JP2509012Y2 - 時計用回転ベゼル構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、時計ケース用回転ベゼルに関する。特に、
ファッション性を求められる時計ケースに使用するため
の、装飾性に富んだ回転ベゼルの夜光塗料封止構造に関
するものである。

［考案の概要］ 本考案は、回転ベゼルを回動可能に装着した時計ケー
スの回転ベゼル構造において、回転ベゼルは、周知の構
造により時計ケースに係合する。

この回転ベゼルは、金属のベゼル内側部材に、円周方
向の回り止めおよびベゼル軸方向の抜け止め係止するプ
ラスチック材のベゼル外側部材を配置し、該ベゼル外側
部材の外面壁上に非円形の夜光塗料埋設穴をベゼル外側
部材の射出成形と同時に形成し、夜光塗料を充填した後
非円形透明封止部材を接着もしくは溶着により封止する
ことによって装飾バラエティーのある、ファッション性
に富む夜光塗料の付いた回転ベゼル付き時計ケースを実
現するものである。

［従来の技術］ 従来の回転ベゼル構造は、第６図に示すように、回転
ベゼル体１は、時計ケース６に周知の構造で回動可能に
係合している。該回転ベゼル体１は金属材で、外面壁５
には円周方向スジメなどの装飾を施し、更に該外面壁５
には円形の夜光塗料埋設穴２が成形されて、該埋設穴２
を封止する円形透明封止部材４でもって夜光塗料2aを封
止する。一方、回転ベゼル体１の外周壁には、回転ベゼ
ルを回動させやすくするためのローレット７が形成され
ている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、前述の従来の構造では、回転ベゼル体１がそ
の機能、性能を保持するために、金属材使用に限定され
るため、第一に、回転ベゼル体１に設ける夜光塗料埋設
穴２が微小寸法であるため穴明け加工が困難で、加工に
長時間を必要として、コストが高くなってしまう。第二
に、夜光塗料埋設穴（夜光目盛り）は、本来、12時制に
おいては、12カ所の夜光埋設穴が欲しいが、前述のよう
に夜光埋設穴２の穴明け加工が、難しくコストアップに
なるため、二カ所以上の夜光塗料埋設穴配設のデザイン
訴求に応えることが出来なかった。また、従来の夜光塗
料埋設穴２および夜光塗料封止部材嵌入穴３はドリルに
よる切削穴明けのため、該埋設穴の輪郭形状は円形に限
定されてしまい三角、四角形など非円形デザインをする
ことが不可能で意匠バラエティーの制約が大きすぎて商
品拡大を妨げた。

［課題を解決するための手段］ 本考案の時計用回転ベゼル構造は、金属のベゼル内側
部材と樹脂性のベゼル外側部材からなる時計用回転ベゼ
ル構造において、 前記ベゼル内側部材は外面壁及び外周壁に溝が形成さ
れ、 前記ベゼル外側部材は射出成形により成形樹脂が前記
ベゼル内側部材の溝に流入固化することにより前記ベゼ
ル内側部材の外面壁及び外周壁をすべて覆うように係止
され、 前記ベゼル外側部材の外面壁には一つあるいは複数の
非円形の夜光塗料埋没穴と前記夜光塗料埋没穴の周囲に
前記外面壁より突出した凸状輪郭周壁が配設され、 前記埋没穴は非円形透明封止部材で接着もしくは溶着
封止されてなることを特徴とする。

［実施例］ 第１図は、本考案の一つの実施例で、ベゼル内側部材
1aの内側形状８は、ケースに係合する周知の形状構成に
なっている。外面壁13には、プラスチックのベゼル外側
部材1bが、アウトサート射出成形時に溶融プラスチック
材が流入後固化噛合するベゼル外側部材1bの円周方向回
り止め溝14を、外面壁13上に円周に沿って断続的に配置
する。更にベゼル内側部材1aの外周壁16には外周周回溝
15を配設して、射出成形時にベゼル外側部材1bの一部が
流入固化嗜合しベゼル内側部材1a、1bとがベゼル軸方向
にも固着係止する。なお、第２図は第１図の実施例の前
記溝14におけるベゼル外側部材1bの嗜合状態の断面形状
を示す。

以上ベゼル内側部材1aを用いて、第３図に示すような
ベゼル外側部材1bの射出成形完了後、ベゼル内側部材1a
とベゼル外側部材1bは相互に円周方向とベゼル軸方向を
抜け止め結合がなされた回転ベゼルが実現される。

さて、第３図において、ベゼル外側部材1bの外面壁５
には、第４図のごとく三角形の夜光塗装埋設穴２と該埋
設穴封止部材４の嵌入する非円形の嵌入穴３が配設さ
れ、前記埋設穴４に夜光塗料2aを充填後非円形の無機材
あるいはプラスチックの透明封止部材４を嵌入させ接着
もしくは溶着により封止密封固定する。該埋設穴２、及
び夜光塗料封止部材嵌入穴３の形状は本実施例では三角
形であるが、四角形など任意の意匠形状にすることが出
来る。また、この埋設穴２、３はこの実施例では一カ所
であるが、二カ所以上適宜配設することが出来る。更
に、該埋設穴２の周囲には、第５図のような意匠的凸状
輪郭周壁６を設けるようなデザインも可能である。これ
らの形状はプラスチックの成形型により射出成形時に容
易に成形される。また、夜光塗料埋設穴２とベゼル内側
部材１との円周方向の位置決めは、回り止め溝14により
定めた位置関係にベゼル部材1a、1bとが係止される。

［考案の効果］ 以上述べた考案によれば、ベゼル外側部材を射出成形
によりベゼル内側部材の外面壁及び外周壁をすべて覆う
ように係止する構成にしたことにより、ベゼル外側部材
を射出成形で形成することができるため、多様な形状の
夜光塗料埋没穴を容易に形成することができるものであ
る。

更に、夜光塗料埋没穴の周囲に外面壁より突出した凸
状輪郭周壁を設けたことにより、夜光塗料埋が放つ光を
鮮明にできるため、意匠的に鮮やかな時計用回転ベゼル
構造を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のベゼル内側部材1aの実施例を示す斜視
図。第２図は本考案第１図の実施例の回り止め溝４の断
面図。第３図は本考案のベゼル内側部材1aにベゼル外側
部材1bを成形係止した状態を示す斜視図。第４図は本考
案の夜光塗料埋設穴２と封止部材４の接着前の状況を示
す斜視図。第５図は本考案の夜光塗料埋設穴に凸状周壁
３を施したした実施例の斜視図。第６図は従来の実施例
を示す斜視図。 1a……ベゼル内側部材 1b……ベゼル外側部材 ２……夜光塗料埋設穴 2a……夜光塗料 ４……夜光塗料透明封止部材 12……ローレット

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属のベゼル内側部材と樹脂性のベゼル外
   側部材からなる時計用回転ベゼル構造において、 前記ベゼル内側部材は外面壁及び外周壁に溝が形成さ
   れ、 前記ベゼル外側部材は射出成形により成形樹脂が前記ベ
   ゼル内側部材の溝に流入固化することにより前記ベゼル
   内側部材の外面壁及び外周壁をすべて覆うように係止さ
   れ、 前記ベゼル外側部材の外面壁には一つあるいは複数の非
   円形の夜光塗料埋没穴と前記夜光塗料埋没穴の周囲に前
   記外面壁より突出した凸状輪郭周壁が配設され、 前記埋没穴は非円形透明封止部材で接着もしくは溶着封
   止されてなることを特徴とする時計用回転ベゼル構造。