JP2513079Y2 - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はゴルフクラブシャフトに
かかるもので、とくにオーバーホーゼル型のゴルフクラ
ブシャフトに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のオーバーホーゼル型のゴルフクラ
ブシャフトについて図３にもとづき概説する。

【０００３】図３は、パターとして構成したゴルフクラ
ブ１の一部切欠き側面図であって、このゴルフクラブ１
は、グリップ２と、オーバーホーゼル型のゴルフクラブ
シャフト３と、クラブヘッド４とを有する。

【０００４】ゴルフクラブシャフト３は、スチール材料
からこれを構成してあるもので、クラブヘッド４側のそ
の先端部をテーパー状に広げたホーゼル接続部５として
あり、クラブヘッド４のホーゼル６をその内部に挿入固
定する、いわゆるオーバーホーゼル型としてある。

【０００５】こうした構成のゴルフクラブ１は、ゴルフ
クラブシャフト３とクラブヘッド４との接続部分をすっ
きりさせることができるので、外観上好ましいととも
に、とくにこのゴルフクラブ１をパターとして使用する
場合には、当該接続部分がじゃまにならずに、ゴルフボ
ールを上から良く見通すことができるという長所があ
る。

【０００６】一方、スチール材料によるゴルフクラブ１
とは別に、炭素繊維強化プラスチック材料を用いた、い
わゆるカーボンシャフトのゴルフクラブも、炭素繊維強
化プラスチック材料が必要な機械的強度を得るための単
位断面積当たりの重量が軽量であるために全体を軽量化
可能であること、およびゴルフボール打撃時の感触が良
いことから、ゴルフクラブシャフト３の材料として多く
使用されている。

【０００７】しかしながら、カーボンシャフトのゴルフ
シャフトでは、必要な接続強度を得るためにこのホーゼ
ル接続部５の部分を肉厚にする必要があり、オーバーホ
ーゼル型のゴルフクラブシャフトにすると、ホーゼル接
続部５の形状がストレートタイプのものか、あるいは図
示のようにホーゼル接続部５の先端部を広げたフレアー
タイプのものかにかかわらず、ホーゼル接続部５の部分
の外径が太くなってしまう。

【０００８】したがって、シャフトとしてのたわみパタ
ーン（フレックス）が固くなってしまうこと、およびホ
ーゼル接続部５の先端部を広げてホーゼル６を挿入可能
とするように製造することが困難であることから、カー
ボンシャフトによるオーバーホーゼル型のゴルフクラブ
シャフト３を用いたゴルフクラブ１を製造することがで
きないと言う問題があった。

【０００９】また、こうしたゴルフクラブ１とは異な
り、ホーゼル接続部５をホーゼル６内に挿入固定する、
いわゆるインナーホーゼル型のゴルフクラブシャフト
（図示せず）では、ホーゼル接続部５をその内部に挿入
固定するホーゼル６の部分を太くする必要があり、上述
のようにとくにパターに使用する場合には、同じくゴル
フボールを見にくいという問題がある。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】本考案は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、カーボンシャフトな
ど炭素繊維強化プラスチックその他の繊維強化プラスチ
ック材料を用いたゴルフクラブシャフトであって、オー
バーホーゼル型としつつ、軽量化および必要な強度なら
びにカーボンシャフトなどの感触やフレックスを確保す
るとともに、シャフトのたわみパターンを固くせず、外
観をすっきりさせることができるゴルフクラブシャフト
を提供することを課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】すなわち本考案は、繊維
強化プラスチック材料と金属パイプとを組み合わせるこ
とに着目したもので、シャフト本体と、このシャフト本
体の先端部に設けるとともにクラブヘッドのホーゼルを
挿入するホーゼル接続部と、を有するゴルフクラブシャ
フトであって、上記シャフト本体を、繊維強化プラスチ
ック材料によるシャフト内層およびシャフト外層から構
成するとともに、上記ホーゼル接続部を、金属パイプに
より構成したことを特徴とするゴルフクラブシャフトで
ある。

【００１２】また上記金属パイプを、上記シャフト内層
およびシャフト外層の間に配置して固定することができ
る。

【００１３】上記繊維強化プラスチック材料を、炭素繊
維強化プラスチック材料とすることができる。

【００１４】上記金属パイプを、上記ホーゼルとの接続
部分において上記シャフト本体に沿って延びる形状とす
ることができる。

【００１５】上記金属パイプを、上記ホーゼルとの接続
部分において上記シャフト本体から外方に広がるような
形状とすることができる。

【００１６】なお上記繊維強化プラスチック材料として
は、炭素繊維強化プラスチック材料以外にも、アラミド
繊維強化プラスチック材料など任意のものを採用可能で
ある。

【００１７】

【作用】本考案によるゴルフクラブシャフトにおいて
は、ホーゼル接続部のみに金属パイプを採用し、他の部
分については繊維強化プラスチック材料を用いることが
できるので、オーバーホーゼル型のシャフトの長所を損
なうことなく、繊維強化プラスチック材料により全体を
軽量化し、かつ金属パイプによりホーゼル接続部での接
続強度を得ることができる。

【００１８】

【実施例】つぎに本考案の第一の実施例による、いわゆ
るストレートタイプのゴルフクラブシャフト１０を図１
にもとづき説明する。ただし、以下の説明において図３
と同様の部分には同一の符号を付し、その詳述はこれを
省略する。

【００１９】図１は、ゴルフクラブシャフト１０の縦断
面図であって、このゴルフクラブシャフト１０は、その
シャフト本体１１を炭素繊維強化プラスチック材料によ
るシャフト内層１２およびシャフト外層１３から構成す
るとともに、前記ホーゼル接続部５を金属パイプ１４に
より構成している。

【００２０】金属パイプ１４は、前記ホーゼル６との接
続部分においてシャフト本体１１に沿って延びる形状と
したストレートタイプのもので、スチール材料などの金
属材料によりこれを構成し、シャフト内層１２とシャフ
ト外層１３との間に所定の長さにわたって介在させた状
態でこれを設けてある。

【００２１】この金属パイプ１４とシャフト外層１３に
よる二層部分にクラブヘッド４のホーゼル６を挿入固定
するものである。

【００２２】なお、シャフト内層１２、シャフト外層１
３、および金属パイプ１４による三層構造とするには、
まずシャフト製造用の芯金１５（仮想線）の外周面に、
シート状とした扇型の炭素繊維強化プラスチック材料を
巻き付け、加熱後冷却することによりシャフト内層１２
とする。

【００２３】このシャフト内層１２の先端部に段部１６
を切削加工し、金属パイプ１４をはめ込み、その外周か
ら、シート状とした他の扇型の炭素繊維強化プラスチッ
ク材料を巻き付け、加熱後冷却することによりシャフト
外層１３とするとともに、金属パイプ１４をシャフト内
層１２とシャフト外層１３との間に固定する。

【００２４】こうした構成のゴルフクラブシャフト１０
においては、単位断面積当たりの機械的強度が大きな金
属パイプ１４によりホーゼル接続部５を構成しているの
で厚肉にすることなく、ホーゼル接続部５の外径を太く
する必要がなく、オーバーホーゼル型のシャフトの長所
を活かし、外観をすっきりさせることができる。

【００２５】また、ホーゼル接続部５においてシャフト
内層１２およびシャフト外層１３の間に金属パイプ１４
の一方の端部を介在させることによりこれを固定するこ
ととしたので、ホーゼル接続部５の強度を確保可能であ
るとともに金属パイプ１４の固定構造も確実である。

【００２６】つぎに、本考案の第二の実施例によるゴル
フクラブシャフト２０を図２にもとづき説明する。

【００２７】このゴルフクラブシャフト２０は、ホーゼ
ル接続部５の部分を広げた、いわゆるフレアータイプの
もので、そのシャフト本体２１は事実上シャフト本体１
１と同様にシャフト内層１２およびシャフト外層１３か
らこれを構成している。

【００２８】ただし、ホーゼル接続部５部分は金属パイ
プ２２からこれを構成し、その先端部２３を広げた形状
としている。

【００２９】こうした形状の金属パイプ２２の製造に
は、圧延その他任意の方法を採用可能であり、炭素繊維
強化プラスチック材料など、いわゆるカーボンシャフト
の場合とは異なって、任意の形状の金属パイプ２２を容
易に得ることができるため、ホーゼル６の形状に合わせ
て加工が可能である。

【００３０】あるいは、従来のスチールシャフトの先端
部分を切り取って、そのまま使用すればよい。

【００３１】こうした構成ゴルフクラブシャフト２０に
おいては、ゴルフクラブシャフト１０と同様に外観をす
っきりさせることができるとともに、クラブヘッド４の
ホーゼル６の形状に応じてホーゼル接続部５を製造可能
である。

【００３２】なお本考案によるゴルフクラブシャフト
は、パターのみならず、他のタイプのゴルフクラブにも
応用可能である。

【００３３】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、ホーゼル
接続部のみを金属パイプにより製造可能としたので、オ
ーバーホーゼル型のゴルフクラブシャフトの長所を活か
すとともに、カーボンシャフトなどの長所を損なわない
ゴルフクラブシャフトを得ることができる。

【００３４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一の実施例による、いわゆるストレ
ートタイプのゴルフクラブシャフト１０の縦断面図であ
る。

【図２】同、第二の実施例による、いわゆるフレアータ
イプのゴルフクラブシャフト２０の縦断面図である。

【図３】従来のゴルフクラブ１の、パターとして構成し
た場合の一部切欠き側面図である。

【符号の説明】

１ ゴルフクラブ ２ グリップ ３ オーバーホーゼル型のゴルフクラブシャフト ４ クラブヘッド ５ ホーゼル接続部 ６ クラブヘッド４のホーゼル １０ ストレートタイプのゴルフクラブシャフト １１ シャフト本体 １２ 炭素繊維強化プラスチック材料によるシャフト内
層 １３ 炭素繊維強化プラスチック材料によるシャフト外
層 １４ 金属パイプ １５ シャフト製造用の芯金 １６ シャフト内層１２の先端部に形成した段部 ２０ ゴルフクラブシャフト ２１ シャフト本体 ２２ 金属パイプ ２３ 金属パイプ２２の先端部

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャフト本体と、このシャフト本体の
   先端部に設けるとともにクラブヘッドのホーゼルを挿入
   するホーゼル接続部と、を有するゴルフクラブシャフト
   であって、 前記シャフト本体を、繊維強化プラスチック材料による
   シャフト内層およびシャフト外層から構成するととも
   に、 前記ホーゼル接続部において、前記シャフト内層および
   シャフト外層の間に金属パイプを配置して固定したこと
   を特徴とするゴルフクラブシャフト。
2. 【請求項２】 前記繊維強化プラスチック材料を、炭
   素繊維強化プラスチック材料としたことを特徴とする請
   求項１記載のゴルフクラブシャフト。
3. 【請求項３】 前記金属パイプを、前記ホーゼルとの
   接続部分において前記シャフト本体に沿って延びる形状
   としたことを特徴とする請求項１記載のゴルフクラブシ
   ャフト。
4. 【請求項４】 前記金属パイプを、前記ホーゼルとの
   接続部分において前記シャフト本体から外方に広がるよ
   うな形状としたことを特徴とする請求項１記載のゴルフ
   クラブシャフト。