JP2516963B2 - 土壌のpH調整剤 - Google Patents

土壌のpH調整剤

Info

Publication number
JP2516963B2
JP2516963B2 JP62069148A JP6914887A JP2516963B2 JP 2516963 B2 JP2516963 B2 JP 2516963B2 JP 62069148 A JP62069148 A JP 62069148A JP 6914887 A JP6914887 A JP 6914887A JP 2516963 B2 JP2516963 B2 JP 2516963B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
acid
sulfuric acid
lignite
coal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62069148A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63235391A (ja
Inventor
長谷川  功
英久 佐藤
政敏 吉田
敬 河辺
政洋 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Metals and Chemical Co Ltd
Original Assignee
Japan Metals and Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Metals and Chemical Co Ltd filed Critical Japan Metals and Chemical Co Ltd
Priority to JP62069148A priority Critical patent/JP2516963B2/ja
Publication of JPS63235391A publication Critical patent/JPS63235391A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2516963B2 publication Critical patent/JP2516963B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、土壌のpHを作物の生育にとって好適になる
ように調整するいわゆるpH調整剤に関し、特に取扱いの
面で危険を伴うことなしに、土壌のpHを少量でしかも効
果的に低下させようとするものである。
(従来の技術) 土壌のpHは、作物の生育に関与する土壌中の多くの因
子に大きな影響を及ぼす。例えば、pHによって養分元素
の溶解度が異なるために、作物への可給度合いが異なる
ことや、土壌微生物の活動が異なることなどである。ま
た、作物自体にもその生育に好適なpHの範囲がある。
ところで我が国の耕地は、元来、火山灰土壌が多く、
しかも温暖多雨という気象条件も手伝って、酸性土壌が
広く分布しているが、酸性土壌では一般に作物の生育が
極めて悪いことから、かような酸性の矯正が土壌改良の
重要な項目の一つとされ、そのために年間約100万トン
の石灰質肥料、さらにはそれ以外にも約150万トンの塩
基性肥料が毎年使用されている。
しかし、最近では、こうした塩基性肥料の多投が原因
で、わが国の耕地土壌のpHが次第に上昇してきているこ
とが指摘されており、一部の地域やハウス施設土壌など
では土壌が中性〜アルカリ性化して問題となっている。
しかし、上述したようにpHを高める資材は種類・量と
もたくさんあるけれども、pHを低下させる資材はほとん
どないのが現状である。
ただし、水稲の育苗用床土については、出願人会社が
特開昭49−91853号公報において、亜炭を硝酸で酸化分
解して得られたニトロフミン酸を用いてpHを調節する方
法を提案している。
その後、酸性石膏や硫酸、硫酸第一鉄、硫黄華などを
用いる方法も提案されているが、これらとてその適用対
象は、あくまでも育苗用床土のpH調整に限られていて、
一般の圃場のように面積が広く、作土層全体では膨大な
土壌量となるような場合は、かような資材の添加による
pHの引き下げは難しい。従って、従来、実際に土壌のpH
を下げようとすればpHの低い土壌の客土や深耕など、土
木工事的な手法によるしかなかったのであるが、これら
は実行が難しいのが実情である。
(発明が解決しようとする問題点) 土壌のpHを低下させるためには、酸性物質を混合すれ
ばよく、とくに育苗用床土のように限られた土壌の場合
には、硫酸のごとき鉱酸を水で希釈して混合することで
pHを低下させ得ることは前述したとおりである。しか
し、これとて硫酸の取扱い上の危険性や加え過ぎによる
pHの下がり過ぎなど、実施上の問題が指摘されている。
一方、硫酸華などでは、添加混合した後、長期間経過し
ないとpHが低下しないため、適正なpHになるように調節
するのは極めて難しく、なかなか実用化しにくい点があ
る。まして、pHの上昇が指摘されているハウスなどの施
設土壌や一般の畑土壌などのような場合は、散布し耕す
だけでpHを低下させるような資材はなく、かといって土
木工事的な手法では労力、時間、経費がかかって実行し
がたいことから、適当なpH低下資材の出現が待望されて
いた。
本発明は、上記の要望に有利に応じるもので、少量の
施用で効果的にpHを低下させることができるだけでな
く、場合によっては表層に散布するだけでも浸透してpH
を低下させることができ、しかもかりに多量に施用した
としても植物に害を与えることがなく、そのうえ取扱い
上も危険性のない土壌のpH調整剤を提案することを目的
とする。
(問題点を解決するための手段) さて、本発明者らは、少量でpHを低下させるためには
強酸である鉱酸が有効と考え、まず種々の鉱酸の使用に
ついて検討した。しかし、やはり鉱酸は取扱い上極めて
危険性が大きいだけでなく、そのままでは適性量を土壌
に混合することが難しいことを再認識した。そこで次
に、これらを適当に水で希釈し、有機物の粉体に含浸さ
せることを試みた。
その結果、 i)有機物としては、石炭、褐炭、亜炭、泥炭および草
炭などの石炭類が最も適していること、 ii)また含浸すべき鉱酸としては、硝酸は上記の有機物
と反応してフミン酸を生成する一方、自らは分解して窒
素ガスとなって揮散し、硝酸によるpH低下は期待でき
ず、(生成するフミン酸によるpH低下は期待できるが、
鉱酸より弱い)目的には適さず、硫酸および燐酸が適当
であること、 iii)そして両者を混合した場合に、鉱酸は有機物中に
均一含浸合し、しかも混合物は土壌とよく混和して効果
的に土壌のpHを下げ得ること、 の知見を得たのである。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち本発明は、石炭類の粉砕物に硫酸または燐酸
を含浸させてなる土壌のpH調整剤である。
本発明において、石炭類とは、石炭、褐炭、亜炭、泥
炭および草炭のうちから選んだ一種または二種以上を指
す。
また本発明において、硫酸または燐酸を含浸させる場
合、かかる鉱酸が高濃度のままでは取扱いが困難である
ほか、有機物粉体と均一に混合させることが難しいの
で、濃度で10〜50%、好ましくは10〜30%程度に水で希
釈して使用するのが望ましく、さらにかかる鉱酸の有機
物粉体に対する含浸割合は5〜60wt%、好ましくは10〜
30wt%程度とするのが望ましい。
さらにとくに硫酸を使う場合、濃硫酸に水を加える
と、強烈な溶解発熱で熱希硫酸ができるので、ただちに
有機物粉体に混合混練して反応させ、さらにこれを乾燥
のために加熱すると、添加した硫酸の一部がスルフォン
基となって有機物に付加するが、かようなスルフォン化
炭は後述するとおり、単にpH低下作用に優れるだけでな
く、土壌の緩衝能や陽イオン交換容量を高める働きもあ
るのでとりわけ有利である。なお、スルフォン化のため
には加熱時に加圧処理を併用することがより効果的であ
る。
上記のようにして調製したスルフォン化炭を含む鉱酸
含有有機物粉体(以下単に酸性炭と呼ぶ)は、その使用
時の取扱いが容易なように造粒することもできる。かか
る粒状品は、散布後、吸水して崩壊し元の粉体にもどる
ものであることが望ましい、また、粒状化に際して、粒
状化促進材を添加することも可能であるし、さらに水分
調節のため、鉱酸と反応しない無機物を混合することも
できる。
(作 用) 上記の酸性炭は、土壌に散布後、含有されている硫酸
や燐酸が溶け出し、土壌中の石炭、苦土、加里などの塩
基性成分と反応してpHを低下させる。特に水溶液の硫酸
や燐酸は下層へも浸透し、下層土のpHを下げる働きもす
る。また、燐酸を使用したものについては、その燐酸が
肥料として効果を現す。
ここに硫酸を用いたスルフォン化炭の場合は、有機物
粉体に含浸されている遊離の硫酸は直ちにpH低下に寄与
するが、中和反応して塩となってしまったものは、それ
以上反応しないし、未反応の遊離硫酸は降雨やかんがい
水によって流亡してしまうけれども、有機物に付加され
たスルフォン基はイオン交換体として土壌中に留まり、
土壌のpH低下を維持するとともに、土壌の緩衝能を高め
る働きや、陽イオン交換容量を高めることとなる。な
お、燐酸の場合は、有機物とは反応しないので、前者の
みのpH調製可能となるが、一方では燐酸は作物の養分と
して吸収され、その生育を良好にする。
こうした酸性炭は粒状に造粒しておけば散布も容易
で、手撒きでも機械散布でもよく、単に土壌表面に散布
しておくだけで、降雨やかんがい水で浸透しpHを低下さ
せることができるが、散布後、耕して土壌とよく混合す
ると一層速くpHを矯正することができる。従って、ハウ
スなどの施設土壌や一般の畑でも効果があげられる。
なおこの資材は、水稲の育苗用床土のpHを低下させる
ことにも使用できるのはいうまでもない。また、最近、
畜産公害として問題になっている家畜糞尿の堆肥化の
際、これに添加するとアンモニアの発生を抑えるととも
に、pHを適性に保ち、水分調節になることから発酵し易
くなり、堆肥化を早めることにも使用できる。
〔実施例〕
実施例−1 石炭、亜炭を粉砕して得た粉体それぞれに、濃度が15
〜30%の燐酸を5wt%から50wt%までの種々の割合で添
加し、ニーダーで混練後、造粒機で粒状に造粒し乾燥し
て製品を得た。
かくして得られた製品のpHおよび製品化の状態につい
て調べた結果を下表1に示す。
同表より明らかなように、本発明に従い得られた製品
はいずれもpHの低い酸性炭であり、しかも粒状物化も容
易であった。
実施例−2 北海道サロベツ産の草炭粉体と美唄産の泥炭粉体とを
有機物原料とし、これらにそれぞれ10〜30%の硫酸と燐
酸を10〜30wt%の範囲で添加して製品とした。
かくして得られた酸性炭のpH測定結果を次表2に示
す。
実施例−3 亜炭の粉砕品を原料とし、これに濃硫酸を用い、濃度
が15〜30%となるように水を加えて希釈し、溶解熱でこ
の希硫酸が熱いうちに粉炭と混合し、ニーダーでよく混
練した。ついで造粒機で造粒した後、熱風で乾燥し製品
とした。かくして得られた製品のpHおよびスルフォン化
率について調べた結果を表3に示す。なおスルフォン化
率の測定にあたっては、スルフォン化炭を50倍量の水で
水洗し、その残渣のイオウを分析して原料炭との差を付
加されたスルフォン基としてスルフォン化率を求めた。
同表より明らかなように添加した硫酸の約36%がスル
フォン基として、亜炭粉に付加されていた。
次に、上記のようにして得られたNo.1〜3の各発明品
につき、土壌のpHを下げる能力について調査した。なお
土壌としては、沖積土壌砂壌土で原土のpHが6.18のもの
を用い、それに本発明品(No.1〜3)をそれぞれ0.5
%、1%、2%、4%、6%添加し、その後pHを測定し
た。
得られた結果を表4に示す。
また、このpHを下げた土壌を炭カルを用いてpHを6.5
に戻したのち、その土壌に小松菜の種子を播種して、そ
の発芽率を測定し、本発明品の植物に対する有害作用の
有無について検討した。その結果、次表5に示したとお
り、いずれも発芽率は無添加土壌とかわりなく、安全性
が高いことが確認された。
し、本発明品(No.1)を施用しpHを6.5に下げて白菜
(品種:千両)を栽培した結果を次表6に示す。
同表より明らかなように、本発明品でpHを調整した区
域は、無施用区域に比べて、生育調査および収量調査と
も格段に優れていた。
(発明の効果) かくして本発明によれば、比較的少ない量で、しかも
安全かつ的確に土壌のpHを下げることができる。
また容易に粒状品とできることから散布しやすく、土
壌と混和することでpHを下げ、作物の生育に適した土壌
環境を提供することが可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石炭類の粉砕物に、濃度がそれぞれ10〜50
    %である硫酸または燐酸のいずれかを、前記粉砕物に対
    して5〜60wt%に当たる量を含浸させてなる土壌のpH調
    整剤。
  2. 【請求項2】石炭類が、石炭,褐炭,亜炭,泥炭および
    草炭のうちから選んだ1種または2種以上である特許請
    求の範囲第1項記載のpH調整剤。
JP62069148A 1987-03-25 1987-03-25 土壌のpH調整剤 Expired - Lifetime JP2516963B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62069148A JP2516963B2 (ja) 1987-03-25 1987-03-25 土壌のpH調整剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62069148A JP2516963B2 (ja) 1987-03-25 1987-03-25 土壌のpH調整剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63235391A JPS63235391A (ja) 1988-09-30
JP2516963B2 true JP2516963B2 (ja) 1996-07-24

Family

ID=13394289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62069148A Expired - Lifetime JP2516963B2 (ja) 1987-03-25 1987-03-25 土壌のpH調整剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2516963B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2752571B1 (fr) * 1996-08-26 1998-12-11 Bozec Robert Epuration valorisation des lisiers
CN104610974B (zh) * 2015-02-05 2017-10-10 甘肃西部凹凸棒石应用研究院 一种盐碱地土壤调理剂制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63235391A (ja) 1988-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2882825B1 (en) . product and process for the intensification of plant cultivation and increase plant fertillity
WO2000044688A1 (en) Organic compost and process of making
CN104610974A (zh) 一种盐碱地土壤调理剂制备及使用方法
JP2006527161A (ja) 肥料組成物
CN105906386A (zh) 一种玉米秸秆制备盐碱土改良剂及制备方法
RU2629215C1 (ru) Удобрение и способ его получения
KR100401247B1 (ko) 무발효 퇴비, 유기질 비료 및 그의 제조방법
Bundan et al. Ammonia volatilization from urea at different levels of zeolite
CN110662732A (zh) 稳定的腐殖质-储水物混杂物
JP2516963B2 (ja) 土壌のpH調整剤
RU2713692C1 (ru) Способ приготовления кремнийорганического удобрения
CN107032875A (zh) 耐酸、保水林业用化肥及助剂
SU1569335A1 (ru) Состав дл химической мелиорации почв легкого механического состава
US976793A (en) Fertilizer.
Wilson Tomato production in bark substrates
RU2346917C2 (ru) Органоминеральное удобрение на основе торфа
Patel et al. Effect of moisture regimes, FYM and levels of P carriers on phosphorus fractions status of loamy sand in laboratory condition
RU2729390C1 (ru) Способ получения органоминерального удобрения
Tripathi et al. Soil Conditioners: Substances That Enhance the Physical Properties of Soil
KR102576821B1 (ko) 리그닌, 휴믹산 또는 이들의 철 복합체를 유효성분으로 함유하는 메탄가스 발생 저감용 조성물
RU2529174C1 (ru) Способ компостирования послеуборочных растительных остатков сельскохозяйственных культур
KR102660374B1 (ko) 친환경 부숙재의 제조방법 및 이를 이용한 부숙방법
KR0154320B1 (ko) 오니, 채종유박 및 고토석회를 이용한 과립형 유기질 비료 및 그의 제조방법
RU2676710C1 (ru) Удобрение и способ его получения
El-Maghraby et al. Ameliorating calcareous soil properties and agriculture methods for achieving the sustainable agriculture aspect

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term