JP2515519B2 - 液晶素子の製造法 - Google Patents

液晶素子の製造法

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JP2515519B2 JP61266748A JP26674886A JP2515519B2 JP 2515519 B2 JP2515519 B2 JP 2515519B2 JP 61266748 A JP61266748 A JP 61266748A JP 26674886 A JP26674886 A JP 26674886A JP 2515519 B2 JP2515519 B2 JP 2515519B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、液晶表示素子や液晶−光シャッタ等で用い
る液晶素子に関するものである。
[開示の概要] 本明細書及び図面は、電圧無印加時に第1の配向状態
と第2の配向状態とを生じる、即ち、非螺旋配設構造を
なす様に配置されたカイラルスメクティック液晶を用い
た液晶素子において、電圧無印加時の一方の配向状態の
平均分子軸方向を基準として、電圧無印加時の他方の配
向状態がより明るい状態を生じる方向に所定の角度θだ
け偏光子の透過軸(または吸収軸)をクロスニコルを保
ったままずらせて配置することによって、コントラスト
をそれ程低下させることなく、より大きな透過光強度が
得られる技術を開示するものである。
[従来の技術] 従来より、走査電極群と信号電極群をマトリクス状に
構成し、その電極間に液晶化合物を充填し多数の画素を
形成して、画像或いは情報の表示を行う液晶表示素子
は、よく知られている。この種の表示素子の駆動法とし
ては、走査電極群に順次周期的にアドレス信号を選択印
加し、信号電極群には所定の情報信号をアドレス信号と
同期させて並列的に選択印加する時分割駆動が採用され
ているが、この表示素子及びその駆動法には以下に述べ
る如き致命的とも言える大きな欠点がある。
即ち、画素密度を高く、或いは画面を大きくするのが
難しいことである。従来の液晶の中で応答速度が比較的
高く、しかも消費電力が小さいことから、表示素子とし
て実用に供されているのは殆んどが、例えばム“アプラ
イド・フィジクス・レターズ("Applied Physics Lette
rs")1971年,18(4)号127〜128頁に掲載のM.シャット
(M.Schadt)及びW.ヘルフリク(W.Helfrich)共著“ボ
ルテージ・ディペンダント・オプティカル・アクティビ
ティー・オブ・ア・ツイステッド・ネマチック・リキッ
ド・クリスタル”("Voltage Dependent Optical Activ
ity of a Twisted Nematic Liquid Crystal")に示され
たTN(twisted nematic)型の液晶を用いたものであ
り、この型の液晶は、無電界状態で正の誘電異方性をも
つネマティック液晶の分子が液晶層厚方向で捩れた構造
(ヘリカル構造)を形成し、両電極間でこの液晶の分子
が平行に配列した構造を形成している。一方、電界印加
状態では、正の誘電異方性をもつネマティック液晶が電
界方向に配列し、この結果光学変調を起こすことができ
る。この型の液晶を用いてマトリクス電極構造によって
表示素子を構成した場合、走査電極と信号電極が共に選
択される領域(選択点)には、液晶分子を電極面に垂直
に配列させるに要する閾値以上の電圧が印加され、走査
電極と信号電極が共に選択されない領域(非選択点)に
は電圧は印加されず、液晶分子は電極面に対して平行な
安定配列を保っている。
このような液晶セルの上下に互いにクロスニコル関係
にある直線偏光子を配置することにより、選択点では光
が透過せず、非選択点では光が透過するため、画像素子
とすることが可能となる。しかしながら、マトリクス電
極構造を構成した場合には、走査電極が選択され、信号
電極が選択されない領域、或いは走査電極が選択され
ず、信号電極が選択される領域(所謂“半選択点”)に
も有限に電界がかかってしまう。従って選択点にかかる
電圧と、半選択点にかかる電圧の差が充分に大きく、液
晶分子を電界に垂直に配列されるのに要する電圧閾値が
この中間の電圧値に設定されるならば、表示素子は正常
に動作するわけであるが、走査線数(Nを増やして行っ
た場合、画面全体(1フレーム)を走査する間に一つの
選択点に有効な電界がかかっている時間(デューティ
比)が1/Nの割合で減少してしまう。このために、繰り
返し走査を行った場合の選択点と非選択点にかかる実効
値としての電圧差は、走査線数が増えれば増える程小さ
くなり、結果的には画像コントラストの低下やクロスト
ークが避け難い欠点となっている。このような現象は、
双安定性を有さない液晶(電極面に対し、液晶分子が水
平に配向しているのが安定状態であり、電界が有効に印
加されている間のみ垂直に配向する)を時間的蓄積効果
を利用して駆動する(即ち、繰り返し走査する)ときに
生ずる本質的には避け難い問題点である。この点を改良
するために、電圧平均化法、2周波駆動法や、多重マト
リクス法等が既に提案されているが、いずれの方法でも
不充分であり、表示素子の大画面化や高密度化は、走査
線数が充分に増やせないことによって頭打ちになってい
るのが現状である。
一方、プリンタ分野を眺めて見るに、電気信号を入力
としてハードコピーを得る手段として、画素密度の点か
らもスピードの点からも電気画像信号を光の形で電子写
真感光体に与えるレーザービームプリンタ(LBP)が現
在最も優れている。ところがLBPには、 1.プリンタとして装置が大型になる。
2.ポリゴンスキャナの様な高速の駆動部分があり、騒音
が発生し、また厳しい機械的精度が要求される。
などの欠点がある。この様な欠点を解消すべく電気信号
を光信号に変換する素子として、液晶シャッタアイレイ
が提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、液晶シャッタアレイを用いて画素信号
を与える場合、たとえば210mmの長さの中に画素信号を1
6dot/mmの割合で書き込むためには、3000個以上の信号
発生部を設ける必要があり、それぞれに独立した信号を
与えるためには元来それぞれの信号発生部全てに信号を
送るリード線を配線しなければならなかった。
そこで、1ライン分の画素信号を数行に分割された信
号発生部により、時分割して与える試みがなされてい
る。この様にすれば、信号を与える電極を、複数の信号
発生部に対して共通にすることができ、実質配線を大幅
に軽減することができるからである。ところが、この場
合、上述したように双安定性を有さない液晶を用いて行
数(N)を増して行くと、信号ONの時間が実質的に1/N
となり、感光体上で得られる光量が減少してしまった
り、クロストークの問題が生ずるという難点がある。
本発明は上記従来例における問題点を解決した新規な
液晶素子を提供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成すべく成された本発明は、間隔を置い
て互いに対向配置され、該間隔のスメクチックA相の液
晶を一方向に配向させる配向処理が施された表面をもつ
一対の基板及び、該一対の基板間に前記スメクチックA
相から冷却され、そして電圧無印加時に第1の配向状態
と第2の配向状態とを生じる様に非螺旋配列構造をなし
て配置されたカイラルスメクティック液晶を有する液晶
素子に、クロスニコル関係の偏光子と検光子とからなる
光学検知手段を配置する工程を有する液晶素子の製造法
において、前記光学検知手段を配置する工程は、電圧無
印加時の前記第1の配向状態が最も暗い状態を表示する
時の偏光子の透過軸(または吸収軸)を基準として、電
圧無印加時における前記第2の配向状態がより明るい状
態を表示する方向に偏光子の透過軸を角度θ(但し、0
°<θ≦45°−θ′:θ′は、前記第1の配向状態及び
前記第2の配向状態がそれぞれ最暗状態を表示する様に
偏光子を配置した時の偏光子の透過軸(または吸収軸)
相互のなす角度である)だけずらす工程を有することを
特徴とするものである。
本発明の液体素子で用いる液晶材料として、特に適し
たものは、カイラルスメクティック液晶であって、強誘
電性を有するものである。具体的にはカイラルスメクテ
ィックC相(SmC*)、カイラルスメクティックG相(Sm
G*)、カイラルスメクティックF相(SmF*)、カイラル
スメクティックI相(SmI*)又はカイラルスメクティッ
クH相(SmH*)の液晶を用いることができる。その強誘
電性液晶の詳細については、“ルー・ジュールナル・ド
・フィジーク・ルテール”("LE JOURNAL DE PHYSIOUE
LETTERS")1975年,36(L−69)号に掲載の「フェロエ
レクトリック・リキッド・クリスタルク」(Ferroelect
ric Liquid Crystals」);“アプライド・フィジック
ス・レターズ”("Applied physics Letters")1980年,
36(11)号に掲載の「サブミクロ・セカンド・バイステ
イブル・エレクトロオプティック・スイッチング・イン
・リキッド・クリスタルス」(「Submicro Second Bist
able Electrooptic Switching in Liquid Crystal
s」);“固体物理"1981年,16(141)号に掲載の「液
晶」等に記載されていて、本発明ではこれらの開示され
た強誘電性液晶を用いることができる。
強誘電性液晶化合物の具体例としては、デシロキシベ
ンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブチルシンナメ
ート(DOBAMBC)、ヘキシルオキシペンジリデン−p′
−アミノ−2−クロロプロピルシンナメート(HOBACP
C)、4−o−(2−メチル)−ブチルレゾルシリデン
−4′−オクチルアニリン(MBRA8)が挙げられる。特
に、好ましい強誘電性液晶としては、これより高温側で
コレステリック相を示すものを用いることができる。
これらの材料を用いて素子を構成する場合、液晶化合
物が所望の相となるような温度状態に保持する為、必要
に応じて素子をヒーターが埋め込まれた銅ブロック等に
より支持することができる。
第10図は、強誘電性液晶の動作説明のために、セルの
例を模式的に描いたものである。以下、所望の相として
SmC*を例にとって説明する。
11と11′は、In2O3、SnO2あるいはITO(Indium-Tin O
xide)等の薄膜からなる透明電極で被覆された基板(ガ
ラス板)であり、その間に液晶分子層12がガラス面に垂
直になるよう配向したSmC*,SmH*,SmF*,SmI*,SmG*
どのカイラルスメクティック相の液晶が封入されてい
る。太線で示した線13が液晶分子を表わしており、この
液晶分子13は、その分子に直交した方向に双極子モーメ
ント(P)14を有している。基板11と11′上の電極間
に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子13のら
せん構造がほどけ、双極子メーメント(P)14がすべ
て電界方向に向くよう、液晶分子13は配向方向を変える
ことができる。液晶分子13は、細長い形状を有してお
り、その長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を示し、従
って例えばガラス面の上下に互いにクロスニコルの偏光
子を置けば、電圧印加極性によって光学特性が変わる液
晶光学素子となることは、容易に理解される。
本発明の液晶素子に用いられる液晶セルは、その厚さ
(両基板の間隔)を充分に狭く(例えば10μ以下)して
配置したものである。このように液晶層が薄くなるにし
たがい、第11図に示すように電界を印加していない状態
でも液晶分子のらせん構造がほどけ、非らせん構造とな
り、その双極子モーメントPまたはP′は上向き(24)
又は下向き(24′)のどちらかの状態をとる。このよう
なセルに、第11図に示す如く一定の閾値以上の極性の異
る電界E又はE′を電圧印加手段21と21′により付与す
ると、双極子モーメントは、電界E又はE′の電界ベク
トルに対応して上向き24又は下向き24′と向きを変え、
それに応じて液晶分子は、第1の安定状態23あるいは第
2の安定状態23′の何れか一方に配向する。
このような強誘電性液晶を液晶光学素子として用いる
ことの利点は、先にも述べたが2つある。その第1は、
応答速度が極めて速いことであり、第2は液晶分子の配
向が双安定性を有することである。第2の点を、例えば
第11図によって更に説明すると、電界Eを印加すると液
晶分子は第1の安定状態23に配向するが、この状態は電
界を切っても安定である。又、逆向きの電界E′を印加
すると、液晶分子は第2の安定状態23′に配向してその
分子の向きを変えるが、やはり電界を切ってもこの状態
に留まっている。この様な双安定性を利用することによ
り、スタティック駆動ができ、クロストークの発生を防
止することができる。
上記した応答速度の速さと、双安定性が有効に実現さ
れるにはセルとしては出来るだけ薄い方が好ましい。一
般的には0.5μ〜20μ、特に1μ〜5μが適している。
この種の強誘電性液晶を用いたマトリクス電極構造を有
する液晶電気光学装置は、例えばクラークとラガバルに
より米国特許第4367924号公報で提案されている。
[作用] 本発明者らは、強誘電性を有するスメクティック液晶
の分子の配列状態及び偏光子と検光子と組合せによる液
晶素子の透過光量の最適化をさらに詳細に検討した結
果、液晶分子は常に前述した如き単純な配列状態をとる
とは限らず、基板処理方法、液晶材料や液晶セルの厚さ
等により、異った形態の配列状態をとることを知るに到
った。そして、液晶分子が電圧無印加時に第1の配向状
態と第2の配向状態とを生じる様に、非螺旋配列構造を
なして配置されており、前記2つの配向状態(即ち、安
定状態)のいずれか一方を最も暗い表示となるように配
置したクロスニコル関係の偏光子の透過軸を基準にし
て、他方の安定状態がより明るくなる方向に偏光子の透
過軸をある特定の範囲内の角度で回転して配置すること
により、それほどコントラストを低下させずに大きな透
過光強度を与える場合が生ずることを見い出したもので
ある。
実験によれば、2つの安定状態のいずれか一方を最も
暗い表示となるように偏光子を配置すると、コントラス
ト比は高くなるが透過光強度は低くなる。ここで、前記
2つの安定状態がそれぞれ最暗状態を表示するように偏
光子を配置した時の偏光子の透過軸相互のなす角度を
θ′とし、前記偏光子の透過軸の位置を基準として他方
の安定状態が最も明るい状態を示す方向に、さらに45°
−θ′だけ偏光子を回転させると、透過光強度は最大と
なり、逆にコントラスト比は低くなる。この場合、さら
に回転させると透過光強度、コントラスト共減少してし
まう。従って、この45°−θ′の範囲内に偏光子の透過
軸を設定することにより、コントラスト比を実用上問題
のない程度しか低下させずに透過光強度を大きくするこ
とができる。透過光強度とコントラスト比の関係は、前
記回転角が5°前後の時に双方共比較的高いレベルに保
つことができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面と共に説明する。
実施例1 液晶材料として、下記の3成分混合系を用いた。
4−n−オクチルオキシフェニル−4″−(2−メチル
ブチル)ビフェニル−4′−カルボキシレート 4−(2−メチルブチルオキシ)フェニル−4′−n
−オクチルオキシベンゾエート 4−(2′−メチルブチル)フェニル−4″−(n−
オクチルオキシ)ビフェニル−4′−カルボキシレート ITO(Indium-Tin Oxide)電極が形成されているガラス
基板に、ポリイミド膜(商品名:セミコファイン)を40
0Åの厚さでコーテイングした。次に回転するファーブ
ラシによって、上記基板を一方向にラビング処理した。
このような2枚の基板を、スペーサを介して対向して貼
り合わせ、セルを作成した。セル厚は、3μであった。
このセルに前記した液晶材料を等方相となる温度100℃
にて注入した。セルの温度をコントロールしながら5℃
/時間のスピードで徐冷すると、セル内の液晶はCh相
(コンステリック相)、SmA相(スメクティックA相)
を経て、SmC*相(カイラルスメクティックC相)に達す
る。これらの相変化は、液晶セルの両側に偏光子と検光
子を配置することによって同定することができた。SmA
相においては、液晶分子の長軸がラビング方向に揃うよ
うに配列していた。即ち、スメクティック相の層は、ラ
ビング方向及び基板面に対して垂直となっている。SmA
から、さらに温度を下げるとSmC*相となる。この液晶層
厚は充分に薄いため、螺旋構造は解けて非螺旋構造とな
っており、直交状態にある偏光子と検光子の組合せによ
って、2種の安定状態があることを確認することが出来
た。次に、その詳細を説明する。
第1図は、光源/偏光子/液晶セル/検光子を光路上
に目を置いて見たときの配置図である。
軸Oは、ラビング方向(一軸の配向処理方向)であっ
て、P1,P2及びA1,A2はそれぞれ偏光子及び検光子の透
過軸を示す。先に述べた如く、等方相より徐冷すること
によって得られたSmC*相では、2種の安定状態を観察す
ることができる。即ち、偏光子及び検光子の透過軸を直
交させて観察するとき、それらと液晶セルの軸Oのなす
角度が適正に設定されたとき、液晶セルは通常は斑模様
となった2種のドメインにわかれていることがわかる。
例えば、液晶セルの温度が50℃であるとき、第1図に示
す様に、軸Oと偏光子の通過軸P1とのなす角(θ′/2)
が6°のときに、偏光子の透過軸P1と検光子の透過軸A1
とのなす角度を90°としてその2つのドメインは、この
系で最も大なるコントラストで観察され、それぞれ暗
(深緑色)及び明(黄色)を呈する。又、偏光子/検光
子の透過軸を軸Oに関して第1図のように、前述と対照
的位置(P2/A2)にそれぞれ回転すると、上記ドメイン
は反転する。即ち(P1/A1)配置において暗(深緑色)
であったドメインは明(黄色)に、一方、明(黄色)で
あったドメインは暗(深緑色)に変化する。
又、偏光子及び検光子の透過軸をP1及びA1を90°にし
て配置し、対向する2つの基板間に特定極性(例えば+
とする)の直流電圧パルスを印加すると、全体が暗(深
緑色)に変える。次に、逆極性(−)の直流電圧パルス
を印加すると、全体が明(黄色)に変わる。
以上のことから、2種の安定状態とは、その液晶分子
軸の基板面への射影軸は平均的には軸P1方向を向いてい
る状態と、軸P2方向を向いている状態であると考えるこ
とができる。又、これらの状態が互いに逆極性の直流電
圧パルスによって転移することから、これら2つの状態
はそれぞれ基板面に垂直方向に有限であり、且つ互いに
逆極性の平均的電気双極子モーメントを有していること
がわかる。
次に、上記セルにおいてどちらか一方の安定状態を最
も暗くし、この時の偏光子の透過軸、即ち上記一方の安
定状態(配向状態)の平均分子軸方向を基準として他方
の安定状態がより明るくなる方向へ偏光子の透過軸をク
ロスニコル関係を保ったままある角度θだけ回転させる
ことを試みた。その結果を第9図に示す。第9図より明
らかなように、角度θが0°の時にコントラスト比は最
も高くなり、透過率は小さい。そして角度θが多くなる
に従ってコントラスト比は減少し、透過率は一定の割合
で増加する。
すなわち、第1図において、偏光子の透過軸をP1(又
はP2)とした時、P1(又はP2)方向を向いている安定状
態は最も暗く最大のコントラストが得られるが、透過光
強度は小さい。他方の安定状態がより明るくなる方向、
即ち第1図において、P1から時計方向に(45°‐12°)
回転した時、又はP2から反時計方向に(45°‐12°)回
転した時、最大の透過光強度が得られ、逆にコントラス
ト比は小さくなる。更に、(45°‐12°)以上回転する
と透過光強度は減少しコントラストも小さくなる。
本発明においては、このようにして回転角θを0°<
θ≦45°−θ′の範囲内で回転させることによって、コ
ントラストをそれほど小さくせずに、より大きな透過光
強度が得られる。
より具体的には、第2図に示すように回転角θを3°
とし、このP1′(又はP2′)の位置に偏光子の透過軸を
合せることにより、コントラストの低下を少なく抑える
ことができ、大きな透過光強度が得られる。
実施例2 液晶材料として、 の3成分混合系を用いた。
ITO電極が形成され、配向膜が形成されていないガラ
ス基板と、さらに実施例1と全く同様にしてポリイミド
膜が塗布され、配向処理を施されたガラス基板とをスペ
ーサを介して貼り合わせた。セル厚は1.1μであった。
このセルに上記した液晶材料を等方相である65℃にて注
入した。次に、セルの温度をコントロールしながら10℃
/時間のスピード徐冷し、SmC*状態である28℃に保持し
た。
第3図は、偏光子と検光子の透過軸を互いに直交させ
たときの、最もコントラストの高い配置を示すものであ
り、それぞれラビング方向にOに対して、5°の角度を
なす(P1/A1)もしくは(P2/A2)に配置されている。
又、偏光子と検光子の透過軸(又は吸収軸)の配置を固
定して、液晶セル(即ち軸O)を90°回転しても、全く
同じである。(P1/A1)の90°配置に対し、一方向の直
流パルス電界(+20V,500μsec)を印加すると、視野は
黒灰色となり、電界を切った後も安定であった。次に、
逆方向の直流パルス電界(−20V,500μsec)を印加する
と、視野は明るい白色となり、電界を切った後も安定で
あった。又、これら2つの安定状態間のコントラストは
約1:10であった。尚、配置を90°の(P2/A2)とすれば
上記暗状態と明状態は勿論逆転する。
第4図はこの実施例2において、偏光子の透過軸P
1(又はP2)を時計方向(又は反時計方向)にθ=2.5°
回転させた位置P1′(又はP2′)にした時の配置を示し
たもので、この位置においてはコントラストの低下が小
さく、より大きな透過光強度を得ることができた。又、
暗状態と明状態の反転は、前述した第3図の実施例と同
じ電界を印加することによって相互にスイッチングする
ことができた。尚、前記実施例と同様に、(P1′A1′)
配置を(P2′A2′)配置とすれば、上記暗状態と明状態
は勿論逆転する。
実施例3 液晶層の厚さを2.7μとした以外は、前記実施例2と
全く同様にして液晶セルを作成した。
第5図は、偏光子と検光子の透過軸を互いに直交させ
たときの、最もコントラストの高い配置を示すものであ
り、それぞれラビング方向Oに対して、8°の角度をな
す(P1/A1)もしくは(P2/A2)に配置となる。この配
置における2つの安定状態は、色相を有しており、暗状
態が緑色で明状態が黄色であった。次に第6図に示す様
に、偏光子の透過軸P1(又はP2)を時計方向(又は反時
計方向)に5°回転させた時、暗状態は暗青色で、明状
態は黄白色となり、透過率は大きくなった。このよう
に、偏光子の透過軸を最大コントラストの位置からある
角度だけ回転することにより、透過率を大きくするのみ
ならず、色相を選択することも可能となる。
実施例4 液晶材料として、DOBAMBC(デシロキシベンジリデン
−p′−アミノ−2−メチルブチルシンナメート)を用
い、液晶層の厚さは、1.6μとした以外は、ラビング処
理等、前記実施例1と全く同様にして液晶セルを作成し
た。
液晶セル温度35℃における偏光子と検光子の配置図を
第7図、第8図に示す。第7図は、偏光子と検光子の透
過軸を互いに直交させ、一方の安定状態を最も暗い状態
を表示させた時の(P1/A1)又は(P2/A2)の配置を表
わし、第8図は透過光強度を大きくするために偏光子の
透過軸を3°だけ回転した時の(P1/A1)又は(P2
A2)の配置を表わしている。この配置においても、コン
トラストをそれほど以下させずに大きな透過光強度を得
ることができた。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、一方の安定状
態(電圧無印加時の一方の配向状態)が最も暗い状態を
表示する時の偏光子の透過軸、即ち電圧無印加時の一方
の配向状態の平均分子軸方向を基準として、他方の安定
状態(電圧無印加時の他方の配向状態)がより明るくな
る方向に偏光子の透過軸(または吸収軸)を0°<θ≦
45°−θ′の範囲を満足する角度θだけずらすことによ
り、コントラストをそれほど小さくせずにより大きな透
過光強度を得ることができる。このため、液晶シャッタ
アレイにおいて時分割駆動を行った場合でも一画素当た
りの光量を増加させることができる。また、双安定性を
有する液晶を用いることにより、クロストークの発生を
防止することができる。この様に本発明による液晶素子
はこの種の液晶光学素子に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は本発明における偏光子と検光子の関係
を表わす配置図、第9図は透過軸の回転角に対する透過
率とコントラスト比の関係を表わす説明図、第10図及び
第11図は強誘電性液晶セルを模式的に表わす説明図であ
る。 O:一軸性の配向処理方向、P1,P2:偏光子の透過軸、
A1,A2:検光子の透過軸、θ:偏光子の透過軸の回転
角、θ′:2つの安定した分子配列状態がそれぞれ最暗状
態を表示するように偏光子を配置した時の偏光子の透過
軸相互のなす角度。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】間隔を置いて互いに対向配置され、該間隔
    のスメクチックA相の液晶を一方向に配向させる配向処
    理が施された表面をもつ一対の基板及び、該一対の基板
    間に前記スメクチックA相から冷却され、そして電圧無
    印加時に第1の配向状態と第2の配向状態とを生じる様
    に非螺旋配列構造をなして配置されたカイラルスメクテ
    ィック液晶を有する液晶素子に、クロスニコル関係の偏
    光子と検光子とからなる光学検知手段を配置する工程を
    有する液晶素子の製造法において、前記光学検知手段を
    配置する工程は、電圧無印加時の前記第1の配向状態が
    最も暗い状態を表示する時の偏光子の透過軸(または吸
    収軸)を基準として、電圧無印加時における前記第2の
    配向状態がより明るい状態を表示する方向に偏光子の透
    過軸を角度θ(但し、0°<θ≦45°−θ′:θ′は、
    前記第1の配向状態及び前記第2の配向状態がそれぞれ
    最暗状態を表示する様に偏光子を配置した時の偏光子の
    透過軸(または吸収軸)相互のなす角度である)だけず
    らす工程を有することを特徴とする液晶素子の製造法。
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