JP2501059B2 - 球状シリコ−ン樹脂微粒子の製造方法 - Google Patents

球状シリコ−ン樹脂微粒子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は球状シリコーン樹脂微粒
子の製造方法、特には粒径が1μm以下の球状シリコー
ン樹脂微粒子を容易な工程管理で効率よく製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリメチルシルセスキオキサン微粒子の
製造方法は公知であり、これはアルコキシシランを加水
分解し、ついで縮合させるという方法で行なわれてい
る。この加水分解法についてはメチルトリメトキシシラ
ンあるいはメチルトリエトキシシランを水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物や水
酸化アンモニウムあるいは有機アミンなどのアルカリ性
水溶液中でシランの6倍当量以上の水で行なう方法(特
公昭40−14917号公報参照)、塩素を0.1〜
5.0%含有するメチルトリアルコキシシランをアルカ
リ土類金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩を含有す
る水溶液中で加水分解させる方法(特公昭56−398
08号公報参照)あるいはアンモニア水中で加水分解す
る方法(特公平2−22767号公報参照)が知られて
いる。
【0003】しかして、これら一連のメチルトリアルコ
キシシランを出発原料とする方法はメチルトリクロロシ
ランを出発原料とする方法(ベルギー特許第57241
2号明細書参照)に比較して反応制御が容易であること
から一般的に広く実施されている。また、ここで微粒子
形成に影響する因子としては特に原料シラン、触媒の選
定、撹拌条件、加水分解濃度、加水分解温度などが指摘
されており、一例としてメチルトリメトキシシランをア
ンモニア水中で緩い撹拌条件下で二相状態を保ちなが
ら、界面において加水分解を行なうと真球性のすぐれた
微粒子が得られると報告されている(特開昭63−77
940号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この小粒径微粒子を得
る方法としては、メチルトリメトキシシランをアンモニ
ア水中で緩い撹拌条件下で二相状態を保ちながら、界面
において加水分解を行ない、その際メチルトリメトキシ
シランを水の重量の1/10以下にコントロールする方
法(特開昭63−295637号公報参照)も知られて
いるが、これには工程管理が困難であるし、微粉末の乾
燥取り出しの際、アンモニア水溶液中の微粒子の濃度が
低いために、効率がわるいという不利があり、他の方法
としてオルガノトリアルコキシシランを有機酸の存在下
に加水分解してオルガノシラノールとし、ついでアルカ
リ水溶液中で加水分解する方法(特開平1−21703
9号公報参照)も知られているが、これには有機酸塩が
微粉末中に残存するし、加水分解中に凝集が起こるため
に球状粒子を得ることが難しいという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、欠点を解決した球状シリコーン樹脂微粒子の製造方
法に関するものであり、これはA)オルガノトリアルコ
キシシラン2〜8重量部をpH3.0〜8.0の水10
0重量部に投入撹拌してオルガノトリアルコキシシラン
の分散物あるいは溶解物を得る工程、B)ついでアルカ
リ性物質またはその水溶液を添加し、加水分解縮合する
工程、C)つぎにこれにオルガノトリアルコキシシラン
を添加し、引き続き加水分解縮合する工程、とよりなる
ことを特徴とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らは球状シリコーン樹
脂微粒子を効率よく製造する方法について種々検討した
結果、これについてはオルガノトリアルコキシシランを
出発原料とし、この2〜8重量部を水100重量部中に
添加し撹拌してオルガノトリアルコキシシランの分散物
または溶解物を作り、これにアルカリ性物質を添加して
加水分解縮合させ、つぎにこれにオルガノトリアルコキ
シシランを添加して引続き加水分解縮合させると、目的
とする球状シリコーン樹脂微粒子を粒径が1μm以下の
ものとして効率よく得ることができることを見出し、こ
の各種条件についての研究を進めて本発明を完成させ
た。以下にこれをさらに詳述する。
【0007】
【作用】本発明は球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法
に関するものであり、これはオルガノトリアルコキシシ
ランを出発原料とし、この水分散物または水溶解物にア
ルカリ性物質を添加して加水分解縮合させ、この系に再
度オルガノトリアルコキシシランを添加して引続き加水
分解縮合させるというものであり、これによれば容易な
工程管理で粒径が1μm以下である目的物を効率よく製
造することができる。
【0008】本発明による球状シリコーン樹脂微粒子の
製造方法は前記したようにオルガノトリアルコキシシラ
ンを出発原料とするものであるが、このA)工程で使用
されるオルガノトリアルコキシシランは一般式 R1 Si(OR23 ……(1) で示され、R1 はメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基などの炭素1〜6のアルキル基、フェニル基、ま
たはアミノ基、エポキシ基、ビニル基を少なくとも1個
有する1価の有機基、R2 はR1 と同じ炭素数1〜6の
アルキル基であるものとされる。
【0009】このオルガノトリアルコキシシランは1種
類であっても、または2種以上の複数の混合物であって
もよく、これにはメチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチ
ルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プ
ロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシランなどが例示されるが、加水分解性、コストの
点からはメチルトリメトキシシランとすることが好まし
い。
【0010】上記したA)工程で使用されるオルガノト
リアルコキシシラン量は水100重量部に対して2重量
部未満では得られるシリコーン樹脂微粒子が粒径1μm
以下のものとならず、8重量部より多くするときにも得
られるシリコーン樹脂微粒子が1μm以下のものとなら
ないばかりか、この場合には不定形粒子の生成、さらに
は塊状物が発生して好ましくないので、これは2〜8重
量部の範囲とする必要があるが、この好ましい範囲は4
〜6重量部とされる。
【0011】また、このA)工程で使用される水はpH
が3未満であると得られた球状のシリコーン樹脂微粒子
同士が凝集してしまうし、pHが8.0より大きいと得
られる球状シリコーン樹脂微粒子が1μm以下の粒子と
ならないので、これはpHが3.0〜8.0のものとす
ることが必要とされるが、この好ましい範囲は4.0〜
7.0とすることがよい。したがって、このA)工程に
おいては上記したオルガノトリアルコキシシランの3〜
8重量部をpHが3.0〜8.0である水100重量部
に投入し、撹拌してこのオルガノトリアルコキシシラン
を水分散物または水溶解物とすることが必要とされる。
【0012】なお、このA)工程の所要時間は0.1時
間未満ではオルガノトリアルコキシシランの分散または
溶解が不十分となるために粒径が1μm以下のシリコー
ン樹脂微粒子を得ることができず、8.0時間より長く
した場合には条件によってオルガノトリアルコキシシラ
ンが部分的に加水分解するために粒径1μm以下の粒子
を得ることができないので、これは0.1〜8.0時間
の範囲とすることがよいが、この好ましい範囲は0.5
〜2.0時間とされる。
【0013】また、このA)工程における液温は0℃未
満では液が凝固してしまうし、60℃より高くするとオ
ルガノトリアルコキシシランが部分的に加水分解縮合し
て粒径1μm以下のシリコーン樹脂微粒子の取得が難し
くなるので、0〜60℃の範囲とすることがよいが、こ
の好ましい温度範囲は0〜20℃とされる。
【0014】本発明のB)工程は上記したA)工程で得
られたオルガノトリアルコキシシランの水分散物または
水溶解物にオルガノトリアルコキシシランの加水分解反
応の触媒となるアルカリ性物質を添加して、これを加水
分解縮合させるものであるが、ここに使用されるアルカ
リ性物質としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カ
ルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸
化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金
属炭酸塩、アンモニアまたはモノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレ
ンジアミンなどのアミン類が例示される。
【0015】このアルカリ性物質はその水溶液であって
もよいが、これらのうちでは水への溶解性、触媒活性、
および揮発により粉末から容易に除去できるということ
からアンモニアが好ましいものとされ、これは一般に市
販されているアンモニア水溶液(濃度28%)を使用す
ればよい。このアンモニア水溶液(濃度28%)を使用
する場合、この添加量は水100重量部に対し0.1重
量部未満ではこの加水分解で得られたシリコーン樹脂の
粒子同士の融合が起ってゲル化するし、5.0重量部よ
り多くすると加水分解縮合生成物を球状微粒子として得
ることができなくなるので、これは0.1〜5.0重量
部の範囲とすることがよいが、この好ましい範囲は1.
0〜3.0重量部とされる。
【0016】また、このB)工程を実施するときの液温
は0℃未満では液が凝固してしまうし、20℃より高い
温度とすると目的とする球状シリコーン樹脂微粒子を粒
径1μm以下のものとして得ることができなくなるの
で、0〜20℃の範囲とすればよいが、この好ましい温
度範囲は0〜10℃とされる。なお、このB)工程を実
施する時間は2時間より長くすると得られる球状シリコ
ーン樹脂微粒子同士が凝集を起こすので、これは1〜2
時間の範囲とすればよいが、この好ましい範囲は5〜2
0分とされる。
【0017】本発明のC)工程はこのB)工程終了後の
液にオルガノトリアルコキシシランを添加して引続きこ
のオルガノトリアルコキシシランを加水分解縮合させる
ものであり、これによって目的とする球状シリコーン樹
脂微粒子を製造するものであるが、ここで使用されるオ
ルガノトリアルコキシシランは上記したA)工程で使用
したものと同様のものの1種または2種以上の混合物と
すればよい。
【0018】このC)工程で添加されるオルガノトリア
ルコキシシランの添加量はpH3.0〜8.0の水10
0重量部に対して5.0重量部未満では得られる球状シ
リコーン樹脂微粒子の水に対する濃度が低くなるために
効率のわるいものとなるし、30重量部より多くすると
得られるシリコーン樹脂微粒子同士の凝集が起こるの
で、これは5.0〜30.0重量部の範囲とすることが
よいが、この好ましい範囲は15〜25重量部とされ
る。
【0019】このC)工程における液温はこれが0℃未
満では液が凝固してしまうし、40℃より高くすると得
られる球状シリコーン樹脂微粒子同士が凝集を起こすの
で0〜40℃の範囲とすることがよいが、この好ましい
範囲は5〜20℃とされる。また、この液の撹拌は強い
撹拌とすると球状シリコーン樹脂微粒子同士に凝集が発
生するし、不定形粒子も発生するので、これは緩かな撹
拌とすることがよく、したがってこの撹拌装置はプロペ
ラ翼、平板翼のようなものとすることがよい。
【0020】このC)工程におけるオルガノトリアルコ
キシシランの投入添加は撹拌条件が緩かな場合にはこの
配合量を一度に投入してもよく、この場合でも二相状態
を保ちながら界面から徐々に加水分解を行なうことがで
きるけれども、二相状態を保てないような撹拌である場
合のオルガノトリアルコキシシランの投入は1時間より
短いと粒子同士の凝集が起こり、10時間より長い時間
とすると粒径1μm以下の微粒子として得ることができ
なくなるので1〜10時間で、好ましくは1.5〜7時
間で徐々に添加することがよい。
【0021】なお、この場合におけるオルガノトリアル
コキシシランの添加は種類の異なるものを分割して投入
してもよいし、特に最後に投入するオルガノトリアルコ
キシシランについては種類を選択して、得られるシリコ
ーン樹脂微粒子をその粒子表面に官能基をもつものとす
るようにしてもよい。
【0022】このC)工程終了後、この系は加水分解縮
合反応が完結するまでしばらく撹拌を続けておくことが
よいが、この系は加水分解縮合反応を完結させるために
加熱してもよいし、必要であれば酸性物質を添加して中
和を行なってもよい。
【0023】上記したA)、B)、C)工程を行なえば
目的とする球状シリコーン樹脂微粒子を簡易な工程管理
で効率よく製造することができるが、このようにして得
られた球状シリコーン樹脂微粒子の取り出し方法には特
に限定はなく、これは加熱または減圧下の加熱で水を除
去すればよいが、これは分散液を静置する方法、撹拌、
流動させながら行なう方法、スプレードライのように気
流中に分散液を噴霧、分散させる方法、流動熱媒体を利
用する方法などで行なってもよい。
【0024】なお、本発明の方法の実施に当っては、そ
の前処理として加熱脱水、ろ過、遠心分離、デカンテー
ションなどの方法で分散液を濃縮する方法を組合せても
よいし、必要に応じ水洗浄を行なってもよいが、分散液
から取出した微粒子が凝集している場合にはジェットミ
ル、ボールミルなどの粉砕機で解砕を行なうことが必要
とされる。
【0025】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例1 5リットルのガラス容器にpH=6.8の水3,510
gを仕込み、水温を3℃とし、翼回転数を200rpm
として撹拌しながら、これにメチルトリメトキシシラン
180gを投入し、1時間撹拌した。ついで、これにア
ンモニア水溶液(濃度28%)を90g投入し、液温を
3〜7℃に保ちながら10分間撹拌したのち、これにメ
チルトリメトキシシラン540gを液温5〜10℃に保
ちながら2.5時間かけて投入した。
【0026】投入終了後、さらに液温を5〜10℃に保
ちながら1時間撹拌を行なったのち、75〜80℃まで
加熱して1時間撹拌を行ない、得られたスラリーを加圧
ろ過器により水分約30%のケーキ状物とし、105℃
の乾燥器中で乾燥し得られた乾燥物をジェットミルで解
砕し、得られた微粒子を電子顕微鏡で観察したところ、
これは図1に示したもので、このものは粒径が0.5〜
0.9μmの球状シリコーン樹脂微粉末であった。
【0027】実施例2 5リットルのガラス容器にpH=6.8の水3,510
gを仕込み、水温を3℃とし、翼回転数を200rpm
として撹拌しながら、これにメチルトリメトキシシラン
180gを投入し、1時間撹拌した。ついで、これにア
ンモニア水(濃度28%)を90g投入し、液温を3〜
7℃に保ちながら10分間撹拌したのち、これにメチル
トリメトキシシラン460gを液温5〜10℃に保ちな
がら2.2時間かけて投入し、引続きメチルトリメトキ
シシラン72gとN−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン8gとの混合物を液温5〜1
0℃に保ちながら0.4時間かけて投入した。
【0028】つぎにこのものを実施例1と同様に処理し
て球状シリコーン樹脂微粒子を作り、このものを電子顕
微鏡で観察したところ、このものは粒径が0.5〜0.
9μmの球状シリコーン樹脂微粒子であった。
【0029】実施例3 5リットルのガラス容器にpH=6.8の水3,510
gを仕込み、酢酸1.3gを加えて水のpHを4.0に
調整し、水温を3℃とし、翼回転数を200rpmとし
たのち、これにメチルトリメトキシシラン180gを投
入して1時間撹拌した。ついで、これにアンモニア水溶
液(濃度28%)を90g投入し、液温を3〜7℃に保
ちながら10分間撹拌したのち、これにメチルトリメト
キシシラン540gを液温5〜10℃に保ちながら2.
5時間かけて投入し、後は実施例1と同様に処理して球
状シリコーン樹脂微粒子を作り、電子顕微鏡で観察した
ところ、このものは粒径が0.4〜0.8μmである球
状シリコーン樹脂微粒子であった。
【0030】比較例1 5リットルのガラス容器に水3,510gとアンモニア
水溶液(濃度28%)90gを仕込み、水温を5℃と
し、翼回転数を200rpmとして回転撹拌したが、こ
のアンモニア水溶液のpHは11.6であった。つい
で、これにメチルトリメトキシシラン720gを液温5
〜10℃に保ちながら3.0時間で投入し、後は実施例
1と同じ方法で処理してシリコーン樹脂微粒子を作り、
これを電子顕微鏡で観察したところ、このものは粒径が
1.4〜1.6μmの球状微粉末であった。
【0031】比較例2 5リットルのガラス容器に水3,510gとアンモニア
水溶液(濃度28%)90gとを仕込み、水温を5℃と
し、翼回転数を10rpmとして撹拌したが、このとき
のアンモニア水溶液のpHは11.6であった。つい
で、これにメチルトリメトキシシラン720gを静かに
加え、アンモニア水溶液とメチルトリメトキシシランの
2層状態を保ち、界面で加水分解縮合反応を進行させ、
この間液温を5〜10℃に保ったが、4.0時間後にメ
チルトリメトキシシランの層が消失したので、後は実施
例1と同様に処理してシリコーン樹脂微粒子を作り、こ
の粒子を電子顕微鏡で観察したところ、このものは粒径
が1.3〜1.5μmの球状のシリコーン樹脂微粒子で
あった。
【0032】比較例3 5リットルのガラス容器にpH=6.8の水3,510
gを仕込み、塩酸3.6gを加えて水のpHを2.0に
調整し、水温を3℃とし、翼回転数を200rpmとし
たのち、これにメチルトリメトキシシラン180gを投
入して1時間撹拌した。ついで、これにアンモニア水溶
液(濃度28%)を90g投入し液温を3〜7℃に保ち
ながら10分間撹拌したのち、これにメチルトリメトキ
シシラン540gを液温5〜10℃に保ちながら2.5
時間かけて投入した。投入終了後、さらに液温を5〜1
0℃に保ちながら1時間撹拌を行なったのち、75〜8
0℃まで加熱して1時間撹拌を行なったところ、得られ
たスラリーは1mmより大きい凝集物が多いものであっ
た。
【0033】比較例4 5リットルのガラス容器にpH=6.8の水3,510
gを仕込み、アンモニア水溶液(濃度28%)1.1g
を加えて水のpHを9.0に調整し、水温を3℃とし、
翼回転数を200rpmとしたのち、これにメチルトリ
メトキシシラン180gを投入して1時間撹拌した。つ
いで、これにアンモニア水溶液(濃度28%)を90g
投入し液温を3〜7℃に保ちながら10分間撹拌したの
ち、これにメチルトリメトキシシラン540gを液温5
〜10℃に保ちながら2.5時間かけて投入した。つぎ
にこのものを実施例1と同様に処理して球状シリコーン
樹脂微粒子を作り、このものを電子顕微鏡で観察したと
ころ、このものは粒径が1.4〜1.6μmの球状シリ
コーン樹脂微粒子であった。
【0034】
【発明の効果】本発明は球状シリコーン樹脂微粒子の製
造方法に関するものであり、これは前記したようにA)
オルガノトリアルコキシシラン2〜8重量部をpH3.
0〜8.0の水100重量部に投入撹拌してオルガノト
リアルコキシシランの分散物あるいは溶解物を作り、
B)ついでこれにアルカリ性物質を添加して加水分解縮
合させ、C)つぎにこれにオルガノトリアルコキシシラ
ンを添加し、引続き加水分解縮合させることを特徴とす
るものであり、これによれば工程管理が容易となるし、
効率よく、目的とする球状シリコーン樹脂微粒子を粒径
1μm以下のものとして容易に得ることができるという
有利性が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた球状シリコーン樹
脂微粒子の電子顕微鏡写真である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A)オルガノトリアルコキシシラン2〜8
    重量部をpH3.0〜8.0の水100重量部に投入撹
    拌してオルガノトリアルコキシシランの分散物あるいは
    溶解物を得る工程、 B)ついでアルカリ性物質またはその水溶液を添加し、
    加水分解縮合させる工程、 C)つぎにこれにオルガノトリアルコキシシランを添加
    し、引き続き加水分解縮合させる工程とからなることを
    特徴とする球状シリコーン樹脂微粒子の製造方法。
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