JP2024504175A - 人工心臓弁のための3d形状スカート - Google Patents

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Abstract

本発明は、移植可能な人工デバイスに関し、より詳細には、様々な被覆および/または構成を有した3D形状スカートに関する。

Description

本発明は、移植可能な人工心臓弁の分野に関し、より詳細には、上面上に様々な3D形状被覆が施された第一層を有したシール部材、その製造方法、およびそれを含む移植可能な人工心臓弁、に関する。
大動脈弁、肺動脈弁、および僧帽弁などの天然の心臓弁は、血液を心臓血管系の全体に対して供給するために、心臓発着の、および心臓の心房や心室間での、適切な向きの流れを確保するように機能している。様々な弁膜症によって、弁が機能しなくなる可能性があり、人工弁への置換が必要とされ得る。心臓弁を修復したり置換したりするために、外科手術を実施することができる。外科手術は、多数の臨床的合併症を引き起こしやすいため、人工心臓弁をカテーテル上へと送達するとともに人工心臓弁を天然の機能不全弁上へと移植する代替的な低侵襲技術が、長年にわたって開発されてきた。
バルーン拡張型弁、自己拡張型弁、および機械的拡張型弁を含めて、様々なタイプの人工心臓弁が、これまでに知られている。送達および移植に関する様々な方法も、また、知られており、移植部位に応じて、および人工弁の種類に応じて、変化し得る。一つの例示的な技術には、患者の大腿動脈または腸骨動脈のところに位置し得る切開部から、天然の機能不全弁へと向けて、人工弁を、圧着状態で送達するための送達アセンブリの利用が含まれる。人工弁が、所望の移植部位のところに適切に位置決めされた後に、人工弁は、例えば天然弁の弁輪などの、周囲の解剖学的構造に対して拡張することができ、その後、送達アセンブリを回収することができる。場合によっては、弁の摘出が必要とされ、その場合、最初に移植された弁は、患者の体内から外科的に除去される。
弁周囲漏出(PVL)は、人工心臓弁の置換に関連した合併症である。これは、拡張状態にある移植済み人工心臓弁の構造と、移植部位(例えば、周囲の心臓組織もしくは動脈組織)と、の間に位置した流路または隙間を通して血液が流れる時に、それらの間が適切に密封されていないために発生する可能性がある。
よって、PVLをもたらしかねない隙間または流路を実質的に充填するよう、移植部位のところで周囲組織に対する適切な密封を可能とするような、かつ、必要であれば移植部位からの容易な除去を可能とするような、人工心臓弁を提供することが、なおも要望されている。
本開示は、特に、PVLをもたらしかねない隙間もしくは流路を実質的に充填するよう、移植部位において周囲組織に対する適切な密封を可能とし得るとともに、また、摘出処置を行う時に移植部位から容易に摘出されることも可能とし得るような、3D形状の人工心臓弁に関して、人工心臓弁を対象とするものであり、ならびに、その製造方法および/または利用方法を対象とするものである。
本発明の第一態様によれば、フレームと、フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、フレームの外面に対して結合されたシール部材と、を含む人工心臓弁が提供される。フレームは、複数の交差した支柱を含むとともに、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。シール部材は、流入エッジから、反対側に位置した流出エッジに向けて、延びているとともに、第一層と、第一層を被覆している第二層と、を含む。シール部材の非繊維状の外面は、ピークを有した複数の***部分と複数の非***部分とを規定するように本質的に成形された材料から形成されている。第一層と第二層とは、フレームの外面に対して外側に配置されている。
いくつかの実施例によれば、複数の非***部分のそれぞれは、複数の***部分がなす隣接した対によって規定されている。
いくつかの実施例によれば、***部分は、事前規定された閾値を超える外圧が、フレームに対して***部分を押圧するように構成された向きで***部分に対して印加された時には、変形するように構成されているとともに、外圧がもはや***部分に対して印加されなくなった時には、弛緩状態へと復帰するように構成されている。フレームからのピークの距離は、弛緩状態におけるフレームからの非***部分の距離と比較して、より大きい。
いくつかの実施例によれば、外圧の事前規定された閾値は、300mmHgである。
いくつかの実施例によれば、フレームからのピークの距離は、***部分をフレームに対して押圧するために印加される外力が存在しない状態(すなわち、弛緩状態)では、フレームからの非***部分の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、フレームからのピークの距離は、フレームからの非***部分の距離と比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、フレームからのピークの距離は、フレームからの非***部分の距離と比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、非繊維状の外面は、円滑な面とされている。
いくつかの実施例によれば、シール部材は、第三層を含む。いくつかの実施例によれば、第二層と第三層とは、集合的に、第一層を覆う被覆を形成している。
いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも一つの引裂抵抗性織物を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性織物は、リップストップ織物を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも一つの弾性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している。
いくつかの実施例によれば、第二層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、第三層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、第二層と第三層とは、同じ材料から形成されている。
いくつかの実施例によれば、シール部材の***部分は、複数のリッジを含み、複数のリッジは、シール部材の第一面に沿って互いに離間して配置されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、シール部材の第一面を形成している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジのそれぞれは、フレームの外面から外向きに延びている。いくつかの実施例によれば、複数のリッジは、圧縮可能とされている。
いくつかの実施例によれば、シール部材は、複数の内部チャネルを含み、各チャネルは、シール部材の第二面に形成されている。いくつかの実施例によれば、チャネルの数は、リッジの数と同じであり、複数のチャネルのそれぞれは、シール部材の反対側の面に、複数のリッジのそれぞれによって形成されている。いくつかの実施例によれば、複数のチャネルのそれぞれは、内向きとされている。
いくつかの実施例によれば、シール部材の非***部分は、シール部材の隣接した二つのリッジの間において第一層がなす面上に形成された複数のリッジ間ギャップを含む。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジは、シール部材の第一面の周囲においておよび/または第一面に沿って延びた平行な経路線に追従している。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジは、流入エッジおよび/または流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に平行に延びた平行な経路線に追従している。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジは、流入エッジおよび流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に垂直に延びた平行な経路線に追従している。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジは、流入エッジおよび流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に斜めに延びた平行な経路線に追従している。
いくつかの実施例によれば、シール部材は、リッジ間ギャップの一つのところにおいてシール部材の第一面と第二面との間で測定される全層厚さと、シール部材のリッジの高さによって測定されるシール部材厚さと、を有しており、シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上記に開示したようなシール部材は、(i)第一側方エッジから第二側方エッジへと延びた引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む方法によって準備される。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)におけるシートの熱的形状加工は、熱成形を含む。
いくつかの実施例によれば、シートは、引裂抵抗性第一層と熱可塑性第二層とを含む。
いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、リップストップ織物を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、少なくとも一つの弾性材料を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、生体適合性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における引裂抵抗性平坦シートは、熱可塑性第三層をさらに含む。いくつかの実施例によれば、第二層と第三層とは、同じ材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第三層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第三層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを高温で金型上に配置することにより、上面上に複数のリッジを形成することと、温度を低下させることにより、熱可塑性第二層の弾性構造を維持することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、広げられた弛緩状態におけるシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを高温で金型上に配置することと、加熱済みシートを重力によって沈み込ませることにより、上面上に複数のリッジを形成することと、を含む。いくつかの実施例によれば、金型は、複数のロッド、チューブ、パイプ、およびこれらの組合せ、から選択される。
いくつかの実施例によれば、金型は、ベースと、複数の突起と、開口を有した真空源と、を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを、高温で複数の突起の上方に配置することと、真空源および開口を使用して真空を印加することにより、シートを、広げられた弛緩状態の弾性構造へと熱成形することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、可撓性シートの反対側に位置した二つのエッジの上方へと金型を使用して力を印加することを含む。いくつかの実施例によれば、金型は、第一金型と第二金型とを含み、第一金型は、第一ベースと複数の第一金型突起とを含み、第二金型は、第二ベースと複数の第二金型突起とを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを、複数の第一金型突起と複数の第二金型突起との間に配置することであり、複数の第一金型突起と複数の第二金型突起とを、ジッパーのような構成で配置することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、高温で第二金型を第一金型に対して押圧することにより、平坦シートを第一金型と第二金型との間に効果的に係合させることで、シートが前述の金型に対して適合することを可能とすることを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、本明細書で上記に開示したような引裂抵抗性第一層を含む平坦シートを、高温で金型上に配置することと、成形されたシートを、金型上で第二層によって被覆することにより、上面上に複数のリッジを形成することと、を含む。いくつかの実施例によれば、金型は、ベースと複数の突起とを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、成形済みシートを、熱成形可能な高温で、第二層によって熱被覆することを含む。
いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材における***部分は、シール部材の第一面の周囲においておよび/または第一面から外向きに延びた複数の突起を含む。いくつかの実施例によれば、前述の複数の突起は、第一面に沿って互いに離間して配置されている。いくつかの実施例によれば、複数の突起のそれぞれは、圧縮可能とされている。いくつかの実施例によれば、シール部材は、広げられた弛緩状態とされた時には、第一面とは反対側に位置した平坦な第二面を含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材の非***部分は、複数の突起間ギャップを含み、各ギャップは、隣接した二つの突起の間に位置している。いくつかの実施例によれば、複数の突起間ギャップは、突起と同じ向きを向いている。
いくつかの実施例によれば、複数の突起のそれぞれは、第一面の周囲においておよび/または第一面から離間する向きに延びており、上面上に3D形状を形成している。いくつかの実施例によれば、3D形状は、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、多角形、およびこれらの組合せ、からなる群から選択されることができる。
いくつかの実施例によれば、複数の突起は、長尺3D形状を形成しており、流入エッジおよび/または流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に平行に延びている。
いくつかの実施例によれば、複数の突起は、長尺3D形状を形成しており、流入エッジおよび/または流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に垂直に延びている。
いくつかの実施例によれば、複数の突起は、長尺3D形状を形成しており、流入エッジおよび/または流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に斜めに延びている。
いくつかの実施例によれば、シール部材は、突起間ギャップの一つのところにおいて第一面と第二面との間で測定される全層厚さと、突起と第二面との間の距離として規定されるシール部材厚さと、を有しており、シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、複数の突起は、第二層と同じ材料を含む。いくつかの実施例によれば、各突起は、生体適合性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、各突起は、少なくとも一つの抗血栓性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、各突起は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、各突起は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、各突起は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、各突起は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性バルカニゼット(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、各突起は、TPUから形成されている。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材における複数の突起のそれぞれは、非中空構造を規定しており、これにより、非中空突起を形成している。
いくつかの実施例によれば、非中空突起を含む本明細書で上記に開示したようなシール部材は、(i)第一側方エッジから第二側方エッジへと延びたおよび流入エッジから流出エッジへと延びた引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む方法によって準備される。引裂抵抗性平坦シートは、本明細書で上記に開示したように、引裂抵抗性第一層と熱可塑性第二層とを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、押出ベースの形状形成プロセスを伴い、このプロセスは、複数の部材を平坦シートの熱可塑性第二層上に押し出すことを含む。各部材は、高温とされた溶融組成物を含み、部材どうしは、互いに離間して配置されている。ステップ(ii)は、温度を低下させることをさらに伴い、その結果、押し出された各部材は、弾性状態へと移行し、これにより、上面上に複数の突起が形成される。
いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、少なくとも一つの抗血栓性かつ生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性材料を含む。いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、からなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性エラストマー材料を含む。いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、射出成形プロセスを伴い、このプロセスは、平坦シートを高温で金型内へと挿入することと、溶融組成物を、平坦シートの少なくとも一つの面上へと前述の金型内に射出することと、を含む。溶融組成物は、温度が低下した時には、金型の形状に適合するように構成されている。金型は、冷却後に取り外されるように構成されており、これにより、広げられた弛緩状態で、シール部材の弾性構造が形成される。溶融組成物は、本明細書で上記に開示したような熱可塑性材料を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、互いに離間して配置された複数のマスク部材を含む金型を、平坦シートの熱可塑性第二層上に配置することと、本明細書で上記に開示したような熱可塑性材料を、隣接したマスク部材どうしの間に形成された空間内に高温で堆積させることと、を伴う。ステップ(ii)は、温度を低下させることで、熱可塑性材料を弾性状態へと移行させることにより、複数の突起を平坦シート上に形成することを、さらに伴う。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性材料の堆積は、押出、刷毛塗り、スプレーコーティング、化学堆積、液体堆積、気相蒸着、化学蒸着、物理蒸着、ローラー印刷、ステンシル印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ印刷、3D印刷、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される技術によって行われる。
いくつかの実施例によれば、広げられた弛緩状態におけるシール部材の厚さは、ステップ(ii)の後に、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材における複数の突起のそれぞれは、内部に中空内腔を規定し、これにより、中空突起を形成している。いくつかの実施例によれば、各中空内腔は、二つの内腔エッジを含み、各中空内腔は、一方または両方の内腔エッジのところで開口している。
いくつかの実施例によれば、複数の突起のそれぞれは、突起に沿って互いに離間して配置された複数の開口を含む。いくつかの実施例によれば、各開口は、中空内腔と開口の外側の外部環境との間における流体連通を提供するように構成されている。
いくつかの実施例によれば、複数の開口のそれぞれは、生分解性膜によって密封されていて、生分解性膜を通して各中空内腔の内部から薬剤組成物が制御されつつ放出されることを可能とするように構成されている。
いくつかの実施例によれば、中空内腔のそれぞれは、内部に配置された薬剤組成物を含有している。
いくつかの実施例によれば、中空内腔のそれぞれは、内部に配置された弾性多孔質部材を含有している。いくつかの実施例によれば、弾性多孔質部材は、内部に配置された薬剤組成物を含む。いくつかの実施例によれば、弾性多孔質部材は、スポンジとされている。
いくつかの実施例によれば、薬剤組成物は、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗血管新生薬、鎮痛薬、麻酔薬、ステロイド性抗炎症薬および非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を含む抗炎症薬、コルチコステロイド、抗ヒスタミン薬、散瞳薬、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、抗アレルギー薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、組織メタロプロテアーゼ阻害剤(TIMPs)、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤または拮抗剤またはイントラセプター、受容体拮抗剤、RNAアプタマー、抗体、ヒドロキサム酸および大環状抗コハク酸ヒドロキサム酸誘導体、核酸、プラスミド、siRNAs、ワクチン、DNA結合化合物、ホルモン、ビタミン、タンパク質、ペプチド、ポリペプチドおよびペプチド様治療剤、麻酔剤、ならびにこれらの組合せ、からなる群から選択される少なくとも一つの薬学的活性成分を含む。
いくつかの実施例によれば、複数の突起のそれぞれは、分割された突起であり、複数の分割された突起のそれぞれは、分割された突起どうしの間に内部空間を形成している。いくつかの実施例によれば、前述の内部空間は、分割された各突起の開口部とシール部材の第一面との間に延びている。いくつかの実施例によれば、前述の内部空間は、分割された各突起の開口部と第一層の第一面との間に延びている。いくつかの実施例によれば、複数の分割された突起のそれぞれにおける開口部は、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に対して対称であり、これにより、内部に対称な内部空間を形成している。いくつかの実施例によれば、複数の分割された突起のそれぞれにおける開口部は、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に対して斜めに偏向しており、これにより、内部に非対称な内部空間を形成している。
いくつかの実施例によれば、中空突起を含む本明細書で上記に開示したようなシール部材は、(i)第一側方エッジから第二側方エッジへと延びたおよび流入エッジから流出エッジへと延びた引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することであり、プロセスを、複数の長尺成形部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することを含むものとすることと、を含む方法によって準備される。ステップ(ii)は、熱可塑性層を複数の長尺成形部材上に高温で堆積させることにより、上面上に複数の突起(すなわち、***部分)を形成することをさらに含み、これにより、シートを、複数の***部分と複数の非***部分とを含む3D構造を形成するものとする。ステップ(ii)は、温度を低下させることにより、複数の***部分を含む熱可塑性層の弾性的な3D構造を形成することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、方法は、シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成するというステップ(iii)を、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態のシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性平坦シートは、本明細書で上記に開示したような引裂抵抗性第一層を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性平坦シートは、本明細書で上記に開示したような熱可塑性第二層をさらに含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性平坦シートは、本明細書で上記に開示したような熱可塑性第三層をさらに含む。
いくつかの実施例によれば、各長尺成形部材は、耐熱性の金属または金属合金から形成されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、突起の形成後に、複数の長尺成形部材を複数の突起の内部から取り外すことを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)において複数の長尺成形部材を複数の突起の内部から取り外すことは、シートの第一側方エッジまたは第二側方エッジのところに位置した少なくとも一つの突出エッジを通して各長尺成形部材を抜き取ることにより、内部に複数の中空内腔を形成することを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の開口を複数の突起に穿孔することをさらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、薬剤組成物を前述の中空内腔の少なくとも一部内へと挿入することをさらに含む。
いくつかの実施例によれば、複数の長尺成形部材は、複数の弾性多孔質部材である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、薬剤組成物を複数の弾性多孔質部材に含浸させることをさらに含む。
いくつかの実施例によれば、複数の長尺成形部材のそれぞれは、尖鋭先端を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)において熱可塑性層を複数の長尺成形部材上に堆積させることは、熱可塑性層を、長尺成形部材の尖鋭先端に対して接触させることを伴う。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材を複数の突起を通して取り外すことにより、複数の分割された突起を形成することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、各長尺成形部材の尖鋭先端を、熱可塑性層を通して引っ張ることを含む。いくつかの実施例によれば、各長尺成形部材の尖鋭先端は、平坦シートに対して垂直な方向において、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に沿って引っ張られ、これにより、内部に対称的な内部空間が形成される。いくつかの実施例によれば、各長尺成形部材の尖鋭先端は、平坦シートに垂直な方向に対して斜めに偏向した引っ張り矢印の向きに引っ張られ、これにより、内部に非対称な内部空間が形成される。
本発明の別の態様によれば、フレームと、フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、フレームの外面に対して結合されたシール部材と、を含む人工心臓弁が提供される。フレームは、複数の交差した支柱を含むとともに、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。シール部材は、折り畳まれた状態とされている。シール部材は、流入エッジから、反対側に位置した流出エッジに向けて、延びている。シール部材は、第一層と、第一層を被覆している第二層と、を含む。シール部材の非繊維状の外面は、シール部材の流入エッジと流出エッジとの間で、第二層の周囲において螺旋状構成で径方向外向きに延びた少なくとも一つの螺旋状突起を規定するように本質的に成形された材料から形成されている。第一層と第二層とは、フレームの外面に対して外側に配置されている。
いくつかの実施例によれば、少なくとも一つの螺旋状突起は、事前規定された閾値を超える外圧が、フレームに対して螺旋状突起を押圧するように構成された向きで螺旋状突起に対して印加された時には、変形するように構成されているとともに、外圧がもはや螺旋状突起に対して印加されなくなった時には、弛緩状態へと復帰するように構成されている。フレームからの少なくとも一つの螺旋状突起の距離は、弛緩状態におけるフレームからの第二層の距離と比較して、より大きい。いくつかの実施例によれば、外圧の事前規定された閾値は、300mmHgである。
いくつかの実施例によれば、フレームからの少なくとも一つの螺旋状突起の距離は、螺旋状突起をフレームに対して押圧するために印加される外力が存在しない状態(すなわち、弛緩状態)では、フレームからの第二層の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、フレームからの螺旋状突起の距離は、フレームからの第二層の距離と比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、フレームからの螺旋状突起の距離は、フレームからの第二層の距離と比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、非繊維状の外面は、円滑な面とされている。
いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも一つの引裂抵抗性織物を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性織物は、リップストップ織物を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも一つの弾性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している。
いくつかの実施例によれば、第二層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材は、第三層を含む。いくつかの実施例によれば、第二層と第三層とは、集合的に、第一層を覆う被覆を形成している。
いくつかの実施例によれば、第三層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、第二層と第三層とは、同じ材料から形成されている。
いくつかの実施例によれば、少なくとも一つの螺旋状突起を含む本明細書で上記に開示したようなシール部材は、(i)流入エッジから流出エッジに向けて延びた折り畳まれた円筒状態の引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)少なくとも一つの螺旋状マンドレルを引裂抵抗性平坦シートの周囲に配置することと、を含む方法によって準備される。ステップ(ii)は、熱可塑性層を、高温で少なくとも一つの螺旋状マンドレル上に堆積させることにより、上面上に、周縁まわりにおいて螺旋状構成で径方向に離間する向きに延びる少なくとも一つの螺旋状突起を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることにより、熱可塑性層の弾性的な3D構造を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを、流入エッジまたは流出エッジのところに位置した少なくとも一つの螺旋状突出エッジを通して、少なくとも一つの螺旋状突起の内部から取り外すことにより、内部に螺旋状の中空内腔を形成することと、を含むものとすることを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性平坦シートは、本明細書で上記に開示したような引裂抵抗性第一層を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、生体適合性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における引裂抵抗性平坦シートは、熱可塑性第三層をさらに含む。いくつかの実施例によれば、第二層と第三層とは、同じ材料を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の開口を螺旋状突起に穿孔することをさらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、薬剤組成物を螺旋状中空内腔の少なくとも一部内へと挿入することをさらに含む。
本発明の別の態様によれば、フレームと、フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、フレームの外面に対して結合されたシール部材と、を含む人工心臓弁が提供される。フレームは、複数の接合部を規定する複数の交差した支柱を含むとともに、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。シール部材は、流入エッジから、反対側に位置した流出エッジに向けて、延びている。シール部材は、引裂抵抗性第一層と、第一層を被覆しているとともにシール部材の第一面を規定している熱可塑性第二層と、を含む。シール部材の非繊維状の外面は、流出エッジおよび流入エッジのいずれか一方に対して平行にシール部材の前述の第一面の周囲において前述の第一面から離間する向きに延びた単一の圧縮可能な突起を規定するように本質的に成形された材料から形成されている。第一層と第二層とは、フレームの外面に対して外側に配置されている。
単一突起の、シール部材の流出エッジと流入エッジとの間にわたって延びている方向における長さは、フレームにおける二つの接合部の間における距離と、少なくとも同じである。接合部は、弁のフレームに沿って、軸線方向に位置合わせされて互いに離間している。
いくつかの実施例によれば、フレームからの突起の距離は、突起をフレームに対して押圧するために印加される外力が存在しない場合には、フレームからのシール部材の第一面の距離と比較して、より大きい。いくつかの実施例によれば、フレームからの突起の距離は、フレームからのシール部材の第一面の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、フレームからの突起の距離は、フレームからの第一面の距離と比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、フレームからの突起の距離は、フレームからの第一面の距離と比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、非繊維状の外面は、円滑な面とされている。
いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、リップストップ織物を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも一つの弾性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している。いくつかの実施例によれば、第一層は、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材は、熱可塑性第三層を含む。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層と熱可塑性第三層とは、集合的に、引裂抵抗性第一層を覆う被覆を形成している。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性第三層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層と熱可塑性第三層とは、同じ材料から形成されている。
いくつかの実施例によれば、単一の圧縮可能な突起は、内部に単一の中空内腔を形成している。
いくつかの実施例によれば、単一の圧縮可能な突起は、内部に互いに離間して配置された複数の開口を含む。いくつかの実施例によれば、複数の開口のそれぞれは、生分解性膜によって密封されていて、生分解性膜を通して単一の中空内腔の内部から薬剤組成物が制御されつつ放出されることを可能とするように構成されている。いくつかの実施例によれば、単一の中空内腔は、内部に配置された薬剤組成物を含有している。いくつかの実施例によれば、開口の少なくとも一部は、半透過性膜によって密封されている。
本発明の別の態様によれば、弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法が提供され、この方法は、(i)引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における引裂抵抗性平坦シートは、引裂抵抗性第一層と熱可塑性第二層とを含む。引裂抵抗性平坦シートは、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における処理は、平坦シートを高温で金型に対して接触させることを含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることにより、熱可塑性第二層の弾性構造を維持することを、さらに含み、第二層は、金型に対して遠位に位置している。ステップ(ii)は、温度が低下した後に、金型をシートから取り外すことを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを金型に対して接触させることを伴い、第三層は、金型に対して接触している。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを高温で金型に対して接触させることにより、上面上に複数のリッジを形成することを含む。
いくつかの実施例によれば、第二層は、高温では熱成形可能であり、低温では弾性的である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを金型上に配置することを伴い、第二層は、金型に対して遠位に位置している。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを金型上に配置することを伴い、第三層は、金型に対して接触している。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを高温で金型上に配置することと、加熱済みシートを重力によって沈み込ませることにより、上面上に複数のリッジを形成することと、を含む。いくつかの実施例によれば、金型は、複数のロッド、チューブ、パイプ、およびこれらの組合せ、から選択される。
いくつかの実施例によれば、金型は、ベースと、複数の突起と、複数の開口を有した真空源と、を含む。いくつかの実施例によれば、複数の突起は、ベースから離間する向きに延びているとともに、ベースに沿って互いに離間して配置されている。いくつかの実施例によれば、複数の開口は、ベースに、突起に、またはその両方に、形成されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを金型の上方に位置決めすることを含む。ステップ(ii)は、平坦シートを熱成形可能な温度へと加熱することをさらに含む。ステップ(ii)は、シートを前述の金型に向けて駆動することにより、前述の平坦シートを金型の突起に対して効果的に係合させることで、シートが前述の突起に適合することを可能とすることを、さらに含む。シートと複数の突起との係合によって、複数のリッジが形成されるとともに、シートとベースとの係合によって、シール部材の複数のリッジ間ギャップが形成される。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、可撓性シートの反対側に位置した二つのエッジの上方へと金型を使用して力を印加することを含む。いくつかの実施例によれば、金型は、第一金型と第二金型とを含む。いくつかの実施例によれば、第一金型は、第一ベースと複数の第一金型突起とを含み、第二金型は、第二ベースと複数の第二金型突起とを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シートを、複数の第一金型突起と複数の第二金型突起との間に配置することであり、複数の第一金型突起と複数の第二金型突起とを、ジッパーのような構成で配置することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、高温で第二金型を第一金型に対して押圧することにより、平坦シートを第一金型と第二金型との間に効果的に係合させることで、シートが前述の金型に対して適合することを可能とすることを、さらに含む。
本発明の別の態様によれば、弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法が提供され、この方法は、(i)引裂抵抗性第一層を含む引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む。
引裂抵抗性平坦シートは、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における処理は、平坦シートを金型上に配置することにより、金型の上方で上面上に複数のリッジを形成するとともに、金型を、ベースと複数の突起とを含むものとすることを含む。ステップ(ii)は、高温の熱成形可能な温度でシートを熱可塑性材料によって熱被覆することにより、上面上に熱可塑性第二層を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることにより、熱可塑性第二層の弾性構造を形成することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温の熱成形可能な温度は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である。
本発明の別の態様によれば、弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法が提供され、この方法は、(i)引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における引裂抵抗性平坦シートは、引裂抵抗性第一層と熱可塑性第二層とを含む。引裂抵抗性平坦シートは、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における処理は、複数の部材を平坦シートの熱可塑性第二層上へと押し出すことであり、部材を互いに離間したものとすることを含む。各部材は、高温の溶融組成物を含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることで、押し出された各部材を弾性状態へと移行させることにより、上面上に複数の突起を形成することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む。
いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される生体適合性かつ熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、溶融組成物は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、多角形、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される3D形状である。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、長尺であるとともに、シートの流入エッジおよび/または流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に平行に延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、長尺であるとともに、シートの流入エッジおよび流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に垂直に延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、長尺であるとともに、シートの流入エッジおよび流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に斜めに延びている。
本発明の別の態様によれば、弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法が提供され、この方法は、(i)引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における引裂抵抗性平坦シートは、引裂抵抗性第一層と熱可塑性第二層とを含む。引裂抵抗性平坦シートは、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における処理は、互いに離間して配置された複数のマスク部材を含む金型を、平坦シートの熱可塑性第二層上に配置することを含む。ステップ(ii)は、熱可塑性材料を、隣接したマスク部材どうしの間に形成された空間内に高温で堆積させることを、さらに含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることで、熱可塑性材料を弾性状態へと移行させることにより、複数の突起を平坦シート上に形成することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性材料は、生体適合性である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、抗血栓性である。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマーである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、多角形、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される3D形状である。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、長尺であるとともに、シートの流入エッジおよび/または流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に平行に延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、長尺であるとともに、シートの流入エッジおよび流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に垂直に延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、長尺であるとともに、シートの流入エッジおよび流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に斜めに延びている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性材料の堆積は、押出、刷毛塗り、スプレーコーティング、化学堆積、液体堆積、気相蒸着、化学蒸着、物理蒸着、ローラー印刷、ステンシル印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ印刷、3D印刷、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される技術によって行われる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性材料の堆積は、モノマー組成物を、隣接したマスク部材どうしの間に形成された空間内へと堆積させることと、組成物を重合することで、モノマー組成物を重合済み弾性状態へと移行させることにより、複数の突起を平坦シート上に形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である。
本発明の別の態様によれば、弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法が提供され、この方法は、(i)引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む。
引裂抵抗性平坦シートは、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における処理は、複数の長尺成形部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することを含む。ステップ(ii)は、熱可塑性層を複数の長尺成形部材上に高温で堆積させることにより、上面上に複数の突起を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることにより、突起の弾性的な3D構造を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材を複数の突起の内部から取り外すことを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、単一の引裂抵抗性第一層からなる。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、熱可塑性第二層をさらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することと、熱可塑性層を高温で引裂抵抗性平坦シート上に堆積させることで、複数の長尺成形部材を、引裂抵抗性平坦シートと熱可塑性層との間に位置決めされたものとすることにより、複数の3D形状突起を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、生体適合性である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、抗血栓性である。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性エラストマーである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、複数の長尺成形部材は、耐熱性の金属または金属合金から形成されている。いくつかの実施例によれば、複数の長尺成形部材は、ロッド、チューブ、パイプ、およびこれらの組合せ、から選択される。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)において複数の長尺成形部材を複数の突起の内部から取り外すことは、シートの第一側方エッジまたは第二側方エッジのところに位置した少なくとも一つの突出エッジを通して各長尺成形部材を抜き取ることにより、内部に複数の中空内腔を形成することを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の開口を複数の突起に穿孔することをさらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、薬剤組成物を前述の中空内腔の少なくとも一部内へと挿入することをさらに含む。
本発明の別の態様によれば、弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法が提供され、この方法は、(i)引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む。
引裂抵抗性平坦シートは、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における処理は、複数の弾性多孔質部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することを含む。ステップ(ii)は、熱可塑性層を複数の弾性多孔質部材上に高温で堆積させることにより、複数の突起を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることにより、突起の弾性的な3D構造を形成することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、単一の引裂抵抗性第一層からなる。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、熱可塑性第二層をさらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の弾性多孔質部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することと、熱可塑性層を高温で引裂抵抗性平坦シート上に堆積させることで、複数の弾性多孔質部材を、引裂抵抗性平坦シートと熱可塑性層との間に位置決めされたものとすることにより、内部に弾性多孔質部材を含む複数の3D形状突起を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、生体適合性である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、抗血栓性である。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性エラストマーである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、各弾性多孔質部材は、耐熱性の生体適合性スポンジから形成されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の開口を複数の突起に穿孔することをさらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、薬剤組成物を複数の弾性多孔質部材に含浸させることをさらに含む。
本発明の別の態様によれば、弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法が提供され、この方法は、(i)引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む。
引裂抵抗性平坦シートは、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における処理は、複数の長尺成形部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することであり、複数の長尺成形部材のそれぞれを、尖鋭先端を含むものとすることを含む。ステップ(ii)は、熱可塑性層を複数の長尺成形部材上に高温で堆積させることにより、複数の突起を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることにより、突起の弾性的な3D構造を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材を複数の突起を通して取り外すことにより、複数の分割された突起を形成することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、単一の引裂抵抗性第一層からなる。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、熱可塑性第二層をさらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)において熱可塑性層を複数の長尺成形部材上に堆積させることは、熱可塑性層を、長尺成形部材の尖鋭先端に対して接触させることを伴う。
いくつかの実施例によれば、複数の長尺成形部材と尖鋭先端とは、耐熱性の金属または金属合金から形成されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、各長尺成形部材の尖鋭先端を、熱可塑性層を通して引っ張ることを含む。
いくつかの実施例によれば、各長尺成形部材の尖鋭先端は、平坦シートに対して垂直な方向において、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に沿って引っ張られ、これにより、内部に対称的な内部空間が形成される。
いくつかの実施例によれば、各長尺成形部材の尖鋭先端は、平坦シートに垂直な方向に対して斜めに偏向した引っ張り矢印の向きに引っ張られ、これにより、内部に非対称な内部空間が形成される。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、生体適合性である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、抗血栓性である。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性エラストマーである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、TPUを含む。
本発明の別の態様によれば、弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法が提供され、この方法は、(i)流入エッジから流出エッジに向けて延びる折り畳まれた円筒状態の引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、折り畳まれた円筒状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における処理は、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを、引裂抵抗性平坦シートの周囲に配置することを含む。ステップ(ii)は、熱可塑性層を、高温で少なくとも一つの螺旋状マンドレル上に堆積させることにより、上面上に、周縁まわりにおいて螺旋状構成で径方向に離間する向きに延びる少なくとも一つの螺旋状突起を形成することを、さらに含む。ステップ(ii)は、温度を低下させることにより、熱可塑性層の弾性構造を維持することを、さらに含む。ステップ(ii)は、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを、流入エッジまたは流出エッジのところに位置した少なくとも一つの螺旋状突出エッジを通して、少なくとも一つの螺旋状突起の内部から取り外すことにより、内部に螺旋状の中空内腔を形成することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、単一の引裂抵抗性第一層からなる。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、熱可塑性第二層をさらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを平坦シートの熱可塑性第二層の周囲に配置することを伴う。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、生体適合性である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、抗血栓性である。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性エラストマーである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の開口を螺旋状突起に穿孔することをさらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、薬剤組成物を螺旋状中空内腔の少なくとも一部内へと挿入することをさらに含む。
いくつかの実施例によれば、上記の方法のいずれかにおいて、ステップ(ii)の後におけるシール部材の厚さは、任意選択的には広げられた弛緩状態におけるシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例によれば、ステップ(ii)の後におけるシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい。なおもさらなる実施例によれば、ステップ(ii)の後におけるシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい。
いくつかの実施例によれば、上記の方法のいずれかにおいて、平坦シートの引裂抵抗性第一層は、リップストップ織物を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、少なくとも一つの弾性材料を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している。いくつかの実施例によれば、引裂抵抗性第一層は、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している。
いくつかの実施例によれば、上記の方法のいずれかにおいて、平坦シートの熱可塑性第二層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、生体適合性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、上記の方法のいずれかにおいて、平坦シートの熱可塑性第三層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第三層は、TPUを含む。いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層と熱可塑性第三層とは、同じ材料から形成されている。
本発明の別の態様によれば、本明細書で上記に開示した方法のいずれかによって製造された弁周囲漏出(PVL)スカートが提供される。
本発明の別の態様によれば、フレームと、フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、フレームの外面に対して結合されたシール部材と、を含む人工心臓弁が提供される。フレームは、複数の交差した支柱を含むとともに、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされている。シール部材は、本明細書で上記に開示した方法のいずれかに従って製造されたものである。
本発明の特定の実施例は、上記の利点の一部もしくはすべてを含んでもよい、または上記の利点を含まなくてもよい。さらなる利点は、本明細書に含まれる図面、説明、および特許請求の範囲から、当業者には容易に明らかであろう。本発明の態様および実施例は、以下の明細書および添付の特許請求の範囲で、さらに説明される。
別段に定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が関係する技術分野における当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有している。矛盾がある場合には、定義を含めた本特許明細書が優先する。本明細書で使用した際には、不定冠詞「a」および「an」は、文脈から判断して明らかに他の意味に解釈すべき場合を除いて、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味する。
以下の実施例およびその態様は、システム、ツール、および方法と関連して説明して例示されるけれども、これらは、例示および説明を目的とするものであり、範囲を限定するものではない。様々な実施例では、上記の問題点の一つまたは複数が軽減または解決されるけれども、他の実施例は、他の利点または改良を対象としている。
本明細書では、本発明のいくつかの実施例について、添付図面を参照しつつ説明する。本明細書は、図面と共に、いくつかの実施例がどのように実施され得るかを当業者に対して明らかとするものである。図面は、例示的な説明を目的としたものであり、本発明の基本的な理解に必要な程度以上に詳細には、実施例に関する構造的な詳細を示そうとするものではない。明瞭さの目的で、図面に示すいくつかの対象物は、正確な縮尺ではない。
図面においては、以下の通りである。
図1は、いくつかの実施例による、その様々な構成要素を含めて、人工弁を示している。 図2A~図2Bは、いくつかの実施例による、圧着状態(図2A)で、また、膨張したバルーン上に配置された拡張状態(図2B)で、人工弁を示している。 同上。 図3A~図3Bは、いくつかの実施例による、標的移植部位のところに位置決めされた人工弁を、それぞれ側面図および平面図で示している。 同上。 図4Aは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態でのシール部材に関する斜視図を示している。 図4Bおよび図4Cは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態でのシール部材に関する断面図を示している。 同上。 図4D~図4Fは、いくつかの実施例による、円筒状に折り畳まれた状態でのシール部材に関する様々な構成での斜視図を示している。 同上。 同上。 図5A~図5Cは、いくつかの実施例による、人工弁のフレーム上に取り付けられたシール部材に関する様々な構成を示している。 同上。 同上。 図6A~図6Bは、いくつかの実施例による、広げられた状態でのシール部材の製造のための、熱成形を利用した例示的な熱的成形加工ステップを示している。 同上。 図6C~図6Dは、いくつかの実施例による、広げられた状態でのシール部材の製造のための、金型上への配置と、加熱と、真空熱成形と、を利用した、平坦可撓性シートの熱的加工ステップを示している。 同上。 図6Eは、いくつかの実施例による、広げられた状態でのシール部材の製造のための、反対側に位置した二つの面上で金型を使用して力を印加することを含む熱成形を利用した、平坦可撓性シートの熱的加工ステップを示している。 図7Aは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態で可撓性シートを示している。 図7Bは、いくつかの実施例による、金型上に配置された図7Aの可撓性シートを示しており、可撓性シートは、金型の形状を形成するように、その形状を可撓的に変化させている。 図7Cは、いくつかの実施例による、図7Bの形状変更済み可撓性シートに対する被覆プロセスを示している。 図8Aは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態でのシール部材に関する斜視図を示している。 図8Bおよび図8Cは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態でのシール部材に関する断面図を示している。 同上。 図8D~図8Fは、いくつかの実施例による、円筒状に折り畳まれた状態でのシール部材に関する様々な構成の斜視図を示している。 同上。 同上。 図9A~図9Cは、いくつかの実施例による、人工弁のフレーム上に取り付けられたシール部材に関する様々な構成を示している。 同上。 同上。 図10A~図10Cは、いくつかの実施例による、シール部材の製造のための、押出を利用した加工ステップを示している。 同上。 同上。 図11A~図11Eは、いくつかの実施例による、シール部材の製造のための、複数の成形部材を利用した加工ステップを示している。 同上。 同上。 同上。 同上。 図12Aは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態でのシール部材に関する斜視図を示している。 図12B~図12Eは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態でのシール部材に関する様々な断面図を示している。 同上。 同上。 同上。 図12Fは、いくつかの実施例による、複数の開口を含む広げられた弛緩状態でのシール部材に関する斜視図を示している。 図12Gは、いくつかの実施例による、図12Fのシール部材に関する断面を示している。 図12Hは、いくつかの実施例による、複数のフラップを含む広げられた弛緩状態でのシール部材に関する斜視図を示している。 図13A~図13Cは、いくつかの実施例による、円筒状に折り畳まれた状態でのシール部材に関する様々な構成の斜視図を示している。 同上。 同上。 図13Dは、いくつかの実施例による、折り畳まれたシール部材に関する斜視図を示している。 図14A~図14Cは、いくつかの実施例による、人工弁上に取り付けられたシール部材に関する様々な構成を示している。 同上。 同上。 図14Dは、いくつかの実施例による、人工弁のフレーム上に取り付けられた折り畳まれたシール部材を示している。 図15は、いくつかの実施例による、人工弁のフレーム上に取り付けられた、複数の開口を含むシール部材に関する構成を示している。 図16A~図16Eは、いくつかの実施例による、複数のマンドレルを利用したシール部材の製造のための、加工ステップにおける様々なステージを示している。 同上。 同上。 同上。 同上。 図17A~図17Fは、いくつかの実施例による、尖鋭先端を含む複数のマンドレルを利用したシール部材の製造のための、加工ステップにおける様々なステージを示している。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 図18A~図18Dは、いくつかの実施例による、複数のマンドレルを利用したシール部材の製造のための、加工ステップにおける様々なステージを示している。 同上。 同上。 同上。 図19A~図19Dは、いくつかの実施例による、尖鋭先端を含む複数のマンドレルを利用したシール部材の製造のための、加工ステップにおける様々なステージを示している。 同上。 同上。 同上。 図20は、いくつかの実施例による、広げられた状態から円筒状に折り畳まれた状態への折り畳み移行時における、本発明のシール部材に関する様々な構成の斜視図を示している。 図21A~図21Bは、いくつかの実施例による、標的移植部位のところに位置決めされた、特定構成における様々なシール部材を含む人工弁に関する、それぞれ側面図および平面図を示している。 同上。 図22A~図22Bは、いくつかの実施例による、標的移植部位のところに位置決めされた、特定構成における様々なシール部材を含む人工弁に関する、それぞれ側面図および平面図を示している。 同上。 図23A~図23Bは、いくつかの実施例による、拡張状態(図23A)で、また、圧着状態(図23B)で、人工弁のフレーム上に取り付けられた、単一突起を含むシール部材に関する追加的な構成を示している。 同上。 図24は、いくつかの実施例による、複数の開口が設けられた単一突起を含むシール部材に関する追加的な構成を示している。
以下の説明では、本開示の様々な態様について説明する。説明の目的で、本開示の様々な態様に関する充分な理解を提供するよう、具体的な構成および詳細が記載されている。しかしながら、当業者には、本明細書において提示されている具体的な詳細がなくても本開示が実施され得ることは、明らかであろう。さらに、周知の特徴は、本開示を不明瞭としないよう、省略または簡略化されてもよい。
図面の図の全体を通して、同じ参照符号に対する異なる上付き添字を使用して、同じ構成要素に関する異なる実施例が示される。開示するデバイスおよびシステムに関する実施例は、同じ構成要素に関する異なる実施例についての任意の組合せを含んでもよい。具体的には、上付き文字を有していない構成要素に対するあらゆる言及は、上付き文字を有して示された同じ構成要素に関する任意の代替例を指してもよい。特定の図面上に参照符号および引出し線が多すぎることによる過度の混乱を避けるため、いくつかの構成要素は、一つまたは複数の図面を介して導入され、その構成要素を含むすべての後続の図面では明示的に識別されない。
ここで、図1~図3Bを参照する。図1は、いくつかの実施例による、その様々な構成要素を含めて、人工心臓弁100を示している。図2Aは、いくつかの実施例による、圧着状態で人工弁100を示しており、図2Bは、膨張したバルーン上に配置された拡張状態で人工心臓弁100を示している。図3A~図3Bは、いくつかの実施例による、標的移植部位のところに位置決めされた人工心臓弁100を、それぞれ側面図および平面図で示している。
人工心臓弁100は、カテーテル50(例えば、図2A~図2Bに示す)を介して対象の標的部位へと送達可能であるとともに、径方向に圧縮された状態すなわち圧着状態(例えば、図2Aに示す)と、径方向に拡張状態(例えば、図1および図2Bに示す)と、の間にわたって、径方向に拡張可能かつ圧縮可能とされている。人工心臓弁の移植のための、対象の標的部位が、対象の、天然の大動脈弁、天然の僧帽弁、天然の肺動脈弁、および天然の三尖弁、を含むことは、当業者であれば理解されよう。「人工弁」という用語は、本明細書で使用した際には、カテーテルを介して患者の標的部位へと送達可能なあらゆるタイプの人工弁を指し、人工弁は、径方向に圧縮された状態すなわち圧着状態と、径方向に拡張状態と、の間にわたって、径方向に拡張可能かつ圧縮可能とされている。
拡張状態は、圧縮状態と、完全に拡張した状態で到達する最大直径と、の間にわたって、弁100が拡張し得る直径の範囲を含んでもよい。よって、複数の部分的な拡張状態は、径方向に圧縮された状態すなわち圧着状態と、最大拡張状態と、の間における、あらゆる拡張直径に対して関連してもよい。よって、「拡張状態」という用語が本明細書で使用された時には、最大拡張状態と部分拡張状態との両方が参照されることは、理解されよう。本開示の人工弁100は、ヒトという対象の、天然の大動脈弁、天然の僧帽弁、天然の肺動脈弁、および天然の三尖弁、の内部に取り付けられるように構成された任意の人工弁を含んでもよい。
本明細書で使用した際には、「圧縮された」という用語および「圧着された」という用語は、互換的であり、図2Aに示すような弁100の状態を指す。
「複数の」という用語は、本明細書で使用した際には、二つ以上を意味する。
上述したように、人工心臓弁100は、様々な拡張機構を介して弁100を拡張させることにより、径方向に圧縮された状態ですなわち圧着状態で、弁100を標的部位に向けて搬送する送達アセンブリを介して移植部位へと送達され得るとともに、天然の解剖学的構造に対して取り付けられ得る。図1は、バルーン拡張型人工弁100の一例を示している。バルーン拡張型人工弁を移植するためのプロセスは、一般に、人工弁の内部でバルーンを膨張させる手順を含み、これにより、所望の移植部位内で人工弁100を拡張させる。弁を充分に拡張させた後には、バルーンを、収縮させて、送達アセンブリと一緒に回収する。
他のタイプの弁は、機械的拡張機構または自己拡張機構(図示せず)などの他の拡張機構を含んでもよい。機械的拡張型弁は、拡張のための機械的駆動機構に依存する人工弁のカテゴリである。機械的駆動機構は、通常、送達装置の各駆動アセンブリに対して着脱可能に結合されるとともに、人工弁を所望の直径にまで拡張させるために駆動アセンブリを駆動させるためのハンドルを介して制御される、複数の拡張およびロックアセンブリを含む。拡張およびロックアセンブリは、人工弁が所望の移植部位のところに適切に位置決めされた後には、望ましくない再圧縮を防止するために弁の位置を任意選択的にロックしてもよく、拡張およびロックアセンブリから駆動アセンブリを切り離すことで、送達装置の回収を可能としてもよい。
自己拡張型弁は、カプセルまたはシャフトの一部などの外側保持構造が人工弁に対して近位向きに引き出されるとすぐに自動的に拡張するように形状設定されたフレームを含む。
人工弁100は、流入端部104と、流出端部102と、を含むことができる。人工弁100は、流入端部104と流出端部102とを通して延びる中心線111を規定することができる。いくつかの実例では、流出端部102は、人工弁100の遠位端であり、流入端部104は、人工弁100の近位端である。代替的には、例えば弁の送達手法に応じて、流出端部を、人工弁の近位端とすることができ、流入端部を、人工弁の遠位端とすることができる。
「近位」という用語は、本明細書で使用した際には、一般に、任意のデバイスのもしくは任意のデバイス構成要素の、ユーザ(例えば、医療従事者)に対してより近く、かつ、移植部位からはより遠い、位置、向き、または部分、を指す。
「遠位」という用語は、本明細書で使用した際には、一般に、任意のデバイスのもしくは任意のデバイス構成要素の、ユーザ(例えば、医療従事者)からはより遠く、かつ、移植部位に対してより近い、位置、向き、または部分、を指す。
「流出」という用語は、本明細書で使用した際には、人工弁の、血液が弁100を通して弁100から流出する領域を指す。
「流入」という用語は、本明細書で使用した際には、人工弁の、血液が弁100内へと流入する領域を指す。
よって、対象の移植部位内へと人工心臓弁100が移植される際には、血液が、弁100内へと血液が流入する流入端部104から、弁100から血液が流出する流出端部102へと向かう向きに、人工心臓弁100を通して流れることは、理解されよう。
弁100は、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能な環状フレーム106と、このフレーム106の内部に取り付けられた弁尖アセンブリ130と、を含む。
フレーム106は、ステンレス鋼、ニッケルをベースとした合金(例えば、コバルト-クロム合金、または、MP35N合金などのニッケル-コバルト-クロム合金)、ポリマー、またはこれらの組合せ、などの塑性変形可能な材料を含むがこれらに限定されない、様々な適切な材料から形成することができる。塑性変形可能な材料から構築された時には、フレーム106は、例えば圧着デバイス(図示せず)を使用して、送達シャフト50(例えば、カテーテル50)上において径方向圧縮状態へと圧着することができ、その後、膨張可能なバルーン52(図2A~Bを参照されたい)によって、または同等の拡張機構によって、患者の内部で拡張させることができる。代替的にまたは追加的に、フレーム106は、これに限定されないがニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)などの形状記憶材料から形成することができる。形状記憶材料で構築された時には、自己拡張型弁の場合のように、フレーム106を、径方向圧縮状態へと圧着し得るとともに、シャフト50内へと挿入することによって、または送達装置(図示せず)の同等の機構内へと挿入することによって、圧縮状態で拘束することができる。
図1に示す実施例では、フレーム106は、複数の交差した支柱110を含む環状のステント状構造である。フレーム106は、図1に示す角度付き支柱110などの、交差した支柱によって規定された一列のもしくは複数列の開口部またはセル108を有することができる。支柱110は、接合部112のところで交差することができ、例えば、支柱110は、流出頂点114を規定した上側接合部のところで交差することができる。フレーム106は、図示のように、フレームの流入端部104から流出端部102まで、一定の直径を有した円筒形のまたは実質的に円筒形の形状を有することができる、あるいは、フレームは、参照により本明細書に援用される米国特許第9,155,619号明細書に開示されているように、フレームの高さに沿って直径を変化させることができる。
支柱110どうしは、フレームの拡張または収縮を可能とするよう、互いに対して回動可能または曲げ可能であってもよい。いくつかの実装では、フレーム106は、径方向に収縮/拡張する能力を保持しながら、これらに限定されないが、レーザー切断、電鋳、および/または物理的蒸着、などの様々なプロセスを介して、金属チューブのような単一材料部材から形成することができる。
弁尖アセンブリ130は、少なくとも部分的にフレーム106の内部に位置決めされた複数の弁尖132(例えば、三枚の弁尖)を含むとともに、流入端部104から流出端部102へと人工弁100を通しての血液の流れを調節するように構成されている。図1に示す実施例では、三尖配置で折り畳まれるように構成された三枚の弁尖132が示されているけれども、人工弁100が、任意の他の枚数とされた弁尖132を含み得ることは、明らかであろう。弁尖アセンブリ130の下側エッジ134は、好ましくは、起伏のある湾曲した波形形状を有している。このような波形の幾何形状で弁尖を形成することにより、弁尖130にかかる応力が低減され、これにより、弁100の耐久性が向上する。波形の幾何形状は、また、弁尖アセンブリ130を形成するために使用される組織材料の量を低減させ、これにより、弁の流入端部のところで、より小さくかつより均一な圧着プロファイルを可能とする。
本明細書で開示する人工大動脈弁100の文脈では、「下側」および「上側」という用語は、便宜上、それぞれ「流入」および「流出」という用語に対して、互換的に使用される。
弁尖132は、生物学的材料(例えば、ウシ心膜、もしくは他の供給源からの心膜)、生体適合性合成材料、あるいは、例えば、参照により本明細書に援用される、米国特許第6,730,118号明細書、米国特許第6,767,362号明細書、および米国特許第6,908,481号明細書、に記載されているような、当該技術分野において公知の、他の適切な材料、に由来する可撓性材料から形成される。
各弁尖132は、その流入エッジ(弁尖の下側エッジであって、「尖鋭エッジ」とも称される)に沿って、および/または、弁尖アセンブリ130の、二つの弁尖130の隣接部分どうしが互いに接続される接合部140のところで、フレーム106に対して結合することができる。
いくつかの実施例によれば、人工弁100は、フレーム106の外面上に取り付けられ得るシール部材122を、さらに含む。いくつかの実施例によれば、シール部材122は、例えば、フレーム106と、人工弁100が取り付けられる天然弁輪の周囲組織と、の間に保持されるシール部材として機能するように構成されている。有利なことに、シール部材122のこのような組込は、人工弁100を通過する弁周囲漏出(PVL)のリスクを低減する。シール部材122は、適切な技術または機構を使用して、フレーム106に接続することができる。例えば、シール部材122は、支柱110の周囲に延び得る縫合糸を利用して、フレーム106に対して縫合することができる。よって、シール部材122などのシール部材は、従来から、PVLスカートと称されている。
いくつかの実装では、弁尖132の流入エッジまたは尖鋭エッジ134は、一つまたは複数の接続スカート124を使用して、フレーム106に対して固定することができる。各接続スカート124は、長尺で全体的に矩形のストリップを含むことができ、その異なる部分どうしの間を部分的に分離するためのスリット(図示せず)を形成することができ、適切な合成材料(例えば、PET)または天然組織から形成することができる。尖鋭エッジ134は、接続スカート124に対して取り付けることができ、接続スカート124は、フレームの流入端部104から流出端部102に向けて斜めに延びた複数の支柱110からなる列によって規定されたフレーム106の湾曲面に沿って延びた対角線に沿って、フレーム106に対して固定される。代替実施例では、尖鋭エッジ134は、例えば一連の縫合ステッチを利用して、フレーム106の支柱110に対して直接的に結合することができる、あるいは、フレームの内面上に取り付けられた、例えば内側スカートなどの、他のタイプの接続部材に対して直接的に直接結合することができる。シール部材をフレームに対して取り付けるさらなる実施例および方法は、ならびに、接続スカートの有無にかかわらず弁尖132をフレーム106に対して結合するための方法および技術は、参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2018/0028310号明細書に開示されている。
各弁尖132は、典型的には、反対側に位置したタブ136を含む。各タブ136は、隣接した弁尖132の隣接したタブ136に対して固定することができ、これにより、フレーム106に対して固定される接合部140を形成することができる。
弁のサイクル時には、弁尖132は、タブ層の最も内側のエッジのところで関節運動することができ、これにより、人工弁の通常動作時に、弁尖をフレーム106から離間させることが補助される。このことは、患者内へと移植される時に人工弁100がその最大公称サイズへと完全に拡張されない場合に、有利であり得る。そのため、人工弁100を、患者の、より広い範囲の環状サイズ内へと、移植することができる。
いくつかの実施例によれば、人工弁100は、セル108の支柱110に対して取り付けられた、合成材料(例えば、PET織物)または天然組織(例えば、ウシ心膜)を含めた比較的可撓性かつソフトな材料から形成され得る複数の支持部材142を、さらに含む。支持部材142の数は、接合部140の数と一致させることができ、その場合、各接合部140は、複数の縫合糸によって、フレーム106に対して取り付けることができる。
各支持部材142は、セル108を規定する支柱110に対して、縫合することができる。いくつかの実施例では、各支持部材142は、フレーム106のセル108を形成する一組をなす複数の支柱110の、各支柱に対して取り付けられている(例えば、縫合されている)。図1および図3Aに示す実施例では、例えば、支持部材142は、四本の支柱110を含むセル108の各支柱に対して、縫合することができる。
接合部140は、参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2018/0028310号明細書に開示されている様々な構成に従って、タブ136を折り曲げることによって、さらに、互いに縫合することによって、および/または、接合部に関する、補強部材や織物や同種のものなどの追加的な構成要素に対して縫合することによって、形成することができる。その後、接合部140は、例えば支持部材142に対して縫合することによって、各支持部材142に対して取り付けることができる。
図2A~図2Bは、人工弁100が移植部位内へと展開される前におよび/または展開されている最中に従来的に通過する状態どうしの間における移行を示している。人工弁100は、図1に示すように、径方向拡張状態で組み立てられてもよい。患者の身体内へと挿入する前には、圧着デバイス(図示せず)を使用することにより、人工弁100を圧縮構成へと圧着することができ、その後、患者の身体内へと移植するために利用するまでは、この圧縮構成で保管することができる。移植手順時には、人工弁100は、図2Aに示すように、圧着状態または圧縮状態で、患者の血管系を通して前進させることができる。
弁100が、標的移植部位(例えば、大動脈弁置換の場合には、大動脈弁輪)のところに位置決めされた後には、バルーン52を膨張させることができ、これにより、図2B、図3A、および図3Bに示すように、弁100をその拡張状態へと拡張させることができ、これにより、環状壁または動脈壁105などの周囲組織に対して弁を取り付けることができる。弁を完全に拡張させた後には、バルーンを収縮させてバルーンを患者の身体内から取り出すことができ、人工弁を所定位置に残すことができる。
場合によっては、バルーン52を収縮させてバルーンがフレーム106に対してもはや拡張力を及ぼさなくなった後には、人工弁100は、膨張したバルーン52によって規定される直径よりもわずかに小さな拡張直径へと、径方向内向きに収縮することができる。収縮は、好ましくは、膨張したバルーン52上で拡張された時の弁の直径と比較して、5%未満の範囲とされる。
弁尖アセンブリ130は、図3Bに示すように、収縮期の開状態(図示せず)と、拡張期の閉状態と、の間にわたって常に移行する。弁尖132は、図3Bに示す閉状態では人工弁100を通過する血液流を封止するために、それらの接合エッジ138どうしが互いに接合する時には、非平面的な接合面(注釈なし)を規定する。具体的には、拡張期時には、弁尖132は、径方向内向きに折り畳まれることにより、人工弁100を通過する血液流を効果的に封止するとともに、任意選択的に、それらの接合エッジ138どうしが互いに向けて移動する時には、非平面的な接合面(注釈なし)を規定する。この折り畳みにより、接合部140には、径方向内向きに引っ張り力が作用する。拡張期時には、弁尖132に対する引っ張り力が緩和された後に、接合部140は、自由状態の位置へと(径方向外向きに)弾性的に復帰する。
図3A~図3Bでは、人工弁100の外周面は、間隙107(あるいは、空隙または流路)によって示されているように、動脈壁105の内周面に対して、不連続的に係合していることが示されており、その結果、人工弁の外周面と動脈壁の内周面との間における適切な密封が欠如する可能性がある。これらの隙間107は、人工心臓弁100のフレーム106の外面が典型的には円形であるのに対して、動脈壁105の内面が不規則な表面形状を有し得ることに起因して形成され、したがって、弁100の周囲では、弁周囲漏出(PVL)が起こる可能性がある。
弁周囲漏出(PVL)は、人工心臓弁の移植に関連した合併症である。これは、拡張状態にある移植済み人工心臓弁の構造と、移植部位(例えば、周囲の心臓組織もしくは動脈組織)と、の間に位置した流路または隙間を通して血液が流れる時に、それらの間が適切に密封されていないために発生する可能性がある。PVLは、経カテーテル的大動脈弁移植術における臨床転帰に大きく影響することが従来から示されており、PVLの重症度は、患者の死亡率と相関している。
この問題に対処するため、例えば参照により本明細書に援用される米国特許第10,722,316号明細書に既に開示されているように、人工心臓弁の外周面の周囲に適応型シール部材を設けて、密封性を向上させることができる。典型的には、これらのシール構成要素(外部スカート、またはPVLスカート、としても知られている)は、移植済み人工心臓弁の周囲におけるPVL密封性を向上させるように構成することができる。加えて、いくつかのPVLスカートは、組織内方成長を促進するように設計されていた(例えば、スカートの外面上にテクスチャード加工糸を利用する)。
場合によっては、弁の摘出が必要とされ、その場合、以前に移植された弁は、患者の身体から外科的に除去される。しかしながら、従来の移植型人工心臓弁の摘出は、シール構成要素と周囲の解剖学的構造との間に新生内膜組織が形成されている場合には、周囲組織を外科的に切断することなく弁を移植部位から除去することが妨害されるため、患者にとって重大なリスクを伴い得る繊細な手順であって、困難なものであり得る。
有利なことに、本発明は、それらが組み込まれる人工心臓弁と、移植部位における環状壁または動脈壁105の内面と、の間における適合した嵌合または係合を可能とするように構成された三次元(3D)形状を有したシール部材(または、PVLスカート)を新規に開示するものであり、これにより、移植済み人工心臓弁の周囲におけるPVL密封性を向上させる。その上、本発明のシール部材は、人工心臓弁の周囲における組織内方成長を防止および/または減少させるように構成することができ、これにより、必要とされた時には、周囲組織からその人工心臓弁をより容易にかつより安全に摘出することができる。有利なことに、組織内方成長を最小化することにより、内方成長した組織がインプラントと解剖学的構造との間を接続している際に必要とされる複雑な外科処置手順に関連したリスクが、低減される。
第一の引裂抵抗性層と、それに対して取り付けられていて、そこから径方向外向きに延びた第二のクッション層と、を含むシール部材は、例えば参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2019/0374337号明細書に、既に開示されている。この米国特許出願公開第2019/0374337号明細書は、第一層に対して取り付けられたループ内へと織られたもしくは編まれたパイルストランドまたはパイルヤーンを含む第二層を、開示している。このようなストランドまたはヤーンは、組織内方成長を促進させ得る態様で、互いに離間したものとされ得る。よって、組織内方成長が回避されるべき用途では、互いに離間したものとされ得るストランドまたはヤーンを有していない連続的な材料から、第二層を形成することが好ましいことであり得る。しかしながら、そのようなストランドまたはヤーンとは異なる、所望の弾性的な3D連続層を形成することは、第一層に対して接着する(または、被覆する)態様でそのような層を形成するよう、製造手順を大幅に変更する必要があるため、困難であることが判明する可能性がある。本明細書は、このような課題に対処し得るいくつかの製造手順と、そのような手順から得られるシール部材と、を提供する。
よって、特定の態様によれば、本発明は、フレーム106と、このフレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリ130と、を含む人工心臓弁100を提供するものであり、フレームは、複数の交差した支柱110を含み、フレームは、本明細書で上記に開示したように、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であり、弁100は、フレーム106の外面に対して結合されたシール部材222をさらに含み、シール部材222は、その広げられた弛緩状態において三次元(3D)形状を有している。
結合された、係合された、接続された、および取り付けられた、という用語は、本明細書で使用した際には、互換的である。
いくつかの実施例によれば、本発明は、フレーム106と、このフレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリ130と、を含む人工心臓弁100を提供するものであり、フレームは、複数の交差した支柱110を含み、フレームは、本明細書で上記に開示したように、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であり、弁100は、フレーム106の外面に対して結合されたシール部材222をさらに含み、シール部材222は、その広げられた弛緩状態において弾性的な三次元(3D)形状を有している。
いくつかの実施例によれば、フレーム106と、このフレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリ130と、を含む人工心臓弁100が提供され、フレームは、複数の交差した支柱110を含み、フレームは、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であり、弁100は、フレーム106の外面に対して結合されたシール部材222をさらに含み、シール部材222は、少なくとも一つの熱的形状形成ステップを含むプロセスによって形成されている。
「形状形成」という用語は、対象物が形状形成前の元の形状と比較して異なる形状を形成するような、プロセス、手順、またはステップ、を指す。本発明のプロセスおよび製品に関する場合の形状形成とは、二次元対象物を三次元対象物へと成形するプロセスである。3D形状は、熱または物理的圧力が印加されていない時に(例えば、連続的な形状形成プロセスにおいて)、弾性的にその形状を維持するように形成されている。
よって、「熱的形状形成」という用語は、成形されるべき対象物を、周囲温度を超える温度へと加熱することによって形状形成を支援するような、プロセス、手順、またはステップ、を指す。本発明による熱的形状形成プロセスおよびステップが、常温下では不可能であるようなもしくは困難であるような形状形成プロセスおよびステップであることは、理解されよう。各可能性は、別個の実施例を示している。3D形状は、熱および物理的圧力が印加されていない時に(例えば、連続的な形状形成プロセスにおいて)、弾性的にその形状を維持するように形成されている。
被覆材料による対象物の単純な被覆が、被覆時に被覆対象物の形状を形成するための措置が講じられない限り、いくつかの実施例によれば、形状形成とは見なされないことは、理解されよう。言い換えれば、いくつかの実施例によれば、被覆の前後で被覆対象物が実質的に同じ形状を有する被覆プロセスは、形状形成とは見なされない。
「広げられた」という用語は、本明細書で使用した際には、実質的に平坦な折り畳み可能シートの状態を指す。四つのエッジを有した四角形対象物(例えば、いくつかの実施例による、典型的なPVLスカート)の場合、二つの対向したエッジどうしが互いに離れている時に、広げられた状態であると見なされる。例えば、図4Aは、広げられた状態のシール部材222を示している。
逆に、「折り畳まれた」という用語は、PVLスカートに関して本明細書で使用した際には、本発明のスカートが、実質的に円筒形の3次元形状であることを指し、任意選択的に、対象物(例えば、人工心臓弁のフレーム)に対して結合された状態を指す。例えば、図5Aは、人工心臓弁100を取り囲んだ折り畳まれた状態のシール部材(または、PVLスカート)222を示しており、図4Dは、心臓弁から切り離された折り畳まれた状態のシール部材222を示している。
典型的なPVLスカートが、その反対側に位置した二つのエッジどうしを接続したり連結したり取り付けたりすることにより、広げられた状態から折り畳まれた状態へと変形し得ることは、理解されよう。
「弛緩した」という用語は、本明細書で使用した際には、物理的な力または圧力が実質的に印加されていないような物質の状態を指す。
「広げられた弛緩状態」という用語は、本明細書で使用した際には、本明細書で上記に開示したように、実質的に弛緩と広がりとの両方を有した材料(例えば、シール部材222)の状態を指す。いくつかの実施例によれば、弛緩状態では、本発明のシール部材(例えば、シール部材222)は、物理的な力または圧力が実質的に印加されておらず、互いに実質的に離間した反対側に位置した二つのエッジを有している。
ここで、図4A~図5Cを参照する。図4Aは、いくつかの実施例による、シール部材222の斜視図を示している。図4Bおよび図4Cは、いくつかの実施例による、シール部材222の断面図を示している。図4D~図4Fは、いくつかの実施例による、円筒状に折り畳まれた状態での、シール部材222の様々な構成に関する斜視図を示している。図5A~図5Cは、いくつかの実施例による、人工弁100のフレーム106上に取り付けられたシール部材222の様々な構成を示している。
特定の態様によれば、人工弁100(例えば、図5A~図5Cを参照されたい)の、もしくは当該技術分野で知られている任意の他の同様の人工弁の、フレーム106の外面上に取り付けられるように(または、そのような外面に対して結合されるように)構成されたシール部材222が提供される。シール部材222は、適切な技術または適切な機構を使用して、フレーム106に対して接続する/取り付けることができる。例えば、シール部材222は、支柱110の周囲に延び得る縫合糸を利用して、フレーム106に対して縫合することができる。シール部材222は、広げられた状態で提供されることができ、フレーム106上へと折り畳むことによって、フレーム106に対して接続したり/取り付けたりすることができ、これにより、シール部材222を、広げられた状態から折り畳まれた状態へと変形させることができる。代替的には、シール部材222は、フレーム106に対する取付の前に、既に折り畳まれた状態で提供されてもよい。例えば、フレーム106は、既に円筒状へと折り畳まれたシール部材222の内部へと挿入され得るとともに、そのようなシール部材に対して縫合されてもよい。シール部材222は、図示のように、人工弁100が径方向拡張状態にある時にフレーム106の外面に対して横たわるようにして、フレーム106に対してぴったりと嵌合するように構成することができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、例えば図4A~図4Cに見ることができるように、その広げられた弛緩状態において3D形状を有している。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、円筒状に折り畳まれた状態(図4D~図4F、および図5A~図5C)において、本質的に3D形状を有している。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、3D弾性構造を有しており、これにより、シール部材222の非繊維状の外面280は、ピーク205を有した複数の***部分230と、複数の非***部分250と、を示すこととなる。さらなる実施例では、複数の非***部分250のそれぞれは、複数の***部分230の隣接した対によって規定される。さらなる実施例では、非繊維状の外面280は、円滑な面である。さらなる実施例では、非繊維状の外面280は、単一の/連続した面である。
いくつかの実施例では、***部分230は、リッジ230であり、非***部分250は、リッジ間ギャップ250である。本明細書で使用した際には、「***部分230」および「リッジ230」という用語は、互換的であり、図4B~図4Cに示すように、シール部材222の同じ複数の***部分を指す。本明細書で使用した際には、「非***部分250」および「リッジ間ギャップ250」という用語は、互換的であり、図4B~図4Cに示すように、シール部材222の同じ複数の非***部分を指す。
具体的には、例えば図4Aに見ることができるように、シール部材222は、リッジ230を含み、これらリッジ230は、その形状を、このようなリッジ230が存在しない場合に想定される実質的に平坦な二次元(2D)形状とは対照的に、3次元形状とする。よって、3次元(3D)シール部材222の3次元形状が、(i)シール部材222の流出エッジ207と流入エッジ209との間に延びた空間的長さ寸法(図4Bおよび図4Cを参照されたい)と、(ii)シール部材222の第一側方エッジ206と第二側方エッジ208との間に延びた空間的長さ寸法と、(iii)シール部材のリッジ230のリッジ高さ(または、厚さ)222RHによって規定される空間的長さ寸法(図4Cを参照されたい)と、を含むことは、理解されよう。さらに、シール部材222の3D構造が、リッジ230のリッジ高さ222RHに起因していること、さらに、このリッジ高さ222RHが、上面上にリッジ230が形成される前における平坦な2D構造の厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ、好ましくは少なくとも2000%の分だけ、より大きいことは、理解されよう。
「含む(including)」および/または「有する(having)」という用語は、本明細書で使用した際には、含む(comprising)(すなわち、オープンな言語)として定義される。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、シール部材222の第一面202から離間して延びた複数の突起またはリッジ230を含む。いくつかの実施例によれば、複数の突起またはリッジ230は、シール部材222の第一面202に沿って互いに離間している。複数のリッジ230は、いくつかの実施例によれば、(図4A~図4Cに見ることができるように)広げられた弛緩状態にある時には、シール部材222の3D形状を形成している。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、四つのエッジを有している。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、四つの頂点を有している。いくつかの実施例によれば、シール部材222の四つの頂点のそれぞれは、実質的に直角とされている。「実質的に直角」という語句は、80°~100°の範囲の角度を指す。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、四つの実質的に直角の頂点と、二組の反対側に位置した二つのエッジ(第一側方エッジ206と第二側方エッジ208とからなる組、および、流出エッジ207と流入エッジ209とからなる組)と、を有しており、各組において、反対側に位置した二つのエッジは、実質的に平行である。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、シール部材222が広げられた状態にある時には、第一側方エッジ206から第二側方エッジ208に向けて延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、シール部材222が折り畳まれた状態にある時には、シール部材の中心線211の周囲に延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材の中心線211と弁100の中心線111とは、同軸的であり、シール部材222が心臓弁100に対して接続された時には、一致してもよい。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、流入エッジ209から流出エッジ207に向けて延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、折り畳まれた状態と広げられた状態との両方において、流入エッジ209から流出エッジ207に向けて延びている。
いくつかの実施例によれば、広げられた状態では、シール部材222は、実質的に矩形である。いくつかの実施例によれば、第一側方エッジ206と第二側方エッジ208との距離は、流入エッジ209から流出エッジ207までの距離と比較して、より大きい。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230は、シール部材222の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線211から離間して径方向外向きに延びている(図4D~図4Fを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230は、シール部材222がフレーム106上に取り付けられた時には(図5A~図5Cを参照されたい)、弁100のフレーム106から径方向に離間して外向きに(その中心線111に対して外向きに)延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、複数のリッジ230がシール部材の中心線211から径方向に離間する向きとなるようにして、第一側方エッジ206と第二側方エッジ208とを接続することによって、折り畳まれる(例えば、図4Dを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、折り畳まれた状態のシール部材222は、複数のリッジ230が中心線111から径方向に離間して延びる向きとされるよう、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合される。
いくつかの実施例では、シール部材222は、複数の内部チャネル240を含み、各チャネル240は、シール部材222の第二面204に形成されている。さらなる実施例では、複数のチャネル240は、複数のリッジ230に対応しており、各リッジ230は、シール部材222の反対側の面に、対応したチャネル240を含む。さらなる実施例では、チャネル240の数は、リッジ230の数と同じであり、複数のチャネル240のそれぞれは、シール部材222の反対側の面に、複数のリッジ230のそれぞれによって形成されている。
いくつかの実施例によれば、複数のチャネル240のそれぞれは、シール部材222の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線211に面している(図4A~図4Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数のチャネル240のそれぞれは、シール部材222の折り畳まれた状態において、内向きとされている(図4A~図4Cを参照されたい)。
シール部材222などの、本発明のシール部材の文脈では、「内向き」という用語が、シール部材の面からシール部材の中心線(例えば、シール部材の中心線211)へと向かう径方向を指すこと、他方、「外向き」という用語が、その反対の径方向を指すことは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、「外向き」という用語は、人工弁100が取り付けられるように構成された天然弁輪がなす周囲組織へと向かう向きを指す。
いくつかの実施例によれば、複数のチャネル240のそれぞれは、シール部材222がフレーム106上に取り付けられた時には、弁100の中心線111を向いている(図5A~図5Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、複数のチャネル240が内側を向くようにして、第一側方エッジ206と第二側方エッジ208とを接続することによって、折り畳まれる。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、複数のチャネル240がシール部材の中心線211を向くようにして、第一側方エッジ206と第二側方エッジ208とを接続することによって、折り畳まれる。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジ間ギャップ250は、シール部材222の隣接した二つのリッジ230の間において第一層210の面上に形成されている。さらなる実施例によれば、一つのリッジ間ギャップ250が、流出エッジ207と一つのリッジ230との間に形成され、他方、別のリッジ間ギャップ250が、流入エッジ209と他の一つのリッジ230との間に形成されている。いくつかの実施例によれば、リッジ間ギャップ250が、シール部材222の3次元形状に基づいて形成された空間であることは、理解されよう。具体的には、いくつかの実施例によれば、複数のリッジ間ギャップ250は、リッジ230が向いているのと同じ向きを向いている。いくつかの実施例によれば、リッジ間ギャップ250のそれぞれは、折り畳まれたシール部材222から外向きとされている。
いくつかの実施例によれば、シール部材222を含む人工心臓弁100は、動脈壁105と複数のリッジ230との間に接触を形成するようにして、標的移植部位(例えば、大動脈弁置換術の場合には、大動脈弁輪)のところに位置決めされる(すなわち、移植される)ように構成されている。有利なことに、シール部材222の複数のリッジ230は、移植部位における人工心臓弁100の拡張の後に動脈壁105に対して接触するように構成されており、これにより、人工心臓弁100と動脈壁105の内面との間における適合した嵌合または係合を可能とし、これにより、移植済み人工心臓弁の周囲におけるPVL密封性を向上させる。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、円筒状に折り畳まれたPVLスカートを形成するために、その弾性および/または可撓性という特性に基づいて、広げられた弛緩状態から円筒状に折り畳まれた状態へと移行するように構成されている。折り畳まれたPVLスカート222は、例えば弁組立の手順時に、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されるようになってもよい。代替的には、広げられたシール部材222が、フレーム106の外面の周囲に折り畳まれてもよく、そのような外面に対して結合されることで、同様の製品が得られてもよい。
図4D~図4Fでは、複数のリッジ230は、異なる方向に延びた平行な経路線に追従する様子が図示されている。これらは、折り畳まれた状態の円筒形状のシール部材222に関する中心線211に対して、垂直、水平、または斜め、であってもよい。シール部材222の折り畳まれた状態におけるリッジ230の向きが、折り畳まれる前の、すなわちシール部材222が広げられた状態にある時の、リッジの構造によって規定され得ることは、理解されよう。例えば、第一側方エッジ206から第二側方エッジ208へと延びた平行な経路線に追従している複数のリッジ230を有したシール部材222(図4Aに示すように)は、シール部材222がなす円筒形状が形成されるようにして、第一側方エッジ206を第二側方エッジ208に対して接続することによって、折り畳まれてもよい。このような例示的な状況では、前述の折り畳み時には、折り畳まれた形状のシール部材222は、流入エッジ209および流出エッジ207に対して実質的に平行な複数の円周方向に延びたリッジ230を有することとなる(図4Dに示すように)。第二の実施例では、流入エッジ209から流出エッジ207へと延びた平行な経路線に追従している複数のリッジ230を有したシール部材222(広げられた弛緩状態は、具体的に図示されていない)は、シール部材222がなす円筒形状が形成されるようにして、第一側方エッジ206を第二側方エッジ208に対して接続することによって、折り畳まれてもよい。このような第二の例示的な構成では、前述の折り畳み時には、折り畳まれた形状のシール部材222は、流入エッジ209および流出エッジ207に対して実質的に垂直とされた複数の垂直方向を向いたリッジ230を有することとなる(図4Eに示すように)。同様に、広げられた状態で傾斜したリッジまたは斜めのリッジは、図4Fに示すように、シール部材222の折り畳まれた状態での斜めを向いたリッジ230をもたらすこととなる。
本明細書で詳述するように、シール部材222にリッジ230を形成するための形状形成プロセスは、折り畳み前に実施されることに限定されるものではなく、いくつかの実施例によれば、リッジ230は、折り畳み後にシール部材222の第一面202上に形成されてもよい。そのような場合、リッジ230の経路線の向きは、単純である。さらに、本発明によるシール部材222のリッジは、互いに平行な経路線を形成する必要はない。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の広げられた状態において、第一側方エッジ206から第二側方エッジ208へと延びた経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の広げられた状態において、第一側方エッジ206および/または第二側方エッジ208のいずれか一方に対して垂直な経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の広げられた状態において、流出エッジ207および/または流入エッジ209のいずれか一方に対して平行な経路線に追従している。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線211の周囲において周方向に延びた経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222が折り畳まれた状態とされて人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられた時には、中心線111の周囲において周方向に延びた経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線211の周方向まわりで、流出エッジ207および/または流入エッジ209のいずれか一方に対して平行な経路線に追従している(図4Dを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の広げられた状態において、流入エッジ209から流出エッジ207へと延びた経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の広げられた状態において、第一側方エッジ206および/または第二側方エッジ208のいずれか一方に対して平行な経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の広げられた状態において、流出エッジ207および/または流入エッジ209のいずれか一方に対して垂直な経路線に追従している。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線211に対して平行に延びた経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222が折り畳まれた状態とされて人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、中心線111に対して平行に延びる経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222の折り畳まれた状態において、流出エッジ207および/または流入エッジ209のいずれか一方に対して垂直な経路線に追従している(図4Eを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、その広げられた状態において、シール部材222の面に沿って斜めに延びた経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、その折り畳まれた状態において、シール部材222の面に沿って斜めに延びた経路線に追従している。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、シール部材222が折り畳まれた状態とされて人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、中心線111に対して斜めに延びた経路線に追従している(図4Fを参照されたい)。
上述したような様々な構成および向きは、異なる生理学的要件および移植関連要件に関して、有利であり得る。例えば、図4Dおよび図5Aの構成は、弁100が環状壁または動脈壁105に対して取り付けられる時に、流れの軸線方向に対して複数のリッジ230が全体的に垂直な向きであることに起因して有利であり得るものであり、これにより、それらの間におけるPVL密封性を潜在的に向上させることができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第一層210を含む。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第一層210と、第二層220と、を含む。さらなる実施例によれば、前述の第一層210および第二層220は、それぞれ、シール部材222がフレーム106の外面に対して結合される時には、フレーム106の外面に対して外側に配置される。さらなる実施例によれば、シール部材222は、本明細書で詳述するように、追加的な層を含むことができる。
いくつかの実施例によれば、第二層220は、第一層210の第一面215に対して接触している。いくつかの実施例によれば、第二層220は、シール部材222が広げられた状態にある時と折り畳まれた状態にある時との両方で、第一層210の第一面215に対して接触している。いくつかの実施例によれば、第二層220は、第一層210の第一面215に対して取り付けられている、および/または、第一層210の第一面215を被覆している。いくつかの実施例によれば、第一層210の前述の第一面215は、シール部材222が折り畳まれた状態にある時には、外向きとされている。いくつかの実施例によれば、前述の第一面215は、シール部材222が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、移植部位(例えば、環状壁または動脈壁105)を向いている。さらなる実施例によれば、第二層220は、図4Bに示すように、シール部材222の第一面202を規定している。いくつかの実施例によれば、シール部材222の第一面202は、シール部材222が折り畳まれた状態にある時には、外向きとされている。いくつかの実施例によれば、シール部材222の第一面202は、シール部材222が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、移植部位を向いている。
いかなる理論または作用機構にも拘束されることを望むことなく、本明細書で開示する様々なシール部材222は、熱的形状加工手順の結果であり得る三次元形状を形成している。そのような手順は、本明細書で詳述するように、高温で成形可能な熱可塑性材料の採用によって、可能とされるあるいは容易とされる。熱可塑性材料を、薄いシート状の対象物を使用して所望の構造へと成型可能または成形可能とするためには、熱可塑性材料が対象物を構成していることがまたは覆っていることが、有利である。これは、例えば、熱可塑性被覆層による被覆を利用することで、または、熱可塑性層を使用して対象物を形成することで、達成されてもよい。形状形成プロセスを可能とするためには一つの熱可塑性層で充分であり得るけれども、いくつかの実施例によれば、例えば二つの層などの、複数の熱可塑性層を含むことが有利であり得る。具体的には、シール部材222の二つの外側層が熱可塑性材料を含む構成が、有利であり得る。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第三層225を含む。
いくつかの実施例によれば、第三層225は、第一層210の第二面216に対して接触している。いくつかの実施例によれば、第三層225は、シール部材222が広げられた状態にある時と折り畳まれた状態にある時との両方で、第一層210の第二面216に対して接触している。いくつかの実施例によれば、第三層225は、第一層210の第二面216に対して取り付けられている、および/または、第一層210の第二面216を被覆している。いくつかの実施例によれば、第一層210の前述の第二面216は、シール部材222が折り畳まれた状態にある時には、内向きとされている。いくつかの実施例によれば、前述の第二面216は、シール部材222が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、移植部位(例えば、動脈壁105)とは反対側を向いている。さらなる実施例によれば、第三層225は、図4Cに示すように、シール部材222の第二面204を規定している。いくつかの実施例によれば、シール部材222の第二面204は、シール部材222が折り畳まれた状態にある時には、内向きとされている。いくつかの実施例によれば、シール部材222の第二面204は、シール部材222が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、移植部位のところで解剖学的壁とは反対側を向いている。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第二層220と第三層225との両方を含む。いくつかの実施例によれば、第二層220は、第三層225に対して接続されている。いくつかの実施例によれば、第二層220と第三層225とは、図4Cに示すように、第一層210を覆うように一体化されている。いくつかの実施例によれば、第二層220と第三層225とは、集合的に、シール部材222の第一面202と第二面204との両方をそれぞれ覆う被覆を形成している。いくつかの実施例によれば、第二層220と第三層225とは、集合的に、シール部材222を覆う被覆を形成している。
上記に基づいて、いくつかの実施例によれば、シール部材222が折り畳まれた状態にある時には、その第二面204が内向き(シール部材の中心線211に向けて)とされるよう、さらに、その第一面202が外向きとされるよう、広げられたシール部材222が、第二面204を超えて、第一側方エッジ206と第二側方エッジ208とを接続することによって、折り畳まれた状態へと折り畳まれることは、理解されよう。したがって、折り畳まれたシール部材222が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、第二層220は、移植部位のところで解剖学的壁(例えば、環状壁または動脈壁105の内面)に対して接触する。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第一面202と第二面204との間に延びており、シール部材222は、図4Cに示すように、リッジ間ギャップ250の一つのところで、第一面202と第二面204との間で測定した全層厚さ203を有している。いくつかの実施例によれば、前述の全層厚さ203は、シール部材222の第一面202から、第一層210(図示せず)の第二面216までにわたって、測定される。いくつかの実施例によれば、全層厚さ203は、図4Cに示すように、シール部材222(例えば、第二層220)の第一面202から、第二面204(例えば、第三層225)までにわたって、測定される。いくつかの実施例によれば、シール部材222のリッジ高さ222RH(例えば、リッジ230の高さによって測定される厚さ)は、全層厚さ203と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例では、リッジ高さ222RHは、シール部材222の全層厚さ203と比較して、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。なおもさらなる実施例では、リッジ高さ222RHは、シール部材222の全層厚さ203と比較して、6000%以下、7000%以下、8000%以下、9000%以下、10,000%以下、20,000%以下、30,000%以下、40,000%以下、または50,000%以下、である。各可能性は、異なる実施例を示している。
特定された各構成要素を含む本発明が、図面に示された実施例に限定されないことは、理解されよう。具体的には、寸法は、実際の寸法および寸法配分を反映するのではなく、構成要素が明確で理解しやすいように、図面内に図示され得る。例えば、図4B~図4Cにおけるリッジ高さ222RHと全層厚さ203との間における厚さ比率は、中程度であるけれども、上述したように、実際の比率は、より大きい(例えば、リッジ高さ222RHは、全層厚さ203と比較して、10倍~60倍の分だけ大きい)。例えば、いくつかの非拘束性の実装では、全層厚さ203は、0.02mm~0.1mmの範囲とすることができ、他方、リッジ高さ222RHは、0.5mm~3mmの範囲とすることができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、シール部材222の非繊維状の外面280が、本明細書で上記に開示したように、ピーク205を有した複数の***部分230と、複数の非***部分250と、を示すようにして、弾性的な3D構造を有している(例えば図4B~図4Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、シール部材222の非繊維状の外面280は、第一面202と、複数の***部分230(すなわち、複数のリッジ230)の各外面と、を組み合わせた外面として規定される。いくつかの実施例によれば、ピーク205は、シール部材222の第一面202から離間して延びた、複数の***部分230の各外面に沿った最高点として規定される。いくつかの実施例によれば、各ピーク205の高さは、シール部材222が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合された時の、フレーム106に対しての、複数の***部分230の各外面に沿った最高点の距離(例えば、リッジ高さ222RH)として規定される。
いくつかの実施例によれば、非***部分250は、リッジ間ギャップ250として規定される。さらなるそのような実施例では、各非***部分250の高さは、シール部材222が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合された時の、フレーム106に対しての、第一面202の距離として規定される(例えば、図4A~図4Cに示す実施例では、全層厚さ203)。いくつかの実施例によれば、フレーム106からのピーク205の距離は、***部分230をフレームに対して押圧するように印加される外力が存在しない場合(便宜上、「弛緩状態」とも称される)には、フレーム106からの非***部分250の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例によれば、フレーム106からのピーク205の距離は、フレームからの非***部分250の距離と比較して、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。各可能性は、異なる実施例を示している。
シール部材の3D形状を変形させるために印加される力に関して、「外力」という用語は、人工弁100が周囲組織に対して展開される時に周囲組織(例えば、環状壁または動脈壁105)によって印加される力に関連してもよい、あるいは、保管時にもしくは移植部位への送達時に、内部に弁100が保持されるシースまたはカプセルの内壁によって印加される力に関連してもよい。
「弾性」という用語は、シール部材の3D形状に関して本明細書で使用した際には、シール部材が、より具体的にはシール部材のピークもしくはピーク部分が、そのような外力が印加された時に永久変形に対して耐性があるとともに、外力が印加されなくなった時には、弛緩状態へと復帰する傾向を有していることを、指す。
「非繊維状」という用語は、本発明のシール部材における非繊維状の外面(例えば、シール部材222の非繊維状の外面280)に関して本明細書で使用した際には、シール部材の、ヤーンおよび/またはストランドが存在していない外面(テクスチャー化されたヤーンおよび/またはストランドが存在していないことを含む)を指す。よって、非繊維状の外面を規定する第二層は、必然的に非繊維状の層であり、これは不織布層および非編組層であるとして理解されたい。
いくつかの実施例によれば、第一層210は、シール部材222に対して機械的安定性を提供するように構成された、および任意選択的に、シール部材222に対して引裂抵抗性(または、引裂強度)を提供するように構成された、可撓性材料かつ/または弾性材料から形成されている。さらなる実施例では、第一層210は、任意選択的に不可逆的な変形を防止する(例えば、引裂に抵抗する)ことによって、人工弁100のフレーム106の外面に対するシール部材222の連続的な耐久性のある取付を可能とするように構成されており、これにより、構造に対して機械的安定性を提供するものであり、有利であり得る。
本明細書で使用した際には、「引裂抵抗性」および「引裂強度」という用語は、互換的であり、材料が応力の印加を受けた時に、裂け目の形成に抵抗する材料の能力を指す。裂け目とは、応力を受けた材料内への、ノッチまたは切り込みの程度を指す。引裂抵抗性材料は、完全性を失うことなく、印加された大きな応力および/または変形に対して耐えることができる。いくつかの実施例によれば、本発明の引裂抵抗性層(例えば、第一層210)は、比較的薄いものとすることができ、なおかつ、引裂を起こすことなく、上面上に取り付けられる任意の被覆層またはコーティング層がフレームに対して縫合されることを可能とするよう、ならびに、人工弁100が圧着されることを可能とするよう、充分な強度を有することができる。
いくつかの実施例によれば、本発明の引裂抵抗性層(例えば、第一層210)は、リップストップ織物を含んでもよい。「リップストップ」という用語は、本明細書で使用した際には、引裂および裂けに耐性を有した強化織布を指す。リップストップ織物は、典型的には、強化糸がクロスハッチパターンで指定された間隔で織り込まれた織布を指し、指定された間隔は、織物ごとに変えることができ、任意選択的に、一つの織物内でも変えることができる。強化糸をどのように組み込むかに応じて、織布は、例えばボックスパターンなどの様々なテクスチャーを呈することができる。いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材の第一層(例えば、第一層210)は、リップストップ織物を含み、任意選択的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)から形成された繊維を含む。さらなる実施例では、シール部材の第一層(例えば、第一層210)は、PETを含む引裂抵抗性リップストップ織物を含む。
いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含む。さらなる実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの引裂抵抗性材料から形成されている。
第一層210は、様々な適切な材料から形成することができ、任意選択的に生体適合性の材料から形成することができ、例えば、限定するものではないが、様々な合成材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、等)、天然組織および/または繊維(例えば、ウシ心膜、絹、綿、等)、金属(例えば、金、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、ニッケルチタン(ニチノール)、等を含む金属メッシュまたはブレイド)、ならびにこれらの組合せ、などから形成することができる。各可能性は、異なる実施例を示している。
第一層210は、形状記憶金属部材もしくはポリマー部材などの、金属部材またはポリマー部材とすることができる。第一層210は、織布とすることができる。第一層210が織布に限定されないことは、理解されよう。織込布地、編込布地、織物ウェブ、織物フェルト、フィラメント紡績布地、および同種のもの、などの他の布地構造を使用することができる。第一層210の布地は、本明細書で上述したように、様々な合成材料、天然組織および/または繊維、金属、ならびにこれらの組合せ、から選択される少なくとも一つの適切な材料を含むことができる。
いくつかの実施例によれば、第一層210は、限定するものではないがポリエチレンテレフタレート(PET)などの、強靭な引裂抵抗性材料を含む。さらなる実施例によれば、第一層210は、引裂抵抗性PET織物を含む。さらなる実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの引裂抵抗性ニット/織込PET織物を含む。
本発明の引裂抵抗性材料(例えば、PET織物)は、いくつかの実施例によれば、単純な平織り、バスケット織り、綾織り、ベロア織り、および同種のもの、を含めた任意の公知の織りパターンを使用して、糸から織り込まれてもよい。織りパターンは、織られた引裂抵抗性材料(例えば、シール部材222)の長手方向長さに沿って走る縦糸と、織られた引裂抵抗性材料の幅または周まわりに走る横糸であり、充填糸としても知られている横糸と、を含む。
いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの可撓性材料を含む。さらなる実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの可撓性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第一層210は、可撓性である。
いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの弾性材料を含む。さらなる実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの弾性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第一層210は、弾性である。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材(例えば、シール部材222)の引裂抵抗性層(例えば、第一層210)は、少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料を含み、この材料は、引裂前に約3N超の力の負荷に耐えることができる。いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料を含み、この材料は、引裂前に約5N超の力の負荷に耐えることができ、これにより、シール部材222が、通常使用時に引裂を起こすことなく信頼性高く動作することを可能とする。いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料を含み、この材料は、引裂前に約7N超の力の負荷に耐えることができる。
さらなる実施例によれば、第一層210における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約10N超の力の負荷に耐えることができる。なおもさらなる実施例によれば、第一層210における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約15N超の力の負荷に耐えることができる。なおもさらなる実施例によれば、第一層210における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約20N超の力の負荷に耐えることができる。なおもさらなる実施例によれば、第一層210における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約25N超の力の負荷に耐えることができる。なおもさらなる実施例によれば、第一層210における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約30N超の力の負荷に耐えることができる。好ましい実施例によれば、第一層210における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、PET織物を含むとともに、引裂前に最大で約20Nの力の負荷に耐えることができる。
少なくとも5Nの引裂抵抗性を有するということが、引き裂きを起こすことなく、層が少なくとも軸線方向に引き伸ばされ得る(すなわち、流入エッジ209と流出エッジ207が互いに離間するように引き伸ばされ得る)ことを意味することは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの生体適合性材料を含む。さらなる実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの生体適合性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第一層210は、生体適合性である。
「生体適合性」という用語は、本明細書で使用した際には、移植可能な弁およびそのシール部材が、生体組織または生体に対して害を及ぼすことなく、生体組織または生体に対して接触し得ることを意味する。生体適合性を有した材料および物品は、移植部位の生体内環境において実質的に無毒性であって、患者の生理学的システムによって実質的に拒絶されない(すなわち、非抗原性である)。これは、国際標準化機構(ISO)規格第10993号に記載された、および/または米国薬局方(USP)23号に記載された、および/または米国食品医薬品局(FDA)ブルーブック覚書第G95-1号「Use of International Standard ISO-10993, Biological Evaluation of Medical Devices Part-1: Evaluation and Testing」に記載された、生体適合性試験に合格する材料の能力によって測定することができる。典型的には、これらの試験では、物質の毒性、感染性、発火性、刺激性、反応性、溶血活性、発がん性、および/または免疫原性、を測定する。
図4Cに示すように、第一層210が、第二層220および第三層225によって覆われている時には、移植時に組織に対して接触しないため、この場合には、第一層210が、非生体適合性材料から形成され得ることは、理解されよう。それでもなお、このような場合であっても第一層210を生体適合性材料から形成することが、第二層220または第三層225のいずれかが摩耗損傷したり断裂したりすることで第一層210の一部が露出し得るリスクを回避するためには、好ましいことであり得る。
例えばシール部材222などの本発明のシール部材は、いくつかの実施例によれば、最初の移植部位から人工弁を除去するための摘出手順を補助し得るような、シリコーンを、または他の潤滑性材料もしくは他の潤滑性ポリマーを、さらに含んでもよい。このような潤滑性材料は、典型的には、周囲組織(例えば、この例示的なシール部材222の第一面202および/または第二層220)に対して接触することとなる最外面内へと、および/またはそのような最外面上へと、組み込まれる。追加的にまたは代替的に、本発明のシール部材の最外面(例えば、第一面202および/または第二層220)は、円滑であってもよい、および/または、低摩擦性もしくは潤滑性の材料を含んでもよい。最外面の潤滑性材料は、また、人工弁100の流入端部104(または、他の部分)に対して接触する天然弁の組織との摩擦を低減することができ、これにより、組織に対する損傷を防止することができる。
いくつかの実施例によれば、第一面202および/または第二層220は、ヤーンおよび/またはストランドを含まない態様で(テクスチャー化されたヤーンおよび/またはストランドを含まないことを含めて)、連続的である。
いくつかの実施例によれば、第二層220は、移植部位組織(すなわち、環状壁または動脈壁105の内面)に対して接触するように構成されており、したがって、少なくとも一つの弾性的な生体適合性材料から形成されている。さらに、第二層220は、いくつかの実施例によれば、シール部材222の周囲もしくは上面上への組織内方成長を防止したり/抵抗したりおよび/またはその程度を低減したりし得る材料から形成されていることが有利であり、そのような材料は、摘出手順が必要とされた場合に、上記で詳述したように、移植部位から弁100を容易に除去することを可能とする。
いくつかの実施例によれば、第二層220は、限定するものではないが熱可塑性材料などの、様々な適切な生体適合性の合成材料から形成することができる。適切な熱可塑性の生体適合性材料は、限定するものではないが、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン(ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンなど)、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、から選択される。各可能性は、異なる実施例を示している。よって、いくつかの実施例によれば、第二層220は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第二層220は、熱可塑性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層220は、熱可塑性材料からなる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよび/またはコポリマー、からなる群から選択される。
いくつかの実施例によれば、第二層220は、限定するものではないが、熱可塑性エラストマー(TPE)を含めた熱可塑性材料などの、様々な適切な生体適合性の合成材料から形成することができる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマーである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマー(TPE)を含む。
本明細書で使用した際には、「熱可塑性エラストマー」またはTPEという用語は、互換的であり、熱可塑性およびエラストマー特性を有したコポリマーの一種あるいはポリマーどうしの物理的混合物を指し、実質的に2Dの対応物から3Dの幾何学的形状を形成する目的で、熱的形状形成(すなわち、熱可塑性ポリマーと同様に、熱の印加のもとで)を行い得る一方で弾性特性を有することを特徴とする。熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、硬質部分と軟質部分とを含む線状セグメント化されたブロックコポリマーを含むTPEの一例である。TPEsは、射出成形、押出成形、3D印刷、熱成形、および同種の成形、などの様々な既知の方法を利用して、様々な形状を形成するように熱加工することができる。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、からなる群から選択される。各可能性は、異なる実施例を示している。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、TPUである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、第二層220は、移植済み人工心臓弁の周囲における組織内方成長を防止および/または低減する目的で、その周囲における血餅(血栓)の形成を防止するように構成された少なくとも一つの抗血栓性材料を含み、これにより、必要とされた時には、好ましくは複雑な外科的手順を行うことなく、周囲組織から弁を容易にかつ安全に摘出することを可能とする。いくつかの実施例によれば、第二層220は、少なくとも一つの熱可塑性エラストマー製抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層220は、少なくとも一つの熱可塑性エラストマー製抗血栓性材料を含み、この材料は、周囲における組織内方成長を防止および/または低減するように構成されている。そのような材料は、いくつかの実施例によれば、TPUを含む。
「抗血栓性」という用語は、本明細書で使用した際には、インビトロおよび/またはインビボでの、血小板の付着およびそれに続く血栓形成および/または組織内方成長に対する材料の抵抗性を指す。
いくつかの実施例によれば、第二層220は、TPUを含む。
第三層225は、シール部材222内へと組み込まれた時には、いくつかの実施例によれば、本明細書で詳述するように、第二層220に対して一体化されてもよい。第三層225および第二層220が、それぞれ、第一層210を覆う一体化被覆として形成されている時には、いくつかの実施例によれば、それらは、好ましくは、同じ材料から形成されている。第三層225および第二層220が、それぞれ分離していたとしても、いくつかの実施例によれば、それらは、同様の組成を、または同一の組成を、有してもよい。いくつかの実施例によれば、第三層225および第二層220は、それぞれ、同じ材料から形成されている。
いくつかの実施例によれば、第三層225は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層225は、熱可塑性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層225は、熱可塑性材料からなる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。
第三層225を製造するのに適した熱可塑性材料は、第二層220の組成に関して本明細書で詳述したものである。
いくつかの実施例によれば、第三層225は、少なくとも一つの熱可塑性エラストマー製抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層225は、少なくとも一つの熱可塑性エラストマー製抗血栓性材料を含み、この材料は、周囲における組織内方成長を防止および/または低減するように構成されている。
いくつかの実施例によれば、第三層225は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第一層210と、第二層220と、を含み、第一層210は、少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含み、第二層220は、少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第一層210と、第二層220と、第三層225と、を含み、第一層210は、少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含み、第二層220および第三層225のそれぞれは、少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む。さらなる実施例によれば、第二層220は、弛緩した広げられた状態で、3D構成を形成する。さらなる実施例によれば、第三層225は、弛緩した広げられた状態で、3D構成を形成する。いくつかの実施例によれば、第二層220および第三層225は、弛緩した広げられた状態で、同様の3D構成を形成する。
いくつかの実施例によれば、第二層220は、本明細書で詳述するように、3D形状を弾性的に保持するように構成されている(すなわち、リッジ230を有している)。いくつかの実施例によれば、第三層225は、本明細書で詳述するように、同様の3D形状を弾性的に保持するように構成されている(すなわち、チャネル240を有している)。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第一層210と、第二層220と、を含み、第一層210は、機械的安定性と引裂抵抗性とを提供するように構成されているとともに、その構造を支持するように構成されており、他方、第二層220は、その3D形状を形成して維持するように構成されており、任意選択的に上面上への組織内方成長を防止および/または低減するように構成されている。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、第一層210と、第二層220と、を含み、第一層210は、機械的安定性と引裂抵抗性とを提供するように構成されているとともに、その構造を支持するように構成されており、他方、第二層220および第三層225は、その3D形状を形成して維持するように構成されており、第二層220は、任意選択的に、上面上への組織内方成長を防止および/または低減するように構成されている。
第二層220は、単独で、または任意選択的な第三層225と一緒に、フレーム106の外面に対するシール部材222の耐久性のある取付を良好に維持する能力を欠く可能性があることが、想定される。具体的には、第二層220は、および任意選択的な第三層225は、引裂抵抗性が低い可能性があり、耐久性を有した態様でフレーム106に対して縫合し得ない可能性がある。有利なことに、第一層210と第二層220とを組み合わせることにより、シール部材222に必要な特徴を提供することが可能とされる。TPUは、組織内方成長を潜在的に低減し得るとともに、シール部材222の3D形状を維持し得るけれども、フレームに対して縫合する時点で避けてしまう可能性がある。いくつかの実施例によれば、TPUを含む第二層220は、縫合糸を保持するのに必要な強度を提供するために、PETを含む第一層210によって補強される。
本発明の熱可塑性エラストマー(TPE)材料(例えば、TPU)を含むシール部材は、優秀な弾性と、卓越した復元性と、を有しているとともに、上面上への組織内方成長が最小限であり、3D形状を維持することが可能であり、さらに、無毒性であって生体適合性を維持している。この機械的特性と生物学的特性との独自の組合せにより、医療用途に関して理想的に適した構造が得られる。
TPUなどの熱可塑性エラストマー材料を、シール部材222の一つの層として利用することで、複数の弾性リッジ230を有した所望の3D形状のシール部材222を形成し得る態様で、そのようなシール部材222を製造することが可能とされることが、想定される。いくつかの例では、有利なことに、シール部材222の複数の弾性リッジ230は、人工心臓弁100の拡張後には、移植部位のところで環状壁または動脈壁105に対して接触するとともに、環状壁または動脈壁105に対して押圧されるように構成されており、これにより、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間におけるPVL密封性を向上させる。よって、いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230のそれぞれは、弾性的で圧縮可能である。複数のリッジ230の弾性および圧縮可能な特性は、移植部位における天然の心臓弁の組織に対するシール部材222の保持を改良することができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、弾性的な3D形状を有しており、前述の弾性的な3D形状は、シール部材に対して外力が印加された時には(例えば、環状壁もしくは動脈壁105に対して、またはシャフトもしくは保持カプセルの内壁に対して、押圧された時には)、変形するように構成されているとともに、外力が印加されなくなった時には(例えば、拡張される前に、弁が、シャフトまたはカプセルから解放された時には)、元の形状(すなわち、弛緩状態の形状)へと復帰するようにさらに構成されている。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材(例えば、シール部材222)は、弾性的な3D構造/形状を有しており、この弾性的な3D構造/形状は、事前規定された閾値を超える外力が印加された時には、変形するように構成されているとともに、外部圧力が印加されなくなった時には、弛緩状態へと復帰するように構成されている。いくつかの実施例によれば、外圧の事前規定された閾値は、300mmHgである。
リッジ230の圧縮性が、リッジ230が形成されている第二層220の弾性的な3D構造と矛盾しないことは理解され、それは、リッジ230に対する圧縮が止まった時点で(例えば、シール部材222が弛緩状態へと復帰した場合には)、第二層220のリッジ230の構造が復活するからである。
いくつかの実施例によれば、シール部材222は、少なくとも、引裂抵抗性材料を含む第一層210と、熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第二層220と、を含む。いくつかの実施例によれば、シール部材222は、熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第三層225を、さらに含む。さらなる実施例によれば、シール部材222は、PET織物を含めた引裂抵抗性材料を含む第一層210と、TPUを含めた熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第二層220と、を含み、TPUは、シール部材222の第一面202に沿って3D幾何学的形状を形成するように熱加工されており、これにより、本明細書で上述したように、複数のリッジ230を形成している。さらなる実施例によれば、シール部材222は、TPUを含めた熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第三層225を含み、TPUは、シール部材222の第二面204に沿って3D幾何学的形状を形成するように熱加工されており、これにより、本明細書で上述したように、複数のチャネル240を形成している。
ここで、図6A~図6Eおよび図7A~図7Cを参照する。図6A~図6Bは、いくつかの実施例による、広げられた状態のシール部材222を製造するための、熱成形を利用した例示的な熱形状加工ステップを示している。具体的には、図6A~図6Bは、いくつかの実施例による、広げられた状態のシール部材222を製造するための、金型264上への配置および加熱を利用した、平坦な可撓性シート212の熱処理ステップを示している。図6C~図6Dは、いくつかの実施例による、広げられた状態のシール部材222を製造するための、金型264上への配置と加熱と真空熱成形とを利用した、平坦な可撓性シート212の熱処理ステップを示している。図6Eは、いくつかの実施例による、広げられた状態のシール部材222を製造するための、反対側に位置した二つの面上へと金型264を使用して力を印加することを含めて熱成形を利用した、平坦な可撓性シート212の熱処理ステップを示している。
いくつかの実施例によれば、本発明の方法により製造されたPVLスカート222が提供される。いくつかの実施例によれば、本発明の方法により製造された折り畳まれた状態のPVLスカート222が提供される。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材222などのシール部材を、費用対効果が高くかつ単純な態様で製造するための方法が提供される。いくつかの実施例によれば、方法は、(i)引裂抵抗性平坦シート212を準備することと、(ii)シートを熱的形状形成プロセスで処理することにより、広げられた弛緩状態で3D形状を形成することと、(iii)ステップ(ii)におけるシート212の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態で円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、方法は、(i)引裂抵抗性第一層210と熱可塑性第二層220とを含む平坦な可撓性シート212を準備することと、(ii)平坦な可撓性シート212を高温で金型264上に配置することにより、上面上へに複数のリッジ230を形成するとともに、温度を低下させることにより、熱可塑性第二層220の弾性的な3D構造を維持することと、(iii)ステップ(ii)におけるシート212の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒形のシール部材222を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、方法は、(i)平坦な可撓性シート212を準備することであり、この平坦な可撓性シート212の熱可塑性第二層220と熱可塑性第三層225との間に配置された引裂抵抗性第一層210を含む平坦な可撓性シート212を準備することと、(ii)平坦な可撓性シート212を高温で金型264上に配置することにより、第二層220上に複数のリッジ230を形成するとともに、温度を低下させることにより、熱可塑性第二層220の弾性的な3D構造を維持することと、(iii)ステップ(ii)におけるシート212の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒形のシール部材222を形成すること(すなわち、シート212を折り畳むこと)と、を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における金型264を利用したシート212の熱処理は、熱成形を含む。
層(すなわち、第一層210、第二層220、および第三層225)のそれぞれに関して上記で導入した任意の特性が、本発明の方法に言及する時には、各層に対して同様に適用されることは、理解されよう。具体的には、いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの生体適合性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの弾性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの可撓性材料を含む。さらなる実施例によれば、第一層210は、引裂抵抗性PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、第一層210は、少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層220は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層225は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマーである。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、からなる群から選択される。各可能性は、異なる実施例を示している。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、TPUである。いくつかの実施例によれば、第二層220は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層220は、TPUを含む。いくつかの実施例によれば、第三層225は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第三層225は、TPUを含む。いくつかの実施例によれば、第二層220および第三層225は、同じ材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層225は、本明細書で詳述するように、第二層220に対して一体化されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート212を金型264上に配置することを伴い、第二層220は、金型264とは反対側に位置決めされる。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート212を金型264上に配置することを伴い、第三層225は、金型264に近接して位置決めされる。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート212を金型264上に配置することを伴い、第三層225は、金型264に対して接触している。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート212を金型264上に配置することを伴い、第一層210は、金型264に対して接触している。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成されるリッジ230は、第二層220上に形成され、これにより、第三層225のところに、対応したチャネル240が形成される。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で形成されるリッジ230は、第二層220上に形成され、これにより、第一層210のところに、対応したチャネル240が形成される。
第二層220(および、任意選択的に、第三層225)の熱可塑性特性が、上述した熱的形状形成プロセスを可能としていることは、理解されよう。具体的には、熱可塑性材料は、低温における弾性的な比較的硬い状態から、加熱された時には、柔軟性のある比較的ソフトな状態へと、変換される。ステップ(ii)では、いくつかの実施例によれば、熱可塑性第二層220は、その柔軟性のある状態へと加熱され、これにより、金型264は、熱可塑性第二層220のリッジ230を含む3D形状を形成することができる。この熱的形状形成プロセスは、外力の印加によって促進され得るけれども、単純なマンドレルを(金型264として)シート212の下側に配置してオーブンで加熱することにより、重力のみによって熱的形状形成を可能とするのに充分であることが、例示的に見出された。
この実施例は、図6A~図6Bに示されている。図6Aは、元々準備された時の平坦な可撓性シート212と、いくつかの実施例に従って、互いに離間して配置された任意選択的には互いに等間隔に離間して配置された複数のマンドレル268を含むものとして示された金型264と、を別々に示している。
「マンドレル」という用語は、本明細書で使用した際には、ロッドまたはパイプなどの長尺部材を指し、これは、上面上で熱可塑性材料が高温で成形されたり他の形状とされたりされ得る芯として、機能してもよい。マンドレルは、本明細書で使用した際には、長さに沿って均一な大きさの断面形状を有したロッドまたはパイプなどの長尺部材に関連してもよい。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、金型を準備することを、さらに含む。図6Aは、また、マンドレル268が接地面267上に配置されていることを示しており、この場合、接地面267は、方法のステップ(ii)において加熱されるものであるため、いくつかの実施例によれば、オーブンの床であってもよい。いくつかの実装では、複数のマンドレルは、ベースプレート(例えば、接地面267)と一体的に形成されてもよく、そこから延びた突起として機能する。他の実装では、マンドレル268は、別個の構成要素であってもよく、ベースプレート(例えば、接地面267)に対して取り付けられる、または、ベースプレート(例えば、接地面267)上へと着脱可能に配置される。図6Bは、シート212を、シール部材222の3次元形状へと熱成形加工する様子を示している。
具体的には、図6A~図6Bに示す実施例では、平坦な可撓性シート212は、マンドレル268上に配置される。この図に見られるように、熱可塑性の第二層210および第三層225は、いくつかの実施例によれば、それぞれ弾性状態とされている。次に、マンドレル268上においてシート212の加熱が行われている時に、シート212の、マンドレル268上には位置していない部分は、重力的に(例えば、オーブン床に対して接触するまで)沈み込み、他方、シート212の、マンドレル268上に位置した部分は、マンドレル268による干渉のために、沈み込まない(図6B)。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)では、各リッジ230は、対応した各マンドレル268上に形成されている。3D形状が形成された後に、シート212は、冷却されてもよく、これにより、熱可塑性第二層220は、弾性的な非可撓性状態へと復帰することとなる。その後、マンドレルが取り外されることで、いくつかの実施例によれば、広げられた状態のシール部材222が得られる(図4A)。さらに、いくつかの実施例によれば、可撓性シート212の反対側に位置した二つのエッジを互いに取り付ける(例えば、縫合する)ことにより、折り畳まれた状態のシール部材222を得る。
本明細書で使用した際には、「重力的に沈み込む」という用語は、重力方向に沈み込んでいく材料を指す。
図6Aおよび図6Bにさらに見られるように、平坦な可撓性シート212は、また、本明細書で詳述するように第二層220と同様の形状加工を受ける第三層225を、含んでもよい。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート212は、第一面202と第二面204とを有しており、ステップ(i)のシート212における第一面202と第二面204との間の距離は、ステップ(i)のシート212における初期厚さ212Tを構成する。加えて、いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート212は、第一側方エッジ206と第二側方エッジ208とを有しており、ステップ(i)のシート212における第一側方エッジ206と第二側方エッジ208との間の距離は、ステップ(i)のシート212における初期幅212W(図示せず)を構成する。さらに、いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート212は、流入エッジ209と流出エッジ207とを有しており、ステップ(i)のシート212における流入エッジ209と流出エッジ207との間の距離は、ステップ(i)のシート212における初期長さ212L(図示せず)を構成する。いくつかの実施例によれば、初期厚さ212Tは、上述したように、全層厚さ203に対応している、あるいは、全層厚さ203と同一である。
具体的には、いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート212は、平坦であり、実質的に二次元的である。これは、ステップ(i)のシート212における初期厚さ212Tが、初期幅212Wおよび初期長さ212Lと比較して、実質的により短いことを意味する。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)で製造されたシート212は、広げられた非折り畳み状態のシール部材222である。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート212における第一側方エッジ206および第二側方エッジ208は、ステップ(ii)で製造されたシール部材222における第一側方エッジ206および第二側方エッジ208と同じである。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート212における流入エッジ209および流出エッジ207は、ステップ(ii)で製造された広げられたシール部材222における流入エッジ209および流出エッジ207と同じである。
いくつかの実施例によれば、本発明の方法を実行することにより、リッジ230が形成され、リッジ230は、リッジ高さ222RHを有しており、リッジ高さ222RHは、広げられた弛緩状態におけるシール部材222の厚さ222Tである。リッジ高さ222RHまたは厚さ222Tに対するあらゆる言及が、フレーム106に対して結合された時のシール部材222の弛緩状態における、フレーム106の外面からのピーク205の距離と等価であることは、理解されよう。同様に、初期厚さ212Tに対する言及は、シール部材222がフレーム106に対して結合された時の、フレーム106の外面からの非***部分250の距離と等価である。
いくつかの実施例によれば、3D形状を形成するように構成された熱的形状形成ステップ(ii)の後における、広げられた弛緩状態におけるシール部材222の厚さ222Tは、シート212の初期厚さ212Tと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。いくつかの実施例によれば、広げられた弛緩状態におけるシール部材222の厚さ222Tは、シート212の初期厚さ212Tと比較して、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。
シート212の幅212Wおよび長さ212Lも、また、本プロセスの実施によっていくらか変更され得るけれども、重要な寸法変更が、厚さの変更(212Tから222Tへと)であること、そして、この厚さの変更が、シート212の初期的2D構造を、シール部材222の3D構造へと、変換することは、理解されよう。いくつかの実装では、ステップ(ii)の後に得られるシート212は、所望の幅212Wおよび/または所望の長さ212Lのいずれよりも大きな寸法を有しており、方法は、ステップ(ii)の後にかつステップ(iii)の前に、シート212を所望の幅212Wおよび/または所望の長さ212Lへと切断するという追加的なステップを含むことができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)の引裂抵抗性平坦シート212は、本明細書で上述したような第一層210を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート212は、本明細書で上述したような第二層220を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート212は、本明細書で上述したような第三層225を含む。さらなる実施例によれば、ステップ(i)の引裂抵抗性平坦シートは、PET織物を含む。
いくつかの実施例によれば、本発明の方法は、ステップ(i)のシート212を得るために、平坦な引裂抵抗性シートの少なくとも一つの面を、熱可塑性ポリマー被覆層によって、被覆することを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)において3D形状を形成するようにシートを処理することは、本明細書で上述したように、シートを熱成形処理しながら同時に平坦な引裂抵抗性シートの少なくとも一つの面を被覆することにより、広げられた弛緩状態で3D被覆済み形状を形成することを含む。さらなる実施例によれば、平坦な引裂抵抗性シートの少なくとも一つの面を被覆することは、引裂抵抗性第一層210を、熱可塑性第二層220および熱可塑性第三層225の少なくとも一方によって、被覆することを含む。
いくつかの実施例によれば、平坦な引裂抵抗性シートの少なくとも一つの面を熱可塑性ポリマー被覆層によって被覆することは、刷毛塗り、スプレーコーティング、浸漬コーティング、浸漬もしくは含浸、およびこれらの組合せ、から選択される被覆技術によって行われる。しかしながら、本発明は、これらの被覆技術に限定されるものではなく、化学蒸着、気相蒸着、化学気相蒸着、物理気相蒸着、印刷、および同種のもの、などの他の被覆技術が、適切に使用されてもよい。これらの技術は、一般的に医療用布地に適している。その上、ローラー印刷、ステンシル印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ印刷、3D印刷、および同種のもの、などの印刷技術も、また、熱可塑性ポリマー被覆を適用するために、本発明と共に使用されてもよい。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート212を高温で金型264上に配置することにより、第二層220上に複数のリッジ230を形成するとともに、温度を下げることにより、熱可塑性第二層220の弾性的な3D構造を維持することを含む。
ステップ(ii)における高温が、いくつかの実施例によれば、シート212が3D形状へと熱的形状形成可能であるよう、第二層220をなす(および、第三層225をなす)熱可塑性材料が柔軟でソフトである温度を指すことは、理解されよう。よって、温度は、使用された特定の熱可塑性材料に依存する。さらに、いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における温度低下が、第二層220(および、第三層225)をなす熱可塑性材料が3D構造を維持するよう、そのような熱可塑性材料が弾性である温度を指すことは、理解されよう。シール部材222を円筒形状へと折り畳むステップ(iii)は、典型的には、雰囲気温度で行われるため、ステップ(ii)における温度低下は、雰囲気温度(例えば、室温)への低下を伴ってもよい。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも50℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも70℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも80℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも90℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも100℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、少なくとも120℃である。いくつかの実施例によれば、平坦シートを高温へと加熱することは、シートの少なくとも一つの面212を、または好ましくはシートの少なくとも二つの面を、約100℃~約250℃から選択される温度へと、または好ましくは約120℃~約200℃から選択される温度へと、加熱することを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における温度低下は、シート212を、40℃未満の温度へと、冷却することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における温度低下は、シート212を、室温へと、冷却することを含む。
いくつかの実施例によれば、金型264は、高温弾性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、金型264は、高温弾性材料を含む。いくつかの実施例によれば、金型264は、金属または金属合金から形成されている。各可能性は、別個の実施例を示している。いくつかの実施例によれば、金型264は、金属または金属合金を含む。
金型264の構造が、方法の最中に実質的に変化しないものであるべきことから、金型を含む熱的形状加工方法では、耐熱性金型264が必要とされる場合があることは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、金型264は、長尺構造を有している。いくつかの実施例によれば、金型264は、長尺金型を有している。具体的には、図6Bに示すように、ステップ(ii)で製造されたシート212の成形形状は、金型264の長尺形状に基づく経路線に追従するように形成されたライン形状のリッジ230を含む。しかしながら、本発明による方法は、いくつかの実施例によれば、長尺金型264に限定されるものではなく、それは、当業者であれば理解され得るように、他のタイプの金型264が、他のタイプのリッジ230をもたらすこととなるからである。
特定のタイプの長尺金型は、限定するものではないが、パイプ、シャフト、ロッド、およびマンドレル、を含む。いくつかの実施例によれば、金型264は、少なくとも一つのロッドを含む。いくつかの実施例によれば、金型264は、複数のロッドを含む。いくつかの実施例によれば、金型264は、マンドレルを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート212を、長尺金型264上に配置することを含み、金型264は、シート212の少なくとも第一側方エッジ206から第二側方エッジ208へと延びることにより、高温で、第二層220上に複数のリッジ230を形成し、複数のリッジ230は、シート212の第一側方エッジ206から第二側方エッジ208へと延びており、温度を下げることにより、熱可塑性第二層220の弾性的な3D構造を維持する。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230は、ステップ(ii)で製造されたシート212における第一側方エッジ206および/または第二側方エッジのいずれかに対して、垂直である。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230は、ステップ(ii)で製造されたシート212における流入エッジ209および/または流出エッジ207のいずれかに対して、平行である。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230は、ステップ(iii)で製造されたシール部材における流入エッジ209および/または流出エッジ207のいずれかに対して、平行である。そのような構成は、図4Aおよび図4Dに示されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート212を、長尺金型264上に配置することを含み、金型264は、流入エッジ209から流出エッジ207へと延びることにより、高温で、第二層220上に複数のリッジ230を形成し、複数のリッジ230は、シート212の流入エッジ209と流出エッジ207との間にわたって延びており、温度を下げることにより、熱可塑性第二層220の弾性的な3D構造を維持する。
いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230は、ステップ(ii)で製造されたシート212における第一側方エッジ206および第二側方エッジに対して、平行である。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230は、ステップ(ii)で製造されたシート212における流入エッジ209および流出エッジ207に対して、垂直である。いくつかの実施例によれば、複数のリッジ230は、ステップ(iii)で製造されたシール部材における流入エッジ209および流出エッジ207に対して、垂直である。このような構成は、図4Eに示されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート212を、長尺金型264上に配置することを含み、金型264は、シート212の第二面204の少なくとも一部に沿って斜めに延びることにより、高温で、第二層220上に複数の斜めのリッジ230を形成し、複数のリッジ230は、シート212の流入エッジ209から流出エッジ207へと延びており、温度を下げることにより、熱可塑性第二層220の弾性的な3D構造を維持する。そのような構成は、図4Fに示されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、温度を低下させた後に、シートから金型264を取り外すことを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、加工済みシート212を冷却することにより、所望の3D形状を安定化させることを、さらに含む。
ステップ(ii)で熱可塑性第二層220の弾性的な3D構造が得られた後には、得られた3Dシート212を、円筒形状へと折り畳んで縫合することができ、これにより、円筒形状のシール部材222を形成することができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)は、ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジ(すなわち、第一側方エッジ206および第二側方エッジ208)を接続することにより、円筒形状へと折り畳まれた状態の円筒状シール部材222(または、PVLスカート)を形成することを含む。反対側に位置したエッジどうしの間の接続は、接着剤、クリップ止め、縫合、もしくは加熱、および任意選択的にはエッジの融解、の少なくとも一つを使用することにより、行うことができる。代替的には、ステップ(iii)は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的には周縁まわりでのシール部材222のエッジの融解、の少なくとも一つを利用して、シール部材222をフレーム106の外面に対して結合することを含む。このような結合により、シール部材222は、フレーム106の円筒形状によって強制的に円筒形状へと折り畳まれた形状とされる(図5A~図5Cを参照されたい)。
ここで、図6C~図6Dを参照する。図6C~図6Dは、いくつかの実施例による、広げられた状態のシール部材222を製造するための、金型264上への配置と加熱と真空熱成形とを利用した、平坦な可撓性シート212の熱処理ステップを示している。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材222を製造するための方法が提供され、方法は、(i)(a)本明細書で上述したような引裂抵抗性第一層210と熱可塑性第二層220とを含む平坦シート212と、(b)ベース266と、それぞれがマンドレル268の形態とされた複数の突起と、開口270を含む真空源と、を含む金型264と、を準備することと、(ii)平坦シート212を、複数の長尺ロッド上にまたはマンドレル268上に配置するとともに、開口270を利用した真空源を使用して真空を印加することにより、シート212を、高温で、広げられた弛緩状態で3D形状へと熱成形することと、(iii)ステップ(ii)におけるシート212の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、マンドレル268は、長尺ロッドまたは突起の形態で提供される。いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材222を製造するための方法が提供され、方法は、(i)(a)本明細書で上述したような、引裂抵抗性第一層210と、熱可塑性第二層220と、第三層225と、を含む平坦シート212と、(b)ベース266と、複数の突起268と、開口270を含む真空源と、を含む金型264と、を準備することと、(ii)平坦シート212を、複数の突起268上に配置するとともに、開口270を利用した真空源を使用して真空を印加することにより、シート212を、高温で、広げられた弛緩状態で3D形状へと熱成形することと、(iii)ステップ(ii)におけるシート212の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
第一層210と第二層220と第三層225とのそれぞれの特性は、本明細書で上述した通りである。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、ベース266と、軸214に対して平行にベース266から離間する向きに延び(図6Cを参照されたい)、かつベース266に沿って互いに離間した複数の突起268と、を含む金型264を準備することを、さらに含む。さらなる実施例によれば、ベース266、複数の突起268、またはそれらの両方は、複数の開口270を含む。いくつかの実施例によれば、複数の開口270は、ベース266に形成されている。いくつかの実施例によれば、複数の開口270は、真空源の一部である。いくつかの実施例によれば、複数の開口270は、真空ポンプに対して接続されている(例えば、流体的に接続されている)。
さらなる実施例によれば、ステップ(ii)は、少なくとも一つのホルダによってシート212を支持することを、さらに含む。さらなる実施例によれば、ステップ(ii)は、少なくとも二つのホルダによってシート212を支持することをさらに含み、第一ホルダ260は、シートの流出エッジ207を固定/支持するように構成されており、第二ホルダ262は、シートの流入エッジ209を固定/支持するように構成されている。いくつかの実施例によれば、平坦シートは、複数のホルダ(図示せず)によって固定/支持される。ホルダが、反対側に位置した側方エッジを同様に固定/支持し得ることは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、方法のステップ(ii)は、金型264を利用して、広げられた弛緩状態で3D形状を形成するように、熱成形を利用してシートを熱的に形状加工することを含む(図6Dを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、少なくとも第一ホルダ260と第二ホルダ262とを利用して平坦シート212を支持することと、平坦シート212を金型264上に位置決めすることと、平坦シートを、熱成形可能な温度へと加熱することと、第一ホルダおよび第二ホルダ262を各向きに駆動することにより、シート212を前述の金型264に向けて移動させることで、平前述の坦シートを金型264の突起268に対して効果的に係合させ、これにより、シート212が前述の突起268に適合することを可能とすることと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、少なくとも第一ホルダ260と第二ホルダ262とを利用して平坦シート212を支持することと、平坦シート212を金型264上に位置決めすることと、平坦シートを、熱成形可能な温度へと加熱することと、第一ホルダおよび第二ホルダ262を各向きに駆動することにより、シート212を前述の金型264に向けて移動させることで、前述の平坦シート212を金型264の突起268に対して効果的に係合させることと、開口270を通して真空を印加することにより、シート212を、前述の突起268に対して容易に適合させることと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、少なくとも第一ホルダ260と第二ホルダ262とを利用して平坦シートを支持することと、平坦シートを金型264上に位置決めすることと、平坦シートを、熱成形可能な温度へと加熱することと、金型264を平坦シートに向けて持ち上げつつ、第一ホルダ260および第二ホルダ262を、金型の移動に対して静止したままとし、あるいは、同時的に金型264に向けて移動させ、これにより、金型264の突起268をシート212に対して効果的に係合させて、シートを前述の金型264に対して容易に適合させることと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、少なくとも第一ホルダ260と第二ホルダ262とを利用して平坦シートを支持することと、平坦シートを金型264上に位置決めすることと、平坦シートを、熱成形可能な温度へと加熱することと、金型264を平坦シートに向けて持ち上げつつ、第一ホルダ260および第二ホルダ262を、金型の移動に対して静止したままとし、あるいは、同時的に金型264に向けて移動させ、これにより、金型264の突起268をシート212に効果的に係合させることと、開口270を通して真空を印加することにより、シートを前述の金型264に対して容易に適合させることと、を含む。
いくつかの実施例によれば、平坦シートを、熱成形可能な温度へと加熱することは、金型264と平坦シートとの間における係合を形成した後に、行うことができる。
本明細書で使用した際には、「熱成形可能な温度」という用語は、上述のように熱可塑性材料を含む、好ましくはTPUを含む、第二層220(および、任意選択的に、第三層225)が、快適な取り扱いおよび熱加工を可能とする目的で、発火または劣化を受けることなく、金型の3D形状に適合するように加熱される温度を指す。いくつかの実施例によれば、熱成形可能な温度は、熱可塑性材料のガラス転移温度以上である。いくつかの実施例によれば、熱成形可能な温度は、熱可塑性材料のガラス転移温度を超える温度である。
いくつかの実施例によれば、平坦シートを、熱成形可能な温度へと加熱することは、シートの少なくとも一つの面を、または好ましくはシートの少なくとも二つの面を、約100℃~約250℃から選択される温度へと、または好ましくは約120℃~約200℃から選択される温度へと、加熱することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)における高温は、少なくとも50℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)における高温は、少なくとも60℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)における高温は、少なくとも70℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)における高温は、少なくとも80℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)における高温は、少なくとも90℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)における高温は、少なくとも100℃である。いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)における高温は、少なくとも120℃である。
いくつかの実施例によれば、シート212と複数の突起268との係合は、複数のリッジ230を形成し、他方、シートとベース266との係合は、シール部材222に複数のリッジ間ギャップ250を形成する。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート212と金型264との間に、開口270を通して(例えば、開口270を通して真空吸引することにより)減圧を印加することをさらに含み、これは、シートを金型264に向けて引き伸ばして引っ張るためであり、さらに、それらの間に強化された付着を形成するためであり、これにより、シート212が金型264の形状に対してうまく適合することを可能とする。
いくつかの実施例によれば、シール部材の3D構造を成形するためのシステムの一部が、吸引力を印加する手段を、例えば真空ポンプを、含むことは、理解されよう。真空ポンプは、いくつかの実施例によれば、複数の突起268のサイドとは反対側に位置したベース266の面から、ベース266(および/または、突起268)内の開口270に対して、チューブを介して接続されてもよい。この構成では、真空ポンプの駆動時には、シート212が保持されている突起268のサイドから、開口270を通して、空気が吸引される。ステップ(ii)でシートが加熱されるにつれて、熱可塑性層(第二層220、および任意選択的に、第三層225)の熱可塑性特性により、熱可塑性層が柔軟または熱成形可能となり、これにより、いくつかの実施例によれば、吸引力(すなわち、負圧)の印加時には、シート212が、金型264に向けて引き伸ばされて引っ張られる。加熱を停止して、熱可塑性層がより硬質で弾性的である温度へと到達可能とした時には、外力は、もはや形成済みシール部材222を形状設定することができず、形成済みシール部材222は、新たに形成された3D形状へと弾性的に維持される。
ここで、図6Eを参照する。図6Eは、熱成形を利用した平坦な可撓性シート212の熱処理を示している。図6Eにおける熱成形は、いくつかの実施例によれば、広げられた状態のシール部材222を製造するために、可撓性シート212の反対側に位置した二つの面上で、金型(264a、264b)を使用して力を印加することを含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材222を製造するための方法が提供され、方法は、(i)(a)本明細書で上述したような引裂抵抗性第一層210と熱可塑性第二層220とを含む平坦シート212と、(b)第一金型264aと第二金型264bとを含む金型264であり、第一金型264aが、第一ベース266aと複数の第一金型突起268aとを含み、第二金型264bが、第二ベース266bと複数の第二金型突起268bとを含む、金型264と、を準備することと、(ii)平坦シート212を複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとの間に配置するとともに、第二金型264bを第一金型264aに対して押圧することにより、高温で、シート212を3D形状へと熱成形することと、(iii)ステップ(ii)におけるシート212の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材222を製造するための方法が提供され、方法は、(i)(a)本明細書で上述したような引裂抵抗性第一層210と熱可塑性第二層220と第三層225とを含む平坦シート212と、(b)第一金型264aと第二金型264bとを含む金型264であり、第一金型264aが、第一ベース266aと複数の第一金型突起268aとを含み、第二金型264bが、第二ベース266bと複数の第二金型突起268bとを含む、金型264と、を準備することと、(ii)平坦シート212を複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとの間に配置するとともに、第二金型264bを第一金型264aに対して押圧することにより、高温で、シート212を3D形状へと熱成形することと、(iii)ステップ(ii)におけるシート212の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
第一層210と第二層220と第三層225とのそれぞれの特性は、本明細書で上述した通りである。ステップ(ii)が実施される温度も、また、本明細書で上述した通りである。
いくつかの実施例によれば、第二金型264bは、第二ベース266bと、第二ベース266bから離間する向きに延び、かつ第二ベース266に沿って互いに離間した複数の突起268bと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の第一金型突起268aのそれぞれ(任意選択的に、最も外側の突起を除く)が横方向において第二金型突起268bどうしの間に位置決めされるようにして、平坦シート212を、複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとの間に配置することを含み、平坦シート212は、複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとを離間している。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、第二金型264bを第一金型264aに対して押圧することにより、高温で、平坦シート212を、それらの間に効果的に係合させることで、シート212が金型の前述の形状に適合することを可能とすることを、さらに含む(図6Eを参照されたい)。第二金型264bと第一金型264aとは、互いに同一でもよく、また、互いに相違してもよい。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シート212を、複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとの間に配置することを含み、これにより、複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとが、シート212の反対側に位置した両方の面に沿って互いに交互的に配置されるものとされ、各第一金型突起268aは、横方向において、二つの第二金型突起268b(任意選択的に、最も外側の突起を除く)の間に配置され、平坦シート212は、第一金型264aと第二金型264bとを離間しており、ステップ(ii)は、第二金型264bを第一金型264aに対して押圧することにより、高温で、平坦シート212をそれらの間に効果的に係合させることで、平坦シートが前述の金型の形状に適合することを可能とすることを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シート212を、複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとの間に配置することを含み、これにより、複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとがジッパー状構成で配置されるものとし、ステップ(ii)は、第二金型264bを第一金型264aに対して押圧することにより、高温で、平坦シート212をそれらの間に効果的に係合させることで、平坦シートを前述の金型の形状に適合させることを可能とすることを、含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シート212を、複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとの間に配置することを含み、これにより、複数の第一金型突起268aと複数の第二金型突起268bとが、千鳥構成で配置されるものとする。
「ジッパー状の構成」および「千鳥状の構成」という用語は、本明細書で使用した際には、図6Eから理解することができる。具体的には、図示されているように、第一金型の突起間ギャップ269aが、隣接した第一金型突起268aがなす各対の間に、形成されている。同様に、いくつかの実施例によれば、第二金型の突起間ギャップ269bが、隣接した第二金型突起268bがなす各対の間に、形成されている。第一金型264aと第二金型264bとの構成要素どうしの間におけるジッパー状千鳥構成は、第一金型突起268aが、下側に位置しているとともに、第二金型の突起間ギャップ269bに対して位置合わせされていることによって、および、第二金型突起268bが、上側に位置しているとともに、第一金型の突起間ギャップ269aに対して位置合わせされていることによって、特徴付けられる。加えて、従来的なジッパー状構成と同様に、外部の(最も外側の)突起(これは、第一金型突起268aまたは第二金型突起268bのいずれかを指すことができる)は、必ずしも突起間ギャップの上側に位置決めされなくてもよい。
本明細書で上記に開示したように、真空を、シート212と、各金型264aおよび264bと、の間に形成して、それらの間の取付を強化することができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート212を、熱成形可能な温度未満へと冷却することにより、シール部材222の広げられた弛緩状態における3D形状を安定化させることを、さらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、所望の三次元形状が形成された後には、金型264aおよび264bから、前述の3D形状設定済みシート212を取り外すことを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、方法は、(iii)ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジ(すなわち、第一側方エッジ206および第二側方エッジ208)を接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することを、さらに含む。反対側に位置したエッジどうしの間の接続は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的にはエッジの融解、の少なくとも一つを使用することにより、行うことができる。代替的には、ステップ(iii)は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的には周縁まわりでのシール部材222のエッジの融解、の少なくとも一つを利用して、シール部材222をフレーム106の外面に対して結合することを含む(図5A~図5Cを参照されたい)。
ここで、図7A~図7Cを参照する。図7Aは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態での可撓性プレコーティング済みシート212を示している。図7Bは、図7Aの可撓性プレコーティング済みシート212を、金型264上に配置した様子を示しており、ここで、可撓性シート212は、いくつかの実施例によれば、金型264の形状を形成するように、その形状を柔軟に変化させる。図7Cは、いくつかの実施例による、図7Bの形状変更された可撓性シート212に関する被覆プロセスを示している。
いくつかの実施例によれば、シール部材222を製造するための方法が提供され、方法は、(i)引裂抵抗性第一層210(図7Aを参照されたい)を含む平坦シート212を準備するとともに、ベース266と複数の突起268とを含む金型264を準備することと、(ii)平坦シート212を金型264上に配置することにより、平坦シート212を金型264に係合させることで、シートが3D形状で前述の金型264に対して適合することを可能とする(図7Bを参照されたい)とともに、形状シート212を第二層220によって被覆すること(図7Cを参照されたい)と、(iii)ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
「前述の金型264に対して適合する」という語句が、平坦シート212が金型264の形状と同様に成形されることを意味することを意図していることは、理解されよう。より具体的には、初期的なシート212は、平坦であるけれども、金型264に対して配置されて適合された時点で、シート212は、金型264の突起268の形状を、大まかに形成する。この確認は、いくつかの実施例によれば、重力によって促進されてもよく、および/または、外力によって補助されてもよい。
いくつかの実施例によれば、平坦シート212を金型264上に配置することは、シート212を前述の金型264の形状へと、重力によって適合させることを伴う。
本明細書で使用した際には、「重力によって適合させる」という用語は、重力の向きで金型264上へと適合された材料を指す。
第一層210および第二層220のそれぞれの特性は、本明細書で上述した通りである。
いくつかの実施例によれば、第二層220は、熱可塑性材料から形成されており、ステップ(ii)において第二層220によって3D形状シート212を被覆することは、高温の熱成形可能な温度で、第二層220によって形状シート212を熱被覆することを含む。熱被覆は、本明細書で開示する様々な被覆技術を使用して、行うことができる。
いくつかの実施例によれば、プレコーティング済みシート212を、金型264の複数の突起268に対して係合させることにより、シール部材222の所望の3D形状に関する複数のリッジ230が形成され、他方、シートをベース266に対して係合させることにより、複数のリッジ間ギャップ250が形成されている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シートおよび/または金型を、冷却することにより、任意選択的には熱成形可能な温度未満へと冷却することにより、シート212の3D形状を安定化させることを、さらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、前述の形成された3D形状シート212を、金型264から取り外すことを、さらに含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、3D形状が弾性的に形成された場合に、前述の形成された3D形状シート212を、金型264から取り外すことを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)は、ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジ(すなわち、第一側方エッジ206および第二側方エッジ208)を接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することを伴う。反対側に位置したエッジどうしの間の接続は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的にはエッジの融解、の少なくとも一つを使用することにより、行うことができる。代替的には、ステップ(iii)は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的には周縁まわりでのシール部材222のエッジの融解、の少なくとも一つを利用して、シール部材222をフレーム106の外面に対して結合することを含む。
ここで、図8A~図9Cを参照する。図8Aは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態のシール部材322に関する斜視図を示している。図8Bおよび図8Cは、いくつかの実施例による、シール部材322の断面図を示している。図8D~図8Fは、いくつかの実施例による、円筒状に折り畳まれた状態のシール部材322の様々な構成に関する斜視図を示している。図9A~図9Cは、いくつかの実施例による、人工弁100のフレーム106上に取り付けられたシール部材322に関する様々な構成を示している。
別の態様によれば、人工弁100(例えば、図9A~図9Cを参照されたい)のフレーム106の外面上に取り付けられる(または、そのような外面に対して結合される)ように構成されたシール部材322が提供される、あるいは、当該技術分野で知られている任意の他の同様の人工弁に対して取り付けられるように構成されたシール部材が提供される。いくつかの例によれば、本発明は、人工心臓弁100を提供するものであり、フレーム106と、このフレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリ130と、を含み、フレームは、複数の交差した支柱110を含み、フレームは、本明細書で上記に開示したように、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であり、弁100は、フレーム106の外面に対して結合されたシール部材322をさらに含み、シール部材322は、広げられた弛緩状態において三次元(3D)形状を有している。
シール部材322は、適切な技術または機構を使用して、フレーム106に対して接続したり/取り付けたりすることができる。例えば、シール部材322は、支柱110の周囲に延び得る縫合糸を利用して、フレーム106に対して縫合することができる。シール部材322は、広げられた状態で提供され得るとともに、フレーム106上へと折り畳むことによってフレーム106に対して接続したり/取り付けたりすることができ、これにより、広げられた状態から折り畳まれた状態に変形することができる。代替的には、シール部材222は、フレーム106に対する取付の前に、既に折り畳まれた状態で提供されてもよい。例えば、フレーム106は、既に円筒状に折り畳まれたシール部材322内へと挿入されてもよく、そのようなシール部材322に対して縫合されてもよい。シール部材222は、図示のように、人工弁100が径方向拡張状態にある時にフレーム106の外面に対して横たわるようにして、フレーム106に対してぴったりと嵌合するように構成することができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、例えば図8A~図8Cに見ることができるように、広げられた弛緩状態において3D形状を有している。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、円筒状に折り畳まれた状態(図8D~図8Fおよび図9A~図9C)において、本質的に3D形状を有している。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、シール部材322の非繊維状の外面380が、ピーク305を有した複数の***部分330と、複数の非***部分350と、を示すようにして、3D弾性構造を有している。さらなる実施例では、複数の非***部分350のそれぞれは、複数の***部分330がなす隣接した対によって規定される。さらなる実施例では、非繊維状の外面380は、円滑な面である。さらなる実施例では、非繊維状の外面380は、単一の/連続した面である。
いくつかの実施例では、***部分330は、突起330であり、非***部分350は、突起間ギャップ350である。本明細書で使用した際には、「***部分330」および「突起330」という用語は、互換的であり、図8B~図8Cに見ることができるように、シール部材322の同じ複数の***部分を指す。本明細書で使用した際には、「非***部分350」および「突起間ギャップ350」という用語は、互換的であり、図8B~図8Cに見ることができるように、シール部材322の同じ複数の非***部分を指す。
具体的には、例えば図8Aに見ることができるように、シール部材322は、複数の突起330を含み、これら複数の突起330は、シール部材322の形状を、それら突起330が存在しない場合に想定される実質的に平坦な二次元形状とは対照的に、3次元(3D)とする(図10Aを参照されたい)。よって、3次元シール部材322の3次元形状が、(i)シール部材322の流出エッジ307と流入エッジ309との間に延びた空間的長さ寸法(図8A、図8B、および図8Cを参照されたい)と、(ii)シール部材322の第一側方エッジ306と第二側方エッジ308との間に延びた空間的長さ寸法(図8Aを参照されたい)と、(iii)シール部材の突起330とその第二面304の高さとの間の距離として規定される空間的長さ(厚さ)寸法322T(図8Cを参照されたい)と、を含むことは、理解されよう。さらに、シール部材322の3D構造が、厚さ322Tに起因していること、さらに、この厚さ322Tが、上面上に突起330が形成される前における平坦な2D構造の厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ、代替的には少なくとも2000%の分だけ、より大きいことは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、シール部材322の第一面302から離間する向きに延び、かつシール部材322の第一面302に沿って互いに離間した、複数の突起330を含む。複数の突起330は、いくつかの実施例によれば、(図8A~図8Cに見ることができるように)広げられた弛緩状態にある時のシール部材322の3D形状を形成している。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、広げられた弛緩状態にある時には、第一面302とは反対側に位置した平坦面(例えば、面316または面304)を含む。いくつかの実施例によれば、シール部材322の内側層(例えば、第一層310)は、シール部材322が広げられた弛緩状態にある時には、平坦である。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、四つのエッジを有している。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、四つの頂点を有している。いくつかの実施例によれば、シール部材322の四つの頂点のそれぞれは、実質的に直角である。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、四つの実質的に直角の頂点と、二組の反対側に位置した二つのエッジ(第一側方エッジ306と第二側方エッジ308とからなる組、および、流出エッジ307と流入エッジ309とからなる組)と、を有しており、各組において、反対側に位置した二つのエッジは、実質的に平行である。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、シール部材322が広げられた状態にある時には、第一側方エッジ306から第二側方エッジ308に向けて延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、シール部材322が折り畳まれた状態にある時には、シール部材の中心線311の周囲に延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材の中心線311と、弁100の中心線111とは、同軸的であって、シール部材322が心臓弁100に対して接続される時には、一致してもよい。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、流入エッジ309から流出エッジ307に向けて延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、折り畳まれた状態と広げられた状態との両方において、流入エッジ309から流出エッジ307に向けて延びている。
いくつかの実施例によれば、広げられた状態では、シール部材322は、実質的に矩形である。いくつかの実施例によれば、第一側方エッジ306と第二側方エッジ308との距離は、流入エッジ309から流出エッジ307までの距離と比較して、より大きい。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が折り畳まれた状態にある時には、シール部材の中心線311から離間して、径方向外向きに延びている(図8D~図8Fを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が上面上へと取り付けられた時には、弁100の中心線111から径方向に離間して外向きに延びている(図9A~図9Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、複数の突起330がシール部材の中心線311から径方向に離間する向きになるようにして、第一側方エッジ306と第二側方エッジ308とを接続することにより、折り畳まれる(例えば、図8Dを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、折り畳まれた状態のシール部材322は、複数の突起330が中心線111から径方向に離間して延びる向きとされるようにして、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合される(例えば、図9Aを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、複数の突起間ギャップ350をさらに含み、各ギャップ350は、二つの隣接した突起330の間に位置している(または、離間している)。さらなる実施例によれば、一つの突起間ギャップ350が、流出エッジ307と一つの突起330との間に形成されており、別の突起間ギャップ350が、流入エッジ309と他の突起330との間に形成されている。複数の突起330と、二つの隣接した突起330どうしを離間している複数の突起間ギャップ350とは、いくつかの実施例によれば、広げられた弛緩状態にある時のシール部材322の3D形状を形成している。いくつかの実施例によれば、複数の突起間ギャップ350と突起330とは、同じ向きを向いている。
シール部材322の3D形状は、シール部材222の3D形状とは同一ではないけれども、シール部材322が、シール部材222と関連して本明細書で上述したものと、同様の材料を含有し得ること、および/または同様の機能性と用途とを有し得ることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、シール部材222の3D形状とは異なり、シール部材322は、広げられた弛緩状態にある時には、第一面302とは反対側に位置した平坦面(例えば、面316または面304)を含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材322を含む人工弁100は、本明細書で上記に開示したように、動脈壁105とシール部材222の複数のリッジ230との間に形成される接触と同様に、動脈壁105と複数の突起330との間に接触を形成するよう、標的移植部位(例えば、大動脈弁置換術の場合には、大動脈弁輪)のところに位置決めされる(すなわち、移植される)ように構成されている。有利なことに、シール部材322の複数の突起330は、移植部位における人工心臓弁100の拡張後に動脈壁105に対して接触するように構成されており、よって、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間における適合した嵌合または係合を可能とし、これにより、移植済み人工心臓弁の周囲におけるPVL密封性を向上させる。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、円筒状のPVLスカートを形成する目的で、弾性に基づいて、および/または可撓性特性に基づいて、広げられた弛緩状態から円筒状の折り畳まれた状態へと移行し得るように構成されている。折り畳まれたPVLスカート322は、例えば弁の組立手順時に、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されてもよい。代替的には、広げられたシール部材322は、フレーム106の外面の周囲へと折り畳まれてもよく、フレームの外面に対して結合することで、同様の製品が得られてもよい。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330は、面302から異なる向きに延びており、上面上に3D形状を形成することができ、3D形状は、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、任意の他の多角形、およびこれらの組合せ、から選択することができる。各可能性は、異なる実施例を示している。さらなる実施例によれば、複数の突起330は、面302から異なる向きに延びており、上面上に平行な長尺3D形状を形成することができ、長尺3D形状は、長尺U字形状、長尺角柱、長尺直方体、任意の他の長尺多面体、およびこれらの組合せ、から選択することができる。各可能性は、異なる実施例を示している。
本明細書で使用した際には、「長尺3D形状」という用語は、本発明のシール部材の突起(例えば、突起330)がなす長尺3D形状を指し、この形状は、逆U字形状、正方形、長方形、任意の他の多角形、およびこれらの組合せ、から選択される様々な断面形状を有することによって特徴付けられることができる。各可能性は、異なる実施例を示している。
図8D~図8Fでは、複数の突起330は、面302から異なる向きに延びることができ、上面上に平行な長尺3D形状を形成することができる。異なる向きは、折り畳まれた状態をなす円筒形状のシール部材322の中心線311に対して、垂直、水平、または斜め、のいずれであってもよい。シール部材322の折り畳まれた状態における突起330の向きが、折り畳まれる前の構造によって、すなわちシール部材322が広げられた状態にある時の構造によって、規定され得ることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、弾性的な3D形状を有しており、前述の弾性的な3D形状は、面302上に全体的に波状構成を形成する複数の突起330を含む。
例えば、シール部材322は、複数の突起330を有しており、複数の突起330は、平行な長尺3D形状を形成しているとともに、第一側方エッジ306から第二側方エッジ308まで延びており(図8Aに示すように)、シール部材322は、シール部材322の円筒形状が形成されるよう、第一側方エッジ306を第二側方エッジ308に対して接続することによって、折り畳まれてもよい。そのような例示的な状況では、前述の折り畳み時に、折り畳まれた形状のシール部材322は、複数の周方向に延びた突起330を有することとなり、これらの突起は、流入エッジ309および流出エッジ307に対して実質的に平行である(図8Dに示すように)。
第二の実施例では、シール部材322は、複数の突起330を有しており、複数の突起330は、平行な長尺3D形状を形成しているとともに、流入エッジ309から流出エッジ307まで延びている(広げられた弛緩状態では、具体的に図示されていない)。シール部材322は、シール部材322の円筒形状が形成されるよう、第一側方エッジ306を第二側方エッジ308に対して接続することによって、折り畳まれてもよい。そのような第二の例示的な構成では、前述の折り畳み時に、折り畳まれた形状のシール部材322は、複数の垂直方向を向いた突起330を有することとなり、これらの突起は、流入エッジ309および流出エッジ307に対して実質的に垂直である(図8Eに示すように)。
同様に、広げられた状態で、角度のついた突起は、または斜めの突起は、図8Fに示すように、シール部材322の折り畳まれた状態において、斜め向きの突起をもたらすこととなる。
本明細書で詳述するように、シール部材322に突起330を形成するための形状形成プロセスは、折り畳み前に実施されることに限定されるものではなく、いくつかの実施例によれば、突起330は、折り畳み後にシール部材322の第一面302上に形成されてもよい。さらに、本発明のシール部材322の突起330は、互いに平行な長尺3D形状を形成する必要はない。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が広げられた状態にある時には、第一側方エッジ306から第二側方エッジ308へと延びた経路線に追従する。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が広げられた状態にある時には、第一側方エッジ306および/または第二側方エッジ308のいずれかに対して平行な経路線に追従する。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が広げられた状態にある時には、流出エッジ307および/または流入エッジ309のいずれかに対して平行な経路線に追従する。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線311の周囲において周方向に延びた経路線に追従する(図8Dを参照されたい)。さらなる実施例によれば、複数の突起330は、シール部材322の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線311に対して実質的に垂直に、または中心線311に平行な軸線に対して実質的に垂直に、延びている。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が折り畳まれた状態にあり、人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、中心線111の周囲において周方向に延びる経路線に対して、または中心線111に対して実質的に垂直な経路線に対して、または中心線111に対して平行な軸線に対して、追従する(図9Aを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線311の周囲に対して周方向に、流出エッジ307および/または流入エッジ309のいずれかに対して平行な経路線に追従する。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322の広げられた状態において、流入エッジ309から流出エッジ307へと延びた経路線に追従する。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322の広げられた状態において、第一側方エッジ306および/または第二側方エッジ308のいずれかに対して平行な経路線に追従する。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322の広げられた状態において、流出エッジ307および/または流入エッジ309のいずれかに対して垂直な経路線に追従する。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322の折り畳まれた状態において、シール部材の中心線311に平行に延びた経路線に追従する(図8Eを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が折り畳まれた状態にあり、人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、中心線111に平行に延びた経路線に追従する(図9Bを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322の折り畳まれた状態において、流出エッジ307および/または流入エッジ309のいずれかに対して垂直な経路線に追従する。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、広げられた状態において、シール部材322の面に沿って斜めに延びた経路線に追従する。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、折り畳まれた状態において、中心線111に対してシール部材322の面に沿って斜めに延びた経路線に追従する(図8Fを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が折り畳まれた状態にあり、人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、中心線111に対して斜めに延びた経路線に追従する(図9Cを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、第一面302の周囲に延びたおよび/または第一面302から離間する向きに延びた複数の突起330を含み、各突起は、半球、直線(例えば、リッジまたはバンド)、ドーム、立方体、円柱、ピラミッド、および任意の他の適切な多面体、から選択される長尺3D形状である。各可能性は、異なる実施例を示している。さらなる実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、折り畳まれた状態(図示せず)において、シール部材322の面に沿って延びた3D形状を形成している。さらなる実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、シール部材322が折り畳まれた状態にあり、人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、シール部材322の面に沿って中心線111の周囲においておよび/または中心線111から離間する向きに径方向に延びた長尺3D形状を形成している(図9A~図9Cを参照されたい)。「長尺」という用語が、***部分(例えば、リッジ230または突起330、430)に関して、各***部分が、シール部材が上面上に取り付けられた時にフレーム106の全周縁を取り囲むよう、またはシール部材の流入エッジと流出エッジとの間に延びるよう、幅と比較して、かなり大きな長さを有した形状を指すことは、理解されよう。
上述したような様々な構成および向きは、異なる生理学的要件および移植関連要件に関して、有利であり得る。例えば、図8Dおよび図9Aの構成は、弁100が環状壁または動脈壁105に対して取り付けられる時に、流れの軸線方向に対して複数の突起330が全体的に垂直な向きであることに起因して有利であり得るものであり、これにより、それらの間におけるPVL密封性を潜在的に向上させることができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、第一層310を含む。いくつかの実施例によれば、第一層310は、シール部材322の平坦な広げられた弛緩状態である。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、第一層310と第二層320とを含む。さらなる実施例によれば、前述の第一層310および第二層320は、それぞれ、シール部材322がフレーム106に対して結合される時には、フレーム106の外面に対して外側に配置される。さらなる実施例によれば、シール部材322は、追加的な層を含んでもよい。
いくつかの実施例によれば、第二層320は、第一層310の第一面315に対して接触している(図8Bを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、第二層320は、シール部材322の広げられた状態および折り畳まれた状態の両方において、第一層310の第一面315に対して接触している。いくつかの実施例によれば、第二層320は、第一層310の第一面315に対して取り付けられている、および/または、第一層310の第一面315を被覆している。いくつかの実施例によれば、第一層310の前述の第一面315は、シール部材322の折り畳まれた状態において、外向きとされている。いくつかの実施例によれば、シール部材322が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、前述の第一面315は、移植部位(例えば、環状壁または動脈壁105)を向いている。さらなる例によれば、第二層320は、図8Bに示すように、シール部材322の第一面302を規定している。いくつかの実施例によれば、シール部材322の第一面302は、シール部材322の折り畳まれた状態においては、外向きとされている。いくつかの実施例によれば、シール部材322が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、シール部材322の第一面302は、移植部位を向いている。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330は、シール部材322の第二層320から離間する向きに延びているとともに、第二層320に沿って互いに離間しており、第二層320は、第一層310の第一面315に対して取り付けられている、および/または、第一層310の第一面315を被覆している。
いかなる理論または作用機構にも拘束されることを望むことなく、本明細書で開示する様々なシール部材322は、熱的形状加工手順の結果であり得る三次元形状を形成している。そのような手順は、本明細書で詳述するように、高温で成形可能な熱可塑性材料の採用によって、可能とされるあるいは容易とされる。熱可塑性材料を、薄いシート状の対象物を使用して所望の構造へと成型可能または成形可能とするためには、熱可塑性材料が対象物を構成していることがまたは覆っていることが、有利である。これは、例えば、熱可塑性被覆層による被覆を利用することで、または、熱可塑性層を使用して対象物を形成することで、達成されてもよい。形状形成プロセスを可能とするためには一つの熱可塑性層で充分であり得るけれども、いくつかの実施例によれば、例えば二つの層などの、複数の熱可塑性層を含むことが有利であり得る。具体的には、シール部材322の二つの外側層が熱可塑性材料を含む構成が、有利であり得る。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、第三層325を含む。いくつかの実施例によれば、第三層325は、第一層310の第二面316に対して接触している(図8Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、第三層325は、シール部材322の広げられた状態と折り畳まれた状態との両方で、第一層310の第二面316に対して接触している。いくつかの実施例によれば、第三層325は、第一層310の第二面316に対して取り付けられている、および/または、第一層310の第二面316を被覆している。いくつかの実施例によれば、第一層310の前述の第二面316は、シール部材322が折り畳まれた状態では、内向きとされている。
いくつかの実施例によれば、第二面316は、シール部材322が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、移植部位(例えば、動脈壁105)とは反対側を向いている。さらなる実施例によれば、第三層325は、図8Cに示すように、シール部材222の第二面304を規定している。いくつかの実施例によれば、シール部材322の第二面304は、シール部材322が折り畳まれた状態では、内向きとされている。いくつかの実施例によれば、シール部材322の第二面304は、シール部材322が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、移植部位のところで解剖学的壁とは反対側を向いている。
いくつかの実施例によれば、シール部材322の第二面304は、平坦面である(図8Cを参照されたい)。他の実施例によれば、シール部材322の第二面304は、複数の追加的な突起330(図示せず)を含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、第二層320と第三層325との両方を含む。いくつかの実施例によれば、第二層320は、第三層325に対して接続されている。いくつかの実施例によれば、第二層320と第三層325とは、図8Cに示すように、第一層310を覆うように一体化されている。いくつかの実施例によれば、第二層320と第三層325とは、集合的に、シール部材322の第一面302と第二面304との両方をそれぞれ覆う被覆を形成している。いくつかの実施例によれば、第二層320と第三層325とは、集合的に、シール部材322を覆う被覆を形成している。
上記に基づいて、いくつかの実施例によれば、シール部材322が折り畳まれた状態において、その第二面304がシール部材の中心線311に向けて内向きとされるよう、さらに、その第一面302が外向きとされるよう、広げられたシール部材322が、第二面304を超えて、第一側方エッジ306と第二側方エッジ308とを接続することによって、折り畳まれた状態へと折り畳まれ得ることは、理解されよう。したがって、折り畳まれたシール部材322が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、第二層320と、第二層320から離間する向きに延びる複数の突起330とは、移植部位のところで解剖学的壁(例えば、環状壁または動脈壁105の内面)に対して接触する。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、第一面302と第二面304との間に延びており、シール部材322は、図8Cに示すように、突起間ギャップ350の一つのところで、第一面302と第二面304との間で測定した全層厚さ303を有している。いくつかの実施例によれば、前述の全層厚さ303は、シール部材322の第一面302から、第一層310(図示せず)の第二面316までにわたって、測定される。いくつかの実施例によれば、全層厚さ303は、図8Cに示すように、シール部材322(例えば、第二層320)の第一面302から、第二面304(例えば、第三層325)までにわたって、測定される。
いくつかの実施例によれば、シール部材322の厚さ322T(シール部材の突起330と第二面304との間の距離として規定される)は、全層厚さ303と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例では、厚さ322Tは、シール部材322の全層厚さ303と比較して、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。各可能性は、異なる実施例を示している。なおもさらなる実施例では、厚さ322Tは、シール部材322の全層厚さ303と比較して、6000%以下、7000%以下、8000%以下、9000%以下、10,000%以下、20,000%以下、30,000%以下、40,000%以下、または50,000%以下、である。各可能性は、異なる実施例を示している。
図8B~図8Cにおける厚さ322Tと全層厚さ303との間における厚さ比率は、中程度であるけれども、上述したように、実際の比率が、より大きい(例えば、厚さ322Tは、全層厚さ303と比較して、10倍~60倍である)ことは、理解されよう。例えば、いくつかの非拘束性の実装では、全層厚さ303は、0.02mm~0.1mmの範囲とすることができ、他方、厚さ322Tは、0.5mm~3mmの範囲とすることができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材322の広げられた弛緩状態における3D形状は、厚さ322Tの一部である突起高さ322PHをそれぞれが有した突起330を含む。さらなる実施例では、各突起高さ322PHと全層厚さ303とが、合わせて、シール部材322の厚さ322Tを規定している。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、シール部材322の非繊維状の外面380が、本明細書で上記に開示したように、ピーク305を有した複数の***部分330と、複数の非***部分350と、を示すようにして、弾性的な3D構造を有している(例えば図8B~図8Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、シール部材322の非繊維状の外面380は、第一面302と、複数の***部分330(すなわち、突起330)の各外面と、を組み合わせた外面として規定される。いくつかの実施例によれば、ピーク305は、シール部材322の第一面302から離間して延びた、複数の***部分330の各外面に沿った最高点として規定される。いくつかの実施例によれば、各ピーク305の高さは、シール部材322が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合された時の、フレーム106に対しての、複数の***部分330の各外面に沿った最高点の距離(例えば、厚さ322T)として規定される。
いくつかの実施例によれば、非***部分350は、突起間ギャップ350として規定される。さらなるそのような実施例では、各非***部分350の高さは、シール部材322が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合された時の、フレーム106に対しての、第一面302の距離として規定される(例えば、全層厚さ303)。いくつかの実施例によれば、フレーム106からのピーク305の距離は、***部分330をフレームに対して押圧するように印加される外力が存在しない場合には、フレーム106からの非***部分350の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例によれば、フレーム106からのピーク305の距離は、フレームからの非***部分350の距離と比較して、少なくとも1500%の分だけ、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。各可能性は、異なる実施例を示している。
シール部材322の厚さ322Tに関するあらゆる言及が、フレーム106に対して結合された時のシール部材322の弛緩状態における、フレーム106の外面からの***部分330のピーク305の距離と等価であることは、理解されよう。同様に、全層厚さ303に対するあらゆる言及は、シール部材322がフレーム106に対して結合された時の、フレーム106の外面からの非***部分350の距離と等価である。
いくつかの実施例によれば、第一層310は、本明細書で上述したように、第一層210と同じ材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層310は、シール部材322に対して機械的安定性を提供するように構成された、および任意選択的に、引裂抵抗性(または、引裂強度)を提供するように構成された、可撓性材料かつ/または弾性材料から形成されている。さらなる実施例では、第一層310は、任意選択的に不可逆的な変形を防止する(例えば、引裂に抵抗する)ことによって、人工弁100のフレーム106の外面に対するシール部材322の連続的な耐久性のある取付を可能とするように構成されており、これにより、その利用時に構造に対して機械的安定性を提供する。
第一層310は、例えば、様々な合成材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、等)、天然組織および/または繊維(例えば、ウシ心膜、絹、綿、等)、金属(例えば、金、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、ニッケルチタン(ニチノール)、等を含む金属メッシュまたはブレイド)、ならびにこれらの組合せ、などの材料を含めた、様々な生体適合性織布を含むことができる。各可能性は、異なる実施例を示している。第一層310は、形状記憶金属部材もしくはポリマー部材などの、金属部材またはポリマー部材とすることができる。第一層310は、織布とすることができる。第一層310が織布に限定されないことは、理解されよう。織込布地、編込布地、織物ウェブ、織物フェルト、フィラメント紡績布地、および同種のもの、などの他の布地構造を使用することができる。第一層310の布地は、本明細書で上述したように、様々な合成材料、天然組織および/または繊維、金属、ならびにこれらの組合せ、から選択される少なくとも一つの適切な材料を含むことができる。
いくつかの実施例によれば、第一層310は、少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含み、引裂抵抗性材料は、任意選択的に、PET織物を含み、引裂抵抗性材料は、本明細書で上述したような第一層210の特性および特徴と同様に、機械的安定性および引裂抵抗性を提供するように構成されているとともに、構造を支持するように構成されている。さらなる実施例によれば、第一層310は、引裂抵抗性PET織物を含む。さらなる実施例によれば、第一層310は、少なくとも一つの引裂抵抗性ニット/織込PET織物を含む。
いくつかの実施例によれば、第一層310は、少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料を含み、この材料は、引裂前に約3N超の力の負荷に耐えることができ、これにより、シール部材322が、通常使用時に引裂を起こすことなく信頼性高く動作することを可能とする。さらなる実施例によれば、第一層310における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に、およそ、5N、7N、10N、15N、20N、25N、30N、またはそれを超えるような、力の負荷に耐えることができる。各可能性は、異なる実施例を示している。なおもさらなる実施例によれば、第一層310における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約20N超の力の負荷に耐えることができる。なおもさらなる実施例によれば、第一層310における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約30N超の力の負荷に耐えることができる。好ましい実施例によれば、第一層310における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、PET織物を含むとともに、引裂前に少なくとも約20Nの力の負荷に耐えることができる。いくつかの実施例によれば、可撓性材料かつ引裂抵抗性材料は、15N~500Nの範囲の負荷に耐えることができる。いくつかの実施例によれば、可撓性材料かつ引裂抵抗性材料は、20N~500Nの範囲の負荷に耐えることができる。
いくつかの実施例によれば、第一層310は、本明細書で上記に開示したように、少なくとも一つの生体適合性材料から形成されている。
図8Cに示すように、第一層310が、第二層320および第三層325によって覆われている時には、移植時に組織に対して接触しないため、この場合には、第一層310が、非生体適合性材料から形成され得ることは、理解されよう。それでもなお、このような場合であっても第一層310を生体適合性材料から形成することが、第二層320または第三層325のいずれかが摩耗損傷したり断裂したりすることで第一層310の一部が露出し得るリスクを回避するためには、好ましいことであり得る。
いくつかの実施例によれば、第二層320、第三層325、および複数の突起330、の少なくとも一つは、本明細書で上述したように、第二層220と同じ材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層320および複数の突起330は、移植部位組織(すなわち、環状壁または動脈壁105の内面)に対して接触するように構成されており、したがって、少なくとも一つの弾性的な生体適合性材料から形成されている。さらに、第二層320および複数の突起330は、いくつかの実施例によれば、シール部材322の周囲もしくは上面上への組織内方成長を防止したり/抵抗したりおよび/またはその程度を低減したりし得る材料から形成されていることが有利であり、そのような材料は、摘出手順が必要とされた場合に、上記で詳述したように、移植部位から弁100を容易に除去することを可能とする。
いくつかの実施例によれば、シール部材322の第一面302(すなわち、第二層320)は、移植部位の組織に対する摩擦を低減するように構成された円滑なおよび/または低摩擦性の面を有することによって特徴付けられており、これにより、上面上への組織内方成長を減少させるとともに、以前に移植された弁を移植部位から容易に除去することを可能とする。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、本明細書で上述した理由により、移植部位の組織に対する摩擦を低減するように構成された円滑なおよび/または低摩擦性の外面を有することによって、特徴付けられている。いくつかの実施例によれば、第二層320は、および/または複数の突起330のそれぞれは、移植部位から人工弁を除去するための摘出手順を補助し得るシリコーンまたは他の潤滑性材料もしくは他の潤滑性ポリマーを、含んでもよい。
いくつかの実施例によれば、第二層320および/または複数の突起330は、ヤーンおよび/またはストランドを含まない態様で(テクスチャー化されたヤーンまたはストランドを含まないことを含めて)、連続的である。さらなる実施例によれば、複数の突起330は、幅全体に沿って延び得る不連続部を有していない。
いくつかの実施例によれば、第二層320および複数の突起330(ならびに任意選択的に、第三層325)は、限定するものではないが熱可塑性材料などの、様々な適切な生体適合性の合成材料から形成することができる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。いくつかの実施例によれば、第二層320および複数の突起330(ならびに任意選択的に、第三層325)は、限定するものではないが、熱可塑性エラストマー(TPE)を含めた熱可塑性材料などの、様々な適切な生体適合性の合成材料から形成することができる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、からなる群から選択される。各可能性は、異なる実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、第二層320と、第三層325と、複数の突起330と、の少なくとも一つは、少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料を含み、熱可塑性かつ抗血栓性材料は、少なくとも一つの熱可塑性エラストマーを含み、任意選択的にはTPUを含む。さらなる実施例によれば、第二層320および複数の突起330は、折り畳まれた円筒形の状態でシール部材322の3D形状を形成するように構成されており、この形状は、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間におけるPVL密封性を増強するように構成されており、任意選択的に、上面上への組織内方成長を防止および/または低減するように構成されている。いくつかの実施例によれば、第二層320と第三層325と複数の突起330とは、TPUを含む。
第三層325は、シール部材322内へと組み込まれた時には、いくつかの実施例によれば、本明細書で詳述するように、第二層320に対して一体化されてもよい。第三層325および第二層320が、それぞれ、第一層310を覆う一体化被覆として形成されている時には、いくつかの実施例によれば、それらは、好ましくは、同じ材料から形成されてもよい。第三層325および第二層320が、それぞれ分離していたとしても、いくつかの実施例によれば、それらは、同様の組成を、または同一の組成を、有してもよい。いくつかの実施例によれば、第三層325および第二層320は、それぞれ同じ材料から形成されている。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、本明細書で上述したような少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む中実の(すなわち、非中空の)材料/対象物から形成されており、熱可塑性かつ抗血栓性材料は、任意選択的に、TPUを含む。さらなる実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、中空ではなく、本明細書で上述したような少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料から全体的に形成されており、熱可塑性かつ抗血栓性材料は、任意選択的に、TPUを含む。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、非中空構造を規定している。
いくつかの実施例によれば、複数の突起330と、第二層320に沿って隣接した突起330どうしを離間している複数の突起間ギャップ350とは、移植部位(すなわち、環状壁または動脈壁105の内面)に対して接触するように構成されている。いくつかの実施例によれば、複数の突起330は、第二層320と同じ材料から形成されており、したがって、同じ弾性的な生体適合性材料から形成されているとともに、シール部材322の周囲における組織内方成長を防止したり/抵抗したりおよび/または低減させたりするように構成されており、これにより、摘出手順が必要とされた時には、移植部位から弁100を容易に除去することを可能とする。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、第一層310と、第二層320と、第二層320から離間する向きに延び、かつ少なくとも第一面302を被覆した複数の突起330と、任意選択的に第三層325と、を含み、第一層310は、機械的安定性と引裂抵抗性とを提供するように構成されているとともに、その構造を支持するように構成されており、他方、第二層320および複数の突起330(ならびに任意選択的に、第三層325)は、弾性的な3D形状を形成して維持するように構成されており、第二層320および複数の突起330は、任意選択的に、上面上への組織内方成長を防止および/または低減するように構成されている。
第二層320は、単独では、シール部材322の構造を支持する能力を欠いており、フレーム106の外面に対する取付を良好に維持することができず、任意選択的に、引裂抵抗性が小さいことが、想定される。有利なことに、第一層310と、第二層320の単独と、あるいは任意選択的な第三層325を付帯した第二層320と、複数の突起330と、を組み合わせることにより、シール部材322に関する必要な特徴が得られる。いくつかの実施例によれば、TPUを含む第二層320は、単独でまたは任意選択的な第三層325と一緒に、ならびに複数の突起330は、縫合糸を保持するのに必要な強度を提供するために、PETを含む第一層310によって補強される。
TPUなどの熱可塑性エラストマー材料を、シール部材322の層として、および/または複数の突起330内の構成要素として、利用することにより、複数の弾性的な突起330を有した所望の3D形状のシール部材322を形成し得ることが、想定されている。いくつかの実施例では、有利なことに、シール部材322の複数の弾性的な突起330は、人工心臓弁100の拡張後には、移植部位で環状壁または動脈壁105に対して接触するように構成されているとともに、環状壁または動脈壁105に対して押圧されるように構成されており、これにより、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間におけるPVL密封性を向上させる。よって、いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、弾性的であって弾性圧縮可能とされている。複数の突起330の弾性特性および弾性圧縮可能特性は、移植部位における天然の心臓弁の周囲組織に対しての、シール部材322の保持を潜在的に向上させることができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、弾性的な3D形状を有しており、前述の弾性的な3D形状は、シール部材に対して外力が印加された時には(例えば、環状壁もしくは動脈壁105に対して、またはシースもしくはカプセルの内壁に対して、押圧された時には)、変形するように構成されているとともに、外力が印加されなくなった時には(例えば、拡張される前に、弁が、シャフトまたはカプセルから解放された時には)、元の形状(すなわち、弛緩状態の形状)へと復帰するようにさらに構成されている。
突起330の圧縮性が、突起330が接続されている第二層320の弾性的な3D構造と矛盾しないことは理解され、それは、突起330に対する圧縮が止まった時点で(例えば、シール部材322が弛緩状態に復帰した場合には)、第二層320の突起330の構造が復活するからである。
いくつかの実施例によれば、シール部材322は、少なくとも、引裂抵抗性材料を含む第一層310と、少なくとも第一面302を被覆するとともに熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第二層320と、第二層320から離間する向きに延びた複数の突起330と、を含む。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第三層325を、さらに含む。さらなる実施例によれば、シール部材322は、PET織物を含めた引裂抵抗性材料を含む第一層310と、そこから延びた複数の突起330を含む第二層320でありかつTPUを含めた熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第二層320と、を含む。さらなる実施例によれば、シール部材322は、TPUを含めた熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第三層325を、含む。
ここで、図10A~図10Cを参照して、いくつかの実施例による、シール部材322の製造のための、押出を利用した加工ステップについて説明する。
いくつかの実施例によれば、本発明の方法により製造されたPVLスカート322が提供される。いくつかの実施例によれば、本発明の方法により製造された折り畳まれた状態のPVLスカート322が提供される。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材322のようなシール部材を、費用対効果が高くかつ単純な態様で製造するための方法が提供される。いくつかの実施例によれば、方法は、(i)引裂抵抗性平坦シート312を準備することと、(ii)シートを熱的形状形成プロセスで処理することにより、広げられた弛緩状態で3D形状を形成することと、(iii)ステップ(ii)におけるシート312の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態で円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、本明細書で上述したような少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含む第一層310を含む引裂抵抗性平坦シート312を準備することを含み、引裂抵抗性材料は、任意選択的に、PET織物を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層310と熱可塑性第二層320とを含む平坦な可撓性シート312を準備することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、平坦な可撓性シート312を準備することを含み、この平坦な可撓性シート312は、平坦な可撓性シート312の熱可塑性第二層320と熱可塑性第三層325との間に配置された引裂抵抗性第一層310を含む(図10Aを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層310を含む平坦な可撓性シート312を準備することと、第一層310の少なくとも第一面315を熱可塑性被覆によって被覆することにより、熱可塑性第二層320を形成することと、を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層310を含む平坦な可撓性シート312を準備することと、第一層310の第一面315および第二面316を熱可塑性被覆によって被覆することにより、それぞれ熱可塑性第二層320および熱可塑性第三層325を形成することと、を含む。
引裂抵抗性第一層310の被覆は、刷毛塗り、スプレーコーティング、浸漬コーティング、浸漬もしくは含浸、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される被覆技術によって行うことができる。しかしながら、本発明による方法は、これらの被覆技術に限定されるものではなく、いくつかの実施例によれば、化学蒸着、気相蒸着、化学気相蒸着、物理気相蒸着、印刷、および同種のもの、などの他の被覆技術が、適切に使用されてもよい。このような技術は、一般的に医療用布地に適している。その上、ローラー印刷、ステンシル印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ印刷、3D印刷、および同種のもの、などの印刷技術も、また、熱可塑性ポリマー被覆を適用するために、本発明と共に使用されてもよい。
熱可塑性被覆は、第二層320を形成する材料と同じ材料を含むことができる。熱可塑性被覆は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、などの熱可塑性材料を含むことができる。熱可塑性材料を含む熱可塑性被覆は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、などの熱可塑性エラストマー材料を含むことができる。各可能性は、異なる実施例を示している。熱可塑性被覆は、TPUを含むことができる。熱可塑性被覆は、本明細書で開示するような生体適合性かつ抗血栓性材料を含むことができる。
層(すなわち、第一層310、第二層320、および第三層325)のそれぞれに関して上記で導入した特性が、シール部材の製造方法に言及する時には、各層に対して同様に適用されることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、第一層310は、引裂抵抗性PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、第二層320、第三層325、またはその両方は、少なくとも一つの熱可塑性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層320、第三層325、またはその両方は、TPUを含めた少なくとも一つの抗血栓性かつ熱可塑性エラストマー材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層320と第三層325とは、同じ材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層325は、本明細書で詳述するように、第二層320に対して一体化されている。
いくつかの実施例によれば、シートを熱的形状形成プロセスで処理することにより広げられた弛緩状態で3D形状を形成するというステップ(ii)は、押出ベースの形状形成プロセスを伴い、これは、シート312の第二層320の面302上に複数の部材331を押し出すことを含む。いくつかの実施例によれば、各部材331は、熱可塑性材料(任意選択的に、抗血栓性)を含む溶融組成物を含む。さらなる実施例では、各部材331は、押出機ダイ332(図10Bを参照されたい)を含む押出機を利用して、押し出される。さらなる実施例では、各部材331は、長尺部材331であって、流出エッジ307の少なくとも一つから流入エッジ309に向けて、または第一側方エッジ306から第二側方エッジ308に向けて、延びることができる。
「押出成形」または「押出」という用語は、本明細書で使用した際には、押出部材331の所望形状に対応した所望の断面形状を有したダイオリフィスを通して溶融組成物を強制的に押し出すプロセスを指す。溶融組成物をダイオリフィスを通して強制的に押し出す前述のプロセスは、加圧下で、および加熱下で、行われる。熱可塑性かつ抗血栓性材料の押出は、3D印刷によって行うことができ、その場合、ダイオリフィスは、移動可能なプリンタ押出ヘッドである。
溶融組成物は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、などの熱可塑性材料を含むことができる。熱可塑性材料を含む溶融組成物は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、などの熱可塑性エラストマー材料を含むことができる。各可能性は、異なる実施例を示している。溶融組成物は、TPUを含むことができる。溶融組成物は、本明細書で上記に開示したような生体適合性かつ抗血栓性材料を含むことができる。
溶融組成物は、押し出された組成物と、シートの第二層320の面302と、の間における接着を増強するように構成された様々な接着剤または添加剤を、さらに含むことができる。
溶融組成物は、高温で押し出すことができる。高温とは、溶融組成物を流動溶融状態へと移行させ得るとともに、シート312の第二層320の面302上へと形成して付着させる目的で、押出機ダイ332を通して加圧下で押し出させ得るのに充分な温度である。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における高温は、およそ、100℃超、125℃超、150℃超、175℃超、200℃超、225℃超、250℃超、275℃超、300℃超、またはこれらを超える温度、である。各可能性は、異なる実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート312の熱可塑性第二層320上に複数の部材331を押し出すことを含み、この場合、各押出部材331が、少なくとも、シート312の第一側方エッジ306から第二側方エッジ308へと延びるものとし、これにより、図8Dに図示したシール部材322の突起330の構成へと移行するように構成された複数の3D形状を、シート上に形成する。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート312の熱可塑性第二層320上に複数の部材331を押し出すことを含み、この場合、各押出部材331が、シート312の流入エッジ309から流出エッジ307へと延びるものとし、これにより、図8Eに図示したシール部材322の突起330の構成へと移行するように構成された複数の3D形状を、シート上に形成する。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦な可撓性シート312の熱可塑性第二層320上に複数の部材331を押し出すことを含み、この場合、各押出部材331が、平坦な可撓性シート312の第二層320の少なくとも一部分に沿って斜めに延びるものとし、これにより、図8Fに図示したシール部材322の突起330の構成へと移行するように構成された複数の3D形状を、シート上に形成する。
それぞれが溶融組成物を含む長尺部材331を、シートの第二層320の面302上へと押し出すことにより、シート上に3D形状を形成した後には、3D形状形成済みシートを、冷却することができ、これにより、シール部材の広げられた弛緩状態で、3D形状を安定化させることができる。3D形状シートを冷却している最中に、溶融組成物は、半剛直なまたは弾性的で比較的剛直な状態へと移行し、押し出された長尺部材331の形状は、複数の突起330の形状を形成するように移行することができる(図10Cを参照されたい)。この構成は、いくつかの実施例によれば、重力によって促進されてもよい、および/または、外力によって補助されてもよい。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート312を40℃未満の温度まで冷却する(すなわち、温度を低下させる)ことを、さらに含む。さらなる実施例によれば、ステップ(ii)における温度低下は、シート312を室温まで冷却することである。
いくつかの実施例によれば、冷却後には、各押出長尺部材331は、半剛直なまたは弾性的で比較的剛直な状態へと移行し、その結果、図9A~図9Cに図示するような、シール部材322における複数の突起330の構成が形成されている。
複数の突起330のそれぞれの熱可塑性特性により、上述した押出ベースの形状形成プロセスが実行可能とされることは、理解されよう。具体的には、熱可塑性材料は、低温での弾性的な比較的剛直な状態から、押出条件で加熱状態および/または流動溶融状態とされた時の、柔軟で比較的ソフトな状態へと、変換される。ステップ(ii)では、熱可塑性溶融組成物は、いくつかの実施例によれば、押出機の内部で加圧下で加熱されることで溶融状態となり、これにより、押し出された複数の長尺部材331は、冷却されて弾性的で比較的剛直な状態に変換された後には、突起330を含む3D形状を形成することができる。
具体的には、図10B~図10Cに示す実施例では、熱可塑性溶融組成物を含む複数の長尺部材331が、シート312の第二層320の面302上へと押し出され、この場合、熱可塑性溶融組成物は、上記で開示したように、高温で流動溶融状態とされている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)では、各長尺部材331は、第二層320の面302上へと押し出されることにより、シート上に3D形状を形成する。所望の3D形状を形成した後に、シート312を冷却することができ、これにより、熱可塑性溶融組成物は、弾性的な非柔軟状態へと復帰し、これにより、いくつかの実施例によれば、複数の突起330の形状へと移行して、広げられた状態でシール部材322を安定化させる(図10C)。
いくつかの代替実施例によれば、シートを熱的形状形成プロセスで処理することにより広げられた弛緩状態で3D形状を形成するというステップ(ii)は、射出形状形成プロセスを伴い、この射出形状形成プロセスは、平坦な可撓性シート312を金型(図示せず)内へと挿入することと、本明細書で上述したような熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む溶融組成物を前述の金型内へと添加/注入することと、を含み、溶融組成物は、平坦な可撓性シート312の少なくとも一つの面上で、金型の形状に適合する。溶融組成物は、本明細書で上述したように、高温で成型することができる。上面上に複数の突起330を含む被覆済みシートの少なくとも一つの面上で、熱可塑性かつ抗血栓性材料を所望の3D形状へと形成する成型プロセスは、例えば、射出成形によって行うことができる。熱可塑性かつ抗血栓性材料が、金型の内部において、シート312の少なくとも一つの面上で所望の3D形状を形成した後には、形成済み3D成型被覆済みシートを、冷却して金型から取り出すことができ、これにより、シール部材322の広げられた弛緩状態で3D形状を安定化させることができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート312は、第一面302と第二面304とを有しており、ステップ(i)のシート312における第一面302と第二面304との間の距離は、ステップ(i)のシート312における初期厚さ312Tを構成する(図10Aを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート312は、平坦であって、実質的に二次元的である。これは、ステップ(i)のシート312における初期厚さ312Tが、シート312の初期幅および/または初期長さと比較して、かなり短いことを意味する。いくつかの実施例によれば、初期厚さ312Tは、上述したように、全層厚さ303に対応している、または全層厚さ303と同一である。
いくつかの実施例によれば、本発明の方法を実行することにより、突起330が形成され、突起330は、広げられた弛緩状態のシール部材322における厚さ322Tの一部をなす突起高さ322PHを有している(図10Cを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における複数の突起330の形成後には、広げられた弛緩状態におけるシール部材322の厚さ322Tは、3D形状を形成するように構成されており、シート312の初期厚さ312Tと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例によれば、広げられた弛緩状態におけるシール部材322の厚さ322Tは、シート312の初期厚さ312Tと比較して、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。各可能性は、異なる実施例を示している。
シール部材322の厚さ312Tに関するあらゆる言及が、フレーム106に対して結合された時のシール部材322の弛緩状態における、フレーム106の外面からのピーク305の距離と等価であることは、理解されよう。同様に、シート312の初期厚さ312Tに対するあらゆる言及は、シール部材322がフレーム106に対して結合された時の、フレーム106の外面からの非***部分350の距離と等価である。
いくつかの実施例によれば、本明細書で説明する方法の後におけるシート312の厚さ変更(312Tから322Tへと)は、シート312の初期2D構造を、シール部材322の3D構造へと、変換するように構成されている。いくつかの実装では、ステップ(ii)の後に得られるシート312は、所望の最終的な幅および/または所望の最終的な長さのいずれよりも、大きな寸法を有しており、方法は、ステップ(ii)の後にかつステップ(iii)の前に、シート312を所望の最終的な幅および/または所望の最終的な長さへと切断するという追加的なステップを、含むことができる。
ここで、いくつかの実施例による、シール部材322を製造するための、複数のマスク部材333を利用した加工ステップを示す図11A~図11Eを、参照する。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材322を、費用対効果が高くかつ単純な態様で製造するための方法が提供され、方法は、(i)少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含む第一層310を含む引裂抵抗性平坦シート312を準備することであり、引裂抵抗性材料は、任意選択的にPET織物を含む(図11A)とともに、平坦な引裂抵抗性シートの少なくとも一つの面を、熱可塑性ポリマー被覆層によって被覆することにより、上面上に第二層320を形成することと、(ii)シートを熱的形状形成プロセスによって処理することで、金型334を利用して、広げられた弛緩状態で3D形状を形成するとともに、第二層320上に熱可塑性材料を不均一に堆積させることと、(iii)ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態で円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、第一層310の第一面315および第二面316を、本明細書において上記で規定したような熱可塑性被覆によって被覆することにより、平坦シート312の反対側に位置した面上に、それぞれ熱可塑性第二層320および熱可塑性第三層325を形成することを含む(図11B)。
いくつかの実施例によれば、平坦な引裂抵抗性シートの少なくとも一つの面を熱可塑性ポリマー被覆層によって被覆するというステップ(i)は、本明細書で上述したように、少なくとも一つの被覆技術を利用して行うことができる。
層(すなわち、第一層310、第二層320、および第三層325)のそれぞれに関して上記で導入した任意の特性が、本発明のシール部材322の製造方法に言及する時には、各層に対して同様に適用されることは、理解されよう。
いくつかの代替実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層310と、熱可塑性第二層320と、任意選択的に熱可塑性第三層325と、を含む、予め作製された引裂抵抗性平坦シート312を準備することを伴う。さらなるそのような実施例によれば、第一層310は、PET織物を含み、第二層320および/または第三層325は、それぞれTPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート312上に、互いに離間して配置された複数のマスク部材333を含む金型334を配置することと、熱可塑性材料を、隣接したマスク部材333どうしの間に形成された空間内へと、堆積させることと、を伴う。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート312の第二層320の面302上に、互いに離間して配置された複数のマスク部材333を含む金型334を配置することと、熱可塑性材料を、隣接したマスク部材333どうしの間に形成された空間内へと、堆積させることと、を伴う。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、互いに離間して配置された複数のマスク部材333を含む金型334を準備することと、シート312の第二層320の面302上に、複数のマスク部材333を配置することと、を伴う(図11Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、広げられた弛緩状態で3D形状を形成するようにシートを処理するというステップ(ii)は、最初に、複数のマスク部材333を含む金型334を準備することと、シート312の第二層320の面302上に、複数のマスク部材333を配置することと、面302上でマスク部材333を互いに離間させることと、を伴い、ここで、複数のマスク部材333のそれぞれは、対応した突起間ギャップ350の上方に位置している(図11Cを参照されたい)。マスク部材333は、いくつかの実施例によれば、互いに等間隔で離間してもよい。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート312の第二層320の面302上に、複数のマスク部材333を配置することを含み、この場合、各マスク部材333を、シート312の第一側方エッジ306から第二側方エッジ308へと延びるものとする。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート312の第二層320の面302上に、複数のマスク部材333を配置することを含み、この場合、各マスク部材333を、シート312の流入エッジ309から流出エッジ307へと延びるものとする。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート312の第二層320の面302上に、複数のマスク部材333を配置することを含み、この場合、各マスク部材333を、平坦な可撓性シート312の第二層320の少なくとも一部に沿って、斜めに延びるものとする。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、熱可塑性材料を、隣接したマスク部材333どうしの間に形成された空間内へと堆積させることを、さらに含み、熱可塑性材料の堆積は、押出、刷毛塗り、スプレーコーティング、化学堆積、液体堆積、気相蒸着、化学気相蒸着、物理気相蒸着、ローラー印刷、ステンシル印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ印刷、3D印刷、ならびにこれらの組合せ、からなる群から選択される技術によって行われる。各可能性は、異なる実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート312の第二層320の面302上において、熱可塑性材料を、高温で、隣接したマスク部材333どうしの間に形成された空間内へと堆積させることを、さらに含む。熱可塑性材料は、TPUなどの熱可塑性エラストマー材料を含むことができ、この材料は、本明細書で上記に開示したように、任意選択的に抗血栓性でもある。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料を堆積させることは、複数の熱可塑性被覆層を堆積させることを伴い、各熱可塑性被覆層は、本明細書で上記に規定するような熱可塑性被覆を含むことができる。複数の熱可塑性被覆層は、堆積後には、半固体状態または固体状態へと移行するように構成されており、これにより、複数の突起330が形成されている。複数の熱可塑性被覆層の堆積は、刷毛塗り、スプレーコーティング、化学堆積、液体堆積、気相蒸着、化学気相蒸着、物理気相蒸着、ローラー印刷、ステンシル印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ印刷、3D印刷、ならびにこれらの組合せ、から選択される被覆技術によって行うことができる。各可能性は、異なる実施例を示している。複数の熱可塑性被覆層の堆積は、液体堆積によって行うことができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、本明細書で上述したように、高温で、熱可塑性かつ抗血栓性材料(例えば、TPU)を含む溶融組成物を堆積させること(液体堆積)を含む。いくつかの実施例によれば、堆積は、隣接したマスク部材333どうしの間に形成された空間内で行われる(図11Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、堆積後に、マスク部材333を、および/または堆積された溶融組成物を、冷却することをさらに含む。
このような冷却状況では、溶融組成物が、半固体状態または固体状態へと移行することにより、複数の突起330が形状形成され、これにより、複数の突起330のそれぞれが、隣接したマスク部材333どうしの間に配置されていることは、理解されよう(図11Dを参照されたい)。さらなる実施例によれば、溶融組成物は、押出機ダイ332(図11Cを参照されたい)を装備した押出機を利用して、矢印317の向きに押し出され、これにより、複数の突起330が形成され、複数の突起330のそれぞれは、隣接したマスク部材333どうしの間に配置されている。
いくつかの代替実施例によれば、ステップ(ii)は、モノマー組成物を、隣接したマスク部材333どうしの間に形成された空間内へと堆積させることと、組成物を固体状態または半固体状態へと移行させる目的で、モノマー組成物を重合させることと、を含み、これにより、複数の突起330が形成されている。いくつかの実施例によれば、複数の突起330のそれぞれは、隣接したマスク部材333どうしの間に配置されている。いくつかの実施例によれば、重合は、化学開始剤、熱開始剤、照射、等を使用して、開始される。各可能性は、別個の実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、突起330は、熱可塑性エラストマーから形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンである。ポリウレタンが、ポリオール(例えば、ジオール、トリオール、および高級ポリアルコール)と、ポリイソシアネート(例えば、ジイソシアネート、トリイソシアネート、および高級ポリイソシアネート)と、の反応から調製され得ることは、理解されよう。よって、いくつかの実施例によれば、モノマー組成物は、ポリオールおよびポリイソシアネートの少なくとも一方を含み、いくつかの実施例によれば、組成物を重合することは、モノマー組成物を、他のモノマー(ポリオールまたはポリイソシアネート)を含む第二モノマー組成物に対して、接触させることを伴う。
いくつかの代替実施例によれば、ステップ(iii)は、シートの面302から複数のマスク部材333を取り外すことにより、上記で開示したように、複数の突起330の固化後に、シール部材の広げられた弛緩状態で3D形状を形成することを、さらに含む(図11Eを参照されたい)。
いくつかの代替実施例によれば、複数のマスク部材333のそれぞれは、長尺構造を有しており、複数の突起330のそれぞれは、隣接した長尺マスク部材333どうしの間に形成されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)は、ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジ(すなわち、第一側方エッジ306および第二側方エッジ308)を接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することを含む(例えば、図20を参照されたい)。反対側に位置したエッジどうしの間の接続は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的にはエッジの融解、の少なくとも一つを使用することにより、行うことができる。代替的には、ステップ(iii)は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的には周縁まわりでのシール部材322のエッジの融解、の少なくとも一つを利用して、シール部材322をフレーム106の外面に対して結合することを含む。
ここで、図12A~図15を参照する。図12Aは、いくつかの実施例による、広げられた弛緩状態のシール部材422の斜視図を示している。図12B~図12Hは、いくつかの実施例による、シール部材422の様々な断面図を示している。図12Fは、いくつかの実施例による、複数の開口435を含むシール部材422の斜視図を示している。図12Gは、いくつかの実施例による、図12Fのシール部材422の断面図を示している。図13A~図13Cは、いくつかの実施例による、円筒状に折り畳まれた状態のシール部材422の様々な構成に関する斜視図を示している。図13Dは、いくつかの実施例による、折り畳まれたシール部材422aの斜視図を示している。図14A~図14Cは、いくつかの実施例による、人工弁100のフレーム106上に取り付けられたシール部材422の様々な構成を示している。図14Dは、いくつかの実施例による、人工弁100のフレーム106上に取り付けられた折り畳まれたシール部材422aを示している。図15は、いくつかの実施例による、人工弁100のフレーム106上に取り付けられた、複数の開口435を含むシール部材422の構成を示している。
別の態様によれば、人工弁100(例えば図14A~図14Cを参照されたい)のフレーム106の外面上に取り付けられる(または、そのような外面に対して結合される)ように構成されたシール部材422が提供される、あるいは、当該技術分野で知られている任意の他の同様の人工弁に対して取り付けられるように構成されたシール部材が提供される。シール部材422は、適切な技術または機構を使用して、フレーム106に対して接続したり/取り付けたりすることができる。例えば、シール部材422は、支柱110の周囲に延び得る縫合糸を利用して、フレーム106に対して縫合することができる。シール部材222は、図示のように、人工弁100が径方向拡張状態にある時にフレーム106の外面に対して横たわるようにして、フレーム106に対してぴったりと嵌合するように構成することができる。
いくつかの実施例によれば、本発明は、フレーム106と、このフレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリ130と、を含む人工心臓弁100を提供するものであり、フレームは、複数の交差した支柱110を含み、フレームは、本明細書で上記に開示したように、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であり、弁100は、フレーム106の外面に対して結合されたシール部材422をさらに含み、シール部材422は、その広げられた弛緩状態において三次元(3D)形状を有している。
シール部材422は、広げられた状態で提供されることができ、フレーム106上へと折り畳むことによって、フレーム106に対して接続したり/取り付けたりすることができ、これにより、シール部材422を、広げられた状態から折り畳まれた状態へと変形させることができる。代替的には、シール部材422は、フレーム106に対する取付の前に、既に折り畳まれた状態で提供されてもよい。例えば、フレーム106は、既に円筒状へと折り畳まれたシール部材422の内部へと挿入され得るとともに、そのようなシール部材に対して縫合されてもよい。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、3D弾性構造を有しており、これにより、シール部材422の非繊維状の外面480は、ピーク405を有した複数の***部分430と、複数の非***部分450と、を示すこととなる。さらなる実施例では、複数の非***部分450のそれぞれは、複数の***部分430の隣接した対によって規定される。さらなる実施例では、非繊維状の外面480は、円滑な面である。さらなる実施例では、非繊維状の外面480は、単一の/連続した面である。
表面粗さは、表面テクスチャーの構成要素である。表面粗さは、実際の面の法線ベクトルの向きが、その理想形からずれていることによって、定量化される。これらの偏差が大きければ、表面は、粗いと見なされ、小さければ、表面は、滑らかであると見なされる。したがって、「滑らか」という用語は、本明細書で使用した際には、実際の面の法線ベクトルの向きが理想形から少ししかずれていない面を指す。円滑な面とは、繊維または不規則な空隙が存在しない、実質的に単一の/連続した面である。「円滑な」という用語は、面に凹凸が存在しない実質的に平坦な面という狭い意味に限定されることを、意図するものではない。よって、本発明によるシール部材における、***部分、非***部分、および開口、のいずれも、各外面(280、380、480)の円滑さに影響を与えないものと見なされる。具体的には、当業者であれば理解され得るように、本発明によるシール部材(222、322、422)における外面(280、380、480)は、移植時には天然組織に対して接触するものとされる。いかなる理論または作用機構にも拘束されることを望むことなく、そのような組織に対して接触するものとされる円滑な面は、上面上への新たな組織内方成長に対して、抵抗したり阻害したりする。したがって、本発明によるシール部材(222、322、422)における外面(280、380、480)は、本発明の様々な実装に関して、円滑であることが好ましい。
いくつかの実施例では、***部分430は、突起430であり、非***部分450は、突起間ギャップ450である。本明細書で使用した際には、「***部分430」および「突起430」という用語は、互換的であり、図12B~図12Cに見ることができるように、シール部材422の同じ複数の***部分を指す。本明細書で使用した際には、「非***部分450」および「突起間ギャップ450」という用語は、互換的であり、図12B~図12Cに見ることができるように、シール部材422の同じ複数の非***部分を指す。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、例えば図12A~図12Gに見ることができるように、その広げられた弛緩状態において3D形状を有している。いくつかの実施例によれば、シール部材322は、その円筒状に折り畳まれた状態(図13A~図13Dおよび図14A~図15)において、本質的に3D形状を有している。
具体的には、例えば図12Aに見ることができるように、シール部材422は、複数の突起430を含み、これにより、そのような突起430が存在しない場合に形成されることとなる実質的に平坦な二次元形状とは対照的に、3次元(3D)形状が規定されている。
よって、3次元シール部材422の3次元形状が、(i)シール部材422の流出エッジ407と流入エッジ409との間に延びた空間的長さ寸法(例えば、図12Bおよび図12Cを参照されたい)と、(ii)シール部材422の第一側方エッジ406と第二側方エッジ408との間に延びた空間的長さ寸法(図12Aを参照されたい)と、(iii)シール部材の突起430の突起高さ(または、厚さ)422Tによって規定される空間的長さ寸法(図12Cを参照されたい)と、を含むことは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、シール部材422の第一面402から離間する向きに延びた少なくとも一つの突起430を含む(例えば、図23A~Bを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、シール部材422の第一面402から離間する向きに延びた複数の突起430でありかつシール部材422の第一面402に沿って互いに離間した複数の突起430を含む。複数の突起430は、いくつかの実施例によれば、(図12A~図12Gに見ることができるように)広げられた弛緩状態において、シール部材422の3D形状を形成している。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、広げられた弛緩状態において、第一面402の反対側に位置した平坦面を含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、四つのエッジを有している。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、四つの頂点を有している。いくつかの実施例によれば、シール部材422の四つの頂点のそれぞれは、実質的に直角である。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、四つの実質的に直角の頂点と、二組の反対側に位置した二つのエッジ(第一側方エッジ406と第二側方エッジ408とからなる組、および、流出エッジ407と流入エッジ409とからなる組)と、を有しており、各組において、反対側に位置した二つのエッジは、実質的に平行である。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、シール部材422が広げられた状態にある時には、第一側方エッジ406から第二側方エッジ408に向けて延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、折り畳まれた状態では、シール部材の中心線411の周囲に延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材の中心線411と、弁100の中心線111とは、同軸的であって、シール部材422が心臓弁100に対して接続される時には、一致してもよい。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、流入エッジ409から流出エッジ407に向けて延びている。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、折り畳まれた状態と広げられた状態との両方において、流入エッジ409から流出エッジ407に向けて延びている。
いくつかの実施例によれば、広げられた状態では、シール部材422は、実質的に矩形である。いくつかの実施例によれば、第一側方エッジ406から第二側方エッジ408までの距離は、流入エッジ409から流出エッジ407までの距離と比較して、より大きい。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、シール部材422が折り畳まれた状態では、シール部材の中心線411から離間して、径方向外向きに延びている(図13A~図13Dを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430は、面402から異なる向きに延びており、上面上に3D形状を形成することができ、3D形状は、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、任意の他の多角形、およびこれらの組合せ、から選択することができる。各可能性は、異なる実施例を示している。さらなる実施例によれば、複数の突起430は、面402から異なる向きに延びており、上面上に平行な長尺3D形状を形成することができ、長尺3D形状は、長尺U字形状、長尺角柱、長尺直方体、任意の他の長尺多面体、およびこれらの組合せ、から選択することができる。各可能性は、異なる実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、長尺3D形状を規定しているとともに、シール部材422がフレーム106上に取り付けられた時には、弁100の中心線111から径方向に離間して外向きに延びている(図14A~図15を参照されたい)。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、複数の突起430がシール部材の中心線411から径方向に離間した向きになるようにして、第一側方エッジ406と第二側方エッジ408とを接続することによって、折り畳まれる。いくつかの実施例によれば、折り畳まれた状態のシール部材422は、複数の突起430が中心線111から径方向に離間して延びる向きとなるようにして、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合される(例えば、図14Aを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、円筒状のPVLスカートを形成する目的で、弾性に基づいて、および/または可撓性特性に基づいて、広げられた弛緩状態から円筒状の折り畳まれた状態へと移行し得るように構成されている。折り畳まれたPVLスカート422は、例えば弁の組立手順時に、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されてもよい。代替的には、広げられたシール部材422は、フレーム106の外面の周囲へと折り畳まれてもよく、フレームの外面に対して結合することで、同様の製品が得られてもよい。
いくつかの例によれば、複数の突起430のそれぞれは、内部に中空内腔431を形成しており(図12A~図12Cを参照されたい)、各中空内腔431は、シール部材422の第一側方エッジ406から第二側方エッジ408に向けて延びている。いくつかの実施例によれば、各中空内腔431は、長尺円筒形状(楕円筒形状を含む)を有している。しかしながら、各中空内腔431の断面が、長方形、楕円形、三角形、または他の任意の適切な断面形状、などのように、同じ機能を提供しながら異なる断面形状を有し得ることは、理解されよう。各可能性は、異なる実施例を示している。さらに、いくつかの実施例によれば、中空内腔431の断面形状は、その長さに沿って必ずしも一様でないことが、想定されている。
いくつかの実施例によれば、各中空内腔431は、二つの内腔エッジを含む。いくつかの実施例によれば、各中空内腔431は、その内腔エッジの一方または両方が開放端部とされている。さらなる実施例によれば、各中空内腔431は、両方の内腔エッジが開放端部とされている。いくつかの実施例によれば、一方の開放エッジは、第一側方エッジ406のところに位置しており、他方の開放エッジは、第二側方エッジ408のところに位置している(図12Aを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、一方の開放エッジは、流入エッジ409のところに位置しており、他方の開放エッジは、流出エッジ407のところに位置している(図示せず)。
いくつかの実施例によれば、シール部材422の両方の側方端部は、折り畳まれた状態では、連続的な閉じた中空内腔431が形成され得る態様で、互いに結合されている(すなわち、両方の開放エッジは、流体的に接続されており、連続的な内腔を形成している)。そのような状況では、折り畳まれたシール部材422は、完全に閉じた中空内腔431の内部に空気が閉じ込められた状態で、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されてもよい。そのような場合、閉じ込められた空気は、中空内腔431の内部に完全に封じ込められており、人工弁100が移植された時でも、周囲の解剖学的構造に対して露出することはないけれども、閉じ込められた空気は、閉じ込められた空気を放出させてしまったり望ましくないキャビテーションをもたらしたりしかねない態様で突起430が劣化したり偶発的に破損したりした場合には、依然として患者に対してリスクをもたらしかねない。
いくつかの実施例によれば、中空内腔431の(または、任意の他の部分の)少なくとも一つのエッジは、シール部材422がフレーム106に対して結合されている時には、開放端部のままである、または外部環境に対して露出したままである。代替的にまたは追加的に、突起430は、開口(本明細書で後述する開口435と同様のもの)を含むことができ、中空内腔431を周囲環境に対して露出させる。このような実施例では、人工弁100は、内部に空気が閉じ込められないよう突起430を平坦化させる態様で、圧着器によって径方向圧縮状態に圧着され得るとともに、本明細書で上述したように圧着状態で(例えば、拘束シースまたはカプセル内に配置されることによって)、移植プロセスまでおよび移植プロセス時に拘束されることができ、これにより、閉じ込められた空気が患者の身体内に導入されてしまうリスクが、低減される。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、内部に配置された弾性材料433を含み(図12B~図12Cを参照されたい)、前述の弾性材料433は、突起430を形成している材料とは、異なるものである。いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、内部に配置された圧縮可能な材料433を含む。いくつかの実施例によれば、中空内腔431のそれぞれは、内部に配置された弾性材料433を含む。いくつかの実施例によれば、各弾性材料433は、上述した外力が印加された時には、恒久的に変形することなく(例えば、塑性変形を経験することなく)圧縮されるように構成されている。いくつかの実施例によれば、弾性材料433は、弾性スポンジなどの弾性発泡体を含む。いくつかの実施例によれば、弾性材料433は、内部に中空内腔を形成する弾性金属シリンダを含む。いくつかの実施例によれば、弾性材料433は、多孔質弾性要素/部材を含み、これは、任意選択的に長尺である。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、分割された突起434であって、分割された突起434を共に形成する対向した少なくとも二つのフラップ/部材を含む。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、シール部材422の第一面402から離間する向きに延びるとともに互いに離間した複数の分割された突起434を含み、複数の分割された突起434のそれぞれは、それらの間に内部空間431aを形成している。さらなる実施例によれば、各内部空間431aは、開口部432から第一面402に向けて延びている(例えば、図12Dを参照されたい)。いくつかの例によれば、シール部材422は、広げられた弛緩状態において、第一面402とは反対側に位置した平坦面を含む。
いくつかの実施例によれば、複数の分割された突起434は、そのような分割された突起434が存在しない場合に形成されることとなる実質的に平坦な2次元形状とは対照的に、広げられた弛緩状態(図12D~図12Eに示すように)において、また円筒形に折り畳まれた状態(図13A~図13Cおよび図14A~図14C)においても、シール部材422の3D形状を形成している。
複数の突起430の特徴は、複数の分割された突起434に対しても、同様に適用される。よって、3次元シール部材422の3次元形状が、(i)シール部材422の流出エッジ407と流入エッジ409との間に延びた空間的長さ寸法(例えば、図12Dおよび図12Eを参照されたい)と、(ii)シール部材422の第一側方エッジ406と第二側方エッジ408との間に延びた空間的長さ寸法(図示せず)と、(iii)シール部材の分割された突起434の突起高さ(または、厚さ)422Tによって規定される空間的長さ寸法(図12Dを参照されたい)と、を含むことは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、複数の分割された突起434のそれぞれにおける開口部432は、図12Dに示すように、分割された各突起434の中央を通して延びる軸線414(これは、シール部材422が折り畳まれた状態にある時の径方向軸線である)に関して、対称であり、これにより、内部に対称な内部空間431a(分割された突起434の、軸線414の両側に位置した両部分の間における対称性として定義される)を形成している。他の実施例によれば、複数の分割された突起434のそれぞれにおける開口部432は、図12Eに見ることができるように、軸線414に対して非ゼロ角度αで偏っており、これにより、内部に非対称な内部空間431aが形成されている。角度αは、軸線414に対して、約1°~約90°の範囲とすることができる。角度αは、軸線414に対して、およそ、1°~10°、10°~20°、20°~30°、30°~40°、40°~50°、60°~70°、70°~80°、または80°~90°、の範囲とすることができる。各可能性は、異なる実施例を表している。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、複数の突起間ギャップ450をさらに含み、各ギャップ450は、二つの隣接した突起430の間、および/または分割された突起434の間、に位置している(または、そのような間を離間している)。さらなる実施例によれば、いくつかの非***部分は、隣接した二つの***部分の間に形成されているのではなく、***部分とシール部材のエッジ(例えば、流入エッジまたは流出エッジ)との間に形成されている。いくつかの実施例によれば、ある突起間ギャップ450は、流出エッジ407と、突起430および/または分割された突起434の一方と、の間に形成されており、別の突起間ギャップ450は、流入エッジ409と、他の突起430および/または分割された突起434との一方と、の間に形成されている。いくつかの実施例によれば、非***部分450(例えば、突起間ギャップ450)が、シール部材422の3次元形状に起因して形成された空間であることは、理解されよう。具体的には、いくつかの実施例によれば、複数の突起間ギャップ450は、突起430および/または分割された突起434が向いている向きと、同じ向きを向いている。
いくつかの実装では、フレームに対しての、シール部材(例えば、シール部材222、322、422)の取付は、非***部分(例えば、非***部分250、350、450)の少なくともいくつかを通してさらにフレーム106の支柱の周囲を通して縫合糸を通すことによって、達成される。第一層の厚さが、非***部分においてシール部材の厚さの大部分を構成していることにより、第一層の引裂抵抗特性は、フレームに対して縫合される時には、特に弁が圧着されて伸長する時には、任意選択的に、それに伴ってシール部材が伸長する時には、シール部材の適切な保持に寄与する。
シール部材422の3D形状は、シール部材222および/または322の3D形状とは同一ではないけれども、シール部材422が、本明細書で上述したように、シール部材222および/または322に関して上述したものと、同様の材料を含み得ることならびに/あるいは同様の機能性および用途を有し得ることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、シール部材222の3D形状とは異なるものの、シール部材322の3D形状と同様に、シール部材422は、広げられた弛緩状態において、第一面402とは反対側に位置した平坦面(例えば、面416または面404)を含む。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、フラップ438である(図12Hを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、シール部材422の第一面402から離間する向きに延びるとともに互いに離間した複数のフラップ438を含み、複数のフラップ438のそれぞれは、図12Hに示すように、軸線414に対して角度αで偏向している。本明細書で開示するような突起430および/または分割された突起434に関する様々な特性が、フラップ438に対しても同様に適用されることは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、各フラップ438は、弾性的に弾性であって、TPUなどの本明細書で開示するような熱可塑性エラストマー材料を含むとともに、人工心臓弁100の移植および拡張の後には、移植部位において環状壁または動脈壁105に向けて偏向してもよく、あるいは環状壁または動脈壁105に対して押圧されてもよく、これにより、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間におけるPVL密封性の増強を可能とする。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、複数のフラップ438を含むとともに、弾性的な3D形状を有しており、前述の弾性的な3D形状は、シール部材に対して外力が印加された時には(例えば、環状壁または動脈壁105に対して、あるいは、シースまたはカプセルの内壁に対して押圧された時には)、弾性的に変形するように構成されており、さらに、外力が印加されなくなった時には(例えば、弁がその拡張前にシャフトまたはカプセルから解放された時には)、元の形状(すなわち、弛緩状態の形状)へと復帰するように構成されている。フラップ438は、図12Hでは全体的に直線的断面形状を有するように示されているけれども、これが、例示の目的のためであって限定するものではないこと、および、フラップ438が、円弧状または他の非直線的断面形状を同様に備えてもよいことは、理解されよう。
経カテーテル人工心臓弁の重要な設計パラメータは、折り畳まれた状態でのまたは圧着された状態での直径である。圧着プロファイルでの直径は、ユーザ(例えば、医療従事者)が大腿動脈または大腿静脈を通して経カテーテル人工心臓弁を前進させる能力に対して直接的に影響することのために、重要である。より詳細には、より小さなプロファイルは、安全性を向上させつつ、より多くの患者の処置を可能とする。複数のフラップ438を含むシール部材422は、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されているため、人工弁100は、送達システムの内部で、人工弁100が異なる3D構造を有したシール部材を含んで圧着された場合に可能なプロファイルと比較して、より小さなプロファイルで圧着することができる。この小さなプロファイルにより、ユーザは、送達装置(圧着済みの弁100を含む)を、患者の血管系を通して移植部位へと、より容易に操縦することができる。圧着済みの弁が小さなプロファイルであることは、患者の血管系の、腸骨動脈などの特に狭い部分を操縦する際に、特に有利である。
いくつかの実施例によれば、有利なことに、複数のフラップ438を含むシール部材422を含む人工弁100は、同じ状態でより剛直なまたは非圧縮性の3D形状を有したシール部材を含む弁100と比較して、送達システムの内部で圧着状態においてより小さなプロファイルを有することによって、特徴付けられる。本明細書で開示するような熱可塑性エラストマー材料から形成されたフラップ438の3D形状に起因して、弁100の圧着状態での小さなプロファイルが可能とされていることが、想定されている。いくつかの実施例によれば、複数のフラップ438を有したシール部材422を含む人工弁100は、圧着状態で移植部位に向けて送達システムの内部を前進駆動されるように構成されており、フラップ438は、送達システムのシースまたはカプセルの内壁に対して押圧され、ここで、フラップ438は、弁100の遠位向き前進方向とは逆に近位向きに偏向するものとされており、送達を容易とする。
いくつかの実施例によれば、シール部材422を含む人工弁100は、標的移植部位(すなわち、大動脈弁置換の場合には、大動脈弁輪)のところで、本明細書で上記に開示したような、動脈壁105とシール部材222の複数のリッジ230との間に形成される接触と同様に、ならびに/あるいは、動脈壁105とシール部材322の複数の突起330との間に形成される接触と同様に、動脈壁105と、複数のフラップ438、突起430、および/または分割された突起434と、の間に接触を形成するようにして位置決めされるように、構成されている。有利なことに、シール部材422の、複数のフラップ438、突起430、および/または分割された突起434は、移植部位における人工心臓弁100の拡張の後に、動脈壁105に対して接触するように構成されており、これにより、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間における適合した嵌合または係合を可能とし、その結果、移植済み人工心臓弁の周囲におけるPVL密封性を向上させる。
その上、リッジ230、突起330、フラップ438、突起430、分割された突起434の形態で提供されるピークを含めて、および、本明細書で開示する他のタイプのピークを含めて、本明細書で開示するすべてのピーク(または、ピーク部分)の弾性により、人工弁が圧着状態で保持される時に(例えば、弁100を保持するシースまたはカプセルによって印加された外力に起因して)、弾性変形して径方向内向きに押圧されたり圧縮されたりすることが可能とされ、これにより、望ましい圧着プロファイルをもたらすとともに、弁がシースまたはカプセルから解放されるとすぐに、弛緩状態の構成へと径方向外向きに弾性的に復帰し、これにより、環状壁または動脈壁に向けて径方向外向きに延びることで、展開後のPVL密封性を向上させる。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、第一面402から、異なる向きにおよび/または異なる構成で、離間するように延びることができる。これらは、折り畳まれた状態では、円筒状のシール部材422の中心線411に対して、垂直、水平、または斜め、であってもよい。シール部材422の折り畳まれた状態における突起430の向きが、折り畳まれる前の構造によって、すなわちシール部材422が広げられた状態にある時の構造によって、規定され得ることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、弾性的な3D形状を有しており、前述の弾性的な3D形状は、面402上に全体的に波状構成を形成する複数の突起430によって規定されている。
例えば、第一側方エッジ406から第二側方エッジ408へと延びた複数の分割された突起434を有したシール部材422は、シール部材422がなす円筒形状が形成されるようにして、第一側方エッジ406を第二側方エッジ408に対して接続することによって、折り畳まれてもよい。このような例示的な状況では、前述の折り畳み時には、折り畳まれた形状のシール部材422は、流入エッジ409および流出エッジ407に対して実質的に平行とされた複数の分割された突起434を有することとなる(図13Aに示すように)。第二の実施例では、流入エッジ409から流出エッジ407へと延びた複数の分割された突起434を有したシール部材422は、シール部材422がなす円筒形状が形成されるようにして、第一側方エッジ406を第二側方エッジ408に対して接続することによって、折り畳まれてもよい。このような第二の例示的な状況では、前述の折り畳み時には、折り畳まれた形状のシール部材422は、流入エッジ409および流出エッジ407に対して実質的に垂直とされた複数の分割された突起434を有することとなる(図13Bに示すように)。同様に、広げられた状態で傾斜した分割された突起434は、図13Cに示すように、シール部材422の折り畳まれた状態での斜めを向いた分割された突起434をもたらすこととなる。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422が広げられた状態にある時には、流出エッジ407および/または流入エッジ409のいずれかに対して平行である。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422の折り畳まれた状態では、シール部材の中心線411の周囲において周方向に延びている(例えば、図13Aを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422が折り畳まれた状態にあるとともに、人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、中心線111の周囲において周方向に延びている(例えば、図14Aを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422の折り畳まれた状態では、シール部材の中心線411の周囲において周方向に、流出エッジ407および/または流入エッジ409のいずれかに対して平行に位置合わせされている。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422の広げられた状態では、流入エッジ409から流出エッジ407へと延びている。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422の広げられた状態では、第一側方エッジ406および/または第二側方エッジ408のいずれかに対して平行に位置合わせされている。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422の広げられた状態では、流出エッジ407および/または流入エッジ409のいずれかに対して垂直に位置合わせされている。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422の広げられた状態では、シール部材の中心線411に対して平行に位置合わせされている(例えば、図13Bを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422が折り畳まれた状態にあるとともに、人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、中心線111に対して平行に延びている(例えば、図14Bを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422の折り畳まれた状態では、流出エッジ407および/または流入エッジ409のいずれかに対して垂直に位置合わせされている。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、広げられた状態では、シール部材422の面に沿って斜めに延びている。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、折り畳まれた状態では、シール部材422の面に沿って斜めに延びている(例えば、図13Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の突起430および/または分割された突起434は、シール部材422が折り畳まれた状態にあるとともに、人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられる時には、中心線111に対して斜めに延びている(例えば、図14Cを参照されたい)。
上述したような様々な構成および向きは、異なる生理学的要件および移植関連要件に関して、有利であり得る。例えば、図13Aおよび図14Aの構成は、弁100が環状壁または動脈壁105に対して取り付けられる時に、流れの軸線方向に対して複数の突起430および/または分割された突起434が全体的に垂直な向きであることに起因して有利であり得るものであり、これにより、それらの間におけるPVL密封性を潜在的に向上させることができる(例えば、図21Aおよび図21Bを参照されたい)。
その上、いくつかの実施例では径方向軸線414に対して角度αで偏向され得る複数の分割された突起434の構成は、有利であり得ることが想定され、それは、そのような構成が、特に、分割された突起434の内部の非対称内部空間431aを形成する非対称構成(図13Aおよび図14Aを参照されたい)が、移植後に、シール部材422の面402と、環状壁または動脈壁105と、の間において圧縮可能な半閉鎖ポケットまたは半閉鎖区画として機能し得るからである。具体的には、非対称内部空間431aは、前述の半閉鎖ポケットまたは半閉鎖区画の内部に血液を捕捉することによって、そこを通しての血液の弁周囲漏出(PVL)を、防止したり有意に減少させたりすることができ、これにより、シール部材と周囲の解剖学的構造との間におけるPVL密封性を向上させる。
本明細書で詳述するように、シール部材422に、突起430および/または分割された突起434を形成するための製造プロセスは、折り畳みステップの前に実施されることに限定されるものではなく、いくつかの実施例では、突起430および/または分割された突起434は、折り畳みステップの後にシール部材422の第一面402上に形成されてもよい。そのような実施例では、折り畳まれたシール部材422aが提供され、この折り畳まれたシール部材422aは、折り畳まれた円筒状態で製造されることを除いては、シール部材422に関して開示したものと同じ材料を含むとともに、同様の機能を有している。いくつかの実施例によれば、折り畳まれたシール部材422aは、図13Dに示すように、第一面402の周囲における螺旋状構成において、中心線411から離間する向きに径方向外向き延びた少なくとも一つの螺旋状突起430aを含み、シール部材422aは、必ずしも心臓弁に対して接続されてはいない。
いくつかの実施例によれば、少なくとも一つの螺旋状突起430aは、折り畳まれたシール部材422aの流入エッジ409から流出エッジ407へと延びている。いくつかの実施例によれば、折り畳まれたシール部材422aは、図14Dに示すように、少なくとも一つの螺旋状突起430aが第一面402の周囲において螺旋状構成で中心線111から径方向に離間して延びるようにして、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されている。
いくつかの実施例によれば、折り畳まれたシール部材422aは、本明細書で開示するように、非繊維状外面480と同様の、少なくとも一つの螺旋状突起430aを含む非繊維状外面を有していることによって、特徴付けられる。
いくつかの実施例によれば、少なくとも一つの螺旋状突起430aは、中空であって、内部に螺旋状の中空内腔を形成している(図示せず)。さらなる実施例では、少なくとも一つの螺旋状突起430aは、面に沿って互いに離間した複数の開口435を含むとともに、螺旋状中空内腔と開口435の外側の外部環境との間における流体連通を提供するように構成されている。なおもさらなる実施例では、中空内腔は、本明細書で開示するように、内部に配置された薬剤組成物436を含む。開口435の少なくとも一部は、本明細書で説明するように、生分解性膜437によって密封することができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、第一層410を含む。いくつかの実施例によれば、第一層410は、シール部材422の平坦な広げられた弛緩状態である。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、第一層410と第二層420とを含む。さらなる実施例によれば、前述の第一層410および第二層420は、それぞれ、シール部材422がフレーム106に対して結合される時には、フレーム106の外面に対して外側に配置される。さらなる実施例によれば、シール部材422は、追加的な層を含むことができる。
いくつかの実施例によれば、第二層420は、第一層410の第一面415に対して接触している(図12Bを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、第二層420は、シール部材422の広げられた状態および折り畳まれた状態の両方において、第一層410の第一面415に対して接触している。いくつかの実施例によれば、第二層420は、第一層410の第一面415に対して取り付けられている、および/または、第一層410の第一面415を被覆している。いくつかの実施例によれば、第一層410の前述の第一面415は、シール部材422の折り畳まれた状態において、外向きとされている。
いくつかの実施例によれば、シール部材422が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、前述の第一面415は、移植部位(例えば、環状壁または動脈壁105)を向いている。さらなる実施例によれば、第二層420は、図12Bに示すように、シール部材422の第一面402を規定している。いくつかの実施例によれば、シール部材422の第一面402は、シール部材422の折り畳まれた状態においては、外向きとされている。いくつかの実施例によれば、シール部材422が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、シール部材422の第一面402は、移植部位を向いている。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、第三層425を含む。いくつかの実施例によれば、第三層425は、第一層410の第二面416に対して接触している(図12Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、第三層425は、シール部材422の広げられた状態と折り畳まれた状態との両方で、第一層410の第二面416に対して接触している。いくつかの実施例によれば、第三層425は、第一層410の第二面416に対して取り付けられている、および/または、第一層410の第二面416を被覆している。いくつかの実施例によれば、第一層410の前述の第二面416は、シール部材422が折り畳まれた状態では、内向きとされている。いくつかの実施例によれば、前述の第二面416は、シール部材422が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、環状壁または動脈壁105とは反対側を向いている。
さらなる実施例によれば、第三層425は、図12Cに示すように、シール部材222の第二面404を規定している。いくつかの実施例によれば、シール部材422の第二面404は、シール部材422が折り畳まれた状態にある時には、内向きとされている。いくつかの実施例によれば、シール部材422の第二面404は、シール部材422が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、移植部位のところで解剖学的壁とは反対側を向いている。
いくつかの実施例によれば、シール部材422の第二面404は、平坦面である(図12C)。他の実施例によれば、シール部材422の第二面404は、複数の追加的な突起430(図示せず)を含む。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、第一面402と第二面404との間に延びており、シール部材422は、図12Cに示すように、突起間ギャップ450の一つのところにおいて第一面402と第二面404との間で測定される全層厚さ403を有している。いくつかの実施例によれば、前述の全層厚さ403は、シール部材422の第一面402から、第一層410(図示せず)の第二面416までにわたって、測定される。いくつかの実施例によれば、全層厚さ403は、図12Cおよび/または図12Dに示すように、シール部材422(例えば、第二層420)の第一面402から、第二面404(例えば、第三層425)までにわたって、測定される。
いくつかの実施例によれば、シール部材422の厚さ422Tは、全層厚さ403と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例では、厚さ422Tは、シール部材422の全層厚さ403と比較して、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。さらなる実施例では、厚さ422Tは、シール部材422の全層厚さ403と比較して、6000%以下、7000%以下、8000%以下、9000%以下、10,000%以下、20,000%以下、30,000%以下、40,000%以下、または50,000%以下、である。各可能性は、異なる実施例を示している。
図12B~図12Cにおける厚さ422Tと全層厚さ403との間における厚さ比率は、中程度であるけれども、上述したように、実際の比率が、より大きい(例えば、厚さ422Tは、全層厚さ403と比較して、10倍~60倍である)ことは、理解されよう。例えば、いくつかの非拘束性の実装では、全層厚さ403は、0.02mm~0.1mmの範囲とすることができ、他方、厚さ422Tは、0.5mm~3mmの範囲とすることができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材422の広げられた弛緩状態における3D形状は、厚さ422Tの一部である突起高さ422PHをそれぞれが有した突起430(図12C)または分割された突起434(図12D)によって達成される。さらなる実施例では、突起高さ422PHと全層厚さ403とが、合わせて、シール部材422の厚さ422Tを規定している。
いくつかの実施例によれば、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、および/または複数の分割された突起434、のいずれかは、シール部材422の第二層420から離間する向きに延びているとともに、互いに離間しており、第二層420は、第一層410の第一面415に対して取り付けられており、および/または第一層410の第一面415を被覆しており、前述の面415は、シール部材422が弁100に対して取り付けられて移植された後には、移植部位(すなわち、環状壁または動脈壁105)を向いている。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、第二層420と第三層425との両方を含む。いくつかの実施例によれば、第二層420は、第三層425に対して接続されている。いくつかの実施例によれば、第二層420と第三層425とは、図12Cに示すように、第一層410を覆うように一体化されている。いくつかの実施例によれば、第二層420と第三層425とは、集合的に、シール部材422の第一面402と第二面404との両方をそれぞれ覆う被覆を形成している。いくつかの実施例によれば、第二層420と第三層425とは、集合的に、シール部材422を覆う被覆を形成している。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、第四層445をさらに含む。いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、第四層445を含む。いくつかの実施例によれば、第四層445は、複数の突起430のそれぞれを被覆している。いくつかの実施例によれば、第四層445は、複数の突起430のそれぞれを覆うおよび任意選択的に第二層420を覆う被覆を、形成している。いくつかの実施例によれば、第四層445は、第二層420に対して接続されている。
上記に基づいて、いくつかの実施例によれば、シール部材422が折り畳まれた状態において、その第二面404が内向き(シール部材の中心線411に向けて)とされるよう、さらに、その第一面402が外向きとされるよう、広げられたシール部材422が、第二面404を超えて、第一側方エッジ406とその第二側方エッジ408とを接続することによって、折り畳まれた状態へと折り畳まれ得ることは、理解されよう。したがって、折り畳まれたシール部材422が人工心臓弁100のフレーム106上に取り付けられて移植部位に移植される時には、第二層420と、この第二層420から離間する向きに延びている、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、および/または複数の分割された突起434(および任意選択的に、第四層445)、のいずれかとは、移植部位のところで解剖学的壁(例えば、環状壁または動脈壁105の内面)に対して接触する。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、シール部材422の非繊維状の外面480が、本明細書で上記に開示したように、ピーク405を有した複数の***部分430と、複数の非***部分450と、を示すようにして、弾性的な3D構造を有している(例えば図12B~Cを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、シール部材422の非繊維状の外面480は、第一面402と、複数の***部分430(すなわち、突起430)の各外面と、を組み合わせた外面として規定される。いくつかの実施例によれば、ピーク405は、シール部材422の第一面402から離間して延びた、複数の***部分430の各外面に沿った最高点として規定される。いくつかの実施例によれば、各ピーク405の高さは、シール部材422が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合された時の、フレーム106に対しての、複数の***部分430の各外面に沿った最高点の距離(例えば、厚さ422T)として規定される。
いくつかの実施例によれば、非***部分450は、突起間ギャップ450として規定される。さらなるそのような実施例では、各非***部分450の高さは、シール部材422が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合された時の、フレーム106に対しての、第一面402の距離として規定される(例えば、全層厚さ403)。いくつかの実施例によれば、フレーム106からのピーク405の距離は、***部分430をフレームに対して押圧するように印加される外力が存在しない場合には、フレーム106からの非***部分450の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例によれば、フレーム106からのピーク405の距離は、フレームからの非***部分450の距離と比較して、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。各可能性は、異なる実施例を示している。
シール部材422の厚さ422Tに関するあらゆる言及が、フレーム106に対して結合された時のシール部材422の弛緩状態における、フレーム106の外面からの***部分430のピーク405の距離と等価であることは、理解されよう。同様に、全層厚さ403に対するあらゆる言及は、シール部材422がフレーム106に対して結合された時の、フレーム106の外面からの非***部分450の距離と等価である。
いくつかの実施例によれば、第一層410は、本明細書で上述したように、第一層210および/または310のそれぞれと、同じ材料を含む。いくつかの実施例によれば、第一層410は、シール部材422に対して機械的安定性を提供するように構成された、および任意選択的に、シール部材422に対して引裂抵抗性(または、引裂強度)を提供するように構成された、可撓性材料かつ/または弾性材料から形成されている。さらなる実施例では、第一層410は、任意選択的に不可逆的な変形を防止する(例えば、引裂に抵抗する)ことによって、人工弁100のフレーム106の外面に対するシール部材422の連続的な耐久性のある取付を可能とするように構成されており、これにより、その利用時に構造に対して機械的安定性を提供する。
第一層410は、例えば、様々な合成材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン)、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、等)、天然組織および/または繊維(例えば、ウシ心膜、絹、綿、等)、金属(例えば、金、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、ニッケルチタン(ニチノール)、等を含む金属メッシュまたはブレイド)、ならびにこれらの組合せ、などの材料を含めた、様々な生体適合性織布を含有することができる。各可能性は、異なる実施例を示している。
第一層410は、形状記憶金属部材もしくはポリマー部材などの、金属部材またはポリマー部材とすることができる。第一層410は、織布とすることができる。第一層410が織布に限定されないことは、理解されよう。織込布地、編込布地、織物ウェブ、織物フェルト、フィラメント紡績布地、および同種のもの、などの他の布地構造を使用することができる。第一層410の布地は、本明細書で上述したように、様々な合成材料、天然組織および/または繊維、金属、ならびにこれらの組合せ、から選択される少なくとも一つの適切な材料を含むことができる。
いくつかの実施例によれば、第一層410は、少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含み、引裂抵抗性材料は、任意選択的に、PET織物を含み、引裂抵抗性材料は、本明細書で上述したように、第一層210および/または310のそれぞれにおける特性ならびに特徴と同様に、機械的安定性ならびに引裂抵抗性を提供するように構成されているとともに、構造を支持するように構成されている。さらなる実施例によれば、第一層410は、引裂抵抗性PET織物を含む。さらなる実施例によれば、第一層410は、少なくとも一つの引裂抵抗性ニット/織込PET織物を含む。
いくつかの実施例によれば、第一層410は、少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料を含み、この材料は、引裂前に約3N超の力の負荷に耐えることができ、これにより、シール部材422が、通常使用時に引裂を起こすことなく信頼性高く動作することを可能とする。さらなる実施例によれば、第一層410における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に、およそ、5N、7N、10N、15N、20N、25N、30N、またはそれを超えるような、力の負荷に耐えることができる。各可能性は、異なる実施例を示している。なおもさらなる実施例によれば、第一層410における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約20N超の力の負荷に耐えることができる。なおもさらなる実施例によれば、第一層410における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、引裂前に約30N超の力の負荷に耐えることができる。好ましい実施例によれば、第一層410における少なくとも一つの引裂抵抗性かつ可撓性の材料は、PET織物を含むとともに、引裂前に最大で約20Nの力の負荷に耐えることができる。
いくつかの実施例によれば、第一層410は、本明細書で上記に開示したように、少なくとも一つの生体適合性材料から形成されている。
図12Cに示すように、第一層410が、第二層420および第三層425によって覆われている時には、移植時に組織に対して接触しないため、この場合には、第一層410が、非生体適合性材料から形成され得ることは、理解されよう。それでもなお、このような場合であっても第一層410を生体適合性材料から形成することが、第二層420または第三層425のいずれかが摩耗損傷したり断裂したりすることで第一層410の一部が露出し得るリスクを回避するためには、好ましいことであり得る。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、シール部材422の第一面402から離間する向きに延びるとともに互いに離間した複数の分割された突起434を含み、複数の分割された突起434のそれぞれは、内部に内部空間431aを形成している。いくつかの実施例によれば、各内部空間431aは、開口部432から第一層410に向けて延びている(例えば図19Dを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、第二層420、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、複数の分割された突起434、および任意選択的に第四層445、の少なくとも一つは、第二層220および/または320のそれぞれに関して本明細書で上述したものと同じ材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層420、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、複数の分割された突起434、および任意選択的に第四層445は、移植部位組織(すなわち、環状壁または動脈壁105の内面)に対して接触するように構成されており、したがって、少なくとも一つの弾性的な生体適合性材料から形成されている。さらに、第二層420、複数の突起430、および/または分割された突起434は、いくつかの実施例によれば、シール部材422の周囲もしくは上面上への組織内方成長を防止したり/抵抗したりおよび/またはその程度を低減したりし得る材料から形成されていることが有利であり、摘出手順が必要とされた場合には、上記で詳述したように、移植部位から弁100を容易に除去することができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材422(すなわち、第二層420)の第一面402、および任意選択的に第四層445は、移植部位の組織に対する摩擦を低減するように構成された円滑なおよび/または低摩擦性の面を有することによって特徴付けられており、これにより、周囲への組織内方成長を減少させるとともに、以前に移植された弁を移植部位から容易に除去することを可能とする。いくつかの実施例によれば、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、および/または複数の分割された突起434、のいずれかは、本明細書で上述した理由により、移植部位の組織に対する摩擦を低減するように構成された円滑なおよび/または低摩擦性の外面を有することによって、特徴付けられている。
いくつかの実施例によれば、第二層420および/または複数の突起430は、ヤーンおよび/またはストランドを含まない態様で(テクスチャー化されたヤーンおよび/またはストランドを含まないことを含めて)、連続的である。
いくつかの実施例によれば、第二層420、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、複数の分割された突起434、および任意選択的に第四層445、の少なくとも一つは、限定するものではないが熱可塑性材料などの、様々な適切な生体適合性の合成材料から形成することができる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。
いくつかの実施例によれば、第二層420、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、複数の分割された突起434、および任意選択的に第四層445、の少なくとも一つは、限定するものではないが、熱可塑性エラストマー(TPE)を含めた熱可塑性材料などの、様々な適切な生体適合性の合成材料から形成することができる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、からなる群から選択される。各可能性は、異なる実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、第二層420、フラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の複数の突起430、複数の分割された突起434、および任意選択的に第四層445、の少なくとも一つは、少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料を含み、熱可塑性かつ抗血栓性材料は、少なくとも一つの熱可塑性エラストマーを含み、任意選択的にはTPUを含む。さらなる実施例によれば、第二層420と、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、および/または複数の分割された突起434、のいずれかとは、共同して、折り畳まれた円筒形の状態でシール部材422の3D形状を形成するように構成されており、この形状は、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間におけるPVL密封性を増強するように構成されており、任意選択的に、上面上への組織内方成長を防止および/または低減するように構成されている。
いくつかの実施例によれば、第二層420と、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、複数の分割された突起434、および任意選択的に第四層445、のいずれかとは、TPUを含む。いくつかの実施例によれば、第三層425と第二層420とは、それぞれ同じ材料から形成されており、好ましくはTPUから形成されている。
いくつかの実施例によれば、複数の分割された突起434のそれぞれは、内部に内部空間431aを形成しており、複数の分割された突起434の各外面は、本明細書で上述したような少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料を含み、任意選択的に、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、内部に中空内腔431を形成しており、複数の突起430(例えば、第四層445)の各外面は、本明細書で上述したような少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料を含み、任意選択的に、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、中空内腔431のそれぞれは、内部に弾性材料433を含み、弾性材料433は、不可逆的な変形を経験することなく、圧縮可能または圧迫可能であるように構成されている。弾性材料433は、本明細書で上記に指定したように、弾性発泡体および/または弾性金属シリンダを含むことができる。弾性材料433は、複数の突起430を形成している少なくとも一つの熱可塑性かつ抗血栓性材料とは異なる材料とすることができる。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、第一層410と、第二層420と、第二層420から離間する向きに延びるとともに少なくとも第一面402を被覆した、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430、または複数の分割された突起434、のいずれかと、任意選択的に第三層425および/または第四層445の少なくとも一つと、を含む。
いくつかの実施例によれば、第一層410は、機械的安定性と引裂抵抗性とを提供するように構成されているとともに、その構造を支持するように構成されている。いくつかの実施例によれば、第二層420と、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430または複数の分割された突起434、(ならびに任意選択的に、第三層425および/または第四層445の少なくとも一つ)のいずれかとは、3D形状を形成して維持するように構成されており、任意選択的には、上面上への組織内方成長を防止および/または低減するように、さらに構成されている。第二層420は、単独では、フレーム106の外面に対しての、シール部材422の耐久性のある取付を維持する能力を欠いていることが、想定される。具体的には、シール部材422は、引裂抵抗性が小さい可能性があり、耐久性のある態様で、フレーム106に対して縫合し得ない。
有利には、第一層410と、第二層420の単独と、あるいは任意選択的な第三層425および第四層445を付帯した第二層420と、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430または複数の分割された突起434、のいずれかと、を組み合わせることにより、シール部材422に関して必要な特徴を提供することが可能とされる。いくつかの実施例によれば、TPUを含む第二層420の単独と、あるいは任意選択的な第三層425および第四層445を付帯した第二層420と、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430または複数の分割された突起434、のいずれかとは、縫合糸を保持するのに必要な強度を提供するために、PETを含む第一層410によって補強される。
TPUなどの熱可塑性エラストマー材料を、シール部材422の層として、および/または複数の突起430もしくは分割された突起434内の構成要素として、利用することにより、複数の弾性的な突起430または分割された突起434を有した所望の3D形状のシール部材422を形成し得る態様で、シール部材を製造可能とすることが、想定されている。いくつかの実施例では、有利なことに、シール部材422の、複数の弾性フラップ438、少なくとも一つの弾性螺旋状突起430a、複数の弾性的な突起430または複数の弾性的な分割された突起434は、人工心臓弁100の拡張後には、移植部位で環状壁または動脈壁105に対して接触するように構成されているとともに、環状壁または動脈壁105に対して押圧されるように構成されており、これにより、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間におけるPVL密封性を向上させる。
よって、いくつかの実施例によれば、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430または複数の分割された突起434、のそれぞれは、弾性的であって弾性圧縮可能とされている。複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430もしくは複数の分割された突起434、の弾性特性および弾性圧縮可能特性は、移植部位における天然の心臓弁の周囲組織に対しての、シール部材422の保持を潜在的に向上させる。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、弾性的な3D形状を有しており、前述の弾性的な3D形状は、シール部材に対して外力が印加された時には(例えば、環状壁もしくは動脈壁105に対して、またはシャフトもしくは保持カプセルの内壁に対して、押圧された時には)、変形するように構成されているとともに、外力が印加されなくなった時には(例えば、拡張される前に、弁が、シャフトまたはカプセルから解放された時には)、元の形状(すなわち、弛緩状態の形状)へと復帰するようにさらに構成されている。
突起430の圧縮性が、フラップ438、螺旋状突起430a、突起430、および/または分割された突起434、のいずれかが上面上に形成されているような、あるいはそれらが接続されているような、第二層420の弾性的な3D構造と矛盾しないことは理解され、それは、圧縮が止まった時点で、第二層420の突起430の構造が復活するからである(すなわち、弛緩状態における径方向外向きに離間した構成へと復帰するからである)。
いくつかの実施例によれば、シール部材422は、少なくとも、引裂抵抗性材料を含む第一層410と、熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第二層420と、第二層420から離間して延びるとともに少なくとも第一面402を被覆した、複数のフラップ438、少なくとも一つの螺旋状突起430a、複数の突起430または複数の分割された突起434、のいずれかと、を含む。いくつかの実施例によれば、シール部材422は、第三層425および/または第四層445をさらに含み、第三層425および/または第四層445のそれぞれは、熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む。さらなる実施例によれば、シール部材422は、PET織物を含めた引裂抵抗性材料を含む第一層410と、そこから延びた複数の突起430または分割された突起434を含む第二層420でありかつTPUを含めた熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む第二層420と、を含む。さらなる実施例によれば、シール部材422は、第三層425および/または第四層445を含み、第三層425および/または第四層445のそれぞれは、TPUを含めた熱可塑性かつ抗血栓性材料を含む。
TPUなどの熱可塑性エラストマー材料を利用することにより、複数の突起430を有した所望の3D形状のシール部材422を形成することを可能とする態様で、シール部材422を製造することが可能とされ、複数の突起430のそれぞれは、内部に配置された中空内腔431を形成している。いくつかの実施例では、有利なことに、シール部材422の複数の突起430は、人工心臓弁100の拡張後には、移植部位で環状壁または動脈壁105に対して接触するように構成されているとともに、環状壁または動脈壁105に対して押圧されるように構成されており、これにより、人工心臓弁100と、環状壁または動脈壁105の内面と、の間におけるPVL密封性を向上させる。
複数の突起430のそれぞれが、内部に中空内腔431を形成しているとともに、熱可塑性材料を含むことにより、弁がシースまたはカプセルの内部において圧着状態で保持された時には、複数の中空熱可塑性突起430のそれぞれは、不可逆的な変形を経験することなく、保持シースまたはカプセルの内壁に対して押圧され得るとともに、弁が解放された時には、外向きに復帰することができて、移植部位の周囲の解剖学的壁に向けて延びることができ、これにより、展開後におけるPVL密封性を向上させる。中空の熱可塑性突起430を含む構成は、同じ材料から形成された中実の熱可塑性突起(例えば、非中空の突起)と比較して圧縮性が向上し得るため、有利とすることができる。
TPUなどの熱可塑性エラストマー材料を利用することにより、複数の突起430を有した所望の3D形状のシール部材422を形成することを可能とする態様で、シール部材422を製造することが可能とされ、複数の突起430のそれぞれは、内部に配置された中空内腔431を形成しており、中空内腔431のそれぞれは、内部に多孔質弾性材料433を含む。複数の突起430のそれぞれが、内部に多孔質弾性材料433を含む中空内腔431を形成しているとともに、熱可塑性材料を含むことにより、弁がシースまたはカプセルの内部において圧着状態で保持された時には、複数の中空熱可塑性突起430のそれぞれは、不可逆的な変形を経験することなく、動脈壁105に対して押圧され得るとともに、弁が解放された時には、外向きに復帰することができて、移植部位の周囲の解剖学的壁に向けて延びることができ、それらの間におけるPVL密封性を向上させる。多孔質弾性材料433によって充填された中空の熱可塑性突起430を含む構成は、一様な材料から形成された中実の(すなわち、非中空の)熱可塑性突起と比較して圧縮性が向上し得るため、有利とすることができる。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材(222、322、422)における非繊維状外面(280、380、480)は、複数の***部分(230、330、430)と複数の非***部分(250、350、450)とを形成するように本質的に成形された材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、外面(280、380、480)は、本明細書で上記に開示したように、TPUなどの熱可塑性エラストマー材料を含む第二層(220、320、420)および***部分(230、330、430)として、規定されている。いくつかの実施例によれば、外面(280、380、480)を形成する熱可塑性エラストマー材料の本来的特性により、本明細書で上記に示すようなシール部材の弾性的な3D構造の形成が可能とされる。
よって、「本質的に成形された」という用語は、本明細書で使用した際には、高温で特定の形状に成形され得るとともに冷却された時にそのような形状を保持し得る熱可塑性材料などの、特定の非平坦形状(例えば、***部分を有した外面を形成するように)を形成するように予成形された、材料を、または材料を含む層を、指す。特定の非平坦な外面を形成するように本質的に成形された材料は、弛緩状態(例えば、変形させるために、事前規定された閾値を超える圧力が印加されていない時)で同じ形状を形成するけれども、これとは対照的に、可撓性の材料または層は、例えば、単に折り畳まれたり、束ねられたり、膨張/拡張されたり(例えば、内部圧力が印加された時)したことに起因して、そのような形状を形成するように、ランダムで非特定的な非平坦な構成を形成し得るものである。
いくつかの実施例によれば、シール部材422における、複数の突起430の少なくとも一つ、または少なくとも一つの螺旋状突起430aは、内部に中空内腔431を形成しており、中空内腔431は、内部に配置された薬剤組成物436を含有している(図12Fおよび図12Gを参照されたい)。さらなる実施例によれば、このような突起430、430aは、互いに離間した複数の開口435を含み(図12Fおよび図12Gを参照されたい)、各開口435は、中空内腔431と、開口435の外側の外部環境、すなわち移植部位の組織および/または流体(例えば、血液流)と、の間における流体連通を提供するように構成されている。いくつかの実施例によれば、複数の突起430における少なくともいくつかの内腔431は、内部に配置された薬剤組成物436を含有している。いくつかの実施例によれば、複数の突起430におけるすべての内腔431は、内部に配置された薬剤組成物436を含有している。
「連続的」という用語が、本明細書で説明するピーク部分に関して、そのようなピーク部分が各突起430の全幅に沿って延びている(すなわち、両側に隣接した突起間ギャップ450どうしの間に位置した突起430の全寸法にわたって延びている)不連続性が存在しないことを指すことにより、突起430に沿って開口435を含むことが、連続的であるという定義に矛盾しないことは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、複数の開口435を含むシール部材422が人工心臓弁100上に取り付けられた折り畳まれた状態にある時には(図15を参照されたい)、複数の開口435は、対応した薬剤含有中空内腔431内に配置された薬剤組成物436を、それら開口を通して、例えば移植部位の組織および/または血液流に向けて、放出することを可能とするように構成されており、これにより、シール部材422が薬剤溶出PVLスカートとして機能することを可能とする。いくつかの実施例によれば、複数の開口435を含むシール部材422は、上述したように、突起430に関して様々な構成および様々な向きを有することができる。
いくつかの実施例によれば、複数の開口435のそれぞれは、生分解性膜437(図12Gを参照されたい)によって密封される。いる。いくつかの実施例によれば、生分解性膜437は、移植部位の内部で経時的にゆっくりと分解し、これにより、各中空内腔431の内部から生分解性膜を通して薬剤組成物436を制御しつつ放出することを可能とする。
生分解性膜437は、いくつかの実施例によれば、生分解性かつ生体適合性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、生分解性膜437は、生分解性材料を含み、前述の生分解性材料は、移植部位内に存在する流体および/または組織(例えば、血液)との接触により経時的に制御可能に分解されるように構成されている。適切な生分解性材料は、限定するものではないが、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(L-グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコリド、ポリ-L-ラクチド、ポリ-D-ラクチド、ポリ(アミノ酸)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリグルコネート、ポリ乳酸-ポリエチレンオキシドコポリマー、変性セルロース、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、ポリアンヒドリド、ポリホスホエステル、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、から選択することができる。各可能性は、本発明の個別の実施例を示している。
いくつかの他の実施例によれば、シール部材422における複数の突起430のそれぞれは、生分解性被覆によって外面が被覆されるまたは覆われることができ、これにより、複数の開口435のそれぞれを覆うことができ、前述の生分解性被覆は、本明細書で開示するような生分解性膜437に対して、同じ材料を含み得るとともに、同じ特性および/または同じ機能性を有することができる。
いくつかの実施例によれば、中空内腔431の少なくともいくつかは、内部に配置された薬剤組成物436を含有している。いくつかの実施例によれば、中空内腔431のそれぞれは、内部に配置された薬剤組成物436を含有している。薬剤組成物436は、いくつかの実施例によれば、当該技術分野において公知であるような任意の態様で、中空内腔431の各内面に対して、絡ませたり、埋め込んだり、組み込んだり、カプセル化したり、結合させたり、または付着させたり、することができる。
いくつかの実施例によれば、複数の突起430のそれぞれは、内部に配置された弾性材料433を含み、弾性材料433は、本明細書で上述したように、薬剤組成物436を含む多孔質で弾性的な構成要素/部材である。いくつかの実施例によれば、弾性材料433は、スポンジを含む。薬剤組成物436は、当該技術分野において公知であるような任意の態様で、多孔質弾性材料433の各細孔の内面に対して、絡ませたり、埋め込んだり、組み込んだり、カプセル化したり、結合させたり、または付着させたり、することができる。
いくつかの実施例によれば、複数の開口435は、各突起430の多孔質弾性材料433の内部に配置された薬剤組成物436を、それら開口を通して、移植部位の組織および/または流体(例えば、血液流)に向けて、放出することを可能とするように構成されており、これにより、シール部材422が薬剤溶出PVLスカートとしてさらに機能することを可能とする。いくつかの実施例によれば、多孔質弾性材料433は、生分解性被覆によって被覆されるまたは覆われることができ、前述の生分解性被覆は、生分解性膜437に関して本明細書で開示したものと、同じ材料を含み得るとともに、同じ特性および/または同じ機能性を有することができる。
いくつかの実施例によれば、薬剤組成物436は、固体(丸薬または錠剤、など)、ゲル、固体物品に吸収されたもの、懸濁液、および/または液体、から選択された形態であってもよい。各可能性は、本発明の個別の実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、薬剤組成物436は、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗血管新生薬、鎮痛薬、麻酔薬、ステロイド性抗炎症薬および非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を含む抗炎症薬、コルチコステロイド、抗ヒスタミン薬、散瞳薬、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、抗アレルギー薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、組織メタロプロテアーゼ阻害剤(TIMPs)、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤または拮抗剤またはイントラセプター、受容体拮抗剤、RNAアプタマー、抗体、ヒドロキサム酸および大環状抗コハク酸ヒドロキサム酸誘導体、核酸、プラスミド、siRNAs、ワクチン、DNA結合化合物、ホルモン、ビタミン、タンパク質、ペプチド、ポリペプチドおよびペプチド様治療剤、麻酔剤、ならびにこれらの組合せ、からなる群から選択される少なくとも一つの薬学的活性成分を含む。各可能性は、本発明の個別の実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、薬剤組成物436は、抗血栓性薬剤成分、および/または組織内方成長を防止または低減するように構成された薬剤成分、を含む。
いくつかの実施例によれば、薬剤組成物436は、少なくとも一つの薬剤担体をさらに含む。本発明の文脈において使用され得る薬剤担体は、限定するものではないが、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、水溶性ポリマー、および塩基性無機塩、を含む様々な有機担体あるいは無機担体を含む。本発明の薬剤組成物は、限定するものではないが、保存剤、酸化防止剤、着色剤、等などの添加剤をさらに含んでもよい。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材(222、322、422)は、少なくとも一つのリップストップ織物を含んでもよい。いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材の第一層(例えば、第一層210、310、または410)は、引裂抵抗性リップストップ織物を含み、この織物は、任意選択的に、PET織物である。さらなる実施例によれば、第一層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)から形成された繊維を含むリップストップ織物を含む。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材(222、322、422)は、少なくとも一つの放射線不透過性材料を含んでもよい。放射線不透過性材料とは、人工弁100の移植手順時に、透視スクリーンまたは他の画像診断技術によって比較的明るい画像を生成し得るものとして、理解される。放射線不透過性材料は、限定するものではないが、金、白金、タンタル、タングステン合金、白金イリジウム合金、パラジウム、および同種のもの、を含むことができる。いくつかの実施例によれば、少なくとも一つの放射線不透過性材料は、放射線不透過性インクと接着剤とによって形成され得るとともに、スクリーン印刷、高速ローラー印刷、コーティング、ディッピング、等などの多くの態様で、シール部材の少なくとも一部上に、またはシール部材の少なくとも一つの層上に、適用することができる。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)における、第一層(例えば、第一層210、310、および410)の少なくとも一部は、少なくとも一つの放射線不透過性材料を含む。さらなる実施例によれば、少なくとも一つの放射線不透過性材料は、放射線不透過性インクと接着剤とによって形成され得るとともに、スクリーン印刷、高速ローラー印刷、コーティング、ディッピング、等などの多くの態様で、第一層の少なくとも一部上に適用することができる。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)における、第二層(例えば、第二層220、320、および420)の少なくとも一部は、少なくとも一つの放射線不透過性材料を含む。さらなる実施例によれば、少なくとも一つの放射線不透過性材料は、放射線不透過性インクと接着剤とによって形成され得るとともに、スクリーン印刷、高速ローラー印刷、コーティング、ディッピング、等などの多くの態様で、第二層の少なくとも一部上に適用することができる。
いくつかの実施例によれば、本発明のシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)における、複数の突起(例えば、突起330、430、および分割された突起434)あるいはリッジ(例えば、リッジ230)の、少なくとも一部は、少なくとも一つの放射線不透過性材料を含む。さらなる実施例によれば、少なくとも一つの放射線不透過性材料は、放射線不透過性インクと接着剤とによって形成され得るとともに、スクリーン印刷、高速ローラー印刷、コーティング、ディッピング、等などの多くの態様で、複数の突起またはリッジの少なくとも一部上に適用することができる。
いくつかの実施例によれば、各中空内腔431の内部に配置された弾性材料433(例えば、弾性発泡体および/または弾性金属シリンダ)の少なくとも一部は、少なくとも一つの放射線不透過性材料を含む。さらなる実施例によれば、少なくとも一つの放射線不透過性材料は、放射線不透過性インクと接着剤とによって形成することができる、あるいは、一体的な構成要素とすることができる。
ここで、いくつかの実施例による、複数のマンドレル464を利用したシール部材422の製造のための様々な段階の加工ステップを示す図16A~図16Eを参照する。
いくつかの実施例によれば、本発明の方法によって製造されたPVLスカート422が提供される。いくつかの実施例によれば、本発明の方法によって製造された折り畳まれた状態のPVLスカート422が提供される。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材422を、費用対効果が高くかつ単純な態様で製造するための方法が提供され、方法は、(i)引裂抵抗性平坦シート412を準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で3D形状を形成することであり、これを行うに際しては、引裂抵抗性平坦シート412上に複数の長尺成形部材464を配置することと、熱可塑性層445を、高温で、複数の長尺成形部材464上に堆積させることにより、複数の突起430を形成して、シートを、3D形状が形成されたものとすることと、を行うことと、(iii)ステップ(ii)におけるシート412の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態で円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
「長尺成形部材」およびマンドレルという用語は、互換的であり、ロッド、チューブ、パイプ、および同種のもの、という形態とされた長尺部材を指してもよい。いくつかの実施例によれば、長尺成形部材464は、耐熱性材料から形成されている。耐熱性材料が、標準的な熱的形状形成温度(例えば、300℃未満)に対して曝された時に実質的に変化しない材料であることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、長尺成形部材464は、金属または金属合金から形成されている。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性層445は、限定するものではないが、熱可塑性材料などの、様々な適切な生体適合性合成材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性材料から形成されている。適切な熱可塑性の生体適合性材料は、限定するものではないが、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン(ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンなど)、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、から選択される。各可能性は、異なる実施例を示している。よって、いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性材料を含む。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、熱可塑性材料からなる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性層445は、限定するものではないが、熱可塑性エラストマー(TPE)を含めた熱可塑性材料などの、様々な適切な生体適合性合成材料から形成することができる。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマーである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマー(TPE)を含む。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、ならびに、これらの組合せおよび変形例、からなる群から選択される。各可能性は、異なる実施例を示している。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、TPUである。いくつかの実施例によれば、熱可塑性エラストマーは、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性層445は、移植済み前立腺心臓弁の周囲における組織内方成長を防止および/または低減する目的で、その周囲における血餅(血栓)の形成を防止するように構成された少なくとも一つの抗血栓性材料を含み、これにより、必要とされた時には、好ましくは複雑な外科的手順を行うことなく、周囲組織から弁を容易にかつ安全に摘出することを可能とする。いくつかの実施例によれば、第二層220は、少なくとも一つの熱可塑性エラストマー製抗血栓性材料を含む。いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、少なくとも一つの熱可塑性エラストマー製抗血栓性材料を含み、この材料は、周囲における組織内方成長を防止および/または低減するように構成されている。そのような材料は、いくつかの実施例によれば、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性層は、TPUを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における熱可塑性層445の堆積は、高温で行われる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、突起の形成後には、複数の長尺成形部材464を、複数の突起430の内部から取り外すことを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、本明細書で上述したような少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含む第一層410を含む引裂抵抗性平坦シート412を準備することを含み、引裂抵抗性材料は、任意選択的に、PET織物を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層410と熱可塑性第二層420とを含む平坦な可撓性シート412を準備することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、平坦な可撓性シート412を準備することを含み、この平坦な可撓性シート412は、平坦な可撓性シート412の熱可塑性第二層420と熱可塑性第三層425との間に配置された引裂抵抗性第一層410を含む(図16Aを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層410を含む平坦な可撓性シート412を準備することと、第一層410の少なくとも第一面415を、熱可塑性被覆によって被覆することにより、熱可塑性第二層420を形成することと、を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層410を含む平坦な可撓性シート412を準備することと、第一層410の第一面415および第二面416を、熱可塑性被覆によって被覆することにより、それぞれ熱可塑性第二層420および被覆第三層425を形成することと、を含む。引裂抵抗性第一層410の被覆は、刷毛塗り、スプレーコーティング、浸漬コーティング、浸漬、含浸、化学堆積、気相蒸着、化学気相蒸着、物理気相蒸着、ローラー印刷、ステンシル印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ印刷、3D印刷、およびこれらの組合せ、から選択される被覆技術を利用して行うことができる。各可能性は、異なる実施例を示している。
ステップ(ii)が、平坦な可撓性シート412上に熱可塑性層を堆積させることを含むことにより、平坦な可撓性シート412が、事前に被覆される必要がないことは、理解されよう(例えば、図18Aを参照されたい)。しかしながら、本明細書で詳述するように、ステップ(i)において被覆済み可撓性シート412を準備するという選択肢も、想定される(例えば、図16Aを参照されたい)。
層(すなわち、第一層410、第二層420、および第三層425)のそれぞれに関して上記で導入した任意の特性が、本発明の態様による方法に言及する時には、各層に対して同様に適用されることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、第一層410は、引裂抵抗性PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、第二層420、第三層425、またはその両方は、少なくとも一つの熱可塑性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層420、第三層425、またはその両方は、TPUを含めた少なくとも一つの抗血栓性かつ熱可塑性エラストマー材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層420と第三層425とは、同じ材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層425は、本明細書で詳述するように、第二層420に対して一体化されている。
いくつかの実施例によれば、シート412は、四つの実質的に直角の頂点と、二組の反対側に位置した二つのエッジ(第一側方エッジ406と第二側方エッジ408とからなる組、および、流出エッジ407と流入エッジ409とからなる組)と、を有している。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数のマンドレル464を、引裂抵抗性平坦シート412における第一層410の第一面415上に、配置/位置決めすることを含む。いくつかの実施例によれば、複数のマンドレル464は、互いに離間されている。いくつかの代替実施例によれば、ステップ(ii)は、複数のマンドレル464を、引裂抵抗性平坦シート412における第二層420の面402上に、配置/位置決めすることを含み、複数のマンドレル464は、面に沿って互いに離間されている(図16Bを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、マンドレル464は、互いに等間隔で離間されている。
マンドレル464は、各マンドレル464が、第一側方エッジ406から第二側方エッジ408へと延びるようにして、シートの流入エッジ409から流出エッジ407へと延びるようにして、シート412の面の少なくとも一部に沿って斜めに延びるようにして、またはこれらの任意の組合せで延びるようにして、面402上に位置決めすることができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、熱可塑性層445を、複数のマンドレル464上に堆積させることを、さらに含む。いくつかの実施例によれば、複数のマンドレル464は、平坦シート412と熱可塑性層445との間に位置決めされており、これにより、上面上への複数の3D形状突起430の形成を容易とする。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、熱可塑性層445を、高温で、引裂抵抗性平坦シート412における第二層420の面402上に堆積させることを含み、面402は、ステップ(ii)の最中に上面上に配置された複数のマンドレル464を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、熱可塑性層445を、高温で、複数のマンドレル464上へと、および、隣接したマンドレル464どうしを離間している面402上へと、堆積させることを含む。熱可塑性層445を、高温で、複数のマンドレル464上へと、および任意選択的に、隣接したマンドレル464どうしを離間している面402上へと、堆積させることにより、シートを、3D形状が形成されたものとし、これにより、本明細書で上述したような複数の突起430が形成される。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数のマンドレル464を、および任意選択的に、隣接したマンドレル464どうしを離間している面402を、高温で、熱可塑性被覆によって被覆することにより、図16Cに見ることができるように、上面上に熱可塑性層445(例えば、第四層445)を形成することを含む。複数のマンドレル464を、および任意選択的に、隣接したマンドレル464どうしを離間している面402を、第四熱可塑性層445によって被覆することにより、本明細書で上述したような複数の突起430を形成することによって、シートを、3D形状が形成されたものとし、ここで、複数の突起430のそれぞれは、いくつかの例によれば、各マンドレル464上に形成されている。層445は、「第四層」として、または「熱可塑性第四層」として、示されているけれども、シール部材422も、本発明の方法も、三つ以上の層を必須的に必要とするものではないことは、理解されよう。例えば、シール部材422は、いくつかの実施例によれば、第一層410および第四層445のみを含んでもよい。
複数のマンドレル464が、シール部材422における複数の突起430の形成を容易とする目的で、上面上への第四層445の形成を支持するように構成されていることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、複数のマンドレル464のそれぞれは、長尺構造を有しているとともに、シート412の反対側に位置した二つのエッジの間に(第一側方エッジ406から第二側方エッジ408へと、または、流出エッジ407から流入エッジ409へと)延びるように位置決めされる。いくつかの実施例によれば、複数のマンドレル464のそれぞれは、長尺構造を有しており、円形、逆U字形状、正方形、長方形、任意の他の多角形、およびこれらの組合せ、から選択される様々な断面形状を有していることによって、特徴付けられる。各可能性は、異なる実施例を示している。
第四熱可塑性層445(または、熱可塑性層445)は、第二層420と、および任意選択的に第三層425と、同じ材料を含むことができる。第四層445は、TPUを含めた少なくとも一つの抗血栓性かつ熱可塑性エラストマー材料を含むことができる。
複数のマンドレル464を、および任意選択的に、隣接したマンドレル464どうしを離間している面402を、第四層445によって被覆することは、高温で行うことができる。この高温は、熱可塑性材料の熱可塑性特性の文脈において本明細書で上述したように、第四層445の柔軟な比較的ソフトな状態を可能とするのに充分な温度である。いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)における高温は、およそ、60℃超、100℃超、125℃超、150℃超、175℃超、200℃超、225℃超、250℃超、275℃超、300℃超、またはそれを超えるような温度、である。各可能性は、異なる実施例を示している。
複数のマンドレル464を、および任意選択的に、隣接したマンドレル464どうしを離間している面402を、第四層445によって被覆することにより、シートの3D形状を形成した後に、形成済み3D形状シートを、冷却することができ、これにより、シール部材の広げられた弛緩状態で、3D形状を安定化させることができる。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、シート412を、40℃未満の温度へと冷却する(すなわち、温度を下げる)ことを、さらに含む。さらなる実施例によれば、ステップ(ii)における温度低下は、シート412を、室温へと冷却することである。
3D形状シートを冷却している最中に、第四層445は、半剛直なまたは弾性的で比較的剛直な状態へと移行し、被覆済みマンドレル464の形状は、複数の突起430の形状へと移行することができる。高温での柔軟で比較的ソフトな状態から、低温での弾性的で比較的剛直な状態への移行は、熱可塑性材料の熱可塑性特性の文脈において本明細書で上述した通りである。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)において複数のマンドレル464を複数の突起430の内部から取り外すことは、シート412の第一側方エッジ406および/または第二側方エッジ408(あるいは代替的には、流出エッジ407または流入エッジ409のいずれか)のところに位置した少なくとも一つの突出エッジを通して各マンドレル464を抜き取ることを含み、その結果、内部に複数の中空内腔431が形成され、これにより、本明細書で上述したようなシール部材422が得られる(図16Dを参照されたい)。各中空内腔431が、以前に配置された長尺成形部材464に対応しているとともに、同様の断面形状を有していることは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の開口435を、複数の突起430に、穿孔/穿刺することを、さらに含む。開口435は、少なくとも一つの突起430の面上に形成されてもよく(例えば、集光レーザービームを使用して、穿孔または溶融することにより)、これにより、得られた開口がなす穴は、突起の外面に対して面一とされる。さらなる実施例では、ステップ(ii)は、複数の開口435を、各突起430のところに穿孔/穿刺することを含み、複数の開口435は、本明細書で上記に開示したように、面に沿って互いに離間しているとともに、中空内腔431と開口435の外側の外部環境との間における流体連通を提供するように構成されており、これにより、図12Fおよび図12Gに図示するようなシール部材422を形成する。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、本明細書で上記に開示したような薬剤組成物436を、中空内腔431の少なくとも一部内へと挿入することを、さらに含む。薬剤組成物436は、各中空内腔431の内面に対して、絡ませたり、埋め込んだり、組み込んだり、カプセル化したり、結合させたり、または付着させたり、することができる。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、上述したように、開口435の少なくとも一部を、生分解性膜437によって密封することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート412は、第一面402と第二面404とを有しており、ステップ(i)のシート412の第一面402と第二面404との間の距離は、ステップ(i)のシート412の初期厚さ412Tを構成する(図16Aを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)のシート412は、平坦であって、実質的に二次元的である。これは、ステップ(i)のシート412における初期厚さ412Tが、シート412の初期幅および/または初期長さと比較して、かなり短いことを意味する。いくつかの実施例によれば、初期厚さ412Tは、上述したように、全層厚さ403に対応している、または全層厚さ403と同一である。
いくつかの実施例によれば、本発明の方法を実行することにより、突起430が形成され、突起430は、広げられた弛緩状態のシール部材422における厚さ422Tの一部をなす突起高さ422PHを有している(図16Cを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)における複数の突起430の形成後には、広げられた弛緩状態におけるシール部材422の厚さ422Tは、3D形状を形成するように構成されており、シート412の初期厚さ412Tと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい。さらなる実施例によれば、広げられた弛緩状態におけるシール部材422の厚さ422Tは、シート412の初期厚さ412Tと比較して、少なくとも2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。各可能性は、異なる実施例を示している。
いくつかの実施例によれば、本明細書で説明する方法の後におけるシート412の厚さ変更(412Tから422Tへと)は、シート412の初期2D構造を、シール部材422の3D構造へと、変換するように構成されている。いくつかの実装では、ステップ(ii)の後に得られるシート412は、所望の最終的な幅および/または所望の最終的な長さのいずれよりも、大きな寸法を有しており、方法は、ステップ(ii)の後にかつステップ(iii)の前に、シート412を所望の最終的な幅および/または所望の最終的な長さへと切断するという追加的なステップを、含むことができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)は、ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジ(すなわち、第一側方エッジ406および第二側方エッジ408)を接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することを含む(例えば、図20を参照されたい)。反対側に位置したエッジどうしの間の接続は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的にはエッジの融解、の少なくとも一つを使用することにより、行うことができる。代替的には、ステップ(iii)は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的には周縁まわりでのシール部材422のエッジの融解、の少なくとも一つを利用して、シール部材422をフレーム106の外面に対して結合することを含む。
いくつかの実施例によれば、図13Dおよび図14Dに図示するシール部材構成に関して、製造方法は、(i)流入エッジ409から流出エッジ407に向けて延びた折り畳まれた円筒状態で引裂抵抗性平坦シート412を準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で3D形状を形成することであり、これを行うに際しては、少なくとも一つの螺旋状マンドレル(図示せず)を、引裂抵抗性平坦シート412上に螺旋状構成で配置することと、本明細書で上述したような熱可塑性層を、高温で、少なくとも一つの螺旋状マンドレル上へと堆積させることにより、上面上に、周縁まわりにおける螺旋状構成で径方向に離間する向きに延びた少なくとも一つの螺旋状3D突起430aを形成することと、流入エッジ409または流出エッジ407のところに位置した少なくとも一つの開放端部螺旋状突出エッジを通して、少なくとも一つの螺旋状突起430aの内部から、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを取り外すことにより、本明細書で上述したような折り畳まれたシール部材422aを形成することと、を行うことと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層410と熱可塑性第二層420とを含む平坦な可撓性シート412を準備することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを、平坦な可撓性シート412の熱可塑性第二層420の周囲に配置することと、本明細書で上述したような熱可塑性層を、高温で、少なくとも一つの螺旋状マンドレル上に堆積させることと、を伴い、螺旋状マンドレルは、平坦な可撓性シート412の熱可塑性第二層420と熱可塑性層との間に位置決めされ、これにより、少なくとも一つの3D形状の螺旋状突起430aが形成されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、温度を低下させことにより、熱可塑性層の弾性的な3D構造を維持することを、さらに含み、熱可塑性層は、本明細書で上記に開示したように、高温では熱的形状形成が可能であり、低温では弾性的である。さらなる実施例によれば、少なくとも一つの螺旋状突起430aの内部から、少なくとも一つの螺旋状突出エッジを通して、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを取り外すことにより、内部に螺旋状中空内腔が形成されている。螺旋状マンドレルは、本明細書で説明する各マンドレル464と、同じ材料から形成され得るとともに、同様の特性を有することができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の開口435を、螺旋状突起に穿孔/穿刺することを、さらに含む。さらなる実施例では、ステップ(ii)は、複数の開口435を、螺旋状突起に穿孔/穿刺することを含み、複数の開口435は、螺旋状突起に沿って互いに離間されているとともに、本明細書で上記に開示したように、螺旋状中空内腔と開口435の外側の外部環境との間における流体連通を提供するように構成されている。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、本明細書で上記に開示したような薬剤組成物436を、螺旋状中空内腔の少なくとも一部内へと挿入することを、さらに含む。薬剤組成物436は、螺旋状中空内腔の内面に対して、絡ませたり、埋め込んだり、組み込んだり、カプセル化したり、結合させたり、または付着させたり、することができる。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、上述したように、開口435の少なくとも一部を、生分解性膜437によって密封することを、さらに含む。
いくつかの実施例によれば、図16Eに図示するシール部材422の構成を製造するための方法は、(i)本明細書で上述したような引裂抵抗性平坦シート412を準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で3D形状を形成することであり、これを行うに際しては、複数の長尺弾性多孔質部材433をなす複数のマンドレル464を、引裂抵抗性平坦シート412上に配置することと、本明細書で上述したような熱可塑性層を、高温で、複数の長尺弾性多孔質部材433上に堆積させることにより、複数の突起430を形成して、シートを、3D形状が形成されたものとするとともに、本明細書で上述したようなシール部材422を得ることと、を行うことと、(iii)ステップ(ii)におけるシート412の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の弾性多孔質部材433を、引裂抵抗性平坦シート412における第一層410の第一面415上へと、配置/位置決めすることを含み、複数の弾性多孔質部材433は、互いに離間されている。いくつかの代替実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の弾性多孔質部材433を、引裂抵抗性平坦シート412における第二層420の面402上へと、配置/位置決めすることを含み、複数の弾性多孔質部材433は、面に沿って互いに離間されている。
いくつかの実施例によれば、複数の長尺弾性多孔質部材は、複数の長尺多孔質スポンジ433である。いくつかの実施例によれば、弾性多孔質部材433は、弾性スポンジなどの、弾性発泡体を含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、平坦シート412上に堆積させる前に、複数の弾性多孔質部材433を、本明細書で上述したような薬剤組成物436によって含浸させることを含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の弾性多孔質部材433を、および任意選択的に、隣接した弾性多孔質部材433どうしを離間している面402を、高温で、熱可塑性被覆によって被覆することにより、上面上に第四層445を形成することを含む(図16Eを参照されたい)。いくつかの実施例によれば、複数の弾性多孔質部材433を、および任意選択的に、隣接した弾性多孔質部材433どうしを離間している面402を、第四層445によって被覆することにより、本明細書で上述したような複数の突起430を形成することによって、シートを、3D形状が形成されたものとし、複数の突起430のそれぞれは、当業者であれば図面から理解され得るように、各弾性多孔質部材433上に形成されている。
複数の弾性多孔質部材433が、シール部材422の複数の突起430の形成を容易とする目的で、上面上に第四層445を形成することを支持するように構成されていることは、理解されよう。よって、複数の弾性多孔質部材433は、シール部材422の3D形状に寄与してもよい。いくつかの実施例によれば、複数の弾性多孔質部材433のそれぞれは、長尺構造を有している。いくつかの実施例によれば、複数の弾性多孔質部材433のいくつかは、長尺構造を有している。
いくつかの実施例によれば、弾性多孔質部材433は、シート412の反対側に位置した二つのエッジの間に(第一側方エッジ406から第二側方エッジ408へと、または、流出エッジ407から流入エッジ409へと)延びている。
いくつかの実施例によれば、弾性多孔質部材433は、第一側方エッジ406と第二側方エッジ408との間に延びているとともに、流出エッジ407と流入エッジ409との間の軸線に沿って互いに離間している。いくつかの実施例によれば、弾性多孔質部材433は、流出エッジ407と流入エッジ409との間にわたって延びるように配置されているとともに、第一側方エッジ406と第二側方エッジ408との間の軸線に沿って互いに離間されている。シート412の反対側に位置した二つのエッジの間に(第一側方エッジ406から第二側方エッジ408へと、または、流出エッジ407から流入エッジ409へと)延びたスポンジ433が、典型的には長尺であることは、理解されよう。
それでもなお、いくつかの実施例によれば、スポンジ433は、その態様で延びる必要はなく、それは、スポンジ433が、断続的な(すなわち、非連続的な)態様で、または断片的な態様で、配置されてもよいからである。このような断続的な構成では、スポンジ433は、長尺である必要はない。いくつかの実施例によれば、弾性多孔質部材433は、第一側方エッジ406と第二側方エッジ408との間の軸線に沿って互いに離間して配置されるとともに、流出エッジ407と流入エッジ409との間の軸線に沿って互いに離間して配置される。
いくつかの実施例によれば、図16Eに示すシール部材の構成を形成する目的で、シール部材422における複数の突起430のそれぞれは、内部に配置された弾性多孔質部材433を含み、シール部材の製造方法は、複数の突起430の内部から弾性多孔質部材433を抜き出すことを行わない。そのため、弾性多孔質部材433は、広げられた状態と折り畳まれた状態との両方で、この特定の方法によって形成されたシール部材422の内部に留まる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)は、ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジ(すなわち、第一側方エッジ406および第二側方エッジ408)を接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することを含む(例えば、図20を参照されたい)。反対側に位置したエッジどうしの間の接続は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的にはエッジの融解、の少なくとも一つを使用することにより、行うことができる。代替的には、ステップ(iii)は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的には周縁まわりでのシール部材422のエッジの融解、の少なくとも一つを利用して、シール部材422をフレーム106の外面に対して結合することを含む。
ここで、いくつかの実施例による、尖鋭先端442を含む複数のマンドレル464を利用した、シール部材422の製造のための様々な段階の加工ステップを示す図17A~図17Fを参照する。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材422を、費用対効果が高くかつ単純な態様で製造するための方法が提供され、方法は、(i)引裂抵抗性平坦シート412を準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で3D形状を形成することであり、これを行うに際しては、複数のマンドレル464を、引裂抵抗性平坦シート412上に配置することであり、複数のマンドレル464のそれぞれが尖鋭先端442を含むこと(図17A)と、熱可塑性層を、高温で、複数の長尺成形部材464上に堆積させることにより、複数の突起430を形成するとともに、シートを、3D形状が形成されたものとすること(図17B)と、複数の突起430を通して複数の長尺成形部材464を取り外ことと、を行って、複数の分割された突起434を形成すること(図17C)と、を行うことと、(iii)ステップ(ii)におけるシート412の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、長尺成形部材464は、耐熱性材料から形成されている。耐熱性材料が、標準的な熱的形状形成温度(例えば、300℃未満)に対して曝された時に実質的に変化しない材料であることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、長尺成形部材464は、金属または金属合金から形成されている。いくつかの実施例によれば、長尺成形部材464は、マンドレルである。
複数の突起430を通して複数の長尺成形部材464を取り外すことにより、複数の分割された突起434を形成することが、引裂抵抗性平坦シート412がなす面(すなわち、面402および404)に対して平行ではない向きに長尺成形部材464を移動させることを伴うことは、理解されよう。本明細書で説明するように、向きは、図17Cに示すように、シール部材を形成するために実質的に垂直であってもよく、あるいは、図17Fに示すように、引裂抵抗性平坦シート412がなす面に対して角度を有して回転してもよい。
いくつかの実施例によれば、熱可塑性層(すなわち、上述したような熱可塑性層445)を、複数のマンドレル464上に堆積させることは、熱可塑性層を、長尺成形部材464の尖鋭先端442に対して接触させることを伴う。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層410を含む平坦な可撓性シート412を準備することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、引裂抵抗性第一層410と熱可塑性第二層420とを含む平坦な可撓性シート412を準備することを含む。いくつかの実施例によれば、ステップ(i)は、平坦な可撓性シート412を準備することを含み、この平坦な可撓性シート412は、平坦な可撓性シート412の熱可塑性第二層420と熱可塑性第三層425との間に位置した引裂抵抗性第一層410を含む(図17Aを参照されたい)。
層(すなわち、第一層410、第二層420、および第三層425)のそれぞれに関して上記で導入した任意の特性が、本発明の方法に言及する時には、各層に対して同様に適用されることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、第一層410は、引裂抵抗性PET織物を含む。いくつかの実施例によれば、第二層420、第三層425、またはその両方は、少なくとも一つの熱可塑性材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層420、第三層425、またはその両方は、TPUを含めた少なくとも一つの抗血栓性かつ熱可塑性エラストマー材料を含む。いくつかの実施例によれば、第二層420と第三層425とは、同じ材料から形成されている。いくつかの実施例によれば、第三層425は、本明細書で上記に詳述したように、第二層420に対して一体化されている。いくつかの実施例によれば、第二層420および第三層425を形成する材料は、シール部材422内へと組み込まれる場合には、ステップ(ii)の熱可塑性層を形成する材料と同じである。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材464を、引裂抵抗性平坦シート412における第二層420の面402上に配置/位置決めすることを含み、複数の長尺成形部材464は、互いに離間して配置されており、複数の長尺成形部材464のそれぞれは、尖鋭先端442を含む。さらなる実施例によれば、複数の長尺成形部材464は、尖鋭先端442が面402とは逆向きを向くようにして、面402上に配置されている。
いくつかの代替実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材464を、引裂抵抗性平坦シート412における第二層420の面402上に配置/位置決めすることを含み、複数の長尺成形部材464は、互いに離間して配置されており、複数の長尺成形部材464のそれぞれは、細く/スリムであって、尖鋭先端442を含んでいない。そのような細くかつ長尺の成形部材464は、ワイヤを含有することができる。サイズが小さいことのために、複数の分割された突起434を形成する目的での、複数の突起430を通しての、長尺成形部材464の取り外しは、尖鋭先端442なしで行うことができる。
いくつかの実施例によれば、長尺成形部材464は、ステップ(ii)において、第一側方エッジ406と第二側方エッジ408との間にわたって延びるように配置されるとともに、流出エッジ407と流入エッジ409との間の軸線に沿って互いに離間するように配置される。いくつかの実施例によれば、長尺成形部材464は、ステップ(ii)において、流出エッジ407と流入エッジ409との間にわたって延びるように配置されるとともに、第一側方エッジ406と第二側方エッジ408との間の軸線に沿って互いに離間するように配置される。シート412の反対側に位置した二つのエッジの間に(第一側方エッジ406から第二側方エッジ408へと、または、流出エッジ407から流入エッジ409へと)延びた長尺成形部材464が、典型的には長尺であることは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材464を、および任意選択的に、隣接した長尺成形部材464どうしを離間している面402を、高温で、熱可塑性被覆によって被覆することにより、上面上に第四層445を形成することを含む(図17Bを参照されたい)。尖鋭先端442を含む複数の長尺成形部材464を、および任意選択的に、隣接した長尺成形部材464どうしを離間している面402を、第四層445によって被覆することにより、本明細書で上述したような複数の突起430を形成することによって、シートを、3D形状が形成されたものとし、複数の突起430のそれぞれは、尖鋭先端442を有した各長尺成形部材464上に形成されている。
複数の長尺成形部材464が、シール部材422における複数の突起430の形成を容易とする目的で、第四層445の形成を補助するように構成されていることは、理解されよう。いくつかの実施例によれば、複数の長尺成形部材464のそれぞれは、シート412の反対側に位置した二つのエッジの間に(第一側方エッジ406から第二側方エッジ408へと、または、流出エッジ407から流入エッジ409へと)延びるように構成された長尺尖鋭先端442を含む長尺構造を有している。さらなる実施例によれば、複数の長尺成形部材464のそれぞれは、長尺尖鋭先端442を含む長尺円柱形状を有している。
第四層445は、第二層420と、および任意選択的に第三層425と、同じ材料を含むことができる。第四層445は、TPUを含めた少なくとも一つの抗血栓性かつ熱可塑性エラストマー材料を含むことができる。第四層445は、複数のマンドレル464と、および任意選択的に隣接したマンドレル464どうしを離間している面402と、の間における取付を増強するように構成された様々な接着剤または添加剤を、さらに含むことができる。
複数の長尺成形部材464を、および任意選択的に、隣接した長尺成形部材464どうしを離間している面402を、第四層445によって被覆することは、本明細書で上述したように、高温で実施することができる。複数のマンドレル464を、および任意選択的に、隣接した長尺成形部材464どうしを離間している面402を、第四層445によって被覆することにより、シートの3D形状を形成した後には、形成済み3D形状シートを冷却することができ、これにより、シール部材422の広げられた弛緩状態で3D形状を安定化させることができる。3D形状シートを冷却している最中に、第四層445は、半剛直な状態へとまたは弾性的で比較的剛直な状態へと移行し、被覆済み長尺成形部材(例えば、マンドレル)464の形状は、複数の突起430の形状へと移行することができる。高温での柔軟で比較的ソフトな状態から、低温での弾性的で比較的剛直な状態への移行は、熱可塑性材料の熱可塑性特性という文脈で、本明細書で上記に説明した通りである。
いくつかの実施例によれば、複数の長尺成形部材464を複数の突起430を通して取り外すというステップ(ii)は、各マンドレル464の各尖鋭先端442を、引っ張り矢印417(図17Bを参照されたい)の向きへと、第四層445を通して引き付ける/引っ張ることにより、複数の分割された突起434を形成することを含む。さらなる実施例によれば、ステップ(ii)は、各長尺成形部材464の各尖鋭先端442を、第四層445を通して引っ張ることを含み、各尖鋭先端442と、各突起430を被覆している第四層445と、の間の相互作用により、第四層445は、切断されるまたは引き裂かれることとなり、これにより、複数の分割された突起434が得られる。
いくつかの代替実施例によれば、複数の長尺成形部材464を複数の突起430を通して取り外すというステップ(ii)は、第四層445を、長尺成形部材464の尖鋭先端442(図示せず)に対して(すなわち、引っ張り矢印417とは逆向きに)押圧することにより、複数の分割された突起434を形成することを含む。さらなる実施例によれば、第四層445を尖鋭先端442に対して押圧することにより、第四層445は、切断されるまたは引き裂かれることとなり、これにより、複数の分割された突起434が得られる。
さらなる実施例によれば、各長尺成形部材464の各尖鋭先端442は、分割された各突起434の中央を通して延びる軸線414に沿って、引っ張り矢印417の向きに引っ張られることにより、内部に対称的な内部空間431aが形成される(図17Cを参照されたい)とともに、本明細書で上述したようなシール部材422が得られる。さらなる実施例によれば、各内部空間431aは、分割された各突起の開口部432どうしの間を、シール部材422の第一面402(すなわち、第二層420)に向けて延びている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(iii)は、ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジ(すなわち、第一側方エッジ406および第二側方エッジ408)を接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することを含む。反対側に位置したエッジどうしの間の接続は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的にはエッジの融解、の少なくとも一つを使用することにより、行うことができる。代替的には、ステップ(iii)は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的には周縁まわりでのシール部材422のエッジの融解、の少なくとも一つを利用して、シール部材422をフレーム106の外面に対して結合することを含む。
いくつかの代替実施例によれば、ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材464を、引裂抵抗性平坦シート412における第二層420の面402上に配置/位置決めすることを含み、複数の長尺成形部材464は、互いに離間して配置されており、複数のマンドレル464は、図17Dおよび図17Eに見ることができるように、尖鋭先端442が軸線414に対して角度αで偏向しているようにして、面402上に配置されている。さらなるそのような実施例によれば、ステップ(ii)は、各長尺成形部材464の尖鋭先端442を、第四層445を通して引っ張ることを含み、各尖鋭先端442と、各突起430を被覆する第四層445と、の間における相互作用により、第四層445は、切断されたりまたは引き裂かれたりすることとなり、その結果として、複数の分割された突起434が得られ、各長尺成形部材464の尖鋭先端442は、軸線414に対して角度αで偏向した引っ張り矢印417の向きに引っ張られ、これにより、図17Fに見ることができるように、内部に非対称な内部空間431aが形成されている。
いくつかの実施例によれば、本発明の方法を実行することにより、分割された突起434が形成され、分割された突起434は、広げられた弛緩状態でシール部材422の厚さ422Tの一部をなす突起高さ422PHを有している(図12Dおよび図17Cを参照されたい)。さらなる実施例によれば、広げられた弛緩状態におけるシール部材422の厚さ422T(図17Cを参照されたい)は、シート412の初期厚さ412T(図17Aを参照されたい)と比較して、少なくとも1000%の分だけ、2000%の分だけ、少なくとも3000%の分だけ、少なくとも4000%の分だけ、少なくとも5000%の分だけ、または少なくとも6000%の分だけ、大きい。各可能性は、異なる実施例を示している。
ここで、いくつかの実施例による、複数のマンドレル464を利用したシール部材422の製造のための様々な段階の加工ステップを示す図18A~図18Dを参照する。
当業者であれば理解され得るように、図18A~Dに図示した方法は、図18A~Dに図示した方法では、初期引裂抵抗性平坦シート412が単独層として第一層410を含む(図18A)のに対して、図16A~Eの方法では、初期引裂抵抗性平坦シート412が熱可塑性第二層420と熱可塑性第三層425との間に配置された第一層410を含む(図16A)点を除いては、図16A~Eに関連して上述した方法と同様である。よって、図16A~Eの方法を説明するいくつかの実施例は、図18A~Dの方法にも同様に適用されるとともに、図18A~Dの方法におけるステップを説明して規定するために使用されてもよい。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材422を、費用対効果が高くかつ単純な態様で製造するための方法が提供され、方法は、(i)本明細書で上述したような少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含む第一層410を含む引裂抵抗性平坦シート412を準備すること(図18A)であり、引裂抵抗性材料は、任意選択的に、PET織物を含むことと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で3D形状を形成することであり、これを行うに際しては、本明細書で上述したような複数のマンドレル464を、引裂抵抗性平坦シート412の第一層410の第一面415上に配置するとともに、複数のマンドレル464を、面に沿って互いに離間したものとすること(図18B)と、複数のマンドレル464を、および隣接したマンドレル464どうしを離間している第一面415を、高温で、本明細書において上述したような熱可塑性被覆によって被覆することにより、第二層420を形成するとともに、上面上に複数の突起430を形成し(図18Cを参照されたい)、シートを、3D形状が形成されたものとすることと、複数のマンドレル464を、複数の突起430の内部から取り外すことと、を行うことと、(iii)ステップ(iv)におけるシート412の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)の引裂抵抗性平坦シート412は、第一層410の第二面416を被覆する熱可塑性第三層425をさらに含む(図示せず)。
層(すなわち、第一層410、第二層420、および第三層425)のそれぞれに関して上記で導入した任意の特性が、本発明の方法に言及する時には、各層に対して同様に適用されることは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、複数のマンドレル464を複数の突起430の内部から取り外すというステップ(ii)は、各マンドレル464を、シート412の第一側方エッジ406および/または第二側方エッジ408のところに位置した少なくとも一つの突出エッジを通して抜き取ることを含み、これにより、内部に複数の中空内腔431を形成するとともに、本明細書で上述したようなシール部材422を得る(図18Dを参照されたい)。
いくつかの実施例によれば、ステップ(ii)は、ステップ(ii)におけるシートの反対側に位置した二つのエッジ(すなわち、第一側方エッジ406および第二側方エッジ408)を接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することを含む。反対側に位置したエッジどうしの間の接続は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的にはエッジの融解、の少なくとも一つを使用することにより、行うことができる。代替的には、ステップ(iii)は、接着剤、縫合、もしくは加熱、および任意選択的には周縁まわりでのシール部材422のエッジの融解、の少なくとも一つを利用して、シール部材422をフレーム106の外面に対して結合することを含む。
ここで、いくつかの実施例による、尖鋭先端442を含む複数のマンドレル464を利用したシール部材422の製造のための様々な段階の加工ステップを示す図19A~図19Dを参照する。
当業者であれば理解され得るように、図19A~Dに図示した方法は、図19A~Dの方法では、初期引裂抵抗性平坦シート412が単独層として第一層410を含む(図19A)のに対して、図17A~Eの方法では、初期引裂抵抗性平坦シート412が熱可塑性第二層420と熱可塑性第三層425との間に配置された第一層410を含む(図17A)点を除いては、図17A~Eに図示した方法と同様である。よって、図17A~Eの方法を説明するいくつかの実施例は、図19A~Dの方法にも同様に適用されるとともに、図19A~Dの方法におけるステップを説明して規定するために使用されてもよい。
いくつかの実施例によれば、本明細書で上述したようなシール部材422を、費用対効果が高くかつ単純な態様で製造するための方法が提供され、方法は、(i)本明細書で上述したような少なくとも一つの引裂抵抗性材料を含む第一層410を含む引裂抵抗性平坦シート412を準備すること(図19A)であり、引裂抵抗性材料は、任意選択的に、PET織物を含むことと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で3D形状を形成することであり、これを行うに際しては、本明細書で上述したような複数のマンドレル464を、引裂抵抗性平坦シート412の第一層410の第一面415上に配置することであり、複数のマンドレル464は、面に沿って互いに離間して配置されており、複数のマンドレル464のそれぞれは、尖鋭先端442を含むこと(図19B)と、複数のマンドレル464を、および隣接したマンドレル464どうしを離間している第一面415を、高温で、本明細書で上述したような熱可塑性被覆によって被覆し、これにより、第二層420を形成するとともに、上面上に複数の突起430を形成し(図19Cを参照されたい)、シートを、3D形状が形成されたものとすることと、複数のマンドレル464を、複数の突起430の内部から取り外し、これにより、複数の分割された突起434を形成すること(図19D)と、を行うことと、(iii)ステップ(iv)におけるシート412の反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材(または、PVLスカート)を形成することと、を含む。
いくつかの実施例によれば、ステップ(i)の引裂抵抗性平坦シート412は、第一層410の第二面416を被覆する熱可塑性第三層425をさらに含む(図示せず)。
層(すなわち、第一層410、第二層420、および第三層425)のそれぞれに関して上記で導入した任意の特性が、本発明の方法に言及する時には、各層に対して同様に適用されることは、理解されよう。
いくつかの実施例によれば、複数のマンドレル464は、尖鋭先端442が面415とは逆向きを向くようにして、第一層410の第一面415上に配置されている(図19Bを参照されたい)。さらなるそのような実施例によれば、ステップ(iv)は、各マンドレル464の各尖鋭先端442を第二層420を通して引っ張ることを含み、各尖鋭先端442と、各突起430を被覆している第二層420と、の間の相互作用により、第二層420は、切断されるまたは引き裂かれることとなり、その結果として、複数の分割された突起434が得られる。各マンドレル464の各尖鋭先端442は、分割された各突起434の中央を通して延びる軸線414に沿って、引っ張り矢印417の向きに引っ張られることにより、内部に対称的な内部空間431aが形成される(図19Dを参照されたい)とともに、本明細書で上述したようなシール部材422の構成が達成される。さらなる実施例によれば、各対称内部空間431aは、分割された各突起の開口部432どうしの間を、第一層410の第一面415に向けて延びている。
いくつかの代替実施例によれば、複数のマンドレル464は、尖鋭先端442が軸線414に対して角度αで偏向するようにして(図示せず)、第一層410の第一面415上に配置されている。さらなるそのような実施例によれば、ステップ(ii)は、各マンドレル464の各尖鋭先端442を、第二層420を通して引っ張ることを含み、各尖鋭先端442と、各突起430を被覆する第二層420と、の間における相互作用により、第二層420は、切断されたりまたは引き裂かれたりすることとなり、これにより、複数の分割された突起434が得られる。各マンドレル464の各尖鋭先端442は、軸線414に対して角度αで偏向する引っ張り矢印417の向きに引っ張られ、これにより、内部に非対称な内部空間431aが形成される(図示せず)。なおもさらなる実施例によれば、各非対称内部空間431aは、分割された各突起の開口部432どうしの間を、第一層410の第一面415に向けて延びている。
ここで、図20~図24を参照する。図20は、いくつかの実施例による、円筒状に折り畳まれた状態への移行時における、本発明のシール部材に関する任意の様々な構成に対応し得るような、シール部材の斜視図を示している。図21A~図21Bは、いくつかの実施例による、標的移植部位に位置決めされた、特定構成とされた様々なシール部材を含む人工弁100に関する、それぞれ側面図および平面図を示している。図22A~図22Bは、いくつかの実施例による、標的移植部位に位置決めされた、特定構成とされた様々なシール部材を含む人工弁100に関する、それぞれ側面図および平面図を示している。図23A~図23Bは、いくつかの実施例による、拡張状態で(図23A)および圧着状態(図23B)で、人工弁100のフレーム106上に取り付けられた、単一突起を含むシール部材422に関する追加的な構成を示している。図24は、人工弁100のフレーム106上に取り付けられた、単一突起を含むシール部材422に関する別の実施例を示している。
図20は、対向した二つの側方エッジ(シール部材322の第一側方エッジ306および第二側方エッジ308、など)を互いに接触するように折り畳むことで円筒形状を形成することによって、円筒状へと折り畳まれた構成を形成するよう折り畳まれた3Dシール部材(例えば、シール部材322または422)を示している。対向する側方エッジ(第一側方エッジ306および第二側方エッジ308、あるいは、第一側方エッジ406および第二側方エッジ408)の接続は、本明細書で上述したように、接着剤、クリップ止め、縫合、もしくは加熱し、および任意選択的にエッジの融解、の少なくとも一つを使用することによって、行うことができる。
本発明のシール部材(例えば、図5A、図9A、図14Aに示すようなシール部材222、322、および422)の、複数の突起(例えば、330および430)またはリッジ(例えば、230)の、環状壁もしくは動脈壁105を通しての軸線方向流の向きに対しての、および/または、シール部材の中心線を通しての軸線方向流の向き(シール部材が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されている時)に対しての、周方向構成が有利であり、それは、この構成であれば、間隙107を通しての弁100の周囲における血液の弁周囲漏出(PVL)を防止することによりまたは少なくとも著しく低減させることにより、シール部材と、環状壁または動脈壁105と、の間におけるPVL密封性を向上させ得るからである(図21A~図21Bを参照されたい)。本明細書で説明するような本発明のシール部材における、複数の突起(例えば、図9Aおよび図14Aを参照されたい)またはリッジ(例えば、図5Aを参照されたい)の周方向構成は、間隙107を通しての弁100の周囲における弁周囲漏出(PVL)を防止する物理的障壁を形成するという潜在能力のために、有利である。
心臓弁の石灰化とは、大動脈弁の様々な部分にカルシウム沈着物が形成され得る疾患である。石灰化(すなわち、カルシウム沈着物)は、大動脈弁尖に埋没したり重畳されたりすることがあり、大動脈弁尖が冠動脈の入口の直下で大動脈壁に対して接続されているため、弁尖を厚くして柔軟性を低下させてしまう。石灰化は、弁尖の基部のところで、すなわち弁尖が環状壁または大動脈壁に対して接続されている部分のところで、発生することがあり、これは、弁尖の可動性を著しく損ない得るものであって、その結果、弁狭窄、血液流制限、場合によっては弁の機能不全、などの問題を引き起こし得るものである。例えば、動脈壁105は、図22Bに示すように、少なくとも一つの石灰化460を含む可能性がある。
いくつかの例によれば、本発明のシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)の、複数の突起(例えば、突起330および430)、分割された突起(例えば、突起434)、またはリッジ(例えば、リッジ230)の、環状壁もしくは動脈壁105を通しての軸線方向流の向きに対しての(シール部材が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されている時)、軸線方向構成(図5B、図9B、および図14Bを参照されたい)および/または斜め構成(図5C、図9C、および図14Cを参照されたい)は、図22Aに見ることができるように、移植部位が著しい石灰化を含む時には、有利なものとすることができ、それは、このようなシール部材の構成であれば、PVL密封性を向上させ得る態様で、移植部位の内部で、カルシウム沈着物に対して、角度配向させて位置決めさせ得るからである。
前立腺心臓弁の移植時には、本発明のシール部材における、複数の突起もしくはリッジの、軸線方向構成および/または斜め構成は、移植後に石灰化(例えば、石灰化460)をシール部材の隣接した突起どうしの間にもしくはリッジどうしの間に位置決めさせるように、移植部位の内部で角度調整することができる(図22Bを参照されたい)。平行構成および/または斜め構成をこのように調整することで、PVL密封性を潜在的に向上させることができる。
いくつかの追加的な例によれば、本発明の様々なシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)の、複数の突起(例えば、突起330および430)、分割された突起434、またはリッジ230の、環状壁もしくは動脈壁105を通しての軸線方向流の向きに対しての(シール部材が人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されている時)、軸線方向構成(図5B、図9B、および図14Bを参照されたい)および/または斜め構成(図5C、図9C、および図14Cを参照されたい)は、有利などのものとすることができ、それは、このようなシール部材の構成であれば、移植後に天然接合部をシール部材の隣接した突起どうしの間にまたはリッジどうしの間に位置決めさせるよう、シール部材の、複数の突起(例えば、突起330および430)、分割された突起434、またはリッジ230を、移植部位の内部で角度調節し得るからである。
ここで、図23A~図24を参照する。いくつかの例によれば、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されたシール部材422の追加的な構成が提供され、シール部材422は、単一突起430を含む。さらなる例では、単一突起430は、流出エッジ407および流入エッジ409のいずれかに対して平行に、第一面402から離間して周縁まわりに延びている。なおもさらなる例では、流出エッジ407と流入エッジ409との間にそれぞれ延びる方向(例えば、中心線111に対して平行な方向)における、単一突起430の長さは、シール部材422によって覆われた少なくとも一つのセル108に沿って、軸線方向に位置合わせされて互いに離間した二つの接合部112どうしの間の距離と比較して、少なくとも同程度である。
いくつかの例によれば、ある突起間ギャップ450が、流出エッジ407と単一突起430の一方サイドと、の間に形成されており、別の突起間ギャップ450が、流入エッジ409と単一突起430の反対サイドとの間に形成されている。
いくつかの例によれば、シール部材422は、本明細書で開示するような非繊維状外面480と同様の、単一突起430を有した非繊維状外面を有していることによって、特徴付けられる。
本明細書で上記に開示したような複数の突起430に関する様々な特性が、単一突起430に対しても同様に適用されることは、理解されよう。いくつかの例によれば、単一突起430は、弾性を有するものであって、本明細書で上記に開示したように、TPUなどの熱可塑性エラストマー材料を含む。いくつかの例によれば、シール部材422は、単一突起430を含むとともに、弾性的な3D形状/構造を有しており、前述の弾性的な3D形状は、シール部材に対して外力が印加された時には(例えば、環状壁もしくは動脈壁105に対して、または送達システムの内部で、押圧された時には)、変形するように構成されており、シール部材に対して外力が印加されなくなった時には(例えば、弁が膨張前にシャフトまたはカプセルから解放された時には)、元の形状へと復帰するようにさらに構成されている。
上述したように、経カテーテル人工心臓弁の重要な設計パラメータは、折り畳まれた状態でのまたは圧着された状態での直径である。圧着プロファイルでの直径は、ユーザ(例えば、医療従事者)が大腿動脈または大腿静脈を通して経カテーテル人工心臓弁を前進させる能力に対して直接的に影響することのために、重要である。より詳細には、より小さなプロファイルは、安全性を向上させつつ、より多くの患者の処置を可能とする。人工弁100が、患者の身体内へと送達するために径方向圧縮状態へと径方向に圧縮された時にはすなわち圧着された時には、フレーム106は、中心線111の方向において伸長する。単一突起430を含むシール部材422は、突起430が軸線方向において互いに反対側に位置した少なくとも二つの接合部112に跨がるようにして、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されることにより、第一層410は、フレームと一緒に伸長するとともに、例えば異なる3D構造を有したシール部材を含む弁100の圧着プロファイルと比較して突起430のプロファイルを低減させる態様で(図23Bを参照されたい)突起430を伸長させ、これにより、より嵩低い圧着プロファイルをもたらす。この小さなプロファイルにより、ユーザは、送達装置(圧着済みの弁100を含む)を、患者の血管系を通して移植部位へと、より容易に操縦することができる。圧着済みの弁が小さなプロファイルであることは、患者の血管系の、腸骨動脈などの特に狭い部分を操縦する際に、特に有利である。
有利なことに、単一突起430を有したシール部材422を含む人工弁100は、拡張状態(図23Aを参照されたい)と比較して、圧着状態(図23Bを参照されたい)のプロファイルがより嵩低いことによって、特徴付けられる。具体的には、単一突起430を有したシール部材422を含む人工弁100は、同じ状態のより小さな複数の突起を有したシール部材を含む弁100と比較して、送達システムの内部で、より嵩低い圧着状態プロファイルを有していることによって、特徴付けられる。弁100の圧着状態におけるより嵩低いプロファイルは、二つの接合部112の間の距離と少なくとも同じ長さを有した単一突起430の3D形状に起因して、得られるものであり、圧着時にフレームが伸長した際には、単一突起430の流入エッジと流出エッジとを互いに離間させながら、比較的平坦化された構成(図24B)を形成することとなる。
いくつかの実施例によれば、単一突起430は、例えば図23A~Bにおいて突起430の側断面拡大図に示すように、内部に単一の中空内腔431を形成している。いくつかの実施例によれば、単一の中空内腔431は、内部に配置されたガスを含む。さらなる実施例によれば、ガスは、本明細書で上記に開示したように、単一突起430に関する、弾性特性、圧縮可能特性、および/または圧縮可能能力、に対して影響を与えるものではない。ガスは、限定するものではないが、空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素、ヘリウム、等から選択された、不燃性かつ無毒性のガスとすることができる。いくつかの実施例によれば、ガスは、中空内腔431内へと注入される。さらなる実施例では、ガスは、注入前に、中空内腔431の内部に残存した以前のガスと置換するように構成されている。例えば、空気を、中空内腔431から抜き出して、窒素によって置換することができ、ここで任意選択的にはニードル先端を利用することで突起430を穿刺してガスが注入され、穿刺された突起430は、その後、生体適合性を有した密封添加剤によって密封することができる。
いくつかの実施例によれば、単一突起430は、互いに離間した複数の開口435を含み(図24を参照されたい)、各開口435は、単一の中空内腔431と、開口435の外側の外部環境、すなわち、移植部位(例えば、環状壁もしくは動脈壁105の内面)の内部の組織および/または流体(例えば、血液)と、の間における流体連通を提供するように構成されている。いくつかの実施例によれば、中空内腔431は、本明細書で上記に開示したように、内部に配置された薬剤組成物436を含有している。いくつかの実施例によれば、開口435の少なくとも一部は、本明細書で上記に開示したように、膜(例えば、生分解性膜437)によって密封されている。さらなる実施例では、各開口435は、膜によって密封されている。
いくつかの実施例によれば、膜は、半透過性膜とすることができ、自身を通して中空内腔431内へと流体(例えば血液)の拡散を可能とするけれども、逆向きへの拡散は可能としないように、構成されている。いくつかの実施例によれば、中空内腔431は、内部に配置された水溶液を含有している。さらなる実施例によれば、水溶液は、少なくとも一つの2価イオンを、および/またはその塩を、含む。少なくとも一つの2価イオンは、カルシウム(Ca+2)、マグネシウム(Mg+2)、鉄(Fe+2)、これらの組合せおよび/または塩、あるいは当該技術分野において知られている任意の他の適切な2価イオン、から選択することができる。
いくつかの実施例によれば、半透過性膜は、自身を通して中空内腔431内へと流体が拡散することを可能とするように構成されており、これにより、塩濃度の勾配に基づいて、移植部位の内部の流体と中空内腔431の内部の流体との間で、塩濃度を等しくすることを可能とする。「拡散」という用語は、本明細書で使用した際には、濃度勾配によって駆動されるような、高濃度領域から低濃度領域への物質の移動を指す。
中空内腔431内への流体の拡散は、中空内腔431を膨潤または拡張させることができ、これにより、弾性的な単一突起430を拡張させることができる。単一突起430の拡張は、本明細書で上記に開示したように、単一突起を形成している熱可塑性エラストマー材料に由来した弾性特性に基づいて、可能とされている。有利なことに、単一突起430の拡張は、移植部位のところで環状壁または動脈壁105に対して単一突起を強く押圧することができ、これにより、人工心臓弁100と環状壁または動脈壁105の内面との間におけるPVL密封性を増強することができる。
いくつかの実施例によれば、突起430の少なくとも一部は、半透過性材料を含みまたは半透過性材料から形成されており、半透過性材料は、半透過性膜に関して上述した任意の実施例と同様に構造化され、そのような任意の実施例に従って機能するように構成されている。いくつかの実施例によれば、突起の全体が、半透過性材料を含みまたは半透過性材料から形成されており、半透過性材料は、半透過性膜に関して上述した任意の実施例と同様に構造化され、そのような任意の実施例に従って機能するように構成されている。
上記で言及したように、突起430の閉じ込められた内腔の内部に封入された空気(または、他のガス)は、封入された空気を放出し得るとともに望ましくないキャビテーションをもたらし得る態様で突起430が劣化したり偶発的に破断したりした場合には、患者に対して危険をもたらす可能性がある。図24に示すように、突起430に開口435が設けられている時には、人工弁100は、図23Bに示すのと同様の構成へと平坦化させる態様で、突起430を径方向圧縮状態へと圧着器によって圧着することができ、これにより、移植プロセスまではおよび移植プロセス時には、本明細書で上述したような圧着状態(例えば、拘束シースまたはカプセルの内部に配置されることによって)では、空気が、内部に閉じ込められたり拘束されたりしておらず、よって、閉じ込められた空気が患者の身体内へと導入されてしまうリスクが低減される。
いくつかの実施例によれば、単一突起430を有したシール部材422を含む人工弁100は、圧着状態で、移植部位に向けて、送達システムの内部を前進するように構成されており、単一突起430は、保持シースまたはカプセルの内壁に対して押圧されている。弁が、圧着状態から解放されて、解剖学的構造に当接して拡張された時には、単一突起430の内腔は、開口435を通して血液によって充填され、これにより、単一突起は、図24に示すのと同様に、拡張された解放状態へと弾性的に復帰することができる。
別の態様によれば、本明細書で上述したような本発明の3Dシール部材(例えば、シール部材222、322、422、あるいは、折り畳まれたシール部材422a)の様々な可能な構成を含む人工弁100を、患者の身体内の移植部位(例えば、大動脈弁置換の場合には、大動脈弁輪)へと、送達するための方法が提供され、方法は、(a)圧着状態とされた人工心臓弁100を準備することを含み、弁100は、フレーム106と、このフレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリ130と、を含み、フレームは、複数の交差した支柱110を含み、フレームは、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能であり、弁100は、フレーム106の外面に対して結合された本明細書で上述したような3Dシール部材(例えば、シール部材222、322、422、あるいは、折り畳まれたシール部材422a)を含み、シール部材は、広げられた弛緩状態において三次元(3D)形状を有している。
いくつかの実施例によれば、ステップ(a)のシール部材は、シール部材の第一面から離間する向きに延びた、複数の突起またはリッジを含み、複数の突起またはリッジは、その第一面に沿って互いに離間して配置されており、複数の突起またはリッジは、広げられた弛緩状態においてシール部材の3D形状を形成している。さらなる実施例によれば、シール部材は、折り畳まれた状態では、流入エッジから流出エッジに向けて延びているとともに、複数の突起またはリッジが中心線111から径方向に離間して延びる向きとなるようにして、人工弁100のフレーム106の外面に対して結合されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(a)のシール部材(例えば、シール部材222、322、422、あるいは、折り畳まれたシール部材422a)は、本明細書で上記に規定したような様々な構成および/または様々な構造を有することができる。例えば、シール部材は、例えば図9Aまたは図14Aに見ることができるように、複数の突起(例えば、突起330、430、または分割された突起434)の周方向構成を含むことができる。シール部材は、例えば図5Aに見ることができるように、複数のリッジ230の周方向構成を含むことができる。シール部材は、例えば、図5B、図9B、および図14Bに見ることができるように、複数の突起(例えば、突起330および430)、分割された突起(例えば、突起434)、またはリッジ(例えば、リッジ230)の、軸線方向構成を含むことができる。シール部材は、例えば、図5C、図9C、および図14Cに見ることができるように、複数の突起(例えば、突起330および430)、分割された突起(例えば、突起434)、またはリッジ(例えば、リッジ230)の、斜め構成を含むことができる。シール部材は、例えば図14Dに見ることができるように、少なくとも一つの螺旋状突起430aを含む折り畳まれたシール部材422aとすることができる。
いくつかの実施例によれば、ステップ(a)の人工心臓弁100のフレームは、径方向圧縮状態とされている。さらなる実施例によれば、フレームが径方向圧縮状態とされている際には、フレームに対して結合される本発明の3Dシール部材は、フレームと共に径方向に圧縮されるように構成されている。なおもさらなる実施例によれば、径方向に圧縮された3Dシール部材は、フレームが拡張される時には、不可逆的な変形を経験することなく、本明細書で上述したように、円筒状に折り畳まれた状態で3D形状へと移行する能力を維持するように構成されている。
いくつかの実施例によれば、方法は、(b)長尺送達システム(例えば、カテーテル50)の遠位端部分54を、患者の血管系を通して経皮的に前進させることをさらに含み、径方向圧縮状態とされたステップ(a)の人工弁100は、遠位端部分上に配置されており、弁100のフレーム106は、長尺送達システムの遠位端部分上に配置された展開機構に対して結合されている。
いくつかの実施例によれば、ステップ(b)は、拡張可能な心臓弁を送達して展開するためのシステムを準備することを含む。システムの主要構成要素は、近位操作ハンドルと、操作ハンドル(図示せず)から遠位向きに延びた長尺シャフトを有したカテーテル50を含む長尺送達システムと、送達対象をなす弁100を含む心臓弁展開機構と、を含むことができる。展開機構は、弁100に対して結合された膨張バルーン(例えば、膨張バルーン52)を含むことができ、展開機構は、駆動された時には、バルーンを膨張させるように構成することができる(図2A~Bを参照されたい)。弁100に対して結合された膨張バルーン52は、長尺送達システムのカテーテル50におけるシャフトの遠位端部分54上に、設けることができる。
拡張可能な心臓弁を送達して展開するためのシステムに関する様々な実施例を、本発明の文脈において、使用することができる。例えば、それぞれが参照により本明細書に援用される、米国特許第6,730,118号明細書、米国特許第9,572,663号明細書、米国特許第9,827,093号明細書、および米国特許第10,603,165号明細書には、カテーテル上に圧着された状態で経皮的に導入され得るとともに、バルーンの膨張によって、あるいは自己拡張フレームもしくはステントの利用によって、あるいは機械的な拡張およびロック機構の利用によって、所望位置に拡張可能とされた、圧縮可能な経カテーテル人工心臓弁が記載されている。
いくつかの実施例によれば、方法は、(c)人工弁100を、移植部位内で天然大動脈弁の弁輪内に位置決めすることを、さらに含む。
ユーザ(例えば、医療従事者)は、視覚化技術または内視鏡を使用して、展開機構と、この展開機構に対して結合された弁100とを、移植部位の近傍へと、この場合は大動脈弁輪の近傍へと、前進させて位置決めすることができる。X線透視法または他の画像化技術などの可視化技術は、必要な部位へと弁100を確実かつ安全に前進させて位置決めするに際して、展開機構上に配置された、および/または人工弁100上(例えば、上述したような本発明のシール部材上)に配置された、X線不透過性マーカーを利用することができる。
いくつかの実施例によれば、方法は、(d)展開機構を駆動することにより、人工弁100のフレームを、天然の大動脈弁の弁輪内で最終的な径方向拡張状態まで拡張させることを、さらに含む。展開機構は、人工弁100に対して結合された膨張バルーンを含んでもよく、展開機構を駆動することで、バルーンを膨張させて、人工弁100のフレームを拡張させるように、構成することができる。代替可能な実装では、機械的に拡張可能なフレームは、複数の拡張およびロックアセンブリを駆動することによって、拡張させることができる。いくつかの実施例によれば、人工弁100のフレーム106が径方向に拡張された時には、径方向に圧縮された3Dシール部材は、不可逆的な変形を持続することなく、本明細書で上述したように、円筒状に折り畳まれた状態の3D形状へと移行し、環状壁または動脈壁105に対して押圧された状態となる。
いくつかの実施例によれば、人工弁100は、ステップ(c)の最中には、天然の大動脈弁の弁輪内に位置決めすることができ、これにより、ステップ(d)で人工弁100のフレームが径方向に拡張される時には、本発明のシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)は、環状動脈壁105に対して弁輪内で位置決めされることとなり、これにより、本発明のシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)の、複数の突起(例えば、突起330および430)、分割された突起(例えば、突起434)、またはリッジ(例えば、リッジ230)、の少なくともいずれかは、弁の周囲において周方向に延びるとともに(例えば、図21A~図21Bを参照されたい)、環状壁または動脈壁105に対して押圧される。有利なことに、この周方向の配向性は、間隙107を通しての弁100の周囲における血液の弁周囲漏出(PVL)を防止させたり著しく低減させたりする物理的障壁を形成することによって、シール部材と環状壁または動脈壁105との間におけるPVL密封性を向上させることができる。
いくつかの実施例によれば、人工弁100は、ステップ(c)の際に、天然の大動脈弁の弁輪内に位置決めすることができ、これにより、ステップ(d)の際に人工弁100のフレームが径方向に拡張された時には、本発明のシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)の、複数の突起(例えば、突起330および430)、分割された突起(例えば、突起434)、またはリッジ(例えば、リッジ230)、の少なくともいずれかは、流れの方向に対して実質的に平行に軸線方向に延びる。
いくつかの実施例によれば、人工弁100は、ステップ(c)の際に、天然の大動脈弁の弁輪内に位置決めすることができ、これにより、ステップ(d)の際に人工弁100のフレームが径方向に拡張された時には、本発明のシール部材(例えば、シール部材222、322、および422)の、複数の突起(例えば、突起330および430)、分割された突起(例えば、突起434)、またはリッジ(例えば、リッジ230)、の少なくともいずれかは、血液流の軸線方向に対して斜めに延びる。
いくつかの実施例によれば、人工弁100は、ステップ(c)の際に、天然の大動脈弁の弁輪内に位置決めすることができ、これにより、ステップ(d)の際に人工弁100のフレームが径方向に拡張された時には、少なくとも一つの螺旋状突起430aは、弁上において螺旋状経路を通して延びるとともに、環状壁または動脈壁105に対して押圧される。
上記で開示したように、環状壁または動脈壁105は、および天然弁尖は、図22Bに示すように、少なくとも一つの石灰化460を含んでもよい。いくつかの実施例によれば、人工弁100は、ステップ(c)の際に、天然の大動脈弁の弁輪内に位置決めすることができ、これにより、ステップ(d)の際に人工弁100のフレームが径方向に拡張された時には、少なくとも一つの石灰化460は、上述したような本発明のシール部材における、軸線方向のおよび/または斜めの、突起どうしの間にあるいはリッジどうしの間に、位置決めされる。
いくつかの実施例によれば、この方法は、人工弁100上でロック機構を駆動することにより、人工弁を、最終的な径方向拡張状態で弁輪に対して押圧しつつロックすることを、さらに含み、拡張された人工弁100は、典型的には、これにより、天然の解剖学的構造に対して印加された圧力に基づいて、所定位置に保持される。本発明の文脈において使用され得るような、当該技術分野において知られている様々な可能なロック機構は、例えば、それぞれが参照により本明細書に援用される、米国特許第6,733,525号明細書、米国特許第9,827,093号明細書、米国特許第10,603,165号明細書、米国特許第10,806,573号明細書、米国特許出願公開第2018/0344456号明細書、米国特許出願第62/870,372号明細書、および米国特許出願第62/776,348号明細書、などにおいて、既に開示されている。
いくつかの実施例によれば、方法は、患者内に移植された人工弁100を残した状態で、展開機構および長尺送達システムを、患者の身体から退避させることを、さらに含む。
様々なシール部材は、流入エッジよりも下方に延びる態様で(そのため、視界から隠されている)フレーム106上へと延びるように、図面全体を通して図示されているけれども、これが、例示のためであって限定するものではないこと、また、任意のシール部材が、フレーム106の、図示された構成とは異なる部分上に延びるように、位置決めおよび/またはサイズ決めされ得ることは、理解されよう。例えば、任意のシール部材は、フレームの流入エッジから(例えば、流入先端から)軸線方向に離間しているようにして、フレーム10-6に対して結合することができる。
本開示は、図面全体を通して図示された人工心臓弁100などの、ヒトへの移植を意図した特定の人工心臓弁に関連して本発明のシール部材を図示しているけれども、シール部材が、動物もしくは患者の天然弁(例えば、大動脈弁、肺動脈弁、僧帽弁、三尖弁、および耳管弁、等)のいずれかへと移植することを意図した他の人工弁または他のタイプの人工デバイスで使用するようにも構成され得ることは、理解されよう。
本明細書で使用した際には、「約」という用語は、量、時間的持続時間、および同種のもの、などの測定可能な値に言及する時には、特定された値から、±10%の変動を、より好ましくは±5%の変動を、さらに好ましくは±1%の変動を、さらになお好ましくは±0.1%の変動を、包含することを意味しており、それは、そのような変動が、開示するデバイスおよび/または方法を実行するのに適切であるからである。
開示する技術に関する追加的な実施例
開示する主題に関する上記の実装および/または実施例に鑑みて、本出願は、以下に列挙する追加的な実施例を開示する。単独の実施例における一つの特徴、または組み合わされた実施例における二つ以上の特徴、および任意選択的に、一つもしくは複数のさらなる実施例における一つまたは複数の特徴に対する組合せも、また、本出願の開示の範囲内に属するさらなる実施例であることに、留意されたい。
実施例1.
人工心臓弁であって、複数の交差した支柱を有したフレームであるとともに、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされたフレームと、フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、フレームの外面に対して結合されたシール部材と、を含み、シール部材は、流入エッジから、反対側に位置した流出エッジに向けて、延びており、シール部材は、第一層と、第一層を被覆している第二層と、を含み、シール部材の非繊維状の外面は、ピークを有した複数の***部分と複数の非***部分とを規定するように本質的に成形された材料から形成されており、前述の第一層と第二層とは、フレームの外面に対して外側に配置されている、人工心臓弁。
実施例2.
***部分は、事前規定された閾値を超える外圧が、フレームに対して***部分を押圧するように構成された向きで***部分に対して印加された時には、変形するように構成されているとともに、外圧がもはや***部分に対して印加されなくなった時には、弛緩状態へと復帰するように構成されており、フレームからのピークの距離は、弛緩状態におけるフレームからの非***部分の距離と比較して、より大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1による、人工心臓弁。
実施例3.
外圧の事前規定された閾値は、300mmHgである、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例2による、人工心臓弁。
実施例4.
非繊維状の外面は、円滑な面とされている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~3のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例5.
シール部材は、第三層を含み、第二層と第三層とは、集合的に、第一層を覆う被覆を形成している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~4のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例6.
第一層は、少なくとも一つの引裂抵抗性織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~5のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例7.
引裂抵抗性織物は、リップストップ織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例6による、人工心臓弁。
実施例8.
第一層は、生体適合性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~7のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例9.
第一層は、少なくとも一つの弾性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~8のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例10.
第一層は、PET織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例6~9のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例11.
第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例6~10のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例12.
第一層は、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例6~10のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例13.
第二層は、生体適合性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~12のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例14.
第二層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~13のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例15.
第二層は、熱可塑性エラストマーから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例13または14による、人工心臓弁。
実施例16.
第二層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例15による、人工心臓弁。
実施例17.
第二層は、TPUを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例16による、人工心臓弁。
実施例18.
第二層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~17のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例19.
第三層は、生体適合性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例5~18のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例20.
第三層は、熱可塑性材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例5~19のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例21.
第三層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例20による、人工心臓弁。
実施例22.
第三層は、熱可塑性エラストマーから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例20または21による、人工心臓弁。
実施例23.
第三層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例22による、人工心臓弁。
実施例24.
第三層は、TPUを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例23による、人工心臓弁。
実施例25.
第三層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例5~24のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例26.
第二層と第三層とは、同じ材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例5~25のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例27.
シール部材の***部分は、複数のリッジを含み、複数のリッジは、シール部材の第一面に沿って互いに離間して配置されており、第二層は、シール部材の第一面を形成している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~26のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例28.
複数のリッジのそれぞれは、フレームの外面から外向きに延びている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例27による、人工心臓弁。
実施例29.
シール部材は、複数の内部チャネルを含み、各チャネルは、シール部材の第二面に形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例27または28による、人工心臓弁。
実施例30.
チャネルの数は、リッジの数と同じであり、複数のチャネルのそれぞれは、シール部材の反対側の面に、複数のリッジのそれぞれによって形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例29による、人工心臓弁。
実施例31.
複数のチャネルのそれぞれは、内向きとされている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例29または30による、人工心臓弁。
実施例32.
シール部材の非***部分は、シール部材の隣接した二つのリッジの間において第一層がなす面上に形成された複数のリッジ間ギャップを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例29~31のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例33.
複数のリッジは、シール部材の第一面に沿って延びた平行な経路線に追従している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例27~32のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例34.
複数のリッジは、流入エッジおよび/または流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に平行に延びた平行な経路線に追従している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例33による、人工心臓弁。
実施例35.
複数のリッジは、流入エッジおよび流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に垂直に延びた平行な経路線に追従している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例33による、人工心臓弁。
実施例36.
複数のリッジは、流入エッジおよび流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に斜めに延びた平行な経路線に追従している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例33による、人工心臓弁。
実施例37.
複数のリッジは、圧縮可能とされている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例27~36のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例38.
シール部材は、リッジ間ギャップの一つのところにおいてシール部材の第一面と第二面との間で測定される全層厚さと、シール部材のリッジの高さによって測定されるシール部材厚さと、を有しており、シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例32~37のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例39.
シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例38による、人工心臓弁。
実施例40.
シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例38による、人工心臓弁。
実施例41.
シール部材の***部分は、シール部材の第一面の周囲において第一面から外向きに延びた複数の突起を含み、前述の複数の突起は、第一面に沿って互いに離間して配置されており、複数の突起のそれぞれは、圧縮可能とされている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例1~26のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例42.
シール部材は、弛緩状態にある時には、第一面とは反対側に位置した平坦な第二面を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41による、人工心臓弁。
実施例43.
シール部材の非***部分は、複数の突起間ギャップを含み、各ギャップは、隣接した二つの突起の間に位置しており、複数の突起間ギャップは、突起と同じ向きを向いている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41または42による、人工心臓弁。
実施例44.
複数の突起のそれぞれは、第一面の周囲において第一面から離間する向きに延びることで、上面上に3D形状を形成しており、3D形状は、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、多角形、およびこれらの組合せ、からなる群から選択されることができる、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41~43のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例45.
複数の突起は、長尺3D形状を形成しているとともに、流入エッジ、流出エッジ、またはその両方、の少なくとも一つに対して実質的に平行に延びている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例44による、人工心臓弁。
実施例46.
複数の突起は、長尺3D形状を形成しているとともに、流入エッジ、流出エッジ、またはその両方、の少なくとも一つに対して実質的に垂直に延びている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例44による、人工心臓弁。
実施例47.
複数の突起は、長尺3D形状を形成しているとともに、流入エッジ、流出エッジ、またはその両方、の少なくとも一つに対して実質的に斜めに延びている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例44による、人工心臓弁。
実施例48.
シール部材は、突起間ギャップの一つのところにおいて第一面と第二面との間で測定される全層厚さと、突起と第二面との間の距離として規定されるシール部材厚さと、を有しており、シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例42~47のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例49.
シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例48による、人工心臓弁。
実施例50.
シール部材厚さは、全層厚さと比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例48による、人工心臓弁。
実施例51.
複数の突起は、第二層と同じ材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41~50のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例52.
各突起は、生体適合性材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41~51のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例53.
各突起は、熱可塑性材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41~52のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例54.
各突起は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される熱可塑性材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例53による、人工心臓弁。
実施例55.
各突起は、熱可塑性エラストマーから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例53または54による、人工心臓弁。
実施例56.
各突起は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例55による、人工心臓弁。
実施例57.
各突起は、TPUを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例56による、人工心臓弁。
実施例58.
各突起は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例52~57のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例59.
複数の突起のそれぞれは、非中空構造を規定している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41~58のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例60.
複数の突起のそれぞれは、内部に中空内腔を規定している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41~59のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例61.
各中空内腔は、二つの内腔エッジを含み、各中空内腔は、一方または両方の内腔エッジのところで開口している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例60による、人工心臓弁。
実施例62.
複数の突起のそれぞれは、突起に沿って互いに離間して配置された複数の開口を含み、各開口は、中空内腔と開口の外側の外部環境との間における流体連通を提供するように構成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例60または61による、人工心臓弁。
実施例63.
複数の開口のそれぞれは、生分解性膜によって密封されていて、生分解性膜を通して各中空内腔の内部から薬剤組成物が制御されつつ放出されることを可能とするように構成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例62による、人工心臓弁。
実施例64.
中空内腔のそれぞれは、内部に配置された薬剤組成物を含有している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例62または63による、人工心臓弁。
実施例65.
中空内腔のそれぞれは、内部に配置された弾性多孔質部材を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例60~64のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例66.
弾性多孔質部材は、内部に配置された薬剤組成物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例65による、人工心臓弁。
実施例67.
弾性多孔質部材は、スポンジとされている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例65または66による、人工心臓弁。
実施例68.
薬剤組成物は、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗血管新生薬、鎮痛薬、麻酔薬、ステロイド性抗炎症薬および非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を含む抗炎症薬、コルチコステロイド、抗ヒスタミン薬、散瞳薬、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、抗アレルギー薬、メタロプロテイナーゼ阻害薬、組織メタロプロテアーゼ阻害剤(TIMPs)、血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤または拮抗剤またはイントラセプター、受容体拮抗剤、RNAアプタマー、抗体、ヒドロキサム酸および大環状抗コハク酸ヒドロキサム酸誘導体、核酸、プラスミド、siRNAs、ワクチン、DNA結合化合物、ホルモン、ビタミン、タンパク質、ペプチド、ポリペプチドおよびペプチド様治療剤、麻酔剤、ならびにこれらの組合せ、からなる群から選択される少なくとも一つの薬学的活性成分を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例64または66による、人工心臓弁。
実施例69.
複数の突起のそれぞれは、分割された突起であり、複数の分割された突起のそれぞれは、分割された突起どうしの間に内部空間を形成している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例41~58のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例70.
前述の内部空間は、分割された各突起の開口部とシール部材の第一面との間に延びている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例65による、人工心臓弁。
実施例71.
前述の内部空間は、分割された各突起の開口部と第一層の第一面との間に延びている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例65による、人工心臓弁。
実施例72.
複数の分割された突起のそれぞれにおける開口部は、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に対して対称であり、これにより、内部に対称な内部空間を形成している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例70または71による、人工心臓弁。
実施例73.
複数の分割された突起のそれぞれにおける開口部は、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に対して斜めに偏向しており、これにより、内部に非対称な内部空間を形成している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例70または71による、人工心臓弁。
実施例74.
人工心臓弁であって、複数の交差した支柱を有したフレームであるとともに、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされたフレームと、フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、フレームの外面に対して結合されたシール部材と、を含み、シール部材は、折り畳まれた状態とされており、シール部材は、流入エッジから、反対側に位置した流出エッジに向けて、延びており、シール部材は、第一層と、第一層を被覆している第二層と、を含み、シール部材の非繊維状の外面は、シール部材の流入エッジと流出エッジとの間で、第二層の周囲において螺旋状構成で径方向外向きに延びた少なくとも一つの螺旋状突起を規定するように本質的に成形された材料から形成されており、前述の第一層と第二層とは、フレームの外面に対して外側に配置されている、人工心臓弁。
実施例75.
第一層は、少なくとも一つの引裂抵抗性織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例74による、人工心臓弁。
実施例76.
引裂抵抗性織物は、リップストップ織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例75による、人工心臓弁。
実施例77.
第一層は、生体適合性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例74~76のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例78.
第一層は、PET織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例74~77のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例79.
第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している、または任意選択的に、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例74~78のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例80.
第二層は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される生体適合性かつ熱可塑性材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例74~79のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例81.
第二層は、熱可塑性エラストマーから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例80による、人工心臓弁。
実施例82.
第二層は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、スチレンブロックコポリマー(TPS)、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性コポリエステル(TPC)、熱可塑性ポリアミド(TPA)、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される熱可塑性エラストマーから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例81による、人工心臓弁。
実施例83.
第二層は、TPUを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例82による、人工心臓弁。
実施例84.
第二層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例74~83のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例85.
フレームからの螺旋状突起の距離は、フレームからの第二層の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例74~84のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例86.
フレームからの螺旋状突起の距離は、フレームからの第二層の距離と比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例85による、人工心臓弁。
実施例87.
フレームからの螺旋状突起の距離は、フレームからの第二層の距離と比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例85による、人工心臓弁。
実施例88.
人工心臓弁であって、複数の接合部を規定する複数の交差した支柱を含むフレームであるとともに、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされたフレームと、フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、フレームの外面に対して結合されたシール部材と、を含み、シール部材は、流入エッジから、反対側に位置した流出エッジに向けて、延びており、シール部材は、引裂抵抗性第一層と、第一層を被覆しているとともにシール部材の第一面を規定している熱可塑性第二層と、を含み、シール部材の非繊維状の外面は、流出エッジおよび流入エッジのいずれか一方に対して平行にシール部材の前述の第一面の周囲において前述の第一面から離間する向きに延びた単一の圧縮可能な突起を規定するように本質的に成形された材料から形成されており、単一突起の、シール部材の流出エッジと流入エッジとの間にわたって延びている方向における長さは、フレームの、軸線方向に位置合わせされて互いに離間した二つの接合部の間の距離と、少なくとも同じであり、前述の第一層と第二層とは、フレームの外面に対して外側に配置されている、人工心臓弁。
実施例89.
単一の圧縮可能な突起は、内部に単一の中空内腔を規定している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例88による、人工心臓弁。
実施例90.
フレームからの突起の距離は、フレームからのシール部材の第一面の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例88または89による、人工心臓弁。
実施例91.
フレームからの突起の距離は、フレームからのシール部材の第一面の距離と比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例90による、人工心臓弁。
実施例92.
単一の圧縮可能な突起は、突起に沿って互いに離間した複数の開口を含み、各開口は、中空内腔と開口の外側の外部環境との間における流体連通を提供するように構成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例89~91のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例93.
単一の中空内腔は、内部に配置された薬剤組成物を含有している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例92による、人工心臓弁。
実施例94.
開口の少なくとも一部は、半透過性膜によって密封されていて、半透過性膜を通して中空内腔の内部から薬剤組成物が制御されつつ放出されることを可能とするように構成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例93による、人工心臓弁。
実施例95.
引裂抵抗性第一層は、リップストップ織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例88~94のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例96.
引裂抵抗性第一層は、PET織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例88~95のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例97.
引裂抵抗性第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している、または任意選択的に、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例88~96のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例98.
熱可塑性第二層は、TPUを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例88~97のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例99.
弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法であって、(i)引裂抵抗性第一層と熱可塑性第二層とを含む引裂抵抗性平坦シートを準備することであり、シートを、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びたものとすることと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することであり、処理を、平坦シートを高温で金型に対して接触させることと、温度を低下させることにより、熱可塑性第二層の弾性構造を維持することであり、第二層を、金型に対して遠位に位置したものとすることと、温度が低下した後に、金型をシートから取り外すことと、を含むものとすることと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む、方法。
実施例100.
ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99による、方法。
実施例101.
ステップ(ii)は、平坦シートを金型に対して接触させることを伴い、第三層は、金型に対して接触している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例100による、方法。
実施例102.
ステップ(ii)は、平坦シートを高温で金型に対して接触させることにより、上面上に複数のリッジを形成することを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~101のいずれかによる、方法。
実施例103.
第二層は、高温では熱的形状形成可能であり、低温では弾性を有している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~102のいずれかによる、方法。
実施例104.
ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~103のいずれかによる、方法。
実施例105.
ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~104のいずれかによる、方法。
実施例106.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~105のいずれかによる、方法。
実施例107.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも2000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例106による、方法。
実施例108.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例107による、方法。
実施例109.
ステップ(ii)は、平坦シートを金型上に配置することを伴い、第二層は、金型に対して遠位に位置している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~108のいずれかによる、方法。
実施例110.
ステップ(ii)は、平坦シートを金型上に配置することを伴い、第三層は、金型に対して接触している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例100~108のいずれかによる、方法。
実施例111.
ステップ(ii)は、平坦シートを高温で金型上に配置するとともに、加熱済みシートを重力によって沈み込ませることにより、上面上に複数のリッジを形成することを含み、金型は、複数のロッド、チューブ、パイプ、およびこれらの組合せ、から選択される、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~110のいずれかによる、方法。
実施例112.
金型は、ベースと、複数の突起と、複数の開口を有した真空源と、を含み、複数の突起は、ベースから離間する向きに延びているとともに、ベースに沿って互いに離間して配置されており、複数の開口は、ベースに、突起に、またはその両方に、形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~110のいずれかによる、方法。
実施例113.
ステップ(ii)は、平坦シートを金型の上方に位置決めすることと、平坦シートを熱成形可能な温度へと加熱することと、シートを前述の金型に向けて駆動することにより、前述の平坦シートを金型の突起に対して効果的に係合させることで、シートが前述の突起に適合することを可能とすることと、を含み、シートと複数の突起との係合によって、複数のリッジが形成されるとともに、シートとベースとの係合によって、シール部材の複数のリッジ間ギャップが形成される、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例112による、方法。
実施例114.
ステップ(ii)は、シートの反対側に位置した二つのエッジの上方へと金型を使用して力を印加することを含み、金型は、第一金型と第二金型とを含み、第一金型は、第一ベースと複数の第一金型突起とを含み、第二金型は、第二ベースと複数の第二金型突起とを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~110のいずれかによる、方法。
実施例115.
ステップ(ii)は、平坦シートを、複数の第一金型突起と複数の第二金型突起との間に配置することであり、複数の第一金型突起と複数の第二金型突起とを、ジッパーのような構成で配置することと、高温で第二金型を第一金型に対して押圧することにより、平坦シートを第一金型と第二金型との間に効果的に係合させることで、シートが前述の金型に対して適合することを可能とすることと、を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例114による、方法。
実施例116.
弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法であって、(i)引裂抵抗性第一層を含む引裂抵抗性平坦シートを準備することであり、シートを、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びたものとすることと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することであり、処理を、平坦シートを金型上に配置することにより、金型の上方で上面上に複数のリッジを形成するとともに、金型を、ベースと複数の突起とを含むものとすることと、高温の熱成形可能な温度でシートを熱可塑性材料によって熱被覆することにより、上面上に熱可塑性第二層を形成することと、温度を低下させることにより、熱可塑性第二層の弾性構造を形成することと、を含むものとすることと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む、方法。
実施例117.
ステップ(ii)における高温の熱成形可能な温度は、少なくとも60℃である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例116による、方法。
実施例118.
ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例116による、方法。
実施例119.
広げられた弛緩状態におけるシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例116~118のいずれかによる、方法。
実施例120.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例119による、方法。
実施例121.
弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法であって、(i)引裂抵抗性第一層と熱可塑性第二層とを含む引裂抵抗性平坦シートを準備することであり、シートを、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びたものとすることと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することであり、処理を、複数の部材を平坦シートの熱可塑性第二層上へと押し出すことであり、各部材を高温とされた溶融組成物を含むものとするとともに、部材を互いに離間したものとすることと、温度を低下させることで、押し出された各部材を弾性状態へと移行させることにより、上面上に複数の突起を形成することと、を含むものとすることと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む、方法。
実施例122.
ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例121による、方法。
実施例123.
溶融組成物は、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される生体適合性かつ熱可塑性材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例121または122による、方法。
実施例124.
溶融組成物は、熱可塑性エラストマーから形成されており、任意選択的に、溶融組成物は、TPUを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例121~123のいずれかによる、方法。
実施例125.
溶融組成物は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例121~124のいずれかによる、方法。
実施例126.
ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例121~125のいずれかによる、方法。
実施例127.
ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例121~126のいずれかによる、方法。
実施例128.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例121~127のいずれかによる、方法。
実施例129.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも3000%の分だけ大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例128による、方法。
実施例130.
ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、多角形、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される3D形状である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例121~129のいずれかによる、方法。
実施例131.
弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法であって、(i)引裂抵抗性第一層と熱可塑性第二層とを含む引裂抵抗性平坦シートを準備することであり、シートを、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びたものとすることと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することであり、処理を、互いに離間して配置された複数のマスク部材を含む金型を、平坦シートの熱可塑性第二層上に配置することと、熱可塑性材料を、隣接したマスク部材どうしの間に形成された空間内に高温で堆積させることと、温度を低下させることで、熱可塑性材料を弾性状態へと移行させることにより、複数の突起を平坦シート上に形成することと、を含むものとすることと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む、方法。
実施例132.
ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例131による、方法。
実施例133.
熱可塑性材料は、生体適合性であるとともに、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例131または132による、方法。
実施例134.
熱可塑性材料は、熱可塑性エラストマーであり、任意選択的に、熱可塑性材料は、TPUを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例133による、方法。
実施例135.
熱可塑性材料は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例131~134のいずれかによる、方法。
実施例136.
ステップ(ii)で形成される複数の突起のそれぞれは、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、多角形、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される3D形状である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例131~135のいずれかによる、方法。
実施例137.
ステップ(ii)における熱可塑性材料の堆積は、押出、刷毛塗り、スプレーコーティング、化学堆積、液体堆積、気相蒸着、化学気相蒸着、物理気相蒸着、ローラー印刷、ステンシル印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、リソグラフィ印刷、3D印刷、およびこれらの組合せ、からなる群から選択される技術によって行われる、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例131~136のいずれかによる、方法。
実施例138.
ステップ(ii)における熱可塑性材料の堆積は、モノマー組成物を、隣接したマスク部材どうしの間に形成された空間内へと堆積させることと、組成物を重合することで、モノマー組成物を重合済み弾性状態へと移行させることにより、複数の突起を平坦シート上に形成することと、を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例131~137のいずれかによる、方法。
実施例139.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ、任意選択的に少なくとも2000%の分だけ、または代替的には少なくとも3000%の分だけ、大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例131~138のいずれかによる、方法。
実施例140.
弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法であって、(i)引裂抵抗性第一層を含む引裂抵抗性平坦シートを準備することであり、シートを、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びたものとすることと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することであり、処理を、複数の長尺成形部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することと、熱可塑性層を複数の長尺成形部材上に高温で堆積させることにより、複数の突起を形成することと、温度を低下させることにより、突起の弾性的な3D構造を形成することと、複数の長尺成形部材を複数の突起の内部から取り外すことと、を含むものとすることと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む、方法。
実施例141.
ステップ(i)における平坦シートは、単一の引裂抵抗性第一層からなる、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140による、方法。
実施例142.
ステップ(i)における平坦シートは、熱可塑性第二層をさらに含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例141による、方法。
実施例143.
ステップ(i)における平坦シートは、平坦シートの熱可塑性第二層と熱可塑性第三層との間に位置した引裂抵抗性第一層を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140による、方法。
実施例144.
ステップ(ii)は、複数の長尺成形部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することと、熱可塑性層を高温で引裂抵抗性平坦シート上に堆積させることで、複数の長尺成形部材を、引裂抵抗性平坦シートと熱可塑性層との間に位置決めされたものとすることにより、上面上に複数の3D形状突起を形成することと、を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140~143のいずれかによる、方法。
実施例145.
ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140~144のいずれかによる、方法。
実施例146.
ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140~145のいずれかによる、方法。
実施例147.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ、任意選択的に少なくとも2000%の分だけ、または代替的には少なくとも3000%の分だけ、大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140~146のいずれかによる、方法。
実施例148.
ステップ(ii)における熱可塑性層は、生体適合性かつ熱可塑性材料から形成されているとともに、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ならびに、これらの組合せおよびコポリマー、からなる群から選択される、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140~147のいずれかによる、方法。
実施例149.
熱可塑性層は、熱可塑性エラストマーを含み、任意選択的に、熱可塑性層は、TPUを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例148による、方法。
実施例150.
熱可塑性層は、少なくとも一つの抗血栓性材料を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140~149のいずれかによる、方法。
実施例151.
複数の長尺成形部材は、耐熱性の金属または金属合金で形成されているとともに、ロッド、チューブ、パイプ、およびこれらの組合せ、から選択される、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140~150のいずれかによる、方法。
実施例152.
ステップ(ii)において複数の長尺成形部材を複数の突起の内部から取り外すことは、シートの第一側方エッジまたは第二側方エッジのところに位置した少なくとも一つの突出エッジを通して各長尺成形部材を抜き取ることにより、内部に複数の中空内腔を形成することを含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例140~151のいずれかによる、方法。
実施例153.
ステップ(ii)は、複数の開口を複数の突起に穿孔することをさらに含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例152による、方法。
実施例154.
ステップ(ii)は、薬剤組成物を前述の中空内腔の少なくとも一部内へと挿入することをさらに含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例153による、方法。
実施例155.
弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法であって、(i)引裂抵抗性第一層を含む引裂抵抗性平坦シートを準備することであり、シートを、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びたものとすることと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することであり、処理を、複数の弾性多孔質部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することと、熱可塑性層を複数の弾性多孔質部材上に高温で堆積させることにより、複数の突起を形成することと、温度を低下させることにより、突起の弾性的な3D構造を形成することと、を含むものとすることと、を含むものとすることと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態で円筒状シール部材を形成することと、を含む、方法。
実施例156.
ステップ(i)における平坦シートは、実施例141~143のいずれかに記載されたシートと同じである、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例155による、方法。
実施例157.
ステップ(ii)は、複数の弾性多孔質部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することと、熱可塑性層を高温で引裂抵抗性平坦シート上に堆積させることで、複数の弾性多孔質部材を、引裂抵抗性平坦シートと熱可塑性層との間に位置決めされたものとすることにより、内部に弾性多孔質部材を含む複数の3D形状突起を形成することと、を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例155または156による、方法。
実施例158.
ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である、および/または、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例155~157のいずれかによる、方法。
実施例159.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ、任意選択的に少なくとも2000%の分だけ、または代替的には少なくとも3000%の分だけ、大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例155~158のいずれかによる、方法。
実施例160.
ステップ(ii)における熱可塑性層は、実施例148~150のいずれかに記載されたものと同じ材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例155~159のいずれかによる、方法。
実施例161.
各弾性多孔質部材は、耐熱性の生体適合性スポンジから形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例155~160のいずれかによる、方法。
実施例162.
ステップ(ii)は、複数の開口を複数の突起に穿孔することをさらに含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例155~161のいずれかによる、方法。
実施例163.
ステップ(ii)は、薬剤組成物を複数の弾性多孔質部材に含浸させることをさらに含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例155~162のいずれかによる、方法。
実施例164.
弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法であって、(i)引裂抵抗性第一層を含む引裂抵抗性平坦シートを準備することであり、シートを、第一側方エッジと第二側方エッジとの間にわたって、および流入エッジと流出エッジとの間にわたって、延びたものとすることと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、広げられた弛緩状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することであり、処理を、複数の長尺成形部材を引裂抵抗性平坦シート上に配置することであり、複数の長尺成形部材のそれぞれを、尖鋭先端を含むものとすることと、熱可塑性層を複数の長尺成形部材上に高温で堆積させることにより、複数の突起を形成することと、温度を低下させることにより、突起の弾性的な3D構造を形成することと、複数の長尺成形部材を複数の突起を通して取り外すことにより、複数の分割された突起を形成することと、を含むものとすることと、(iii)シートの反対側に位置した二つのエッジを接続することにより、円筒状に折り畳まれた状態の円筒状シール部材を形成することと、を含む、方法。
実施例165.
ステップ(i)における平坦シートは、実施例141~143のいずれかに記載されたシートと同じである、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例164による、方法。
実施例166.
ステップ(ii)において熱可塑性層を複数の長尺成形部材上に堆積させることは、熱可塑性層を、長尺成形部材の尖鋭先端に対して接触させることを伴う、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例164または165による、方法。
実施例167.
ステップ(ii)は、各長尺成形部材の尖鋭先端を、熱可塑性層を通して引っ張ることを含み、各長尺成形部材の尖鋭先端は、平坦シートに対して垂直な方向において、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に沿って引っ張られ、これにより、内部に対称的な内部空間が形成される、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例164~166のいずれかによる、方法。
実施例168.
ステップ(ii)は、各長尺成形部材の尖鋭先端を、熱可塑性層を通して引っ張ることを含み、各長尺成形部材の尖鋭先端は、平坦シートに垂直な方向に対して斜めに偏向した引っ張り矢印の向きに引っ張られ、これにより、内部に非対称な内部空間が形成される、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例164~166のいずれかによる、方法。
実施例169.
ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である、および/または、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例164~168のいずれかによる、方法。
実施例170.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ、任意選択的に少なくとも2000%の分だけ、または代替的には少なくとも3000%の分だけ、大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例164~169のいずれかによる、方法。
実施例171.
ステップ(ii)の熱可塑性層は、実施例148~150のいずれかに記載されたものと同じ材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例164~170のいずれかによる、方法。
実施例172.
複数の長尺成形部材および尖鋭先端は、耐熱性の金属または金属合金で形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例164~171のいずれかによる、方法。
実施例173.
弁周囲漏出(PVL)スカートを製造するための方法であって、(i)流入エッジから流出エッジに向けて延びる折り畳まれた円筒状態の引裂抵抗性平坦シートを準備することと、(ii)熱的形状形成プロセスでシートを処理することで、折り畳まれた円筒状態で複数の***部分と複数の非***部分とを含む弾性構造を形成することであり、処理を、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを、引裂抵抗性平坦シートの周囲に配置することと、熱可塑性層を、高温で少なくとも一つの螺旋状マンドレル上に堆積させることにより、上面上に、周縁まわりにおいて螺旋状構成で径方向に離間する向きに延びる少なくとも一つの螺旋状突起を形成することと、温度を低下させることにより、熱可塑性層の弾性構造を維持することと、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを、流入エッジまたは流出エッジのところに位置した少なくとも一つの螺旋状突出エッジを通して、少なくとも一つの螺旋状突起の内部から取り外すことにより、内部に螺旋状の中空内腔を形成することと、を含むものとすることと、を含む、方法。
実施例174.
ステップ(i)における平坦シートは、実施例141または142に記載されたシートと同じである、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例173による、方法。
実施例175.
ステップ(ii)は、少なくとも一つの螺旋状マンドレルを、平坦シートの熱可塑性第二層の周囲に配置することを伴う、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例173または174による、方法。
実施例176.
ステップ(ii)における高温は、少なくとも60℃である、および/または、ステップ(ii)における低下させた温度は、40℃未満である、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例173~175のいずれかによる、方法。
実施例177.
ステップ(ii)の後における広げられた弛緩状態でのシール部材の厚さは、ステップ(i)で準備されたシートの初期厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ、任意選択的に少なくとも2000%の分だけ、または代替的には少なくとも3000%の分だけ、大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例173~176のいずれかによる、方法。
実施例178.
ステップ(ii)における熱可塑性層は、実施例148~150のいずれかに記載されたものと同じ材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例173~177のいずれかによる、方法。
実施例179.
ステップ(ii)は、複数の開口を螺旋状突起に穿孔することをさらに含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例173~178のいずれかによる、方法。
実施例180.
ステップ(ii)は、薬剤組成物を螺旋状中空内腔の少なくとも一部内へと挿入することをさらに含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例179による、方法。
実施例181.
引裂抵抗性平坦シートは、少なくとも一つの生体適合性かつ引裂抵抗性材料から形成された第一層を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~172のいずれかによる、方法。
実施例182.
第一層は、リップストップ織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例181による、方法。
実施例182.
第一層は、PET織物を含む、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例181による、方法。
実施例183.
熱可塑性第二層は、実施例80~84のいずれかに記載されたものと同じ材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例99~115、実施例121~139、および実施例142~154のいずれかによる、方法。
実施例184.
人工心臓弁であって、複数の接合部を規定する複数の交差した支柱を含むフレームであるとともに、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能とされたフレームと、フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、フレームの外面に対して結合されたシール部材と、を含み、シール部材は、流入エッジから、反対側に位置した流出エッジに向けて、延びており、シール部材は、引裂抵抗性第一層と、第一層を被覆しているとともにシール部材の第一面を規定している熱可塑性第二層と、を含み、シール部材の非繊維状の外面は、流出エッジおよび流入エッジのいずれか一方に対して平行にシール部材の前述の第一面の周囲において前述の第一面から離間する向きに延びた圧縮可能な突起を規定するように成形された半透過性材料から形成されており、単一突起の、シール部材の流出エッジと流入エッジとの間にわたって延びている方向における長さは、フレームの、軸線方向に位置合わせされて互いに離間した二つの接合部の間の距離と、少なくとも同じであり、前述の第一層と第二層とは、フレームの外面に対して外側に配置されている、人工心臓弁。
実施例185.
単一の圧縮可能な突起は、内部に単一の中空内腔を規定している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例184による、人工心臓弁。
実施例186.
フレームからの突起の距離は、フレームからのシール部材の第一面の距離と比較して、少なくとも1000%の分だけ、任意選択的に少なくとも2000%の分だけ、または代替的には少なくとも3000%の分だけ、大きい、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例184または185による、人工心臓弁。
実施例187.
引裂抵抗性第一層は、実施例76~78のいずれかに記載されたものと同じ材料から形成されている、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例184~186のいずれかによる、人工心臓弁。
実施例188.
引裂抵抗性第一層は、少なくとも5Nの引裂抵抗性を有している、または任意選択的に、少なくとも15Nの引裂抵抗性を有している、本明細書中の任意の実施例による、特に実施例184~187のいずれかによる、人工心臓弁。
明瞭さのために別個の実施例の文脈で説明している本発明の特定の特徴が、また、単一の実施例において組み合わせて提供され得ることは、理解されよう。逆に、簡潔さのために単一の実施例の文脈で説明している本発明の様々な特徴は、また、別個に提供されてもよく、あるいは、任意の適切な下位組合せで提供されてもよい。
別段に定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。本明細書で説明する方法と同様の方法をまたは同等の方法を、本発明の実施または試験において使用し得るけれども、適切な方法について、本明細書で説明する。
本明細書で言及するすべての、刊行物、特許出願、特許、および他の文献は、参照によりそれらの全体が援用される。矛盾が生じた場合は、定義を含む特許明細書が優先されるものとする。加えて、材料、方法、実施例は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。
当業者であれば、本発明が、特に図示して上記で説明したものに限定されないことは、理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記で説明した様々な特徴どうしの組合せおよび下位組合せの両方を含み、また、上記の説明を読んだ時に当業者が想起するようなそれらの変形例および改変を含む。

Claims (26)

  1. 人工心臓弁であって、
    複数の交差した支柱を有するフレームであって、径方向圧縮状態と径方向拡張状態との間にわたって移動可能である、フレームと、
    前記フレームの内部に取り付けられた弁尖アセンブリと、
    前記フレームの外面に対して結合されたシール部材であって、流入エッジから、反対側に位置した流出エッジに向けて、延びているとともに、第一層と、前記第一層を被覆している第二層と、を含み、前記シール部材の非繊維状の外面は、ピークを有した複数の***部分と複数の非***部分とを規定するように本質的に成形された材料から形成されている、シール部材と、を含み、
    前記第一および第二層は、前記フレームの前記外面に対して外側に配置されている、人工心臓弁。
  2. 前記***部分は、事前規定された閾値を超える外圧が、前記フレームに対して前記***部分を押圧するように構成された向きで前記***部分に対して印加された時には、変形するように構成されているとともに、前記外圧がもはや前記***部分に対して印加されなくなった時には、弛緩状態へと復帰するように構成されており、前記フレームからの前記ピークの距離は、前記弛緩状態における前記フレームからの前記非***部分の距離と比較して、より大きい、請求項1に記載の人工心臓弁。
  3. 前記非繊維状の外面は、円滑な面である、請求項1または2に記載の人工心臓弁。
  4. 前記シール部材は、第三層を含み、前記第二層と前記第三層とは、集合的に、前記第一層を覆う被覆を形成している、請求項1~3のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  5. 前記第一層は、少なくとも一つの引裂抵抗性ポリエチレンテレフタレート(PET)織物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  6. 前記第二層は、生体適合性の熱可塑性ポリウレタン(TPU)から形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  7. 前記シール部材の前記***部分は、複数のリッジを含み、前記複数のリッジは、前記シール部材の第一面に沿って互いに離間して配置されており、前記第二層は、前記シール部材の前記第一面を形成しており、前記複数のリッジのそれぞれは、前記フレームの前記外面から外向きに延びており、前記シール部材は、複数の内部チャネルを含み、各チャネルは、前記シール部材の第二面に形成されており、前記複数のチャネルのそれぞれは、内向きである、請求項1~6のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  8. 前記チャネルの数は、前記リッジの数と同じであり、前記複数のチャネルのそれぞれは、前記シール部材の反対側の面に、前記複数のリッジのそれぞれによって形成されている、請求項7に記載の人工心臓弁。
  9. 前記シール部材の前記非***部分は、前記シール部材の隣接した各二つのリッジの間において前記第一層がなす面上に形成された複数のリッジ間ギャップを含む、請求項7または8に記載の人工心臓弁。
  10. 前記複数のリッジは、前記シール部材の前記第一面に沿って延びた平行な経路線に追従しており、前記複数のリッジは、圧縮可能である、請求項7~9のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  11. 前記複数のリッジは、前記流入エッジまたは前記流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に平行に延びた平行な経路線に追従している、請求項10に記載の人工心臓弁。
  12. 前記複数のリッジは、前記流入エッジまたは前記流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に斜めに延びた平行な経路線に追従している、請求項10に記載の人工心臓弁。
  13. 前記シール部材は、前記リッジ間ギャップのうちの一つにおいて前記シール部材の前記第一面と前記第二面との間で測定される全層厚さと、前記シール部材の前記リッジの高さによって測定されるシール部材厚さと、を有しており、前記シール部材厚さは、前記全層厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、請求項9~12のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  14. 前記シール部材の前記***部分は、前記シール部材の前記第一面の周囲において前記第一面から外向きに延びた複数の突起を含み、前記複数の突起は、前記第一面に沿って互いに離間して配置されており、前記複数の突起のそれぞれは、圧縮可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  15. 前記シール部材は、広げられた弛緩状態にある時には、前記第一面とは反対側に位置した平坦な第二面を含む、請求項14に記載の人工心臓弁。
  16. 前記シール部材の前記非***部分は、複数の突起間ギャップを含み、各ギャップは、隣接した二つの前記突起の間に位置しており、前記複数の突起間ギャップは、前記突起と同じ向きを向いている、請求項14または15に記載の人工心臓弁。
  17. 前記複数の突起のそれぞれは、前記第一面の周囲において前記第一面から離間する向きに延びることで、その上に3D形状を形成しており、前記3D形状は、逆U字形状、半球、ドーム、円柱、ピラミッド、三角柱、五角柱、六角柱、フラップ、多角形、およびこれらの組合せ、からなる群から選択されることができる、請求項14~16のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  18. 前記複数の突起は、長尺3D形状を形成しているとともに、前記流入エッジまたは前記流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に平行に延びている、請求項17に記載の人工心臓弁。
  19. 前記複数の突起は、長尺3D形状を形成しているとともに、前記流入エッジまたは前記流出エッジの少なくとも一方に対して実質的に斜めに延びている、請求項17に記載の人工心臓弁。
  20. 前記シール部材は、前記突起間ギャップのうちの一つにおいて前記第一面と前記第二面との間で測定される全層厚さと、前記突起と前記第二面との間の距離として規定されるシール部材厚さと、を有しており、前記シール部材厚さは、前記全層厚さと比較して、少なくとも1000%の分だけ大きい、請求項16~19のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  21. 前記複数の突起のそれぞれは、非中空構造を規定している、請求項14~20のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  22. 前記複数の突起のそれぞれは、内部に中空内腔を規定している、請求項14~20のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  23. 前記複数の突起のそれぞれは、前記突起に沿って互いに離間して配置された複数の開口を含み、各開口は、前記中空内腔と前記開口の外側の外部環境との間における流体連通を提供するように構成されており、前記中空内腔のそれぞれは、内部に配置された薬剤組成物を含有している、請求項22に記載の人工心臓弁。
  24. 前記中空内腔のそれぞれは、内部に配置された弾性多孔質部材を含み、前記弾性多孔質部材は、内部に配置された薬剤組成物を含み、前記複数の突起のそれぞれは、前記突起に沿って互いに離間して配置された複数の開口を含む、請求項22に記載の人工心臓弁。
  25. 前記複数の突起のそれぞれは、分割された突起であり、前記複数の分割された突起のそれぞれは、前記分割された突起どうしの間に内部空間を形成しており、前記内部空間は、分割された各突起の開口部と前記シール部材の前記第一面との間に延びている、あるいは、分割された各突起の開口部と前記第一層の第一面との間に延びている、請求項14~16のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
  26. 前記複数の分割された突起のそれぞれにおける前記開口部は、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に対して対称であり、これにより、内部に対称な内部空間を形成している、あるいは、前記複数の分割された突起のそれぞれにおける前記開口部は、分割された各突起の中央を通して延びる軸線に対して斜めに偏向しており、これにより、内部に非対称な内部空間を形成している、請求項25に記載の人工心臓弁。
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