JP2516467B2 - 木材乾燥装置 - Google Patents

木材乾燥装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は木材乾燥装置に関し、特に伐採した木材や竹
材を含有水分の安定した乾燥木材や乾燥竹材に短期間で
転化させるための木材乾燥装置に係るものである。な
お、本明細書において、木材と竹材を併記する場合以外
は、用語「木材」には竹材が含まれる。
〔従来の技術〕
一般に、伐採したままの木材は、水分を多量に含有し
ており、また昆虫やその卵等が付着しているため、乾燥
処理と共に薬剤処理をして殺虫・殺卵を行ったものを建
材や家具用材として商品化されるのが普通であった。
従来、こうした木材の乾燥は自然乾燥の手段がとられ
ていたので、３〜５年という長期間に亘って木材の積み
替えなどの作業を行いながら放置しておく必要があり、
その結果、資金の回転効率が悪いばかりでなく、新たな
害虫の発生等のおそれもあった。
そこで、木材を短期間で急速に乾燥する方法が種々提
案されている。例えば、木材を真空乾燥する方法や、木
材を収容した乾燥室内に熱風を送って乾燥する方法等が
実施されている。
しかし、このような急速乾燥方法によって得られた木
材は、従来の自然乾燥法による乾燥木材と同様に割れを
生じたり、また水分の再吸収により歪みを生ずるなどの
問題点はそのまま残されていた。
これに対して、かかる問題点を改良する木材乾燥法と
して、木材を収容した乾燥室内に、木材等の燃料を燃焼
させて得た燃料ガスを直接導入し、この燃料ガスの温度
とこの中に含まれる各種の煙成分との協働作用によって
乾燥と殺虫、殺卵とを同時に行ない、薬剤処理を省略す
ると共に歪みの発生しにくい乾燥木材を得る方法が提案
されている。
上記従来の木材乾燥方法として、例えば、特開昭59−
129373号公報、特開昭60−103281号公報、あるいは実開
昭62−105490号公報明細書には、木材を収容した処理室
内に燃焼ガスを導入して木材を乾燥させると共に、この
燃焼ガスを発生させるための燃焼に必要な空気を、上記
処理室の下部に冷風として通過させる方法が提案され、
又、この方法を実施するための装置も開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来の方法や装置では、高温の燃
焼ガスが充満している処理室の下部を冷風が通過するた
め、処理室内の上部の熱風と下部の冷風により木材の乾
燥温度のバラツキが生じ易くて品質不均一となり、また
処理効率が低下する等の問題点があるばかりでなく、高
温の燃焼ガスに新鮮空気が接触することにより処理室内
で発火の事態を招くおそれがある等の問題点があった。
そこで本発明は、木材を温度の高い燃焼ガスによって
乾燥するにあたって、上記従来の問題点を解決して、多
量の木材を効率よく均質に、しかも完全に乾燥すること
ができる木材乾燥装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の木材乾燥装置は、
外気が流入しないように密閉された木材収容室と、該木
材収容室に隣接して設けられると共に底部に燃焼室を形
成した燃焼ガス発生炉と、該燃焼室に外部の新鮮な燃焼
用空気を導入すると共に導入空気量を制御するダンバー
を備えた燃焼用空気導入路と、上記燃焼ガス発生炉の上
部から上記木材収容室の上部に通ずる燃焼ガス供給路
と、上記木材収容室の底部であって該ガス供給路とは遠
い位置に形成されたガス排出路と、該ガス排出路に接続
された煙突と、該木材収容室の地下に形成されて、木材
収容室中の燃焼ガスの一部を回収すると共に該回収した
燃焼ガスを上記燃焼ガス発生炉に循環せしめるガス回収
路と、該ガス回収路または上記ガス排出路の少なくとも
何れか一方に設けられたファン及び／又はダンパーから
成るガス流量制御装置と、から構成されることを特徴と
する。
上記ガス回収路から回収した燃焼ガスは、上記燃焼ガ
ス発生炉に直接に導かれてもよいが、上記ガス回収路を
上記燃焼用空気導入路に接続して燃焼ガス発生炉に導い
てもよい。
〔作用〕
上記構成を有する本発明の木材乾燥装置において、燃
焼ガス発生炉の底部の燃焼室内で木材屑などを、該燃焼
室に接続された燃焼用空気導入路から導入される新鮮空
気により燃焼させると、煙成分を含む燃焼ガスが燃焼ガ
ス供給路を通して木材収容室の上部に流入する。
高温の燃焼ガスは、木材収容室内に積み込まれた木材
の間を通り、木材を加熱乾燥させながら下方へ流れて木
材収容室の底部から、ガス排出路を通って煙突から大気
中へ放出される。
また、上記木材収容室内の燃焼ガスの一部は、上記ガ
ス回収路により回収されて上記燃焼ガス発生炉に循環さ
れ、燃焼用空気導入路から導入された新鮮な燃焼用空気
と一緒になり、上記燃焼室内での燃焼状態を調整するの
に役立つ。
燃焼室内の燃焼が調整される結果、燃焼ガスの温度が
高くなり過ぎないように制御され、しかも、燃焼ガス中
の酸素含有量が殆ど零となって、木材を効率よく均一に
乾燥することができる。更には、木材を乾燥する際に発
生する水分や揮発性成分などを、すべて煙突から直接に
大気中に放出させることなく、一旦、燃焼室内で分解燃
焼させた後に放出することによって、大気汚染を軽減せ
しめると同時に経済性に高めることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の木材乾燥装置の一実施例を図面を参照
しながら説明する。
図において、１は、乾燥すべき木材を積み込んだ状態
で収容し、外気が流入しないように密閉される木材収容
室であり、該木材収容室１に隣接して燃焼ガス発生炉２
が設けられている。これらの木材収容室１と燃焼ガス発
生炉２の上部は、燃焼ガス供給路３によって連通してい
る。
上記燃焼ガス発生炉２の底部には、廃木材などの燃料
を投入して燃焼させる燃焼室21が形成されている。該燃
焼室21には、外部からの新鮮な空気を導入する燃焼用空
気導入路４が接続されている。該燃焼用空気導入路４の
開口端部は大気中に直接開口し、外部からの導入空気量
を制御するためのダンパー41が設けられている。
上記木材収容室１の地下にはガス回収路５が形成され
ている。該ガス回収路５は、木材収容室１の底部の複数
個所に開口して木材収容室１内の燃焼ガスの一部を回収
すると共に、上記燃焼用空気導入路４に接続されてい
る。
上記ガス回収路５の途中には、上記木材収容室１内の
燃焼ガスを回収して上記燃焼用空気導入路４へ送出する
ためのファン51と、その回収ガス量を制御するためのダ
ンパー52とが設けられている。
また、上記木材収容室１の底部であって、しかも上記
燃焼ガス供給路３とは最も遠い位置に、ガス排出路６が
接続され、煙突７に通じている。
上記ガス排出路６の途中には、煙突７から大気中に排
出される燃焼ガスの排出量を調節するためのダンパー61
が設けられている。
以上のように構成された木材乾燥装置において、台車
などに積載した木材を木材収容室１の中に搬入した後、
扉を閉じて外気が流入しないように密閉し、次いで、燃
焼室21内に投入した燃料に着火すると、上記燃料ガス発
生炉２内に燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスは、燃焼
ガス発生炉２の上部から燃焼ガス供給路３を経て上記木
材収容室１の上部に流入する。
この際、上記ガス排出路６のダンパー61を閉じておく
と、木材収容室１内が上部から高温の燃焼ガスで満たさ
れるにつれて、該木材収容室１内に存在していた空気は
ガス回収路５を通じて燃焼用空気導入路４から燃料ガス
発生炉２に循環される。この空気の循環は、上記木材収
容室１内が総て燃焼ガスで満たされるまで継続される。
こうして木材収容室１内に存在していた空気が燃焼ガ
ス発生炉２で高温の燃焼ガスに転化されるにつれて、木
材収容室１内の雰囲気は高温となると共に、酸素濃度が
低下する。酸素濃度が低い燃焼ガスが燃焼室21内に循環
されると、該燃焼室21内の燃焼速度が遅くなり、燃焼ガ
スの温度が低下する。その結果、木材収容室１内の温度
も上昇しなくなる。
この時にガス排出路６のダンパー61を少し開いて木材
収容室１内の燃焼ガスの一部をガス排出路６から煙突７
を通じて大気中へ逃がすようにすると、その燃焼ガスの
排出量に対応する量の新鮮な空気が上記燃焼用空気導入
路４から吸入されて、燃料の燃焼速度が遅くなり過ぎな
いように制御される。
この際、ファン51及びダンパー52を使用して、木材収
容室１内の燃焼ガスをガス回収路５を通じて燃焼用空気
導入路４に強制的に循環させることにより、燃焼用空気
導入路４から燃焼室21に供給される新鮮な空気が希釈さ
れ、その結果、燃焼室21内の酸素濃度が低く維持され
る。
このように、高温で低酸素濃度の均一な雰囲気で満た
された木材収容室１内では、効率の良い木材乾燥が行わ
れるうえに、木材から発生するガスは、その大部分がガ
ス回収路５から燃焼室21に循環されて分解燃焼されるか
ら、煙突７から大気中に放出されるガスによる環境汚染
は著しく軽減される。
なお、上記実施例では、ガス排出路６が木材収容室１
の底部に直接接続している場合について説明したが、ガ
ス排出路６の一部がガス回収路５の一部と共通であって
もよい。この場合、ガス排出路６がガス回収路５の途中
から分岐するように構成されていても差し支えない。
また、本発明の木材乾燥装置において、ガス流量制御
装置としてファンとダンパーの組み合わせ又はダンパー
を用いるが、ファンのみを用いて、その回転数を制御す
ることにより流量制御を行ってよい。
〔発明の効果〕
１）木材収容室の地下にガス回収路を形成して、該木材
収容室内の燃焼ガスの一部を回収すると共に燃焼ガス発
生炉に循環せしめ、さらに、該ガス回収路またはガス排
出路の少なくとも何れか一方に設けられたファン及び／
又はダンパーから成るガス流量制御装置を設けて上記循
環ガス量を制御するように構成したので、木材収容室内
の酸素濃度の変動を防止すると同時に温度分布の均一化
を促進することができ、品質の揃った乾燥木材を高能率
かつ高収率で生産することができる。
２）燃焼ガス発生炉から燃焼ガス供給路を通じて導入さ
れる燃焼ガスが充満している木材収容室が、外気が流入
しないように密閉されているため、該木材収容室内で高
温の燃焼ガスと冷たい外気が混在することがなく、その
結果、木材を均質かつ効率的に乾燥することができると
共に、発火のおそれがなく安全に乾燥処理することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
図は、本発明に係る木材乾燥装置の一実施例を示す概念
図である。 １……木材収容室、２……燃焼ガス発生炉、21……燃焼
室、３……燃焼ガス供給路、４……燃焼用空気導入路、
41……ダンパー、５……ガス回収路、51……ファン、52
……ダンパー、６……ガス排出路、61……ダンパー、７
……煙突

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】外気が流入しないように密閉された木材収
    容室と、該木材収容室に隣接して設けられると共に底部
    に燃焼室を形成した燃焼ガス発生炉と、該燃焼室に外部
    の新鮮な燃焼用空気を導入すると共に導入空気量を制御
    するダンバーを備えた燃焼用空気導入路と、上記燃焼ガ
    ス発生炉の上部から上記木材収容室の上部に通ずる燃焼
    ガス供給路と、上記木材収容室の底部であって該ガス供
    給路とは遠い位置に形成されたガス排出路と、該ガス排
    出路に接続された煙突と、該木材収容室の地下に形成さ
    れて、木材収容室中の燃焼ガスの一部を回収すると共に
    該回収した燃焼ガスを上記燃焼ガス発生炉に循環せしめ
    るガス回収路と、該ガス回収路または上記ガス排出路の
    少なくとも何れか一方に設けられたファン及び／又はダ
    ンパーから成るガス流量制御装置と、から構成されるこ
    とを特徴とする木材乾燥装置。
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