JP2500302B2 - 超電導素子及び超電導回路 - Google Patents

超電導素子及び超電導回路

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JP2500302B2
JP2500302B2 JP3104101A JP10410191A JP2500302B2 JP 2500302 B2 JP2500302 B2 JP 2500302B2 JP 3104101 A JP3104101 A JP 3104101A JP 10410191 A JP10410191 A JP 10410191A JP 2500302 B2 JP2500302 B2 JP 2500302B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導エレクトロニク
スの分野に用いられる超電導素子及び超電導回路に係
り、例えばスイッチング回路等及びそれに用いる超電導
子に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物系の超電導材料を用いた超電導素
子としては、アプライドフィジックス レターズ,55
巻2032頁,1989年(Applied Physics Letters,
Vol.55,p.2032,1989)に、酸化物超電導材料の結晶粒界
を弱結合部とした超電導素子や、2層の酸化物の超電導
薄膜を貴金属で接続した超電導素子が示されている。こ
れらの超電導素子は、MgO、SrTiO3、LaGa
3、LaAlO3等の基板上に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、超
電導素子を形成する下地材料について配慮されておら
ず、素子としての十分な性能を有していないという問題
があった。例えば、代表的な酸化物超電導体であるY系
超電導体の格子定数は3.87Å(a軸、b軸、c軸の
平均値)である。これに対し、MgO、SrTiO3
LaGaO3、LaAlO3の格子定数は、それぞれ4.
23Å、3.905Å、3.891Å、3.794Åで
あり、格子の不整合性はそれぞれ9.3%、0.9%、
0.54%、2.0%である。
【0004】これらの基板のうち、MgO及びLaAl
3は格子定数の不整合性が大きいため、基板上に超電
導体をエピタキシャル成長させることは困難である。ま
た、LaGaO3は約100℃において構造相転移を起
こすことが知られており、基板材料としては適さない。
SrTiO3は、上記の基板の中では、高温超電導体を
エピタキシャル成長させるためには最も適している。し
かし、格子定数の不整合性が十分小さいとはいえず、こ
の基板上に形成された超電導体のエピタキシャル成長層
は良好な超電導特性を示さない。
【0005】また、SrTiO3はペロブスカイト結晶
構造のBサイトにTiイオンを含むために、膜作製時に
生じるTiイオンの拡散が素子性能を大きく劣化させ
る。さらに、熱膨張係数に関しても、酸化物超電導体に
おいては銅と酸素の結合により支配されているのに対
し、SrTiO3においてはTiと酸素の結合により支
配されているために、これが大きく異なる。この結果、
加熱及び冷却による格子欠損等を生じる。
【0006】本発明の目的は、良好な超電導特性を示す
超電導素子及びそれを用いた超電導回路を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、(1)Pr
1+x Ba 2-x Cu 3 y (0.2≦X≦0.5)で表される
材料からなる単結晶基板上に、銅を含むペロブスカイト
型結晶構造を持つ酸化物常伝導体を介して形成された酸
化物超電導体のソース、ドレイン電極と、該常伝導体に
対して絶縁体膜を介して電界を印加するゲート電極とを
有することを特徴とする超電導素子、 (2)単結晶基板上に形成したPr 1+x Ba 2-x Cu 3 y
(0.2≦X≦0.5)で表される材料からなる中間層
と、該中間層上にエピタキシャル成長させた酸化物超電
導体からなる一の電極と、該電極に半導体膜或いは絶縁
体膜を介して、少なくとも部分的に重なり合う酸化物超
電導体からなる他の電極とを有することを特徴とする超
電導素子、 (3)上記1又は2に記載の超電導素子であって、前記
酸化物超電導体がLnBa 2 Cu 3 y (但しLnはPr
を除く希土類元素又はYの少なくとも1つ)であること
を特徴とする超電導素子、 (4)Pr 1+x Ba 2-x Cu 3 y (0.2≦X≦0.5)
で表される材料からなる単結晶基板上に、銅を含むペロ
ブスカイト型結晶構造を持つ酸化物常伝導体を介して形
成された酸化物超電導体のソース、ドレイン電極と、該
常伝導体に対して絶縁体膜を介して電界を印加するゲー
ト電極とを備える超電導素子を有することを特徴とする
超電導回路 によって達成される。
【0008】本発明は、次に述べる新たなる発見に基づ
いてなされた。Pr1+xBa2-x Cu3y(y=6〜
7.5)は、0≦x≦0.5の組成範囲において、酸素
欠損型三重ペロブスカイト構造(いわゆる123構造)
となることが知られている。しかし、従来格子定数に関
しては、x=0及びx=0.5においてのみ知られてお
り、また、電気抵抗についてはx=0においてのみ知ら
れている。今回、本発明者らは、不定比組成領域0<x
<0.5におけるPr1+xBa2-xCu37-yの格子定数
及び電気抵抗を詳しく調べ、その結果、不定比領域にお
ける本物質の格子定数が、酸化物超電導体の格子定数と
一致し、エピタキシャル成長が可能であること及び十分
な絶縁性を有していること等、基板材料や中間層として
好適であることを見出した。
【0009】また、超電導素子を要素部品として用いる
ことにより、超電導性論理スイッチング機能又は記憶機
能を有する回路素子を得ることができた。
【0010】
【作用】Pr1+xBa2-xCu3yの格子定数の平均値
は、x=0.0において3.90Åであり、xの増加と
ともに単調に減少し、x=0.5において3.88Åと
なる。すなわち、Pr1+xBa2-xCu3yの格子定数
は、平均で3.88Å〜3.90Åであり、SrTiO
3等に比べて、酸化物超電導体、例えば、Y系酸化物超
電導体の平均の格子定数3.87Åに近い。よって、格
子定数の不整合性は約0.26%〜0.76%となる。
それゆえ、Pr1+xBa2-xCu3y単結晶基板の上に、
良質の超電導薄膜を形成することができる。
【0011】また、Pr1+xBa2-xCu3yの格子定数
は、YBa2Cu3yの平均の格子定数(3.87Å)
とSrTiO3の格子定数(3.905Å)の中間で、
格子の整合性はそれぞれ0.26%〜0.76%、0.
64%〜0.13%である。すなわち、Pr1+xBa2-x
Cu3yの各々の物質に対する整合性がYBa2Cu3
yとSrTiO3の間の整合性(0.9%)に比べて良い
ので、SrTiO3等の基板上にPr1+xBa2-xCu3
yをエピタキシャル成長させることが可能であり、さら
に、その上に酸化物超電導体をエピタキシャル成長させ
ることが可能である。この結果、良質の超電導薄膜を得
ることができる。
【0012】さらに、Pr1+xBa2-xCu3yの結晶
は、0.2≦xの範囲で結晶性が優れる。図1にPr
1+xBa2-xCu3yの格子定数の組成依存性を示す。x
=0においては、斜方晶であるが、xの増加とともに斜
方晶歪は減少し、0.2≦xにおいては正方晶となる。
【0013】斜方晶の化合物では、ごく一部の例外を除
いて、双晶(ツウィニング;twinning)が生じ
る。理想的な単結晶では、a軸、b軸、c軸がすべて一
定の方向を向いているのに対し、双晶では、軸長が類似
な方向に関してミクロに軸の方向が入り混じる。そのた
めミクロに結晶の乱れが生ずる。Pr1+xBa2-xCu3
yの結晶は、0.2≦xの範囲では正方晶であり、双
晶が生じなくなるので結晶性が優れ、この結晶の上に形
成された酸化物超電導体は超電導特性がより優れる。
【0014】また、Pr1+xBa2-xCu3yの構成元素
及び結晶構造は、酸化物高温超電導体と類似である。こ
のため熱膨張係数も類似となり、薄膜作製時に必要な試
料の加熱及び冷却を行なう際に、ディスロケーション等
が起こらなくなる。さらに、陽イオンあるいは陰イオン
の拡散による素子の劣化を防ぐことが出来る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明する。 〈実施例1〉最初に、基板としてPr1.5Ba1.5Cu3
yを用いた図2に示す三端子型超電導素子を例にあげ
て説明する。まず、Pr1.5Ba1.5Cu3y(y=7.
3)基板1の作製について述べる。Pr1.5Ba1.5Cu
3yの単結晶は、双楕円焦点方式の赤外線集中加熱型の
フローティング(FZ)装置を用いて作製した。成長雰
囲気は酸素で、100ml/分の流量とした。融帯通過
に伴う単結晶中の組成変動を抑制するために、融帯中の
Cu組成を、目的とする単結晶組成よりも20%過剰と
するフラックス移動帯溶融法(TSFZ法)を採用し
た。種結晶にはフラックス法により作製した単結晶(2
mm角×0.8mm厚)を用いた。成長速度は、2mm
/hとした。
【0016】育成した単結晶の成長方位は、X線背面反
射ラウエ写真より(001)であることが分かった。ま
た、単結晶は、X線トポグラフにより、直径6mm、長
さ20mmに渡って均一で、基板として十分に使用し得
るだけの高品質であることを確認した。基板として用い
るために、成長方向に沿って、つまり、(110)面に
平行に結晶カッターで、5mm角、厚さ1mmの基板を
切りだした。得られた基板を、酸素気流中、900℃で
48時間アニールして裁断歪を除去した。表面処理とし
て、通常の荒研磨をした後、Ar雰囲気中でダイヤモン
ドペーストを用いて研磨し、さらにバフ研磨をした。
【0017】次に、素子の作製について述べる。上記
(110)面方位のPr1.5Ba1.5 Cu3y基板1上
に、Nd1.7Ba1.3Cu3y半導体薄膜(y=7.1)
2を高周波マグネトロンスパッタリング装置によって形
成する。膜厚は100nmとする。雰囲気ガスは、Ar
と酸素の50パーセントずつの混合ガスとし、全圧力は
50mTorrとした。ターゲット材は(Nd、Ba、
Cu)酸化物の円盤状焼結体とした。電源としては周波
数13.56MHzで電力100Wの高周波を用いる。
膜形成時の基板温度は600℃とした。この様な条件で
形成したNd1.7Ba1.3Cu3y半導体薄膜2は、酸素
欠損型三重ペロブスカイト結晶構造を持ち、正方晶でc
軸が基板面と平行な結晶配向性を有し、a軸及びb軸は
基板面に対して45度の角度をなす。
【0018】この上に、ソース3、ドレイン4を構成す
るYBa2Cu3y(y=6.9)酸化物超電導薄膜を
300nm厚に、高周波マグネトロンスパッタリング法
により上記と同じ条件で形成する。ターゲット材は
(Y、Ba、Cu)酸化物の円盤状焼結体とした。この
後、ソース3、ドレイン4及びチャンネル5、さらには
配線を含んだパタン加工をSF6ガスを用いた反応性イ
オンビームエッチング法により形成する。チャンネル部
5の隙間は80nmとする。なお、YBa2Cu3 y
酸化物超電導薄膜は斜方晶でc軸が基板面と平行な結晶
配向性を有し、その超電導臨界温度は約90Kである。
【0019】この上に絶縁膜であるPr1.5Ba1.5Cu
3y薄膜6及びゲート電極膜であるYBa2Cu3
y(y=6.9)酸化物超電導薄膜7を、高周波マグネ
トロンスパッタリング法により上記と同じ条件で形成す
る。Pr1.5Ba1.5Cu3y薄膜6の場合のターゲット
材は、(Pr、Ba、Cu)酸化物の円盤状焼結体とし
た。それぞれの膜厚は100nm及び150nmとす
る。成膜後、YBa2Cu3y酸化物超電導薄膜7に、
反応性イオンビームエッチング法によってゲート電極膜
としてのパタンを加工、成型し、超電導素子を得た。な
お、Pr1.5Ba1.5Cu3y薄膜6は、正方晶でc軸が
基板面に対して平行に成長する。
【0020】この超電導素子の4.2Kにおける電流−
電圧特性は、約1.2mAの超電導電流が流れ、これ以
上のバイアス電流に対して電圧が発生する。さらにゲー
トに対して2.5Vの電圧を印加した場合、超電導電流
は0.4mAに減少し、これ以上のバイアス電流で電圧
が発生する。以上の如く、本超電導素子は、三端子素子
としての基本特性を有する。
【0021】本素子については、x=0.0、0.1、
0.2、0.3、0.4の組成を持つ基板を用いた場合
においても、同様の素子としての効果が確認された。た
だし、x<0.2の領域においては、Pr1+xBa2-x
3yは斜方晶となるために、YBa2Cu3y酸化物
超電導薄膜の超電導臨界温度は85Kである。
【0022】また、基板としてPr1.5Ba1.5Cu3y
に代えて、La1.5Ba1.5Cu3y、Sm1.5Ba1.5
3y、Gd1.5Ba1.5Cu3y、Ho1.5Ba1.5Cu
3yを用いたときも同様な効果が認められた。
【0023】〈実施例2〉 本実施例において、Pr1+xBa2-xCu3yエピタキシ
ャル成長層を中間層に用いる例を示す。図3に超電導
の断面図を示す如く、SrTiO3の(110)面方
位単結晶を基板8としてPr1.5Ba1.5Cu3y(y=
7.3)エピタキシャル成長層9を形成する。Pr1.5
Ba1.5Cu3yエピタキシャル成長層9の膜厚は20
0nmとする。膜形成は高周波マグネトロンスパッタリ
ング法によって行なう。成膜方法及び成膜条件は実施例
1で述べた通りである。
【0024】つぎにPr1.5Ba1.5Cu3yエピタキシ
ャル成長層9上に同じく高周波マグネトロンスパッタリ
ング法により、下部電極となるYBa2Cu3y(y=
6.9)酸化物超電導薄膜10の形成を行なう。膜厚は
200nmとする。Pr1.5Ba1.5Cu3yエピタキシ
ャル成長層9とYBa2Cu3y酸化物超電導薄膜10
の形成は膜表面を大気に晒すことなく、同一のスパッタ
リング装置中で行なう。ただし、水平方向に移動するこ
とが出来るシャッター板を基板に対して0.5mm以内
の間隔に保って保持し、シャッター板を基板に対して部
分的に覆うことにより、YBa2Cu3y酸化物超電導
薄膜の縦方向のパターン(図4に示す素子の平面図の上
下方向)を形成する。
【0025】このYBa2Cu3y酸化物超電導薄膜1
0上に同じく高周波マグネトロンスパッタリング法によ
り、Nd1.7Ba1.3Cu3y(y=7.1)半導体薄膜
11の形成を行なう。膜厚は20nmとする。YBa2
Cu3y酸化物超電導薄膜10とNd1.7Ba1.3Cu3
y半導体薄膜11の形成は膜表面を大気に晒すことな
く、同一のスパッタリング装置中で行なう。
【0026】さらにこの上に上部電極となるYBa2
3Oy酸化物超電導薄膜12を同じスパッタリング成
膜条件によって形成する。ただしその膜厚は400nm
とする。YBa2Cu3y酸化物超電導薄膜12もNd
1.7Ba1.3Cu3y半導体薄膜11と同じく、下地膜表
面を大気に晒すことなく同一スパッタリング装置を用い
ることにより成膜を行なう。これにより、界面に不純物
が介在することによる超電導カップリング特性の劣化を
防止する。
【0027】以上の如き成膜行程を経ることにより、Y
Ba2Cu3y−Nd1.7Ba1.3Cu3y−YBa2Cu
3y三層膜を得る。ついで、シャッター移動方向に対し
て膜面内で垂直な方向(図4の左右方向)のパタン形成
を、反応性イオンビームエッチングを施すことにより得
る。ガス種としてはSF6を用い、加速電圧500v、
ガス圧力0.2mTorrの条件でエッチングを行な
う。以上の製造行程により、弱結合型の超電導素子を得
る。
【0028】以上の方法により作製した超電導素子の
4.2Kにおける特性は図5に示す如くになる。すなわ
ち約0.5mAの超電導電流が流れ、これ以上のバイア
ス電流に対しては電圧が発生する。この超電導電流が電
極間のショートによるものか、あるいは位相のずれによ
るジョセフソン電流によるものかを判別するために、素
子に対してマイクロ波を照射する。周波数9.3GHz
のマイクロ波を照射しながら電圧−電流特性を測定した
場合、電圧19.3μV毎に電流のステップが観測され
る。このことは超電導電流が位相変化をともなうジョセ
フソン電流であることを意味している。
【0029】本素子については、x=0.0、0.1、
0.2、0.3、0.4の組成を持つPr1+xBa2-x
3yエピタキシャル成長層を用いた場合においても、
同様の素子としての効果が確認された。さらに、Pr
1+xBa2-xCu3y(x=0.0、0.1、0.2、
0.3、0.4、0.5)基板上に、上記と同様の手法
により、弱結合素子を形成した場合も、素子としての動
作を確認した。また、エピタキシャル成長層として、P
1.5Ba1.5Cu3yに代えて、La1.5Ba1.5Cu3
y、Sm1.5Ba1.5Cu3y、Gd1.5Ba1.5Cu3
y、Ho1.5Ba1.5Cu3yを用いたときも同様な効果
が認められた。
【0030】また、本実施例で示したような、SrTi
3基板に形成されたPr1+xBa2-xCu3yエピタキ
シャル成長層上に、実施例1で述べた三端子型素子を、
それと同様の手法により、x=0.0、0.1、0.
2、0.3、0.4、0.5の組成について作製した場
合も、素子としての動作を確認した。
【0031】〈実施例3〉 実施例2における、Nd1.7Ba1.3Cu3y半導体薄膜
11代えて、Pr1.5Ba1.5Cu3y絶縁膜を用いた他
は、全く同様にして、超電導素子を形成した。このPr
1.5Ba1.5Cu3y絶縁膜薄膜は、酸素欠損型三重ペロ
ブスカイト構造を持つ。この超電導素子の場合、4.2
Kにおいて、約0.3mAの超電導電流が流れ、これ以
上のバイアス電流に対しては電圧が発生した。
【0032】〈実施例4〉超電導素子の組合せにより、
基本スイッチングゲートを構成した例について説明す
る。ゲートは実施例2において述べた弱結合型の超電導
素子により構成する。ゲートの回路構成図を図6に示
す。すなわち2個超電導素子14と抵抗15を接続する
ことにより、ORスイッチングゲートを形成する。スイ
ッチングゲートに対して並列に負荷抵抗16を配置す
る。負荷抵抗はPt薄膜とし、電子ビーム蒸着法により
成膜する。超電導素子及びYBa2Cu3y超電導配線
の形成方法はそれぞれ実施例2及び1において述べた通
りである。
【0033】このORスイッチングゲートの4.2Kに
おける動作特性は以下の通りである。すなわち0.3m
Aのバイアス電流に対して0.2mAの信号電流まで、
ゲートは零電圧状態に保たれ、負荷抵抗の両端には電圧
が発生しない。さらに信号電流を増加した場合、ゲート
は電圧状態になり、負荷抵抗の両端で電圧が検出され
る。以上の如く本ゲートはORスイッチングゲートとし
ての動作を確認する。
【0034】以上述べたスイッチングゲートは実施例2
に述べた超電導素子だけでなく、実施例1において述べ
た電界効果型の超電導素子を用いることによっても構成
できる。この場合、必要な素子は一個でよい。
【0035】さらに本発明にかかる超電導素子を用い
て、ANDゲートも構成できる。これらOR、ANDス
イッチングゲートを組み合わせることにより、論理回路
を構成できる。超電導素子と超電導ループを組み合わせ
ることにより、記憶素子も構成できる。
【0036】なお、以上の実施例において、酸化物超電
導薄膜や半導体薄膜等の薄膜形成法はスパッタリング法
であったが、薄膜はこの他、反応性蒸着法、レーザーア
ブレーション法でも成膜可能であり、他の成膜法が適用
可能であることは言うまでもない。また、Pr1+xBa
2-xCu3y基板をTSFZ法により作製したが、フラ
ックス法、チョコラルフスキー法等の他の方法により作
製できることは言うまでもない。さらに、Pr1+xBa
2-xCu3y中間層をSrTiO3基板上に作製したが、
他の基板の上に作製できることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】実施例の項において述べた如く、本発明
の超電導素子は以下の効果を有する。 (1)酸化物超電導体と格子整合性のよい良質なPr
1+xBa2-xCu3y基板又はPr1+xBa2-xCu3y
上に超電導素子を形成したので、特性の優れた素子を形
成することが出来た。
【0038】(2)酸化物超電導体と同じ同型ペロブス
カイト酸化物の上に超電導素子を形成した場合は、加熱
及び冷却を行なう際に、熱膨張係数の違いにより起こる
格子欠損等が起こり難い。
【0039】(3)酸化物超電導体と構成元素が類似で
あるPr1+xBa2-xCu3yの上に超電導素子を形成し
た場合は、陽イオンあるいは陰イオンの拡散による素子
の劣化が少ない。
【0040】(4)上記超電導素子を用いた超電導論理
回路、記憶回路等の超電導回路を構成することが出来
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】Pr1+xBa2-xCu3yの格子定数の組成依存
性を示す図である。
【図2】本発明の一実施例の電界効果型の超電導素子
断面図である。
【図3】本発明の一実施例の弱結合型の超電導素子の断
面図である。
【図4】本発明の一実施例の弱結合型の超電導素子の平
面図である。
【図5】弱結合型の超電導素子の電流−電圧特性図であ
る。
【図6】ORスイッチングゲートの回路構成図である。
【符号の説明】
1 Pr1.5Ba1.5Cu3y基板 2 Nd1.7Ba1.3Cu3y半導体薄膜 3 ソース 4 ドレイン 5 チャンネル部 6 Pr1.5Ba1.5Cu3y薄膜 7、10、12 YBa2Cu3y酸化物超電導薄膜 8 基板 9 Pr1.5Ba1.5Cu3yエピタキシャル成長層 11 Nd1.7Ba1.3Cu3y半導体薄膜 14 超電導素子 15 抵抗 16 負荷抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 真一郎 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 深沢 徳海 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 西野 壽一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 兼堀 恵一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 樽谷 良信 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高木 一正 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−102974(JP,A) 特開 平2−21676(JP,A) 特開 平1−144688(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pr 1+x Ba 2-x Cu 3 y (0.2≦X≦
    0.5)で表される材料からなる単結晶基板上に、銅を
    含むペロブスカイト型結晶構造を持つ酸化物常伝導体を
    介して形成された酸化物超電導体のソース、ドレイン電
    極と、該常伝導体に対して絶縁体膜を介して電界を印加
    するゲート電極とを有することを特徴とする超電導素
    子。
  2. 【請求項2】 単結晶基板上に形成したPr 1+x Ba 2-x
    Cu 3 y (0.2≦X≦0.5)で表される材料からな
    る中間層と、該中間層上にエピタキシャル成長させた酸
    化物超電導体からなる一の電極と、該電極に半導体膜或
    いは絶縁体膜を介して、少なくとも部分的に重なり合う
    酸化物超電導体からなる他の電極とを有することを特徴
    とする超電導素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の超電導素
    子であって、 前記酸化物超電導体がLnBa 2 Cu 3 y (但しLnは
    Prを除く希土類元素又はYの少なくとも1つ)である
    ことを特徴とする超電導素子。
  4. 【請求項4】 Pr 1+x Ba 2-x Cu 3 y (0.2≦X≦
    0.5)で表される材料からなる単結晶基板上に、銅を
    含むペロブスカイト型結晶構造を持つ酸化物常伝導体を
    介して形成された酸化物超電導体のソース、ドレイン電
    極と、該常伝導体に対して絶縁体膜を介して電界を印加
    するゲート電極とを備える超電導素子を有することを特
    徴とする超電導回路。
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