JP2501147B2 - 高純度アルキルホスフィンの製造方法 - Google Patents

高純度アルキルホスフィンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高純度アルキルホスフ
ィンの製造方法に関する。特に本発明はMOCVD(Met
alorganic Chemical Vapor Deposition)法により化合物
半導体薄膜を形成する際の原料となる高純度アルキルホ
スフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インジウムーリンをはじめとするIII 族
ーV族化合物半導体薄膜は電子デバイスを作製する材料
として有用である。化合物半導体薄膜を形成する方法と
しては、MBE(Molecular Beam Epitaxy) 、ハライド
CVD、MOCVD 、MOMBE(Metal-organic Molecular Beam
Epitaxy) などがある。これらの中でもMOCVD あるいは
MOMBE は結晶成長系内を高真空に保つ必要がなく原料の
交換が容易であり、メンテナンスが楽であるため、使用
頻度の高まりとともに注目されつつある結晶成長法であ
る。
【0003】ところがこれらの方法によってIII 族ーリ
ン化合物半導体を作製する際には、リン化合物の原料と
して、毒性の高いリンの水素化物であるホスフィンを用
いているため、量産化に伴う原料の多量使用に不安がも
たれている。
【0004】そこで近年、リン原料として、ホスフィン
に代わってアルキルホスフィンが提案され、特にモノア
ルキルホスフィンは水素を2個有するため半導体薄膜へ
の炭素の混入が少なく、毒性を低減したホスフィン代替
材料として注目されている[例えばJ.Crystal Growth.
77(1986) 11]。
【0005】アルキルホスフィンの合成法としては アルキルハロゲノリン化合物の水素化アルミニウム
リチウムあるいはナトリウムによる還元 2RPCl2+LiAlH4→2RPH2 +LiAlCl4 RPCl2 +4Na(+H2O)→RPH2+2NaCl +2NaOH 亜ホスホン酸ジアルキルやホスホン酸ジアルキルの
水素化アルミニウムリチウムによる還元 R1P(OR2)2 +LiAlH4→R1PH2 ホスフィンとオレフィンの反応 PH3 +CnH2n →CnH2n+1・PH2 +(CnH2n+1)2・PH +(CnH
2n+1)3P などが知られている(ここにR、R1 、R2 はアルキル
基を表わす)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらのアルキルホス
フィンの合成法のうちやのような還元による方法に
おいては、収率の点から還元剤として主として水素化ア
ルミニウムリチウム(LiAlH4 )、ナトリウム水素
化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム(NaA
lH2 (OC24 OCH32 )や水素化ほう素ナト
リウム(NaBH4 )のような分子中に活性ヒドリドを
有する化合物を用いるのが有利であるが、このような還
元反応においては、通常還元による反応生成物を、塩酸
水溶液で加水分解し、有機相を抽出蒸留してアルキルホ
スフィンを製造していた(例えば新実験化学講座15、
有機金属)。
【0007】しかしこれらの還元剤は微量のケイ素を含
有しており、これが製品であるアルキルホスフィンに混
入するという問題があった。アルキルホスフィンに混入
したケイ素は精密蒸留を行っても除去は困難で高純度化
の障害となっていた。特にアルキルホスフィンをIII −
V族化合物半導体のMOCVD用原料とする場合、IV族
元素であるケイ素は活性種でありケイ素が混入すると化
合物半導体の特性が著しく低下するため極力低減しなけ
ればならない元素の一つである。
【0008】本発明の発明者らは、アルキルハロゲノリ
ン化合物を還元剤により還元してアルキルホスフィンを
製造する方法において、混入するケイ素の低減化を検討
した結果、還元反応終了後の生成物の分解に用いる塩酸
濃度とアルキルホスフィンに混入するケイ素量に関係が
あることに着目し、水で加水分解し精密蒸留を行うこと
によりアルキルホスフィン中のケイ素を大幅に低減でき
ることを見出し本発明に至った。
【0009】従って本発明の目的はケイ素を低減した高
純度アルキルホスフィンを得る方法を提供することにあ
る。
【0010】
【発明を解決するための手段】本発明はアルキルハロゲ
ノリン化合物を、分子中に活性ヒドリドを有する還元剤
により還元して、アルキルホスフィンを合成する反応に
おいて、還元反応生成物を水により加水分解してアルキ
ルホスフィンを分離回収することを特徴とするアルキル
ホスフィンの製造方法である。
【0011】本発明は二ハロゲン化亜ホスホニル(RP
2 )又は二ハロゲン化ホスホニル(RP(O)X2
のようなアルキルジハロゲノリン化合物の還元によるモ
ノアルキルホスフィンの製造、ハロゲン化亜ホスフィニ
ル(R2 PX)又はハロゲン化ホスフィニル(R2
(O)X)のようなジアルキルハロゲノリン化合物の還
元によるジアルキルホスフィンの製造のいずれにも適用
することができる。
【0012】また本発明は、いずれのアルキル基を有す
るアルキルホスフィンの製造にも適用することができ、
特にMOCVD法により化合物半導体薄膜を形成する際
の原料となるイソプロピル、tert−ブチル、フェニ
ル等のモノアルキルホスフィン製造に適用し、不純物の
少ないモノアルキルホスフィンを製造することができ
る。
【0013】本発明で用いる還元剤は分子中に活性ヒド
リドを有する化合物であり、水素化アルミニウムリチウ
ム(LiAlH4 )、ナトリウム水素化ビス(2−メト
キシエトキシ)アルミニウム(NaAlH2 (OC2
4 OCH32 )あるいは水素化ほう素ナトリウム(N
aBH4 )等を挙げることができるが、製品中にハロゲ
ン化アルキルの混入が少ないという点ではナトリウム水
素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムが優れ
ている。
【0014】加水分解に用いる水は純水のごとき中性の
水であり、pHが6〜8、特に6.5〜7.5 の範囲のもの
が好ましい。
【0015】加水分解に用いる水の量は、収率の点から
収率が飽和する量以上加えることが好ましい。但し水量
が多くなると反応容器が大型化するため、反応系に合っ
た水量で行うと良い。
【0016】加水分解の初期は多量のガスを発生するた
め暴走反応がおこらないように滴下速度を制御する必要
がある。
【0017】
【実施例】操作はすべて不活性雰囲気下で行った。実施例1 ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミ
ニウム70%トルエン溶液347gをフラスコに入れ、
100℃、5mmHg、3時間でトルエンを加熱減圧留
去した。常温にもどした後ジブチルエーテル200ml
を加え溶解させたtert−ブチルジクロロホスホニル
(tert−BuP(O)Cl2 )70gを滴下ロート
に入れ、約−10℃に冷却したナトリウム水素化ビス
(2−メトキシエトキシ)アルミニウム中に滴下した。
滴下終了後約60℃で1時間加熱攪拌した。常温にもど
した後再び約−10℃に冷却し、水900mlを徐々に
加えた。反応液は白濁しさらに加えると完全に二相分離
した。上相の有機相を抽出、蒸留し18gの無色液体を
得た(収率50%)。ICPによりケイ素含有量を定量
したところ0.2ppmであった。これを長さ30cm
のラッシヒリングを充てんした蒸留塔を用い2回精留を
行なったところ、ケイ素含有量はICPの定量下限であ
る0.03ppm以下となった。
【0018】得られたtert−ブチルホスフィンと市
販されているトリメチルインジウムを用い、水平式MO
CVD装置で成長温度600℃、V/III 比30でIn
P基板上にInPエピタキシャル膜を常圧成長させ、V
an der Pauw法により電気的特性を測定した
結果は以下のとおりであった。 移動度μ77k =50500cm2 /v・sec キャリア濃度η77k =1.7×1015cm-3 であった。
【0019】比較例1 ナトリウム水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミ
ニウム70%トルエン溶液357gとtert−ブチル
ジクロロホスホニル(t−BuP(O)Cl2)72g
を用い実施例1と同様にして反応させ、反応後水のかわ
りに6N塩酸水溶液900mlにより加水分解をした。
有機相を抽出蒸留し21gの無色液体を得た(収率56
%)。ICPによりケイ素含有量を定量したところ0.
7ppmであった。これを長さ30cmのラッシヒリン
グを充てんした蒸留塔を用いて2回精留をしたが、精留
後においても製品中のケイ素含有量は0.8ppmであ
った。
【0020】得られたtert−ブチルホスフィンと市
販のトリメチルインジウムから実施例1と同様にMOC
VD装置によりInPエピタキシャル膜を作製し電気的
特性を測定した結果、 移動度μ77k =7900cm2 /v・sec キャリア濃度η77k =2.3×1016cm-3 であり、水で加水分解して得られたものに較べ、電気的
特性が充分なものが得られなかった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば分子中に活性ヒドリドを
有する還元剤によるアルキルハロゲノリン化合物の還元
反応生成物を水で加水分解することにより、ケイ素含有
量が湿式分析定量下限以下の高純度アルキルホスフィン
が得られ、高性能のIII 族ーV族化合物半導体薄膜用原
料とすることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルハロゲノリン化合物を、分子中
    に活性ヒドリドを有する還元剤により還元して、アルキ
    ルホスフィンを合成する反応において、還元反応生成物
    を水により加水分解してアルキルホスフィンを分離回収
    することを特徴とするアルキルホスフィンの製造方法。
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