JP2024517835A - 二重標的アッセイによりデルタ型肝炎ウイルスを検出するための組成物及び方法 - Google Patents

二重標的アッセイによりデルタ型肝炎ウイルスを検出するための組成物及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024517835A
JP2024517835A JP2023568052A JP2023568052A JP2024517835A JP 2024517835 A JP2024517835 A JP 2024517835A JP 2023568052 A JP2023568052 A JP 2023568052A JP 2023568052 A JP2023568052 A JP 2023568052A JP 2024517835 A JP2024517835 A JP 2024517835A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hdv
seq
nucleic acid
probe
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023568052A
Other languages
English (en)
Inventor
アディカリ キラン
デュア ラジブ
ドゥゲニー スラブ
ヘイル マリンサ
マノ カルビン
リベラ ルイス ポーリン
スン チンタオ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
Publication of JP2024517835A publication Critical patent/JP2024517835A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/70Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving virus or bacteriophage
    • C12Q1/701Specific hybridization probes
    • C12Q1/706Specific hybridization probes for hepatitis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6844Nucleic acid amplification reactions
    • C12Q1/6851Quantitative amplification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/16Primer sets for multiplex assays

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

生物学的試料又は非生物学的試料中のデルタ型肝炎ウイルス(HDV)の存在又は非存在を迅速に検出するための方法が記載される。本方法は、増幅する工程、ハイブリダイズする工程、及び検出する工程を実施することを含み得る。さらに、HDVの検出のために設計された、HDVリボザイムドメイン及びHDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子を標的とするプライマー、プローブ、並びにキットが提供される。

Description

本開示は、分子診断の分野に関し、より詳細には、二重標的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイによるデルタ型肝炎ウイルス(HDV)の検出に関する。
デルタ型肝炎ウイルス(HDV)は、伝染及び伝播のためのB型肝炎ウイルス(HBV)のサテライトであり、世界疾病負荷(global burden)は1500万~2000万と推定される。HDV粒子は、直径が35~37nmであり、HBVエンベロープに囲まれたリボ核タンパク質複合体を有する。リボ核タンパク質は、環状陰性一本鎖ウイルスRNAゲノム、約1700ヌクレオチド、及びHDVタンパク質の2つのアイソフォーム(小型及び大型)から構成される。全長HDVゲノムの系統発生分析は、HDVを8つの遺伝子型及び多くのサブ遺伝子型に分類した。HDV遺伝子型は、遺伝子型全体で20%~30%及びサブ遺伝子型内で15%の特定の地理的分岐及び高い配列多様性を示す。
臨床的には、HBV/HDV二重感染は、HBV感染単独と比較して、肝臓合併症のリスクが高く、死亡率が高い。HDV感染によるより高いリスクを管理するために、陽性HDV血清学を有する患者がHDV RNA検出による活動性HDV感染評価を受けることが推奨される。HDV RNAを検出及び定量するために、社内及び市販の逆転写ポリメラーゼ連鎖反応アッセイのスコアが開発されている。しかしながら、アッセイ間で標準化が不足している。様々なHDV RNA検出アッセイを評価するための国際的な品質管理研究は、17か国に広がる28の研究室のうちのわずか13の研究室(46.3%)しか適切なHDV定量化を示し、優れたアッセイ性能を示さなかった(Le Gal et al.,Hepatology,2016,Vol.64,No.5,p.1483-1494に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。)。
堅牢なHDV定量化に関連する主な課題としては、(a)HDVゲノムの高い遺伝的多様性、(b)時間的及び空間的に偏った収集を伴う限られた数の配列、並びに(c)編集及び組換えと組み合わせた高い突然変異率を有するHDV生物学が含まれる。したがって、当技術分野では、全てのHDV遺伝子型及びサブ遺伝子型を検出するための迅速で信頼性が高く、特異的で、高感度の方法が必要とされている。
本発明は、血液、血漿又は血清試料中のHDVを検出及び定量するための逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)二重標的アッセイを開示する。上記のような堅牢なHDV検出に関連する課題は、HDV RNAゲノム上の高い包括性のためにin-silicoで選択された2つのHDV標的、リボザイムドメイン及びデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子標的領域を検出することによって解決された。単一のHDV標的のみを検出する現在の研究室で開発された市販のHDVアッセイと比較して、本発明における2つの高度に包括的な標的の検出は、1つの標的が急速なウイルス進化のために検出に失敗した場合にHDVを適切に検出及び定量化するための追加の利点を提供することによってこの分野を進歩させた。
本開示の特定の実施形態は、生物学的試料又は非生物学的試料中のHDVの存在又は非存在の迅速な検出、例えば、単一の試験管内でのRT-PCRによるHDVの多重検出のための方法に関する。実施形態は、増幅する工程及びハイブリダイズ工程を含み得る、少なくとも1つのサイクリング工程を実施することを含むHDVの検出方法を含む。さらに、実施形態は、単一チューブ内のHDVの検出のために設計されたプライマー、プローブ及びキットを含む。検出方法は、リボザイムドメイン及びデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子を標的とするように設計されており、これにより、HDVを単一の試験で検出することが可能になる。
一態様では、試料中のHDVの少なくとも2つの標的核酸を検出するための方法が提供され、(a)試料を提供することと、(b)HDVの少なくとも2つの標的核酸が試料中に存在する場合、試料を少なくとも2つのプライマーセットと接触させて増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施することと、(c)HDVの少なくとも2つの標的核酸が試料中に存在する場合、増幅産物を少なくとも2つのプローブと接触させることを含む、ハイブリダイゼーション工程を実施することと、(d)検出する工程を実施することであって、増幅産物の存在又は非存在を検出することを含み、1つの増幅産物の存在が試料中のHDVの存在を示し、増幅産物の非存在が試料中のHDVの非存在を示し、少なくとも2つのプライマーセット及び少なくとも2つのプローブが、(i)配列番号1~4又は配列番号1~4の任意の組み合わせの核酸配列を含むか又はそれからなるフォワードプライマーと、配列番号5~6の核酸配列又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらからなるリバースプライマーとを含む第1のプライマーセット、及び配列番号7~8の核酸配列若しくはその相補体又は配列番号7~8の組み合わせ若しくはそれらの相補体を含むか又はそれらからなる第1のプローブ又は第1のプローブセット、並びに(ii)配列番号9~10の核酸配列又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらからなるフォワードプライマーと、配列番号11~12の核酸配列又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらからなるリバースプライマーとを含む第2のプライマーセット、及び配列番号13~15の核酸配列若しくはそれらの相補体、又は配列番号13~15の任意の組み合わせ若しくはそれらの相補体を含むか又はそれらからなる第2のプローブ又は第2のプローブセットを含む、検出する工程を実施することと、を含む。関連する実施形態では、試料は生物学的試料である。別の関連する実施形態では、生物学的試料は、血液、血漿又は血清である。
更に別の実施形態では、第1のプライマーセットは、第1のプローブ又は第1のプローブセットによって検出される第1の標的核酸の1つ以上の増幅産物を生成し、第2のプライマーセットは、第2のプローブ又は第2のプローブセットによって検出される第2の標的核酸の1つ以上の増幅産物を生成する。一実施形態では、第1の標的核酸は、HDVリボザイムドメインであり、第2の標的核酸は、HDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子である。
別の態様では、試料中のHDVを検出するための方法であって、(a)増幅する工程を実施することであって、試料を、HDVが試料中に存在する場合、HDVリボザイムドメインに特異的な1つ以上のフォワードプライマー及び1つ以上のリバースプライマーと接触させてリボザイムドメインの増幅産物を生成し、HDVが試料中に存在する場合、HDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子に特異的な1つ以上のフォワードプライマー及び1つ以上のリバースプライマーと接触させてHDAg遺伝子の増幅産物を生成することを含む、増幅する工程を実施することと、(b)ハイブリダイズする工程を実施することであって、リボザイムドメイン増幅産物をリボザイムドメインに特異的な1つ以上の検出可能なプローブと接触さること、及びHDAg遺伝子増幅産物をHDAg遺伝子に特異的な1つ以上の検出可能なプローブと接触させることを含む、ハイブリダイズする工程を実施することと、(c)リボザイムドメイン増幅産物及び/又はHDAg遺伝子増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、リボザイムドメイン増幅産物若しくはHDAg増幅産物のいずれか又は両方の増幅産物の存在が試料中のHDVの存在を示し、リボザイムドメイン増幅産物及びHDAg増幅産物の両方の非存在が試料中のHDVの非存在を示し、1つ以上のリボザイムドメインフォワードプライマーが、配列番号1~4、又は配列番号1~4の任意の組み合わせから選択されるヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、1つ以上のリボザイムドメインリバースプライマーが、配列番号5~6又はそれらの組み合わせから選択されるヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、1つ以上の検出可能なリボザイムドメインプローブが、配列番号7~8若しくはそれらの相補体、又は配列番号7~8の組み合わせ若しくはそれらの相補体から選択されるヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、1つ以上のHDAg遺伝子フォワードプライマーが、配列番号9~10又はそれらの組み合わせから選択されるヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、1つ以上のHDAg遺伝子リバースプライマーが、配列番号11~12から選択されるヌクレオチド配列、又はそれらの組み合わせを含むか又はそれからなり、1つ以上の検出可能なHDAg遺伝子プローブが、配列番号13~15若しくはそれらの相補体、又は配列番号13~15の任意の組み合わせ若しくはそれらの相補体から選択されるヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる、リボザイムドメイン増幅産物及び/又はHDAg遺伝子増幅産物の存在又は非存在を検出することと、を含む、試料中のHDVを検出するための方法が提供される。
一実施形態では、リボザイムドメイン標的の増幅は、配列番号1~4のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる全てのフォワードプライマー、及び配列番号5~6のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる両方のリバースプライマーを使用することを含み、リボザイムドメイン増幅産物の検出は、配列番号7~8のヌクレオチド配列又はその相補体を含むか又はそれからなる両方の検出可能なプローブを使用することを含む。別の実施形態では、HDAg遺伝子標的の増幅は、配列番号9~10のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる両方のフォワードプライマー、及び配列番号11~12のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる両方のリバースプライマーを使用することを含み、HDAg遺伝子増幅産物の検出は、配列番号13~15のヌクレオチド配列又はその相補体を含むか又はそれからなる全ての検出可能なプローブを使用することを含む。一実施形態では、試料は、生物学的試料である。具体的には、生物学的試料は、血液、血漿又は血清である。
他の態様は、50以下のヌクレオチドを有する、配列番号1~20から選択されるヌクレオチドの配列若しくはその相補体を含むか、又はそれらからなるオリゴヌクレオチドを提供する。別の実施形態では、本開示は、配列番号1~20若しくはその相補体の1つと少なくとも70%の配列同一性(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%若しくは95%等)を有する核酸を含むオリゴヌクレオチドであって、50個以下のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを提供する。一般に、これらのオリゴヌクレオチドは、これらの実施形態では、プライマー核酸、プローブ核酸等であり得る。これらの実施形態の一定のものでは、オリゴヌクレオチドは、40個以下のヌクレオチド(例えば、35個以下のヌクレオチド、30個以下のヌクレオチド、25個以下のヌクレオチド、20個以下のヌクレオチド、15個以下のヌクレオチド等)を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、例えば、未修飾ヌクレオチドと比較して核酸ハイブリダイゼーション安定性を変化させるために、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、任意に少なくとも1つの標識部分及び任意に少なくとも1つのクエンチャー部分を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの標識部分及び少なくとも1つのクエンチャー部分は、蛍光部分である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの保存的に修飾された変異を含む。特定の核酸配列の「保存的に修飾された変異」若しくは単に「保存的変異」とは、同一若しくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、若しくは核酸がアミノ酸配列をコードしない場合、本質的に同一の配列を指す。当技術分野の当業者であれば、コードされた配列中の単一のヌクレオチド又は低いパーセント比率のヌクレオチド(典型的には5%未満、より典型的には4%、2%又は1%未満)を変更、付加又は欠失させる個々の置換、欠失又は付加は、修飾がアミノ酸の欠失、アミノ酸の付加、又は化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換をもたらす「保存的に修飾された変異」であることを認識するであろう。
一態様では、増幅は、5’-3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を用いることができる。したがって、第1及び第2の蛍光部分である標識部分及びクエンチャー部分は、プローブの長さに沿って互いに8ヌクレオチド以内であり得る。別の態様では、リボザイムドメイン及び/又はHDAg遺伝子プローブは、二次構造の形成を可能にする核酸配列を含む。そのような二次構造の形成は、一般に、第1の蛍光部分と第2の蛍光部分との間の空間的近接をもたらす。この方法によれば、プローブ上の第2の蛍光部分はクエンチャーであり得る。
一態様では、リボザイムドメイン及びHDAg遺伝子プローブは、レポーターとして作用する蛍光色素で標識され得る。プローブはまた、クエンチャーとして作用する第2の色素を有し得る。レポーター色素は、規定された波長で測定され、したがって、増幅されたHDVリボザイムドメイン及びHDAg遺伝子標的の検出及び識別を可能にする。インタクトなプローブの蛍光シグナルは、クエンチャー色素によって抑制される。PCRの増幅工程中、特定の一本鎖DNAテンプレートへのプローブのハイブリダイゼーションにより、DNAポリメラーゼの5’-3’ヌクレアーゼ活性による切断をもたらし、レポーター及びクエンチャー色素の分離、及び蛍光シグナルの発生をもたらす。各PCRサイクルに伴い、切断されたプローブの量は増加し、レポーター色素の累積シグナルはそれに伴って増加する。任意に、1つ以上の追加のプローブ(例えば、内部参照対照又は他の標的化プローブ(例えば、他のウイルス核酸))もまた、リボザイムドメイン及びHDAg遺伝子プローブに関連する蛍光色素標識とは独特かつ異なるレポーター蛍光色素で標識され得る。そのような場合、特定のレポーター色素が規定された波長で測定されるので、増幅された標的及び1つ以上の追加のプローブの同時検出及び識別が可能である。
本開示は、個体由来の生物学的試料中のHDV又はHDV核酸の存在又は非存在を検出する方法を提供する。これらの方法は、診断試験に使用するために、血清、血漿、全血、肝臓組織又はHDVが存在すると考えられる他の生体物質等の生物学的試料中のHDV又はHDV核酸の存在又は非存在を検出するために使用することができる。さらに、HDV又はHDV核酸を検出するために他の試料タイプを評価するために、当業者によって同じ試験を使用してもよい。そのような方法は、一般に、逆転写工程と、増幅する工程、及び検出可能なプローブ結合工程又は色素結合工程のいずれかを含む少なくとも1つのサイクリング工程とを行うことを含む。典型的には、増幅する工程は、核酸分子が試料中に存在する場合、試料を複数対のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させて1つ以上の増幅産物を生成することを含み、プローブ結合工程は、増幅産物を増幅産物に特異的な1つ以上の検出可能なプローブと接触させることを含み、色素結合工程は、増幅産物を二本鎖DNA結合色素と接触させることを含む。そのような方法はまた、増幅産物への二本鎖DNA結合色素の結合の存在若しくは非存在を検出することを含み、結合の存在は試料中にHDV又はHDV核酸が存在することを示し、結合の非存在は試料中にHDV又はHDV核酸が存在しないことを示す。代表的な二本鎖DNA結合色素は、臭化エチジウムである。他の核酸結合色素としては、DAPI、Hoechst色素、PicoGreen(登録商標)、RiboGreen(登録商標)、OliGreen(登録商標)、並びにYO-YO(登録商標)及びSYBR(登録商標)Green等のシアニン色素が挙げられる。さらに、そのような方法はまた、増幅産物と二本鎖DNA結合色素との間の融解温度を決定することを含み得、融解温度により、HDV又はHDV核酸の存在又は非存在が確認される。
さらなる態様では、HDVの1つ以上の標的核酸を検出するためのキットが提供される。一実施形態では、試料中のHDVの第1の標的核酸及びHDVの第2の標的核酸を検出するためのキットが提供され、該キットは、(a)5’-3’ヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼと、(b)ヌクレオチドモノマーと、(c)HDVの第1の標的核酸を検出するための第1のプライマーセット及び第1のプローブ又は第1のプローブセットであって、第1のプライマーセット及び第1のプローブ又は第1のプローブセットが、少なくとも、配列番号1~4の核酸配列及び配列番号1~4の任意の組み合わせを含むか又はそれらからなるフォワードプライマーと、少なくとも、配列番号5~6の核酸配列又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらからなるリバースプライマーとを含み、第1のプローブ又は第1のプローブセットが、配列番号7~8の核酸配列若しくはそれらの相補体、又は配列番号7~8の組み合わせ若しくはそれらの相補体を含む、HDVの第1の標的核酸を検出するための第1のプライマーセット及び第1のプローブ又は第1のプローブセットと、(d)HDVの第2の標的核酸を検出するための第2のプライマーセット及び第2のプローブ又は第2のプローブセットであって、第2のプライマーセット及び第2のプローブ又は第2のプローブセットが、少なくとも、配列番号9~10の核酸配列又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらからなるフォワードプライマーと、少なくとも、配列番号11~12の核酸配列又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらからなるリバースプライマーとを含み、第2のプローブ又は第2のプローブセットが、配列番号13~15の核酸配列若しくはそれらの相補体、又は配列番号13~15の任意の組み合わせ若しくはそれらの相補体を含む、HDVの第2の標的核酸を検出するための第2のプライマーセット及び第2のプローブ又は第2のプローブセットとを含む、増幅試薬を含む。一実施形態では、第1の標的核酸は、HDVリボザイムドメインであり、第2の標的核酸は、HDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子である。さらなる実施形態では、HDVの1つ以上の標的核酸を検出するためのキットが提供される。キットは、リボザイムドメイン標的及び/又はHDAg遺伝子標的の増幅に特異的なリボザイムドメイン及び/又はHDAg遺伝子プライマーの複数のセットと、それぞれの増幅産物の検出に特異的な1つ以上の検出可能なリボザイムドメイン及び/又はHDAg遺伝子プローブとを含み得る。キットは、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分で既に標識されたプローブを含むことができ、又はプローブを標識するための蛍光部分を含むことができる。キットはまた、ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、及び核酸ポリメラーゼの機能に必要な緩衝液を含み得る。キットはまた、添付文書並びにプライマー、プローブ及びフルオロフォア部分を使用して試料中のHDVの存在又は非存在を検出するための説明書を含み得る。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の方法及び材料が本主題の実施又は試験で使用され得るが、好適な方法及び材料が以下に記載される。加えて、材料、方法、及び実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。矛盾する場合は、定義をも含む本明細書が優先する。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に示されている。本発明の他の特徴、目的及び利点は、図面及び発明を実施するための形態、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、HDVリボザイムドメイン標的の増幅及び検出に使用されるプライマー及びプローブの、GenBankアクセッション番号AF 098261(HDV遺伝子型1)に対する相対位置を示す。 図2は、HDV HDAg遺伝子標的の増幅及び検出に使用されるプライマー及びプローブの、GenBankアクセッション番号AF098261に対する相対位置を示す。 図3は、それぞれ25、10、5、2、1及び0.5IU/mLレベルで24回反復するWHO HDV NATを使用してアッセイ感度を決定するための実施例4に記載された実験の結果を示す。 図4は、HDVアーマード(armored)RNA(arRNA)を100コピー/mL~1010コピー/mLの濃度で8回反復で試験したアッセイ直線性を決定するために実施例4に記載した実験の結果を示す。 図5は、陽性血漿試料からのHDV RNAを2.3E+00IU/mL~2.3E+05IU/mLの間で10倍希釈ごとに3回反復で試験したアッセイ直線性を決定するために実施例4に記載された実験の結果を示す。 図6は、実施例3に記載されるように、リボザイムドメイン及びHDAg遺伝子についてin vitro転写HDV遺伝子型1~8配列を使用して二重標的アッセイの包括性を決定するための実施例4に記載される実験の結果を示す。各遺伝子型を10コピー~10コピーの4log濃度範囲にわたって試験した。
核酸増幅によるHDV感染の診断は、ウイルス感染を迅速かつ正確に検出するための方法を提供する。試料中のHDVを検出するためのリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)アッセイを本明細書に記載する。HDVを検出するためのプライマー及びプローブが提供され、そのようなプライマー及びプローブを含有する製造品又はキットも提供される。他の方法と比較してHDVの検出のためのリアルタイムPCRの感度の上昇、並びに試料の封じ込め及び増幅産物のリアルタイム検出を含むリアルタイムPCRの機能が改善されたことにより、臨床検査室におけるHDV感染症の日常的な診断のためのこの技術の実施が実現可能になる。
デルタ型肝炎ウイルス(HDV)は、ウイルス粒子の形成のためにB型肝炎ウイルス(HBV)に依存する感染因子である。HDVゲノムは、立体配座が環状である約1700ヌクレオチド長の小さな一本鎖RNAである。ゲノムRNAは、約74%の塩基対合を使用して折り畳み、非分枝棒状構造を形成することができる。HDVゲノムの複製は、RNA中間体を含む対称的なローリングサークル機構を介して起こり、抗原として知られる新しいゲノム及び相補的RNA種の蓄積をもたらす。古典的なHDV感染では、HDVゲノム複製中に感染細胞あたり最大300,000コピーのゲノム及び100,000コピーの抗ゲノムが蓄積する。ゲノムRNA環及び抗ゲノムRNA環は、1700ヌクレオチド単位長より長い両極性の多量体鎖の生成のためのテンプレートとして作用すると考えられる。これらは、ゲノム及び抗ゲノムの両方に部位特異的リボザイム配列が存在するため、単位長RNAにプロセシングされる。リボザイム切断後、単位長RNAを連結して新しい環状RNA種を形成する。HDVはそれ自体のレプリカーゼをコードせず、その宿主内で自律的に複製することができることから、1つ以上の宿主RNAポリメラーゼはその複製のためにリダイレクトされる(Taylor and Pelchat,Future Microbiol 5:393-402,2010)。
約900ヌクレオチド長及び抗ゲノム極性の第3のHDV RNA種もまた、古典的HDVHBV感染において感染細胞あたり約500コピーで生成される。このRNAのオープンリーディングフレームは、195アミノ酸長のタンパク質をコードし、本開示では小デルタ抗原(S-HDAg)と呼ばれ、単にHDAgと呼ばれる。複製中、dsRNAに作用するアデノシンデアミナーゼは、HDAgの終止コドン中のアデノシンをイノシンに変換する。このアミノ酸変換は、終止コドンがトリプトファンをコードするmRNAの生成につながり、その結果、大デルタ抗原(L-HDAg)(Taylor and Pelchat,Future Microbiol 5:393-402,2010)と呼ばれる、C末端が19アミノ酸長い第2のウイルスタンパク質種が産生される。
多数の分離株の広範な配列分析は、異なる地理的分布を有する少なくとも8つの異なるクレードにおけるHDVの分類をもたらした。遺伝子型1は世界中で流行しており、他の遺伝子型は世界の様々な地域に固有である。遺伝子型2は、東南アジア、台湾、中国及び日本で見出される。遺伝子型3は、アマゾン川流域に固有のものである。遺伝子型4は、台湾及び日本で見出される。最後に、遺伝子型5~8は、アフリカで流行している。
開示される方法は、リボザイムドメインプライマーの1つ以上の対及び/又はHDAg遺伝子プライマーの1つ以上の対を使用して、試料からのHDVリボザイムドメイン核酸標的及びHDV HDAg遺伝子核酸標的の1つ以上の部分を増幅することを含む少なくとも1つのサイクリング工程を実施することを含み得る。本明細書で使用される場合、「リボザイムドメインプライマー」又は「HDAgプライマー」は、それぞれリボザイムドメイン及びHDAg遺伝子の核酸配列に特異的にアニーリングし、適切な条件下でそこからDNA合成を開始するオリゴヌクレオチドプライマーを指す。検討されるリボザイムドメイン又はHDAg遺伝子プライマーは各々、各増幅産物の少なくとも一部が標的に対応する核酸配列を含むように、それぞれの標的核酸分子内又はそれに隣接する標的にアニーリングする。1つ以上のリボザイムドメイン核酸及び/又はHDAg遺伝子核酸が試料中に存在することを条件として、1つ以上のリボザイムドメイン増幅産物及び/又はHDAg遺伝子増幅産物が生成され、したがって、これらの1つ以上の増幅産物の存在が試料中のHDVの存在を示す。増幅産物は、リボザイムドメイン又はHDAg遺伝子の1つ以上の検出可能なプローブに相補的な核酸配列を含まなければならない。各サイクリング工程は、増幅工程、ハイブリダイゼーション工程及び検出する工程を含み、試料を、試料中のHDVの存在又は非存在を検出するために、リボザイムドメイン又はHDAg遺伝子についての1つ以上の検出可能なプローブと接触させる。
本明細書で使用される場合、「増幅する」という用語は、テンプレート核酸分子の一方又は両方の鎖に相補的な核酸分子を合成するプロセスを指す(例えば、HDVリボザイムドメイン又はHDV HDAg遺伝子)。核酸分子を増幅することは、典型的には、テンプレート核酸を変性すること、プライマーの融解温度未満の温度でプライマーをテンプレート核酸にアニーリングすること、及びプライマーから酵素的に伸長して増幅産物を生成することを含む。増幅には、典型的には、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例えば、Platinum(登録商標)Taq)並びにポリメラーゼ酵素の最適な活性のための適切な緩衝液及び/又は補因子(例えば、MgCl及び/又はKCl)の存在が必要である。
本明細書で使用される「プライマー」という用語は、当業者に知られており、オリゴマー化合物、主にオリゴヌクレオチドだけでなく、テンプレート依存性DNAポリメラーゼによるDNA合成を「プライミング」することができる修飾オリゴヌクレオチド、すなわち、例えばオリゴヌクレオチドの3’末端が遊離3’-OH基を提供し、それによってデオキシヌクレオシド三リン酸が使用され、それによってピロリン酸が放出される3’~5’ホスホジエステル結合を確立するテンプレート依存性DNAポリメラーゼによって更に「ヌクレオチド」が結合され得ることを指す。したがって、おそらく意図された機能を除いて、「プライマー」、「オリゴヌクレオチド」、又は「プローブ」の間に基本的な違いはない。
「ハイブリダイズする」という用語は、増幅産物への1つ以上のプローブのアニーリングを指す。ハイブリダイゼーション条件は、典型的には、プローブの融解温度より低いが、プローブの非特異的ハイブリダイゼーションを回避する温度を含む。
「5’から3’へのヌクレアーゼ活性」という用語は、典型的には核酸鎖合成に関連し、それによってヌクレオチドが核酸鎖の5’末端から除去される核酸ポリメラーゼの活性を指す。
「熱安定性ポリメラーゼ」という用語は、熱安定性であるポリメラーゼ酵素を指し、該酵素は、テンプレートに相補的なプライマー伸長産物の形成を触媒し、二本鎖テンプレート核酸の変性をもたらすのに必要な時間にわたり高温に曝された場合、不可逆的には変性しない。一般に、合成は各プライマーの3’末端で開始され、テンプレート鎖に沿って5’から3’方向へ進行する。熱安定性ポリメラーゼは、例えば、サーマス・サーモフィルス(Thermus flavus)、T.ルーバー(T.ruber)、T.サーモフィルス(T.thermophilus)、T.アクアティカス(T.aquaticus)、T.ラクテウス(T.lacteus)、T.ルベンス(T.rubens)、バチルス・ステアロテルモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、及びメタノサーマス・フェルビダス(Methanothermus fervidus)から単離される。それにもかかわらず、酵素が補充されるならば、熱安定性でないポリメラーゼをPCRアッセイに使用することもできる。
「その相補体」という用語は、所与の核酸と同じ長さであり、正確に相補的である核酸を指す。
核酸に関して使用される場合の「伸長」又は「延長」という用語は、追加のヌクレオチド(又は他の類似の分子)が核酸に組み込まれる場合を指す。例えば、核酸は、典型的には核酸の3’末端にヌクレオチドを付加するポリメラーゼ等の生体触媒を組み込むヌクレオチドによって任意に伸長される。
2つ以上の核酸配列の状況における「同一」又は「パーセント同一性」という用語は、例えば、当業者に利用可能な配列比較アルゴリズムの1つを使用して、又は目視検査によって測定された最大の一致について、比較又はアラインした場合、同一であるか、又は同一のヌクレオチド特定のパーセンテージを有する2つ以上の配列又は部分配列を指す。パーセント配列同一性及び配列類似性の決定に適した例示的なアルゴリズムは、BLASTプログラムであり、例えば、Altschul et al.(1990)“Basic local alignment search tool”J.Mol.Biol.215:403-410、Gish et al.(1993)“Identification of protein coding regions by database similarity search”Nature Genet.3:266-272、Madden et al.(1996)“Applications of network BLAST server”Meth.Enzymol.266:131-141、Altschul et al.(1997)“Gapped BLAST and PSI-BLAST:a new generation of protein database search programs”Nucleic Acids Res.25:3389-3402、及びZhang et al.(1997)“PowerBLAST:A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation”Genome Res.7:649-656に記載されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
オリゴヌクレオチドの文脈における「修飾ヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチド配列のうちの少なくとも1つのヌクレオチドで、オリゴヌクレオチドに所望の特性を提供する異なるヌクレオチドによって置き換えられる変化を指す。本明細書中に記載されるオリゴヌクレオチドにおいて置換され得る例示的な修飾ヌクレオチドとしては、例えば、C5-メチル-dC、C5-エチル-dC、C5-メチル-dU、C5-エチル-dU、2,6-ジアミノプリン、C5-プロピニル-dC、C5-プロピニル-dU、C7-プロピニル-dA、C7-プロピニル-dG、C5-プロパルギルアミノ-dC、C5-プロパルギルアミノ-dU、C7-プロパルギルアミノ-dA、C7-プロパルギルアミノ-dG、7-デアザ-2-デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類縁体、擬似dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’-O-メチルリボーU、2’-O-メチルリボーC、N4-エチル-dC、N6-メチル-dA等が挙げられる。オリゴヌクレオチド中で置換され得る多くの他の修飾ヌクレオチドは、本明細書で言及されるか、又は当技術分野で知られている。特定の実施形態では、修飾ヌクレオチド置換は、対応する修飾されていないオリゴヌクレオチドの融解温度と比較して、該オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)を修飾する。更に説明すると、特定の修飾ヌクレオチド置換は、いくつかの実施形態では、非特異的核酸増幅(例えば、プライマーダイマー形成等を最小限に抑える)を減少させ、意図する標的アンプリコンの収率を増加させること等ができる。これらのタイプの核酸修飾の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,001,611号に記載されている。これらのタイプの核酸修飾の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,001,611号に記載されている。
本開示は、例えば、HDVリボザイムドメイン核酸配列及び/又はHDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子核酸配列の一部を増幅することによって、デルタ型肝炎ウイルス(HDV)を検出する方法を提供する。HDVの様々な遺伝子型及びサブ遺伝子型の核酸配列が利用可能である(例えば、遺伝子型1についてはGenBank受託番号AF098261、遺伝子型2についてはAF104264、遺伝子型3についてはAB037948、遺伝子型4についてはAB118820、遺伝子型5についてはAM183326、遺伝子型6についてはAM183332、遺伝子型7についてはAM183333、遺伝子型8についてはAM183330)。具体的には、リボザイムドメイン及びHDAg遺伝子核酸分子標的を増幅及び検出するためのプライマー及びプローブが、本開示の実施形態によって提供される。
HDVの検出のために、リボザイムドメイン及び/又はHDAg遺伝子を増幅するためのプライマー及びプローブが提供される。本明細書に例示されるもの以外のHDV核酸も、試料中のHDVを検出するために使用することができる。例えば、機能的変異体は、日常的な方法を使用して当業者によって特異度及び/又は感度について評価され得る。代表的な機能的変異体は、例えば、本明細書に開示されるHDV核酸における1つ以上の欠失、挿入及び/又は置換を含み得る。
より具体的には、オリゴヌクレオチドの実施形態はそれぞれ、配列番号1~20から選択される配列を有する核酸、配列番号1~20の1つと少なくとも、例えば80%、90%、若しくは95%の配列同一性を有するその実質的に同一の変異体、又は配列番号1~20の相補体及びその変異体を含む。
一実施形態では、HDVを含有すると疑われる生物学的試料中のHDVの検出を提供するために、HDVリボザイムドメイン及びHDAg遺伝子プライマー及びプローブの上述のセットが使用される。プライマー及びプローブのセットは、配列番号1~20の核酸配列を含むか又はそれからなる、リボザイムドメイン又はHDAg遺伝子核酸配列に特異的なプライマー及びプローブを含むか又はそれからなり得る。別の実施形態では、リボザイムドメイン及びHDAg遺伝子標的に対するプライマー及びプローブは、配列番号1~15のプライマー及びプローブのいずれかの機能的に活性な変異体を含むか、又はそれからなる。
配列番号1~20のプライマー及び/又はプローブのいずれかの機能的に活性な変異体は、開示される方法においてプライマー及び/又はプローブを使用することによって同定され得る。配列番号1~20のいずれかのプライマー及び/又はプローブの機能的に活性な変異体は、記載された方法又はキットにおいて、配列番号1~20のそれぞれの配列と比較して、同様又はより高い特異性及び感度を提供するプライマー及び/又はプローブに関する。
変異体は、例えば、配列番号1~20のそれぞれの配列の5’末端及び/又は3’末端における1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失又は置換等の1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失又は置換によって、配列番号1~20の配列から変化し得る。上に詳述したように、プライマー(及び/又はプローブ)は化学的に修飾されていてもよく、すなわち、プライマー及び/又はプローブは修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチド化合物を含んでいてもよい。したがって、プローブ(又はプライマー)は修飾オリゴヌクレオチドである。「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類縁体」)は、いくつかの修飾によって天然の「ヌクレオチド」とは異なるが、依然として、塩基若しくは塩基様化合物、ペントフラノシル糖若しくはペントフラノシル糖様化合物、リン酸部分若しくはリン酸様部分、又はそれらの組み合わせからなる。例えば、「ヌクレオチド」の塩基部分に「標識」を付着させて、「修飾ヌクレオチド」を得ることができる。「ヌクレオチド」中の天然塩基はまた、例えば、7-デスアザプリンによって置き換えられてもよく、それによっても同様に「修飾ヌクレオチド」が得られる。「修飾ヌクレオチド」又は「ヌクレオチド類縁体」という用語は、本出願において互換的に使用される。「修飾ヌクレオシド」(又は「ヌクレオシド類縁体」)は、「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類縁体」)について上に概説したような様式で、いくらかの修飾により天然のヌクレオシドとは異なる。
リボザイムドメイン又はHDAg遺伝子核酸配列から核酸分子を増幅する修飾オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類縁体を含むオリゴヌクレオチドは、例えば、OLIGO(Molecular Biology Insights Inc.、コロラド州カスケード)等のコンピュータプログラムを使用して設計することができる。増幅プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドを設計する際の重要な特徴としては、検出(例えば、電気泳動によって)を容易にするための適切なサイズの増幅産物、一対のプライマーのメンバーに対する同様の融解温度、及び各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異性でアニーリングし、合成を開始するのに十分な長さである必要があるが、オリゴヌクレオチド合成中に忠実度が低下するほど長くはない)が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーは8~50ヌクレオチド長(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48又は50ヌクレオチド長)である。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、最大30、35、又は40ヌクレオチド長であり得る。
プライマーのセットに加えて、本方法は、HDVの存在若しくは非存在を検出するために1つ以上のプローブを使用し得る。「プローブ」という用語は、合成的又は生物学的に生成された核酸(DNA又はRNA)を指し、これは、設計又は選択により、定義された所定のストリンジェンシーの下で、HDVリボザイムドメイン(標的)核酸及び/又はHDV HDAg遺伝子(標的)核酸に特異的に(すなわち、優先的に)ハイブリダイズすることを可能にする特定のヌクレオチド配列を含む。「プローブ」は、標的核酸を検出することを意味する「検出プローブ」と呼ぶこともできる。
いくつかの実施形態では、記載されるリボザイムドメイン及びHDAg遺伝子プローブは、少なくとも1つの蛍光標識で標識することができる。一実施形態では、リボザイムドメイン及びHDAg遺伝子プローブは、ドナー蛍光部分、例えば蛍光色素、及び対応するアクセプター蛍光部分、例えばクエンチャーで標識することができる。一実施形態では、プローブは蛍光部分を含むか又はそれからなり、核酸配列は配列番号7、8、13、14及び15を含むか又はそれからなる。
プローブとして使用されるオリゴヌクレオチドの設計は、プライマーの設計と同様の様式で行うことができる。実施形態は、増幅産物の検出のために単一のプローブ又は一対のプローブを使用することができる。実施形態に応じて、使用するプローブ(複数可)は、少なくとも1種の標識及び/又は少なくとも1種のクエンチャー部分を含み得る。プライマーと同様に、プローブは通常、同様の融解温度を有し、各プローブの長さは、配列特異的ハイブリダイゼーションが起こるのに十分でなければならないが、合成中に正確性が低下するほど長くはない。オリゴヌクレオチドプローブは、一般に15~30(例えば、16、18、20、21、22、23、24、又は25)ヌクレオチド長である。いくつかの例では、オリゴヌクレオチドプローブは、最大30、35、又は40ヌクレオチド長であり得る。
HDV核酸分子を含有するコンストラクトを、宿主細胞内で増殖させ得る。本明細書で使用される場合、宿主細胞という用語は、原核生物及び真核生物、例えば酵母、植物及び動物細胞を含むことを意味する。原核生物宿主には、大腸菌(E.coli)、サルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)及びバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)が含まれ得る。真核生物宿主としては、S.セレビシエ(S.cerevisiae)、S.ポンベ(S.pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)等の酵母、COS細胞又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞等の哺乳動物細胞、昆虫細胞、並びにアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)及びニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)等の植物細胞が挙げられる。コンストラクトを、当業者に一般的に知られている技術のいずれかを使用して宿主細胞に導入することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、熱ショック、リポフェクション、マイクロインジェクション及びウイルス媒介核酸移入は、核酸を宿主細胞に導入するための一般的な方法である。さらに、ネイキッドDNAを細胞に直接送達することができる(例えば、米国特許第5,580,859号及び同第5,589,466号)。
米国特許第4,683,202号、同第4,683,195号、同第4,800,159号及び同第4,965,188号には、従来のPCR技術が開示されている。PCRは、典型的には、選択された核酸テンプレート(例えば、DNA又はRNA)に結合する2種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いる。いくつかの実施形態において有用なプライマーには、記載されたHDVリボザイムドメイン核酸配列(例えば、配列番号1~6)及びHDV HDAg遺伝子核酸配列(例えば、配列番号9~12)内の核酸合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドが含まれる。プライマーは、従来の方法によって制限消化物から精製され得るか、又は合成的に生成され得る。プライマーは増幅における最大効率には一本鎖が好ましいが、プライマーは二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは、最初に変性される、すなわち、鎖を分離するために処理される。二本鎖核酸を変性させる1つの方法は、加熱によるものである。
テンプレート核酸が二本鎖である場合、PCRでテンプレートとして使用され得る前に、二本の鎖を分離することが必要である。鎖分離は、物理的、化学的、又は酵素的手段を含む任意の好適な変性方法によって達成することができる。核酸鎖を分離する1つの方法は、核酸が優位に変性する(例えば、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%を超える変性)まで加熱することを含む。テンプレート核酸を変性させるのに必要な加熱条件は、例えば、緩衝塩濃度、並びに変性される核酸の長さ及びヌクレオチド組成に依存するが、典型的には、温度及び核酸長等の反応の特徴に応じて、約90℃~約105℃の範囲である。変性は、典型的には、約30秒間~4分間(例えば、1分~2分30秒、又は1.5分)行われる。
二本鎖のテンプレート核酸が熱により変性された場合、反応混合物を、記載されるリボザイムドメイン及びHDAg遺伝子核酸分子上のその標的配列に対する各プライマーのアニーリングを促進する温度まで冷却させる。アニーリングの温度は、通常、約35℃~約65℃、(例えば、約40℃~約60℃、約45℃~約50℃)である。アニーリング時間は、約10秒~約1分(例えば、約20秒~約50秒、約30秒~約40秒)であり得る。次いで、ポリメラーゼの活性が促進又は最適化される温度、すなわち、アニーリングされたプライマーから伸長が起こって、テンプレート核酸に相補的な生成物を生成するのに充分な温度に、反応混合物を調節する。温度は、核酸テンプレートにアニーリングされた各プライマーから伸長生成物を合成するのに充分でなくてはならないが、その相補的なテンプレートから伸長生成物を変性させるほど高くすべきではない(例えば、伸長のための温度は、概して、約40℃~約80℃(例えば、約50℃~約70℃、約60℃)の範囲である)。伸長時間は、約10秒~約5分(例えば、約30秒~約4分、約1分~約3分、約1分30秒~約2分)であり得る。
PCRアッセイは、HDV核酸、例えばRNA又はDNA(cDNA)を使用することができる。テンプレート核酸は精製される必要はなく、ヒト細胞に含まれるHDV核酸等の複合混合物の微量画分であり得る。HDV核酸分子は、Diagnostic Molecular Microbiology:Principles and Applications(Persing et al.(eds),1993,American Society for Microbiology,Washington D.C.)に記載されているもの等の通例の技術によって生物学的試料から抽出され得る。核酸は、任意の数の供給源、例えばプラスミド、あるいは細菌、酵母、ウイルス、細胞小器官、又は植物若しくは動物等の高等生物を含む天然供給源から得ることができる。
オリゴヌクレオチドプライマー(例えば、配列番号1~6及び9~12)を、プライマー伸長を誘導する反応条件下でPCR試薬と組み合わせる。例えば、鎖伸長反応物には、一般に、50mM KCl、10mM Tris-HCl(pH8.3)、15mM MgCl、0.001%(w/v)ゼラチン、0.5~1.0μgの変性されたテンプレートDNA、50pmolの各オリゴヌクレオチドプライマー、2.5UのTaqポリメラーゼ、及び10%DMSO)が含まれる。反応物は、通常、それぞれ150~320μMのdATP、dCTP、dTTP、dGTP、又はそれらの1つ以上の類縁体を含む。
新規に合成された鎖は、反応の後続工程で使用できる二本鎖分子を形成する。鎖分離、アニーリング及び伸長の工程は、標的リボザイムドメイン及び/又はHDAg遺伝子核酸分子に対応する所望の量の増幅産物を生成するために必要に応じて頻繁に繰り返すことができる。反応の制限因子は、反応物中に存在するプライマー、熱安定性酵素、及びヌクレオシド三リン酸の量である。サイクリング工程(すなわち、変性、アニーリング、及び伸長)は、好ましくは少なくとも1回繰り返される。検出での使用では、サイクリング工程の数は、例えば、試料の性質に応じる。試料が核酸の複雑な混合物である場合、検出に充分な標的配列を増幅するために、より多くのサイクリング工程が必要となる。一般に、サイクリング工程は少なくとも約20回繰り返されるが、40、60、又は100回でさえ繰り返され得る。
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号、同第5,565,322号、同大5,849,489号、同第6,162,603号)は、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分が互いに一定の距離内に配置されると、可視化できるか又は他の方法で検出及び/又は定量することができる、2つの蛍光部分間でエネルギー移動が起こるという概念に基づいている。典型的に、ドナーは好適な波長の光照射によって励起されると、アクセプターにエネルギーを移動させる。典型的に、アクセプターは移動されたエネルギーを異なる波長の光照射の形態で再発光する。特定の系では、非蛍光エネルギーは、実質的に非蛍光のドナー部分(例えば、米国特許第7,741,467号を参照)を含む生体分子を介して、ドナー部分とアクセプター部分との間で移動され得る。
一例では、オリゴヌクレオチドプローブは、ドナー蛍光部分と、蛍光性であってもなくてもよく、光以外の形態で移動されたエネルギーを散逸させる対応するクエンチャーとを含有することができる。プローブがインタクトである場合、エネルギー移動が、典型的には、2つの蛍光部分の間で起こり、その結果、ドナー蛍光部分からの蛍光発光が消光される。ポリメラーゼ連鎖反応の伸長工程中、増幅産物に結合したプローブは、ドナー蛍光部分の蛍光発光がもはやクエンチされないように、例えばTaqポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって切断される。この目的のための例示的なプローブは、例えば、米国特許第5,210,015号、同第5,994,056号、及び同第6,171,785号に記載されている。一般的に使用されるドナー-アクセプター対は、FAM-TAMRA対を包含する。一般的に使用されるクエンチャーは、DABCYL及びTAMRAである。一般的に使用されるダーククエンチャーには、BlackHole Quenchers(商標)(BHQ)、(Biosearch Technologies,Inc.、Novato、Cal.)、Iowa Black(商標)(Integrated DNA Tech.,Inc.、Coralville、Iowa)、BlackBerry(商標)Quencher 650(BBQ-650)(Berry&Assoc.、Dexter、Mich.)が含まれる。
別の例では、それぞれが蛍光部分を含有する2つのオリゴヌクレオチドプローブは、HDV標的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドプローブの相補性によって決定される特定の位置で増幅産物にハイブリダイズすることができる。オリゴヌクレオチドプローブが適切な位置で増幅産物の核酸にハイブリダイゼーションすると、FRETシグナルを発生する。ハイブリダイゼーション温度は、約10秒間~約1分間、約35℃~約65℃の範囲であり得る。
蛍光分析は、例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(適切なダイクロイックミラー及び特定の範囲での蛍光発光をモニターするためのフィルタを備える)、光子計数光電子増倍管システム、又は蛍光光度計を使用して行うことができる。エネルギー移動を開始するため、又は蛍光体の直接検出を可能にするための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アークランプ、光ファイバー光源、又は所望の範囲の励起のために適切にフィルタリングされた他の高強度光源を用いて行うことができる。
ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分「対応する」に関して本明細書で使用される場合、ドナー蛍光部分の発光スペクトルと重複する吸光度スペクトルを有するアクセプター蛍光部分を指す。アクセプター蛍光部分の発光スペクトルの波長最大値は、ドナー蛍光部分の励起スペクトルの波長最大値よりも少なくとも100nm大きくなければならない。したがって、それらの間で効率的な非照射エネルギー移動を行うことができる。
蛍光ドナー部分及び対応するアクセプター部分は、一般に、(a)高効率Forsterエネルギー移動、(b)大きな最終ストークスシフト(>100nm)、(c)可能な限り可視スペクトルの赤色部分(>600nm)への発光のシフト;及び(d)ドナー励起波長での励起によって生じるラマン水蛍光発光よりも高い波長への発光のシフトのために選択される。例えば、レーザー線付近のその最大励起波長(例えば、ヘリウム-カドミウム442nm又はアルゴン488nm)、高い吸光係数、高い量子収率、及びその蛍光発光に対応するアクセプター蛍光部分の励起スペクトルとの良好な重複を有するドナー蛍光部分を選択することができる。高い吸光係数、高い量子収率、ドナー蛍光部分の発光とのその励起の良好な重複、及び可視スペクトルの赤色部分(>600nm)の発光を有する対応するアクセプター蛍光部分を選択することができる。
FRET技術において様々なアクセプター蛍光部分と共に使用することができる代表的なドナー蛍光部分としては、フルオレセイン、ルシファーイエロー、B-フィコエリトリン、9-アクリジンイソチオシアネート、ルシファーイエローVS、4-アセトアミド-4’-イソチオ-シアナトスチルベン-2、2’-ジスルホン酸、7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン、スクシンミル1-ピレンブチレート、及び4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸誘導体が挙げられる。代表的なアクセプター蛍光部分としては、使用されるドナー蛍光部分に応じて、LC Red 640、LC Red 705、Cy5、Cy5.5、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンxイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、ジエチレントリアミンペンタアセテート、又はランタニドイオンの他のキレート(例えば、ユウロピウム、又はテルビウム)が挙げられる。ドナー蛍光部分及びアクセプター蛍光部分は、例えば、Molecular Probes(オレゴン州ジャンクションシティ)又はSigma Chemical Co.(ミズーリ州セントルイス)から得ることができる。
ドナー蛍光部分及びアクセプター蛍光部分を、リンカーアームを介して適切なプローブオリゴヌクレオチドに結合することができる。リンカーアームはドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分との間の距離に影響を及ぼすので、各リンカーアームの長さは重要である。リンカーアームの長さは、ヌクレオチド塩基から蛍光部分までのオングストローム(Å)の距離であり得る。一般に、リンカーアームは約10Å~約25Åである。リンカーアームは、国際公開第84/03285号に記載されている種類のものであってもよい。国際公開第84/03285号はまた、リンカーアームを特定のヌクレオチド塩基に結合させる方法、及び蛍光部分をリンカーアームに結合させる方法も開示している。
LC Red 640等のアクセプター蛍光部分を、アミノリンカー(例えば、ABI(カリフォルニア州フォスターシティ)又はGlen Research(バージニア州スターリング)から入手可能なC6-アミノホスホラミダイト)を含有するオリゴヌクレオチドと組み合わせて、例えば、LC Red 640標識オリゴヌクレオチドを生成することができる。フルオレセイン等のドナー蛍光部分をオリゴヌクレオチドにカップリングするために頻繁に使用されるリンカーとしては、チオ尿素リンカー(FITC由来、例えばGlen Research又はChemGene(Ashland、Mass.)製のフルオレセイン-CPG)、アミド-リンカー(フルオレセイン-NHS-エステル由来、例えば、BioGenex(San Ramon、Calif.)製のCX-フルオレセイン-CPG)、又はオリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン-NHS-エステルのカップリングを必要とする3’-アミノ-CPGが挙げられる。
デルタ型肝炎ウイルスの検出
本開示は、生物学的試料又は非生物学的試料中のデルタ型肝炎ウイルス(HDV)の存在又は非存在を検出するための方法を提供する。提供される方法は、試料の汚染、偽陰性、及び偽陽性の問題を回避する。この方法は、複数対のリボザイムドメイン及び/又はHDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子プライマーを使用して、試料由来のHDVリボザイムドメイン及び/又はHDAg遺伝子標的核酸分子の一部を増幅することを含む少なくとも1つのサイクリング工程と、FRET検出する工程とを実施することを含む。複数のサイクリング工程は、好ましくはサーモサイクラーで実施される。方法は、リボザイムドメイン及び/又はHDAg遺伝子プライマー及びプローブを使用してHDVの存在を検出するために実施することができ、HDVリボザイムドメイン及び/又はHDV HDAg遺伝子の検出は、試料中のHDVの存在を示す。
本明細書に記載されているように、増幅産物は、FRET技術を活用する標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用して検出され得る。1つのFRETフォーマットは、TaqMan(登録商標)技術を利用して、増幅産物の存在若しくは非存在、したがって、HDVの存在若しくは非存在を検出する。TaqMan(登録商標)技術は、例えば、1種の蛍光色素及び1種のクエンチャーで標識された1種の1本鎖ハイブリダイゼーションプローブを利用し、これは蛍光性であってもよく、蛍光性でなくてもよい。第1の蛍光部位が好適な波長の光で励起されると、吸収されたエネルギーはFRETの原理に従って第2の蛍光部位に移動される。第2の蛍光部位は、一般的には、クエンチャー分子である。PCR反応のアニーリングステップ中、標識されたハイブリダイゼーションプローブは、標的DNA(すなわち、増幅産物)に結合し、その後の伸長段階中に、例えばTaqポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって分解される。その結果、蛍光部分とクエンチャー部分とが互いに空間的に分離される。結果として、クエンチャーの非存在下で第1の蛍光部分を励起すると、第1の蛍光部分からの蛍光発光が検出され得る。例として、ABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム(Applied Biosystems)は、TaqMan(登録商標)技術を使用し、試料中のHDVの存在若しくは非存在を検出するための本明細書に記載の方法を実施するのに適している。
FRETと組み合わせた分子ビーコンを使用して、リアルタイムPCR法を使用した増幅産物の存在を検出することもできる。分子ビーコン技術は、第1の蛍光部位及び第2の蛍光部位で標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用する。第2の蛍光部位は一般的にはクエンチャーであり、蛍光標識は典型的にはプローブの各端部に配置される。分子ビーコン技術は、二次構造形成を可能にする配列(例えば、ヘアピン)を有するプローブオリゴヌクレオチドを使用する。プローブ内で二次構造が形成された結果、プローブが溶液中にある場合、両方の蛍光部位が空間的に近接する。標的核酸(すなわち、増幅産物)へのハイブリダイゼーション後、プローブの二次構造が破壊され、蛍光部分が互いに分離され、それにより、適切な波長の光による励起後、第1の蛍光部分の発光を検出することができる。
FRET技術の別の一般的な形式は、2つのハイブリダイゼーションプローブを利用する。各プローブは、異なる蛍光部分で標識され得、一般に、標的DNA分子(例えば、増幅産物)内で互いに近接してハイブリダイズするように設計される。ドナー蛍光部分、例えばフルオレセインは、LightCycler(登録商標)機器の光源によって470nmで励起される。FRETの間、フルオレセインは、そのエネルギーをアクセプター蛍光部分、例えばLightCycler(登録商標)-Red640(LC Red640)又はLightCycler(登録商標)-Red705(LC Red705)に移動する。次いで、アクセプター蛍光部分は、より長い波長の光を発し、これはLightCycler(登録商標)機器の光学検出システムによって検出される。効率的なFRETは、蛍光部分が直接局所的に近接しており、ドナー蛍光部分の発光スペクトルがアクセプター蛍光部分の吸収スペクトルと重複している場合にのみ起こり得る。放出されたシグナルの強度は、元の標的DNA分子の数(例えば、HDVゲノムの数)と相関させることができる。HDV標的核酸の増幅が起こり、増幅産物が生成される場合、ハイブリダイズする工程は、プローブ対のメンバー間のFRETに基づく検出可能なシグナルをもたらす。
一般に、FRETの存在は、試料中のHDVの存在を示し、FRETの非存在は、試料中のHDVの非存在を示す。しかしながら、不十分な検体収集、輸送遅延、不適切な輸送条件、又はある特定の収集スワブ(アルギン酸カルシウム又はアルミニウムシャフト)の使用はいずれも、試験結果の成功及び/又は精度に影響を及ぼし得る条件である。本明細書に開示される方法を使用すると、例えば45サイクリングステップ内にFRETを検出すると、HDVに感染していることを示す。
本方法の実施に使用することができる代表的な生物学的試料としては、限定されないが、血液、血漿、血清、肝臓試料、皮膚スワブ、鼻腔スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚及び軟部組織感染が挙げられる。生物学的試料の収集及び保存方法は、当業者に知られている。生物学的試料を(例えば、当技術分野で知られている核酸抽出方法及び/又はキットによって)処理してHDV核酸を放出させることができ、又はいくつかの場合、生物学的試料をPCR反応成分及び適切なオリゴヌクレオチドと直接接触させることができる。
融解曲線分析は、サイクリングプロファイルに含められ得る追加の工程である。融解曲線分析は、DNA二本鎖の半分が一本鎖に分離した温度として定義される融解温度(Tm)と呼ばれる特徴的な温度でDNAが融解するという事実に基づいている。DNAの融解温度は、主にそのヌクレオチド組成に依存する。したがって、G及びCヌクレオチドが豊富なDNA分子は、A及びTヌクレオチドが豊富なDNA分子よりも高いTmを有する。シグナルが失われる温度を検出することにより、プローブの融解温度を決定することができる。同様に、シグナルが発生する温度を検出することによって、プローブのアニーリング温度は決定され得る。それぞれの増幅産物からのリボザイムドメイン及びHDAg遺伝子プローブの融解温度(複数可)は、試料中のHDVの存在又は非存在を確認することができる。
各サーモサイクラーを運転している間に、対照試料も同様にサイクルされ得る。陽性対照試料は、例えば、対照プライマー及び対照プローブを使用して、(記載された標的遺伝子の増幅産物以外の)標的核酸対照テンプレートを増幅することができる。陽性対照試料はまた、例えば標的核酸分子を含むプラスミドコンストラクトを増幅することができる。そのようなプラスミド対照は、意図された標的の検出に使用されるのと同じプライマー及びプローブを使用して、内部で(例えば、試料内で)又は患者の試料と並んで実行される別々の試料で増幅することができる。そのような対照は、増幅、ハイブリダイゼーション及び/又はFRET反応の成功又は失敗の指標である。各サーモサイクラー実行はまた、例えば標的テンプレートDNAを欠く陰性対照を含むことができる。陰性対照は汚染を測定することができる。これにより、システム及び試薬が偽陽性シグナルを生じないことが保証される。したがって、対照反応は、例えば、プライマーが配列特異性によりアニールし、伸長を開始する能力、並びにプローブが配列特異性によりハイブリダイズし、FRETが発生する能力を容易に決定することができる。
一実施形態では、本方法は、汚染を回避する工程を含む。例えば、ウラシル-DNAグリコシラーゼを利用する酵素的方法は、あるサーモサイクラー運転と次のサーモサイクラー運転との間の汚染を低減又は排除するために、米国特許第5,035,996号、同第5,683,896号及び同第5,945,313号に記載される。
FRET技術と組み合わせた従来のPCR法を使用して、方法を実践することができる。一実施形態では、LightCycler(登録商標)機器が使用される。以下の特許出願は、LightCycler(登録商標)技術で使用されるリアルタイムPCRを記載している:国際公開第97/46707号、国際公開第97/46714号及び国際公開第97/46712号。
LightCycler(登録商標)は、PCワークステーションを使用して動作され得、Window NTオペレーティングシステムを利用し得る。試料からのシグナルは、機械が光学ユニット上にキャピラリを順次配置するときに得られる。ソフトウェアは、各測定の直後にリアルタイムで蛍光シグナルを表示することができる。蛍光取得時間は10~100ミリ秒(msec)である。各サイクリング工程の後、蛍光対サイクル数の定量的表示を、全ての試料について連続的に更新することができる。生成されたデータは、さらなる分析のために保存され得る。
FRETの代替として、蛍光DNA結合色素(例えば、SYBR(登録商標)Green又はSYBR(登録商標)Gold(Molecular Probes))等の二本鎖DNA結合色素を使用して、増幅産物は検出され得る。二本鎖核酸と相互作用すると、このような蛍光DNA結合色素は、適当な波長の光での励起後に、蛍光シグナルを発する。また、核酸インターカレート色素等の二本鎖DNA結合色素を用いることもできる。二本鎖DNA結合色素を使用する場合、増幅産物の存在を確認するために、通常は融解曲線分析を行う。
本開示の実施形態は、1つ以上の市販の機器の構成によって限定されないことが理解される。
製造品/キット
本開示の実施形態は、HDVを検出するための製造品、組成物若しくはキットを更に提供する。製造品は、適切な包装材料と共に、HDVを検出するために使用されるプライマー及びプローブを含み得る。HDVを検出するための代表的なプライマー及びプローブは、HDV標的核酸分子(例えば、HDVリボザイムドメイン及び/又はHDV HDAg遺伝子)にハイブリダイズすることができる。さらに、キットはまた、固体支持体、緩衝液、酵素、及びDNA標準等、DNA固定化、ハイブリダイゼーション、及び検出に必要な適切に包装された試薬及び材料を含み得る。プライマー及びプローブを設計する方法が本明細書に開示され、増幅してHDV標的核酸分子にハイブリダイズするプライマー及びプローブの代表的な例が提供される。
製造品はまた、プローブを標識するための1つ以上の蛍光部分を含み得るか、あるいは、キットと共に供給されるプローブは標識化され得る。例えば、製造品は、HDVリボザイムドメイン及び/又はHDV HDAg遺伝子プローブを標識するためのドナー及び/又はアクセプター蛍光部分を含み得る。好適なFRETドナー蛍光部分及び対応するアクセプター蛍光部分の例は上に提供されている。
製造品はまた、試料中のHDVを検出するためにHDVリボザイムドメイン及び/又はHDV HDAg遺伝子プライマー及びプローブを使用するための説明書を有する添付文書又は包装ラベルを含むことができる。製造品は、本明細書に開示されている方法を実施するための試薬(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、補因子、又は汚染を防止するための薬剤)を更に含み得る。そのような試薬は、本明細書に記載されている市販の機器のうちの1つに特異的であり得る。
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定しない以下の実施例において更に説明される。
以下の実施例及び図は、主題の理解を助けるために提供されており、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の趣旨から逸脱することなく、記載されている手順に修飾が加えられ得ることが理解される。
実施例1
HDV遺伝子標的
図1は、HDVリボザイムドメイン標的の増幅及び検出に使用されるプライマー及びプローブの、GenBankアクセッション番号AF098261(HDV遺伝子型1)に対する相対位置を示す。図2は、HDV HDAg遺伝子標的の増幅及び検出に使用されるプライマー及びプローブの、GenBankアクセッション番号AF098261に対する相対位置を示す。
実施例2
PCR実験条件
リボザイムドメイン標的又はHDAg遺伝子のリアルタイムPCR検出を、cobas(登録商標)6800/8800システム(カリフォルニア州プレザントンのRoche Molecular Systems,Inc.)を使用して行った。増幅試薬の最終濃度を以下に示す:

以下の表は、PCR増幅反応に使用される典型的な熱プロファイルを示す:
Pre-PCRプログラムは、初期変性及びRNAテンプレートの逆転写のための55°C、60°C及び65°Cでのインキュベーションを含んでいた。3種の温度でのインキュベーションは、より低い温度ではわずかにミスマッチした標的配列(生物の遺伝的変異体等)も転写されるが、より高い温度ではRNA二次構造の形成が抑制され、したがって、より効率的な転写をもたらすという有利な効果を併せ持つ。PCRサイクリングを2つの測定に分け、いずれの測定も1段階の設定を適用する(アニーリングと伸長を組み合わせる)。55℃での最初の5サイクルは、わずかに不一致な標的配列を予備増幅することによって包括性の向上を可能にするが、第2の測定の45サイクルは、58℃のアニーリング/伸長温度を使用することによって特異度を高める。
実施例3
材料及び方法
試料:HDVアーマードRNA(arRNA)、市販のHDV陽性血漿及び血清試料、WHO HDV IS標準(PEIコード番号7657/12)、カスタム収集ヒトボランティアドナーHBV/HCV/HIV陰性プール血漿、及びヒトボランティアドナーHBV/HCV/HIV陰性プール血清(SeraCare)を試験に使用した。HDV陽性血清及び血漿試料をBoca Biologicsから得た。
HDV RNAアッセイ:アッセイ設計のため、HDV RNAゲノム上のリボザイム及びHDAg標的領域を選択した(図1及び図2)。HDV配列をGenbankからダウンロードし、整列させ、遺伝子型包括的プライマー及びプローブを設計した。0.5mLの試料体積をcobas(登録商標)6800 System(Roche Molecular Systems,Inc.)で抽出した。抽出した試料を50μLで溶出した。25μLの試料を、一般的なRNAマスターミックス及び一般的な熱プロファイルをcobas(登録商標)6800システムで使用して増幅するために使用した。HDVアッセイのためにカスタム最適化されたパラメータを有するアルゴリズム試験フレームワーク(ATF)ソフトウェアを使用してデータを分析した。
In-vitro RNA転写:HDV配列(遺伝子型1~8)をGenbankからダウンロードした。リボザイム及びHDAg標的にまたがる配列をpSP6-ポリAベクター(Integrated DNA technologies,Inc.)にクローニングした。クローン化配列をDNA配列決定によって検証した。SP6プロモーターベースのMegaScript増幅キット(ThermoFisher)を使用して、クローン化配列を有するプラスミドをin-vitro転写反応に使用した。In-vitro RNA転写物をMegaClearキット(ThermoFisher)によって精製し、HDV液滴デジタルPCRアッセイによってコピー数を決定した。
HDVアッセイ性能研究:アッセイ直線性を、HDV arRNA及びHDV陽性血漿試料を使用して決定した。WHO HDV NAT標準をキャリブレータとして使用して、IU/mLで直線性を報告した。線形性データを多項式回帰によって分析した。検出限界(LOD)に関するアッセイ感度を、25、10、5、2、1及び0.5IU/mLレベルでそれぞれ24回反復するWHO HDV NAT標準を使用して決定した。HBV/HCV/HIV陰性プール血漿を対照として使用した。LODデータをプロビットによって分析した。HBV/HCV/HIV陰性プール血漿及び陰性プール血清の複数の複製物(n=92)を使用して、アッセイ特異性を決定した。
In-silico包括性及び排他性:HDV二重標的アッセイによってin-silicoで検出されたHDV配列をGenbankからダウンロードし、整列させ、Geneious bioinformaticsソフトウェア(genious biologics)を使用して系統解析(ブートストラップ=100)を構築した。排他性のために、HDV二重標的アッセイプライマー及びプローブを、局所データベース中のHAV、HBV、HCV、HEV、及びHIV配列との交差反応性について整列させた。
血漿分離カード(PSC):全血をEDTA試料収集管に収集した。HDVアーマード対照、HDV血漿、及びHDV WHO IS等の試料を、指定された濃度で全血にスパイクした。PSC試料を調製するために、140mLの全血(スパイクインHDVあり又はなし)をスポッティング領域内の1cm円上にスポットした。試料スポッティング後、PSCを室温で4時間放置し、次いで4gの乾燥剤を含むジップロックバッグ中に保った。分析前に、PSCを含む全てのバッグを様々な温度(周囲温度、-20℃、45℃)で保存した。
実施例4
実験結果
二重標的アッセイの性能をいくつかの手段によって評価した。アッセイ感度の決定は、Gal et al.,Hepatology,2016,Vol.64,No.5,p.1483-1494(それぞれ25、10、5、2、1及び0.5IU/mLレベルで24回反復)に記載されるWHO HDV NAT標準を使用して実施した。図3は、ヒット率及びプロビットカーブフィットから1.11IU/mLであると決定された検出限界(LOD)を用いたこの実験の結果を示す。
アッセイ直線性は、2種類の試料を用いて決定した。最初に、HDVアーマードRNA(arRNA)を、100コピー/mL~1010コピー/mLの濃度で8回反復で試験した。結果を図4に示す。平均Ct値は、1010コピー/mLの9.0から100コピー/mLの34.96の範囲であり、8logを超える広い範囲にわたって正確な定量を観察することができた。次に、陽性血漿試料からのHDV RNAを、2.3E+00IU/mL~2.3E+05IU/mLの間で10倍希釈ごとに3回反復で試験した。図5に見られるように、平均Ct値は20.38から36.49の間の範囲であり、臨床HDV試料を用いたHDVの正確な定量を、広い範囲(>5log)にわたって観察することができた。
二重標的アッセイの包括性の実験的決定を、実施例3に記載されるように、リボザイムドメイン及びHDAg遺伝子についてのin vitro転写HDV遺伝子型1~8配列を使用して行った。各遺伝子型を10コピー~10コピーの4log濃度範囲にわたって試験した。結果を図6に示し、多くの実験室で開発されたHDV試験とは異なり、本発明の二重標的アッセイが8つのHDV遺伝子型全てを検出することができたことを実証する。In silico包括性及び排他性試験を実施したところ、結果は、本発明の二重標的アッセイが全てのHDV遺伝子型(1~8)を検出し得ることを示し、HAV、HBV、HCV、HEV及びHIVは交差反応しないと予測される(データは示さず)。
前述の発明を明確化及び理解するためにある程度詳細に説明してきたが、本開示を読むことにより、本発明の真の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には明らかであろう。例えば、上述した全ての技術及び装置を、様々な組み合わせで使用することができる。本出願で引用される全ての刊行物、特許、特許出願、及び/又は他の文献は、あたかも各個別の刊行物、特許、特許出願、及び/又は他の文献が全ての目的のために参照により組み込まれることが個別に示されているのと同程度に、全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。

Claims (18)

  1. 試料中のデルタ型肝炎ウイルス(HDV)の少なくとも2つの標的核酸を検出するための方法であって、前記方法は、
    (a)試料を提供することと、
    (b)HDVの前記少なくとも2つの標的核酸が前記試料中に存在する場合、前記試料を少なくとも2つのプライマーセットと接触させて増幅産物を生成することを含む、増幅工程を実施することと、
    (c)HDVの前記少なくとも2つの標的核酸が前記試料中に存在する場合、前記増幅産物を少なくとも2つのプローブと接触させることを含む、ハイブリダイゼーション工程を実施することと、
    (d)前記増幅産物の存在又は非存在を検出することを含む、検出工程を実施することであって、前記増幅産物のうちの1つの存在が前記試料中のHDVの存在を示し、前記増幅産物の非存在が前記試料中のHDVの非存在を示す、検出工程を実施することと、
    を含み、ここで、
    前記少なくとも2つのプライマーセット及び前記少なくとも2つのプローブが、
    (i)配列番号1~4の核酸配列又は配列番号1~4の任意の組み合わせを含む少なくとも1つのフォワードプライマーと、配列番号5~6の核酸配列又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つのリバースプライマーとを含む第1のプライマーセット、及び配列番号7~8の核酸配列若しくはそれらの相補体、又は配列番号7~8の組み合わせ若しくはそれらの相補体を含む第1のプローブ又は第1のプローブセット、並びに
    (ii)配列番号9~10の核酸配列又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つのフォワードプライマーと、配列番号11~12の核酸配列又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つのリバースプライマーとを含む第2のプライマーセット、及び配列番号13~15の核酸配列若しくはそれらの相補体、又は配列番号13~15の任意の組み合わせ若しくはそれらの相補体を含む第2のプローブ又は第2のプローブセット、
    を含む、試料中のデルタ型肝炎ウイルス(HDV)の少なくとも2つの標的核酸を検出するための方法。
  2. 前記ハイブリダイズする工程が、前記増幅産物を、それぞれがドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識された2つ以上のプローブと接触させることを含み、
    前記検出する工程が、前記プローブの前記ドナー蛍光部分と前記アクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、蛍光の前記存在又は非存在が、前記試料中のHDVの存在又は非存在を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記増幅する工程が、5’-3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を用いる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記試料が生物学的試料である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記生物学的試料が、血液、血漿又は血清である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1のプライマーセットが、前記第1のプローブ若しくは前記第1のプローブセットによって検出される第1の標的核酸の1つ以上の増幅産物を生成し、及び/又は前記第2のプライマーセットが、前記第2のプローブ若しくは前記第2のプローブセットによって検出される第2の標的核酸の1つ以上の増幅産物を生成する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記第1の標的核酸が、HDVリボザイムドメインであり、前記第2の標的核酸が、HDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子である、請求項6に記載の方法。
  8. 試料中のD型肝炎ウイルス(HDV)を検出するための方法であって、前記方法は、
    (a)増幅する工程を実施することであって、前記試料を、HDVが前記試料中に存在する場合、HDVリボザイムドメインに特異的な1つ以上のフォワードプライマー及び1つ以上のリバースプライマーと接触させて前記リボザイムドメインの増幅産物を生成し、HDVが前記試料中に存在する場合、HDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子に特異的な1つ以上のフォワードプライマー及び1つ以上のリバースプライマーと接触させて前記HDAg遺伝子の増幅産物を生成することを含む、増幅する工程を実施することと、
    (b)ハイブリダイズする工程を実施することであって、前記リボザイムドメイン増幅産物を前記リボザイムドメインに特異的な1つ以上の検出可能なプローブと接触させること、及び前記HDAg遺伝子増幅産物を前記HDAg遺伝子に特異的な1つ以上の検出可能なプローブと接触させることを含む、ハイブリダイズする工程を実施することと、
    (c)前記リボザイムドメイン増幅産物及び/又は前記HDAg遺伝子増幅産物の存在又は非存在を検出することであって、前記リボザイムドメイン増幅産物若しくは前記HDAg増幅産物のいずれか又は両方の増幅産物の存在が前記試料中のHDVの存在を示し、前記リボザイムドメイン増幅産物及び前記HDAg増幅産物の両方の非存在が前記試料中のHDVの非存在を示す、リボザイムドメイン増幅産物及び/又はHDAg遺伝子増幅産物の存在又は非存在を検出することと、
    を含み、ここで、
    前記1つ以上のリボザイムドメインフォワードプライマーが、配列番号1~4、又は配列番号1~4の任意の組み合わせから選択されるヌクレオチド配列を含み、前記1つ以上のリボザイムドメインリバースプライマーが、配列番号5~6又はそれらの組み合わせから選択されるヌクレオチド配列を含み、1つ以上の検出可能なリボザイムドメインプローブが、配列番号7~8若しくはそれらの相補体、又は配列番号7~8の組み合わせ若しくはそれらの相補体から選択されるヌクレオチド配列を含み、
    前記1つ以上のHDAg遺伝子フォワードプライマーが、配列番号9~10又はそれらの組み合わせから選択されるヌクレオチド配列を含み、前記1つ以上のHDAg遺伝子リバースプライマーが、配列番号11~12から選択されるヌクレオチド配列、又はそれらの組み合わせを含み、1つ以上の検出可能なHDAg遺伝子プローブが、配列番号13~15若しくはそれらの相補体、又は配列番号13~15の任意の組み合わせ若しくはそれらの相補体から選択されるヌクレオチド配列を含む、試料中のD型肝炎ウイルス(HDV)を検出するための方法。
  9. 前記1つ以上のリボザイムドメインフォワードプライマーが配列番号1~4の4つ全てのヌクレオチド配列を含み、前記1つ以上のリボザイムドメインリバースプライマーが配列番号5~6の両方のヌクレオチド配列を含み、前記1つ以上の検出可能なリボザイムドメインプローブが配列番号7~8の両方のヌクレオチド配列又はその相補体を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記1つ以上のHDAg遺伝子フォワードプライマーが、配列番号9~10の両方のヌクレオチド配列を含み、前記1つ以上のHDAg遺伝子リバースプライマーが、配列番号11~12の両方のヌクレオチド配列を含み、前記1つ以上の検出可能なHDAg遺伝子プローブが、配列番号13~15の3つ全てのヌクレオチド配列又はその相補体を含む、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記ハイブリダイズする工程が、前記増幅産物を、それぞれがドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識された検出可能なプローブと接触させることを含み、
    前記検出する工程が、前記検出可能なプローブの前記ドナー蛍光部分と前記アクセプター部分との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は非存在を検出することを含み、蛍光の前記存在又は非存在が、前記試料中のHDVの存在又は非存在を示す、請求項8~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記増幅する工程が、5’-3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を用いる、請求項8~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記試料が生物学的試料である、請求項8~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記生物学的試料が、血液、血漿又は血清である、請求項13に記載の方法。
  15. 試料中のHDVの第1の標的核酸及びHDVの第2の標的核酸を検出するためのキットであって、前記キットが増幅試薬を含み、前記増幅試薬は、
    (a)5’-3’ヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼと、
    (b)ヌクレオチドモノマーと、
    (c)HDVの前記第1の標的核酸を検出するための第1のプライマーセット及び第1のプローブ又は第1のプローブセットであって、
    前記第1のプライマーセット及び前記第1のプローブ又は第1のプローブセットが、少なくとも、配列番号1~4の核酸配列及び配列番号1~4の任意の組み合わせを含むフォワードプライマーと、少なくとも、配列番号5~6の核酸配列又はそれらの組み合わせを含む少なくともリバースプライマーとを含み、前記第1のプローブ又は前記第1のプローブセットが、配列番号7~8の核酸配列若しくはそれらの相補体、又は配列番号7~8の組み合わせ若しくはそれらの相補体を含む、
    HDVの前記第1の標的核酸を検出するための第1のプライマーセット及び第1のプローブ又は第1のプローブセットと、
    (d)HDVの前記第2の標的核酸を検出するための第2のプライマーセット及び第2のプローブ又は第2のプローブセットであって、
    前記第2のプライマーセット及び前記第2のプローブ又は前記第2のプローブセットが、少なくとも、配列番号9~10の核酸配列又はそれらの組み合わせを含むフォワードプライマーと、少なくとも、配列番号11~12の核酸配列又はそれらの組み合わせを含むリバースプライマーとを含み、前記第2のプローブ又は前記第2のプローブセットが、配列番号13~15の核酸配列若しくはそれらの相補体、又は配列番号13~15の任意の組み合わせ若しくはそれらの相補体を含む、
    HDVの前記第2の標的核酸を検出するための第2のプライマーセット及び第2のプローブ又は第2のプローブセットと、
    を含む、試料中のHDVの第1の標的核酸及びHDVの第2の標的核酸を検出するためのキット。
  16. 前記第1の標的核酸が、HDVリボザイムドメインであり、前記第2の標的核酸が、HDVデルタ型肝炎抗原(HDAg)遺伝子である、請求項15に記載のキット。
  17. 前記第1のプローブ及び前記第2のプローブ、並びに前記第1のプローブセット及び前記第2のプローブセットが、ドナー蛍光部分及び対応するアクセプター部分で標識されている、請求項15又は16に記載のキット。
  18. 配列番号1~20から選択されるヌクレオチドの配列又はその相補体を含むオリゴヌクレオチドであって、50以下のヌクレオチドを有する、オリゴヌクレオチド。
JP2023568052A 2021-05-06 2022-05-04 二重標的アッセイによりデルタ型肝炎ウイルスを検出するための組成物及び方法 Pending JP2024517835A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163185176P 2021-05-06 2021-05-06
US63/185,176 2021-05-06
PCT/EP2022/061968 WO2022233930A1 (en) 2021-05-06 2022-05-04 Compositions and methods for detecting hepatitis delta virus by a dual-target assay

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024517835A true JP2024517835A (ja) 2024-04-23

Family

ID=81940434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023568052A Pending JP2024517835A (ja) 2021-05-06 2022-05-04 二重標的アッセイによりデルタ型肝炎ウイルスを検出するための組成物及び方法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP4334472A1 (ja)
JP (1) JP2024517835A (ja)
CN (1) CN117858960A (ja)
WO (1) WO2022233930A1 (ja)

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0135587B2 (en) 1983-02-22 2002-12-18 Syngene, Inc. Defined sequence single strand oligonucleotides incorporating reporter groups, process for the chemical synthesis thereof, and nucleosides useful in such synthesis
US4965188A (en) 1986-08-22 1990-10-23 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or cloning nucleic acid sequences using a thermostable enzyme
US4683195A (en) 1986-01-30 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or-cloning nucleic acid sequences
US4683202A (en) 1985-03-28 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying nucleic acid sequences
US4996143A (en) 1985-12-23 1991-02-26 Syngene, Inc. Fluorescent stokes shift probes for polynucleotide hybridization
US4800159A (en) 1986-02-07 1989-01-24 Cetus Corporation Process for amplifying, detecting, and/or cloning nucleic acid sequences
US5703055A (en) 1989-03-21 1997-12-30 Wisconsin Alumni Research Foundation Generation of antibodies through lipid mediated DNA delivery
US5035996A (en) 1989-06-01 1991-07-30 Life Technologies, Inc. Process for controlling contamination of nucleic acid amplification reactions
US5683896A (en) 1989-06-01 1997-11-04 Life Technologies, Inc. Process for controlling contamination of nucleic acid amplification reactions
US5210015A (en) 1990-08-06 1993-05-11 Hoffman-La Roche Inc. Homogeneous assay system using the nuclease activity of a nucleic acid polymerase
US5994056A (en) 1991-05-02 1999-11-30 Roche Molecular Systems, Inc. Homogeneous methods for nucleic acid amplification and detection
US5565322A (en) 1991-11-07 1996-10-15 Nanogen, Inc. Hybridization of polynucleotides conjugated with chromophores and fluorophores to generate donor-to donor energy transfer system
ES2304573T3 (es) 1996-06-04 2008-10-16 University Of Utah Research Foundation Recipiente para llevar a cabo y controlar procesos biologicos.
US6174670B1 (en) 1996-06-04 2001-01-16 University Of Utah Research Foundation Monitoring amplification of DNA during PCR
ATE280177T1 (de) 1997-03-20 2004-11-15 Hoffmann La Roche Modifizierte primer
PT1624076E (pt) * 2004-08-06 2007-06-05 Assist Publ Hopitaux De Paris Detecção quantitativa do hdv por pcr à ta em tempo real
US7741467B2 (en) 2005-10-05 2010-06-22 Roche Molecular Systems, Inc. Non-fluorescent energy transfer

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022233930A1 (en) 2022-11-10
CN117858960A (zh) 2024-04-09
EP4334472A1 (en) 2024-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7141488B2 (ja) マイコプラズマ・ジェニタリウムを検出するための組成物と方法
US11155886B2 (en) Compositions and methods for detection of zika virus
CN110651051B (zh) 用于检测巴贝虫的组合物和方法
JP7478734B2 (ja) カンジダ・アウリス(candida auris)の検出のための組成物および方法
EP3538674B1 (en) Compositions and methods for detection of bk virus
JP2024510465A (ja) スパイクタンパク質の変異を有する重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(sars-cov-2)バリアントを検出するための組成物および方法
US10370731B2 (en) Compositions and methods for detection of hepatitis C virus genotype 3
JP2024517835A (ja) 二重標的アッセイによりデルタ型肝炎ウイルスを検出するための組成物及び方法
JP6999645B2 (ja) 核酸の増幅及び検出/定量の効率を改良するためのヘルパーオリゴヌクレオチド
CA2994606C (en) Compositions and methods for detection of mycobacterium tuberculosis
WO2024042042A1 (en) Compositions and methods for detecting monkeypox virus
CN117441029A (zh) 用于检测具有刺突蛋白突变的严重急性呼吸综合征冠状病毒2(sars-cov-2)变体的组合物和方法
JP2022531348A (ja) 鎖分離温度に基づくDNAに対してRNA標的の優先的/選択的増幅のためのdITPの利用