JP2024518808A - パラ系アラミド繊維およびその製造方法 - Google Patents

パラ系アラミド繊維およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明はパラ系アラミド繊維およびその製造方法に関するものである。前記パラ系アラミド繊維は、高い配向度および結晶化度を有して優れた引張特性を示すことができる。

Description

本発明は、パラ系アラミド繊維およびその製造方法に関するものである。
芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分から構成されるアラミド繊維、特にポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)繊維などのパラ系アラミド繊維は、強度、弾性率、および耐熱性に優れることから、産業用途、医療用途などに広く用いられている。しかし、繊維の強度、弾性率などの機械的物性が用いられる用途によってまだ十分でなく、より優れた物性の繊維を提供するための努力が継続して試みられている。
本発明は、パラ系アラミド繊維およびその製造方法を提供する。
以下、発明の具体的な実施形態によるパラ系アラミド繊維およびその製造方法について説明する。
発明の一実施形態によれば、複数のモノフィラメントを含むパラ系アラミド繊維であって、結晶化度が67%以上であり、(110)面(110 plane)基準の配向角が2~12°であり、総繊度が200~1,600デニール(de)であり、引張強度が22g/d(グラム/デニール)以上であるパラ系アラミド繊維が提供される。
発明の他の一実施形態によれば、前記パラ系アラミド繊維の製造方法であって、反応原料をろ過して不純物を除去する段階;有機溶媒および無機塩を含む混合溶媒に芳香族ジアミンを添加してスラリーを形成する段階;前記スラリーが入っている反応器に芳香族ジアシドハライド(aromatic diacyl halide)を3回以上に分割添加し反応させてパラ系アラミド重合体を形成する段階;および、前記パラ系アラミド重合体を含む紡糸ドープを紡糸して繊維を製造する段階を含み、前記重合体を形成する段階で、前記芳香族ジアシドハライドの1次および2次添加の際に、反応器を冷却させるための冷却水の投入口と排水口とでの冷却水の温度差が50℃以内に制御される、パラ系アラミド繊維の製造方法が提供される。
本明細書で特に限定しない限り、パラ系アラミド繊維の引張特性や微細構造に対する測定値などの物性は通常の紡糸、凝固および乾燥の後に得られる繊維に対して測定した値であって、繊維製造方法に付加されうる熱処理工程を行わなかった状態の繊維に対する測定値である。
本発明者は、特定重合方法を通じて製造されたパラ系アラミド重合体を用いる場合、高い配向度および結晶化度を有し、優れた引張特性を示すことができるパラ系アラミド繊維を提供することができるということを、実験を通じて発見して本発明を完成した。
以下、前記パラ系アラミド繊維の製造方法(以下、簡略に‘製造方法’という)とこれから製造されたパラ系アラミド繊維について詳しく説明する。
前記製造方法では、反応原料から不純物を除去する段階を通じて、最終重合体内の無機不純物残留量を最少化して機械的強度に優れたパラ系アラミド繊維を提供することができる。
前記反応原料には有機溶媒、無機塩、芳香族ジアミンおよび芳香族ジアシドハライドが含まれる。前記反応原料をろ過して不純物を除去する段階では、列挙した反応原料のうちの少なくともいずれか一つの原料をろ過して当該原料に含まれている不純物を除去することができる。一例として、前記反応原料をろ過して不純物を除去する段階では、有機溶媒、無機塩、芳香族ジアミンおよび芳香族ジアシドハライドをそれぞれろ過して不純物が除去された反応原料を準備することができる。
前記反応原料をろ過して不純物を除去する段階では、直径が0.01~1.0μm、0.03~0.7μmまたは0.05~0.5μmであるフィルターを用いて反応原料をろ過することができる。前記直径は、フィルターのろ過ホールの長軸長さであってもよい。このような直径を有するフィルターを用いることによって反応系内の無機不純物の含量を1ppm以下に低めることができる。また、前記直径のフィルターを用いることによって、重合された重合体内の無機不純物の含量を50ppb以下に低めることができる。前記無機不純物含量の下限は0ppb以上であってもよい。
前記反応原料をろ過して不純物を除去する段階が行われる順序は、特に限定されない。具体的には、前記反応原料をろ過して不純物を除去する段階は、前記スラリーを形成する段階の前に行われるか、或いは、スラリーを形成する段階中に行うことができる。一例として、前記反応原料をろ過して不純物を除去する段階を、スラリーを形成する段階中に行う場合には、有機溶媒および無機塩を含む混合溶媒を製造した後、これをろ過して混合溶媒を準備し、前記混合溶媒に、別途にろ過して不純物が除去された芳香族ジアミンを添加してスラリーを形成することができる。
一方、前記スラリーを形成する段階では、パラ系アラミド重合体の重合度を増加させるために、有機溶媒に無機塩を添加して混合溶媒を製造することができる。
前記混合溶媒に含まれる無機塩は、ハロゲン化アルカリ金属塩またはハロゲン化アルカリ土類金属塩を含むことができる。一例として、前記無機塩は、CaCl、LiCl、NaCl、KCl、LiBrおよびKBrからなる群より選択された1種以上を含むことができる。このような無機塩は、前記混合溶媒の総重量を基準にして、0.01~15重量%、0.05~13重量%、0.1~11重量%または1~10重量%で含まれてもよい。
前記混合溶媒に含まれる有機溶媒は、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミド、N,N,N’,N’-テトラメチルウレア、N,N-ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドからなる群より選択された1種以上を含むことができる。前記有機溶媒は、前記混合溶媒の総重量を基準にして、前記無機塩を除いた残量の含量で含まれてもよい。
前記スラリーを形成する段階では、スラリー内の芳香族ジアミンの含量が0.5~10重量%になるように、混合溶媒と芳香族ジアミンとを混合することができる。
前記芳香族ジアミンとしては、p-フェニレンジアミン、4,4’-オキシジアニリン、2,6-ナフタレンジアミン、1,5-ナフタレンジアミン、および4,4’-ジアミノベンズアニリドなどからなる群より選択された1種以上が使用されうる。
その次に、前記パラ系アラミド重合体を形成する段階では、先に製造されたスラリーに芳香族ジアシドハライドを添加し反応させてパラ系アラミド重合体を製造することができる。
前記芳香族ジアシドハライドとしては、テレフタロイルジクロリド、[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジカルボニルジクロリド、4,4’-オキシビス(ベンゾイルクロリド)、ナフタレン-2,6-ジカルボニルジクロリドおよびナフタレン-1,5-ジカルボニルジクロリドなどからなる群より選択された1種以上を使用することができる。
前記芳香族ジアシドハライドは前記芳香族ジアミンと1:1のモル比で反応するので、前記芳香族ジアミンに対する前記芳香族ジアシドハライドのモル比は約0.9~1.1であってもよい。
前記芳香族ジアミンと前記芳香族ジアシドハライドとの重合反応は、発熱と共に速い速度で行われる。したがって、従来は、芳香族ジアシドハライドの一部を先に添加して予備重合を行った後、残りの芳香族ジアシドハライドを添加して最終的に得られる重合体の間の重合度差を最少化した。
前記他の一実施形態による製造方法では、従来使用された方法から一歩進んで不純物が除去された反応原料を使用し、反応原料の投入条件および投入方法を制御することにより、重合体同士の間の重合度差が少ないだけでなく、高い配向度および高い結晶化度を有するパラ系アラミド繊維を提供することができる。
具体的には、前記他の一実施形態による製造方法では、従来の芳香族ジアシドハライドを2回に分けて添加する方式の代わりに、芳香族ジアシドハライドを3回以上分割添加し、芳香族ジアシドハライドの1次および2次添加の際、反応器に出入りする冷却水の温度差を50℃以内に制御して、目的とする高い配向度および高い結晶化度を有するパラ系アラミド繊維を提供することができる。
具体的には、前記重合体を形成する段階では、冷却水が出入り可能な反応器を使用する。
前記スラリーを形成する段階で、スラリーは反応器で製造されるか、あるいは反応器以外の他の容器で製造された後、反応器に投入されてもよい。
前記重合体を形成する段階では、前記スラリーが入っている反応器に、芳香族ジアシドハライドを3回以上分割添加する。特に、反応器における冷却水の投入口と排水口とでの冷却水の温度差が0℃~50℃に制御された状態で、芳香族ジアシドハライドを1次および2次に添加することができる。
より具体的には、前記芳香族ジアシドハライドの1次添加の際、冷却水の投入口と排水口とでの冷却水の温度差は0℃~50℃、0℃~40℃、0℃~35℃または0℃~30℃に制御できる。
また、前記芳香族ジアシドハライドの2次添加の際、冷却水の投入口と排水口とでの冷却水の温度差は、0℃~50℃、0℃~40℃、0℃~35℃または0℃~30℃に制御できる。
前記冷却水の投入口と排水口とでの冷却水の温度差を前述の範囲内に制御するために、反応器内の冷却水が循環している状態で、反応器の攪拌速度を10~1000rpm、10~900rpm、10~700rpmまたは10~500rpmに調節することができる。
前記1次に投入される芳香族ジアシドハライドの含量は、全体の、投入される芳香族ジアシドハライドの総含量に対して、20~40モル%または25~35モル%に調節されうる。このような範囲内で、適切な長さの分子鎖を有する予備重合体を形成することができる。
1次に芳香族ジアシドハライドを添加した後には、0℃~45℃の温度で1分~30分または5分~15分程度の攪拌を行って、予備重合を行うことができる。
その次に、前記冷却水の投入口と排水口との冷却水の温度差を、再び50℃以内に制御するために、反応器内の冷却水が循環している状態で、反応器の攪拌速度を10~1000rpm、10~900rpm、10~700rpmまたは10~500rpmに調節することができる。
前記2次に投入される芳香族ジアシドハライドの含量は、全体の投入される芳香族ジアシドハライドの総含量に対して、20~75モル%、40~75モル%または50~70モル%に調節することができる。このような範囲内で、重合体同士の間の重合度差を最少化しながら、高い配向度および高い結晶化度を有する繊維を提供できる重合体を形成することができる。
2次に芳香族ジアシドハライドを添加した後には、0℃~45℃の温度で1分~30分または5分~15分程度の攪拌を行って重合を行うことができる。
その後、残り含量の芳香族ジアシドハライドを1回以上分割添加した後、追加重合を行って最終的にパラ系アラミド重合体を製造することができる。前記追加重合は、0℃~45℃の温度で5分~1時間または10分~40分程度の攪拌を行って行うことができる。
前記重合体を形成する段階以後には、生成された重合体を重合反応系から分離する段階、重合体を洗浄する段階、重合体を中和する段階、および重合体を粉砕する段階のうちのいずれか一つ以上の段階を、記載された順序に関係なく行うことができる。
前記パラ系アラミド重合体は、固有粘度が、4.0dl/g以上、5.0dl/g以上または5.3dl/g以上であって、9.0dl/g以下であってもよい。
また、前記パラ系アラミド重合体は、固有粘度の偏差が1.0dl/g以下、0.9dl/g以下または0.8dl/g以下であってもよい。前記パラ系アラミド重合体の固有粘度の偏差は、小さいほど有利なので、固有粘度偏差の下限は0dl/g以上であってもよい。
前記固有粘度の偏差は、水洗および乾燥が完了したパラ系アラミド重合体について、目の大きさがそれぞれ1mm及び2mmである標準篩を用いて、2mm以上のグループ、1mm以上2mm未満のグループ、および1mm未満のグループに分けて、各グループの固有粘度を測定した後、3つのグループの平均固有粘度についての最大値と最小値との差を計算して求めることができる。
前記パラ系アラミド重合体は、不純物の除去された反応原料から製造されることにより、重合体内に残留する無機不純物が非常に少ないか無いのであり得る。一例として、前記重合体内の無機不純物の含量は、50ppb以下であってもよい。
前記パラ系アラミド重合体は、ポリ(パラ-フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(4,4’-ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン-4,4’-ビフェニレン-ジカルボニルアミド)、ポリ(パラフェニレン-2,6-ナフタレンジカルボニルアミド)またはこれらの共重合体であってもよい。一例として、前記パラ系アラミド重合体は、ポリ(パラ-フェニレンテレフタルアミド)であってもよい。
一方、前記繊維を製造する段階では、前記重合体を形成する段階で製造された重合体を含む紡糸ドープを紡糸して繊維を提供する。
前記紡糸ドープの溶媒としては、97~102重量%の濃度を有する硫酸を使用することができる。前記溶媒として硫酸の代わりにクロロ硫酸またはフルオロ硫酸などを使用することもできる。
繊維を製造するための紡糸ドープの粘度は、紡糸ドープ内のパラ系アラミド重合体の濃度が増加するほど増加する。しかし、パラ系アラミド重合体の濃度が臨界濃度を超えると、紡糸ドープの粘度は、急激に減少するようになる。この際、紡糸ドープは固相を形成せずに、光学的等方性から光学的異方性に変化する。光学的異方性ドープは、構造的、機能的特性によって別途の延伸工程なくても高強度のパラ系アラミド繊維を提供することができる。したがって、前記紡糸ドープ内におけるパラ系アラミド重合体の濃度は、臨界濃度を超過することが好ましいが、その濃度が過度に高い場合、紡糸ドープの粘度が過度に低まることがある。よって、前記紡糸ドープは、紡糸ドープの全体の重量に対して10~25重量%の含量で、パラ系アラミド重合体を含むことができる。
前記繊維を製造する段階では、前記紡糸ドープを紡糸する紡糸工程を行うことができる。
前記紡糸工程では、エアーギャップ湿式紡糸を通じて前記紡糸ドープをフィラメント形態に紡糸することができる。
前記エアーギャップ湿式紡糸(air-gap wet spinning)は、紡糸口金と凝固浴表面との間にエアーギャップ(air-gap)を設けて置く方式である。このようなエアーギャップ湿式紡糸方式によって、前記紡糸ドープは、紡糸口金を通じて、エアーギャップを経て凝固液の入った凝固槽へと紡糸されうる。
前記紡糸工程では、紡糸口金を通じた紡糸ドープの押出時の圧力および紡糸速度によって繊維の太さを制御することができる。
前記紡糸口金は、紡糸ドープを紡糸することができる複数のホールを備えることができる。
具体的には、前記紡糸口金は、50~3000個、100~2000個、120~1500個または500~1200個のホールを備えることができる。このような範囲内で高い配向度と高い結晶化度を有して優れた引張特性を示すパラ系アラミド繊維を提供することができる。
紡糸口金に形成されたホールの直径は、適切な大きさに調節されてこそ、フィラメントの表面と内部にて分子配向性が全て改善できる。このような側面から、前記紡糸口金のホールの直径は50μm以上でありながら100μm以下に調節できる。
前記紡糸工程では、前記紡糸ドープを、80m/min以上であって800m/min以下である紡糸速度で紡糸することができる。
具体的には、前記紡糸ドープは、80~800m/min、100~800m/min、300~800m/min、500~700m/min、550~660m/min、580~650m/min、580~640m/minまたは590~610m/minの紡糸速度で紡糸することができる。このような範囲内で、高い配向度と高い結晶化度を有して優れた引張特性を示すパラ系アラミド繊維を提供することができる。
前記紡糸口金を通じて紡糸されたドープは、パラ系アラミド重合体が均質に分布するマトリックス上に、硫酸が分布した未凝固フィラメントとして得られる。このような未凝固フィラメントは、エアーギャップを経て、凝固液が入った凝固槽を通過しつつ凝固されうる。
前記エアーギャップは空気層であるか、あるいは不活性気体層であってもよい。一例として、前記エアーギャップは、ドライ窒素(dry N)を供給した窒素層であってもよい。前記エアーギャップの長さは0.1~15cmに調節することができる。
紡糸口金から紡糸されてエアーギャップを経たドープは、凝固槽を通過する過程で、その内部の硫酸が除去されながらフィラメントを形成する。この際、硫酸がフィラメントの表面から急激に除去されれば、その内部に含有された硫酸が未だ抜け出る前にフィラメントの表面が凝固して、フィラメントの内外部の均一度が劣りうる。したがって、前記凝固槽に入れる凝固液は、硫酸を含む硫酸水溶液であることが好ましい。
具体的には、前記凝固槽に入れる凝固液は、水に硫酸が添加された硫酸水溶液であってもよい。また、前記凝固液には、必要によって、メタノール、エタノールまたはプロパノールなどの1価アルコール(monol);エチレングリコールまたはプロピレングリコールなどの2価アルコール(diol);またはグリセロールなどの3価アルコール(triol)が追加的に添加されうる。
前記凝固液の温度は、1~10℃であることが好ましい。前記凝固液の温度が過度に低い場合、フィラメントから硫酸が抜け出にくいことがある。前記凝固液の温度が過度に高い場合、フィラメントから硫酸が急激に抜け出てフィラメントの均一度が低下しうる。
前記凝固槽の下部には凝固チューブが形成されていてもよい。前記凝固チューブは凝固槽と連結されており、前記凝固チューブには多数の噴射口が形成されうる。この場合、前記噴射口は所定の噴射装置(jet device)と連結されていて、前記噴射装置から噴射された凝固液は、前記噴射口を通じて前記凝固チューブを通過するフィラメントに噴射されることになる。前記多数の噴射口は、凝固液がフィラメントに対して、対称に噴射されるように整列されることが好ましい。凝固液の噴射角度は、フィラメントの軸方向に対して0~85°が好ましく、特に商業的生産工程においては20~40°の噴射角度が適当である。
前記繊維を製造する段階では前記凝固工程に続き、凝固したフィラメントに残存する硫酸を除去するための水洗工程を行うことができる。
前記水洗工程は、水、または水とアルカリ溶液の混合溶液を前記凝固したフィラメントに噴射する方法で行うことができる。
前記水洗工程は、多段階で行うことができる。例えば、前記凝固したフィラメントを0.1~1.5重量%の苛性水溶液(aqueous caustic solution)で1次水洗し、引き続いて、より薄い苛性水溶液で2次水洗することができる。
前記繊維を製造する段階では、前記凝固および水洗工程に続き、前記フィラメントに残留する水分含量を調節するための乾燥工程を行うことができる。
前記乾燥工程は、加熱された乾燥ロールに、前記フィラメントが接する時間を調節するか、前記乾燥ロールの温度を調節する方法で行うことができる。
最終的に得られる前記パラ系アラミド繊維を構成するモノフィラメントは、1.0~2.5de(denier)の繊度を有することができる。
そして、前記パラ系アラミド繊維は複数の前記モノフィラメントを含み、200~1,600de、200~400de、800~1,000de、1,000~1,100deまたは1,400~1,600deの総繊度を有することができる。
このような製造方法によって製造されたパラ系アラミド繊維は、高い結晶化度および配向度を示し、優れた引張特性を示すことができる。
前記パラ系アラミド繊維は、前記製造方法によって製造されることにより、高い配向度を示すことができる。即ち、前記パラ系アラミド繊維は高い配向度で、小さい配向角を有することができる。
一例として、前記パラ系アラミド繊維は、(110)面(110plane)基準の配向角が2°以上、5°以上または7°以上であって、12°以下、11°以下、10.5°以下、10°以下、9.5°以下、9.3°以下、9.1°以下または9.0°以下であってもよい。また、前記パラ系アラミド繊維は、200plane基準配向角が2°以上、5°以上または8°以上でありながら13°以下、12°以下、11.5°以下、11.2°以下、11°以下、10.5°以下または10.3°以下であってもよい。
前記配向角はX-ray回折パターンから分析された配向角であり、より詳しい測定方法は後述の試験例に記載された方法を参照することができる。
また、前記パラ系アラミド繊維は、前記製造方法によって製造されることにより高い結晶化度を有することができる。
具体的には、前記パラ系アラミド繊維は、結晶化度が67%以上、68%以上、68.5%以上、69%以上、70%以上、71%以上、72%以上または72.5%以上でありながら78%以下、75%以下または73%以下であってもよい。
前記結晶化度はX-ray回折パターンから分析された結晶化度であり、より詳しい測定方法は後述の試験例に記載された方法を参照することができる。
前記パラ系アラミド繊維は、前記製造方法によって製造されることにより大きい結晶大きさを有することができる。
一例として、前記パラ系アラミド繊維は、(110)面(110plane)基準での結晶大きさが、5.8nm以上、5.9nm以上、6.0nm以上または6.2nm以上であって、7.0nm以下、6.8nm以下または6.6nm以下であってもよい。また、前記パラ系アラミド繊維は、(200)面(200plane)基準での結晶大きさが、5.0nm以上、5.5nm以上または5.6nm以上であって、6.5nm以下、6.4nm以下または6.2nm以下であってもよい。
前記結晶大きさは、X-ray回折パターンから分析された結晶大きさであり、より詳しい測定方法は、後述の試験例に記載された方法を参照することができる。
前記パラ系アラミド繊維は、前記製造方法によって製造されることにより、結晶欠陥(Paracrystalline parameter)を最少化することができる。
一例として、前記パラ系アラミド繊維は、結晶欠陥が、1.00%以上または1.30%以上であって、1.85%以下、1.80%以下、1.70%以下または1.60%以下であってもよい。
前記結晶欠陥は、X-ray回折パターンから分析された結晶欠陥であり、より詳しい測定方法は、後述の試験例に記載された方法を参照することができる。
前記パラ系アラミド繊維は、高い配向度および結晶化度を有することによって、優れた引張特性を示すことができる。
一例として、前記パラ系アラミド繊維は、引張強度が22g/d以上、22.5g/d以上、23g/d以上、23.5g/d以上、24g/d以上または25g/d以上であって、30g/d以下または28g/d以下であってもよい。また、前記パラ系アラミド繊維は、ヤング弾性率が、750g/d以上、760g/d以上、780g/d以上、790g/d以上、800g/d以上または810g/d以上であって、900g/d以下、880g/d以下または860g/d以下であってもよい。前記パラ系アラミド繊維は、伸度が2.0%以上、2.5%以上、3.0%以上、3.1%以上、3.2%以上、3.3%以上または3.4%以上であって、4.5%以下または4.0%以下であってもよい。
前記引張強度、ヤング弾性率および伸度といった引張特性は撚り係数(twist multiplier)が1.1であるサンプルに対してASTM D885標準試験法によって測定された引張特性であり、より詳しい測定方法は後述の試験例に記載された方法を参照することができる。
発明の一実施形態によるパラ系アラミド繊維は、高い配向度および結晶化度を有することから、優れた引張特性を示すことができる。
以下、発明の具体的な実施例を通じて発明の作用、効果をより具体的には説明する。但し、これは発明の例示として提示されたものであって、これによって発明の権利範囲がいかなる意味でも限定されるのではない。
<試験例1:パラ系アラミド重合体の物性評価>
下記合成例から得られたパラ系アラミド重合体の物性を下記記載された方法によって測定した。
(1)固有粘度測定
重合体の固有粘度は下記式1によって測定された。
[式1]
I.V.=ln(ηrel)/C
上記式1中、lnは自然対数関数であり、Cは重合体溶液の濃度(98重量%の農硫酸100mLに重合体0.5gを溶解させた溶液)であり、相対粘度(ηrel)は、30℃にて毛細管粘度計でもって測定した重合体溶液と溶媒との間の流動時間の比である。
(2)固有粘度偏差測定
水洗および乾燥が完了した重合体を目の大きさがそれぞれ1mmと2mmである標準篩を用いて2mm以上のグループ、1mm以上2mm未満のグループ、および1mm未満のグループに分けた。
その後、各グループの固有粘度を測定した後、3つのグループについての平均固有粘度の最大値と最小値との差を計算して重合体の固有粘度偏差を求めた。
(3)無機不純物含量
パラ系アラミド重合体内の無機不純物含量は、次の方法で測定した。1gの試料を酸処理して完全に分解させた後、誘導結合プラズマ原子放出分光光度計(Inductively Coupled Plasma Spectrophotometer)を使用して試料内にイオン化されて残留する無機不純物の濃度を測定した。
<合成例1:パラ系アラミド重合体(PPTA-1)の製造>
反応原料として、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、CaCl、p-フェニレンジアミン(PPD)およびテレフタロイルクロリド(TPC)を、0.1μmの直径を有するフィルターを通過させて反応原料内不純物を除去した。
窒素雰囲気下で反応器内に、有機溶媒としてのNMPと、無機塩としてのCaClとを、92:8の重量比で混合した混合溶媒を入れ、スラリー内のPPDの濃度が5重量%になるようにPPDを添加してスラリーを製造した。
その次に、30℃に冷却された反応器に、PPDのモル数の30モル%に該当するTPCを添加した後、10分間反応させた。この際、反応器の攪拌速度を約200rpmに調節することで、冷却水の投入口と排水口とでの冷却水の温度差が約20℃になるように制御した。
その後、再び30℃に冷却された反応器にPPDのモル数の60モル%に該当するTPCを添加した後、30分間反応させた。この際、反応器の攪拌速度を約200rpmに調節して冷却水の投入口と排水口との温度差が約20℃になるように制御した。
最後に、30℃に冷却された反応器にPPDのモル数の10モル%に該当するTPCを添加した後、30分間反応させてパラ系アラミド重合体を製造した。
前記パラ系アラミド重合体を含む溶液に、水とNaOHを添加して酸を中和させた。その次に、パラ系アラミド重合体を粉砕した後、水を使用してパラ系アラミド重合体に含有された重合溶媒を抽出し、脱水および乾燥して最終的にPPTA-1を得た。
このように製造されたPPTA-1の固有粘度は5.4dl/gであり、重合体内の無機不純物の含量は48ppbであった。また、目の大きさがそれぞれ1mmと2mmである標準篩を用いて、2mm以上のグループ、1mm以上2mm未満のグループ、および1mm未満のグループに分級して、各グループの固有粘度を測定した後、3つのグループについての平均固有粘度の最大値と最小値との差を計算した固有粘度偏差は0.85dl/gであった。
<合成例2:パラ系アラミド重合体(PPTA-2)の製造>
窒素雰囲気下で反応器内に、有機溶媒としてのNMPと、無機塩としてのCaClとを、86:14の重量比で混合した混合溶媒を入れ、スラリー内のPPDの濃度が3重量%になるようにPPDを添加してスラリーを製造した。
その次に、0℃に冷却された反応器に、PPDのモル数の30モル%に該当するTPCを添加した後、5℃で30分間反応させた。
30分後、冷却水の投入口と排水口との温度差は65℃であり、前記反応器にPPDのモル数の60モル%に該当するTPCを添加した後、5℃で20分間反応させ、前記反応器にPPDのモル数の10モル%に該当するTPCを添加した後、続いて5℃で5分間反応させてパラ系アラミド重合体を製造した。
前記パラ系アラミド重合体を含む溶液に、水とNaOHを添加して酸を中和させた。その次に、パラ系アラミド重合体を粉砕した後、水を使用してパラ系アラミド重合体に含有された重合溶媒を抽出し、脱水および乾燥して最終的にPPTA-2を得た。
このように製造されたPPTA-2の固有粘度は5.4dl/gであり、重合体内の無機不純物の含量は3150ppbであった。また、目の大きさがそれぞれ1mmと2mmである標準篩を用いて2mm以上のグループ、1mm以上2mm未満のグループ、および1mm未満のグループに分級して各グループの固有粘度を測定した後、3つのグループの平均固有粘度の最大値と最小値の差を計算した固有粘度偏差は1.3dl/gであった。
<実施例1:パラ系アラミド繊維の製造>
99.8重量%硫酸に、前記合成例1から得られたPPTA-1を紡糸ドープ全体の重量に対して19重量%で溶解させて紡糸ドープを準備した。
前記紡糸ドープをホール(Hole)個数が133個である紡糸口金を通じて650m/minの速度で紡糸し、エアーギャップを経るようにして凝固槽内で凝固させることによってフィラメントを製造した。
前記凝固したフィラメントを水で水洗して前記フィラメント上に残存する硫酸などを除去した後、これを乾燥した後に巻き取って、モノフィラメントの繊度が1.47deであり、総繊度が213deであるパラ系アラミド繊維を得た。
<実施例2:パラ系アラミド繊維の製造>
99.8重量%硫酸に、前記合成例1から得られたPPTA-1を、紡糸ドープ全体の重量に対して19重量%で溶解させて紡糸ドープを準備した。
前記紡糸ドープをホール(Hole)の個数が665個である紡糸口金を通じて620m/minの速度で紡糸し、エアーギャップを経るようにして凝固槽内で凝固させることによってフィラメントを製造した。
前記凝固したフィラメントを水で水洗して前記フィラメント上に残存する硫酸などを除去した後、これを乾燥した後に巻き取ってモノフィラメントの繊度が1.43deであり、総繊度が988deであるパラ系アラミド繊維を得た。
<実施例3:パラ系アラミド繊維の製造>
99.8重量%硫酸に、前記合成例1から得られたPPTA-1を、紡糸ドープ全体の重量に対して20重量%で溶解させて紡糸ドープを準備した。
前記紡糸ドープをホール(Hole)の個数が665個である紡糸口金を通じて600m/minの速度で紡糸し、エアーギャップを経るようにして凝固槽内で凝固させることによってフィラメントを製造した。
前記凝固したフィラメントを水で水洗して前記フィラメント上に残存する硫酸などを除去した後、これを乾燥した後に巻き取ってモノフィラメントの繊度が1.50deであり、総繊度が1022deであるパラ系アラミド繊維を得た。
<実施例4:パラ系アラミド繊維の製造>
99.8重量%硫酸に、前記合成例1から得られたPPTA-1を、紡糸ドープ全体の重量に対して19重量%で溶解させて紡糸ドープを準備した。
前記紡糸ドープをホール(Hole)の個数が1000個である紡糸口金を通じて650m/minの速度で紡糸し、エアーギャップを経るようにして凝固槽内で凝固させることによってフィラメントを製造した。
前記凝固したフィラメントを水で水洗して前記フィラメント上に残存する硫酸などを除去した後、これを乾燥した後に巻き取ってモノフィラメントの繊度が1.54deであり、総繊度が1550deであるパラ系アラミド繊維を得た。
<比較例1:パラ系アラミド繊維の製造>
99.8重量%硫酸に、前記合成例2から得られたPPTA-2を、紡糸ドープ全体の重量に対して19重量%で溶解させて紡糸ドープを準備した。
前記紡糸ドープをホール(Hole)の個数が1000個である紡糸口金を通じて600m/minの速度で紡糸し、エアーギャップを経るようにして凝固槽内で凝固させることによってフィラメントを製造した。
前記凝固したフィラメントを水で水洗して前記フィラメント上に残存する硫酸などを除去した後、これを乾燥した後に巻き取ってモノフィラメントの繊度が1.49deであり、総繊度が1527deであるパラ系アラミド繊維を得た。
参照として、合成例2から得られたPPTA-2の紡糸速度を実施例4と同一にする場合、諸般の物性が劣悪で、実施例4のパラ系アラミド繊維と同じ水準の繊度を有するように製造し、紡糸速度は合成例2から得られたPPTA-2に最適化した速度に調節した。
<試験例2:パラ系アラミド繊維の物性評価>
前記実施例および比較例から得られたパラ系アラミド繊維の物性を下記に記載された方法によって測定し、その結果を表1に記載した。
(1)繊度(denier、de)
繊度は9000m糸の重量(g)で表示されるdenier(de)であって、ASTM D1577によって測定された。
(2)引張特性
実施例および比較例を通じて製造されたパラ系アラミド繊維を、250mmの長さに切断してTM(twist multiplier)1.1で撚りをかけたサンプルを準備し、前記サンプルを55%の相対湿度および23℃の温度で14時間保管した。
その次に、ASTM D885標準試験法によって前記サンプルをINSTRON社の試験器(Instron Engineering Corp、Canton、Mass)に装着した後、繊維の一方は固定し初荷重を繊度の1/30g(繊度×1/30g)に設定した後に、他の一方を25mm/minの速度で引張させて繊維が切れる時の引張荷重(g)と伸度(strain)を測定した。前記測定された引張荷重を繊度で割って強度(g/d)を求め、前記引張荷重測定条件から得られるパラ系アラミド繊維の応力-変形曲線の傾きからヤング弾性率を求めた。
(3)X-ray回折(XRD)分析
実施例および比較例によって製造されたパラ系アラミド繊維の微細構造をX-ray回折パターンを通じて分析した。
実施例および比較例によって製造されたパラ系アラミド繊維を20~30mmの長さに切断してできる限り揃えて配列した後、ホルダーに付けてサンプルを準備した。準備されたサンプルをサンプルアタッチメント(sample attachment)にかけてβ位置(β-position)が0°にくるようにした。ウォーミングアップ(Warming-up)を終えたXRD測定機器の電圧および電流を測定条件である50kVおよび180mAに徐々に上げ、赤道のパターン(Equatorial pattern)を測定した。そして、主要測定条件を以下のように設定した。
角度計(Goniometer)、連続的なスキャンモード(Continuous scan mode)、スキャン角度範囲(Scan angle range):10~40°、スキャンスピード(Scan speed):2。
スキャニングを行ったプロファイル(Profile)で、20~21°および22~23°の間に示される二つのピーク(Peak)の2θ位置(Position)を測定した。測定されたプロファイル(Profile)を持ってマルチピークセパレーション方式プログラム(Multi peak separation method program)で処理した。
2θ 15~35°まで一直線にバックグラウンド(Back ground)を指定した後、2つの結晶ピーク(Peak)を分離してX-ray回折パターンを得た。
i)結晶大きさ(見かけ結晶サイズ;Apparent crystal size;ACS)
前記X-ray回折パターンを使用して、ファクター[2θ Position、強度(Intensity)半値幅(Full Width at Half Maximum;FWHM)]を用い、シェラーの式(Scherrer equation)によって、それぞれの結晶面のKが1であるときの見かけの結晶サイズ(apparent crystal size;ACS)を求めた。ここで、見かけの結晶サイズ(ACS)は、当該面結晶の平均大きさを意味する。
ii)結晶化度(Crystallinity;Xc)
前記X-ray回折パターンを使用し、結晶ピークと無定形ピークの比を通じて結晶化度を求めた。
iii)配向角(Orientation angle;OA)
前記X-ray回折パターンの各面の位置でAzimuthal scan(方位角のスキャン)を行った後、各ピークの半値幅(Full Width at Half Maximum;FWHM)]を求めて配向角を求めた。
iv)結晶欠陥(パラクリスタリンパラメータ;Paracrystalline parameter;gII
実施例および比較例によって製造されたパラ系アラミド繊維を20~30mmの長さに切断してできる限り揃えて配列した後、ホルダーに付けてサンプルを準備した。準備されたサンプルをsample attachmentにかけてβ-positionが0°にくるようにした。Warming-upを終えたXRD測定機器の電圧および電流を測定条件である50kVおよび180mAに徐々に上げ、経線のパターン(Meridional pattern)を測定した。そして、主要測定条件を以下のように設定した。
角度計(Goniometer)、連続的なスキャンモード(Continuous scan mode)、スキャン角度範囲(Scan angle range):10~40°、スキャンスピード(Scan speed):0.5[ステップ/スキャン時間はピークの強度が微小であるので、2,000CPSが出られるように十分なビーム(Beam)露出時間を与える]。
スキャニングを行ったプロファイル(Profile)で、10~15°の間に示されるピーク((002)面; 002 plane)の2θ位置(Position)を測定した。測定されたプロファイル(Profile)を用いて、下記式2のHOSEMANN方程式に代入してパラクリスタリンパラメータ(paracrystalline parameter)を導出した。
[式2]
上記式2中、δsは回折ピーク(Diffraction peak)の分散度であり、Lは結晶大きさ(Crystal size)であり、dは格子面の空間(Spacing)であり、mは回折ピークの次数(order)である。
*上記表1の結晶大きさは(110)面(110plane)基準の結晶大きさ、(200)面(200plane)基準の結晶大きさを意味し、配向角は、(110)面(110 plane)を基準にした配向角、(200)面(200 plane)を基準にした配向角を意味する。
前記表1を参照すれば、一実施形態によるパラ系アラミド繊維は、不純物が除去された反応原料を使用し、反応原料の投入条件および投入方法を制御して製造されたパラ系アラミド重合体から形成されることによって、多様なグレードの高品質パラ系アラミド繊維として提供できるということが確認される。
具体的には、強度が20~24g/d程度である標準テナシティ(standard tenacity)アラミド繊維を提供する実施例1、2および4および比較例1を比較すると、実施例1、2および4では比較例1に比べて大きい結晶大きさ、高い結晶化度および高い配向度を示し、ヤング弾性率もさらに優れることが確認される。
また、強度が25g/d以上であるハイテナシティ(high tenacity)アラミド繊維を提供する実施例3も、大きい結晶大きさ、高い結晶化度および高い配向度を示し、引張特性に優れることが確認される。

Claims (15)

  1. 複数のモノフィラメントを含むパラ系アラミド繊維であって、
    前記パラ系アラミド繊維は、結晶化度が67%以上であり、
    (110)面(110plane)基準の配向角が2~12°であり、
    総繊度が200~1,600deであり、引張強度が22g/d以上である、パラ系アラミド繊維。
  2. 固有粘度が4.0~9.0dl/gであるパラ系アラミド重合体を含む、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  3. 固有粘度の偏差が1.0dl/g以下であるパラ系アラミド重合体を含む、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  4. 重合体内の無機不純物の含量が50ppb以下であるパラ系アラミド重合体を含む、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  5. (200)面(200plane)基準の配向角が2~13°である、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  6. 結晶化度が67~78%である、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  7. (110)面(110plane)基準の結晶大きさが5.8~7.0nmである、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  8. (200)面(200plane)基準の結晶大きさが5.0~6.5nmである、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  9. 結晶欠陥が1.00~1.85%である、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  10. ヤング弾性率が750~900g/dである、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  11. 伸度が2~4%である、請求項1に記載のパラ系アラミド繊維。
  12. 請求項1のパラ系アラミド繊維の製造方法であって、
    反応原料をろ過して不純物を除去する段階;
    有機溶媒および無機塩を含む混合溶媒に芳香族ジアミンを添加してスラリーを形成する段階;
    前記スラリーが入っている反応器に、芳香族ジアシドハライドを3回以上に分割添加して反応させてパラ系アラミド重合体を形成する段階;および
    前記パラ系アラミド重合体を含む紡糸ドープを紡糸して繊維を製造する段階を含み、
    前記重合体を形成する段階で、前記芳香族ジアシドハライドの1次および2次添加の際に、反応器を冷却させるための冷却水の投入口と排水口とでの冷却水の温度差が50℃以内に制御される、パラ系アラミド繊維の製造方法。
  13. 前記反応原料を、直径が0.01~1.0μmであるフィルターを用いてろ過する、請求項12に記載のパラ系アラミド繊維の製造方法。
  14. 前記芳香族ジアシドハライドの1次添加の際、反応器の攪拌速度を10~1000rpmに調節する、請求項12に記載のパラ系アラミド繊維の製造方法。
  15. 前記芳香族ジアシドハライドの2次添加の際、反応器の攪拌速度を10~1000rpmに調節する、請求項12に記載のパラ系アラミド繊維の製造方法。
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