JP2024524631A - 炎症性疾患の治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患の治療における化合物1の使用のための新規かつ改良された方法、並びにそれにおける使用のための化合物1を含む単位投薬量医薬組成物に関する。【化1】TIFF2024524631000040.tif37170【選択図】 なし

Description

(発明の分野)
本発明は、炎症性疾患、及び/又はIFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患の治療における新規かつ改良された方法、並びにそれにおける使用のための化合物1を含む単位投薬量医薬組成物に関する。
(発明の背景)
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、膜受容体からSTAT転写因子へのサイトカインシグナル伝達を行う細胞質チロシンキナーゼである。JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2の4種のJAKファミリーのメンバーが、記載されている。サイトカインがその受容体に結合すると、JAKファミリーのメンバーは、自己リン酸化及び/又は互いにトランスリン酸化し、それに続き、STATのリン酸化が起こり、次いで、STATは、核へと移動して転写を調節する。JAK-STAT細胞内シグナル伝達は、インターフェロン、大部分のインターロイキン、並びにEPO、TPO、GH、OSM、LIF、CNTF、GM-CSF、及びPRLなどの種々のサイトカイン及び内分泌因子に応対する(Vainchenkerらの文献、2008)。
遺伝モデル及び小分子JAK阻害剤の研究の組合せによって、JAK阻害剤(JAKinib)の治療的可能性が明らかにされた(Babonらの文献、2014)。この10年間で、JAKファミリーのメンバーに対するさまざまな程度の選択性プロファイルを有するJAKinibが、開発されている。特に、複数のJAKを標的とすることは、有害ではないかもしれないが(Broekmanらの文献、2011)、選択的JAKinibを開発することは、それが課す困難にもかかわらず、患者の必要性に合わせた治療コース開発するのに非常に望ましいであろう(Fabianらの文献、2005)。例えば、JAK2阻害が、赤血球増加症及び骨髄線維症の治療に有用であると判明しているが、JAK2阻害に関連する望ましくない作用が、観察されており(O’Shea及びPlengeの文献、2012)、従って、JAK2阻害成分を有する化合物を、JAK2非介在性疾患の治療に不適としている。
TYK2ノックアウトマウスを用いて、IL-6、IL-10、IL-11、IL12、IL-13、IL-19、IL-20、IL-22、IL-23、IL-27、IL-28、IL-29、IL-31、IL-35及び/又は1型インターフェロンシグナル伝達が、TYK2に依存性であることが示されている(Schwartzらの文献、2016)。しかしながら、JAK1が、IFNα、IL6、IL10、及びIL22シグナル伝達において重要な駆動因子であり、その一方で、TYK2が、I型インターフェロン(IFNα、INFβを含む)、IL23、及びIL12シグナル伝達に関与していることが最近示された(Gilloolyらの文献、2016;Sohnらの文献、2013)。IL12及びIL23の活性が、乾癬及び/又は炎症性腸障害などの自己免疫疾患の患者において特に増加するために(O’Shea及びPlengeの文献、2012)、選択的なTYK2阻害は、JAK2依存性エリスロポエチン(EPO)及びトロンボポエチン(TPO)シグナル伝達を回避しながらのこれらの疾患の治療において特に有利であり得る(Neubauerらの文献、1998;Parganasらの文献、1998)。
さらに、TYK2は、複数の自己免疫障害の標的として報告されており、免疫系に対する影響がわずかな炎症性疾患及び2型糖尿病に対する保護を提供している(Dendrouらの文献、2016)。
化合物1は、チロシンキナーゼのファミリーであるJAK、より特定的には、TYK2の小分子阻害剤であり、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患の治療のための薬物として現在調査が行われている。化合物1の同定及び合成は、WO2019/076716において既に記載されている。
炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病などの疾患の治療における新規かつ改良された療法の開発に対するアンメット・メディカル・ニーズが存在し続けている。
シトクロムP450(CYP)酵素は、多くの医薬品及び内在性化合物の代謝に必須なものである(Danielsonの文献2002)。シトクロムP450 3Aファミリーは、肝臓において最も大量に存在するCYPアイソフォームのサブファミリーである。成人には少なくとも3つのアイソフォーム:3A4、3A5、及び3A7が存在し、そのうちで3A4が、肝臓における全てのCYP酵素のうちで最も重要であると考えられている(Inceらの文献、2013)。
CYP酵素は、薬物によって阻害又は誘導することができ、これによって、予期せぬ有害反応又は治療の失敗を引き起こし得る臨床的に重要な薬物・薬物相互作用がもたらされ得る(Lynch及びPriceの文献、2007)。従って、薬物のどの組合せが、禁忌とされるべきか、又はそれらの共投与が、回避されるべきかを理解することが極めて重要である。
さまざまなシトクロムP450 3A4(CYP3A4)阻害剤が、知られており(https://www.fda.gov/drugs/drug-interactions-labeling/drug-development-and-drug-interactions-table-substrates-inhibitors-and-inducers)、イトラコナゾールが、その強力なCYP3A阻害に鑑みて、臨床的薬物・薬物相互作用(DDI)研究を評価するプローブとして台頭してきている(Liuらの文献、2016)。
(Huらの文献、2020)による研究では、FDAで承認されている小分子薬物(2005年~2016年)の64%が、CYP3A4によって代謝されることが示されており、従って、該薬物の望ましい臨床プロファイルによって正当化されている場合には、CYP3A4介在性の犠牲薬物・薬物相互作用リスクを緩和することが重要である。
薬物の曝露は、CYP3A4阻害剤の共投与に影響を受ける場合があり(Teo、Ho、及びChanの文献、2015)、これは、該薬物の過少投与又は過剰投与に繋がり得る;従って、安定な投与及び曝露を確実なもとして、望ましくない副作用又は毒性を回避することが非常に重要である。
P糖タンパク質(P-gp)は、「多剤耐性タンパク質(MDR1)」及びその遺伝子名である「ABCB1」とも称され、腸、腎臓、肝臓などの人体のさまざまな組織の細胞膜内及び血液脳関門に位置する「ATP結合カセット」トランスポーター又は「ABC」トランスポーターと呼ばれる輸送分子のクラスのメンバーである。P糖タンパク質は、医薬活性成分を細胞の外側に輸送(排出)する重要な役割を果たし、体からの該医薬活性成分の排出に影響を及ぼす。CYP酵素と共に、P糖タンパク質は、薬物・薬物相互作用の重要なメディエーターである。薬物の薬物動態は、P糖タンパク質を阻害又は誘導する化合物と共投与された場合に、変化することがある(Konig、Muller、及びFrommの文献、2013)。従って、薬物のどの組合せが、禁忌とされるべきか、又はそれらの共投与が、回避されるべきかを理解することが、極めて重要である。
FDAは、P-gp阻害剤である可能性があるさまざまな薬物を認識しリスト化している(https://www.fda.gov/drugs/drug-interactions-labeling/drug-development-and-drug-interactions-table-substrates-inhibitors-and-inducers)。
また、CYP阻害剤としても働くことができるP-gp阻害剤として働く物質の共投与は、二重の作用のために治療効果の低下をもたらし得る。ある面では、P-gp阻害介在性が、親薬物の細胞内蓄積を増強させ;別の面では、CYP阻害介在性が、親薬物の過度の薬物蓄積を引き起こし得るとともに、その毒性を増加させ、治療用薬剤の用量を削減する必要性をもたらした。従って、薬物のどの組合せが、禁忌とされるべきか、又はそれらの共投与が、回避されるべきかを理解することが極めて重要である(Wandelらの文献、1999)。
(発明の概要)
本明細書に記載される発明は、本発明の化合物が:
i.特定の投薬量で投与される場合に、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患の治療において予想外の利益を提供し;かつ
ii.CYP3A4によって代謝されるかつ/又はP-gpによって輸送され、このことによって、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物と組み合わせて投与される場合に、望ましくない薬物・薬物相互作用がもたらされることがあるという知見に基づく。
従って、第1の態様において、本発明は、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療における使用のための本発明の化合物であって、化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、前記化合物を提供する。
第2の態様において、本発明は、本発明の療法の化合物を必要とする患者を治療することにおける使用のための本発明の化合物であって、該治療することが、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することを含むことを特徴とする、前記化合物を提供する。
また、さらなる態様において、本発明は、化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療のための医薬品の生産における本発明の化合物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、患者に、本発明の化合物を少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与することを含む、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患を治療する方法を提供する。
別の態様において、本発明は、80mg~200mgの本発明の化合物を含む単位投薬量医薬組成物であって、単位剤形が、1日あたり200mgの最大総投薬量までの経口投与に適したものである、前記単位投薬量医薬組成物を提供する。
また、さらなる態様において、本発明は、本発明の化合物を用いる療法を必要とする患者を治療することのための医薬品の生産における本発明の化合物の使用であって、該治療することが、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することを含むことを特徴とする、前記方法を提供する。
別の態様において、本発明は、本発明の化合物を用いる治療を本発明の化合物を用いる療法を必要とする患者に対して実施する方法であって、該患者に治療的有効量の該本発明の化合物を投与すること、及びCYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することを含む、前記方法を提供する。
具体的な実施態様において、療法を必要とする患者は、炎症性疾患、及び/又はIFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患を患う患者である。特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病などの疾患である。
具体的な実施態様において、本発明の化合物と共投与されたときに場合によっては重篤な副作用又は毒性をもたらし得る又は有害な薬物相互作用を示し得る1種以上の化合物は、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、より特定的には、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、さらにより特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である。
具体的な実施態様において、治療されるべき疾患又は治療は、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患のためのものである。
化合物1は、下記式I:
Figure 2024524631000002
による化合物を意味する。
化合物1の化学名は、「4-メチル-5-[3-メチル-7-[(6-モルホリン-4-イルピリダジン-3-イル)アミノ]イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イル]オキシピリジン-2-カルボニトリル」である。
さらに、本明細書で開示される医薬組成物及び治療方法において有用な化合物1は、調製時及び使用時に医薬として許容し得るものである。
後に続く詳細な説明の考察から、他の態様、実施態様、目的、及び利益が、当業者には明らかとなるであろう。
(図面の簡単な説明)
図1は、平均(±SD)化合物1血漿濃度対時間プロファイル-パート1-(SAD)-PK分析セット(直線-直線スケール)を示す。 図2は、平均(±SD)化合物1血漿濃度対時間プロファイル-パート1-(SAD)-PK分析セット(Log-直線スケール)を示す。 図3は、平均(±SD)化合物1血漿濃度対時間プロファイル-パート2(MAD)-PK分析セット(直線-直線スケール)を示す。 図4は、平均(±SD)化合物1血漿濃度対時間プロファイル-パート2(MAD)-PK分析セット(Log-直線スケール)を示す。 図5は、第11日の化合物1投与及びIFN-α曝露後の経時的なIFN-α誘発性ネオプテリン放出の阻害-パート2(MAD)-PD分析セットを示す。 図6は、インビボでのIFN-α曝露後の志願者の全血中でのIFN応答遺伝子に対する化合物1の経口投与の作用を示す2次元ヒートマップを示す。 図7は、第1b相臨床試験における第4週でのベースラインからの百分率変化(%CfB)のPASI累積分布を示す。 図8は、各来院時のPASI 50反応の対象の%数としてのPASI 50反応率を示す。 図9は、各来院時のPASI 75反応の対象の%数としてのPASI 75反応率を示す。
(発明の詳細な説明)
(定義)
以下の用語は、以下にそれらともに提示される意味を有することが意図され、本発明の説明及び意図される範囲を理解するのに有用である。
式Iの化合物、該化合物を含有する医薬組成物、並びに該化合物及び組成物を使用する方法を含み得る本発明を説明する場合、以下の用語は、存在する場合には、別途示されない限り以下の意味を有する。また、本明細書に記載される場合、以下で定義される部位はいずれも、種々の置換基で置換され得ること、及び各定義が、そのような置換された部位を以下に記載されるその範囲内に含むことが意図されることが理解されるべきである。特に断りのない限り、「置換された」という用語は、以下に記載されるように定義されるものとする。さらに、本明細書で使用される場合、「基」及び「ラジカル」という用語が、交換可能であると考えられることが理解されるべきである。
「1つの(a)」及び「1つの(an)」という冠詞は、1つの又は1つを超える(すなわち、少なくとも1つの)当該冠詞の文法的対象を意味するように本明細書で用いられ得る。一例として、「類似物」は、1つの類似物又は1つを超える類似物を意味する。
「本発明の化合物」は、式Iの化合物又は化合物1を意味し、当該表現は、文脈上それが許されるのであれば、医薬として許容し得る塩/共結晶、及び溶媒和物、例えば、水和物、並びに医薬として許容し得る塩/共結晶の溶媒和物を含む。同様に、中間体への言及は、文脈上それが許されるのであれば、それら自体が特許請求の範囲に記載されているかどうかによらず、それらの塩/共結晶、及び溶媒和物を包含することが意図される。
「医薬として許容し得る」は、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって又は米国以外の国における対応する当局によって承認されている又は承認可能であることを意味するか、又はそれが、動物における、及び、より特定的には、ヒトにおける使用のために米国薬局方又は他の一般に認められた薬局方に収載されていることを意味する。
「医薬として許容し得る塩/共結晶」は、医薬として許容し得るものでありかつ親化合物の所望の薬理活性を保持している化合物1の塩及び/又は共結晶を意味する。特に、そのような塩又は共結晶は、無毒性であり、無機又は有機の酸付加塩及び塩基付加塩であり得る。
「医薬として許容し得るビヒクル」は、それと共に本発明の化合物が投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は担体を意味する。
「溶媒和物」は、通常、加溶媒分解反応によって溶媒に結合した化合物の形態を意味する。この物理的結合には、水素結合が含まれる。慣用溶媒としては、水、EtOH、酢酸などが挙げられる。本発明の化合物は、例えば、結晶形態で調製されてもよく、かつ溶媒和又は水和されていてもよい。適当な溶媒和物としては、水和物などの医薬として許容し得る溶媒和物が挙げられ、これは、化学量論的溶媒和物及び非化学量論的溶媒和物の双方をさらに含む。ある例において、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合には、溶媒和物は、単離可能であろう。「溶媒和物」は、溶液相及び単離可能な溶媒和物の双方を包含する。代表的な溶媒和物としては、水和物、エタノラート、及びメタノラートが挙げられる。
「共結晶」は、同じ結晶格子においての化合物1及び共結晶形成剤(「共形成剤」)で構成される結晶性材料を意味する。「共結晶(cocrystal)」及び「共結晶(co-crystal)」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
本発明の化合物の特定の「用量」又は「投薬量」への言及は、投与されている遊離塩基化合物の等価重量、すなわち、塩、溶媒和物、又は共結晶の相手方や成分のいずれの重量も含まないことを意味する。
「対象」は、ヒトを含む。「ヒト」、「患者」、及び「対象」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
「有効量」は、疾患を治療するために対象に投与される場合に、該疾患に対するそのような治療をもたらすのに十分である本発明の化合物の量を意味する。「有効量」は、疾患及びその重症度、並びに治療される対象の年齢及び体重などに応じて異なり得る。
「予防すること(preventing)」又は「予防(prevention)」は、疾患又は障害にかかる又はそれを発症するリスクの低下(すなわち、疾患の発症前に、疾患原因因子(disease-causing agent)に曝露される可能性があるか又は該疾患にかかりやすい可能性がある対象において疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを、発症しないようにすること)を意味する。
「予防法(prophylaxis)」という用語は、「予防(prevention)」に関連しており、その目的が、疾患を治療する又は治癒させることではなく、むしろ予防することである対策又は処置を意味する。予防法的対策の非限定的な例としては、ワクチンの投与;例えば、動けないために血栓症のリスクがある入院患者への低分子量ヘパリンの投与;及びマラリアが風土病であるか、マラリアにかかるリスクが高い地理的領域への訪問に先立つクロロキンなどの抗マラリア剤の投与を挙げることができる。
任意の疾患又は障害についての「治療すること」又は「治療」は、一実施態様において、当該疾患又は障害を改善すること(すなわち、当該疾患を停止すること又はその臨床症状のうちの少なくとも1つの発現、範囲、もしくは重症度を減少させること)を意味する。別の実施態様において、「治療すること」又は「治療」は、対象によって認識することができないものであってもよい少なくとも1つの物理的パラメーターを改善することを意味する。さらに別の実施態様において、「治療すること」又は「治療」は、物理的に(例えば、認識できる症状の安定化)、生理学的に(例えば、物理的パラメーターの安定化)のいずれか、又は双方で疾患又は障害を調節することを意味する。さらなる実施態様において、「治療すること」又は「治療」は、疾患の進行の速度を落とすることに関する。
本明細書で使用される「炎症性疾患」という用語は、関節リウマチ、変形性関節炎、若年性特発性関節炎、乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、アレルギー性気道疾患(例えば、喘息、鼻炎)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性肝疾患(例えば、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、及び/又は原発性硬化性胆管炎(PSC))、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎)、エンドトキシン誘発性疾患状態(endotoxin-driven disease state)(例えば、バイパス手術後の合併症又は例えば、慢性心不全の一因となる慢性エンドトキシン状態)、並びに関節の関連疾患などの軟骨が関与する関連疾患を含む状態の群を意味する。特に、当該用語は、関節リウマチ、変形性関節炎、アレルギー性気道疾患(例えば、喘息)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び炎症性腸疾患を意味する。より特定的には、当該用語は、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、及び炎症性腸疾患を意味する。最も特定的には、当該用語は、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び炎症性腸疾患を意味する。
本明細書で使用される「IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患」という用語は、全身性及び皮膚ループスエリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、並びに/又はクローン病などの状態を含む。
本明細書で使用される「有害事象(AE)」という用語は、医薬製品を投与された患者又は臨床研究対象における任意の不都合な医学的な出来事であって、当該治療との因果関係を有することを必ずしも必要としないものを意味する。従って、有害事象(AE)は、医薬製品に関連していると考えられるかどうかによらず、当該医薬製品の使用に一時的に伴う任意の好ましくないかつ/又は意図されない徴候(例えば、異常な検査所見を含む)、症状、又は疾患であり得る。また、AEは、プロトコールで要求される手順、有効性の不足、過剰投与又は薬物乱用/誤用報告(Overdose or drug Abuse/Misuse reports)の結果として生じる治療前又は治療後の合併症も含む。臨床試験の間に又は臨床試験への参加結果として重症度が増加する又は性質が変化する既存の事象も、AEとみなすものとする。
本明細書で使用される「治療下発現有害事象(Treatment Emergent Adverse Event; TEAE)」という用語は、各治療の開始日以降でありかつ各治療の最終実施後30日を超えない発症日を有する任意の有害事象(AE)(又は任意の有害事象(AE)の悪化)を意味する。
本明細書で使用される「重篤有害事象(SAE)」という用語は、以下:死、生命の危険がある事象(事象の時点で対象が死亡する危険があった事象;これは、仮説上、事象がさらに重篤であったならば死を引き起こしていたかもしれない事象を意味しない)、入院又は既存の入院の延長、持続性の又は著しい身体障害/機能不全(disability/incapacity)、先天異常/生まれつきの欠陥、又は医学的に重要な事象(直ちに生命の危険があるものではない又は死や入院をもたらさないと思われるが、対象を危険にさらし得るか又は上記定義に列挙された他の結果のうちの1つを予防するための治療介入を必要とし得る重要な医学的事象などの他の状況が重篤であるとみなされるべきかを決定するにあたっては、医学的及び科学的な判断が行われるべきである)のうちの1つをもたらす有害事象(AE)を意味する。
本明細書で使用される、「回避する(avoid)」という用語及びその形態は、慎む(abstain)、断念する(desist)、差し控える(forbear)、及び控える(refrain)、並びにその形態という用語が代替として存在することが想定される。
本明細書で使用される、「各自の医薬品(respective medicament)」、「該/前記医薬品(said medicament)」、又は「禁忌の医薬品」という用語は、本発明の化合物と共投与された場合に、場合によっては重篤な副作用又は毒性をもたらし得る又は有害な薬物相互作用を示し得る医薬品又は1種以上の化合物を意味する。
本明細書で使用される、「~の併用又は共投与を回避すること」という用語は、各自の医薬品での療法を必要とする患者において、各自の医薬品の代替手段を調べることによる禁忌医薬品の使用の回避を含むか又はそれに関する。
本明細書で使用される、「中断する(discontinue)」という用語及びその形態には、やめる(cease)、停止する(stop)、延期する(suspend)、及びやめる(quit)という用語、並びにその形態が代替として存在することが想定される。
本明細書で使用される「~禁忌とすること(contraindicating)」という用語及び「禁忌(contraindication)」などのその形態は、禁忌の行動を始めないようにする説明書を含めることが想定される。
本明細書で使用される、「CYP阻害剤」という用語は、所与のCYPの基質のAUCを増加させる1種以上の化合物を意味する。CYP阻害剤は、弱い、中程度の、又は強力な阻害剤のいずれであってもよい。特に、当該用語は、CYP3A4阻害剤を意味する。CYP3A4阻害剤の例としては、アタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、チカグレロル、(S)-オメプラゾール(エソメプラゾール)-高用量、ACT-178882、ACT-539313、アルモレキサント、AMD070、ANS-6637、アパラレノン、ASP8477、アトルバスタチン、AZD2327、アジスロマイシン、ベルベリン、ベロトラルスタット、ビカルタミド、ブロダルマブ、カソピタント、セリチニブ、クロトリマゾール、クランベリー果汁、デュベリシブ、エヌトレクチニブ、エバセトラピド(Evacetrapid)、エベロリムス、ファルダプレビル、フェドラチニブ、フェネブルチニブ、FK1706、ホスタマチニブ、イチョウ(Ginkgo biloba)、グレカプレビル/ピブレンタスビル、ゴールデンシール(ヒドラスチス・カナデンシス(Hydrastis canadensis))、グラゾプレビル(Zepatierの成分)、GSK2248761、イサブコナゾール、ラパチニブ、ラロトレクチニブ、LCL161、レファムリン、レテルモビル、ルマテペロン、ルラシドン、M100240、ミベフラジル、ネツピタント、オベチコール酸、オラパリブ、オシロドロスタット、パルボシクリブ、パゾパニブ、ポサコナゾール、プロピベリン、ラブコナゾール、リボシクリブ、リメゲパント、ロキシスロマイシン、ルカパリブ、サネカズラ(Schisandra sphenanthera)、スクテラリン(ブレビスカピン)、セルペルカチニブ、シメプレビル、スボレキサント、タビモレリン、タクロリムス、テラプレビル、テリフルノミド、トフィソパム、ツカチニブ、ベラパミル、及びボクセロトールが挙げられる。
より特定的には、当該用語は、アタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リボシクリブ、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ジルチアゼム、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、トフィソパム、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、クロトリマゾール、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、及びチカグレロルを意味する。
本明細書で使用される「弱いCYP3A4阻害剤」という用語は、経口ミダゾラム又は他の特定の3A4基質のAUCを1.25~2倍増加させるか又はそのクリアランスの20~50%の低下をもたらす1種以上の化合物を意味する。弱いCYP3A4阻害剤の例としては、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、クロトリマゾール、シクロスポリン、ホスアプレピタント、フルボキサミン、イストラデフィリン、アイバカフトール、イオミタピド(Iomitapide)、ラニチジン、ラノラジン、チカグレロルが挙げられる(https://www.fda.gov/drugs/drug-interactions-labeling/drug-development-and-drug-interactions-table-substrates-inhibitors-and-inducers)。
本明細書で使用される「中程度のCYP3A4阻害剤」という用語は、経口ミダゾラム又は他の特定の3A4基質のAUCを≧2~<5倍増加させるか又はそのクリアランスの50~80%の低下をもたらす1種以上の化合物を意味する。中程度のCYP3A4阻害剤の例としては、アプレピタント、シメチジン、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、ジルチアゼム、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、イマチニブ、トフィソパム、及びベラパミルが挙げられる(https://www.fda.gov/drugs/drug-interactions-labeling/drug-development-and-drug-interactions-table-substrates-inhibitors-and-inducers)。
本明細書で使用される「強力なCYP3A4阻害剤」という用語は、経口ミダゾラム又は他の特定の3A4基質のAUCを≧5倍増加させるか又はそのクリアランスの≧80%の低下をもたらす1種以上の化合物を意味する。強力なCYP3A4阻害剤の例としては、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、エルビテグラビル、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ポサコナゾール、リボシクリブ、リトナビル、サキナビル、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、セリチニブ、グレープフルーツ果汁、LCL161、ミベフラジル、及びツカチニブが挙げられる(https://www.fda.gov/drugs/drug-interactions-labeling/drug-development-and-drug-interactions-table-substrates-inhibitors-and-inducers)。
本明細書で使用される、「P-gp阻害剤」という用語は、P-gpの基質、例えば、ミダゾラム及びプラゾシンのAUCを増加させる1種以上の化合物を意味する。また、P-pg阻害剤の例としては、アミオダロン、アジスロマイシン、カンナビジオール、カプマチニブ、カルベジロール、クラリスロマイシン、コビシスタット、シクロスポリン、ダクラタスビル、ジオスミン、ドロネダロン、エラゴリクス、エラゴリクス-エストラジオール-ノルエチンドロン、エリグルスタット、エレキサカフトール-テザカフトール-アイバカフトール、エリスロマイシン、フリバンセリン、ホスタマチニブ、グレカプレビル-ピブレンタスビル、ケトコナゾール、イトラコナゾール、アイバカフトール、ケトコナゾール、ラパチニブ、レジパスビル、レボケトコナゾール、ネラチニブ、オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル、オシメルチニブ、プロパフェノン、キニジン、キニーネ、ラノラジン、リトナビル、ロラピタント、ロキシスロマイシン、シメプレビル、タモキシフェン、テリスロマイシン、テポチニブ、テザカフトール-アイバカフトール、チカグレロル、ツカチニブ、ベルパタスビル、ベムラフェニブ、ベラパミル、及びボクロスポリンが挙げられる(https://www.fda.gov/drugs/drug-interactions-labeling/drug-development-and-drug-interactions-table-substrates-inhibitors-and-inducers)。
「強力なP-gp阻害剤」という用語は、経口のP-gp基質、例えば、ミダゾラム及びプラゾシンのAUCを≧5倍増加させる1種以上の化合物を意味する。また、強力なP-gp阻害剤の例としては、アミオダロン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、シクロスポリン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、タモキシフェン、及びベラパミルが挙げられる(https://www.fda.gov/drugs/drug-interactions-labeling/drug-development-and-drug-interactions-table-substrates-inhibitors-and-inducers)。
複合型CYP3A4/P-gp阻害剤は、対象に投与すると、CYP3A4及びP-gp介在性の活性を低下させる物質である。具体的な実施態様において、CYP3A4/P-gp阻害剤は、イトラコナゾールである。
本開示は、(i)所与の原子番号の全ての原子が、自然界で優勢である質量数(又は質量数の混合物)を有する形態(本明細書では、「天然同位体形態」と称される)であろうと、(ii)1以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然界で優勢である原子の質量数とは異なる質量数を有する原子によって置き換えられている形態(本明細書では、「非天然バリアント同位体形態」と称される)であろうと、本明細書で提供される本発明の化合物の全ての同位体形態を含む。原子が、質量数の混合物として天然に存在し得ることが理解されている。また、「非天然バリアント同位体形態」という用語は、自然界であまりみられない質量数を有する所与の原子番号の原子(本明細書では、「まれな同位体」と称される)の比率が、天然に存在するそれと比較して例えば、当該原子番号の原子の数で>20%、>50%、>75%、>90%、>95%、又は>99%のレベルまで増加している実施態様も含む(後者の実施態様は、「同位体濃縮されたバリアント形態」と呼ばれる)。また、「非天然バリアント同位体形態」という用語は、まれな同位体の比率が、天然に存在するそれと比較して低下している実施態様を含む。同位体形態は、放射活性形態(すなわち、これは、放射性同位元素を組み入れている)及び非放射活性形態を含み得る。放射活性形態は、通常、同位体濃縮されたバリアント形態であろう。
したがって、化合物の非天然バリアント同位体形態は、1以上の原子において重水素(2H又はD)、炭素-11(11C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-15(15N)、酸素-15(15O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、リン-32(32P)、硫黄-35(35S)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、フッ素-18(18F)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)などの1以上の人工の又はまれな同位体を含有してもよく、又は1以上の原子において自然界で優勢である比率と比較して増加した比率の該同位体を含有していてもよい。
放射性同位元素を含む非天然バリアント同位体形態は、例えば、薬物及び/又は基質組織分布研究に使用され得る。放射性同位元素であるトリチウム、すなわち、3H、及び炭素-14、すなわち、14Cは、それらの組み入れの容易さ及び検出手段が整っていることを考慮するとこの目的のために特に有用である。重水素、すなわち、2H又はDを組み入れた非天然バリアント同位体形態は、より高い代謝安定性に起因するある種の治療的利益、例えば、増加したインビボ半減期又は減少した必要用量を提供し得、従って、状況によっては好ましい場合がある。さらに、11C、18F、150、及び13Nなどの陽電子放出同位体を組み入れた非天然バリアント同位体形態を調製してもよく、基質受容体占有率を調査するための陽電子放出組織分布(PET)研究に有用であろう。
また、同じ分子式を有するがその原子の結合の性質もしくは配列又はその原子の空間での配置が異なる化合物が、「異性体」と名付けられることも理解されるべきである。その原子の空間での配置が異なる異性体は、「立体異性体」と名付けられる。
「互変異性体」は、特定の化合物構造の交換可能な形態であり、かつ水素原子及び電子の置換(displacement)が異なる化合物を意味する。従って、2つの構造は、π電子及び原子(通常H)の運動によって平衡となり得る。例えば、エノール及びケトンは、これらが、酸又は塩基のいずれかでの処理によって急速に相互変換されるという理由で互変異性体である。互変異性の別の例は、同様に酸又は塩基での処理によって形成される、フェニルニトロメタンのアシ及びニトロ形態である。互変異性形態は、対象となる化合物の最適な化学反応性及び生物活性の獲得に関連性があり得る。
本明細書において既に言及された又はこれから言及される任意の範囲は、該範囲の下限値と上限値との間の、当該上下限値を含む全ての値及びサブ値(sub-value)を含む。
(治療における使用のための化合物及び治療の方法)
一実施態様において、本発明は、化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療における使用のための、本発明の化合物、又は当該本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。
特定の実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、又はクローン病である。
最も特定的な実施態様において、前記疾患は、乾癬性関節炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、潰瘍性大腸炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、乾癬である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、クローン病である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデスである。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、皮膚エリテマトーデスである。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、ループス腎炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、皮膚筋炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、多発性筋炎である。
別の実施態様において、本発明は、化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療のための医薬品の生産における使用のための本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、又はクローン病である。最も特定的な実施態様において、前記疾患は、乾癬性関節炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、潰瘍性大腸炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、乾癬である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、クローン病である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデスである。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、皮膚エリテマトーデスである。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、ループス腎炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、皮膚筋炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、多発性筋炎である。
治療態様の追加の方法において、本発明は、患者に、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物を投与することを含む、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、又はクローン病から選択される疾患を治療する方法であって、化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、前記方法を提供する。特定の実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、又はクローン病である。最も特定的な実施態様において、前記疾患は、乾癬性関節炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、潰瘍性大腸炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、乾癬である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、クローン病である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデスである。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、皮膚エリテマトーデスである。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、ループス腎炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、皮膚筋炎である。別の最も特定的な実施態様において、前記疾患は、多発性筋炎である。
本発明の方法により、本発明の化合物を、唯一の活性薬剤として投与することができ、又はそれを、他の治療用薬剤と組み合わせて投与することができ、当該他の治療用薬剤は、同じ又は類似の治療活性を示してもよく、かつこれは、そのような組み合わせ投与に関して安全かつ有効であると決定されている。具体的な実施態様において、2種(又はそれを超える)薬剤の共投与は、より低い用量の各薬剤が用いられることを可能とし、それによって、いずれかの医薬品を原因とする副作用の可能性を低下させる。
一実施態様において、本発明の化合物は、経口投与される。特定の実施態様において、本発明の化合物は、食後状態の患者に経口投与される。
一実施態様において、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物は、医薬品として投与される。具体的な実施態様において、当該医薬組成物は、さらなる活性成分をさらに含む。
一実施態様において、本発明の化合物は、同位体バリアントではない。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のうちのいずれか1つによる本発明の化合物は、遊離塩基として存在する。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のうちのいずれか1つによる本発明の化合物は、医薬として許容し得る塩又は共結晶である。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のうちのいずれか1つによる本発明の化合物は、該化合物の溶媒和物である。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のうちのいずれか1つによる本発明の化合物は、本発明の化合物の医薬として許容し得る塩又は共結晶の溶媒和物である。
あるいは、群もしくは実施態様、又はそれらの組合せからの明記された変数のうちの1つ以上の除外も、本発明によって想定される。
(医薬組成物)
医薬として採用される場合、本発明の化合物は、通常、医薬組成物の形態で投与される。そのような組成物は、医薬技術において周知の様式で調製することができ、少なくとも1つの式Iによる本発明の活性化合物を含む。一般に、本発明の化合物は、医薬として有効な量で投与される。実際に投与される本発明の化合物の量は、通常、治療される病態、選択された投与経路、投与される実際の本発明の化合物、個々の患者の年齢、体重、及び反応、並びに患者の症状の重症度などを含む関連性のある状況に照らして医師によって決定されるものである。
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、経皮、皮下、関節内、静脈内、筋肉内、及び鼻腔内を含む種々の経路によって投与することができる。本発明の化合物は、意図される送達経路に応じて、注射用もしくは経口組成物のいずれかとして、又は全て経皮投与用である軟膏として、ローション剤として、もしくはパッチとして製剤化されることが好ましい。
経口投与用の組成物は、バルク溶液もしくは懸濁液、又はバルク粉末の形態をとることができる。しかしながら、より一般的には、組成物は、正確な投薬を容易にする単位剤形で提供される。「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物に対する単位投薬量として適した物理的に個々に分離した単位であって、それぞれが、所望の治療効果をもたらすように計算された所定の量の活性材料を、適当な医薬賦形剤、ビヒクル、又は担体と共に含有する、前記単位を意味する。典型的な単位剤形は、予め充填され予め測定された液体組成物のアンプルもしくはシリンジ、又は固体組成物の場合には丸剤、錠剤、又はカプセル剤などを含む。そのような組成物において、式Iによる本発明の化合物は、通常、少量成分(約0.1~約50重量%又は、好ましくは、約1~約40重量%)であり、残りは、所望の投薬形態を形成するのに役立つさまざまなビヒクル又は担体及び加工助剤である。
経口投与に適した液体形態は、適当な水性又は非水性ビヒクルを、緩衝剤、懸濁及び予製剤(suspending and dispensing agents)、着色料、及び香料などと共に含み得る。固体形態としては、例えば、以下の成分:微結晶性セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチンなどの結合剤;デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、プリモゲル、もしくはトウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動化剤;ショ糖もしくはサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミントもしくはオレンジ香料などの香味剤のいずれか又は同様の性質の本発明の化合物が挙げられる。
経口投与可能な組成物用の上記成分は、単に代表的なものである。他の材料及び加工技術などが、引用により本明細書に組み込まれている「Remingtonの薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」、第17版、1985, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaのパート8に記載されている。
本発明の化合物は、持続放出形態で又は持続放出薬物送達系から投与することもできる。代表的な持続放出材料の説明が、Remingtonの薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)に記載されている。
以下の製剤例は、本発明に従って調製され得る代表的な医薬組成物を例示する。しかしながら、本発明は、以下の医薬組成物に限定されない。
(製剤1-錠剤)
本発明の化合物を、ドライパウダーとして乾燥ゼラチン結合剤と約1:2の重量比で混合し得る。少量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として添加し得る。この混合物を、打錠機で270mg錠剤(1錠あたり90mgの式Iによる本発明の活性化合物)として成形し得る。
(製剤2-カプセル剤)
本発明の化合物を、ドライパウダーとしてデンプン希釈剤と約1:1の重量比で混合し得る。この混合物を、250mgカプセル剤(1カプセルあたり125mgの式Iによる本発明の活性化合物)に充填し得る。
(製剤3-液剤)
本発明の化合物(125mg)を、ショ糖(1.75g)及びキサンタンガム(4mg)と混合し、得られた混合物を、よく混ぜ合わせ、No.10メッシュU.S.のふるいに通し、次いで、調製しておいた微結晶性セルロース及びナトリウムカルボキシメチルセルロース(11:89、50mg)の水溶液と混合し得る。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料、及び着色料を、水で希釈し、撹拌しながら添加し得る。次いで、十分な水を撹拌しながら添加し得る。次いで、さらなる十分な水を添加して、5mLの総体積とし得る。
(製剤4-錠剤)
本発明の化合物を、ドライパウダーとして乾燥ゼラチン結合剤と約1:2の重量比で混合し得る。少量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として添加し得る。この混合物を、打錠機で450mg錠剤(150mgの式Iによる本発明の活性化合物)として成形し得る。
(単位投薬量医薬組成物)
本発明はさらに、単位投薬量医薬組成物を提供する。
一実施態様において、本発明は、80mg~200mgの本発明の化合物を含む単位投薬量医薬組成物を提供する。
特定の実施態様において、前記単位投薬量は、液体、錠剤、カプセル剤、又はゲルキャップから選択される形態にある。最も特定的な実施態様において、前記単位投薬量は、錠剤の形態にある。別の最も特定的な実施態様において、前記単位投薬量は、カプセル剤の形態にある。
(治療の方法)
一実施態様において、本発明は、本発明の化合物を用いる療法を必要とする患者の治療における使用のための本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物であって、該治療が、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することを含むことを特徴とする、前記本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、前記療法を必要とする患者は、1種以上の炎症性疾患並びに/又はINFα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患を患っている。より特定の実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、又はクローン病である。
別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物を用いる療法を必要とする患者の治療における使用のための医薬品の生産における使用のための本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物であって、該治療が、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することを含むことを特徴とする、前記本発明の化合物、又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。より特定の実施態様において、前記療法を必要とする患者は、1種以上の炎症性疾患並びに/又はINFα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患を患っている。より特定の実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、又はクローン病である。
治療態様の追加の方法において、本発明は、その療法を必要とする患者の治療の方法であって、有効量の本発明の化合物、又は本明細書に記載される医薬組成物のうちの1つ以上の投与を含み、該治療が、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することをさらに含む、前記方法を提供する。特定の実施態様において、前記療法を必要とする患者は、1種以上の炎症性疾患並びに/又はINFα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患を患っている。より特定の実施態様において、前記疾患は、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、又はクローン病である。
一実施態様において、本発明は、本発明の化合物をその療法を必要とする患者に投与する方法であって、該患者に治療的有効量の本発明の化合物を投与すること、及びCYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の(同時の)使用又は(共)投与を回避することを含む、前記方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物をその療法を必要とする患者に投与する方法であって、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の投与を中断すること、及び次いで治療的有効量の本発明の化合物を投与することを含む、前記方法を提供する。
一実施態様において、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である前記医薬品又は前記1種以上の化合物は、本発明の化合物の投与を開始すると同時に中止される。
別の実施態様において、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である前記医薬品又は前記1種以上の化合物は、本発明の療法の化合物を開始する少なくとも12時間から1週間前に又は後に中止される。当該期間は、例えば、有害作用を生じることなく減量し離脱するために十分な時間を許容することができる。
別の実施態様において、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である前記医薬品又は前記1種以上の化合物は、有害な薬物相互作用を回避するため又は有害事象;特に、治療下発現有害事象(TEAE)を回避するために中止される、禁忌医薬品は、好ましくは、本発明の療法の化合物を開始する前の少なくとも3日以内に中止される。
さまざまな実施態様において、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である前記医薬品又は前記1種以上の化合物は、本発明の療法の化合物を開始する前の、少なくとも4日、又は少なくとも5日、又は少なくとも6日、又は少なくとも7日(又は1週間)、又は少なくとも8日、又は少なくとも9日、又は少なくとも10日、又は少なくとも11日、又は少なくとも12日、又は少なくとも13日、又は少なくとも14日(又は2週間)、又は少なくとも15日、又は少なくとも16日、又は少なくとも17日、又は少なくとも18日、又は少なくとも19日、又は少なくとも20日、又は少なくとも21日(又は3週間)、又は少なくとも22日、又は少なくとも23日、又は少なくとも24日、又は少なくとも25日、又は少なくとも26日、又は少なくとも27日、又は少なくとも28日(又は4週間)、又は少なくとも29日、又は少なくとも30日、又は少なくとも1か月以内に中止される。
別のさまざまな実施態様において、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である前記医薬品又は前記1種以上の化合物は、本発明の療法の化合物を開始する前の、少なくとも2半減期、又は少なくとも3半減期、又は少なくとも4半減期、又は少なくとも5半減期、又は少なくとも6半減期、又は少なくとも7半減期、又は少なくとも8半減期、又は少なくとも9半減期、又は少なくとも10半減期以内に中止される。
一実施態様において、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である前記医薬品又は前記1種以上の化合物は、本発明の療法の化合物を開始する1か月前、3週間前、2週間前、又は1週間前以降に中止される。好ましくは、十分な時間が、禁忌医薬品の減量及び/又は離脱のために許容される。
CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である前記医薬品又は前記1種以上の化合物を、本発明の療法の化合物の前に中止することができない又は中止されない実施態様においては、当該禁忌医薬品は、好ましくは、化合物1での療法を開始する前の少なくとも3日以内に中止される。
前記患者は、好ましくは、前記医薬品又はCYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である前記1つ以上の化合物の使用を回避して、本発明の療法の化合物を開始した後の有害な薬物相互作用又は有害事象を回避するのに十分な時間を許容する。
いくつかの態様において、本発明は、本発明の療法を必要としかつCYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤と共に又はそれと並行して投与された場合に重篤な副作用又は毒性を生じさせる可能性があるか又は有害な薬物相互作用を示す可能性がある別の医薬品を用いる療法を必要とする患者に、本発明の療法の化合物を投与する方法であって、治療的有効量の本発明の化合物を該患者に投与すること、及びCYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の医薬品を用いる代替療法を実施することを含む、前記方法を提供する。これらの態様による一実施態様において、前記方法は、同じクラスもしくは作用機序であるか又は各自の療法に適した代替医薬品であることが知られており、かつCYP阻害剤ではなくかつ/又はP-gp阻害剤ではない、特に、CYP3A4阻害剤ではなくかつ/又はP-gp阻害剤ではない、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤ではなくかつ/又は強力なP-gp阻害剤ではない医薬品の併用又は共投与を含む。これらの態様による別の実施態様において、前記方法は、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤と共に又はそれと並行して投与された場合に重篤な副作用又は毒性を生じさせる可能性があるか、又は有害な薬物相互作用を示す可能性がある医薬品での治療を中断すること、及び同じクラスもしくは作用機序であるか又は各自の療法に適した代替医薬品であることが知られている医薬品、及び該医薬品又はCYP阻害剤かつ/又はP-gp阻害剤ではない、特に、CYP3A4阻害剤ではなくかつ/又はP-gp阻害剤ではない、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤ではなくかつ/又は強力なP-gp阻害剤ではない1種以上の化合物での治療を開始することを含む。
治療的有効量の本発明の化合物のその療法を必要とする患者への投与は、改良することができる。いくつかの実施態様において、患者は、本発明の化合物の、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である医薬品又は前記1種以上の化合物との共投与が、本発明の化合物及び/又は各自の医薬品の治療効果又は有害反応プロファイルを変化させることがあることを通知される。
いくつかの実施態様において、患者は、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である医薬品又は前記1種以上の化合物を用いる療法を受ける場合、本発明の化合物の各自の医薬品との共投与が、本発明の化合物及び/又は各自の医薬品の治療効果又は有害反応プロファイルを変化させることがあること、及び本発明の療法の化合物を開始する前に各自の医薬品を用いる療法が、中止されるべきであることを通知される。
注入用量レベルは、約0.01mg/kg/時間~少なくとも10mg/kg/時間の範囲であり、全て、約1~約120時間、特に、24~96時間にわたるものである。また、前負荷ボーラス(preloading bolus)を投与して、適切な定常状態レベルを達成し得る。40~80kgのヒト患者の場合、最大総用量が約1g/日を超えることは考えられない。
変性状態などの長期的状態の予防及び/又は治療の場合、治療のレジメンは、通常、何か月にも又は何年にもわたり、従って、経口投薬が、患者の利便性及び忍容性にとって好ましい。経口投薬の場合、1日当たり1~4回の一定用量、特に、1日当たり1~3回の一定用量、典型的には、1日当たり1~2回の一定用量、及び最も典型的には、1日当たり1回の一定用量が、代表的なレジメンである。あるいは、持続性作用薬物の場合は、経口投薬で、2週間に1回、週1回、及び1日1回が、代表的なレジメンである。特に、投薬レジメンは、1~14日毎、より特定的には、1~10日毎、さらにより特定的には、1~7日毎、最も特定的には、1~3日毎とすることができる。
これらの投薬パターンを用いると、各用量は、約1mg~約1000mgの1日量の本発明の化合物を提供し、特定の用量はそれぞれ、約10mg~約600mgの1日量を提供する。特定の実施態様において、本発明の化合物は、約60mg~200mgの1日量で投与される。より特定の実施態様において、本発明の化合物は、炎症性疾患、IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患の治療及び/又は予防のために約80mg、90mg、100mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、又は200mgの1日量で投与される。
経皮用量は、一般に、注入用量を用いて達成されるものと類似の又はそれより低い血中レベルを提供するように選択される。
本発明の方法により、本発明の化合物は、唯一の活性薬剤として投与することができ、又はそれは、他の治療用薬剤と組み合わせて投与することができるが、但し、医薬品又はCYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物との併用又は共投与治療は、回避されるか、禁忌とされるか、又は中止され、当該他の治療用薬剤は、同じ又は類似の治療活性を示し得るとともに、そのような組み合わせ投与に安全でありかつ効果のあることが決定されている。具体的な実施態様において、2種(又はそれを超える)の薬剤の共投与は、各薬剤をかなり少ない用量で用いて、それによって、生じる副作用を減少させることを可能とする。
一実施態様において、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物は、医薬品として投与される。具体的な実施態様において、当該医薬組成物は、さらなる活性成分をさらに含み、但し、該さらなる活性成分が、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物から選択されることはない。
一実施態様において、本発明の化合物は、同位体バリアントではない。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のうちのいずれか1つによる本発明の化合物は、遊離塩基として存在する。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のうちのいずれか1つによる本発明の化合物は、医薬として許容し得る塩又は共結晶である。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のうちのいずれか1つによる本発明の化合物は、前記化合物の溶媒和物である。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のうちのいずれか1つによる本発明の化合物は、本発明の化合物の医薬として許容し得る塩又は共結晶の溶媒和物である。
あるいは、群もしくは実施態様、又はそれらの組合せからの明記された変数のうちの1つ以上の除外も、本発明によって想定される。
(パッケージ、キット、パッケージングの方法、及び送達する方法)
別の態様において、容器に任意に入れられた本発明の化合物、及び、概して、本明細書の種々の態様及び実施態様に記載されているようなCYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することに関する情報、推奨事項、又は説明書を含む添付文書、パッケージの表示、説明書、又は他の表示を含むパッケージ又はキットが提供される。このような添付文書、パッケージの表示、説明書、又は他の表示は、以下の情報、推奨事項、又は説明書:
-患者に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の同時使用が、回避されるべきであることを知らせる又は勧告すること;
-患者に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の同時使用が、禁忌とされることを知らせる又は勧告すること;
-患者に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の同時使用が、化合物1療法の、例えば、少なくとも12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、又は少なくとも4週間前に中止されるべきであることを知らせる又は勧告すること;
-患者に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の同時使用が、各自の医薬品の又は本発明の化合物の治療効果を変化させることがあること、例えば、化合物1又は各自の医薬品の治療効果を低下させる、かつ/又は有害な薬物相互作用又は有害事象をもたらすことを知らせる又は勧告すること(この場合、説明書には、従って、同時使用が、禁忌とされることがさらに記載され得る);
-患者に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の同時使用を中断するように指示すること;
-化合物1療法を必要とする患者に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物を同時に使用又は投与しないよう指示すること;
-CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の同時使用又は投与を禁忌とすること
のうちのいずれか1つ以上を含み得る。
上で言及した本発明の実施態様及び態様において、前記CYP3A4阻害剤は:アタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、チカグレロル、(S)-オメプラゾール(エソメプラゾール)-高用量、ACT-178882、ACT-539313、アルモレキサント、AMD070、ANS-6637、アパラレノン、ASP8477、アトルバスタチン、AZD2327、アジスロマイシン、ベルベリン、ベロトラルスタット、ビカルタミド、ブロダルマブ、カソピタント、セリチニブ、クロトリマゾール、クランベリー果汁、デュベリシブ、エヌトレクチニブ、エバセトラピド(Evacetrapid)、エベロリムス、ファルダプレビル、フェドラチニブ、フェネブルチニブ、FK1706、ホスタマチニブ、イチョウ(Ginkgo biloba)、グレカプレビル/ピブレンタスビル、ゴールデンシール(ヒドラスチス・カナデンシス(Hydrastis canadensis))、グラゾプレビル(Zepatierの成分)、GSK2248761、イサブコナゾール、ラパチニブ、ラロトレクチニブ、LCL161、レファムリン、レテルモビル、ルマテペロン、ルラシドン、M100240、ミベフラジル、ネツピタント、オベチコール酸、オラパリブ、オシロドロスタット、パルボシクリブ、パゾパニブ、ポサコナゾール、プロピベリン、ラブコナゾール、リボシクリブ、リメゲパント、ロキシスロマイシン、ルカパリブ、サネカズラ(Schisandra sphenanthera)、スクテラリン(ブレビスカピン)、セルペルカチニブ、シメプレビル、スボレキサント、タビモレリン、タクロリムス、テラプレビル、テリフルノミド、トフィソパム、ツカチニブ、ベラパミル、及びボクセロトールから選択される。特に、当該用語は、アタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リボシクリブ、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ジルチアゼム、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、トフィソパム、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、クロトリマゾール、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、及びチカグレロルを意味する。
特定の実施態様において、前記CYP3A4阻害剤は:アタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リボシクリブ、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ジルチアゼム、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、トフィソパム、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、クロトリマゾール、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、及びチカグレロルから選択される。
より特定の実施態様において、前記強力なCYP3A4阻害剤は:ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、エルビテグラビル、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ポサコナゾール、リボシクリブ、リトナビル、サキナビル、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、セリチニブ、グレープフルーツ果汁、LCL161、ミベフラジル、及びツカチニブから選択される。
上で言及した本発明の実施態様及び態様において、前記P-gp阻害剤は:アミオダロン、アジスロマイシン、カンナビジオール、カプマチニブ、カルベジロール、クラリスロマイシン、コビシスタット、シクロスポリン、ダクラタスビル、ジオスミン、ドロネダロン、エラゴリクス、エラゴリクス-エストラジオール-ノルエチンドロン、エリグルスタット、エレキサカフトール-テザカフトール-アイバカフトール、エリスロマイシン、フリバンセリン、ホスタマチニブ、グレカプレビル-ピブレンタスビル、ケトコナゾール、イトラコナゾール、アイバカフトール、ケトコナゾール、ラパチニブ、レジパスビル、レボケトコナゾール、ネラチニブ、オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル、オシメルチニブ、プロパフェノン、キニジン、キニーネ、ラノラジン、リトナビル、ロラピタント、ロキシスロマイシン、シメプレビル、タモキシフェン、テリスロマイシン、テポチニブ、テザカフトール-アイバカフトール、チカグレロル、ツカチニブ、ベルパタスビル、ベムラフェニブ、ベラパミル、及びボクロスポリンから選択される。
より特定の実施態様において、前記強力なP-gp阻害剤は:アミオダロン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、シクロスポリン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、タモキシフェン、及びベラパミルから選択される。
上で言及した本発明の実施態様及び態様において、前記複合型CYP3A4/P-gp阻害剤は、対象に投与されると、CYP3A4及びP-gp介在性の活性を低下させる物質である。特定の実施態様において、複合型CYP3A4/P-gp阻害剤は、イトラコナゾールである。
(第1の態様による発明の実施態様)
本発明の実施態様のさらなる例として、直後に示されるものが挙げられる:
001. 化合物1
Figure 2024524631000003
が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療における使用のための、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物。
002. 化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療のための医薬品の生産における、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物の使用。
003. 患者に、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物を投与することを含む、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患を治療する方法であって、化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、前記方法。
004. 化合物1の前記総1日投薬量が、1日あたり1回の投薬量(q.d.)として投与される、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
005. 化合物1が、少なくとも1日あたり90mg~1日あたり200mg、好ましくは、1日あたり150mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
006. 化合物1が、1日あたり90mg、1日あたり100mg、1日あたり110mg、1日あたり120mg、1日あたり125mg、1日あたり130mg、1日あたり140mg、1日あたり150mg、1日あたり160mg、1日あたり170mg、1日あたり175mg、1日あたり180mg、1日あたり190mg、又は1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
007. 化合物1が、1日あたり90mg、又は1日あたり150mg、又は1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
008. 化合物1が、1日あたり150mg又は200mgの総1日投薬量で投与される、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
009. 化合物1が、1日あたり150mg mgの総1日投薬量で投与される、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
010. 前記治療が、乾癬のためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
011. 前記治療が、乾癬性関節炎のためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
012. 前記治療が、クローン病のためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
013. 前記治療が、潰瘍性大腸炎のためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
014. 前記治療が、全身性エリテマトーデスのためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
015. 前記治療が、皮膚エリテマトーデスのためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
016. 前記治療が、ループス腎炎のためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
017. 前記治療が、皮膚筋炎のためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
018. 前記治療が、多発性筋炎のためのものである、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
019. 化合物1が、経口投与される、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
020. 化合物1が、食後状態の患者に経口投与される、前述の実施態様のうちのいずれか1つ記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
021. 医薬として許容し得る担体、及び実施態様001~020のいずれか1つ記載の使用、化合物1の使用、又は方法のために医薬として有効な量の化合物1を含む医薬組成物。
022. 80mg~200mgの化合物1:
Figure 2024524631000004
又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物を含む単位投薬量医薬組成物であって、単位剤形が、1日あたり200mgの化合物1の最大総投薬量までの経口投与に適したものである、前記単位投薬量医薬組成物。
023. 単位剤形中に90mg~200mgの化合物1を含む、実施態様022記載の剤形。
024. 単位剤形中に90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、又は200mgの化合物1を含む、実施態様022又は023記載の剤形。
025. 単位剤形中に150mg~200mgの化合物1を含む、実施態様022又は023記載の剤形。
026. 単位剤形中に150mgの化合物1を含む、実施態様022、023、024、又は025記載の剤形。
027. 前記単位投薬量が、液体、錠剤、カプセル剤、又はゲルキャップから選択される形態にある、実施態様022、023、024、025、又は026のいずれか1つ記載の剤形。
028. 前記単位投薬量が、錠剤又はカプセル剤の形態にある、実施態様022、023、024、025、026、又は027のいずれか1つ記載の剤形。
029. 前記単位投薬量が、錠剤の形態にある、実施態様022、023、024、025、026、027、又は028のいずれか1つ記載の剤形。
030. 炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療における使用のための、実施態様022、023、024、025、026、027、028、又は029のいずれか1つ記載の剤形。
031. 炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療のための医薬品の生産における、実施態様022、023、024、025、026、027、028、又は029のいずれか1つ記載の剤形の使用。
032. 患者に、実施態様022、023、024、025、026、027、028、又は029のいずれか1つ記載の剤形を投与することを含む、炎症性疾患並びに/又はIFNα及び/もしくはインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/もしくはIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、トリソミー21、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患を治療する方法。
(第2の態様による発明の実施態様)
発明の実施態様のさらなる例として、直後に示されるものが挙げられる:
1. その療法を必要とする患者を治療することにおける使用のための、式Iによる本発明の化合物
Figure 2024524631000005
又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物であって、該治療することが、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、又は禁忌とすること、又は中断することを含むことを特徴とする、前記式Iによる本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物。
2. その療法を必要とする患者を治療することのための医薬品の生産における、式Iによる化合物、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物の使用であって、該治療することが、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することを含むことを特徴とする、前記使用。
3. その療法を必要とする患者に対して、式Iによる化合物、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物を用いる治療を実施する方法であって、該患者に、治療的有効量の化合物1を投与すること、並びにCYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、禁忌とすること、又は中断することを含む、前記方法。
4. その療法を必要とする前記患者が、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物での治療を現在受けている、実施態様1記載の使用のための化合物、実施態様2記載の化合物の使用、又は実施態様3記載の方法。
5. 前記使用又は方法が、前記その療法を開始する工程の前に又はそれと同時に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の使用又は治療を中断する工程を含む、実施態様1又は4記載の使用のための化合物、実施態様2又は4記載の化合物の使用、又は実施態様3又は4記載の方法。
6. 前記使用又は方法が、前記それの療法を開始する少なくとも12時間又は少なくとも24時間前に;CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、特に、CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤、及び、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤及び/又は強力なP-gp阻害剤である1種以上の化合物の使用又は治療を中断する工程を含む、実施態様1、4、又は5記載の使用のための化合物、実施態様2、4、又は5記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、又は5記載の方法。
7. 前記使用又は方法が、同じクラスもしくは作用機序であるか又はその各自の療法に適した代替医薬品であることが知られており、かつCYP阻害剤かつ/又はP-gp阻害剤ではない、特に、CYP3A4阻害剤ではなくかつ/又はP-gp阻害剤ではない、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤ではなくかつ/又は強力なP-gp阻害剤ではない医薬品又は1種以上の化合物である医薬品の併用又は共投与をさらに含む、実施態様1、4、5、又は6記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、又は6記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、又は6記載の方法。
8. 前記使用又は方法が、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤である1種以上の化合物での治療を中断すること、及び同じクラスもしくは作用機序であるか又はその各自の療法に適した代替医薬品であることが知られており、かつCYP阻害剤かつ/又はP-gp阻害剤ではない、特に、CYP3A4阻害剤ではなくかつ/又はP-gp阻害剤ではない、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤ではなくかつ/又は強力なP-gp阻害剤ではない医薬品又は1種以上の化合物である医薬品での治療を開始することを含む、実施態様1、4、5、6、又は7記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、又は7記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、又は7記載の方法。
9. その療法を必要とする前記患者が、1種以上の炎症性疾患、IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、又は8記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、又は8、記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、又は8記載の方法。
10. その療法を必要とする前記患者が、全身性エリテマトーデスに罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
11. その療法を必要とする前記患者が、皮膚エリテマトーデスに罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
12. その療法を必要とする前記患者が、ループス腎炎に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
13. その療法を必要とする前記患者が、皮膚筋炎に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
14. その療法を必要とする前記患者が、多発性筋炎に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
15. その療法を必要とする前記患者が、シェーグレン症候群に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
16. その療法を必要とする前記患者が、乾癬に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
17. その療法を必要とする前記患者が、関節リウマチに罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
18. その療法を必要とする前記患者が、乾癬性関節炎に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
19. その療法を必要とする前記患者が、多発性硬化症に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
20. その療法を必要とする前記患者が、トリソミー21に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
21. その療法を必要とする前記患者が、潰瘍性大腸炎に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
22. その療法を必要とする前記患者が、クローン病に罹患している、実施態様1、4、5、6、7、8、又は9記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、又は9記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、又は9記載の方法。
23. シトクロムP450(CYP)阻害剤が、CYP3A4阻害剤であり、かつ以下:アタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、チカグレロル、(S)-オメプラゾール(エソメプラゾール)-高用量、ACT-178882、ACT-539313、アルモレキサント、AMD070、ANS-6637、アパラレノン、ASP8477、アトルバスタチン、AZD2327、アジスロマイシン、ベルベリン、ベロトラルスタット、ビカルタミド、ブロダルマブ、カソピタント、セリチニブ、クロトリマゾール、クランベリー果汁、デュベリシブ、エヌトレクチニブ、エバセトラピド(Evacetrapid)、エベロリムス、ファルダプレビル、フェドラチニブ、フェネブルチニブ、FK1706、ホスタマチニブ、イチョウ(Ginkgo biloba)、グレカプレビル/ピブレンタスビル、ゴールデンシール(ヒドラスチス・カナデンシス(Hydrastis canadensis))、グラゾプレビル(Zepatierの成分)、GSK2248761、イサブコナゾール、ラパチニブ、ラロトレクチニブ、LCL161、レファムリン、レテルモビル、ルマテペロン、ルラシドン、M100240、ミベフラジル、ネツピタント、オベチコール酸、オラパリブ、オシロドロスタット、パルボシクリブ、パゾパニブ、ポサコナゾール、プロピベリン、ラブコナゾール、リボシクリブ、リメゲパント、ロキシスロマイシン、ルカパリブ、サネカズラ(Schisandra sphenanthera)、スクテラリン(ブレビスカピン)、セルペルカチニブ、シメプレビル、スボレキサント、タビモレリン、タクロリムス、テラプレビル、テリフルノミド、トフィソパム、ツカチニブ、ベラパミル、及びボクセロトールから選択される1種以上の医薬品である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、又は22記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、又は22記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、又は22記載の方法。
24. 前記P-gp阻害剤が、以下:アミオダロン、アジスロマイシン、カンナビジオール、カプマチニブ、カルベジロール、クラリスロマイシン、コビシスタット、シクロスポリン、ダクラタスビル、ジオスミン、ドロネダロン、エラゴリクス、エラゴリクス-エストラジオール-ノルエチンドロン、エリグルスタット、エレキサカフトール-テザカフトール-アイバカフトール、エリスロマイシン、フリバンセリン、ホスタマチニブ、グレカプレビル-ピブレンタスビル、ケトコナゾール、イトラコナゾール、アイバカフトール、ケトコナゾール、ラパチニブ、レジパスビル、レボケトコナゾール、ネラチニブ、オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル、オシメルチニブ、プロパフェノン、キニジン、キニーネ、ラノラジン、リトナビル、ロラピタント、ロキシスロマイシン、シメプレビル、タモキシフェン、テリスロマイシン、テポチニブ、テザカフトール-アイバカフトール、チカグレロル、ツカチニブ、ベルパタスビル、ベムラフェニブ、ベラパミル、及びボクロスポリンから選択される1種以上の医薬品である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、又は23記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、又は23記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、又は23記載の方法。
25. 式Iによる化合物、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物が、約80mg~約200mgの1日量で投与される、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24記載の方法。
26. 式Iによる化合物、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物が、約80mg、90mg、100mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mgの1日量で投与される、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25記載の使用のための化合物、実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25記載の化合物1の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25記載の方法。
27. i.式Iによる化合物、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物、及び
ii.CYP阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避又は中断する指示又はその禁忌を含む添付文書、パッケージの表示、説明書、又は他の表示
を含む、パッケージ又はキット。
28. 実施態様1~26の記載の特徴のうちの1つ以上をさらに含む、実施態様27記載のパッケージ又はキット。
29. 前記CYP阻害剤が、CYP3A4阻害剤である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、又は26記載の方法、又は実施態様27、又は28記載のパッケージ又はキット。
30. 前記CYP阻害剤が、強力なCYP3A4阻害剤である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、又は29記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、又は29記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、又は29記載の方法、又は実施態様27、28、又は29記載のパッケージ又はキット。
31. 前記シトクロムP450(CYP)阻害剤が、CYP3A4阻害剤であり、かつアタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、チカグレロル、(S)-オメプラゾール(エソメプラゾール)-高用量、ACT-178882、ACT-539313、アルモレキサント、AMD070、ANS-6637、アパラレノン、ASP8477、アトルバスタチン、AZD2327、アジスロマイシン、ベルベリン、ベロトラルスタット、ビカルタミド、ブロダルマブ、カソピタント、セリチニブ、クロトリマゾール、クランベリー果汁、デュベリシブ、エヌトレクチニブ、エバセトラピド(Evacetrapid)、エベロリムス、ファルダプレビル、フェドラチニブ、フェネブルチニブ、FK1706、ホスタマチニブ、イチョウ(Ginkgo biloba)、グレカプレビル/ピブレンタスビル、ゴールデンシール(ヒドラスチス・カナデンシス(Hydrastis canadensis))、グラゾプレビル(Zepatierの成分)、GSK2248761、イサブコナゾール、ラパチニブ、ラロトレクチニブ、LCL161、レファムリン、レテルモビル、ルマテペロン、ルラシドン、M100240、ミベフラジル、ネツピタント、オベチコール酸、オラパリブ、オシロドロスタット、パルボシクリブ、パゾパニブ、ポサコナゾール、プロピベリン、ラブコナゾール、リボシクリブ、リメゲパント、ロキシスロマイシン、ルカパリブ、サネカズラ(Schisandra sphenanthera)、スクテラリン(ブレビスカピン)、セルペルカチニブ、シメプレビル、スボレキサント、タビモレリン、タクロリムス、テラプレビル、テリフルノミド、トフィソパム、ツカチニブ、ベラパミル、及びボクセロトールから選択される1種以上の医薬品である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、又は30記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、又は30記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、又は30記載の方法、又は実施態様27、28、29、又は30記載のパッケージ又はキット。
32. 前記シトクロムP450阻害剤(CYP)が、CYP3A4阻害剤であり、かつアタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リボシクリブ、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ジルチアゼム、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、トフィソパム、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、クロトリマゾール、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、及びチカグレロルから選択される1種以上の医薬品である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、又は31記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、又は31記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、又は31記載の方法、又は実施態様27、28、29、30、又は31記載のパッケージ又はキット。
33. 前記シトクロムP450(CYP)阻害剤が、強力なCYP3A4阻害剤であり、かつボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、エルビテグラビル、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ポサコナゾール、リボシクリブ、リトナビル、サキナビル、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、セリチニブ、グレープフルーツ果汁、LCL161、ミベフラジル、及びツカチニブから選択される1種以上の医薬品である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、又は32記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、又は32記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、又は32記載の方法、又は実施態様27、28、29、30、31、又は32記載のパッケージ又はキット。
34. 前記P-gp阻害剤が、アミオダロン、アジスロマイシン、カンナビジオール、カプマチニブ、カルベジロール、クラリスロマイシン、コビシスタット、シクロスポリン、ダクラタスビル、ジオスミン、ドロネダロン、エラゴリクス、エラゴリクス-エストラジオール-ノルエチンドロン、エリグルスタット、エレキサカフトール-テザカフトール-アイバカフトール、エリスロマイシン、フリバンセリン、ホスタマチニブ、グレカプレビル-ピブレンタスビル、ケトコナゾール、イトラコナゾール、アイバカフトール、ケトコナゾール、ラパチニブ、レジパスビル、レボケトコナゾール、ネラチニブ、オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル、オシメルチニブ、プロパフェノン、キニジン、キニーネ、ラノラジン、リトナビル、ロラピタント、ロキシスロマイシン、シメプレビル、タモキシフェン、テリスロマイシン、テポチニブ、テザカフトール-アイバカフトール、チカグレロル、ツカチニブ、ベルパタスビル、ベムラフェニブ、ベラパミル、及びボクロスポリンから選択される1種以上の医薬品である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、又は33記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、又は33記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、又は33記載の方法、又は実施態様27、28、29、30、31、32、又は33記載のパッケージ又はキット。
35. 前記P-gp阻害剤が、強力なP-gp阻害剤である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、又は34記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、又は34記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、又は34記載の方法、又は実施態様27、28、29、30、31、32、33、又は34記載のパッケージもしくはキット。
36. 前記強力なP-gp阻害剤が、アミオダロン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、シクロスポリン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、タモキシフェン、及びベラパミルから選択される1種以上の医薬品である、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、34、又は35記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、34、又は35記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、34、又は35記載の方法、又は実施態様27、28、29、30、31、32、33、34、又は35記載のパッケージもしくはキット。
37. 前記CYP3A4阻害剤及び/又はP-gp阻害剤が、複合型CYP3A4/P-gp阻害剤、特に、イトラコナゾールである、実施態様1、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、34、35、又は36記載の使用のための化合物、又は実施態様2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、34、35、又は36記載の化合物の使用、又は実施態様3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、29、30、31、32、33、34、35、又は36記載の方法、又は実施態様27、28、29、30、31、32、33、34、35、又は36記載のパッケージもしくはキット。
(本発明の化合物の合成による調製)
本発明の化合物の調製のための方法は、WO2019/076716に記載されており(本発明の化合物は、WO2019/076716では「化合物38」と呼ばれる)、概要が以下に提供される。
(一般的合成方法)
本発明の化合物は、以下の一般的方法及び手順を用いて容易に入手可能な出発材料から調製することができる。典型的な又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力など)が、与えられている場合、特に断りのない限り、別のプロセス条件も使用し得ることが認識されるであろう。最適な反応条件は、用いられる特定の反応物質や溶媒に応じて変わり得るが、そのような条件は、ルーチンの最適化手順によって当業者が決定することができる。
さらに、当業者にとって明らかであろうように、ある官能基が望ましくない反応を受けることを防ぐために、慣用の保護基が必要となることがある。特定の官能基のための適当な保護基の選択、並びに保護及び脱保護のための適当な条件は、当技術分野において周知である(Greene, T W; Wuts, P G M;の文献、1991)。
以下の方法が、本明細書において上で定義されるような本発明の化合物の調製に関する詳細及び比較例とともに提示される。本発明の化合物は、有機合成の当業者によって公知のもしくは市販の出発材料又は試薬から調製され得る。
特に断りのない限り、試薬は全て商用グレードのものであり、入手したものをさらに精製することなくそのまま使用した。市販の無水溶媒を、不活性雰囲気下で行われる反応に使用した。特に明記されない限り、試薬グレードの溶媒を、他の全ての場合に使用した。カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル60(35~70μm)で行われる。薄層クロマトグラフィーは、あらかじめコーティングされたシリカゲルF-254プレート(厚さ0.25mm)を用いて実施される。1H NMRスペクトルは、Bruker Advance 300 NMR分光計(300MHz)で記録された。1H NMRスペクトルについての化学シフト(δ)は、内部参照としてのテトラメチルシラン(δ0.00)又は適切な残留溶媒ピーク、すなわち、CHCl3(δ 7.27)を基準とする百万分率(ppm)で報告される。多重度は、一重線(s)、二重線(d)、三重線(t)、四重線(q)、五重線(quin)、多重線(m)、及びブロード(br)として与えられる。エレクトロスプレーMSスペクトルは、WatersプラットフォームLC/MS分光計で、又はWaters質量検出器3100分光計に接続したWaters Acquity H-Class UPLCを用いて取得した。用いられたカラムは: Waters Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、2.1mm ID × 50mm L、Waters Acquity UPLC BEH C18 1.7μm、2.1mm ID×30 mm L、又はWaters Xterra MS 5μm C18、100×4.6mmであった。本方法は、MeCN/H2Oグラジエント(0.1% TFA又は0.1% NH3のいずれかを含有するH2O)又はMeOH/H2Oグラジエント(0.05% TFAを含有するH2O)のいずれかを用いる。マイクロ波加熱は、Biotage Initiatorを用いて行われる。
ラセミ混合物は、UV検出を用いるAgilent HP1100システムで分離された。用いられたカラムは:Chiralpak 1A(10×250 mm、5μm)である。用いられた溶媒は:iPrOH及びtBMEである。エナンチオマー純度は、UV検出を用いるAgilent HP1100システムで決定された。用いられたカラムは:Chiralpak IA (4.6×250 mm、5μm)である。用いられた溶媒は: iPrOH及びtBMEである。
(表I. 化学合成実験セクションで用いられる略語のリスト)
Figure 2024524631000006
(中間体の合成)
(中間体1: 7-クロロ-5-ヨード-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン)
Figure 2024524631000007
(工程1: 2,4-ジクロロ-6-ヨード-ピリジン-3-イルアミン)
N2雰囲気下室温の乾燥MeCN(1.2L)中の2,4-ジクロロ-3-アミノピリジン(250g、1.54mmol、1当量)の溶液に、NIS(382g、1.70mmol、1.1当量)及びTFA(35.45mL、0.46mmol、0.3当量)を添加した。混合物を、3L丸底フラスコ中40℃で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を、飽和Na2S2O3(500mL)及びNaHCO3(700mL)でクエンチした。有機層を、飽和NaHCO3で洗浄し、水層を、EtOAcで2回(2×700mL)洗浄した。合わせた有機層を、MgSO4で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮して、粗生成物を得た。これを、シクロヘキサン及びEtOAc(10%)を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を得た。LCMS: m/z = 289 [M+H]。
(工程2: 4-クロロ-6-ヨード-N2-メチル-ピリジン-2,3-ジアミン)
2,4-ジクロロ-6-ヨード-ピリジン-3-アミン(20g、0.07mmol、1当量)を、オートクレーブ(600mL)でn-ブタノール(300mL)に溶解させた。メチルアミン(EtOH中33%、28.72mL、0.28mmol、4当量)を、N2下室温で添加した。混合物を、180℃で18時間撹拌し、次いで、室温まで冷却した。この工程を、2回繰り返し、最後に、反応混合物を全て合わせ、濃縮して、60gの表題化合物を得て、それをそのまま次の工程で用いた。LCMS: m/z = 284 [M+H]。
(工程3: 7-クロロ-5-ヨード-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン)
ギ酸(30mL)中の4-クロロ-6-ヨード-N-2-メチル-ピリジン-2,3-ジアミン(60g、021mmol、1当量)の溶液に、オルトギ酸トリメチル(69.5mL、0.64mmol、3当量)を添加した。混合物を、60℃で1時間撹拌した。反応物を、乾固するまで濃縮し、その後、残渣をDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液でクエンチした。DCMでの抽出後、有機層を、Na2SO4で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮して、粗体物質を得た。これを、EtOAcが10から60%までの溶離液シクロヘキサン/EtOAcを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を得た。LCMS: m/z = 294 [M+H]。
Figure 2024524631000008
(中間体2: 5-(7-クロロ-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イルオキシ)-4-メチル-ピリジン-2-カルボニトリル)
Figure 2024524631000009
中間体1(68.51g、233.83mmol、1.0当量)、中間体21(47.00g、350.75mmol、1.5当量)、CuI(8.89g、46.77mmol、0.2当量)、TMHD(97.45mL、467.66mmol、2当量)、及びCs2CO3(152g、467.66mmol、2当量)を、空気中で合わせて混合し、DMF(234mL)を添加し、混合物を、85℃で2晩撹拌した。完全な転化に到達しなかった場合は、追加のCuI(0.1当量)及びTMHD(1当量)を添加した。その後、混合物をさらに、85℃でもう1晩撹拌した。次に、混合物を、0℃まで冷却した。次いで、得られた濃厚なペーストを濾過し、ケーキを、氷冷したDMF(2×20mL)で洗浄した。次いで、それを、氷冷したMTBE(3×150mL)で洗浄した。ケーキを乾燥した後に、それを、500mLの10% TMEDA水溶液中に懸濁させた。それを2時間撹拌し、濾過し、ケーキを、H2Oで洗浄して、所望の生成物を得た。LCMS: m/z = 300 [M+H]+
(中間体3: 5-(7-アミノ-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イルオキシ)-4-メチル-ピリジン-2-カルボニトリル)
Figure 2024524631000010
N2雰囲気下の中間体2(5.0g、16.72mmol、1.0当量)、ベンゾフェノンイミン(CAS [1013-88-3]、2.81mL、16.72mmol、1.0当量)、Pd2CL2(アリル)2(122mg、0.33mmol、0.02当量)、XantPhos(387mg、0.67mmol、0.04当量)、及びCs2CO3(6.54g、20.07mmol、1.2当量)の混合物に、1,4-ジオキサン(100mL)を添加し、混合物を110℃で24時間撹拌した。それを室温となるまで放冷した後に、混合物を、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。ケーキを、EtOAc(100mL)で洗浄し、濾液を2N HCl水溶液(200mL)に注ぎ、それを10分間撹拌した。EtOAcでの抽出後、水相を、NaHCO3を用いてpH=7となるまで中和した。これに続き、EtOAc(5×100mL)での抽出を行い、その後、合わせた有機層を、MgSO4で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮して、粗体物質を得て、それを、DCMでトリチュレートして、所望の生成物を得た。LCMS: m/z = 281 [M+H]+
(中間体3: 5-(7-アミノ-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イルオキシ)-4-メチル-ピリジン-2-カルボニトリルの別の合成)
Figure 2024524631000011
(工程1)
2,6-ジクロロ-4-アミノ-5-ニトロピリジン(520g、2.5mol、1.0当量)を、室温でアセトニトリル(5.2L)に添加した。この混合物に、撹拌下室温で、Boc2O(710g、3.25mol、1.3当量)及びK3PO4(1000g、4.71mol、1.9当量)を添加した。反応混合物を、リフラックスで1~2時間加熱した。次いで、アセトニトリル(100mL)中のBoc2O(110g、0.5mol、0.2当量)の溶液を添加し、反応混合物を、リフラックスでさらに1時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、Na2SO4のパッドで濾過した。Na2SO4を、アセトニトリル(2L)で洗浄した。濾液を減圧下蒸発させ、DCM(5L)に再溶解させた。DCM層を、水で洗浄した。有機層を、DCM(5L)で抽出し、合わせた有機層を、Na2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて、所望の生成物を得た。LCMS: m/z = 306/308 [M+H]。
(工程2)
2,6-ジクロロ-4 Boc-アミノ-5-ニトロピリジン(770g、2.5mol、1.0当量)を、室温でイソプロパノール(11L)に添加した。この混合物に、撹拌下室温で、EtOH中33%のメチルアミン(800mL、3.0当量)を1時間30分かけて添加した。反応混合物を、室温で1時間30分撹拌した。懸濁液を濾過し、イソプロパノール(1L)で洗浄し、次いで、水(4L)で洗浄した。乾燥後に、所望の生成物を得た。LCMS: m/z = 302.9/304.8 [M+H]。
(工程3)
tert-ブチル N-[6-クロロ-2-(メチルアミノ)-3-ニトロ-4-ピリジル]カルバメート(788g、2.6mol、1.0当量)を、室温でアセトニトリル(5.5L)に添加した。この混合物に、撹拌下室温で、5-ヒドロキシ-4-メチル-ピリジン-2-カルボニトリル(384g、2.86mol 1.1当量)、及びNa2CO3(414g、3.9mol、1.5当量)を添加した。反応混合物を、リフラックスで48時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、不溶物を濾過し、アセトニトリル(2L)で洗浄した。合わせた有機層を蒸発させた。粗体を、水(5L)で洗浄し、集め、乾燥させて、所望の生成物を得た。LCMS: m/z = 401.1 [M+H] ; m/z = 399.2 [M-H]。
Figure 2024524631000012
(工程4)
tert-ブチル N-[6-[(6-シアノ-4-メチル-3-ピリジル)オキシ]-2-(メチルアミノ)-3-ニトロ-4-ピリジル]カルバメート(150g、375mmol、1.0当量)を、室温で、酢酸(750mL、35当量)、及びオルトギ酸トリメチル(750mL、18当量)の混合物に添加した。この混合物に、激しく撹拌しながら20~21℃で、亜鉛末<10μm(120gの総量、4.9当量、15gに分割して添加)を分割添加した。各添加は、反応混合物が20~21℃まで冷却された後に行われた。反応混合物を、最終添加後1時間撹拌した。懸濁液を、デカライト4158(Carlo Erba、ref P8880014)で濾過し、THF(1L)で洗浄し、合わせた有機層を蒸発させた。残渣を、20%アンモニア性溶液(100mL)及び水(2L)の冷却混合物にゆっくり注いだ。得られた固体を濾過し、水(2L)で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物を得た。LCMS: m/z = 381.0 [M+H] ; m/z = 379.2 [M-H]。
Figure 2024524631000013
(工程5)
tert-ブチル N-[6-[(6-シアノ-4-メチル-3-ピリジル)オキシ]-2-(メチルアミノ)-3-ニトロ-4-ピリジル]カルバメート(197g、0.518mol、1.0当量)を、4N塩酸水溶液(1L)及びTHF(1L)の混合物中に懸濁させた。反応混合物を、60℃で5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、固体を濾過し、THF(1L)で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物を塩酸塩として得た。LCMS: m/z = 281.4 [M+H]。
Figure 2024524631000014
(化合物1: 4-メチル-5-[3-メチル-7-(6-モルホリン-4-イル-ピリダジン-3-イルアミノ)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イルオキシ]-ピリジン-2-カルボニトリル)
Figure 2024524631000015
(経路 1)
中間体3(1.0当量、409g、1.459モル)及び4-(6-ブロモピリダジン-3-イル)モルホリン(CAS [66346-91-6]、1.1当量、392g)を、室温でキシレン異性体混合物(8L)に添加した。この混合物に、撹拌下室温で、リン酸カリウム・三塩基酸(3.0当量、929g)を添加した。反応混合物を、室温から135℃まで2時間30分で加熱した。次いで、キシレン(50mL)中のPd(OAc)2(2mol%、6.6g)及びXantphos(4mol%、33.8g)の懸濁液を、高温の混合物に添加した。反応を、リフラックスで1時間30分加熱した。次いで、キシレン(50mL)中のPd(OAc)2(2mol%、6.6g)及びXantphos(4mol%、33.8g)の懸濁液を添加し、反応物を、リフラックスでさらに1時間30分加熱した。次いで、キシレン(50mL)中のPd(OAc)2(2mol%、6.6g)及びXantphos(4mol%、33.8g)の懸濁液を、最後にもう一度添加した。反応物を、さらに1時間30分リフラックスさせた。反応混合物を室温まで冷却し、1晩撹拌した。懸濁液を濾過し、アセトニトリル(5L)で洗浄した。固体を、中性のpHが得られるまで水(15L)で洗浄し、吸引下乾燥させ、次いで、アセトニトリル(6.5L)に懸濁させ、室温で1時間撹拌した。懸濁液を濾過し、アセトニトリル(2L)で洗浄し、乾燥させた。溶離液CHCl3/アセトン(70/30)、次いで、CHCl3/MeOH(96/4)を用いるSiO2(粗体1gに対してSiO21g)でのクロマトグラフィーを行って、所望の生成物(化合物1)を得た。
(経路2)
中間体3(280mg、1mmol、1.0当量)、4-(6-ブロモピリダジン-3-イル)モルホリン(268mg、1.1mmol、1.1当量)、及びCsCO3(977mg、3mmol、3当量)を、アルゴン下室温で混合し、脱気したtert-アミルアルコール又はDMF(5mL)を添加する。[Pd(シンナミル)Cl]2(5.18mg、0.010mmol、0.01当量)及びJosiPhos(CAS[1702311-34-9])(13mg、0.024mmol、0.024当量)を、アルゴン下で、固体として又は1mLの脱気したtert-アミルアルコール又はDMF中の予混合溶液としてのいずれかで添加する。混合物を、100℃に少なくとも2時間加熱する。
次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトニトリルを添加する。懸濁液を濾過し、固体を、始めは水で、次いで、アセトニトリルでトリチュレートし、乾燥させて、所望の生成物(化合物1)を得る。
(生物学的実施例)
本発明の化合物の調製のための方法及び特定の生物学的実施例が、WO2019/076716に記載されている(本発明の化合物は、WO2019/076716では「化合物38」と呼ばれる)。
これと共に、シトクロムP450(CYP)及びP-gp基質としての化合物1を調査する追加の生物学的実施例及びデータが提供される。
(実施例1. ヒト肝臓ミクロソームにおける化合物1のインビトロ安定性試験)
(1.1. 試験の目的)
本インビトロ試験の目的は、ヒト肝臓ミクロソーム(HLM)における及びヒト組換え型シトクロムP450(CYP)酵素における化合物1の安定性を決定することであった。CYP3A4を唯一のCYP代謝酵素として確認後、動態パラメーターKm(最大半量の反応率に到達する基質の濃度)、及びVmax(最高の反応率)パラメーターを、組換え酵素を用いて決定した。
(1.2. 材料及び方法)
化合物1を、37℃で3種の濃度(0.1、0.5、及び1μM)で0.5及び2mg/mLのHLM(NADPHを伴う)と共に最長で45分間インキュベートして、特定の化学阻害剤の存在下でのさらなる調査を正当化するのに十分な代謝が観察されたかどうかを決定した。
また、化合物1の代謝に関与する有望な酵素を特定し、さらなる酵素動態調査のための条件を決定するために、化合物1(0.1μM)を、ヒト組換え型CYP酵素(1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、及び3A4)、並びにNADPHと37℃で最長で45分間インキュベートした。
それに続き、各濃度での減少速度定数を決定し、従って、Km及びVmax値を算出するために、化合物1を、37℃で三連でNADPHとともに11種の基質濃度(0.08~200μM)のヒトCYP3A4組換え酵素とインキュベートした。
化合物1の安定性を、LC-MS/MS分析法を用いる試料中の化合物1の濃度の定量によって評価した。
(1.3. 試験の結果)
化合物1は、HLM中で、最大で8.72μL/分/mgタンパク質の固有クリアランスとなる低い代謝を示した。
組換えCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、及びCYP2D6とのインキュベーション後に、測定可能な化合物1の代謝は、観察されなかった。CYP3A4とのインキュベーション後に、化合物1の代謝が観察された。
基質枯渇アプローチを用いてCYP3A4組換え酵素の存在下で、化合物1のKmは、4.19±0.414μMであり、算出されたVmaxは、1.78pmol/分/pmol P450(577pmol/分/mgミクロソームタンパク質)であった。
結論として、化合物1は、ヒトCYP3A4アイソフォームのインビトロ基質である。
(実施例2. P-gp基質としての化合物1のインビトロ安定性試験)
(2.1. 試験の目的)
これらのインビトロ試験の目的は、化合物1が、ヒトABC(排出)ランスポーターMDR1(P-gp)の有望な基質であったか否かを報告すること、及び、次いで、ヒトMDR1トランスポーターとの化合物1の動態パラメーターKm及びVmaxパラメーターを決定することであった。
(2.2. 材料及び方法)
化合物1を、3種の濃度(0.625、2.00、及び6.25μM;三連)で双方向透過性アッセイ(単層基質アッセイ)においてMadin-Darbyイヌ腎臓多剤耐性1(MDCKII-MDR1)トランスフェクト細胞と0、60、及び120分間インキュベートして、能動輸送(頂端側から基底外側へ[A-B]及び基底外側から頂端側[B-A]への方向)が存在するか否かを決定した。能動輸送が確認されたため、化合物1(2μM;三連)を、強力なMDR1阻害剤(10μMバルスポダル(valspodar))の存在下でMDCKII-MDR1細胞と120分間インキュベートして、MDR1トランスポーターの特異性を確認した。
Km及びVmax値を決定するために、それに続き、化合物1を、8種の濃度(0.50~6.0μM)で三連で、MDCKII-MDR1細胞と15、30、60、及び120分間インキュベートして、一方向透過性B-Aを試験した。
化合物1の双方向輸送を、LC-MS/MS分析法を用いる試料中の化合物1の定量によって決定した。
(2.3. 試験の結果)
化合物1は、A-B方向でよりもB-A方向でより高い透過性を示し、これは、MDCKII-MDR1細胞においてこの化合物の能動輸送が存在したことを示している。6.25μMでの化合物1の最高回収値(>60%)を考慮すると、観察された正味の排出率(正味ER)は、60分のインキュベーション後に34.6であった。追跡アッセイにおいて、正味ERは、バルスポダルの存在下で37.1から0.5まで低下し、MDCKII-MDR1単層の反対側への化合物1の輸送に対するMDR1の寄与が確認された。
一方向透過性B-Aでは、正味ERは、以前の結果と一致していた。動態パラメーターKmは、15.06μMであり、Vmaxは、8.79pmol/分であった。
結論として、化合物1は、ヒトMDR1 ABC排出トランスポーターのインビトロ基質である。
(臨床実施例)
(表II. 本明細書でこれまでに使用された及びこれから使用される略語のリスト)
Figure 2024524631000016
Figure 2024524631000017
Figure 2024524631000018
(実施例1. ファースト・イン・ヒューマン臨床試験)
本実施例の試験は、健康な成人男性対象における化合物1の単回及び反復漸増経口投与の安全性、認容性、及び薬物動態を評価するためのファースト・イン・ヒューマン(FIH)無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。
本試験の主要目的は、プラセボと比較して、健康な成人男性対象における化合物1の単回及び反復漸増経口投与の安全性及び認容性を評価することであった。
(1.1. 試験評価項目)
主要評価項目は:
・健康な成人男性対象において、治療下で発現した有害事象(TEAE)、治療下で発現した重篤有害事象(SAE)、及び治療の中止に繋がるTEAEの頻度及び重症度を評価することであった。
副次的な評価項目は、以下のものであった:
・健康な成人男性対象の血漿中での化合物1のPKパラメーター:Cmax、AUC、t1/2
他の評価項目は、以下のものであった:
・健康な成人男性対象における、食後及び空腹状態での懸濁剤としての化合物1の単回経口投与後のCmax及びAUC。
・、健康な成人男性対象における、食後状態での懸濁剤として及びカプセル剤としての化合物1の単回経口投与後のCmax及びAUC。
・健康な成人男性対象における、食後及び空腹状態でのカプセル剤としての化合物1の単回経口投与後のCmax及びAUC。
・フローサイトメトリーによって測定される、全血細胞のエクスビボサイトカイン刺激後のリン酸化シグナル伝達兼転写活性化因子(pSTAT)の阻害。
・全血での遺伝子発現、ネオプテリン及びβ2-ミクログロブリンの血清中レベル、インビボでのIFN-α曝露後の心拍数及び体温。
・化合物1の投与の前及び後の内因性バイオマーカーの比率。
(1.2. 対象の人数)
最大60名の対象が、登録されるよう計画された;すなわち、パート1(SAD)に16名の対象、パート2(MAD)に24名の対象、パート3(FE)に8名の対象、及びパート4(rBA/FE)に12名の対象である。合計で、52名の対象が、この試験に登録された。
(1.3. 選択基準)
適格となるためには、対象は、以下の基準を満たした:
・ICFへの署名の日に18歳~55歳(両端を含める)の男性。
・18~30kg/m2(両端を含める)のボディ・マス・インデックス(BMI)。
・スクリーニング時及び無作為化前に入手可能な病歴、理学的検査、バイタルサイン、12誘導ECG、及び空腹時臨床試験安全性検査の結果に基づき治験責任医師によって良好な健康状態にあると判断されている。ヘモグロビン、好中球、リンパ球、及び血小板数が、正常下限範囲を超えていることを必要とした。ビリルビン、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)は、正常範囲内であることを必要とした。他の臨床試験安全性検査結果は、参照範囲内であることを必要としたか、又は参照範囲外であった試験結果は、治験責任医師の意見によって臨床的に重要ではないとみなされている必要があった。
主要除外基準:
以下の基準のうちの1つ以上を満たす対象は、この試験に選択されなかった:
・治験責任医師によって決定される被験薬(IP)成分に対する既知の過敏症又はIP成分に対する著しいアレルギー性反応の既往。
・IFN-α又はIntron-A(登録商標)のいずれかの成分に対する既知の禁忌症又は過敏症(注:本基準は、MADパートの対象にのみ適用可能であった)。
・B型肝炎ウイルス表面抗原又はC型肝炎ウイルス(HCV)の血清検査陽性、又はIPの初回投薬の少なくとも3か月前に回復した肝炎Aを除く任意の原因の肝炎の既往。
(1.4. 試験設計/方法)
これは、4つのパートからなるファースト・イン・ヒューマン試験であった。
パート1(単回漸増投与[SAD])は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照であり、合計で16名の対象となる各コホート(コホートA及びB)8名の対象の2つの交互のコホートに6種の連続する用量レベルを含んでいた。空腹状態(用量レベル1~4)又は食後状態(用量レベル5及び6)の対象は、最高で3回の化合物1又はプラセボの単回投与を受ける。パート1の各対象は、約9週間(スクリーニング来院から追跡[FU]来院まで)この試験に参加した。
パート2(反復漸増投与[MAD])は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照であり、合計で24名の対象となる各コホート(コホートC、D、及びE)8名の対象の3種の連続するコホートを含んでいた。食後状態の対象は、化合物1又はプラセボを1日1回(q.d.)13日間受けた。第11日に、対象は、化合物1/プラセボ投与後30分以内にインターフェロン(IFN)-α曝露(すなわち、腹部における100万IUのIntron A(登録商標)の単回の皮下注射)を受けた。パート2の各対象は、約7週間(スクリーニング来院からFU来院)この試験に参加した。
懸濁剤に対するパート3(食事の影響[FE])は、行われなかった。
パート4(相対的バイオアベイラビリティ[rBA]/FE)は、無作為化、非盲検の、クロスオーバー設計の12名の対象の1つのコホート(コホートI)からなっていた。食後状態の対象は、経口懸濁剤として1回及び経口での使用のためのカプセル剤として1回化合物1を与えられた。加えて、経口カプセル剤として投与される化合物1の曝露を、空腹条件下で評価した。パート4の各対象は、約6週間(スクリーニング来院からFU来院)この試験に参加した。
パート1及び2において、対象は、化合物1又はプラセボに3:1の比率で無作為化された。パート4において、対象は、6つの治療手順のうちの1つに1:1:1:1:1:1の比率で無作為化された。
安全性評価を、試験の全期間にわたり行った。これは、有害事象(AE)の評価、臨床検査安全性パラメーター、バイタルサイン、理学的検査、及び12誘導心電図(ECG)を含んでいた。
血液(全てのパート)及び尿(パート1及び2のみ)試料を、血漿及び尿中の化合物1の決定のために採取し、選択されたPKパラメーターを評価した。
(1.5. 被験製品、対照製品、用量、投与様式)
化合物1を、経口懸濁剤として(パート1、2、及び4)又は経口での使用のためのカプセル剤として(パート4のみ)提供した。経口懸濁剤は、投与前に、臨床センターの薬剤師によって、アモルファス固体分散粉末を経口での使用のためのビヒクル中に分散させることによって調製された。
開始用量は、10mgの化合物1に設定された。次の用量レベルは、試験の間の新たな安全性/認容性及びPKデータに基づいて規定された。実際に投与される用量レベルを、以下に示す:
・パート1(SAD):コホートA試験期間1では10mg(空腹時)、コホートB試験期間1では30mg(空腹時)、コホートA試験期間2(空腹時)及び3(食後)では90mg、コホートB試験期間2(空腹時)及び3(食後)では200mg。
・パート2(MAD)(食後):コホートCでは1日1回30mg、コホートDでは1日1回90mg、コホートEでは1日1回150mg。
・パート4(rBA/FE):コホートI(懸濁剤[食後]及びカプセル剤[食後及び空腹時])では150mg。
プラセボは、パート1及び2の対照製品であり、経口懸濁剤として提供された。
(1.6. 治療の期間)
パート1において、対象は、各試験期間の第1日に化合物1又はプラセボの単回投与を受け、14日間の休薬期間が設けられた。パート2において、対象は、第1日から第13日まで1日1回化合物1又はプラセボを受けた。パート4において、対象は、3つの治療期間の間化合物1の単回投与を受け、4日の休薬期間が設けられた。
(1.7. 安全性評価項目)
AEは、医薬品規制用語集(the Medical Dictionary for Regulatory Activities)バージョン23.0に従ってコード化された。TEAEの分析を行った。臨床検査評価、バイタルサイン、及び12誘導ECGについては、記述統計を用いて、予定された時点及び処置群ごとに実際の値及びベースラインからの変化をまとめた。正常範囲によるベースラインからのシフトの表を、最悪のケース及び治療下で発現した最悪のケースについて処置群ごとに提供した。ベースライン後の理学的検査の異常を、リストで示した。MADパート(パート2)における第11日のIFN-α投与時点での安全性評価は、分けて分析された。
(1.8. 薬物動態学的評価)
記述統計を、血漿濃度、尿量(適用可能であれば)について及び列挙されたPKパラメーターに関して、処置群別に(パート1-SAD)並びに処置群及び日別に(パート2-MAD)計算した。化合物1の平均(±標準偏差)血漿濃度対時間を、処置群ごとに(パート1-SAD)並びに処置群及び日ごとに(パート2-MAD)プロットした。
パート1において、化合物1の用量比例性を、パワーモデル法を用いて検定した。混合効果モデルを、化合物1のlog変換PKパラメーター(Cmax及びAUC0-∞を含む)に適用した。Cmaxの出現時間(tmax)に対する用量効果を、ノンパラメトリッククラスカル・ウォリス検定を用いて評価した。
パート2において、化合物1の用量比例性を、パワーモデル法を用いて検定した。混合効果モデルを、化合物1のlog変換PKパラメーター(Cmax及びAUC0-τを含む)に適用した。tmaxに対する用量効果を、ノンパラメトリッククラスカル・ウォリス検定を用いて評価した。定常状態に到達するまでの時間を、化合物1のトラフ血漿濃度の目視での確認によって評価した。
(1.9. 薬物動態学的測定)
血漿中の化合物1の決定のための血液試料を、来院時に採取した。パート1では、血漿中のコプロポルフィリンI及びIIIの決定のための血液試料を、来院時に採取した。パート2では、血漿中の4-β-OH-コレステロール及びコレステロール決定のための血液試料を、来院時の化合物1/プラセボ投与前に採取した。血液試料は全て、静脈穿刺(又は留置カニューレ)によって、好ましくは、前腕において採取された。
尿中の化合物1の決定のための試料を、パート1及び2において来院時に採取した。パート1の尿試料は、チアミンの決定のためにも使用された。尿試料は、時間間隔(投薬に関連するもの)別に採取された(必要とされる場合、尿生成と採取との間のより正確な関係を得るために、対象に、自身の膀胱を空にする(void)/空にする(empty)よう依頼することができた)。
尿中の化合物1の決定を、最高用量を投与されたMADコホート対象由来の試料に対して行った。本コホートの尿中に未変化のまま排出された用量の百分率に基づいて、MADパートの他のコホート及びSADパート由来の尿試料中の化合物1の定量を行わないことが決定された。
(1.10. 薬物動態学的結果)
SADパートにおいて、対象は、化合物1の単回投与を空腹状態(10、30、90、もしくは200mg)又は食後状態(90もしくは200mg)で受けた。パート1(SAD)についての化合物1の主要PKパラメーターの相加平均(%での変動係数[CV])を、以下の表Iにまとめた。化合物1の単回投薬は、空腹状態において用量に比例する曝露の増加を示し、90mgまでは食品の影響は見られなかった。より高い曝露が、食後状態下で達成され、曝露は200mgまで線形増加した。
Figure 2024524631000019
(表I)
空腹又は食後状態(標準的な朝食後)での10mg~200mgの単回経口投与後、化合物1は、1回目のサンプリング時点、すなわち、投与後0.5時間から全ての対象の血漿中で定量可能であった。それに続き、平均血漿濃度が、急速に増加し、投与の全てにわたって投与後1~4時間の範囲の時点で最大に到達した。用量レベルは全て、急速な初期分配/排出相及びそれに続く僅かに遅い終末排出相を有する二相性の平均血漿濃度の低下を示した。
最低用量群(10mgの化合物1)では、化合物1血漿レベルは、6名の対象のうちの3名について最終サンプリング時点(すなわち、72時間)まで、定量可能であり続けた。他の処置群全てにおいて、化合物1の血漿レベルは、30-mg及び90-mg(食後及び空腹時)化合物1群の1名の対象を除いて(図1及び2)、最終サンプリング時点(すなわち72時間)まで定量可能なままであった。
空腹状態での健康な成人男性対象での単回経口投与後に、化合物1は、迅速に吸収され、中央値tmaxは、1.5~2時間の範囲であった。食後状態での投与後に、中央値tmaxは、2~3時間の範囲であった(表II)。
化合物1の平均t1/2は、全ての用量レベルにわたって類似しており、9.53~12.3時間(表II)の範囲であった。
Figure 2024524631000020
(表II)
MADパートにおいて、食後状態で1日1回の化合物1(30、90、又は150mg)の反復投与を13日間受けた対象においてPKを評価した。パート2(MAD)についての化合物1の主要PKパラメーターの相加平均(CV%)を、以下の表にまとめる。定常状態での用量比例性からの顕著な逸脱はなかった。
Figure 2024524631000021
(表III)
食後状態(標準的な朝食後)での1日1回30、90、又は150mgの反復経口投与後に、全ての対象について、化合物1血漿濃度は、第1日の1回目のサンプリング時点(投与後0.5時間)から定量可能であり、最終サンプリング時点(すなわち、第16日、最終投薬の72時間後)まで定量可能であり続けた。
第1日での単回投与又は第10日での反復投与後に、平均血漿濃度は、3時間~4時間の範囲の時点で最高に到達した(図3及び図4)。
単回投与後の結果と一致して、全ての用量レベルは、急速な初期分配/排出相及びそれに続くそれより遅い終末排出相(図3及び図4)を有する二相性の平均血漿化合物1濃度の低下を示した。
化合物1は、食後状態下での1日1回30、90、及び150mgの単回及び反復投薬後に、中央値tmaxが2~3.5時間の範囲で急速に吸収され、投薬の全体にわたり同様のままであった(表IV)。
最終投薬日(第13日)での平均t1/2は、13.2~14.5時間の範囲となって、3つの用量レベル全てについて類似であり、単回投与後の結果から顕著に逸脱することはなかった(表IV)。
1.32、1.33、及び1.46という第10日の定常状態レベル(Rac)までの中程度の平均蓄積度が、1日1回30、90、及び150mgの用量レベルについてそれぞれ観察された。この観察事項は、推定されたt1/2と整合性があり、顕著な時間依存的効果がないことを示唆している(表IV)。
Figure 2024524631000022
(表IV)
化合物1曝露(Cmax及びAUC0-∞)は、食後状態下でのカプセル剤又は懸濁剤としての単回化合物1の経口投与後に同様であった(表V)。
Figure 2024524631000023
(表V)
Cmax(85.92; 115.19)について及びAUC0-∞(83.65; 110.06)についての最小二乗幾何平均の比の90%CIが、80%~125%の生物学的同等性範囲内に全て入っており、これは、統計学的に確認された(表VI)。
Figure 2024524631000024
(表VI)
懸濁剤と同様に、化合物1のカプセル剤を食後状態下で投与した場合に、空腹状態と比較してそれぞれ約1.7~1.8倍高いAUC0-∞及びCmaxで、より高い曝露が観察された。
中央値tmaxは、食後状態における懸濁剤(4時間)及びカプセル剤(3.5時間)としての化合物1の投与後は同程度であった一方で、空腹状態におけるカプセル剤(2.5時間)としての化合物1の投与後は僅かに低かった。
平均t1/2は、13.6~14.9時間の範囲であり、全ての処置群において同様に保たれた。
(1.11. 薬力学的測定)
パート1及び2において、バイオマーカーの評価のための血液試料を、静脈穿刺(又は留置カニューレ)によって、好ましくは、前腕で、来院時に採取した。PD試料は、PK試料の後に採取することとなっていた。
PK/PD評価を可能にするために、PD試料を、PKサンプリングと同時のいくつかの時点で採取した。
化合物1の選択性及び効力を、全血細胞のサイトカイン刺激によって、STAT(JAKの直接の標的)のリン酸化のレベルを測定することによってエクスビボで評価した。以下のアッセイ:
・IL-6誘発性pSTAT1(JAK1阻害測定)
・GM-CSF誘発性pSTAT5(JAK2阻害測定)
・IFN-α誘発性pSTAT1(JAK1/TYK2阻害測定)
・IL-12誘発性pSTAT4(JAK2/TYK2阻害測定)
を、フローサイトメトリー(蛍光標識細胞分取[FACS])を用いて行った。
同じアッセイを、MADパートの間の第1日、第10日、及び第16日に実行して、SADパートの間に収集されたデータを確認した。第10日のアッセイは、定常状態でのIPの効力及び選択性のレベルを提供した。
個々のIC50値を、SADパート(試験期間1のみ)及びMADパートで第-1日に行われたIL-6誘発性pSTAT1、GM-CSF誘発性pSTAT5、IFN-α誘発性pSTAT1、及びIL-12誘発性pSTAT4の阻害を測定することによりインビトロでhWBAにおいて決定した。
インビボでのIFN-α負荷(MADパートの第11日)を、IFN-α誘発性バイオマーカー(ネオプテリン、β2-ミクログロブリン、体温、及び心拍数)の測定によって評価した。加えて、遺伝子発現分析を、PAXgeneチューブ試料に対して行って、IFN-α遺伝子シグネチャーに対する化合物1の影響を評価した。選択された関連性のある遺伝子のパネルに関する遺伝子発現分析データが、関連性のある当該IFN-α遺伝子シグネチャーに対する化合物1の影響を示す場合には、RNAシークエンシング試験での全ゲノムトランスクリプトーム分析を、同じ試料に対して行った。
(1.12. pSTAT分析のためのFACS分析)
(採血)
・3mLの血液試料を、リチウムヘパリンバキュチューブ(Lithium Heparin vacutube)(BD Vacutainerヘパリンチューブ、参照366667)内に採取した。
・試料を、チューブを3~4回上下反転させることによってよく混合した。
・次いで、試料を、揺動装置上に30分室温で置いて、平衡化させた。
(血液トリガリング)
・10μLのIL-6を2mL丸底エッペンドルフ様チューブ内に2連で分配した(ポリプロピレン)。
・190μLの血液を各反応チューブ内に添加し、該チューブをロックした。
・オービタルシェーカー上で穏やかな攪拌下で+37℃で20分間(IL-12の場合は60分間)インキュベートした。
(フローサイトメトリー分析用の試料調製)
・インキュベーション期間後に、試料ごとに、P200 Gilsonピペットを用いて200μLをピペッティングすることによって、200μLのインキュベートした血液を、蓋のある1本の5mL丸底チューブ(フローサイトメトリーに適合性のもの、ポリスチレン)内に移した
・チューブ1本あたり4mLの予め温めた1×Lyse/Fixバッファーを添加した
・チューブを水浴中+37℃で10分間インキュベートした
・細胞を、室温で、500×gで8分間の遠心分離によってペレット化した
・チューブを上下反転させることによって上清を廃棄した(約100μLが、残るであろう)
・残りの体積を迅速にボルテックスして、ペレットを再懸濁させた
・ペレットを4mLのPBS中に再懸濁させ、2mLをAのラベルを付けた蓋のある丸底チューブ1つに移し、残りが入っているチューブに、Bのラベルを付けた(チューブのラベルを参照)
・チューブを500×gで8分間室温で再度遠心分離した
・チューブを上下反転させ、上清を、清潔なペーパータオルに吸い取らせることによって上清を完全に廃棄した
・ボルテックス上での穏やかな攪拌下で、各チューブに1mLの氷冷Perm Buffer IIIを1滴ずつ添加した
・チューブを完全にロックし(キャップの第2の位置)、それを直ちに(5分以内に)発送まで約-20℃で凍結した
フローサイトメトリー分析
・分析の当日に、メタノール中の細胞を、室温で500×gで8分間の遠心分離によってペレット化し、チューブを上下反転させることによって、上清を除去した。2mLのPBS+3% BSAバッファーを、各サンプルチューブに添加し、短時間ボルテックスした。細胞を、室温で500×gで8分間の遠心分離によってペレット化し、チューブを上下反転させることによって上清を除去した(約100μLが残った)。細胞を、96ウェルプレート(BD Falcon、カタログNo357711)に移し、種々の細胞型に対する種々のpSTAT及びCDの染色のために適切な体積を、各ウェルに添加した:
-パネル1(IFNα又はIL-6のトリガー群):20μLのCD4 APC、5μLのpSTAT1 PE
-パネル2(GM-CSFのトリガー群):5μLのCD33 APC、20μLのpSTAT5 PE
-パネル3(IL-12のトリガー群):20μLのCD335 PE、20μLのpSTAT4 AF647
-パネル4(IL-2のトリガー群):5μLのCD4 V450、20μLのpSTAT5 PE
・染色後に、試料を短時間ボルテックスし、室温で暗所で少なくとも1時間インキュベートした。インキュベーションの終了時に、150μLのPBSを各ウェルに添加することによって、試料をPBSで洗浄し、室温で500×gで8分間の遠心分離によってペレット化し、プレートから上清を振り落とすことによって除去した。洗浄工程を、各ウェルへの230μLのPBSの添加によって繰り返し、プレートを室温で500×gで8分間遠心分離し、プレートから振り落とすことによって上清を除去した。最終の洗浄工程後、240μLのPBSを、各ウェルに添加し、ピペッティングすることによって再懸濁させた。各ウェルから懸濁液の半分である120μLを、技術的2連として(technical duplicate)新たなプレートに移した。120μLのPBSを、各プレートの各ウェルに添加し、試料を、ピペッティングすることによって再懸濁させた。分析の実行を開始する前に、染色が適切に行われることを確認するために及び必要であれば各検出器のPMT電圧を調節するために、異なる患者由来の未トリガリング及びトリガリング対照を用いて、該電圧をチェックした。一方のプレートは、Attune NxTサイトメーターでの分析に直ちに用いた。他方のプレートは、分析の終わりまで4℃で保管し、必要であれば、同日に分析されるものとした。
・同じ分析方法が、全ての試料の分析に使用されたものの、異なる細胞型の分析には、別々の分析の実行が用いられた。細胞型にかかわらず、各分析の実行には、患者試料及びブランク試料を含めた。
・各実行は、以下からなるものであった:
-8名の患者由来の64~80個の被験試料(患者1名あたり8~10個の試料)。各試料に、各コホートの対象ごとにDummy ID(Fidelta d.o.o.によって提供されるもの、2つの文字及び1つの数字を含む)、及びアリコート名(SGSによって提供されるもの、5つの文字、又は4つの文字及び1つの数字を含む)を記載した。
-コホートA1、B1、A2、B2、A3、及びB3の場合、同じ患者由来の8つの試料の後に、ブランク試料(DPBSのみ)を1つ配置して、異なる患者の間の洗い流し(washout)として使用した。これらのサンプルを、_Eとしてマークした。
-コホートC1、D1、及びE1の場合、同じ患者由来の7番目及び9番目の試料の後(第-1日と第2日の試料の間)又は7番目及び10番目の試料の後(第10日と第16日の試料の間)に、2つのブランク試料(DPBSのみ)を配置し、同じ患者由来の未刺激試料と刺激試料の間及び異なる患者の間の洗い流しとして使用した。これらのサンプルを、_Eとしてマークした。
・ゲーティング戦略
-フローサイトメトリーデータ解析は、基本的には、ゲーティングの原理に基づく。ゲート及び領域が、通常、前方散乱、側方散乱、及びマーカー発現である共通の特徴を有する細胞の集団の周囲に配置されて、対象となるこれらの集団が調査され定量化される。
-分析された細胞型ごとに、類似のゲーティング戦略が実施された。
第1のゲートは、ダブレット除去のために実施され(単一細胞と名付けた)、それに続き、P1及びP2と名付けられた2パラメーター密度プロットである2つのゲートを実施した。これらのプロットは、2つの測定パラメーターをx軸上に1つ及びy軸上に1つ示し、イベントを密度プロットとして示す。
-P1ゲートは、それぞれ、細胞のサイズ及び粒度の推定を可能とする前方(FSC)及び側方(SSC)散乱に基づくものであった。
-P2ゲートは、SSC及び対象となる細胞集団を染色するのに用いられた抗体に基づくものであった。各抗体は、異なる細胞集団(CD4 APCは、CD4 Tリンパ球、CD33は、単球、及びCD335は、ナチュラルキラー細胞)に対して特異的なものであった。
-単一パラメーターヒストグラムを、P3ゲートを設定するために使用した。通常、正及び負のデータセットとして解釈することができる2つのピークが存在する。対象となるStatタンパク質の高いバックグラウンドリン酸化が、検出されない場合を除き、又はトリガー対照が、適切に刺激されていないのではなければ、非トリガリング対照を、1%未満陽性細胞にゲートをかけるP3ゲートを設定するために使用した。このゲートを、同じトリガー群における同じ患者由来の8つの試料のそれぞれにドラッグ及びドロップした。
(トリガー調製)
・IFNα調製
1. IFN-α及びPBS+0,1%BSAアリコートを氷上で解凍した。解凍されたら、IFN-α希釈物(10倍希釈)を氷上で調製する
2. 180μLの氷冷PBS+0.1% BSAを前記ストック溶液(チューブ1本あたり20μLのIFN-α)に添加することにより作業溶液を調製した
3. 上下に2~3回ピペッティングすることによって混合した
4. 氷上に保ち、それを希釈後1時間以内に使用する
・IL-2調製
1. IL-2及びPBS+0,1% BSAアリコートを氷上で解凍した
2. 180μLの氷冷-PBS+0.1% BSAをストック溶液(チューブ1本あたり20μLのIL-2)に添加することにより作業溶液を調製した
3. 上下に2~3回ピペッティングすることによって混合した
4. 氷上に保ち、それを希釈後1時間以内に使用する
・IL-6調製
1. 1アリコートのPBS+0.1% BSA及び1のIL-6を氷上で解凍した
2. 180μLの氷冷-PBS+0.1% BSAをストック溶液(チューブ1本あたり20μLのIL-6)に添加することにより作業溶液を調製した
3. 上下に2~3回ピペッティングすることによって混合する
4. 氷上に保ち、それを希釈後1時間以内に使用する
・IL-12調製
1. IL-12及びPBS+0,1% BSAアリコートを氷上で解凍した
2. 180μLの氷冷-PBS+0.1% BSAをストック溶液(チューブ1本あたり20μLのIL-12)に添加することにより作業溶液を調製した
3. 上下に2~3回ピペッティングすることによって混合した
4. 氷上に保ち、それを希釈後1時間以内に使用する
・GM-CSF調製
1. GM-CSF及びPBS+0,1% BSAアリコートを氷上で解凍した
2. 995μLの氷冷-PBS+0.1% BSAをストック溶液(チューブ1本あたり5μLのGMCSF)に添加することにより作業溶液を調製した
3. 上下に2~3回ピペッティングすることによって混合した
4. 氷上に保ち、それを希釈後1時間以内に使用する
材料
Figure 2024524631000025
(表VI)
(1.13. IFN-α インビボ負荷)
(パート1)
IFN-α誘発性バイオマーカー(ネオプテリン、β-2-ミクログロブリン)を、インビボでIFN-α-アルファ負荷後に測定した。
(採血)
・IFN-αの注射及び化合物1の投与後に、ネオプテリン及びβ2ミクログロブリンタンパク質を、IFN-α負荷の5日後に採取された血清中で定量した。
・3mLの血液を、血清チューブ(3mL血清チューブ、Clot Activator、13×75mm、Vacuette Ref 454474又は代替物: Ref 454095)中に採取した。プロトコールのイベント表のスケジュールにより、PK及びPD試料が同じ時点で採取される場合には、PD試料は、常に、PK試料の後に採取される。
(血清調製)
・血清チューブへの採取後に、直立させて室温で30~45分間(60分以内)インキュベートして、凝固させる。凝固活性化剤チューブを用いている場合は、慎重に5~6回上下反転させて、インキュベーション前に凝固活性化剤と血液を混合する。
・冷却遠心機(4℃)内で製造業者が推奨する速度(通常1000~2000RCF)で15分間遠心分離する。遠心機を停止させるためにブレーキを用いてはならない。
・血清を濁度について検査する。濁りのある試料は、再度遠心分離及び吸引して、残りの不溶物を除去すべきである。
・上清(血清)を慎重に吸引し、500μLの血清(チューブ1本あたり500μL)を、2本の別個の清潔なポリプロピレンチューブ(1.5mLポリプロピレンマイクロチューブ(Clear、天然色のスクリューキャップ付き、目盛り付き、縁どりあり、滅菌)カタログ番号:211-0099 (VWR)))に移し、残りを、2本の追加のチューブ(バックアップ)に分けた。操作の間、試料は、2~8℃で又は湿った氷上で維持されるべきである。-36℃~-20℃で保管する(太陽光を直接当てない)。
(ネオプテリン測定)
・IBL Internationalによって提供されるネオプテリンELISAは、ヒト血清、血漿、及び尿中のネオプテリンを定量することを可能とするインビトロ診断用(IVD)競合ELISAである。
・試験内試料分析(in-study sample analysis)を、製造業者の技術マニュアルに従って行った。
・各アッセイプレートは、以下:
-キットと共に提供される5つの非ゼロキャリブレーター(CAL B~F:そのまま使用可能),
-キットと共に提供される1つのゼロキャリブレーター(CAL A:そのまま使用可能)、
-キットと共に提供される2つの品質管理(そのまま使用可能)、
-キットの説明書に従い希釈されずに(ニートで)試験される最大40個の臨床試料
からなるものであった。
・これらの標準試料、QC、及び臨床試料は全て、2連で試験された。
(β2-マクログロブリン測定)
・Biomerieuxによって提供されるVIDAS(登録商標)β2ミクログロブリンアッセイは、ヒト血清又は血漿中のβ2ミクログロブリンを定量することを可能とするインビトロ診断用アッセイである。
・製造業者の技術マニュアルに従い、試験内試料分析を行った。
・試験の初めにキャリブレーションを2連で行い、14日間有効とした。同様に、弱陽性対照(C1)及び強陽性対照(C2)の2つの対照を、キャリブレーションステップ内で試験した。
(材料)
Figure 2024524631000026
(表VII)
(パート2: IFN-α負荷後のインビボでの遺伝子発現(mRNA分析))
(採血)
・血液を、製造業者の説明書に従い、静脈穿刺によってPaxgene Blood RNAチューブに直接採取し、RNAseq分析のためにGenewiz Europe (Bahnhofstraβe 86, 04158 Leipzig, Germany)に送付した。
(トランスクリプトーム分析/RNAシークエンシングデータ処理及び解析)
・8名の対象(2名のプラセボ及び6名の活性処理)の3つのコホートの全血全RNAを、標準的な抽出キットを用いて得た。RNA完全性数(RIN)値を評価し、全ての試料を、分析した。グロビン除去後にオリゴ(dT)ビーズを用いて、mRNAを全RNAから得て、それを用いて、二重鎖cDNA断片を作製した。cDNAは、ペアエンド修復を受けて、オーバーハングが平滑末端に変換された。3′-モノアデニル化及びアダプターライゲーション後に、cDNAを精製した。次に、cDNAを、ライゲーションしたアダプターに対して特異的なプライマーを用いるPCRにより増幅した。作製したライブラリーを、Illumina-HiSeqでの配列決定の前に、品質管理に提出した。
・遺伝子発現レベルを、デフォルトのパラメーターでKallistoバージョン0.46.0のシュードアラインメント法を用いて定量した(Nicolas L Bray, Harold Pimentel, Pall Melsted及びLior Pachterの文献、「最適に近い確率的RNA-seq定量(Near-optimal probabilistic RNA-seq quantification)」、 Nature Biotechnology 34, 525-527 (2016), doi:10.1038/nbt.3519)。
・アンサンブルヒト遺伝子アノテーションバージョン100(GRCh38)を、遺伝子定量のための参照として選択した。発現差異分析を、DESeq2バージョン1.30.0を用いて行った。(Love MI, Huber W, Anders Sの文献、「DESeq2を用いるRNA-seqデータの倍率変化及び分散のモデレート推定(Moderated estimation of fold change and dispersion for RNA-seq data with DESeq2)」、 Genome Biology, 15, 550 (2014), doi: 10.1186/s13059-014-0550-8)。
・手短にいうと、DESeq2のモデルに含まれる遺伝子ごとに、log2倍率変化(FC)を計算し、Wald検定統計を、P値及び調整済みP値を用いて評価した。この試験において、本発明者らは、|log2FC|>1かつ調整済みP値<0.05であった場合に、遺伝子を示差的に発現されている(DE)ものとみなした。図画での視覚化のために、本発明者らは、少なくともオン条件で示差的に発現されていた遺伝子を選択した。ヒートマップは、各条件ごとの調整済発現値(遺伝子別にzスコアに調整した平均規格化リードカウント)を示す。RパッケージComplexHeatmapバージョン2.8.0(Zuguang G, Roland Eils R, Schlesner Mの文献、「アフィリエーションコラプス複雑なヒートマップが、多次元ゲノムデータにおけるパターン及び相関を明らかとする(Affiliations collapse Complex heatmaps reveal patterns and correlations in multidimensional genomic data)」, 15;32(18):2847-9. Bioinformatics, (2016), doi: 10.1093/bioinformatics/btw313)を用いて、図6に示されるヒートマップを作製した。
(1.14. 結論)
10~200mgの化合物1又はプラセボの単回漸増経口投与及び1日1回の30~150mgの化合物1又はプラセボの反復漸増経口投与の実施は、健康な男性成人において安全であるかつ良好な忍容性が示されるであると考えられた。
健康な男性成人における経口懸濁剤としての化合物1の単回投薬後に、用量に比例する曝露の増加が、空腹状態において観察され、90mgまで食品の影響は見られなかった。より高い用量で空腹状態では、吸収は飽和したものの、より高い曝露が、食後状態下で達成され、200mgまで曝露の線形増加がみられた。
食後状態下での1日1回150mgまでの化合物1の反復投薬後に、用量比例性からの顕著な逸脱は見られなかった。化合物1は、中央値tmaxが、投薬の全期間にわたり2~3.5時間の範囲で迅速に吸収され、投与の全てにわたって平均t1/2が13.2~14.5時間の範囲となる二相性の低下を示した。
化合物1は、化合物1の単回投与後及び定常状態でIFN-α経路に対する強力な阻害作用を示した。用いられた最高用量レベルで投与後24時間の間にpSTAT1の完全な阻害に繋がる用量-反応が観察された。
150mg QDでの化合物1の投薬は、IFNα誘発性STAT1及びSTAT3リン酸化を完全に阻害したが、IL-2及びGM-CSF誘発性STAT5リン酸化には影響を与えなかった。
(実施例2. 薬物・薬物相互作用臨床試験)
本実施例の試験は、健康な対象において、CYP3A4の高感度指標基質であるミダゾラム(MDZ)の単回投与のPKに対する、有望なシトクロムP450(CYP) 3A4阻害剤である化合物1 150mg 1日1回(q.d.)の反復経口投与の作用を評価する非盲検固定順序薬物・薬物相互作用試験であった。
(2.1. 試験評価項目)
主要評価項目は:
・血漿中のMDZのPKパラメーター:時間ゼロから無限時間までの血漿濃度時間曲線下面積(AUC0-∞)、及び確認された最高血漿濃度(Cmax)
であった。
副次的な評価項目は:
・血漿中の化合物1のPKパラメーター:Cmax、投薬間隔にわたる血漿濃度時間曲線下面積(AUCτ)、及び投薬間隔の最後に確認されたトラフ血漿濃度(Cτ)
・治療下で発現した有害事象(TEAE)、治療下で発現した重篤有害事象(SAE)、及び治療の中止に繋がるTEAEの頻度及び重症度
であった。
(2.2. 試験介入)
これは、健康な対象における、シトクロムP450 3A4の高感度指標基質であるMDZの単回投与のPKに対する、化合物1 1日1回(q.d.)の作用を評価する非盲検固定順序試験であった。
(2.3. 選択基準)
適格となるためには、対象は、以下の基準を満たした:
・同意説明文書への署名の日に18歳~55歳の年齢(両端を含める)の男性又は女性
・女性対象は、永久に外科的に不妊である(両側卵巣摘出、すなわち、卵巣の外科的な除去、両側卵管摘除、すなわち、卵管の外科的な除去、もしくは子宮摘出、すなわち、子宮の外科的な除去)、又は別の医学的な原因がなく12か月以上無月経でありかつ閉経後の範囲にある卵胞刺激ホルモンレベルを有するとして定義される、妊娠の可能性がない者であるべきである。また、これらの女性対象は、妊娠試験陰性でなければならない。外科的な不妊の場合は、文書での確認が要求されるものとする。
・18.0~30.0kg/m2(両端を含める)のボディ・マス・インデックス
・スクリーニング時及び登録前に入手可能な病歴、理学的検査、バイタルサイン、12誘導心電図(ECG)、及び空腹時臨床試験安全性検査の結果に基づき治験責任医師によって良好な健康状態にあると判断されている。好中球、リンパ球、及び血小板数は、正常下限範囲を超えていなければならない。総ビリルビン、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、及びアラニンアミノトランスフェラーゼは、正常範囲内でなければならない。他の臨床試験安全性検査結果は、参照範囲内でなければならないか、又は参照範囲外であった試験結果は、治験責任医師の意見によって臨床的に重要ではないとみなされている必要がある。
(主要除外基準)
以下の基準:
・治験責任医師によって決定される、被験薬(IP)及び/又はMDZ成分に対する既知の過敏症、又はIP及び/又はMDZ成分に対する著しいアレルギー性反応の既往
・初回投薬前の過去2週間又は薬物の5半減期のいずれか長い方の期間内の、不定期のパラセタモール(2g/日の最大用量及び10g/2週の最大)を除く任意の薬物(処方箋なしで買える薬物及び/又は処方薬、栄養補助食品、機能性食品、ビタミン、及び/又はハーブサプリメント、並びに閉経後対象に対するホルモン補充療法を含む)での治療
のうちの1つ以上を満たす対象は、この試験に選択されなかった。
(2.4. 試験設計/方法)
これは、健康な対象における、シトクロムP450 3A4の高感度指標基質であるMDZの単回投与のPKに対する化合物1 1日1回(q.d.)の作用を評価する非盲検固定順序試験であった。
合計で14名の対象が、登録され、試験を完了した。
スクリーニング期間は、第-21日から第-2日までであった。
第1日及び第7日に、2mg/mL MDZを含有する市販の液体製剤としての2mg MDZの単回投与を、食後状態下で経口的に実施した。
第3日から第8日まで、75mgの2カプセルとして150mgの化合物1 1日1回を、食後状態下で経口投与した。
追跡来院は、最後の治験薬投与の14±3日後に行った。
(2.5. 薬物動態学的評価)
MDZのPKに対する化合物1の作用を、log変換(自然対数)MDZパラメーターに関して、処置日を固定効果とし対象を変量効果とする混合効果モデルによって評価した。試験処置としての化合物1対参照処置としてのMDZのlog変換PKパラメーター単独と組み合わせたMDZのlog変換PKパラメーターの点推定値を、百分率として表される幾何平均比(GMR)として算出した。化合物1とMDZとの間の可能性のある相互作用を評価するために、GMRの90%信頼区間(CI)を、計算した。
(2.6. 薬物動態学的結果)
インビトロ試験は、化合物1が、CYP3A4の有望な時間依存的阻害剤であったことを示した。従って、化合物1がインビボでCYP3A4介在性薬物・薬物相互作用を引き起こす可能性を、CYP3A4の高感度指標基質であるMDZを用いて評価した。150mg 1日1回で投与された化合物1は、Cmaxについて約1.10倍及びAUC0-∞について1.21倍というMDZ曝露のわずかな増加をもたらした。このことは、化合物1が、臨床的に意義のあるCYP3A4の阻害を引き起こさなかったことを示し、インビトロで認められた時間依存的な阻害は、確認されなかった。
MDZの主要PKパラメーターの相加平均(変動係数[CV%])及びGMR(90%CI)を、以下の表に示す。
Figure 2024524631000027
(表VIII)
全体として、150mg 1日1回での化合物1曝露は、単独で投与された又はMDZ 2mgの単回投与と共投与された場合同程度であった。薬物・薬物相互作用の評価の時点、すなわち、第7日には、定常状態に到達していたようである。
(2.7. 薬力学的結果)
(2.7.1. IFN-α、IL6、及びIL2 pSTAT経路に対する化合物1の作用)
化合物1 150mg 1日1回の反復投与及びIFN-α、IL6、又はIL2での全血細胞のエクスビボ刺激後に、pSTATタンパク質を、CD4+ T細胞内で測定した。経時的なIFN-α、IL6、及びIL2 pSTAT経路についての実際の値(平均百分率陽性細胞)の動態を、第6日に目視により検査した。不適当に刺激された可能性のある第1日の投与前値を除いた場合、化合物1によるIFN-α/pSTAT1、IFN-α/pSTAT3、及びIL6/pSTAT1経路の阻害が、第6日の投与前に観察され、その一方で、IL6/pSTAT3及びIL2/pSTAT5経路に関しては、第1日及び第6日の値は、同様であった。
PDデータの目視での確認及びPK/PD相関プロットは、第6日に化合物1によるIFN-α/pSTAT1、IFN-α/pSTAT3、及びIL6/pSTAT1経路の濃度依存性の阻害を示した。IL6/pSTAT3及びIL2/pSTAT5 JAK1依存性の経路に関しては、阻害も濃度依存性の作用も明らかではなく、これらの経路の化合物1に対する低い感受性を示していた。
(2.7.2. 非刺激状態でのSTAT1/5発現)
非刺激状態におけるSTAT1及びSTAT5に関する実際の値(百分率陽性細胞)を、経時的な変化について目視により検査した。化合物1での4日間の処置後、第6日に、STAT1又はSTAT5を発現するCD4+ T細胞の百分率に明らかな違いは観察されなかった。
(2.8. 結論)
150mg 1日1回で投与された化合物1は、Cmaxについて約1.10倍及びAUC0-∞について1.21倍というMDZ曝露のわずかな増加をもたらした。このことは、化合物1が、CYP3A4の臨床的に意義のある阻害を引き起こさなかったことを示している。
150mg 1日1回での化合物1曝露は、単独で投与された又はMDZ 2mgの単回投与と共投与された場合で同程度であった。
MDZ 2mgを伴い又は伴わずに実施された化合物1 150mg 1日1回の反復経口投与は、良好な忍容性が示された。
(実施例3. 薬物・薬物相互作用臨床試験)
(3.1. 試験の名称)
本実施例の試験は、健康な成人対象において化合物1の単回投与薬物動態に対するイトラコナゾールの反復投与の作用を評価する非無作為化固定順序非盲検薬物・薬物相互作用試験である。
(3.2. 試験の目的)
本試験の主要目的は、化合物1のPKに対するイトラコナゾールの作用を評価することである。
本試験の副次的目的は、単独で又はイトラコナゾールと組み合わせて投与された場合に化合物1の安全性及び認容性を評価すること、及びイトラコナゾールのPKを評価してCYP3A4及びP-gp阻害に関連性のある曝露を確認することである。
(3.3. 試験評価項目)
主要評価項目は、化合物1のCmax及びAUC0-∞である。
副次的な評価項目は:
・単独で又はイトラコナゾールと組み合わせて投与される場合の化合物1の安全性及び認容性:TEAE、治療下で発現したSAE、及び治療の中止に繋がるTEAEの発生率及び重症度によって評価される安全性及び認容性;
・CYP3A4及びP-gpに関連性のある曝露を確認するイトラコナゾールのPKパラメーターの作用:イトラコナゾールのCmax ss、AUCτ、及びCτ
である。
(3.4. 試験設計)
これは、化合物1のPKに対する強力なCYP3A4阻害剤であるイトラコナゾール及び強力なP-gp阻害剤の影響を評価する、14名の健康な成人男性及び女性対象の1つのコホートを含む非盲検単一固定順序試験である。
試験は、3つの異なる期間:
・スクリーニング期間:第-21日~第-1日
・非盲検試験期間:第1日~第11日(以下の期間:
i. 非盲検試験期間1:第1日~第4日
ii. 非盲検試験期間2:第5日~第11日
を含む)
・追跡期間:化合物1又はイトラコナゾールの最後の投与後14(±3)日
に分割される。
(3.4.1. 試験設計-非盲検試験期間1:第1日~第4日)
第1日に、対象は、25mgの化合物1の単回経口投与を受け、72時間のPK採血期間がそれに続く。
(3.4.2. 試験設計-非盲検試験期間2:第5日~第11日)
対象は、溶液(10mg/mL)として200mgイトラコナゾールの経口1日1回投与を受ける。
第8日に、対象は、イトラコナゾールと共投与される25mgの化合物1の単回経口投与を受け、96時間のPK採血期間がそれに続く。
治験薬が、第1日(化合物1単独)及び第8日(化合物1+イトラコナゾール)に空腹条件下で投与される。
対象は、第11日に、必要とされる評価が全て行われたことを条件として臨床センターから退院する。各対象は、約7週間(スクリーニング来院から追跡来院まで)試験に参加する。追跡来院は、最後の治験薬投与から14±3日後に実施される。
(3.4.3. 製剤化合物1)
化合物1が、経口投与用25mgカプセル剤として提供される。
(3.4.4. 製剤イトラコナゾール)
イトラコナゾールは、10mg/mL経口溶液(Sponaroxとして市販)として投与される。溶液の組成:Sponarox経口溶液は、1ミリリットルあたり、10mgのイトラコナゾール、並びにヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ソルビトール、プロピレングリコール、塩酸、香料、サッカリンナトリウム、水酸化ナトリウム、及び精製水を含有する。
(3.4.5. 投薬実施-非盲検試験期間1:第1日~第4日)
対象は、嚥下する前に化合物1をかまないように、及び治験薬を全体として嚥下するように指示される。
第1日に、対象は、少なくとも10時間の1晩絶食後の午前中に240mLの水と一緒に25mgの化合物1の単回経口投与を受け、投与後4時間まで絶食し続ける。
第1日~第4日には、投薬時の水の摂取を除き、投与実施の1時間前から液体摂取(水を含む)は禁止される。投薬後1時間から、液体摂取は、自由に許される。別の日はすべて、液体制限は適用されない。対象は、試験の全期間にわたり1日あたり少なくとも1リットルの液体を飲むように推奨される。
(3.4.6. 投薬実施-非盲検試験期間2:第5日~第11日)
対象は、嚥下する前に化合物1をかまないように、及び治験薬を全体として嚥下するように指導される。
第5日から第11日に、対象は、経口溶液(10mg/mL)としてイトラコナゾールの200mg 1日1回の投与を受ける。
第8日には、投与実施の1時間前から液体摂取(水を含む)が禁止される。その後、少なくとも10時間の1晩絶食後の午前中に、25mgの化合物1の単回経口投与が、イトラコナゾールと共投与され、対象は、投与後4時間まで絶食のままでいる。
第5日~第7日及び第9日~第10日には、イトラコナゾール投薬の30分前に軽食が提供され、朝食は、イトラコナゾール摂取の1時間後に提供される。
投与の実施は全て、治験責任医師によって又は治験責任医師によって指名される臨床センターの一員によって行われる。
化合物1の投薬日(第1日及び第8日)には、投与実施の1時間前から投与実施後1時間まで、投与実施に伴う240mLの水の摂取を除き液体摂取が禁止される。液体摂取は、投薬の1時間後から自由に許される。対象は、24時間あたり少なくとも1リットルの液体摂取を維持するように助言される。液体摂取制限は、他の日には適用されない。
(3.5. 選択基準)
適格となるためには、対象は、以下の選択基準の全てを満たさなければならない:
・ICFへの署名の日に18歳~55歳(両端を含める)の年齢の男性又は女性対象。
・18~30kg/m2(両端を含める)のBMI。
・病歴、理学的検査、バイタルサイン、12誘導心電図(ECG)、及び空腹時臨床試験安全性検査の結果に基づき治験責任医師によって良好な健康状態にあると判断されている。好中球、リンパ球、及び血小板数は、正常下限範囲を超えていなければならない。総ビリルビン、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)は、正常範囲内でなければならない。他の臨床試験安全性検査結果は、正常範囲内でなければならないか、又は正常範囲外である試験結果は、治験責任医師の意見によって臨床的に重要ではないとみなされている必要がある。
・対象は、事前の薬物療法に対する制限に従うことができそれを自発的に行わなければならない:不定期のパラセタモール(最大用量2g/日及び10g/2週の最大)を除く全ての薬物療法(OTC及び/又は処方薬、栄養補助食品、機能性食品、ビタミン及び/又はハーブサプリメント[例えば、セントジョーンズワート]、WOCBPの場合の経口ホルモン避妊薬、及び閉経後対象の場合のホルモン補充療法を含む)が、化合物1投与の初回投与の少なくとも2週間前又は薬物の5半減期前のいずれか長い期間及び試験の全期間にわたり中止されるべきである。
・薬物(アンフェタミン、バルビツレート類、ベンゾジアゼピン、***、コカイン、オピエート、メサドン、三環系抗うつ剤)、及びアルコールについてのスクリーニング陰性。
・CSP要件に従うことができそれを自発的に行い、かつ任意のスクリーニング評価の前にIEC/IRBによって承認されたICFに署名する。
・女性対象は、永久に外科的に不妊である(両側卵巣摘出、すなわち、卵巣の外科的な除去、両側卵管摘除、又は子宮摘出、すなわち、子宮の外科的な除去)、又は別の医学的な原因がなく12か月以上無月経でありかつ閉経後の範囲にある卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルを有するとして定義される、妊娠の可能性がない者であるべきである。
外科的な不妊の場合は、文書での確認が要求されるものとする。
女性対象
○HMAの臨床試験促進グループ(HMA’s Clinical Trial Facilitation Group)の推奨事項に合わせて、女性対象は、以下の基準のうちの1つを満たす場合に、妊娠の可能性がないものとみなされる:
○別の医学的な原因がなく12か月以上無月経である。ホルモン避妊薬又はホルモン補充療法を使用していない女性においては、閉経後の範囲にある高いFSHレベルを用いて、閉経後状態を確認してもよい。しかしながら、12か月間無月経でないのであれば、単回のFSH測定では不十分である。
○永久に外科的に不妊である(両側卵巣摘出、すなわち、卵巣の外科的な除去、両側卵管摘除、又は子宮摘出、すなわち、子宮の外科的な除去)。
○他の女性対象は全て、WOCBPであるとみなされ、化合物1の初回投与の前、臨床試験の間、及び化合物1の最終投与の後少なくとも35日間は、以下の高い有効性の受胎調節の方法のうちの1つを用いなければならない:
■子宮内避妊具(非ホルモン性)。
■両側卵管閉塞術。
■試験処置に関連する全リスク期間の間異性間の***を控えることとして定義される性的禁欲。性的禁欲の信頼性が、臨床試験の期間及び好ましい通常の対象の生活習慣との関連で評価される必要がある。
○女性対象が、本試験において以下の避妊方法のうちのいずれかを用いることは許されない:
■***の阻害に関連する混合(エストロゲン及びプロゲステロン含有)(経口、腟内、経皮)ホルモン避妊薬。
■***の阻害に関連するプロゲステロンのみでのホルモン性の(経口、注射、埋め込み型)避妊。
■子宮内ホルモン放出システム。
■周期的な禁欲(例えば、カレンダー法、症状体温法、***後法)、臨床試験の期間にわたる禁欲の宣言、抜去、殺***剤単独、及び授乳性無月経法。
○ホルモン性避妊薬は、薬物・薬物相互作用評価との干渉の可能性があるために許可されない。
○WOCBPが、精管切除したパートナーを有する場合には、該パートナーが、該WOCBP臨床試験参加者の唯一の性的パートナーであること、及び該精管切除したパートナーが、外科的な成功の医学的な評価を受けていることを条件として、該WOCBPは、追加の避妊の形態を用いることを要求されない。
○これらの制限の範囲内で、採用される特定の避妊の形態は、対象、治験責任医師、及び/又は対象の主治医の裁量に委ねられる。
○授乳の間の化合物1の安全性は、不明である。授乳中の女性が、本臨床試験に参加することは許可されない。
男性対象
○妊娠可能な女性パートナーがいる精管切除していない男性対象は、その女性パートナーに、以下の避妊の形態:
■子宮内避妊具
■子宮内ホルモン放出システム
■***の阻害に関連する混合(エストロゲン及びプロゲステロン含有)ホルモン避妊薬(経口、腟内、経皮)
■***の阻害に関連するプロゲステロンのみでのホルモン避妊薬(経口、注射用、埋め込み型)
のうちの1つを用いてもらうことに加えて、IPの初回投与時から、臨床試験の間、及びFUまでコンドームを自発的に用いなければならない。
○異性間の***を控えることとして定義される性的禁欲は、それが、好ましい通常の対象の生活習慣である場合にのみ、高い有効性の避妊対策とみなされる。性的禁欲の信頼性が、臨床試験の期間との関連で評価される必要がある。
○周期的な禁欲(例えば、カレンダー法、症状体温法、***後法)、臨床試験の期間にわたる禁欲の宣言、抜去、殺***剤単独、及び授乳性無月経法は、許容し得る避妊の方法ではない。
○男性対象の女性パートナーが、スクリーニングの1年超前に行われた文書で証明される外科的不妊手術を受けている場合には、該対象は、追加の避妊の形態を用いることを要求されない。
○妊娠可能な女性パートナーがいる精管切除した男性対象は、外科的不妊手術が、成功していること(文書で証明される***分析による無***症)を条件として、追加の避妊の形態を用いることを要求されない。
○化合物1の初回投与から、臨床試験の間、FUまでの、***提供は、許可されない。
(3.6. 除外基準)
(主要除外基準)
以下の基準のうちの1つ以上を満たす対象は、本試験に登録することができない:
・治験責任医師によって決定される任意の薬物に対する重篤なアレルギー性反応(例えば、入院を必要とするアナフィラキシー)の既往並びに/又は治験責任医師によって決定される化合物1及び/もしくはイトラコナゾールもしくは他の抗真菌薬もしくは他の賦形剤に対する既知の感受性。
・B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)もしくはC型肝炎ウイルス(HCV)の血清検査陽性、又は初回投薬の少なくとも3か月前に回復したA型肝炎を除く任意の原因の肝炎の既往。
・リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によって検出されるSARS-CoV-2感染検査陽性の対象、又は初回投薬前の2週間の間にSARS CoV 2に感染した個人と接触している対象。スクリーニング又はベースライン時に検知されるSARS-CoV-2感染症の何らかの兆候又は症状(例えば、咳、発熱、頭痛、疲労、呼吸困難、筋肉痛、嗅覚脱失、味覚異常、食欲不振、咽喉痛など)(BMJ、2020a;BMJ、2020b)を呈する対象は、迅速抗原検査(及び抗原試験が陰性の場合には確認的なRT-PCR試験)を受けるべきであり、陽性の場合には除外されるべきである。任意の他の現地で適用可能な標準的な診断基準も、SARS-CoV-2感染を診断するのに適用され得る。
・免疫抑制状態(例えば、HIV感染)の既往又は現在免疫抑制状態(例えば、HIV感染)である。
・投薬前の3か月間に、本試験への参加に臨床的に重要であると治験責任医師によって判断される任意の病気に罹患していること。
・薬物の吸収、分配、代謝、又は***と干渉することが知られている胃腸、肝臓、腎臓(CKD-EPIの式を用いて推算される糸球体濾過量[eGFR]<90mL/分/1.73m2)、又は他の状態の存在又は続発症
・切除され治癒的に治療された皮膚の非転移性基底細胞癌もしくは扁平上皮細胞癌又は再発のリスクが極めて低い治癒したとみなされる子宮頸部の上皮内癌を除くスクリーニングの前の過去5年以内の悪性腫瘍の既往。
・調律又は伝導のいずれかの12誘導ECGで検知される臨床的に重要な異常、例えば、既知のQT延長症候群又は12誘導ECGで検知されるQTcF>450msの既往又は存在。第1度房室ブロックは、著しい異常とはみなされないものとする。
・選択基準、セクション1.5に記載した避妊法に自発的に従わない男性対象。
・試験の間、妊娠中又は授乳中であるか、又は妊娠中又は授乳中となるつもりである女性対象。
・スクリーニングの前12週間以内の著しい失血(献血[>450mL]を含む)、又は任意の血液製剤の輸血。
・投薬前の過去3か月間の主要臓器毒性の可能性があることが知られている任意の薬物での治療。
・初回投薬前の過去2週間又は薬物の5半減期のいずれか長い期間内の、不定期のパラセタモール(2g/日の最大用量及び10g/2週の最高)を除く任意の薬物(処方箋なしで買える[OTC]薬物及び/又は処方薬、栄養補助食品、機能性食品、ビタミン及び/又はハーブサプリメント、及びホルモン補充療法を含む)での治療
・投薬前の2年以内の活性薬物乱用又はアルコール乱用(14ユニットを超える定期的な週間摂取量として定義されるアルコール乱用(ここで、1ユニット=25mLの蒸留酒、125mLのワイン、250mLのビール又はラガーである)。
・現役の喫煙者及び/又は投薬前の過去6か月以内にニコチン又はニコチン含有製品を使用している。
・大量のカフェイン含有コーヒー、茶(1日あたり>6杯)、又は同等物の規則的な消費。
・薬物、薬物/装置、又は生物学的な調査研究試験への同時参加又は初回投薬の前の12週間又は被験薬の5半減期のいずれか長い方の期間以内の参加。
・治験責任医師の意見によって、対象が、試験を完了する見込みをなくし得る又は試験を完了することをできなくし得るか、又は試験の手順及び要件に従う見込みをなくし得るもしくは試験の手順及び要件に従うことをできなくし得る任意の状態又は状況。
(3.7. 薬物動態学的評価)
(3.7.1. 血漿中の化合物1の決定のための血液試料)
試料を、K2EDTAが入ったチューブ内に静脈穿刺(又は留置カニューレ)によって、好ましくは、前腕において採取し、直ちに冷却する(氷浴)。検査室マニュアルに記載されているように、採血後30分以内に、血漿を冷却遠心機で4℃で10分間およそ1500g’で分離させ、チューブ内に移す。血漿試料を、生化学分析検査室への発送まで臨床センターで≦-65℃で保管する。
(3.7.2. 血漿中のイトラコナゾールの決定のための血液試料)
血液試料を、K2EDTAが入ったチューブ内に静脈穿刺(又は留置カニューレ)によって、好ましくは、前腕において採取し、直ちに冷却する(氷浴)。検査室マニュアルに記載されているように、採血後30分以内に、血漿を冷却遠心機で4℃で10分間およそ1500g’で分離させ、チューブ内に移す。血漿試料を、生化学分析検査室への発送まで臨床センターで≦-20℃で保管する。
適切な場合には、以下のパラメーターが、化合物1及びイトラコナゾールに関して、血漿中での個々の濃度・時間プロファイルを用いるノンコンパートメント解析によって決定される:
化合物1(第1日及び第8日):
・Cmax
・tmax
・AUC0-t
・AUC0-∞
・t1/2,λ,z
・λz
・CL/F
・Vd/F
イトラコナゾール(第8日):
・Cτ
・Cmax ss
・tmax
・AUCτ
(3.8. 薬物動態学的解析及び薬物相互作用の評価)
全ての薬物動態学的解析を、利用可能かつ評価可能なデータを有する対象に関して行う(例えば、PK分析に対して影響を持ち得る全てのプロトコール逸脱又はAEを除く)。
記述統計が、血漿濃度についての処置及び列挙されたPKパラメーター別に計算される。
化合物1及びイトラコナゾールの平均±SD血漿濃度対時間が、処置ごとにプロットされる。
ベースラインは、化合物1の初回摂取前の最後の利用可能な評価と定義される。
化合物1のPKに対するイトラコナゾールの作用を、log変換化合物1 PKパラメーターCmax及びAUC0-∞に関して、処置日を固定効果とし対象を変量効果とする混合効果モデルによって評価する。点推定値を、試験/参照処置についての各パラメーターの個々の比の幾何平均として算出し、百分率として表す。点推定の90%CIを、分散分析の平均二乗誤差を用いて算出する。点推定値及び90%CIを、試験処置としての第8日(化合物1+イトラコナゾール)対参照処置としての第1日(化合物1単独)を用いて算出する。
(3.9. 試験結果)
本臨床試験の結果が、表VIIIaに示される:化合物1は、3120のAUC0-tをもたらし、化合物1のイトラコナゾールとの同時使用は、5750のAUC0-tをもたらし、これは、AUC0-tの1.8倍の増加に相当する。
(表VIIIa: 臨床結果)
Figure 2024524631000028
(実施例4. 第1b相臨床試験)
本実施例の試験は、中等症~重症の尋常性乾癬の対象において化合物1の安全性、認容性、及び有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。
本試験の主要目的は、中等症から重症の尋常性乾癬の対象においてプラセボと比較して化合物1の安全性及び認容性を評価すること、及び中等症から重症の尋常性乾癬の対象においてプラセボと比較して化合物1の臨床的有効性の兆候を評価することであった。
(4.1. 試験評価項目)
主要評価項目は:
・中等症から重症の尋常性乾癬の対象における治療下で発現した有害事象(TEAE)、治療下で発現した重篤有害事象(SAE)、及び治療の中止に繋がるTEAEの頻度及び重症度
・第4週時点でのベースラインからの乾癬範囲・重症度指数(Psoriasis Area and Severity Index; PASI)の%変化
であった。
副次的な評価項目は:
・観察された化合物1の血漿トラフ濃度(Ctrough)
・処置群間及び時点間の選択された血清/血漿タンパク質(例えば、インターロイキン17[IL-17])レベルのベースラインからの変化
であった。
他の評価項目は:
・探索的有効性
-第1、2、6、及び8週時点でのベースラインからのPASI %変化
-第1、2、4、6、及び8週時点でのベースラインと比較して少なくとも50%/75%/90%/100%のPASIスコアの減少
-第1、2、4、6、及び8週時点での罹患体表面積(BSA)のベースラインからの変化
-第4週及び第8週時点での医師による乾癬の静的総合評価(static Physician’s Global Assessment of psoriasis; sPGA)(3要素+合計)のベースラインからの変化
-第4週及び第8週時点でのベースラインからの皮膚科生活の質インデックス(Dermatology Quality of Life Index; DLQI)の変化(PRO質問表、10問)
・探索的薬力学
-処置群間及び時点間のRNA発現レベルのベースラインからの変化
-エクスビボ負荷後の血液中のRNA発現及び/又はタンパク質レベルのベースラインからの変化
であった。
(4.2. 試験治療介入)
これは、中等症から重症の尋常性乾癬の対象において化合物1の安全性、認容性、及び有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。
(4.3. 選択基準)
適格となるために、対象は、以下の基準を満たした:
・対象は、同意説明文書(ICF)への署名の日に18歳~64歳(両端を含める)の年齢の男性又は女性でなければならない。
・対象は、(スクリーニングの少なくとも6か月前に)中等症から重症の強度の尋常性乾癬と診断されていなければならない。対象の尋常性乾癬は、スクリーニング来院の前の1か月間に再燃なしかつスクリーニング来院とベースライン来院との間に重症度の変化なしとして定義される安定なものでなければならない。
・スクリーニング及びベースライン(第1日、投与前)時に、PASI≧12(中等症~重症)であり、かつ斑型乾癬(plaque-type psoriasis)が、総体表面積(BSA)の少なくとも10%を覆っている。
・スクリーニング時に、医師総合評価(PGA)スコアが3(「中等症」)又は4(「重症」)。
・対象は、治験責任皮膚科医によって、尋常性乾癬の全身性の療法の候補者であるとみなされなければならない(未処置であるか又は以前に全身性の治療を受けたことがあるかのいずれか)。
(主要除外基準)
以下の基準のうちの1つ以上を満たす対象は、この試験に選択されなかった:
・対象が、治験責任医師によって決定されるIP成分に対する既知の過敏症又はIP成分に対する著しいアレルギー性反応の既往を有する。
・滴状乾癬、乾癬性紅皮症、剥脱性乾癬、逆乾癬、膿疱性乾癬、掌蹠乾癬、感染性乾癬、又は潰瘍性乾癬などの、尋常性型以外の乾癬又は複雑な乾癬の対象。
・対象が、スクリーニング又はベースライン来院の時点で、乾癬の評価と干渉する可能性のある乾癬以外の皮膚状態(例えば、湿疹)のエビデンスを有する。
・対象が、禁止された尋常性乾癬の治療のための療法を中断することができない、及び/又は試験の開始前から試験の終了まで光線療法(B領域紫外線[UVB]又はソラレン及びA領域紫外線[PUVA])を中断することができない。
・現在免疫抑制状態にあるか又はその既往が知られているかもしくは疑われる対象、
現在侵襲性日和見感染症(例えば、ヒト免疫不全ウイルス[HIV]感染症、ヒストプラスマ症、リステリア症、コクシジオイデス症、ニューモシスティス症、アスペルギルス症、又は臓器移植もしくは骨髄移植)であるか又はその既往が知られているかもしくは疑われる対象。
・スクリーニングの前2週間以内に活性な臨床的に重要な感染症又は経口又は全身性の療法を必要とする任意の感染症に罹患している対象、又は慢性感染症に対して任意の慢性経口又は全身性抗感染性療法を現在受けている対象。
・スクリーニング時にリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)に基づいて又はベースライン時にIgMイムノアッセイに基づいて検出されるSARS-CoV-2感染検査陽性である対象、又はIPの初回投薬の前の2週間にSARS-CoV-2に感染した個人と接触した対象。スクリーニング又はベースライン時に入念な理学的検査(例えば、咳、発熱、頭痛、疲労、呼吸困難、筋肉痛、嗅覚脱失、味覚異常、食欲不振、咽喉痛など)後に検知されるSARS-Cov-2感染の何らかの兆候又は症状を呈している対象。加えて、任意の他の現地で適用可能な標準的な診断基準も、SARS-CoV-2感染を診断するのに適用し得る。
・以下によって定義される活性な又は潜在型の結核菌(TB)感染のエビデンスを有する対象:
■QuantiFERON-TB Gold試験結果陽性、かつ/又は
■スクリーニングの前12週間以内に撮影され、認定放射線科医又は呼吸器科医によって読影された、現在活性なTB又は過去の不活性なTBのエビデンスがある胸部X線写真(後方から前方のビュー)。
TBの既往があり、治療成功の文書を有する対象は、本試験に適格である。
(4.4. 試験設計/方法)
これは、中等症から重症の尋常性乾癬の対象において28日間にわたり経口投与される50mg又は150mgの化合物1の1日1回反復用量、又はプラセボの安全性、認容性、有効性、PK、及びPDを評価する第1b相無作為化二重盲検プラセボ対照多施設試験であった。
31名の対象を、3つの処置群:50mg 1日1回(q.d.) 化合物1、150mg 1日1回化合物1、及びプラセボ1日1回に11:10:10で無作為化した。
化合物1及びプラセボを、食後状態においてカプセル剤として投与した。
対象を、治療期間の開始の前に上限28日以内にスクリーニングした。対象は、第1日(治療開始)、第8日±1、第15日±2、及び第28日±2に臨床現場を訪れた。追跡来院は、最後の被験薬(IP)摂取の14±2日後及び28±2日後であった
(安全性評価)
・安全性評価を、試験の全期間にわたり行い、それには、有害事象(AE)の評価、臨床検査安全性パラメーター、バイタルサイン、理学的検査、及び12誘導心電図(ECG)を含めた。
(有効性評価)
有効性を、PASI、罹患BSAの程度、及びsPGAを用いて治験責任医師によって評価した。
(乾癬範囲・重症度指数(PASI))
・PASIは、4つの解剖学的領域(頭部、体幹、腕部、及び脚部)における体表面積侵襲の程度の評価、並びに各領域における落屑、紅斑、及びプラーク硬結/浸潤(厚さ)の重症度を組み合わせて、乾癬なしに対する0の総合スコア及び重症の疾患に対する最高で72までのスコアを出す。PASIは、最もよく使用されかつ一般に受け入れられている主要評価項目であり、臨床試験における乾癬の重症度の尺度である(EMEA、2004)。
(罹患体表面積(BSA))
・罹患BSAの百分率を、来院時に評価した。罹患BSA百分率は、BSA侵襲のパーセントと定義され、ここで、1%は、おおよそ患者の手形の面積である。
(医師による静的総合評価(sPGA)スコア)
・sPGAスコアを、来院時に評価した。乾癬のsPGAは、所与の時点で対象の乾癬病変を総合的に決定するのに用いられる。このスケールには、想起期間(recall period)がない。対象の乾癬の疾患活動度を、0(消失(cleared))から5(重症)の範囲の6点スケールを用いて医師によって評価した。
(皮膚科生活の質インデックス(DLQI))
・DLQIを、を来院時に評価した。DLQIは、症状及び感情、日常の活動、余暇、仕事及び学業、人間関係、並びに治療を含む6つのドメインをカバーする10問の簡単な患者記入型バリデーション済み生活の質質問表(simple, patient-administered, 10-question, validated, quality-of-life questionnaire)である。回答カテゴリーは、それぞれ対応するスコアが、0、1、2、及び3である「全くない(not at all)」、「少し(little)」、「かなり(a lot)」、及び「非常に(very much)」を含み、無回答(「あてはまらない(not relevant)」)の回答も、「0」としてスコア付けされる。想起期間は、1週間である。
(4.5. 薬物動態学的評価)
化合物1 PK評価のための血液試料を、来院時に採取した。
試料を、静脈穿刺(又は留置カニューレ)によって、K2EDTAが入ったチューブ内に得て、直ちに冷却した(氷浴)。採血後30分以内に、血漿を、4℃で10分間およそ1500gの冷却遠心機で分離し、チューブ内に移した。血漿試料を、中央検査機関への発送まで約-20℃でその場で保管した。
(4.6. 薬力学的評価)
(血中サイトカインPDマーカー)
タンパク質分析のための血液試料を、検査室マニュアルに明記されているように、静脈穿刺(又は留置カニューレ)によって血清分離チューブ(血清)及び/又はK2EDTAが入ったチューブ(血漿)内に採取し、処理し、保管した。加えて、エクスビボ負荷実験(下記「エクスビボ負荷実験」セクションを参照されたい)用の試料が、K2EDTAが入ったチューブ及び/又はTruCultureチューブ内に採取され、処理され、保管されるべきである。第1日の投与前及びその後に採取された血液試料は、血清及び/又は血漿用に処理されるものとする。処理された試料は、中央検査機関に送られ、その後、生化学分析検査室に転送されるものとし、そこで、血清及び/又は血漿を用いて、毎日のIP投与に応答するタンパク質レベル(例えば、IL-17)及び他の可能性のあるマーカーを決定し得る。
(エクスビボ負荷実験)
サイトカイン(例えば、IFNα)でのエクスビボ負荷のための血液試料を、検査室マニュアルに明記されているように、第1日及び第15日の投与前及び投与後に採取し、処理し、発送のために保管した。処理された試料は、中央検査機関に送られ、その後、生化学分析検査室に転送され、そこで、試料が、タンパク質(例えば、IL-17)及び/又は他の可能性のあるマーカーを決定するのに用いられた。
(血液 RNA PDマーカー)
RNA分析のための血液試料を、静脈穿刺(又は留置カニューレ)によって、PAXgene Blood RNAチューブ内に採取し、処理し、保管した。加えて、エクスビボ負荷実験用の試料を、K2EDTAが入ったチューブ及び/又はTruCultureチューブ内に採取し、処理し、保管した。第1日の投与前及びその後に採取された血液試料を、処理し、発送のために保管した。処理された試料は、中央検査機関に送られ、その後、試料を用いて毎日のIP投与に応答するRNA発現を決定し得る生化学分析検査室に転送された。
(エクスビボ負荷実験)
サイトカイン(例えば、IFNα)でのエクスビボ負荷のための血液試料を、第1日及び第15日の投与前及び投与後に採取し、処理し、発送のために保管した。処理された試料は、中央検査機関に送られ、その後、生化学分析検査室に転送されて、そこで、試料を用いてRNA発現が決定された。
患者集団についての各階層におけるその分布を含むベースライン疾患特性を、下記表IXに示す。
Figure 2024524631000029
(表IX)
ベースラインからのPASI百分率変化(%CfB-MMRMからのLS平均)を、以下の表Xで報告する。
Figure 2024524631000030
(表X)
PASI 50反応率(90%CI)を、下記表XIで報告する:
Figure 2024524631000031
(表XI)
PASI 75反応率(90%CI)を、下記表XIIで報告する:
Figure 2024524631000032
(表XII)
ベースラインからのBSA百分率変化(%CfB-MMRMからのLS平均)を、下記表XIIIで報告する。
Figure 2024524631000033
(表XIII)
ベースラインからのsPGA百分率変化(%CfB-MMRMからのLS平均)を、下記表XIVで報告する。
Figure 2024524631000034
(表XIV)
ベースラインからのDLQI百分率変化(%CfB-MMRMからのLS平均)を、下記表XVで報告する。
Figure 2024524631000035
(表XV)
化合物1は、
中等症から重症の乾癬の対象において4週間の治療後に良好な忍容性が示された。第4週時点での有効性の概要を、下に述べる:
・PASI 50反応率:150mgで40%に対してプラセボで10%。
・PASI 75反応率:150mgで10%に対してプラセボで0%。
・PASI 平均%CfB:150mgで-42%に対してプラセボで-26%。
(結辞)
前述の記載が、例示的かつ説明的な性質のものであり、本発明及びその好ましい実施態様を説明することを意図していることが当業者には認識されるであろう。通常の実験を通じて、当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく作製し得る自明な改変及び変形を認識するであろう。添付の特許請求の範囲内に入るそのような改変は全て、それに含まれることが意図される。従って、本発明は、上記の記載によってではなく、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって定義されることが意図される。
本明細書内で引用される特許及び特許出願を含むがこれらに限定されない刊行物は全て、各個の刊行物が、完全に記載されているかのように引用により本明細書に組み込まれていると具体的かつ個々に示されているかのように引用により本明細書に組み込まれている。
化合物の細胞浸透能が異なることなどの因子が、インビトロでの生化学的及び細胞アッセイにおける化合物の活性の食い違いの一因となることがあることを理解すべきである。
本出願において与えられ記載される本発明の化合物の化学名の少なくとも一部は、市販の化学物質命名ソフトウェアプログラムを用いて自動生成されたものである可能性があり、かつ独立に検証されていない可能性がある。この機能を実行する代表的なプログラムとしては、Open Eye Software社によって市販されているLexichem命名ツール及びMDL社によって市販されているAutonom Softwareツールが挙げられる。示された化学名と図示された構造が、異なる場合には、図示された構造が、優先されるものとする。
(参考文献)
Figure 2024524631000036
Figure 2024524631000037

Claims (32)

  1. 化合物1
    Figure 2024524631000038
    が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、炎症性疾患、IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療における使用のための、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物。
  2. 化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、炎症性疾患、IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療のための医薬品の生産における、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物の使用。
  3. 患者に、化合物1、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物を投与することを含む、炎症性疾患、IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患を治療する方法であって、化合物1が、少なくとも1日あたり80mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、前記方法。
  4. 化合物1の前記総1日投薬量が、1日あたり1回の投薬量(q.d.)として投与される、請求項1~3のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  5. 化合物1が、少なくとも1日あたり90mg~1日あたり200mg、好ましくは、1日あたり150mg~1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、請求項1~4のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  6. 化合物1が、1日あたり90mg、1日あたり100mg、1日あたり110mg、1日あたり120mg、1日あたり125mg、1日あたり130mg、1日あたり140mg、1日あたり150mg、1日あたり160mg、1日あたり170mg、1日あたり175mg、1日あたり180mg、1日あたり190mg、又は1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、請求項1~5のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  7. 化合物1が、1日あたり90mg、又は1日あたり150mg、又は1日あたり200mgの総1日投薬量で投与される、請求項1~6のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  8. 化合物1が、経口投与される、請求項1~7のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  9. 化合物1が、食後状態の患者に経口投与される、請求項1~8のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  10. 前記治療又は治療することが、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避すること、又は禁忌とすること、又は中断することをさらに含む、請求項1~9のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  11. その療法を必要とする前記患者が、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤である1種以上の化合物での治療を現在受けている、請求項1~10のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  12. 前記使用又は方法が、前記療法を開始する工程の前に又はそれと同時に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤である1種以上の化合物の使用又は治療を中断する工程を含む、請求項1~11のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  13. 前記使用又は方法が、その療法を開始する少なくとも12時間、好ましくは、少なくとも24時間前に、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤である1種以上の化合物の使用又は治療を中断する工程を含む、請求項1~12のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  14. 前記使用又は方法が、同じクラスもしくは作用機序であるか又はその各自の療法に適した代替医薬品であることが知られており、かつCYP阻害剤かつ/又はP-gp阻害剤ではない、特に、CYP3A4阻害剤ではなくかつ/又はP-gp阻害剤ではない、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤ではなくかつ/又は強力なP-gp阻害剤ではない医薬品又は1種以上の化合物である医薬品の併用又は共投与をさらに含む、請求項1~13のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  15. 前記使用又は方法が、CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤である1種以上の化合物での治療を中断すること、及び同じクラスもしくは作用機序であるか又はその各自の療法に適した代替医薬品であることが知られており、かつCYP阻害剤かつ/又はP-gp阻害剤ではない、特に、CYP3A4阻害剤ではなくかつ/又はP-gp阻害剤ではない、より特定的には、強力なCYP3A4阻害剤ではなくかつ/又は強力なP-gp阻害剤ではない医薬品又は1種以上の化合物である医薬品での治療を開始することを含む、請求項1~14のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法。
  16. 医薬として許容し得る担体、及び医薬として有効な量の請求項1~15のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、又は方法を含む医薬組成物。
  17. i. 式Iによる化合物、又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物、及び
    ii. CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤である1種以上の化合物の併用又は共投与を回避する、中断する、又は禁忌とする指示を含む添付文書、パッケージの表示、説明書、又は他の表示
    を含むパッケージ又はキット。
  18. 請求項1~16のいずれか1項記載の特徴のうちの1つ以上をさらに含む、請求項17記載のパッケージ又はキット。
  19. 前記CYP阻害剤が、CYP3A4阻害剤である、請求項1~15のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、もしくは方法、又は請求項17もしくは18記載のキット。
  20. 前記CYP阻害剤が、CYP3A4阻害剤であり、かつアタザナビル、ボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、ダルナビル、デラビルジン、ジルチアゼム、エルビテグラビル、グレープフルーツ果汁、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ニロチニブ、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル、スチリペントール、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、アプレピタント、シプロフロキサシン、クリゾチニブ、シクロスポリン、ドロネダロン、エリスロマイシン、フルコナゾール、フルボキサミン、イマチニブ、ベラパミル、クロルゾキサゾン、シロスタゾール、シメチジン、ホスアプレピタント、イストラデフィリン、アイバカフトール、ロミタピド、ラニチジン、ラノラジン、チカグレロル、(S)-オメプラゾール(エソメプラゾール)-高用量、ACT-178882、ACT-539313、アルモレキサント、AMD070、ANS-6637、アパラレノン、ASP8477、アトルバスタチン、AZD2327、アジスロマイシン、ベルベリン、ベロトラルスタット、ビカルタミド、ブロダルマブ、カソピタント、セリチニブ、クロトリマゾール、クランベリー果汁、デュベリシブ、エヌトレクチニブ、エバセトラピド(Evacetrapid)、エベロリムス、ファルダプレビル、フェドラチニブ、フェネブルチニブ、FK1706、ホスタマチニブ、イチョウ(Ginkgo biloba)、グレカプレビル/ピブレンタスビル、ゴールデンシール(ヒドラスチス・カナデンシス(Hydrastis canadensis))、グラゾプレビル(Zepatierの成分)、GSK2248761、イサブコナゾール、ラパチニブ、ラロトレクチニブ、LCL161、レファムリン、レテルモビル、ルマテペロン、ルラシドン、M100240、ミベフラジル、ネツピタント、オベチコール酸、オラパリブ、オシロドロスタット、パルボシクリブ、パゾパニブ、ポサコナゾール、プロピベリン、ラブコナゾール、リボシクリブ、リメゲパント、ロキシスロマイシン、ルカパリブ、サネカズラ(Schisandra sphenanthera)、スクテラリン(ブレビスカピン)、セルペルカチニブ、シメプレビル、スボレキサント、タビモレリン、タクロリムス、テラプレビル、テリフルノミド、トフィソパム、ツカチニブ、ベラパミル、及びボクセロトールから選択される1種以上の医薬品である、請求項1~15及び19のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、もしくは方法、又は請求項17~19のいずれか1項記載のキット。
  21. 前記CYP阻害剤が、強力なCYP3A4阻害剤であり、かつボセプレビル、クラリスロマイシン、コビシスタット、コニバプタン、ダノプレビル、エルビテグラビル、イデラリシブ、インジナビル、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ロナファルニブ、ロピナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ポサコナゾール、リボシクリブ、リトナビル、サキナビル、テラプレビル、テリスロマイシン、チプラナビル、トロレアンドマイシン、ボリコナゾール、セリチニブ、グレープフルーツ果汁、LCL161、ミベフラジル、及びツカチニブから選択される1種以上の医薬品である、請求項1~15、19、及び20のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、もしくは方法、又は請求項17~20のいずれか1項記載のキット。
  22. 前記P-gp阻害剤が、アミオダロン、アジスロマイシン、カンナビジオール、カプマチニブ、カルベジロール、クラリスロマイシン、コビシスタット、シクロスポリン、ダクラタスビル、ジオスミン、ドロネダロン、エラゴリクス、エラゴリクス-エストラジオール-ノルエチンドロン、エリグルスタット、エレキサカフトール-テザカフトール-アイバカフトール、エリスロマイシン、フリバンセリン、ホスタマチニブ、グレカプレビル-ピブレンタスビル、ケトコナゾール、イトラコナゾール、アイバカフトール、ケトコナゾール、ラパチニブ、レジパスビル、レボケトコナゾール、ネラチニブ、オムビタスビル-パリタプレビル-リトナビル、オシメルチニブ、プロパフェノン、キニジン、キニーネ、ラノラジン、リトナビル、ロラピタント、ロキシスロマイシン、シメプレビル、タモキシフェン、テリスロマイシン、テポチニブ、テザカフトール-アイバカフトール、チカグレロル、ツカチニブ、ベルパタスビル、ベムラフェニブ、ベラパミル、及びボクロスポリンから選択される1種以上の医薬品である、請求項1~15、19~21のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、もしくは方法、又は請求項17~21のいずれか1項記載のキット。
  23. 前記P-gp阻害剤が、強力なP-gp阻害剤であり、かつアミオダロン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン、シクロスポリン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、タモキシフェン、及びベラパミルから選択される1種以上の医薬品である、請求項1~15、19~22のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、もしくは方法、又は請求項17~22のいずれか1項記載のキット。
  24. CYP阻害剤及び/又はP-gp阻害剤である前記1種以上の化合物が、複合型CYP3A4/P-gp阻害剤、特に、イトラコナゾールである、請求項1~15、19~23のいずれか1項記載の使用のための化合物1、化合物1の使用、もしくは方法、又は請求項17~23記載のキット。
  25. 80mg~200mgの化合物1:
    Figure 2024524631000039
    又はその医薬として許容し得る塩/共結晶、又はその溶媒和物もしくは塩/共結晶の溶媒和物を含む単位投薬量医薬組成物であって、単位剤形が、1日あたり200mgの化合物1の最大総投薬量までの経口投与に適したものである、前記単位投薬量医薬組成物。
  26. 単位剤形中に90mg~200mgの化合物1を含む、請求項25記載の剤形。
  27. 単位剤形中に90mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、又は200mgの化合物1を含む、請求項25又は26記載の剤形。
  28. 前記単位投薬量が、液体、錠剤、カプセル剤、又はゲルキャップから選択される形態にある、請求項25~27のいずれか1項記載の剤形。
  29. 前記単位投薬量が、錠剤又はカプセル剤の形態にある、請求項25~28のいずれか1項記載の剤形。
  30. 炎症性疾患、IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療における使用のための、請求項25~29のいずれか1項記載の剤形。
  31. 炎症性疾患、IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患の治療のための医薬品の生産における、請求項25~29のいずれか1項記載の剤形の使用。
  32. 患者に、請求項25~29のいずれか1項記載の剤形を投与することを含む、炎症性疾患、IFNα及び/又はインターフェロン(「インターフェロン症」、特に、I型インターフェロン症)、IL-12及び/又はIL-23の過剰分泌に関連する疾患、特に、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、ループス腎炎、皮膚筋炎、多発性筋炎、シェーグレン症候群、乾癬、関節リウマチ、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎、及び/又はクローン病から選択される疾患を治療する方法。
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