JP2501282Y2 - 工作機械の主軸における工具取付部の構造 - Google Patents

工作機械の主軸における工具取付部の構造

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JP2501282Y2 JP1989088129U JP8812989U JP2501282Y2 JP 2501282 Y2 JP2501282 Y2 JP 2501282Y2 JP 1989088129 U JP1989088129 U JP 1989088129U JP 8812989 U JP8812989 U JP 8812989U JP 2501282 Y2 JP2501282 Y2 JP 2501282Y2
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勝蔵 須藤
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晴義 桑原
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は工作機械の主軸における工具取付部の構造に
係り、詳しくは該部の寿命を延長させる技術に関する。
〈従来の技術〉 フライス盤,マシニングセンタあるいは形彫機などの
工作機械には、切削や研削加工に供されるフライスや錐
などの工具を回転駆動するための主軸が具えられてい
る。主軸は主軸頭により回転自在に支持され、電動モー
タなどにより回転駆動される。主軸の先端には多くの場
合テーパ形状の工具取付穴が形成されており、この工具
取付穴に工具のシャンクを嵌合・固定させるようになっ
ている。
第4図には工作機械の主軸頭の構造の1例を示すが、
この図において主軸1は主軸頭2の中心部にラジアルロ
ーラベアリング3,4とスラストボールベアリング5によ
り強固に支持されている。したがって、重切削などの場
合に発生する大きな加工分力を受けても主軸1は振れる
ことなく所望の回転が確保されるのである。
一方、主軸1の先端部にはテーパ形状の工具取付穴6
が形成されており、この工具取付穴6に工具(本図では
工具ホルダ)7のテーパシャンク部(以下、シャンク
部)7aが嵌合する。シャンク部7aの後端(図中右側)に
はプルスタッド部7bが一体に形成されており、このプル
スタッド部7bを主軸1内に設けられたチャック機構のコ
レット8がくわえるようになっている。
チャック機構はコレット8の他、ドローバー9と皿ば
ね群10とから構成されており、ドローバー9,コレット8
を介して、皿ばね群10のばね力でプルスタッド部7bを図
中右方に強力に引くことにより工具7と主軸1との結合
が行われる。工具7の交換の際にはドローパー9の右端
(図示せず)を油圧などで押し、コレット8がプルスタ
ッド7bを開放することにより行われる。そして、図示し
ない工具自動交換装置(以下、ATC:Automatic Tool Cha
nger)を具えたマシニングセンタなどにおいては、各種
の加工に適した工具7をATCと上記チャック機構とを連
動させて自動的に交換し、様々な加工が連続して行える
ようにしている。
主軸1の工具取付穴6と工具7のとシャンク部7aとの
テーパ比は基本的に同一であり、工具取付穴6側のテー
パ比はゲージを用いて厳重に管理されている。そして、
工具取付穴6の表面は工具7の交換や加工時の微動に起
因する摩耗を防止して加工精度を維持するべく、各種の
表面硬化処理、例えばモリブデン鋼を用いた窒化処理,
高炭素鋼を用いた焼入処理,耐食鋼を用いた浸炭処理な
ど、を施している。
〈考案が解決しようとする課題〉 ところで、上述した従来の主軸1には以下に述べる問
題点があった。
第5図には従来の工具取付構造において、ドローバー
9により工具7を所定の引張力Qで引いたときに発生す
る嵌合面の面圧分布を示してある。図中実線で示したも
のは工具取付穴6のテーパ比をゲージを用いて正確に管
理した状態であり、破線で示したものはある程度使い込
んだ状態である。この図から判るように、初期には前後
端部の面圧が高く、その後次第に中央部の面圧が高まる
と共に先端部の面圧が低下してくる。
この状態が顕著になってくると、工具7の実支持長が
短くなり、工具7が微小な首振り運動をいわゆるびびり
動を起こすようになってくる。
実験などを通して調査解析した結果、以下の2点がび
びり動の原因となっていることが判明した。まず、第1
点として工具取付穴6の先端部(図中、左側の部分)が
他の部位に比べ加工時の応力や微動などによる影響を受
け易く、摩耗や塑性変形(いわゆるへたり)をより多く
生じることがある。第2点としては、工具取付穴6に嵌
合する工具7のシャンク部7aの形状が製造公差内で微妙
に異なるため面圧分布が一定せず、且つ嵌合面積に対す
るドローバー9の引張力Qが装置のコンパクト化などの
ためにあまり大きくできないためにびびり動が助長され
て摩耗やへたりが更に拡大することがある。尚、これら
の摩耗やへたりは先端部に限らず、かなり広範囲に及ん
でいる。
現在、マシニングセンタなどにおいてはNC(Numerica
l Control)を採用して高精度の加工を行っているが、
工具7自体が上述したようなびびり動を起こすと当然に
加工精度が悪化する。したがって、ゲージによるチェッ
クを適宜行い、所定量の摩耗やへたりがあった場合には
主軸1の交換が行われていた。この作業は主軸頭2の分
解などに多大な時間と工数とを要すると共に、交換部品
(主軸1など)のコストも大きかった。そして、工具交
換頻度が高い場合には機械の稼働率に与える影響も無視
できず、早急な改善が求められていた。
本考案は上記状況に鑑みなされたもので、工具取付穴
6の耐久性を向上させ、もって主軸1の寿命を高めるこ
とを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 そこで、本考案ではこの課題を解決するために、主軸
の先端部に形成されたテーパ形状の工具取付穴に工具の
シャンク部を嵌合させて当該工具を取り付ける構造であ
って、前記工具取付穴のテーパ角度を前記シャンク部の
テーパ角度と同一とすると共に該工具取付穴の軸方向に
おける中間部位に円環状の径増大部を設け、該径増大部
に前記シャンク部より圧縮剛性の低い弾性部材を嵌合し
て前記工具取付穴内面を面一としたことを特徴とする工
作機械の主軸における工具取付部の構造を提供するもの
である。
〈作用〉 工具取付穴の中間部位に径増大部が形成されているた
め、該部では工具のシャンク部が実際には支持されず、
その結果、先端部に多少の摩耗やへたりが生じても実支
持長の減少が起こらない。また、工具のシャンク部が工
具取付穴の前部および後部で支持されるため、実嵌合面
積の低下により面圧が必然的に向上しびびり動が抑えら
れる。更に、径増大部に圧縮剛性の低い弾性部材が嵌合
して工具取付穴内面が面一となっているため、この径増
大部に切り粉などが付着したり、シャンク部が引っ掛か
るなどの不具合が生じることはない。
〈実施例〉 本考案の一実施例を図面に基づき具体的に説明する。
尚、実施例の説明にあたっては前述した従来の例におけ
る部材と同一の部材に同一の符号を付し、重複する説明
を省略する。
第1図には本実施例に係る主軸の工具取付部の拡大半
断面を示し、第2図にはこの実施例における工具取付部
の面圧分布を示してある。そして、第3図には本考案を
適用する場合の有効範囲をグラフにより示してある。
第1図において、主軸1には工具7のシャンク部7aの
テーパ角度と同一のテーパ角度の工具取付穴6が形成さ
れており、この工具取付穴6の中間部に円環状の径増大
部6aが形成されている。径の増大量は本実施例の場合半
径方向で2mmであり、その長さ10は工具取付穴6と工具
7の嵌合長Lの約60%となっている。したがって、その
前後には工具7のシャンク部7aと当接・嵌合する残部6
b,6cが形成されるが、本実施例ではこれらの長さ11,12
はそれぞれ嵌合長Lの23%,17%となっている。
本実施例の場合、径増大部6aには銅合金製のカラー11
が嵌め込まれ、その後全体に硬質クローム鍍金が施され
ている。その結果、工具取付穴6の内面は一見通常のも
のと変わらない仕上がりとなっている。
以下、本実施例の作用を述べる。
主軸1の工具取付穴6に工具7のシャンク部7aを嵌合
させ、プルスタッド部7bを前述のチェック機構により引
いた場合、本実施例の主軸1では中間部位においてシャ
ンク部7aが径増大部6aに嵌め込まれたカラー11と当接す
る。カラー11は銅合金であるため圧縮剛性が主軸1に比
べ著しく低く、容易に弾性変形する。したがって、面圧
は第2図に示すごとく前後の残部6b,6cにおいて突出し
て高い値を示し、径増大部6aではかなり低い値となる。
第2図中破線にある程度使い込んだ状態を示してあ
る。この場合にも従来装置と同様面圧に若干の変動が起
こるが、基本的には前述した傾向は変わらず前後の残部
6b,6cの面圧は十分高い値に確保される。このため、シ
ャンク部7aは当初と変わらぬ実支持長で保持され、びび
り動の発生が抑えられるようになった。また、シャンク
部7aの製造公差内での形状差があっても面圧が高まるこ
とにより嵌合・固定が強固に行われるようになった。
以上述べた理由により、工具取付穴6の摩耗やへたり
は従来のものに比べ著しく少なくなり、主軸1の寿命は
飛躍的に向上した。尚、本実施例では、フライス加工に
おいて直径100mm歯数12の工具7を用い、送り100〜150m
m/min,切削幅80mm,切り込み5mm,回転数200rpmの加工条
件で従来に比べ主軸1の寿命が数倍に延長された。ま
た、本実施例では径増大部6aを単に形成するだけでな
く、カラー11を嵌め込んで工具取付穴6内に段差ができ
ないようにしたため、該部に切り粉などが付着したり、
工具7の装着時にシャンク部7aが引っ掛かるといった不
具合も生じない。
そして、径増大部6a長さ10の嵌合長Lに対する比を様
々に変えて試験を行った結果、第3図に示すように30%
から70%の範囲で主軸1の寿命が顕著に向上することが
確認できた。また、前後の残部6b,6cの長さ11,12につ
いてもその比率を変えて試験を行った結果、嵌合長Lの
15%以下とした場合には摩耗やへたりの発生が許容でき
なくなることが明かとなった。
以上で実施例の説明を終えるが、本考案はこの実施例
に限るものではない。例えば、カラー11の素材としてア
ルミ合金,樹脂,ゴムなど銅合金以外のものを用いても
よいし、またカラー11自体を省略してもよい。更に、径
増大部の長さ10や残部の長さ11,12についても、本実施
例の比率に限るものではなく、加工上の理由や使用する
工具7に合わせて適宜選択可能である。
〈考案の効果〉 本考案に係る工作機械の主軸における工具取付部の構
造によれば、工具取付穴のテーパ角度をシャンク部のテ
ーパ角度と同一とすると共にこの工具取付穴の軸方向に
おける中間部に径増大部を形成してこの径増大部にシャ
ンク部より圧縮剛性の低い弾性部材を嵌合して工具取付
穴内面を面一とすることにより残部の面圧を高めるよう
にしたため、残部特に先端部の摩耗やへたりが減少する
と共にこれらの現象が起こった場合にも工具のびびり動
が起こらなくなり、また、この径増大部に切り粉などが
付着したり、シャンク部が引っ掛かるなどの不具合が生
じることはなく、その結果主軸の寿命が延長されて保守
コストの低減や工作機械の稼働率の向上が得られるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例に係る主軸の工具取付部を示す拡大半
断面図であり、第2図はこの実施例における工具取付部
の面圧分布図である。また、第3図は本考案を適用する
場合の有効範囲を示すグラフである。一方、第4図は工
作機械の従来の主軸頭の構造の1例を示す縦断面図であ
り、第5図はこの例における工具取付部の面圧分布図で
ある。 図中、1は主軸、2は主軸頭、3,4はラジアルローラベ
アリング、5はスラストボールベアリング、6は工具取
付穴、6aは径増大部、6b,6cは残部、7は工具、7aはテ
ーパシャンク部、7bはプルスタッド部、8はコレット、
9はドローバー、10は皿ばね群、11はカラーである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 桑原 晴義 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)考案者 片山 欽司 広島県広島市安佐南区祇園3丁目2番1 号 三菱重工業株式会社広島工機工場内 (56)参考文献 実開 昭61−141038(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】主軸の先端部に形成されたテーパ形状の工
    具取付穴に工具のシャンク部を嵌合させて当該工具を取
    り付ける構造であって、前記工具取付穴のテーパ角度を
    前記シャンク部のテーパ角度と同一とすると共に、該工
    具取付穴の軸方向における中間部位に円環状の径増大部
    を設け、該径増大部に前記シャンク部より圧縮剛性の低
    い弾性部材を嵌合して前記工具取付穴内面を面一とした
    ことを特徴とする工作機械の主軸における工具取付部の
    構造。
  2. 【請求項2】前記径増大部の長さが前記工具取付穴の前
    記工具との嵌合長の30%から70%の範囲にあり、且つ一
    方の残部の長さが少なくとも前記嵌合長の15%以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の工作機械の主軸にお
    ける工具取付部の構造。
JP1989088129U 1989-07-28 1989-07-28 工作機械の主軸における工具取付部の構造 Expired - Lifetime JP2501282Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0613770Y2 (ja) * 1985-02-22 1994-04-13 京セラ株式会社 工作機械の回転ヘツド
JPH0351053Y2 (ja) * 1985-09-04 1991-10-31

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