JP2508933Y2 - ペルチェ効果を利用した冷液器 - Google Patents

ペルチェ効果を利用した冷液器

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JP2508933Y2
JP2508933Y2 JP1993029371U JP2937193U JP2508933Y2 JP 2508933 Y2 JP2508933 Y2 JP 2508933Y2 JP 1993029371 U JP1993029371 U JP 1993029371U JP 2937193 U JP2937193 U JP 2937193U JP 2508933 Y2 JP2508933 Y2 JP 2508933Y2
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heat exchanger
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正照 滝本
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滝本技研工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、水やジュース等の飲料
液体の冷却を行う冷液器に関し、特に電流を流すことに
よって熱の移動を行うペルチェ素子を利用した冷液器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ペルチェ効果を発揮するペルチェ素子と
しては、近年改良が相当進んできており、非常に効率良
くペルチェ効果を発揮するものも市販されるようになっ
てきている。このようなペルチェ素子は、例えば室温に
対して±30℃以上の冷却または加熱を行うものもあ
り、このようなペルチェ素子の具体的利用の要求も高ま
ってきているものである。
【0003】一方、ジュースや飲料水等のように、その
冷却を積極的に行って、その味等を向上させる必要のあ
る飲料液体がある。この飲料液体として、例えば水道水
を例にとってみると、その味を向上させようとすれば、
その温度を室温より低くする必要がある。また、この飲
料液体の冷却をコンパクトな形態のもので行うようにす
ることは、各種の冷液器を改良する上で非常に有利なも
のとなる。
【0004】そして、種々なものの冷却を行う一般的な
手段としては、所謂フロン等の冷媒を使用するものが多
く提案されてきている。これらの従来方法においては、
環境に悪影響を及ぼすフロンの使用が禁止されつつある
現状ではその利用ができないものであるし、また他の冷
媒を使用するにしても、そのための構造が非常に複雑化
してコンパクトな製品ができないという問題があるもの
である。また、例えば、飲料水の冷却についての従来例
においては、一度に大量の消費にも対処できるようにす
るために、冷却しておいた水を大きなタンク内に一旦た
めておき、これを必要に応じて供給するようにすること
が一般になされている。しかしながら、このような方式
であると、その冷却水が暖まってしまえば当面必要でな
い水も再度冷却し直しをしなければならないことになっ
て、電力等の相当なエネルギー消費が行われていたので
ある。
【0005】以上のことから、種々な飲料液体の冷却
を、前述したペルチェ素子を利用することにより行うこ
とが当然考えられる。しかしながら、前述したように、
効率の良いペルチェ素子を有効に利用してその熱交換率
を十分に生かすようにするには何等かの工夫をしなけれ
ばならないはずである。特に、この種のペルチェ素子を
利用しながら、冷却した水等の飲料液体を大きなタンク
内に一旦ためておくことは、タンク内で暖まってしまっ
た水等の冷却を常に行わなければならないことになっ
て、ペルチェ素子が電力を使用するものであることから
しても、電力エネルギ−の無駄使い以外の何物でもない
ことになるのである。さらに重要なことは、ペルチェ素
子の機能は、上述した通り、室温に対して±30℃以上
の冷却または加熱を行うものものであるから、これを例
えば飲料水に適用したとすると、冷却され過ぎて装置内
で凍結してしまうことがあり得る。そうなると、飲料液
体の装置内での流れが止まってしまうから、そのままで
は折角の冷却器も作動しなくなってペルチェ素子の有効
利用ができなくなってしまうのである。
【0006】そこで、本考案者は、ペルチェ素子を有効
に利用して熱交換を効率良く行えるようにするには、具
体的にどうしたらよいかについて種々研究を重ねてきた
結果、本考案を完成したのである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、以上の経緯
に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題
は、ペルチェ素子の有効利用である。そして、本考案の
目的とするところは、飲料液体の冷却を極めて簡単な構
造によって行なうことができて、その冷却をエネルギー
損失を非常に小さくしながら確実に行うことができ、し
かも飲料液体の内部での凍結を防止してその流れを常に
確保することのできる冷液器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本考案の採った手段は、実施例において使用する
符号を付して説明すると、「電流を流すことにより熱の
移動を行う平板状のペルチェ素子10と、その一方の面
に密着した状態で一体化したフィン部材11と、ペルチ
ェ素子10の他方の側に配置した蓄冷部材13と、この
蓄冷部材13のペルチェ素子10とは反対側に配置され
て飲料液体が流れる液通路30とを備えた冷液器100
において、液通路30と蓄冷部材13との間に、不凍液
1が封入されるとともに、この不凍液21中にその自
然対流を促進する区画板22を介在させた熱交換器20
を配置したことを特徴とする冷液器100」である。
【0009】
【作用】以上のように構成した冷液器100の作用につ
いて以下に説明すると、この冷液器100はケース本体
40内に組み込まれて、例えば図1に示すような冷水装
置200を構成するものであるが、この冷水装置200
においては、貯水タンク44内に貯めておいた水やジュ
ース等の飲料液体を、ポンプ45によって冷液器100
に強制的に送り込んで、ケース本体40の外側に露出さ
せてある吐水口43から吐出させるのである。勿論、貯
水タンク44内へは水道水等の飲料液体が常に一定量供
給されるものであり、ペルチェ素子10、ファン42あ
るいはポンプ45等に対しては必要な電力が供給される
ものである。
【0010】ここで、当該冷水装置200においても、
一時的な大量消費に対処すべく貯水タンク44内に水や
ジュースを一旦貯めておくものではあるが、この貯水タ
ンク44内の水等は必要な温度に冷却されてはいないこ
とである。換言すれば、冷水装置200の吐水口43か
ら取り出される分の水等が、その都度冷液器100にお
いて冷却されるのであり、そのための電力は吐出された
量の水に対してのみ使用されることである。従って、こ
の冷液器100における電力消費は非常に少ないものと
なっており、経済的な冷水装置200となっているので
ある。
【0011】以上のように、冷水装置200が経済的な
ものになっているのは、冷液器100の作用によるので
ある。すなわち、この冷液器100のペルチェ素子10
に通電されると、このペルチェ素子10のペルチェ効果
によって、熱伝導部材12側の熱がフィン部材11側に
強制的に移動される。このとき、ペルチェ素子10は熱
伝導部材12の一部にしか接触していないけれども、熱
伝導部材12は例えば銅や真ちゅう等の熱の良導体材料
によって形成してあるから、上記の熱の移動は効率良く
行われる。また、この熱伝導部材12に対しては、その
ペルチェ素子10とは反対側面の全面に蓄冷部材13が
一体化してあるから、この蓄冷部材13からの熱は熱伝
導部材12を介してペルチェ素子10によってフィン部
材11側に速やかに移動されるのである。
【0012】この蓄冷部材13には、不凍液21を封入
した熱交換器20が接触しているから、熱交換器20の
熱が蓄冷部材13側に移動するのである。換言すれば、
この蓄冷部材13に接触している熱交換器20及びその
中に封入してある不凍液21は、蓄冷部材13によって
冷却されるのであり、蓄冷部材13とともに蓄冷作用を
果たしてペルチェ素子10による急激な冷却をいわば緩
和するのである。また、この熱交換器20内に封入して
あるのが不凍液21であるから、蓄冷部材13による冷
却が急激であっても、この不凍液21が熱交換器20内
で凍結してしまうことはなく、当該不凍液21は熱交換
器20内にて常に循環可能な状態となっているのであ
る。そして、この熱交換器20においては、その内部に
区画板22が配置してあり、また不凍液21と後述する
液通路30とを隔離する隔壁板24を有しているから、
これらの区画板22及び隔壁板24によって不凍液21
の循環通路が当該熱交換器20内に形成されている。こ
れにより、熱交換器20内の不凍液21は、蓄冷部材1
3側と液通路30側との間で、自然対流等の作用によっ
て循環するのである。なお、不凍液21の熱交換器20
内での循環は、実施例において例示するような形状記憶
合金からなる開閉弁23や、外部のポンプ等によって適
宜制御するようにすれば、より一層効果的になされるの
である。
【0013】以上のような熱交換器20に対しては、図
2及び図3に示したように、入口31及び出口32を有
した液通路30が、熱交換器20側の隔壁板24を介し
て接触している。この液通路30内に対しては、ポンプ
45が作動することによって、ジュースや水等の飲料液
体が供給されるのであるが、供給された飲料液体は、熱
交換器20側の冷却されている隔壁板24に接触しなが
ら当該液通路30内を流れるのである。すなわち、図3
に示すように、入口31から液通路30内に流れ込んだ
飲料液体は、液通路30内に露出している隔壁板24に
接触しながら図示上方に流れ、出口32から冷水装置2
00の吐水口43に向けて送られるのである。このと
き、隔壁板24を有した熱交換器20は蓄冷部材13に
接触しており、蓄冷部材13は熱伝導部材12を介して
ペルチェ素子10による吸熱が行われているのであるか
ら、熱交換器20は上述したように既に冷却されてい
る。従って、この冷却されている熱交換器20の隔壁板
24に接触しながら流れる飲料液体は十分冷却されなが
ら吐水口43に向けて送られることになるのである。
【0014】ここで重要なことは、飲料液体が流れる液
通路30と、ペルチェ素子10による吸熱が直接的に行
われている蓄冷部材13との間に、不凍液21を封入し
た熱交換器20が配置されていて、この熱交換器20に
よってペルチェ素子10の飲料液体に対する冷却が緩和
されていることである。これにより、液通路30内を流
れる飲料液体は、ペルチェ素子10による冷却が強力か
つ急激であっても、液通路30内にて凍結することがな
いのであり、その液通路30内にての流れが停止するこ
とがないのである。換言すれば、蓄冷部材13と液通路
30との間に不凍液21を封入した熱交換器20を介在
させたことによって、当該冷液器100は、ペルチェ素
子10として熱移動機能の十分なものを採用することが
可能となっているのであり、蓄冷部材13、熱交換器2
0及びこの中に封入した不凍液21の熱容量を十分利用
して冷却機能が非常に高いものとなっているのである。
また、このとき、蓄冷部材13、熱交換器20及び液通
路30は、断熱部材14によって囲まれた状態にあるた
め、この液通路30等に対して外側から熱が移動してく
ることはない。
【0015】ここで、吐水口43からの冷却水等の吐出
が停止されると、ペルチェ素子10及びポンプ45への
通電も停止されるが、蓄冷部材13及び熱交換器20
は、それまでに入口31から液通路30内に供給されて
きていた水等の温度よりも未だ低い温度になったままで
ある。何故なら、熱の移動は瞬間的に行われるのではな
く、ある一定の時間を要するものであるから、ペルチェ
素子10への通電が停止された時点においては、蓄冷部
材13、熱交換器20及びこの中に封入してある不凍液
21は冷却されたままの状態にあるからである。従っ
て、当該液通路30内にて停留した飲料液体は、その時
点において冷却された状態にある熱交換器20によって
冷却されることになるのである。そして、本考案に係る
冷水装置200においては、冷液器100の液通路30
が十分な容積のものとして形成してあるから、次に使用
される飲料液体として必要な量(例えばコップ一杯分)
を十分賄えるものになっているのである。
【0016】勿論、当該冷水装置200が連続して使用
されることもあるが、その場合にはペルチェ素子10に
対する通電も連続してなされるのであるから、ペルチェ
素子10による各部の冷却は十分なされるのであるた
め、全く問題とはならない。そして、以上のように、当
該冷水装置200においては、一時的な大量消費に対処
すべく貯水タンク44内に水やジュースを一旦貯めてお
くものではあっても、この貯水タンク44内における水
等を必要な温度に冷却しておく必要がないのであるか
ら、非常に効率のよいものとなっているのである。つま
り、冷水装置200の吐水口43から取り出される分の
水等が、その都度冷液器100において冷却されるので
あり、そのための電力は吐出された量の水に対してのみ
使用されるのである。従って、この冷液器100におけ
る電力消費は非常に少ないものとなっており、経済的な
冷水装置200となっているのである。
【0017】なお、前述したとおり、蓄冷部材13、熱
交換器20及び液通路30の全体が断熱部材14によっ
て包み込まれているのであるから、これらの液通路30
等に対して、ペルチェ素子10以外の部分から熱が移動
することは殆どないのである。特に、この冷液器100
において、ペルチェ素子10と蓄冷部材13間に熱伝導
部材12を介在させたこと、及び蓄冷部材13と液通路
30との間に熱交換器20を配置したことは、当該冷液
器100の能力を、頭初に述べたような機能を有するペ
ルチェ素子10の作用を有効に利用しながら向上させて
いるのであり、これにより、必要最小限の電力消費によ
って、水等の飲料液体の冷却・加熱を良好に行うのであ
る。
【0018】一方、フィン部材11においても、これを
一般的な熱良導体によって形成するとともに、その裏面
側にペルチェ素子10を密着した状態で一体化してある
から、ペルチェ素子10によって蓄冷部材13側から移
動させられてきた熱がこのフィン部材11によって良好
に放散されるのである。本実施例では、所謂空冷式のも
のとしてあって、図2に示したように、このフィン部材
11に向けてファン42によって空気を強制的に送るよ
うにしているので、その熱の放散または吸収を良好に行
えるようになっている。この場合、冷水装置200のケ
ース本体40には、図1に示すように、空気の流れを良
好にするための通気窓41が形成してあるから、ファン
42による空気の流れは淀みなく行われるものである。
【0019】ここで、冷液器100の冷水を作り出すも
のとした場合の水の流れを、図4を参照して説明する
と、次の通りである。まず、この冷水装置200におい
ては、水道水等が貯水タンク44内に供給されるのであ
るが、このときにはチャッキ弁54が閉じてポンプ45
は停止しており、第1電磁弁51は開かれている。従っ
て、所定の圧力で供給された水は、第1電磁弁51及び
ポンプ45内を通して、貯水タンク44内の濾過器55
内に送られ、この濾過器55内で所定の濾過がなされた
水は、貯水タンク44の上端に設けた押圧弁56を押し
広げて貯水タンク44内に貯溜されるのである。以上の
ことは、貯水タンク44内に配置した水量センサー57
によって貯水タンク44内の水量が設定量以下になった
ことが検知されれば、同様に行われるものである。な
お、貯水タンク44内の水については、第2電磁弁52
及び第3電磁弁53を閉じてチャッキ弁54を開きかつ
ポンプ45を作動させることにより、貯水タンク44内
を循環させながら濾過器55による濾過が適宜なされる
ものである。
【0020】また、冷水装置200の吐水口43から冷
水を得たい場合には、ケース本体40の表面側に設けた
スイッチによる操作を行うことにより、ペルチェ素子1
0及びポンプ45に通電されるとともに、チャッキ弁5
4が開かれる。そうすると、貯水タンク44内の水はポ
ンプ45によって冷液器100側に送られるとともに、
この冷液器100内の液通路30にて冷却されながら吐
水口43から吐出されるのである。つまり、吐水口43
から吐出される分の水のみに対して、冷液器100によ
る冷却がなされるのであり、貯水タンク44内の水に対
しての冷却あるいは保温を冷液器100によって行うこ
とは全くないのである。これにより、当該冷液器100
における電力消費が抑えられているのである。
【0021】
【実施例】次に、本考案に係る冷液器100及びこれを
使用して構成した冷水装置200を、図面に示した実施
例に基づいて詳細に説明すると、図1には本考案に係る
冷液器100を使用した冷水装置200の正面図が示し
てあり、この冷水装置200の冷液器100は、電流を
流すことにより熱の移動を行う平板状のペルチェ素子1
0と、その一方の面に密着した状態で一体化したフィン
部材11と、ペルチェ素子10の他方の面に一体化され
て熱良導体材料によって形成した熱伝導部材12と、こ
の熱伝導部材12のペルチェ素子10とは反対側面に一
体化した蓄冷部材13と、この蓄冷部材13のペルチェ
素子10とは反対側に配置されて飲料液体が流れる液通
路30と、この液通路30と蓄冷部材13との間に配置
されて不凍液21を封入した熱交換器20と、この熱交
換器20や液通路30及び断熱部材14の断熱を行う断
熱部材14とによって構成したものである。なお、熱伝
導部材12は、他の構造等によって蓄冷部材13からの
熱をペルチェ素子10が十分吸収できる状態であれば、
全く不要となるものである。
【0022】ペルチェ素子10は、市販されているもの
であるが、直流電流を流すことにより熱の移動をペルチ
ェ効果を利用して行うものであり、その電流の流れ方向
を変えることにより、このペルチェ素子10に対する熱
の移動方向をも変えられるようにしてあるものである。
つまり、このペルチェ素子10を使用することによっ
て、ジュースや水等の飲料液体の冷却または加熱を選択
的に行うことができるのである。このペルチェ素子10
の一方の面に密着させたフィン部材11は、例えば金属
等の熱の良導体材料によって一体的に形成したものであ
り、熱の移動量に応じた種々な形態・大きさのものが適
用されるものである。一方、ペルチェ素子10の他方の
面に一体化される熱伝導部材12も、熱の良導体材料、
例えば銅や真ちゅうによって板状に形成したものであ
り、ペルチェ素子10に対するあるいはペルチェ素子1
0からの熱の移動を速やかにかつ面積を広げて行うもの
である。そして、この熱伝導部材12のペルチェ素子1
0とは反対面には、熱容量の比較的大きい材料、例えば
ステンレスあるいは鉄等の金属を材料として形成した蓄
冷部材13が一体化されるのである。
【0023】この蓄冷部材13のペルチェ素子10と反
対側に配置した熱交換器20は、その略中央に不凍液2
1のための収納空間を有したものとして合成樹脂により
形成したものであり、そのペルチェ素子10側の面には
蓄冷部材13が配置され、また蓄冷部材13と反対側に
は、例えばステンレス製の隔壁板24が配置されるもの
である。勿論、この熱交換器20と、蓄冷部材13及び
隔壁板24との間には、当該熱交換器20内を液密的に
するために、それぞれパッキング25が配置されるもの
である。そして、この熱交換器20に形成された収納空
間内には、不凍液21が封入してあるものである。この
不凍液21は、特に隔壁板24によって液通路30側に
対して隔離されているために、液通路30内の飲料液体
と混合することがないことは当然として、隔壁板24を
耐久性に優れたステンレス製のものとしたから、液通路
30内の飲料液体に侵入して混合することがないもので
ある。また、熱交換器20内には、これと同じ材料から
なる区画板22が一体的に形成してあり、図3にも示し
たように、この区画板22の所定位置には収納空間内で
の不凍液21の循環を許容する開口が形成してある。こ
れにより、当該熱交換器20内の収納空間内に封入され
た不凍液21は、蓄冷部材13からの冷却等につれて自
由に対流できるものとなっているのである。
【0024】本実施例に係る熱交換器20においては、
図3に示したように、不凍液21が封入されている収納
空間内に、形状記憶合金からなる開閉弁23が配置して
あって、この開閉弁23により熱交換器20内での不凍
液21の対流現象を制御するようにしている。この開閉
弁23は、当該熱交換器20内の温度が0〜5℃より低
い場合には、熱交換器20内での不凍液21の循環・対
流を阻止すべく閉じるものであり、また熱交換器20内
の温度が0〜5℃より高い場合には開いて、熱交換器2
0内での不凍液21の循環・対流を許容させるように働
くものである。勿論、本考案の実施に当たっては、この
開閉弁23を必ずしも採用しなければならないものでは
なく、不凍液21の性質や全体の熱容量によって不凍液
21の対流が十分行われるようであれば、この開閉弁2
3は不要となるものである。
【0025】以上のような熱交換器20のペルチェ素子
10とは反対側には、図2及び図3に示したように、飲
料液体が供給される液通路30が接触状態で配置してあ
る。つまり、この液通路30の一方側は開放されたもの
であるが、その開放部分を熱交換器20側の隔壁板24
によって覆蓋した状態で熱交換器20と一体化したもの
である。勿論、この液通路30内には、冷却すべき飲料
液体が供給されるのであり、そのために、この液通路3
0には入口31及び出口32が一体的に形成してある。
これらの入口31及び出口32は、図示しない配管によ
って、後述する貯水タンク44やポンプ45に接続され
ているものである。そして、本実施例においては、発泡
スチロール等の断熱性に優れた材料によって形成した断
熱部材14によって、上述した熱伝導部材12、蓄冷部
材13、熱交換器20及び液通路30の全体を覆うよう
にしている。これにより、熱交換器20と液通路30間
における熱交換等は、外気温に全く影響を受けることな
く行われるのである。
【0026】また、冷水装置200は、そのケース本体
40内に冷液器100を収納配置するとともに、このケ
ース本体40内のフィン部材11に対向する部分に設け
たファン42と、このファン42の近傍のケース本体4
0に形成した通気窓41と、一定量の水を貯える貯水タ
ンク44と、ケース本体40の外側に露出する吐水口4
3と、この吐水口43から冷水または温湯を積極的に吐
出させるために冷液器100と貯水タンク44間に接続
したポンプ45とを備えたものである。ケース本体40
内には、前述した冷液器100が、例えば図2に示した
ように収納配置されるものであり、その周囲にファン4
2や貯水タンク44が配置されるのである。また、この
冷水装置200は、スイッチボタンを押すことにより冷
却水等の吐出を行うために各種スイッチが設けてあるの
であり、図1に示すように、冷却水等を吐出させるため
の吐水口43がケース本体40の前方上部にケース本体
40外に露出するように設けてある。なお、この吐水口
43の直下には、コップ等の載置部が形成してあり、こ
の載置部にはこぼれた水を排出するための排出口が形成
してある。
【0027】この冷水装置200は、使用される水等の
飲料液体の管路及び電気回路も備えているのであるが、
これらは図4に示したような関係のものとなっている。
つまり、水道等に対しては、第1電磁弁51及びポンプ
45を介して貯水タンク44が接続されるのであり、こ
の貯水タンク44内の水等はチャッキ弁54を介してポ
ンプ45に送られるようになっている。貯水タンク44
内に水が供給される際、または貯水タンク44内での循
環を行う場合には、濾過器55を介して行うようにして
あり、濾過された水等は濾過器55の上端に設けた押圧
弁56から貯水タンク44内に出るようにしてある。ま
た、ポンプ45には、第2電磁弁52を介して冷液器1
00が接続してあるものであり、この冷液器100と並
列的に接続した管路中には第3電磁弁53が介装してあ
る。この第3電磁弁53は、冷液器100による冷水ま
たは温水ではなくて、単なる水道水を使用したい場合に
開放されるものであり、この第3電磁弁53を開放する
ことによって、貯水タンク44内の濾過された水を吐水
口43から出すようにしているものである。なお、ポン
プ45を作動させて水等を送る場合には、チャッキ弁5
4が開かれるものであり、貯水タンク44内の水量は水
量センサー57によって常に検知されているものであ
る。これにより、貯水タンク44内への水道から水等の
供給は自動的になされるようになっている。
【0028】
【考案の効果】以上説明した通り、本考案においては、
上記実施例にて例示した如く、「電流を流すことにより
熱の移動を行う平板状のペルチェ素子10と、その一方
の面に密着した状態で一体化したフィン部材11と、ペ
ルチェ素子10の他方の側に配置した蓄冷部材13と、
この蓄冷部材13のペルチェ素子10とは反対側に配置
されて飲料液体が流れる液通路30とを備えた冷液器1
00において、液通路30と蓄冷部材13との間に、不
凍液21が封入されるとともに、この不凍液21中にそ
の自然対流を促進する区画板22を介在させた熱交換器
20を配置したこと」にその特徴があり、これにより、
飲料液体の冷却を極めて簡単な構造によって行なうこと
ができて、その冷却をエネルギー損失を非常に小さくし
ながら確実に行うことができ、しかも飲料液体の内部で
の凍結を防止してその流れを常に確保することのできる
冷液器100を提供することができるのである。
【0029】すなわち、本考案に係る冷液器100によ
れば、ペルチェ素子10による冷却が急激なものであっ
ても、液通路30内の飲料液体が凍結してしまうことを
防止することができて、常に安定した状態で冷たい水や
ジュース等の飲料液体を供給することができるのであ
る。また、本考案に係る冷液器100によれば、次に使
用されるであろう飲料液体の言わば予備冷却をその蓄冷
部材13や熱交換器20内で行っておくものであり、し
かもその予備冷却をペルチェ素子10に電力を積極的に
供給して行うのではなくペルチェ素子10の言わば冷却
余力を、当該冷液器100そのものの構造によって積極
的に利用することができるのである。さらに、この冷液
器100においては、液通路30と蓄冷部材13との間
に、不凍液21が封入されるとともに、この不凍液21
中に区画板22を介在させた熱交換器20を配置したか
ら、この冷液器100の作動中における不凍液21に自
然対流を積極的に生じさせることができて熱交換を滞り
なく行うことができる。これによって、エネルギー効率
の非常のよい冷液器100とすることができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る冷液器を使用して構成した冷水装
置の斜視図である。
【図2】同横断面図である。
【図3】冷液器の拡大横断面図である。
【図4】冷水装置内の配管状態を示した概略回路図であ
る。
【符号の説明】
100 冷液器 10 ペルチェ素子 11 フィン部材 12 熱伝導部材 13 蓄冷部材 14 断熱部材 20 冷暖水器 21 不凍液 22 区画板 23 開閉弁 24 隔壁板 30 液通路 31 入口 32 出口 40 ケース本体 41 通気窓 42 ファン 43 吐水口 44 貯水タンク 45 ポンプ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流を流すことにより熱の移動を行う平
    板状のペルチェ素子と、その一方の面に密着した状態で
    一体化したフィン部材と、前記ペルチェ素子の他方の側
    に配置した蓄冷部材と、この蓄冷部材の前記ペルチェ素
    子とは反対側に配置されて飲料液体が流れる液通路とを
    備えた冷液器において、 前記液通路と蓄冷部材との間に、不凍液が封入されると
    ともに、この不凍液中にその自然対流を促進する区画板
    を介在させた熱交換器を配置したことを特徴とする冷液
    器。
JP1993029371U 1993-06-02 1993-06-02 ペルチェ効果を利用した冷液器 Expired - Lifetime JP2508933Y2 (ja)

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