JP2508034B2 - 高強度高靭性熱間鍛造焼入用鋼 - Google Patents

高強度高靭性熱間鍛造焼入用鋼

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JP2508034B2 JP61276737A JP27673786A JP2508034B2 JP 2508034 B2 JP2508034 B2 JP 2508034B2 JP 61276737 A JP61276737 A JP 61276737A JP 27673786 A JP27673786 A JP 27673786A JP 2508034 B2 JP2508034 B2 JP 2508034B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、熱間鍛造によって製作される部品、例えば
ナックルアーム,ナックルスピンドルなどの素材として
利用される高強度高靭性熱間鍛造焼入用鋼に関するもの
である。
(従来の技術) 従来、熱間鍛造によって上記に例示した部品を製作す
る場合に、熱間鍛造後に焼入れ・焼もどしの熱処理を施
すことも多い。この熱処理においては、オーステナイ
ト化のための加熱、オーステナイトからの冷却、焼
入れ後の焼もどし、などに代表される工程をとるのが普
通である。
しかしながら、このような熱処理(調質処理)を行な
う場合には、鍛造品を再加熱するための熱処理炉や、冷
却するための焼入槽および焼もどしを行なうためのテン
パー炉などを必要とすることから、作業工数および設備
費が増大する。
そこで、上記の調質処理を行なわなくとも高靭性が得
られるように、素材にV(バナジウム)を添加すること
も行なわれ、熱間鍛造後に空冷,衝風冷等により冷却す
ることによって非調質で高靭性を得るようにすることも
あった。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、Vを添加して熱間鍛造後に非調質で高
靭性が得られるようにした場合には、靭性のばらつきを
きたしやすく、品質の安定した鍛造品を得ることができ
ない場合もありうるという問題点があった。
(発明の目的) 本発明はこのような従来の問題点に着目してなされた
もので、熱間鍛造後においてオーステナイト化のための
再加熱および再加熱後の急冷(焼入れ)ならびに焼もど
しの熱処理を行なわずとも、熱間鍛造後に当該熱間鍛造
時の残熱を利用して焼入れすることにより高強度でかつ
高靭性の鍛造品が得られ、その後の焼もどしを省略する
ことが可能である高強度高靭性熱間鍛造焼入用鋼を提供
することを目的としているものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明による高強度高靭性熱間鍛造焼入用鋼は、重量
%で、C:0.04〜0.15%、Si:1.0%以下、Mn:0.5〜3.0
%、Cr:0.5〜3.0%、Al:0.01〜0.05%、N:0.006〜0.025
%を含み、必要に応じてMo:0.01〜0.7%,Nb:0.01〜0.1
%のうちから選ばれる1種または2種を含み、同じく必
要に応じてS:0.15%以下,Pb:0.3%以下,Ca:0.005%以
下,Bi:0.3%以下,Te:0.3%以下のうちから選ばれる1種
または2種以上を含み、より望ましくはMn+Cr:1.5〜4.
0%であり、残部実質的にFeおよび不純物よりなり、熱
間鍛造後Ar3変態点以上で急冷することにより高い靭性
および70%以上の耐力比が得られることを特徴とするも
のである。
次に、本発明による高強度高靭性熱間鍛造焼入用鋼の
成分範囲(重量%)の限定理由について説明する。
C:0.04〜0.15% Cは鍛造品の強度を確保するのに有効な元素であり、
このような効果を得るためには0.04%以上含有させるこ
とが必要である。しかし、多すぎると靭性が低下するの
で0.15%以下とした。
Si:1.0%以下 Siは鋼溶製時において脱酸作用を有する元素である
が、多すぎると靭性を低下させるので1.0%以下とし
た。
Mn:0.5〜3.0% Mnは鋼溶製時において脱酸作用および脱硫作用を有し
ていると共に、介在物の形態を制御し、焼入性を向上さ
せて鍛造品の強度を高めるのに有効な元素であり、この
ような効果を得るためには0.5%以上含有させることが
必要である。しかし、含有量が多すぎると被削性を劣化
させると共に、延性を低下させるので3.0%以下とする
ことが必要である。
Cr:0.5〜3.0% Crは焼入性を向上して鍛造品の強度を高めるのに有効
な元素であり、このような効果を得るためには0.5%以
上含有させることが必要である。しかし、多すぎると強
度が大きくなりすぎ、靭性が低下することとなるので3.
0%以下とする必要がある。
また、強度のより一層の向上ならびに良好な靭性の確
保のためにはMn+Crで1.5〜4.0%の範囲とすることがよ
り望ましい。
Al:0.01〜0.05% Alは鋼の溶製時において強い脱酸作用を有する元素で
あり、鋼中の酸化物系介在物を減少させて強度を増大さ
せるのに有効であるので、このような効果を得るために
0.01%以上とした。しかし、含有量が多すぎると固溶N
の量を減少させて、Nの添加効果をなくしてしまうので
0.05%以下とすることが必要である。
N:0.006〜0.025% Nは鍛造品の強度を向上させるのに有効な元素であ
り、熱間鍛造後Ar3変態点以上での急冷によって70%以
上の耐力比を確保するのに有効な元素であるので、この
ような効果を得るために0.006%以上とした。しかし、
多すぎるとかえって靭性の低下をもたらすので0.025%
以下とした。
Mo:0.01〜0.7%,Nb:0.01〜0.1%のうちから選ばれる1
種または2種 MoおよびNbはいずれもフェライトの析出を長時間側に
移行させ、焼入性を向上させて強度を高めるのに有効な
元素であるので、このような効果を得るために、Moおよ
びNbのうちから選ばれる1種または2種をMoは0.01%以
上、Nbも0.01%以上必要に応じて含有させるのもよい。
しかし、多量に含有させても添加効果の向上はさほどみ
られず、かえって経済的に不利となるので、添加すると
してもMoは0.7%以下、Nbは0.1%以下とする必要があ
る。
S:0.15%以下,Pb:0.3%以下,Ca:0.005%以下,Bi:0.3%
以下,Te:0.3%以下のうちから選ばれる1種または2種
以上 S,Pb,Ca,Bi,Teはいずれも被削性を向上させる元素で
あるので、鍛造品において被削性が良好であることが要
求される場合にはこれらのうちから選ばれる1種または
2種以上を適量添加するのもよい。しかしながら、添加
量が多すぎると熱間加工性を低下させたり靭性を劣化さ
せたりするので、添加するとしても、Sは0.15%以下、
Pbは0.3%以下、Caは0.005%以下、Biは0.3%以下、Te
は0.3%以下とする必要がある。
このような化学成分をもつ本発明による鍛造焼入鋼を
所望の形状に熱間鍛造したのち、この熱間鍛造の際の残
熱を利用し、そして必要に応じて適宜に温度を降下させ
て、Ar3変態点以上(例えば、Ar3+50℃位)の温度から
急冷して焼入れを行うことによって、高い靭性および70
%以上の耐力比をもつ鍛造品を得ることが可能であり、
焼もどしを必ずしも行わなくとも靭性のすぐれた鍛造品
を非調質で得ることができる。
(実施例) 第1表に示す本発明鋼(No.1〜7)および比較鋼(N
o.8〜10)を溶製したのち造塊し、各鋼毎に1200℃で0.5
hr加熱保持したあと熱間鍛造を行ない、直径40mmの丸棒
材とし、熱間鍛造後に約900℃以上の温度から水冷によ
り急速冷却した。次いで、各鍛造品より厚さ15mm,幅30m
mの供試材を採取し、各供試材について、降伏点,引張
強さ,耐力比,衝撃値(−50℃,23℃)および硬さ(H
v)を測定した。これらの結果を第2表に示す。
第1表および第2表より明らかなように、本発明鋼
(No.1〜7)はいずれも非調質の状態において衝撃値が
大で高靭性のものになっているとともに、70%以上の耐
力比が得られていて高強度のものとなっていることが認
められた。
これに対してN量が少ないNo.8の比較鋼では70%以上
の耐力比を得ることができず、またN量が多いNo.9の比
較鋼では衝撃値がかなり低く、さらにCr量が少ないNo.1
0の比較鋼では低温での衝撃値がかなり低いものとなっ
ていることが認められた。
[発明の効果] 以上説明してきたように、本発明による高強度高靭性
熱間鍛造焼入用鋼は、重量%で、C:0.04〜0.15%、Si:
1.0%以下、Mn:0.5〜3.0%、Cr:0.5〜3.0%、Al:0.01〜
0.05%、N:0.006〜0.025%を含み、必要に応じてMo:0.0
1〜0.7%,Nb:0.01〜0.1%のうちから選ばれる1種また
は2種を含み、同じく必要に応じてS:0.15%以下,Pb:0.
3%以下,Ca:0.005%以下,Bi:0.3%以下,Te:0.3%以下の
うちから選ばれる1種または2種以上を含み、より望ま
しくはMn+Cr:1.5〜4.0%であり、残部実質的にFeおよ
び不純物よりなり、熱間鍛造後Ar3変態点以上で急冷す
ることにより高い靭性および70%以上の耐力比が得られ
るものであるから、熱間鍛造後に調質処理を施す必要が
なく、焼入れ時の加熱は熱間鍛造の残熱を利用すること
ができるため、熱間鍛造後に別工程で焼入れを行なう場
合のように焼入れ温度への再加熱を省略することが可能
であると共に、焼入れ後の焼もどし処理をも省略するこ
とが可能であり、非調質で高靭性および耐力比70%以上
の高強度が得られ、かつまた従来のV添加鋼のような靭
性のばらつきを生じがたい熱間鍛造焼入用鋼であるとい
う非常に優れた効果がもたらされる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.04〜0.15%、Si:1.0%以
    下、Mn:0.5〜3.0%、Cr:0.5〜3.0%、Al:0.01〜0.05
    %、N:0.006〜0.025%を含み、残部実質的にFeおよび不
    純物よりなり、熱間鍛造後Ar3変態点以上で急冷するこ
    とにより高い靭性および70%以上の耐力比が得られるこ
    とを特徴とする高強度高靭性熱間鍛造焼入用鋼。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.04〜0.15%、Si:1.0%以
    下、Mn:0.5〜3.0%、Cr:0.5〜3.0%、Al:0.01〜0.05
    %、N:0.006〜0.025%、およびMo:0.01〜0.7%,Nb:0.01
    〜0.1%のうちから選ばれる1種または2種を含み、残
    部実質的にFeおよび不純物よりなり、熱間鍛造後Ar3
    態点以上で急冷することにより高い靭性および70%以上
    の耐力比が得られることを特徴とする高強度高靭性熱間
    鍛造焼入用鋼。
  3. 【請求項3】重量%で、C:0.04〜0.15%、Si:1.0%以
    下、Mn:0.5〜3.0%、Cr:0.5〜3.0%、Al:0.01〜0.05
    %、N:0.006〜0.025%、およびS:0.15%以下,Pb:0.3%
    以下,Ca:0.005%以下,Bi:0.3%以下,Te:0.3%以下のう
    ちから選ばれる1種または2種以上を含み、残部実質的
    にFeおよび不純物よりなり、熱間鍛造後Ar3変態点以上
    で急冷することにより高い靭性および70%以上の耐力比
    が得られることを特徴とする高強度高靭性熱間鍛造焼入
    用鋼。
  4. 【請求項4】重量%で、C:0.04〜0.15%、Si:1.0%以
    下、Mn:0.5〜3.0%、Cr:0.5〜3.0%、Al:0.01〜0.05
    %、N:0.006〜0.025%、およびMo:0.01〜0.7%,Nb:0.01
    〜0.1%のうちから選ばれる1種または2種、さらにS:
    0.15%以下,Pb:0.3%以下,Ca:0.005%以下,Bi:0.3%以
    下,Te:0.3%以下のうちから選ばれる1種または2種以
    上を含み、残部実質的にFeおよび不純物よりなり、熱間
    鍛造後Ar3変態点以上で急冷することにより高い靭性お
    よび70%以上の耐力比が得られることを特徴とする高強
    度高靭性熱間鍛造焼入用鋼。
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