
てレバー４の上面に弾性線材からなる支持アーム６を渡
し、該支持アーム６の中央部を１回巻いて下方に突出さ
せたループ状の係合突子７の下端をレバー４の上面に圧
接させると共に、該レバー４の上面に適宜間隔を存して
浅い溝８を刻設しておく。このように構成することによ
り、レバー４を回動させれば回動軌跡内の各調節位置に
おいて係合突子７が溝８内に係合してレバー４の回動位
置を保持すると共にいわゆるクリック感が得られるよう
にした。

該制御弁３はその頂部から前方にのびるピン９で該レ
バー４側のピン溝10に係合され、該ピン９はその中間部
において案内筒11に形成される傾斜カム溝12内を挿通さ
れる。かくて該レバー４の左右の回動により、該カム溝
12に導かれて該制御弁３は上下動してガス流量の加減ひ
いては能力の強弱がなされるようにした。

以上は従来のものと特に異ならないが、本考案によれ
ば、該レバー４は、レバー基板14とこれに可動的に取付
けるレバーつまみ15とで構成し両者はベース板13上で一
体に回動する。該レバー４の回動軌跡の途中には該レバ
ーつまみ15に当接してレバー４の回動を一旦制止させる
ストッパー16を設け、制止状態にある該レバーつまみ15
を該レバー基板14に対して動かすことにより該ストッパ
ー16による該レバー４の制止が解除され回動可能になる
ようにした。これを具体的に説明すると、該レバーつま
み15を引っ張りばね17によりレバー基板14に固定し、該
レバーつまみ15の下端に下方に突出する突起18を設け、
前記ベース板13に前方に突出するストッパー16を設け
て、該レバーつまみ15をその左端側の能力強から右端の
能力弱に向けて回動操作したとき、回動軌跡の途中にお
いて突起18がストッパー16に当ってレバー４の回動が一
旦制止され、次いでレバーつまみ15の前端部を押し上げ
ばね17の弾撥力に抗してレバー基板14との係合部19を中
心として傾けて該突起18が点線示のようにストッパー16
の前方に変位したとき、ストッパー16によるレバー４の
制止が解除され、レバー４がさらに右端まで回動できる
ようにした。前記押し上げ時、レバーつまみ15は、引っ
張りばね17の端部17aにて制止されることにより、押し
上げ量は規制され、レバーつまみ15が必要以上に押し上
げられないようにされる。かくするときは、レバー４を
能力強から能力弱に回動操作するとき、レバー４は途中
で必ず一旦制止され、急に絞ることができないため、ガ
スバーナが消火するようなことはない。尚、レバー４を
その右端側の能力小から左端の能力大に向けて回動操作
したときは、レバーつまみ15の突起18がストッパー16に
制止されることはなく、能力弱から能力強へスムーズに
移行することができる。

尚、支持アーム６は長さ方向に内側に向って大きな引
っ張り弾性を付与れるもので、組付においては、先ず一
端の曲部20を、前記ベース板13に形成される一対の係合
孔のうち円形である一方の係合孔22に挿入し、次に他端
のＵ字形の曲部21を長円形である他方の係合孔23にベー
ス板13の側面を滑らせることにより、抜差自在に嵌合さ
せることができ、その取付けを簡単且つ容易にすること
ができる。

尚、レバー基板14に略扇形の透窓24を設け、ベース板
13の一部を切り起して設けた規制爪25を該透窓24を通し
てレバー基板14の上面に臨ませ、これによってレバー基
板14の上面を押えることで、レバー基板14の上下方向の
若干のガタを防ぐことができ、さらに該透窓24によって
左右の操作角度の規制もできる。さらに該規制爪25に上
下方向に貫通するスリットを設け、該スリットで前記支
持アーム６の係合突子７の両側を挾むようにすれば、係
合突子７の左右のガタ付きを防げて有利である。

尚、上記した実施例では、レバーつまみ15の前端を押
し上げてレバー４のストッパー16による制止を解除させ
るようにしたが、これに限るものではなく、例えば第７
図のようにレバーつまみ15の前端を矢印のように押し下
げて第８図のようにレバーつまみ15に設けたレバー基板
14を貫通する突起18を、ベース板13に設けたストッパー
16を有する透孔26の実線示の位置から点線示の位置に変
位させて、レバー４のストッパー16による制止を解除さ
せるようにしても良い。

尚、上記した全ての実施例は、他に点・消火ボタンが
あってレバー４では能力調節のみを行なう場合である
が、レバーでガスバーナの点・消火操作を行なう場合に
も勿論適用でき、この場合には、レバーの制止を解除し
なければ、回動できないようにすることができ、これに
よれば、小さな子供のいたずらによる点火を防ぐことが
できる。

（考案の効果） このように本考案によるときは、ガス制御装置のレバ
ーをその回動軌跡の途中で必ず一旦制止させ、その制止
を解除しなければ該レバーの回動操作ができないように
したので、例えばレバーで能力調節を行なう場合には、
急に能力を強から弱にしようとしても、それができず、
消火の危険を無くすことができ、またレバーで点・消火
操作を行なう場合には、小さな子供が操作しても、その
一回の操作では点火できず、小さな子供のいたずらによ
る点火を防ぐことができる等、種々の場合に有効に適用
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の要部の截断側面図、第２
図はその平面図、第３図はその正面図、第４図は第１図
のIV−IV線断面図、第５図は第１図の一部を拡大した分
解斜視図、第６図は第５図の組立状態の斜視図、第７図
は本考案の第２実施例の概略断面図、第８図はそのベー
ス板の部分の概略説明図である。 13……ベース板、14……レバー基板 15……レバーつまみ、16……ストッパー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガスの流量を調節するレバーを備えたガス
   制御装置において、該レバーを、ベース板上に回動自在
   に設けたレバー基板と該レバー基板の回動方向にはレバ
   ー基板に対して不動であり該回動方向に対して異なる方
   向には可動的にレバー基板に取付けられたレバーつまみ
   とで構成し、該レバーの回動軌跡の途中に該レバーつま
   みに当接してレバーの回動を一旦制止させるストッパー
   を設け、制止状態にあるレバーつまみをレバー基板に対
   して動かすことにより該ストッパーによる該レバーの制
   止が解除され、該レバーを更に回動可能としたことを特
   徴とするガス制御装置。