JP2502421B2 - 吸水性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シ−ト及びその製造方法 - Google Patents
吸水性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シ−ト及びその製造方法Info
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- foam sheet
- thermoplastic polyester
- sheet
- polyester resin
- resin foam
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ポリエステル
系樹脂（以下、これをＰＡＴという）発泡シートに関
し、特に優れた吸水性能を有するＰＡＴシートに関す
る。
系樹脂（以下、これをＰＡＴという）発泡シートに関
し、特に優れた吸水性能を有するＰＡＴシートに関す
る。
【０００２】
【従来の技術】従来より製造されている熱可塑性樹脂発
泡シートは、独立気泡で形成されているため撥水性であ
った。従って、ＰＡＴ発泡シートから特願平1-294306号
公報に記載されたような皮革用シートとして使用する場
合、外観は皮革に近 いものであっても、吸水性、通気
性については皮革からほど遠いものであった。またＰＡ
Ｔ発泡シートをオイルタンクの断熱材として使用する場
合、オイルが漏れたときオイルがタンク外に流れ落ちる
ために用途が限定されていた。
泡シートは、独立気泡で形成されているため撥水性であ
った。従って、ＰＡＴ発泡シートから特願平1-294306号
公報に記載されたような皮革用シートとして使用する場
合、外観は皮革に近 いものであっても、吸水性、通気
性については皮革からほど遠いものであった。またＰＡ
Ｔ発泡シートをオイルタンクの断熱材として使用する場
合、オイルが漏れたときオイルがタンク外に流れ落ちる
ために用途が限定されていた。
【０００３】また、合成樹脂の表面品質改善のために各
種の薬剤を混練して成形することが行われているが、Ｐ
ＡＴより成る発泡シートは前述のように独立気泡体であ
るため、薬剤が気泡内部に閉じ込められてしまい、改善
効果は十分に発現できなかった。それ故、ＰＡＴ発泡シ
ートの表面に直接薬剤を塗布することが行われてきた
が、この方法では薬剤の塗布面積が限られるため、依然
として十分な効果を得ることはできなかった。
種の薬剤を混練して成形することが行われているが、Ｐ
ＡＴより成る発泡シートは前述のように独立気泡体であ
るため、薬剤が気泡内部に閉じ込められてしまい、改善
効果は十分に発現できなかった。それ故、ＰＡＴ発泡シ
ートの表面に直接薬剤を塗布することが行われてきた
が、この方法では薬剤の塗布面積が限られるため、依然
として十分な効果を得ることはできなかった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ＰＡＴ発泡シートの連
続気泡を形成し、 ＰＡＴ発泡シートに吸水性を与える
こと及び薬剤によって表面品質改善をした場合にその効
果が十分に発現されるようにすることである。
続気泡を形成し、 ＰＡＴ発泡シートに吸水性を与える
こと及び薬剤によって表面品質改善をした場合にその効
果が十分に発現されるようにすることである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは厚さ０．５
mm以上、密度０．７g/cc以下のＰＡＴ発泡シートを強ア
ルカリ溶液に浸漬することにより上記課題が解決される
ことを見出した。すなわちＰＡＴ発泡シートを強アルカ
リ溶液に浸漬するという極めて簡単な手段によって、Ｐ
ＡＴ発泡シートの表面には気泡が破れた繊維状部分が形
成され、連続気泡率４０％以上の連続気泡を有する吸水
性のすぐれたＰＡＴ発泡シートを製造することができ
る。
mm以上、密度０．７g/cc以下のＰＡＴ発泡シートを強ア
ルカリ溶液に浸漬することにより上記課題が解決される
ことを見出した。すなわちＰＡＴ発泡シートを強アルカ
リ溶液に浸漬するという極めて簡単な手段によって、Ｐ
ＡＴ発泡シートの表面には気泡が破れた繊維状部分が形
成され、連続気泡率４０％以上の連続気泡を有する吸水
性のすぐれたＰＡＴ発泡シートを製造することができ
る。
【０００６】この発明で用いることのできるＰＡＴと
は、芳香族のジカルボン酸に、二価アルコールを反応さ
せて得られた高分子量の鎖状ポリエステルである。ジカ
ルボン酸としては、テレフタール酸が最も多く用いられ
ているが、イソフタール酸、２，６ーナフタレンジカル
ボン酸が用いられることもある。そのほか、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェノキシジカルボン酸が用いられることもあ
る。他方、二価アルコールとしては、エチレングリコー
ルが主として用いられるが、トリメチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ネオペンチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメチ
ロール、トリシクロデカンジメチロール、２，２ービス
（４ーβーヒドロキシエトキシフェニル）プロパン、
４，４′ービス（βーヒドロキシエトキシ）ジフェニル
スルホン、ジエチレングリコールを用いたものもある。
このようなＰＡＴは市販されている。この発明では、市
販されているＰＡＴを用いることができる。
は、芳香族のジカルボン酸に、二価アルコールを反応さ
せて得られた高分子量の鎖状ポリエステルである。ジカ
ルボン酸としては、テレフタール酸が最も多く用いられ
ているが、イソフタール酸、２，６ーナフタレンジカル
ボン酸が用いられることもある。そのほか、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェノキシジカルボン酸が用いられることもあ
る。他方、二価アルコールとしては、エチレングリコー
ルが主として用いられるが、トリメチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ネオペンチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメチ
ロール、トリシクロデカンジメチロール、２，２ービス
（４ーβーヒドロキシエトキシフェニル）プロパン、
４，４′ービス（βーヒドロキシエトキシ）ジフェニル
スルホン、ジエチレングリコールを用いたものもある。
このようなＰＡＴは市販されている。この発明では、市
販されているＰＡＴを用いることができる。
【０００７】上述のＰＡＴのうち、この発明で用いるに
適したものは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートエラストマー、非結晶性ポリエステ
ル、ポリシクロヘキサンテレフタレートなどである。こ
れらの樹脂は、単独でまたは混合して用いることができ
る。他の樹脂を混合する場合には、他の樹脂はＰＡＴよ
りも少なくする必要がある。
適したものは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレートエラストマー、非結晶性ポリエステ
ル、ポリシクロヘキサンテレフタレートなどである。こ
れらの樹脂は、単独でまたは混合して用いることができ
る。他の樹脂を混合する場合には、他の樹脂はＰＡＴよ
りも少なくする必要がある。
【０００８】本発明で樹脂を浸漬するアルカリ溶液とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム等の水酸塩、炭酸カルシウ
ム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、燐酸ナトリウム、燐酸
カリウム等の燐酸塩などが挙げられる。またアルカリ溶
液はｐH １２．５以上の溶液が望ましい。８０℃〜１０
０℃に加熱すると２０〜３０分間の浸漬で連続気泡率が
４５％〜８０％となる。
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム等の水酸塩、炭酸カルシウ
ム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、燐酸ナトリウム、燐酸
カリウム等の燐酸塩などが挙げられる。またアルカリ溶
液はｐH １２．５以上の溶液が望ましい。８０℃〜１０
０℃に加熱すると２０〜３０分間の浸漬で連続気泡率が
４５％〜８０％となる。
【０００９】なお本発明において、ＰＡＴ発泡シート
を、厚さ０．５mm以上、密度０．７g/cc以下と規定した
のは、シートとして断熱性（特に高温で使用するオイル
タンクの断熱材としてする場合）、緩衝性を充分に発揮
するには０．５mm以上の厚みが必要であり、また、シー
トとして断熱性（特に高温で使用するオイルタンクの断
熱材としてする場合）、緩衝性を充分に発揮するには
０．７g/cc以下の密度が必要であり、更にアルカリ溶液
により気泡壁を侵す為には、０．７g/cc以下の密度で気
泡壁を薄くする方が効果的であるためである。
を、厚さ０．５mm以上、密度０．７g/cc以下と規定した
のは、シートとして断熱性（特に高温で使用するオイル
タンクの断熱材としてする場合）、緩衝性を充分に発揮
するには０．５mm以上の厚みが必要であり、また、シー
トとして断熱性（特に高温で使用するオイルタンクの断
熱材としてする場合）、緩衝性を充分に発揮するには
０．７g/cc以下の密度が必要であり、更にアルカリ溶液
により気泡壁を侵す為には、０．７g/cc以下の密度で気
泡壁を薄くする方が効果的であるためである。
【００１０】本発明で得られる連続気泡率40％以上の熱
可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは水滴の吸収が良
好であると共にシートが柔軟であるためその感触は皮革
用シートのそれに近いものである。
可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは水滴の吸収が良
好であると共にシートが柔軟であるためその感触は皮革
用シートのそれに近いものである。
【００１１】
【実施例】以下に実施例と比較例とを挙げて、本発明を
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【００１２】
【実施例１】厚さ１．１mm、密度０．３０ｇ/cc のポリ
エチレンテレフタレート発泡シートを８０℃、水酸化ナ
トリウム水溶液（３０重量％水溶液）に３０分間浸漬し
た。得られた発泡シートの連続気泡率は４８％、吸水率
は５４％であった。拡大写真により表面には気泡が破れ
た繊維状部分が存在することが判明した。
エチレンテレフタレート発泡シートを８０℃、水酸化ナ
トリウム水溶液（３０重量％水溶液）に３０分間浸漬し
た。得られた発泡シートの連続気泡率は４８％、吸水率
は５４％であった。拡大写真により表面には気泡が破れ
た繊維状部分が存在することが判明した。
【００１３】
【実施例２】１００℃水酸化ナトリウムに浸漬する時間
を２０分とした以外は実施例１と同じ方法でシートを製
造した。得られた発泡シートの連続気泡率７６％で吸水
率は１３４％であった。
を２０分とした以外は実施例１と同じ方法でシートを製
造した。得られた発泡シートの連続気泡率７６％で吸水
率は１３４％であった。
【００１４】
【実施例３】厚さ１．１mm、密度０．５０g/ccのポリエ
チレンテレフタレート発泡シートを８０℃の炭酸カルシ
ウム水溶液（３０重量％水溶液）に３０分間浸漬した。
得られた発泡シートの連続気泡率は４２％、吸水率は４
４％であった。
チレンテレフタレート発泡シートを８０℃の炭酸カルシ
ウム水溶液（３０重量％水溶液）に３０分間浸漬した。
得られた発泡シートの連続気泡率は４２％、吸水率は４
４％であった。
【００１５】
【実施例４】厚さ１．１mm、密度０．３０ｇ/cc のポリ
エチレンテレフタレート発泡シートを８０℃の燐酸ナト
リウム水溶液（３０重量％水溶液）に３０分間浸漬し、
同様に発泡シートを得た。 〔比較例１〕厚さ１．１mm、密度０．３０ｇ/cc のポリ
エチレンテレフタレート発泡シートを何も処理しなかっ
たところ連続気泡率は４％、吸水率は０．７％であっ
た。
エチレンテレフタレート発泡シートを８０℃の燐酸ナト
リウム水溶液（３０重量％水溶液）に３０分間浸漬し、
同様に発泡シートを得た。 〔比較例１〕厚さ１．１mm、密度０．３０ｇ/cc のポリ
エチレンテレフタレート発泡シートを何も処理しなかっ
たところ連続気泡率は４％、吸水率は０．７％であっ
た。
【００１６】以上の例において、吸水率はＪＩＳ Ｋ７
０２９ Ａ法に準拠（試験片の元の質量と吸水前後の質
量増加分の比から求める。）した。また、連続気泡率は
ＡＳＴＭ Ｄ２８５６に準拠した。
０２９ Ａ法に準拠（試験片の元の質量と吸水前後の質
量増加分の比から求める。）した。また、連続気泡率は
ＡＳＴＭ Ｄ２８５６に準拠した。
【００１７】
【発明の効果】以上のことから、本発明の発泡シートは
連続気泡率が４０％以上であり、すぐれた吸水性を有す
ることがわかる。また薬剤による表面処理ではシートを
高温（１00℃）使用した場合薬剤が融け出し使用する度
に効果が失われるが、本発明で得られるシートはそのよ
うな欠点がない。
連続気泡率が４０％以上であり、すぐれた吸水性を有す
ることがわかる。また薬剤による表面処理ではシートを
高温（１00℃）使用した場合薬剤が融け出し使用する度
に効果が失われるが、本発明で得られるシートはそのよ
うな欠点がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０８Ｌ 67:02 Ｃ０８Ｌ 67:02
Claims (2)
- 【請求項１】 厚さ０．５mm以上、密度０．７g/cc以下
の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートで、表面には
気泡が破れた繊維状部分が存在し、発泡シートの連続気
泡率が４０％以上であることを特徴とする吸水性を有す
る熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート。 - 【請求項２】 厚さ０．５mm以上、密度０．７g/cc以下
の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを強アルカリ
溶液に浸漬することを特徴とする請求項第１項記載の熱
可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22077991A JP2502421B2 (ja) | 1991-08-31 | 1991-08-31 | 吸水性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シ−ト及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22077991A JP2502421B2 (ja) | 1991-08-31 | 1991-08-31 | 吸水性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シ−ト及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0557806A JPH0557806A (ja) | 1993-03-09 |
| JP2502421B2 true JP2502421B2 (ja) | 1996-05-29 |
Family
ID=16756439
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22077991A Expired - Lifetime JP2502421B2 (ja) | 1991-08-31 | 1991-08-31 | 吸水性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シ−ト及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2502421B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7764527B2 (en) | 2007-02-20 | 2010-07-27 | Tdk Corporation | Switching power supply unit |
-
1991
- 1991-08-31 JP JP22077991A patent/JP2502421B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7764527B2 (en) | 2007-02-20 | 2010-07-27 | Tdk Corporation | Switching power supply unit |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0557806A (ja) | 1993-03-09 |
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