JP2024502598A - ケタミンの経口投与 - Google Patents

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Abstract

口腔内放出のための一部のケタミンと、消化管放出のための別のケタミンとを有する医薬組成物が開示される。組成物は、アスピリンをさらに含むことができる。開示される製剤および関連する投与アプローチは、経口ケタミンのバイオアベイラビリティおよび有効性を改善する。ケタミンの経口投与は、口腔内またはGI放出単独と比較して、ケタミンが部分的に口腔内に放出されて経粘膜的に送達され、消化管(GI)路を通って部分的に放出される場合に、著しく高いバイオアベイラビリティを達成することが発見された。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月8日に出願された米国仮出願第63/135,126号、2021年4月19日に出願された米国仮出願第63/176,654号、および2021年8月20日に出願された米国仮出願第63/235,413号の米国特許法第119条(e)の下での利益を主張する。なお、これらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
背景
急性疼痛は、最も頻繁な主訴の1つであり、救急科(ED)の来診の主な理由である。EDでの急性疼痛は全国で広くみられ、最近の文献では患者の61~91%がさまざまな急性疼痛症候群によりEDに入院していることが示されている。筋骨格痛(MSK)は、成人の3人に1人が罹患し、深刻な長期疼痛および身体障害の最も一般的な原因である。さらに、EDで筋骨格痛の処置を受けた成人の鎮痛の頻度は11~29%であることが研究で実証されている。
MSK疼痛管理の問題をさらに複雑にすることに、米国では20年以上にわたってオピオイドが流行し、意図しない処方オピオイドの過剰摂取により40万人以上が死亡しているため、全国の医療システムおよび病院は、オピオイド鎮痛薬への依存を減らし、非オピオイド鎮痛の有用性を受け入れる必要に迫られている。アセトアミノフェン、NSAID(アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク)およびケタミンなどのいくつかのクラスの非オピオイド鎮痛薬は、EDにおける急性MSK疼痛の管理におけるオピオイドの実行可能な代替物として非常に注目されている。
ケタミンは、一般に麻酔に使用される。それは、疼痛緩和、鎮静、および記憶喪失をもたらしながらトランス様状態を誘発する。他の用途としては、集中治療における鎮静ならびに疼痛およびうつ病の処置が挙げられる。心機能、呼吸、および気道反射は、一般に機能が維持される。一般的な副作用には、薬物の効果が弱まるにつれて興奮、錯乱、または幻覚が含まれる。血圧上昇および筋振戦もよく見られる。喉頭の痙攣が起こることもあるが、頻度は比較的低い。
ケタミンは1962年に発見され、1964年に最初にヒトで試験され、1970年に米国での使用が承認された。これは世界保健機関の必須医薬品リストに記載されている。また、その幻覚誘発作用および解離作用のために、レクリエーショナルドラッグとしても使用される。
ケタミンは、水溶性でも脂溶性でもあるため、静脈内、筋肉内、経口、局所経路で吸収され得る。医療現場では、ケタミンは通常、静脈内または筋肉内に注射される。しかしながら、経口ケタミンは胆汁酸によって容易に分解されるため、バイオアベイラビリティが低い。経口経路によるバイオアベイラビリティは17~29%になる。対照的に、筋肉内注射によるバイオアベイラビリティは約93%である。
ケタミンの作用開始は、静脈内では数秒、筋肉内では1~5分であるが、経口では15~30分である。さらに、ケタミンの最大濃度は、静脈内では1~3分、筋肉内では5~15分で達成されるが、経口では30分で達成される。
バイオアベイラビリティが改善され、より速く作用するケタミンの経口製剤を開発する必要がある。
概要
ケタミンの経口投与は、口腔内またはGI放出単独と比較して、ケタミンが部分的に口腔内に放出されて経粘膜的に送達され、消化管(GI)路を通って部分的に放出される場合に、著しく高いバイオアベイラビリティを達成することが発見された。さらに、ケタミンの特定の望ましい効果、例えば、疼痛(急性疼痛、慢性疼痛の急性憎悪、慢性疼痛)の軽減、うつ病の抑制、疲労(例えば、多発性硬化症疲労)の軽減、自殺傾向の軽減、喘息/反応性気道の処置、カンナビノイド悪阻症候群の増悪の処置、およびアルツハイマー病/認知症の処置は、アスピリンとの共投与によってさらに増強することができ、その一方で鎮静作用および依存症の潜在性をはじめとするケタミンの望ましくない作用を減少させることができる。
それゆえ、本開示の1つの実施形態によれば、第1の量のケタミンを含む第1の部分と、第2の量のケタミンを含む第2の部分を含む医薬組成物であって、対象への経口投与の際に、第1の部分は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のケタミンの迅速な放出を実質的に提供し、第2の部分は第1の部分よりも口腔内で崩壊または溶解するのがかなり困難であるが、対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能である、医薬組成物が提供される。
医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態であり得る。一態様では、第2の部分は第1の部分内に封入されている。一態様では、第1の部分は咀嚼可能である。別の態様では、第1の部分は、成形された粉砕物の形態である。
一態様では、第2の部分は圧縮されている。別の態様では、第2の部分の硬度は、少なくとも約10キロパスカル(kp)である。なお別の態様では、第2の部分は、第1の部分に存在しない薬学的に許容され得る香味剤をさらに含む。
上記の実施形態のいずれかにおいて、医薬組成物は、有効量のアスピリンを含む第3の部分をさらに含む。さらに別の態様では、アスピリンは、第1の部分または第2の部分の一部である。一態様では、アスピリンは、第1の部分および第2の部分の両方に存在する。
本開示の別の実施形態は、ケタミンを対象に投与する方法であって、対象に(a)第1の量のケタミンを含む第1の組成物および(b)第2の量のケタミンを含む第2の組成物を投与することを含み、第1の組成物は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のケタミンの迅速な放出を実質的に提供し、第2の組成物は、対象の消化管路で摂取および放出される方法が提供される。
そのような方法の一態様では、投与は食事後30分以内である。別の態様では、投与は、第1のケタミン組成物の経粘膜吸収を助けることができる酸性飲料の経口投与を伴う。
また、改善されたバイオアベイラビリティを有するケタミンを対象に投与する方法であって、第1の量のケタミンを含む第1の組成物と、第2の量のケタミンを含む第2の組成物とを対象に投与することを含み、第1の組成物が10分以内に口腔内で崩壊または溶解して、第1の組成物中のケタミンの迅速な放出を可能にし、第2の組成物が摂取され、対象の消化管路で放出される方法も提供される。
これらの方法はいずれも、第1の組成物もしくは第2の組成物またはその両方と共に有効量のアスピリンを対象に投与することをさらに含むことができる。
別の実施形態は、ケタミンおよびアスピリンを含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、組成物は、第1の量のアスピリンを含む第1の部分と、第2の量のアスピリンを含む第2の部分を含み、対象への経口投与の際に、第1の部分は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のアスピリンを迅速に放出し、第2の部分は第1の部分よりも口腔内で崩壊または溶解するのがかなり困難であるが、対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能である。
また、ケタミンおよびアスピリンを対象に投与することを含む、ケタミンを対象に投与する方法も提供される。一部の実施形態では、アスピリンが、(a)第1の量のアスピリンを含む第1の組成物および(b)第2の量のアスピリンを含む第2の組成物として投与され、第1の組成物は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のアスピリンを迅速に放出し、第2の組成物は、対象の消化管路で摂取および放出される。
別の実施形態では、ケタミンおよびグルタミン酸イオンチャネル型受容体NMDA型サブユニット2A(GRIN2A)モジュレーターを含む医薬組成物が提供される。例としては、アスピリン、ニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびGQ1bが挙げられる。
対象にケタミンおよびGRIN2Aモジュレーターを投与することを含む、ケタミンを対象に投与する方法も提供される。
疼痛緩和の有効性の増強またはケタミンの副作用の低減に使用するためのGRIN2Aモジュレーターがさらに提供される。
図1は、異なる処置の疼痛軽減有効性を比較するものである。
図2は、異なる処置の鎮静副作用を比較するものである。
図3は、異なる処置の解離副作用を比較するものである。
図4は、異なる群の患者において経験された中等度/重度の有害事象を比較するものである。
図5は、異なる群の患者において経験されたSERSDA2+有害事象を比較するものである。
図6は、異なる群の患者における疼痛軽減を比較するものである。
図7は、異なる群の患者における疼痛軽減を比較するものである。
図8は、異なる群の患者において経験されたSERSDA2+有害事象を比較するものである。
図9は、異なる群の患者における疼痛軽減を比較するものである。
図10は、異なる群の患者において50%の疼痛軽減に達するまでの時間を比較するものである。
図11は、実施例7で試験した様々な処置の疼痛軽減結果を示すものである。
詳細な説明
本開示は、ケタミンの経口投与のための医薬組成物を提供する。
A.定義
他に定義されない限り、本明細書で使用される用語は、当技術分野における通常の意味を有することを意図する。
範囲をはじめとするすべての数値表記、例えば、pH、温度、時間、濃度および重量は通常、0.1、1.0、10.0または100.0の増分で(+)または(-)適切に変更され得る近似値である。常に明示的に述べられているわけではないが、すべての数値表記の前に「約」という用語があることを理解されたい。
「約」は、当業者によって理解され、この用語が使用される文脈においてある程度変化する。この用語が使用される文脈を考慮すると、当業者には明確でない用語の使用がある場合、「約」は、特定の用語のプラスマイナス10%、または5%、または2%、または1%、または0.5%までを意味する。
本明細書において、「含むこと(comprising)」という用語は、任意の列挙された要素が必ず含まれ、他の要素が必要に応じて含まれていてもよいことを意味する。「から本質的になる」とは、列挙された要素は必ず含まれ、記載された要素の基本的かつ新規な特性に重大な影響を与える要素は除外され、その他の要素は必要に応じて含まれていてもよいことを意味する。「からなる」とは、記載された要素以外のすべての要素が除外されることを意味する。これらの用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
本明細書および特許請求の範囲で使用される、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに示されている場合を除き、複数形の言及を含む。
患者に薬物を「投与すること」、または患者への薬物の「投与」(およびこの語句の文法上の等価物)とは、医療専門家による患者への投与であり得るかまたは自己投与であり得る直接投与、および/または薬物を処方する行為であり得る間接投与を指す。例えば、患者に薬物の自己投与を指示する医師、および/または患者に薬物のための処方箋を提供する医師は、患者に薬物を投与していることになる。
本明細書において、「圧縮された」剤形(例えば、「圧縮部分」)とは、圧縮された粉末を含む剤形を指す。例えば、圧縮部分は、回転式打錠機または当業者に公知の他の同様の機械を使用して形成することができる。
本明細書で使用される場合、「口腔内で崩壊または溶解する」とは、錠剤またはカプセル剤などの組成物の大部分または組成物の一部が口腔内でより小さな粒子に分解することを指す。大部分とは、一態様では、少なくとも約50%、あるいは約60%、または70%、または80%、または90%、または95%、または98%、または99%を意味する。
本明細書において、「二層」圧縮剤形(例えば、「二層錠」)とは、2つの層を含む単一の圧縮剤形を指す。二層圧縮剤形は、単一の圧縮工程で作製することができる。同様に、「三層」圧縮剤形(例えば、「三層錠」)は、3つの層を含む単一の圧縮剤形を指す。
本明細書において、「湿式造粒」とは、精製水、アルコール、または結合剤溶液などの液体の添加によって顆粒を形成することを含む、製薬分野で公知のプロセスを指す。
「制御放出形態」は、アスピリンがマトリックスの内部に含まれている製剤を指し、このマトリックスは不溶性、可溶性、または部分的に可溶性のいずれかであり得る。不溶性タイプの制御放出マトリックス製剤は、マトリックスを構成する成分に応じて、不溶性ポリマーマトリックス、膨潤性マトリックス、または脂質マトリックスとも呼ばれる。可溶性タイプの制御放出マトリックス製剤は、親水性コロイドマトリックス、侵食性マトリックス、またはリザーバシステムとも呼ばれる。本開示の制御放出製剤は、不溶性マトリックス、可溶性マトリックス、または不溶性マトリックスと可溶性マトリックスの組合せを含む製剤を指し、その放出速度は、コーティングされていない非マトリックス製剤または即時放出製剤またはコーティングされていない通常放出マトリックス製剤の放出速度より遅い。制御放出製剤は、制御放出マトリックス製剤からのアスピリンの放出をさらに遅らせるように放出制御被膜でコーティングすることができる。そのようなコーティングされた制御放出マトリックス製剤は、アスピリンの調節放出(modified-release)、制御放出、持続放出、延長放出、長期放出、遅延放出、またはそれらの組合せを示すことができる。アスピリンの制御放出形態の例としては、Upsher Smith Laboratories,Inc.(メープルグローブ、MN)から入手可能なSlo-Aspirin(登録商標)が挙げられる。
「制御放出被膜」とは、例えば、少なくとも1つのpH非依存性もしくはpH依存性の(例えば腸溶タイプもしくは逆腸溶タイプの)ポリマー、可溶性もしくは不溶性のポリマー、脂質もしくは脂質材料、またはその組合せを含み得る機能性被膜を指し、これは、製剤に適用された場合、アスピリンの放出速度を遅くする(例えば、即時放出製剤または通常放出マトリックス製剤に適用された場合)、さらに遅くする(例えば制御放出マトリックス製剤に適用された場合)、または放出速度を変更することができる。
「賦形剤」とは、医薬または製剤の活性薬剤または薬物と共に使用される薬理学的に不活性な物質を指す。賦形剤は、簡便かつ正確な投与量を可能にするために、非常に強力な活性成分を含有する製剤を増量するために使用されることもある。単位用量形態でのそれらの使用に加えて、賦形剤は、関連する活性物質の取り扱いを助けるために製造プロセスで使用することができる。投与経路および薬物の形態に応じて、さまざまな賦形剤を使用することができる。賦形剤の例としては、限定されないが、以下のうちの1つ以上が挙げられる:添加剤、消泡剤、結合剤、化学安定剤、着色剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、増量剤、香味剤、流動化剤、滑沢剤、pH調整剤、可塑剤、可溶化剤、膨潤促進剤、球形化助剤、溶解促進剤、または懸濁化剤。
「即時放出製剤」とは、薬物が実質的な遅延なしに実質的に一度に放出される製剤を指す。
「患者」または「対象」とは、アスピリンを服用する必要があるヒトおよび動物、例えば、サル、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、および齧歯類などを含む哺乳動物を指す。
「薬学的に許容され得る塩」とは、当技術分野で周知の様々な有機および無機対イオンに由来する薬学的に許容され得る塩を指し、それには、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムおよびテトラアルキルアンモニウムが含まれ、分子が塩基性官能基を含む場合には、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩およびシュウ酸塩などの有機酸または無機酸の塩。適切な塩としては、参照により本明細書に組み込まれる、P.Heinrich Stahl、Camille G.Wermuth(Eds.)、Handbook of Pharmaceutical Salts Properties,Selection,and Use、2002に記載される塩が挙げられる。
「可塑剤」とは、ポリマーまたは結合剤を可塑化または軟化することができる化合物を指す。可塑剤は、それが含まれているポリマーの平均分子量を広げ、それによってそのガラス転移温度または軟化点を低下させることができる。可塑剤はまた、ポリマーの粘度を低下させることができる。可塑剤の使用は随意であるが、製剤の1または複数の被膜および/またはコアの製造中の加工を簡便にするために、製剤の1または複数の被膜またはコアに使用されるポリマーの性質および特性を変更するために製剤に可塑剤を含めることができる。1または複数の被膜および/またはコアが製造されると、特定の可塑剤は、使用環境での製剤の1または複数の被膜および/またはコアの親水性を高めるように機能することができる。1または複数の被膜および/またはコアの製造中、可塑剤は、ポリマーまたは結合剤の融解温度またはガラス転移温度(軟化点温度)を低下させることができる。
「固体製剤」とは、液体でも気体でもない製剤を指す。固体製剤には、錠剤、粉剤・散剤(powder)、微粒子剤、カプセル剤、マトリックス型剤、坐剤、分包剤、トローチ剤、パッチ剤およびロゼンジ剤が含まれる。カプセル剤の形態の固体製剤は、ゼラチンまたは他のカプセル化材料で作製することができるカプセル内に固体組成物を含有する。液体製剤には、液体懸濁剤およびエリキシル剤が含まれる。
「膨潤促進剤」とは、急速に膨潤して錠剤のサイズを増加させる賦形剤を指す。低濃度では、これらの賦形剤は超崩壊剤として使用することができるが、高濃度、例えば約5%w/wを超える濃度では、これらの賦形剤は膨潤促進剤として機能し、マトリックス製剤のサイズを増加させる。
「治療有効量」とは、患者に投与された場合に、意図された治療効果、例えば、患者におけるがんまたは他の過剰増殖性疾患の1またはそれを超える徴候の軽減、寛解、緩和または除去を有する薬物の量を指す。治療効果は必ずしも1用量の投与によって生じるわけではなく、一連の用量を投与した後にのみ生じることもある。通常は、がん薬物は、一連の用量が繰り返して投与され、特定の例では、各一連の投与は治療の「サイクル」と呼ばれることもある。したがって、治療有効量は1回またはそれを超える投与で投与されてよい。
状態または患者を「処置する」または「処置」とは、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るための対策を講じることを指す。本開示の目的においてに、有益なまたは所望の臨床結果には、疼痛、麻酔、喘息、うつ病などのケタミンの意図された処置目的、または副作用の軽減を含む他の有益な結果が含まれるが、これらに限定されない。
B.経口製剤
添付の実験例で実証されているように、ケタミンを2つの異なる投与経路(口腔内および経口)でアスピリンとともに投与した場合、その有効性は静脈内投与されたケタミンよりもさらに良好であり、経口投与されたMSIR(モルヒネ)に近いものであった(図1)。さらに、経口ケタミンの予想されるバイオアベイラビリティを補正すると、静脈内投与されたケタミンよりも有意に良好であった(経口ケタミンのバイオアベイラビリティは約18~20%であるが、IVケタミンのバイオアベイラビリティは約100%である)。一方、鎮静および解離の副作用は、静脈内投与されたケタミンと比較してかなり減少した(図2~3)。
経口ケタミンは有効性が限られており、さらに重要なことに、どんな経路からのケタミンも、有効な用量で投与された場合、外来使用を制限する副作用があるため、監視環境の外での治療域が狭いことが一般に知られている。したがって、経口ケタミンは外来使用が承認されていない。さらに、経口アスピリンと経口ケタミンの単純な組合せ(経口アスピリン/ケタミン)、またはケタミンの二重経路(二重経路ケタミン)が外来使用に許容され得る安全域を有するかどうかが調査された。予想外にも、アスピリンとケタミンの単純な経口投与は、アスピリン/ケタミンの二重経路投与に近い3.67ポイントの疼痛軽減をもたらした(図7)。二重経路ケタミンも同様に、2.75ポイントの減少となり(図6)、SERSDA3+の有害事象率(adverse even rate)はわずか25%であった(図4)。このような安全域は、経口ケタミン単独と比較して有意に改善されている。
このような大幅に改善された有効性および低減された副作用は、少なくとも部分的にはケタミンの二重の投与様式に起因すると考えられ、そのうちの1つには、口内での放出および粘膜を介した吸収のための口腔内投与が含まれる。ケタミンの他の部分はGI路に放出された。ケタミンの部分的な口腔内放出と部分的なGI放出は、ケタミンのバイオアベイラビリティおよび有効性を増加させる際に相乗効果を達成すると考えられる。GIに吸収されたケタミンは、血流に直接入る口腔内吸収ケタミンとは異なる代謝プロファイルを有する。これは、GI路を通して吸収された薬物の肝臓の初回通過代謝に起因する可能性がある。
経口投与されると、ケタミンは初回通過代謝を受け、そこでケタミンは肝臓においてCYP3A4(メジャー)、CYP2B6(マイナー)、およびCYP2C9(マイナー)のアイソザイムによってノルケタミン(N-脱メチル化による)および最終的にはデヒドロノルケタミンに生体内変換される。ノルケタミンのデヒドロノルケタミンへの生体内変換における中間体は、CYP2B6およびCYP2A6によるノルケタミンのヒドロキシノルケタミンへのヒドロキシル化である。ケタミンの主要な代謝産物として、ノルケタミンは麻酔薬の3分の1から5分の1の効力があり、この代謝産物の血漿レベルは経口投与後のケタミンよりも3倍高い。
ケタミンを血流に直接投与すると、血清ケタミン濃度は急速にピークに達し、直ちに低下し始める。直ちに低下するのは、ケタミンがその一次代謝産物ノルケタミンに急速に代謝され、ノルケタミンの血清レベルが高くなることに起因する。
したがって、現在のデータは、血流に直接吸収されたケタミン(口腔粘膜吸収など)が比較的迅速に、数分以内にピーク血清濃度に達することを示唆している。一方、GIを介して併せて投与されたケタミンは、約15~20分後に血清濃度がピークに達する。したがって、ケタミンの血清レベルだけに注目すると、直接吸収とGI吸収の組合せは、経時的にケタミン血清濃度を「平滑化」する。直接吸収は早期に血清レベルを高くし、GI吸収は後で血清レベルを高く維持する。ケタミンのこのより高く、より広い血清レベルは、より顕著な効果をもたらす。
ケタミンの有効性の大幅な改善および副作用の減少は、更にケタミンとアスピリンの併用にも起因すると想定される。ケタミンとアスピリンの組合せは、アスピリンとケタミンのオピオイド温存効果への寄与によって、マルチモーダルな鎮痛をもたらすと想定される。さらに、アスピリンのこのような効果は、ニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびガングリオシドなどのグルタミン酸イオンチャネル型受容体NMDA型サブユニット2A(GRIN2A)の他のモジュレーターでも観察されるであろうと想定される。ガングリオシドはシアル酸含有スフィンゴ糖脂質であり、その中で、テトラシアロガングリオシドGQ1bがその一例である(α-N-アセチルノイラミノシル-(2→8)-α-N-アセチルノイラミノシル-(2→3)-β-D-ガラクトシル-(1→3)-N-アセチル-β-D-ガラクトサミニル-(1→4)-[α-N-アセチルノイラミノシル-(2→8)-α-N-アセチルノイラミノシル-(2→3)]-β-D-ガラクトシル-(1→4)-β-D-グルコシル-(1←→1’)-N-(オクタデカノイル)-スフィンガ-4-エニン;PubChem ID:10887808)。
ケタミンの経口投与は、血清中のケタミン濃度の減少およびノルケタミン濃度の増加をもたらす。その結果、経口ケタミンのケタミンからノルケタミンへの肝臓代謝による初回通過効果は、IV形態と比較して、副作用を同時に減少させながら鎮痛効力を維持するのに役立ち得る。
アスピリンは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のプロトタイプであり、活性剤として共通のサリチル酸を有するサリチレートのファミリーのメンバーである。アスピリンの薬理学的特性は、サリチレートの薬理学的特性と類似しているが、サリチレート自体に起因する生物学的作用にも類似しており、その反応性酢酸基による他の独立した作用も有する。サリチル酸基および酢酸基の両方の成分は、生物学的に活性であり、異なる部位で互いに独立して作用する。アスピリンは、安全でよく理解されている非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。それは、特定の臨床的に許容される鎮痛特性を有する。アスピリンは非選択的かつ不可逆的なNSAIDであり、シクロオキシゲナーゼ-1と2の両方の活性を阻害し、プロスタグランジンとトロンボキサンの合成を遮断する。
アスピリン(またはニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびGQ1bなどの別のGRIN2Aアクチベーター)とケタミンの経口組合せ薬(例えば、2つの投与経路の組合せ)は、急性MSK疼痛を有する患者のためのIVオピオイドから非IV治療への移行を促進するであろう。この組合せは、副作用を低減するとともに効果的な鎮痛を提供する潜在性を有する。
口腔内ケタミンと経口ケタミンとの間の相乗効果、およびケタミンとアスピリンとの間の相乗効果は、ケタミンおよび他のN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストの類似体および代謝産物に適用可能であり、他のNSAIDに適用可能であると想定される。
NMDA受容体アンタゴニストの例としては、限定されないが、ケタミン、デキストロメトルファン、メマンチンおよびアマンタジン、ならびにオピオイドのメタドン、デキストロプロポキシフェンおよびケトベミドンが挙げられる。ケタミン代謝産物の非限定的な例としては、ノルケタミン、ヒドロキシノルケタミン(HNK)、デヒドロノルケタミン(DHNK)および6-ヒドロキシケタミン(HK)が挙げられる。
したがって、本開示の一実施形態は、外来使用に適した/許容され得るNMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)の経口製剤を提供する。いくつかの実施形態では、第1の量のNMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)を含む第1の部分と、第2の量のNMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)を含む第2の部分とを含み、対象への経口投与の際に、第1の部分は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストを迅速に放出し、第2の部分は第1の部分よりも口腔内で崩壊または溶解するのがかなり困難であるが、対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能である医薬組成物が提供される。
一態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)は、NMDA受容体アンタゴニストの通常用量(例えば、100~400mg)よりも低い量、例えば限定されないが、約10mg~約300mgである。一態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストの量は、少なくとも約10mg、または少なくとも約20mg、30mg、40mg、50mg、または100mgである。別の態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストの量は、約50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mgまたは300mg以下である。一態様では、第2の部分のNMDA受容体アンタゴニストは、NMDA受容体アンタゴニストの通常用量(例えば、100~400mg)よりも低い量、例えば限定されないが、約10mg~約300mgである。一態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストの量は、少なくとも約10mg、または少なくとも約20mg、30mg、40mg、50mg、または100mgである。別の態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストの量は、約50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mgまたは300mg以下である。
一態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)は、治療有効量の少なくとも約10%、または20%、または30%、または40%、または50%(of 50%)、または60%、または70%、または80%、または90%である。一態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストは、治療有効量の多くて約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%である。一態様では、第2の部分のNMDA受容体アンタゴニストは、治療有効量の少なくとも約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%である。一態様では、第2の部分のNMDA受容体アンタゴニストは、治療有効量の多くて約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%である。
一態様では、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)の第1の部分は、組成物中の全NMDA受容体アンタゴニストの少なくとも約10%を構成する。あるいは、NMDA受容体アンタゴニストの第1の部分は、全NMDA受容体アンタゴニストの少なくとも約20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%を構成する。しかし、いくつかの態様では、NMDA受容体アンタゴニストの第1の部分は、全NMDA受容体アンタゴニストの約20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%未満であり得る。特定の態様では、第1の部分は、全NMDA受容体アンタゴニストの約40%~約60%、またはあるいは約45%~約55%を構成する。
一態様では、組成物中のNMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)の総量は、約50mg、または60mg、または70mg、または80mg、または90mg、または100mg、または120mg、または140mg、または150mg、または160mg、または165mg、または170mg、または180mg、または190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、または300mg未満である。別の態様では、組成物中のNMDA受容体アンタゴニストの総量は、約10mg、20mg、または30mg、または40g、または50mg、または60mg、または70mg、または80mg、または90mg、または100mg、または110mg、または120mg、または130mg、または140mg、または150mgよりも多い。
アスピリン(またはより一般的には、NSAID)の添加は、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)のバイオアベイラビリティおよび/または有効性をさらに増強し得ることがさらに企図される。一実施形態では、アスピリン(またはNSAID)を、NMDA受容体アンタゴニストの第1の部分に添加し、これを口腔内で崩壊または溶解させて、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストを迅速に放出させる。いくつかの実施形態では、第1の部分のアスピリンは、少なくとも約40mgである。いくつかの実施形態では、第1の部分のアスピリンは、少なくとも約80mg、160mg、240mgまたは320mgである。
一実施形態では、アスピリンは、口腔内で崩壊または溶解することが第1の部分よりもかなり困難であるが、対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能であるNMDA受容体アンタゴニストの第2の部分に添加される。いくつかの実施形態では、第2の部分のアスピリンは、少なくとも約40mgである。いくつかの実施形態では、第2の部分のアスピリンは、少なくとも約80mg、160mg、240mgまたは320mgである。
本発明の別の態様は、開示された組成物を調製するプロセスを提供する。いくつかの実施形態では、このプロセスは、第1の部分および第2の部分を形成することと、第1および第2の部分を圧縮して、二重層または2つの半分(two-halves)の圧縮された固体経口剤形を形成することを含む。各部分の調製を以下でさらに説明する。
1.口腔内放出のためのNMDA受容体アンタゴニストの第1の部分
口腔内放出に適した組成物を調製する方法は、当技術分野で公知である。一態様では、第1の部分は、フィルムコーティング剤、賦形剤、結合剤、滑沢剤、または可塑剤をさらに含む。
一態様では、第1の部分は約10分以内に口腔内で崩壊または溶解する。他の態様では、第1の部分は、約9分、または約8、または約7、または約6、または約5、または約4、または約3または約2分、またはあるいは約60秒、または約50、または約40、または約30、または約20、または約10、または約5秒以内に口腔内で崩壊または溶解する。
いくつかの態様では、第1の部分は咀嚼可能である。いくつかの態様では、第1の部分は、成形された粉砕物(triturate)の形態である。
一態様では、第1の部分は、NMDA受容体アンタゴニストの経口または頬側吸収を促進する薬剤をさらに含む。そのような薬剤の非限定的な例としては、胆汁酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、リサルビン酸、サリチル酸、5-メトキシサリチル酸、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)およびホモバニリン酸ならびにそれらのナトリウム塩が挙げられる。1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ナフトレソルシル酸(naphthoresorcyclic acid)、フェルラ酸、コーヒー酸、レソルシル酸、ゲンチシン酸などの他のヒドロキシアリール酸も同様の効果を有する。
ヒドロキシアリールまたはヒドロキシアラルキル酸またはその塩、アミドまたはエステル誘導体の形態の量は、広範囲にわたって変化し得る。一般に、ヒドロキシアリールまたはヒドロキシアラルキル酸またはその塩、アミドまたはエステルの同一性および量は、血流への薬物の吸収速度を高めるのに有効であるように、薬物に関連して使用される。
別の態様では、第1の部分は、崩壊剤をさらに含む。崩壊剤(disntegrant)の非限定的な例としては、クロスポビドン、結晶セルロース、低置換度のヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、トウモロコシデンプン、米デンプン、部分的にアルファ化されたデンプン、およびヒドロキシプロピルデンプンが挙げられる。これらの1種または2種またはそれより多くを一緒に使用することができる。崩壊剤によるコーティングも圧縮成形性の向上に寄与する。
2.GI放出のためのNMDA受容体アンタゴニストの第2の部分および必要に応じてアスピリンの第3の部分
組成物の第2および第3の部分は、GI吸収に適した典型的な経口剤形について当分野で公知の方法を用いて調製することができる。第1の部分と同様に、第2の部分もフィルムコーティング剤、賦形剤、結合剤、滑沢剤、または可塑剤をさらに含むことができる。
第2の部分は、第1の部分と比較して、口腔内で崩壊または溶解することがかなり困難である。これは、化学的または物理的に達成することができる。例えば、第2の部分は、物理的に硬くすることができる。一態様では、第2の部分は圧縮される。別の態様では、第2の部分は、少なくとも約10キロパスカル(kp)、またはあるいは約11、または12、または13、または14、または15、または20、または25または30または40または50kpの硬度を有する。
硬度は、当技術分野で一般的に使用される手段によって、例えば、医薬剤形の硬度を評価するために日常的に使用される市販の硬度試験機を使用して評価することができる。
いくつかの態様では、第2の部分は、第1の部分に存在しない薬学的に許容され得る香味剤をさらに含む。香味剤は、患者のコンプライアンスを高めるために、この部分を噛んではならず、嚥下する必要があることを患者に警告する香味を提供する。
一態様では、第2の部分のNMDA受容体アンタゴニストは、全NMDA受容体アンタゴニストの少なくとも約10%を構成する。あるいは、第2の部分のNMDA受容体アンタゴニストは、全NMDA受容体アンタゴニストの少なくとも約20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%を構成する。しかし、いくつかの態様では、第2の部分のNMDA受容体アンタゴニストは、全NMDA受容体アンタゴニストの約20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%未満であり得る。特定の態様では、第2の部分のNMDA受容体アンタゴニストは、全NMDA受容体アンタゴニストの約40%~約60%、またはあるいは約45%~約55%を構成する。一態様では、第1の部分と第2の部分との間のNMDA受容体アンタゴニストの比は、約1:1である。あるいは、この比は、少なくとも約1:4、または1:3、または1:2または1:1.5であるか、あるいは約4:1、3:1、2:1または1.5:1以下である。
本開示の医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の形態であり得る。錠剤の形態である場合、第2の部分は、一態様では、第1の部分内に封入されているか、またはあるいは部分的に露出している。
組成物が錠剤の形態である場合、錠剤は、外側部分および内側(inter)部分を含むことができ、外側部分は第1の部分を含み、内側部分は第2の部分および、必要に応じて第3の部分を含む。
一態様では、外側部分は、対象の口腔内で溶解し、対象の口腔粘膜を横切って第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストを放出するように製剤化される。一態様では、内側部分は外側部分よりも硬く、対象の胃、腸、または胃腸管のさらに遠位で溶解するように製剤化される。
一態様では、内側部分は、対象の舌によって認識可能なテクスチャを表面に含む。別の態様では、外側部分は、水溶性の糖または糖代替物を含む。別の態様では、外側部分は、外側部分での液体、粉末またはゲルの封入を可能にする薄いシェルで囲まれている。
一態様では、外側部分(outer potion)は、風味付けされているか、または甘味が付けられている。一態様では、錠剤は、外側部分と内側部分との間に中間層をさらに含む。一態様では、中間層は腸溶コーティングを含む。一態様では、内側部分は、噛む衝撃を吸収し、歯を破壊しないように製剤化されている。別の態様では、錠剤は、口内で分解するケタミンの層を含むが、この層は、口内で完全に分解せず、完全な粒子のままである粒子をその中に有し、その結果、部分的な口腔内放出があり、粒子が飲み込まれるときに部分的な胃腸放出がある。
上記の実施形態の医薬組成物は、有効量のアスピリンを含む第3の部分をさらに含むことができる。一態様では、第3の部分は制御放出の形態である。別の態様では、第3の部分は腸溶コーティングをさらに含む。さらに別の態様では、第3の部分は、第1の部分または第2の部分に囲まれている。
3.NMDA受容体アンタゴニストとGRIN2Aモジュレーターの組合せ
本開示の別の発見は、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)の特定の望ましい効果、例えば疼痛軽減、うつ病の抑制、疲労の軽減が、アスピリンとの共投与によってさらに増強され得ることである。アスピリンまたは別のGRIN2Aモジュレーターの共投与はまた、NMDA受容体アンタゴニストの鎮静作用および嗜癖の潜在性をはじめとする、NMDA受容体アンタゴニストの望ましくない作用の低減にも関連している。
本開示の一実施形態によれば、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)およびグルタミン酸イオンチャネル型受容体NMDA型サブユニット2A(GRIN2A)モジュレーターを含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーターはアクチベーターである。非限定的な例としては、アスピリン、ニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびGQ1bが挙げられる。
いくつかの実施形態では、組成物中のNMDA受容体アンタゴニストは、2つの部分として提供され、第1の部分は、第1の量のNMDA受容体アンタゴニストを含み、第2の部分は、第2の量のNMDA受容体アンタゴニストを含み、対象への経口投与の際に、第1の部分は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストを迅速に放出し、第2の部分は第1の部分よりも口腔内で崩壊または溶解するのがかなり困難であるが、対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能である。
いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーターは、NMDA受容体アンタゴニストの第1の部分とともに製剤化される。いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーターは、NMDA受容体アンタゴニストの第2の部分とともに製剤化される。いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーターは、NMDA受容体アンタゴニストの第1の部分および第2の部分のそれぞれとともに製剤化される。
別の実施形態では、本開示は、NMDA受容体アンタゴニストとアスピリンとを含む医薬組成物を提供する。NMDA受容体アンタゴニストとアスピリンのいずれかまたは両方は、全体を通して記載されるように、口腔内投与および経口投与の両方のために製剤化することができる。
いくつかの実施形態では、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミンまたはその代謝産物もしくは類似体)は、NMDA受容体アンタゴニストの通常用量(例えば、100~400mg)よりも低い量、例えば限定されないが、約20mg~約300mgである。一態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストの量は、少なくとも約20mg、または少なくとも約30mg、40mg、50mg、または100mgである。別の態様では、第1の部分のNMDA受容体アンタゴニストの量は、約50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mgまたは300mg以下である。
いくつかの実施形態では、組成物は、アスピリンの2つの部分を含み、第1の部分は第1の量のアスピリンを含有し、第2の部分は第2の量のアスピリンを含有する。対象に経口投与すると、第1の部分は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のアスピリンを迅速に放出し、第2の部分は第1の部分よりも口腔内で崩壊または溶解するのがかなり困難であるが、対象の消化管路で摂取可能かつ放出可能である。
4.組成物への追加の添加剤
さらに別の態様では、第1の部分および第2の部分のいずれかまたは両方は、賦形剤、滑沢剤、pH調整剤、矯味剤、甘味剤、酸性化剤、冷却剤、発泡剤、保存剤、流動化剤、酸化防止剤、着色剤、安定剤、界面活性剤、緩衝剤、香味剤、結合剤または薬物可溶化剤をさらに含む。当業者であれば、これらの添加剤の具体例を直ちに列挙することができる。
医薬品に用いられる賦形剤としては、制限なく使用することができるが、本発明の錠剤に用いられる賦形剤としては、例えば、エリスリトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチトール、パラチニット、パラチノース、マルチトール、マルトース、トレハロース、ラクトース、スクロース、グルコース、オリゴ糖、フルクトース、マルトース等の糖類を挙げることができる。1種または2種またはそれより多くのこれらの賦形剤を使用することができる。
組成物の様々な実施形態は、薬学的に許容され得る結合剤(接着剤)を含み得る。結合剤は、粒子間結合によって粉末材料に粘着特性を付与する剤である。適した結合剤の例としては、セルロースおよび架橋ポリビニルピロリドン、マトリックス結合剤(乾燥デンプン、乾燥糖)、フィルム結合剤(ポリビニルピロリドン(PVP)、デンプンペースト、セルロース、ベントナイト、スクロース)、ならびに化学結合剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの高分子セルロース誘導体;糖シロップ;コーンシロップ;アカシア、トラガカント、グアーおよびアルギネートなどの水溶性多糖類;ゼラチン;ゼラチン加水分解物;寒天;スクロース;デキストロース;および非セルロース系結合剤、例えばポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(PEG)、ビニルピロリドン共重合体、アルファ化デンプン、ソルビトール、グルコース、微結晶性セルロース、例えばFMC BioPolymer’s Avicel(登録商標)PH101およびAvicel(登録商標)PH102、ならびにケイ化微結晶セルロース、例えばPenwest Pharmaceutical’s ProSolv SMCC商標)が挙げられる。特定の実施形態では、結合剤は、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される。結合剤は、剤形の任意の部分、例えば、第1および第2の層のいずれかまたは両方の顆粒内部分および/または顆粒外部分に含まれていてよい。
いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容され得る希釈剤または増量剤をさらに含む。薬学的に許容され得る希釈剤としては、限定されないが、ラクトース(例えばラクトース一水和物、ラクトース無水物、およびDMV International’s Pharmatose(登録商標)DCL21結晶性アルファ一水和物粉砕ラクトース)、マンニトール、タルク、ステアリン酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸、噴霧乾燥ラクトース、デンプン、加水分解デンプン、直接圧縮可能なデンプン、微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)PH101およびAvicel(登録商標)PH102など)、セルロース、ソルビトール、スクロース、グルコース、スクロース系材料、糖類、硫酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム(Emcompress(登録商標)など)およびデキストロース、および/または前述のいずれかの混合物が挙げられる。特定の実施形態では、希釈剤は、微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール、リン酸二カルシウム、デキストロース、圧縮糖、および微結晶セルロースを含む噴霧乾燥ラクトースからなる群から選択される。希釈剤は、剤形の任意の部分、例えば、第1および第2の層のいずれかまたは両方の顆粒内部分および/または顆粒外部分に含まれていてよい(may be may be included in)。
いくつかの実施形態では、組成物はステアリン酸マグネシウムを含む。特定の実施形態では、ステアリン酸マグネシウムは、層の総重量に基づいて、約0.5%~2% w/wの範囲で存在する。
いくつかの実施形態では、希釈剤は、微結晶セルロースまたはマイクロラック(microlac)(微結晶セルロースを含む噴霧乾燥ラクトース)である。特定の実施形態では、微結晶性セルロースまたはマイクロラックは、層の総重量に基づいて、約20%~60% w/wの範囲で存在する。
本発明の様々な実施形態は、薬学的に許容され得る付着防止剤(固着防止剤、流動化剤、流動促進剤、滑沢剤)、例えばタルク、Aerosil(登録商標)200などのコロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ(Carbosil、Aerosil)、微粒子化シリカ(Syloid No.FP 244、Grace U.S.A.)、ポリエチレングリコール、界面活性剤、ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ステアリン酸誘導体、ステアリン酸カルシウム、シリカゲル、デンプン、硬化植物油、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ロイシン、PEG-4000、およびラウリル硫酸マグネシウムを含むことができる。特定の実施形態では、付着防止剤は、流動化剤および滑沢剤から選択される。適した流動化剤には、限定されないが、コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標))、三ケイ酸マグネシウム、タルク、および第三リン酸カルシウムが含まれる。適した滑沢剤には、限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、およびタルクが含まれる。付着防止剤は、剤形の任意の部分、例えば、第1および第2の層のいずれかまたは両方の顆粒内部分および/または顆粒外部分に含まれていてよい。特定の実施形態では、付着防止剤は、第1の層の顆粒外部分および/または第2の層の顆粒外部分に含まれる。
いくつかの実施形態では、流動化剤はタルクである。特定の実施形態では、タルクは、各層の総重量に基づいて、約1%~7% w/wの範囲で存在する。
C.治療方法
治療方法も提供される。一態様では、改善された有効性またはバイオアベイラビリティを有するケタミンを対象に投与する方法であって、対象に(a)第1の量のケタミンを含む第1の組成物および(b)第2の量のケタミンを含む第2の組成物を投与することを含み、第1の組成物は口腔内で崩壊または溶解して、第1の部分のケタミンを迅速に放出し、第2の組成物は対象の消化管路で摂取および放出される方法も提供される。
一態様では、第1の組成物のケタミンは、通常用量のケタミン(例えば、10~400mg)よりも低い量、例えば限定されないが、約10mg~約300mgである。一態様では、第1の組成物のケタミンの量は、少なくとも約10mg、または少なくとも約20mg、30mg、40mg、50mg、または100mgである。別の態様では、第1の組成物のケタミンの量は、約50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mgまたは300mg以下である。一態様では、第2の組成物中のケタミンは、通常用量のケタミン(例えば、100~400mg)よりも低い量、例えば限定されないが、約10mg~約300mgである。一態様では、第1の組成物のケタミンの量は、少なくとも約10mg、または少なくとも約20mg、30mg、40mg、50mg、または100mgである。別の態様では、第1の組成物のケタミンの量は、約50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mgまたは300mg以下である。
一態様では第1の組成物のケタミンは、治療有効量の少なくとも約10%、または20%、または30%、または40%、または50%(of 50%)、または60%、または70%、または80%、または90%である。一態様では第1の組成物のケタミンは、治療有効量の多くて約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%である。一態様では第2の組成物のケタミンは、治療有効量の少なくとも約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%である。一態様では第2の組成物のケタミンは、治療有効量の多くて約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%である。
一態様では、ケタミンの第1の組成物は、投与される全ケタミンの少なくとも約10%を構成する。あるいは、ケタミンの第1の組成物は、全ケタミンの少なくとも約20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%を構成する。しかし、いくつかの態様では、ケタミンの第1の組成物は、全ケタミンの約20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%未満であり得る。特定の態様では、第1の組成物は、全ケタミンの約40%~約60%、またはあるいは約45%~約55%を構成する。
一態様では、投与されるケタミンの総量は、約50mg、または60mg、または70mg、または80mg、または90mg、または100mg、または120mg、または140mg、または150mg、または160mg、または165mg、または170mg、または180mg、または190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、または300mg未満である。別の態様では、投与されるケタミンの総量は、約10mg、20mg、または30mg、または40g、または50mg、または60mg、または70mg、または80mg、または90mg、または100mg、または110mg、または120mg、または130mg、または140mg、または150mgよりも多い。
一実施形態では、患者の急性疼痛を処置するための方法であって、有効量のケタミンを患者に経口投与することを含む方法も提供される。
有効量は、少なくとも0.1mg/kg、または少なくとも0.2mg/kg、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95または1mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、有効量は、2mg/kg以下、または1.9mg/kg、1.85、1.8、1.75、1.7、1.65、1.6、1.55、1.5、1.45、1.4、1.35、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、または0.5mg/kg以下である。いくつかの実施形態では、有効量は、0.3mg/kg~0.8mg/kg、好ましくは0.4mg/kg~0.6mg/kg、より好ましくは0.5mg/kgである。
また、一実施形態では、有効量のケタミンを患者に経口投与することを含む、患者の慢性頭痛の急性増悪を処置するための方法も提供される。
有効量は、少なくとも0.1mg/kg、または少なくとも0.2mg/kg、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95または1mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、有効量は、2mg/kg以下、または1.9mg/kg、1.85、1.8、1.75、1.7、1.65、1.6、1.55、1.5、1.45、1.4、1.35、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、または0.5mg/kg以下である。いくつかの実施形態では、有効量は、0.5mg/kg~1.5mg/kg、好ましくは0.7mg/kg~1mg/kg、より好ましくは0.85mg/kgである。
また、一実施形態では、有効量のケタミンを患者に経口投与することを含む、患者のうつ病を処置するための方法も提供される。
有効量は、少なくとも0.1mg/kg、または少なくとも0.2mg/kg、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95または1mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、有効量は、2mg/kg以下、または1.9mg/kg、1.85、1.8、1.75、1.7、1.65、1.6、1.55、1.5、1.45、1.4、1.35、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、または0.5mg/kg以下である。いくつかの実施形態では、有効量は、0.75mg/kg~1.75mg/kg、好ましくは1mg/kg~1.5mg/kg、より好ましくは1.2mg/kgである。
また、一実施形態では、有効量のケタミンを患者に経口投与することを含む、患者のカンナビノイド悪阻症候群の増悪を処置するための方法も提供される。
有効量は、少なくとも0.1mg/kg、または少なくとも0.2mg/kg、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95または1mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、有効量は、2mg/kg以下、または1.9mg/kg、1.85、1.8、1.75、1.7、1.65、1.6、1.55、1.5、1.45、1.4、1.35、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、または0.5mg/kg以下である。いくつかの実施形態では、有効量は、0.2mg/kg~1mg/kg、好ましくは0.2mg/kg~0.6mg/kg、より好ましくは0.4mg/kgである。GRIN2Aモジュレーター、例えばアスピリンの添加は、ケタミンのバイオアベイラビリティおよび/または有効性をさらに高めることができるとさらに想定される。本開示の一実施形態によれば、有効性もしくはバイオアベイラビリティを改善して、または副作用を低減して対象にケタミンを投与する方法であって、対象にケタミンおよびグルタミン酸イオンチャネル型受容体NMDA型サブユニット2A(GRIN2A)モジュレーターを投与することを含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーターはアクチベーターである。非限定的な例としては、アスピリン、ニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびGQ1bが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ケタミンは、2つの部分または2つの組成物として提供され、第1の部分/組成物は第1の量のケタミンを含み、第2の部分/組成物は第2の量のケタミンを含み、対象への経口投与の際に、第1の部分/組成物は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のケタミンを迅速に放出し、第2の部分/組成物は第1の部分よりも口腔内で崩壊または溶解するのがかなり困難であるが、対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能である。
いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーターは、口腔内に吸収される。いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーターは、GI路に吸収される。いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーターは、部分的に口腔内に吸収され、部分的にGI路に吸収される。
いくつかの実施形態では、GRIN2Aモジュレーター(GRIN2A modular)はアスピリンである。一実施形態では、アスピリンは、口腔内で崩壊または溶解して、第1の組成物のケタミンを迅速に放出する様式で投与される。いくつかの実施形態では、そのように投与されるアスピリンは、少なくとも約40mgである。いくつかの実施形態では、アスピリンは、少なくとも約80mg、160mg、240mgまたは320mgである。
一実施形態では、アスピリンは、口腔内で崩壊または溶解することが第1の組成物よりもかなり困難であるが、対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能であるように投与される。いくつかの実施形態では、そのように投与されるアスピリンは、少なくとも約40mgである。いくつかの実施形態では、そのように投与されるアスピリンは、少なくとも約80mg、160mg、240mgまたは320mgである。
また、ケタミンの一部が口腔内で溶解され、残りがGI路で放出される場合、ケタミンの単一の組成物を使用して所望の効果を達成することもできると想定される。そのようなケタミンの組成物は、上に開示されるように、アスピリンと組み合わせることができる。
したがって、治療有効量のケタミンを対象に投与することを含む、疾患または状態を処置する必要のある対象にケタミンを投与する方法であって、ケタミンの一部は、10分以内に口腔内で崩壊または溶解してその部分のケタミンの迅速な放出を可能にし、残りのケタミンは対象の消化管路で摂取および放出される方法も提供される。
疾患または状態は、限定されないが、疼痛、喘息、またはうつ病であり得る。いくつかの実施形態では、対象は麻酔を必要とする。
いくつかの態様では、ケタミンの第1の組成物または部分は、約9分、または約8、または約7、または約6、または約5、または約4、または約3もしくは約2分、あるいは約60秒、または約50、または約40、または約30、または約20、または約10、または約5秒以内に口腔内で崩壊または溶解する。上記方法のいずれの実施形態においても、本方法は、対象に有効量のアスピリンを投与することをさらに含む。
また、一実施形態では、ケタミンおよびアスピリンを対象に投与することを含む、ケタミンを対象に投与する方法も提供される。
いくつかの実施形態では、アスピリンは、(a)第1の量のアスピリンを含む第1の組成物および(b)第2の量のアスピリンを含む第2の組成物として投与され、第1の組成物は口腔内で崩壊または溶解して、第1の部分のアスピリンを迅速に放出し、第2の組成物は対象の消化管路で摂取および放出される。いくつかの実施形態では、ケタミンは、(a)第1の量のケタミンを含む第1の組成物および(b)第2の量のケタミンを含む第2の組成物として投与され、第1の組成物は口腔内で崩壊または溶解して、第1の部分のケタミンを迅速に放出し、第2の組成物は対象の消化管路で摂取および放出される。
いくつかの実施形態では、ケタミンは、通常用量のケタミン(例えば、10~400mg)よりも低い量、例えば限定されないが、約20mg~約300mgである。一態様では、第1の部分のケタミンの量は、少なくとも約20mg、または少なくとも約30mg、40mg、50mg、または100mgである。別の態様では、第1の部分のケタミンの量は、約50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mgまたは300mg以下である。
ケタミンの投与は、疼痛、喘息、またはうつ病などの特定の疾患または状態を処置するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、対象は麻酔を必要とする。
実施例1.筋骨格系疼痛軽減における二重経路のケタミンおよびアスピリン
この実施例は、急性筋骨格痛で成人救急科(ED)を受診しているED患者の疼痛管理のために、二重経路アスピリン(口腔内アスピリン+経口アスピリン)と同時に投与される二重経路ケタミン(液体口腔内ケタミン+経口ケタミン)の鎮痛の有効性を評価する。
この処置により、疼痛の数値評価尺度(NRS)で少なくとも1.3ポイントの疼痛スコアの変化を伴う鎮痛が得られると想定される。この試験の主要アウトカムは、薬物投与後60分での参加者の疼痛スコアの減少である。
対象:急性の筋骨格有痛状態(外傷性および非外傷性)でEDを受診し、標準的な11ポイント(0~10)の数値評価尺度で5またはそれを超える初期疼痛スコアを有し、処置している主治医が決定した経口鎮痛を必要とする18歳以上の患者。治験責任医師および研究助手は、患者のスクリーニングおよび登録を行う。すべての患者は、治験責任医師が患者登録に対応でき、ED薬剤師が薬物の準備に対応できる日の様々な時間に登録される。
適格基準:急性の筋骨格有痛状態(外傷性および非外傷性)でEDを受診し、初期疼痛スコアが標準的な11ポイント(0~10)の数値評価尺度で5である、18歳以上の患者。患者は覚醒しており、警戒しており、人、場所、時間に関心を向け、インフォームド・コンセントのプロセスと内容を理解していることを示すことができる。また、患者は、経験する可能性のある任意の有害作用の性質を言語化する能力、ならびにその疼痛の重症度をNRSを使用して表現する能力を示す必要もある。
除外基準:異常な精神状態、アスピリンおよびケタミンに対するアレルギー、妊娠中の患者、不安定なバイタルサイン(収縮期血圧<90または>180mmHg、脈拍数<50または>150拍/分、および呼吸数<10または>30呼吸/分)、同意を提供できない、EDに到着して6時間以内のアスピリンまたはNSAIDの摂取、活動性PUD、GI出血の病歴、腎機能不全および肝機能不全の病歴、アルコールまたは薬物乱用の既往歴、または統合失調症を有する患者。
デザイン:これは、急性の筋骨格有痛状態でマイモニデス・メディカル・センターのEDを受診している成人患者における二重経路ケタミンの鎮痛の有効性と安全性を評価する前向き観察パイロット試験(pilot trail)である。適格基準を満たすと、患者は研究への参加が提案される。
データ収集手順:各患者は、処置する救急医によって評価されて試験の適格基準を満たすと判断された後に、書面によるインフォームド・コンセントおよび医療保険の携行性と責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act)の認可を取得するために治験責任医師から打診を受けることになる。英語が参加者の主要言語ではない場合、言語に応じた同意書が使用され、治験責任医師ではない、病院で雇用された、訓練された通訳者または資格をもつ電話通訳者がインフォームド・コンセントの取得を支援する。ベースライン疼痛スコアは、患者に「痛みなし」が0、「想像できる最悪の痛み」が10であると説明される、11ポイントの数値評価尺度(0から10)で決定される。治験責任医師は、患者の体重およびベースラインのバイタルサインを記録する。
担当ED薬剤師は、非経口使用のための処方集を使用することによってケタミンの経口用量を調製する。ケタミンの経口投与レジメンは0.5mg/kgであり、これを注射器または投薬カップに入れ、甘味料(Ora-sweet(登録商標))を添加してケタミンの不快な味を相殺する。アスピリンについての総用量は、治験依頼者が指定する325mgである。研究員は、両方の薬物(二重経路アスピリンおよび二重経路ケタミン)を患者の看護師に届ける。治験責任医師は、15、30、60、90、および120分に疼痛スコアおよび有害作用を記録する。患者が5またはそれを超える疼痛の数値評価尺度のスコアを報告し、さらなる疼痛緩和を要求した場合、7.5mgの経口即時放出モルヒネ錠剤が投与される。
患者の性別、人口統計、病歴、およびバイタルサインを含むすべてのデータは、データ収集シートに記録され、研究マネージャによってSPSS(バージョン24.0;IBM Corp)に入力される。あらゆるデータ収集とは独立して作業する統計専門家が統計分析を行う。
患者は、治験責任医師によって全試験期間(最大120分)中に有害作用について綿密に監視される。経口ケタミンに関連する一般的な有害作用は、非現実感(felling of unreality)、めまい、悪心、嘔吐および鎮静である。二重経路アスピリンに関連する一般的な有害作用は、悪心、消化不良、上腹部不快感である。
データ分析:データ分析には、様々な間隔で疼痛スコアの差を評価するための頻度分布および独立サンプルt検定が含まれる。混合モデル線形回帰を使用して、複数の時点にわたる数値評価尺度で疼痛の変化を比較する。
カテゴリーアウトカム(例えば、疼痛の完全な解消)については、Xまたはフィッシャーの正確確率検定を使用して、60分でのアウトカムを比較する。EDにおける急性疼痛の言語によって行われた評価尺度の検証ならびに言語的および視覚的な疼痛尺度の比較に基づいて、本実施例は、60分の疼痛評価での3つの群間の臨床的に意味のある最小差1.3からなる主要アウトカムを使用する。
サンプルサイズ:ベースラインから60分までの疼痛スコアの変化における臨床的に意味のある最小差を1.3と仮定し、標準偏差3.0、片側97.5%信頼区間を考慮すると、この実施例では、このパイロット試験に21人の対象が必要となる。この実施例では、追跡調査の損失を考慮して25人の患者を登録する。
予想されるアウトカム:主要アウトカムには、ベースラインから60分の時点での疼痛の数値評価尺度(NRS)の疼痛スコアの減少が含まれる。副次アウトカムには、レスキュー鎮痛の必要性および90分までの有害率が含まれる。SDKの特有の有害作用に関して、本実施例は、解離性麻酔薬の副作用評価尺度(SERSDA)およびリッチモンド興奮鎮静尺度(Richmond Agitation Sedation Scale)(RASS)を使用する。SERSDA尺度には、疲労、めまい、悪心、頭痛、非現実感、聴力の変化、気分の変化、一般的な不快感、および幻覚が含まれ、それぞれの重症度は患者が5段階尺度で評点をつけ、「0」は有害作用がないことを表し、「4」は非常に厄介な副作用を表す。RASSは、興奮および/または鎮静の重症度を、「-4」(深い鎮静)から「0」(覚醒、穏やか)、そして「+4](攻撃的)までの範囲のスコアで9段階尺度に従って評価する。
有害事象:めまい、悪心、嘔吐、興奮および/または鎮静、衰弱または疲労、非現実感、上腹部痛、消化不良。
SAE報告:介入を必要とするあらゆる重篤な有害事象は、研究スタッフによって発見から24時間以内にIRBに報告される。それほど重篤でない有害事象は発見から1週間以内に報告される。受けている処置および薬物には既知の予想されるアウトカムおよび副作用があり、これらは標準治療と同じリスク/副作用であり、重篤で介入が必要な場合は報告される。
予定表:試験全体(開始から最後の患者の補充まで)は12ヶ月間続く。研究チームは、各患者の疼痛スコアおよび有害事象を監視および記録する。研究チーム、薬剤師、および研究管理者は、重篤な有害事象が発生した場合に直ちに認識および/または通知される。医師および看護師のEDチームが患者を適切に処置し、その後、有害作用報告がIRBに提出される。
実施例2.ケタミン/アスピリンとケタミン単独との比較
この実施例は、無作為化二重盲検臨床試験において、急性筋骨格痛でEDを受診している成人患者において、二重経路ケタミン(経口+口腔内)と経口ケタミン単独+経口アスピリン単独とを比較する。
ケタミンの経口製剤は市販されていない。非経口製剤は、注射用バイアルを使用することによって経口溶液として投与される。0.5mg/kgの単回経口投与後の血漿濃度時間曲線下面積(AUC)として定義されるケタミンの経口バイオアベイラビリティは、静脈内注射後のアベイラビリティの約5分の1である。ケタミン未経験の患者では、ケタミンの経口投与を、0.5mg/kgケタミンラセミ混合物または0.25mg/kg S-ケタミンの単回投与で開始して、疼痛緩和に対する効果および効果の持続期間を評価することができる。
用量は、有効性および有害作用に応じてそれぞれ0.5または0.25mg/kgの段階で増加させることができる。臨床試験で見出された毎日3~4回の平均投与頻度は、ケタミン(2~3時間)およびノルケタミン(4時間)の***半減期とよく一致している。等効力用量での非経口投与から経口投与への変換は複雑であり、バイオアベイラビリティの低下のみに基づいているわけではない。症例報告で使用された皮下から経口ケタミンへの変換率の中央値は1:1であった。
この治験の主要アウトカムは、薬物投与後60分での参加者の疼痛スコアの相対的減少である。
Figure 2024502598000001
対象:急性の筋骨格有痛状態(外傷性および非外傷性)でEDを受診し、標準的な11ポイント(0~10)の数値評価尺度で5またはそれを超える初期疼痛スコアを有し、処置している主治医が決定した経口鎮痛を必要とする18歳以上の患者。患者のスクリーニングと登録は、治験責任医師と研究助手が行う。すべての患者は、治験責任医師が患者登録に対応でき、ED薬剤師が薬物の準備に対応できる日の様々な時間に登録される。
適格基準:急性の筋骨格有痛状態(外傷性および非外傷性)でEDを受診し、初期疼痛スコアが標準的な11ポイント(0~10)の数値評価尺度で5である、18歳以上の患者。患者は覚醒しており、警戒しており、人、場所、時間に関心を向け、インフォームド・コンセントのプロセスと内容を理解していることを示すことができなければならない。また、患者は、経験する可能性のある任意の有害作用の性質を言語化する能力、ならびにその疼痛の重症度をNRSを使用して表現する能力を示す必要もある。
除外基準:異常な精神状態、アスピリンおよびケタミンに対するアレルギー、妊娠中の患者、不安定なバイタルサイン(収縮期血圧<90または>180mmHg、脈拍数<50または>150拍/分、および呼吸数<10または>30呼吸/分)、同意を提供できない、EDに到着して6時間以内のアスピリンまたはNSAIDの摂取、活動性PUD、GI出血の病歴、腎機能不全および肝機能不全の病歴、アルコールまたは薬物乱用の既往歴、または統合失調症を有する患者。
デザイン:これは、急性筋骨格痛でマイモニデス・メディカル・センターのEDを受診している患者における処置の鎮痛の有効性と安全性を比較する前向き無作為化二重盲検試験である。適格基準を満たした場合、患者は、二重経路のアスピリン325mg+経口ケタミン1mg/kgと、経口ケタミン単独1mg/kgの2つの試験アームのうちの1つに無作為化される。
データ収集手順:各患者は、処置する救急医によって評価されて試験の適格基準を満たすと判断された後に、書面によるインフォームド・コンセントおよび医療保険の携行性と責任に関する法律の認可を取得するために治験責任医師から打診を受けることになる。英語が参加者の主要言語ではない場合、言語に応じた同意書が使用され、治験責任医師ではない、病院で雇用された、訓練された通訳者または資格をもつ電話通訳者がインフォームド・コンセントの取得を支援する。ベースライン疼痛スコアは、患者に「痛みなし」が0、「想像できる最悪の痛み」が10であると説明される、11ポイントの数値評価尺度(0から10)で決定される。治験責任医師は、患者の体重およびベースラインのバイタルサインを記録する。患者の性別、人口統計、病歴、およびバイタルサインを含むすべてのデータは、データ収集シートに記録され、研究マネージャによってSPSS(バージョン24.0;IBM Corp)に入力される。すべての参加者の書面による同意取得の確認、および統計分析は、データ収集とは関係なく作業する統計学者(Michael Silver)によって行われる。
担当ED薬剤師は、非経口使用のための注射可能な形態を使用することによってケタミンの経口用量を調製する。担当ED薬剤師は、以下を含有する注射器/投薬カップを準備する:SPSS(バージョン24;IBM Corp、Armonk、NY)で作成され、10人の参加者ごとにブロック無作為化される所定の無作為化リストに従って、コンボ群(Combo):325mgおよび0.5または1mg/kgの経口用量ケタミン;経口ケタミン(OK)群:マッチングプラセボ錠剤および0.5または1mg/kgの経口用量ケタミン。研究員は、薬物を投与する患者の看護師に注射器/投薬カップを届ける。治験責任医師は、30、60、90、および120分の疼痛スコアおよび有害作用を記録する。患者が5またはそれを超える疼痛の数値評価尺度のスコアを報告し、さらなる疼痛緩和を要求した場合、7.5mgの経口即時放出モルヒネ錠剤が投与される。患者は、治験責任医師によって全試験期間(最大120分)中に有害作用について綿密に監視される。OKに関連する一般的な有害作用は、非現実感、めまい、悪心、嘔吐および鎮静である。コンボに関連する一般的な有害作用は、悪心、消化不良、上腹部不快感、胸焼け、めまいである。
データ分析:データ分析には、様々な間隔で疼痛スコアの差を評価するための頻度分布および独立サンプルt検定が含まれる。混合モデル線形回帰を使用して、複数の時点にわたる疼痛の数値評価尺度の変化を比較する。
カテゴリーアウトカム(例えば、疼痛の完全な解消)については、Xまたはフィッシャーの正確確率検定を使用して、60分でのアウトカムを比較する。EDにおける急性疼痛の言語によって行われた評価尺度の検証ならびに言語的および視覚的な疼痛尺度の比較に基づいて、本発明者らは、60分の疼痛評価での2つの群間の臨床的に意味のある最小差2からなる主要アウトカムを使用する。
想定されるアウトカム:主要アウトカムには、ベースラインから60分の時点での疼痛の数値評価尺度(NRS)の疼痛スコアの減少が含まれる。副次アウトカムには、レスキュー鎮痛の必要性および120分までの有害率が含まれる。SDKの特有の有害作用に関しては、本発明者らは、解離性麻酔薬の副作用評価尺度(SERSDA)およびリッチモンド興奮鎮静尺度(RASS)(参考)を使用する。SERSDA尺度には、疲労、めまい、悪心、頭痛、非現実感、聴力の変化、気分の変化、一般的な不快感、および幻覚が含まれ、それぞれの重症度は患者が5段階尺度で評点をつけ、「0」は有害作用がないことを表し、「4」は非常に厄介な副作用を表す。RASSは、興奮および/または鎮静の重症度を、「-4」(深い鎮静)から「0」(覚醒、穏やか)、そして「+4](攻撃的)までの範囲のスコアで9段階尺度に従って評価する。
SAE報告:介入を必要とする重篤な有害事象は、研究スタッフによって発見から24時間以内にIRBに報告される。それほど重篤でない有害事象は発見から1週間以内に報告される。受けている処置および薬物には既知の予想されるアウトカムおよび副作用があり、これらは標準治療と同じリスク/副作用であり、重篤で介入が必要な場合は報告される。
予定表:試験全体(開始から最後の患者の補充まで)は12ヶ月間続く。研究チームは、各患者の疼痛スコアおよび有害事象を監視および記録する。研究チーム、薬剤師、および研究管理者は、重篤な有害事象が発生した場合に直ちに認識および/または通知される。患者は、医師および看護師のEDチームによって適切に処置され、その後、有害作用報告がIRBに提出される。
実施例3.頭痛の管理
この実施例では、無作為化非盲検臨床試験においてEDでの急性頭痛の管理について、二重経路のアスピリンと二重経路のケタミンの組合せをリメゲパント(Nurtec(登録商標)、Biohaven Pharmaceuticals、New Haven、CT)と比較する。
Nurtec(リメゲパント)は、片頭痛の急性処置に有効な経口投与される小分子CGRP受容体アンタゴニストである。NURTEC口腔内崩壊錠の経口投与後、1.5時間でリメゲパントは最大濃度で吸収される。リメゲパントの絶対的経口バイオアベイラビリティは、約64%である。リメゲパントは主にCYP3A4によって代謝され、程度は低いがCYP2C9によっても代謝される。リメゲパントは主に未変化の形態で除去され(用量の約77%)、血漿中に主要代謝産物(すなわち、>10%)は検出されない。最も一般的な有害反応は悪心である(プラセボを投与された患者の0.4%に対して、NURTEC ODTを投与された患者では2%)。呼吸困難および重度の発疹をはじめとする過敏症は、NURTEC ODTで処置された患者の1%未満で発生した。
NURTEC ODT 75mg口腔内崩壊錠は、白色からオフホワイトの円形であり、記号が型押しされており、口腔内崩壊錠8個のブリスターパックが入ったカートンで供給される。各ODTには、75mgのリメゲパントが含まれている。
この実施例は、二重経路のアスピリンと経口ケタミンの組合せを投与することにより、急性頭痛を有するEDの患者において60分および120分での鎮痛の有効性に関して、Nurtecと同様の鎮痛の有効性がもたらされることを企図する。
対象:急性頭痛(1週間以下持続するHAとして定義される)でEDを受診し、標準的な11ポイント(0~10)の数値評価尺度で5またはそれを超える初期疼痛スコアを有し、処置している主治医が決定した経口鎮痛を必要とする18歳以上の患者。患者のスクリーニングと登録は、治験責任医師と研究助手が行う。すべての患者は、治験責任医師が患者登録に対応でき、ED薬剤師が薬物の準備に対応できる日の様々な時間に登録される。
適格基準:急性頭痛(<7日)でEDを受診し、初期疼痛スコアが標準的な11ポイント(0~10)の数値評価尺度で5である、18歳以上の患者。患者は覚醒しており、警戒しており、人、場所、時間に関心を向け、インフォームド・コンセントのプロセスと内容を理解していることを示すことができなければならない。また、患者は、経験する可能性のある任意の有害作用の性質を言語化する能力、ならびにその疼痛の重症度をNRSを使用して表現する能力を示す必要もある。
除外基準:異常な精神状態、アスピリン/ケタミン/リメゲパントに対するアレルギー、妊娠中の患者、不安定なバイタルサイン(収縮期血圧<90または>180mmHg、脈拍数<50または>150拍/分、および呼吸数<10または>30呼吸/分)、同意を提供できない、EDに到着して6時間以内のアスピリン/NSAIDまたはEDに到着して4時間以内のアセトアミノフェンの摂取、活動性PUD、GI出血の病歴、腎機能不全および肝機能不全の病歴、アルコールまたは薬物乱用の既往歴、または統合失調症、ならびに急性の頭蓋内プロセス、急性の感染プロセス、または血管破綻に関する臨床所見を有する患者、妊娠中の患者および授乳中の患者。
デザイン:これは、急性頭痛でマイモニデス・メディカル・センターのEDを受診する成人患者における、二重経路のアスピリンと経口ケタミンの組合せ、およびNurtecの、鎮痛の有効性と安全性を評価および比較する前向き非盲検同等性試験である。適格基準を満たすと、患者は研究への参加が提案される。
データ収集手順:各患者は、処置する救急医によって評価されて試験の適格基準を満たすと判断された後に、書面によるインフォームド・コンセントおよび医療保険の携行性と責任に関する法律の認可を取得するために治験責任医師から打診を受けることになる。英語が参加者の主要言語ではない場合は、言語に応じた同意書が使用され、治験責任医師ではない、病院で雇用された、訓練された通訳者または資格をもつ電話通訳者がインフォームド・コンセントの取得を支援する。ベースライン疼痛スコアは、患者に「痛みなし」が0、「想像できる最悪の痛み」が10であると説明される、11ポイントの数値評価尺度(0から10)で決定される。治験責任医師は、患者の体重およびベースラインのバイタルサインを記録する。患者の性別、人口統計、病歴、およびバイタルサインを含むすべてのデータは、データ収集シートに記録され、研究マネージャによってSPSS(バージョン24.0;IBM Corp)に入力される。すべての参加者の書面による同意取得の確認、および統計分析は、データ収集とは関係なく作業する統計学者(Michael Silver)によって行われる。
試験の設定。担当ED薬剤師は、以下の様式で薬物を調製する:二重経路のアスピリン(325mg)と経口ケタミン(0.85または1mg/kg)の組合せ(コンボ)および治験依頼者により提供されるNurtecを、研究管理者がSPSS(バージョン24.0;IBM Corp、Armonk、NY)によって作成した無作為化リストに従って、投薬カップの中に入れる。経口用量のケタミンは、0.85または1mg/kgの用量で注射可能な形態のケタミンと、(体積で)一致するプラセボ(生理食塩水)を使用することによって調製される。この重量ベースの用量のケタミンおよび生理食塩水プラセボをシリンジに入れ、甘味料を添加してケタミンの苦味を相殺する。コンボ群には、組合せの投薬カップと経口ケタミン注射器が与えられ、Nurtec群には、75mgのリメゲパントを含有するNurtec ODTブリスターを入れた投薬カップと経口プラセボ注射器が与えられる。
研究員は、薬物を投与する患者の看護師に注射器と投薬カップの両方を届ける。治験責任医師は、30、60、90、および120分の疼痛スコアおよび有害作用を記録する。患者が5またはそれを超える疼痛数値評価尺度スコアを報告し、さらなる疼痛緩和を要求した場合、レスキュー鎮痛薬(複数可)および経路は、処置している主治医の裁量で選択される。患者は、治験責任医師によって全試験期間(最大120分)中に有害作用について綿密に監視される。経口ケタミンに関連する一般的な有害作用は、非現実感、めまい、悪心、嘔吐および鎮静である。コンボに関連する一般的な有害作用は、悪心、消化不良、上腹部不快感である。Nurtecに関連する一般的な有害作用としては、悪心が挙げられる。
データ分析:データ分析には、様々な間隔で疼痛スコアの差を評価するための頻度分布および独立サンプルt検定が含まれる。混合モデル線形回帰を使用して、複数の時点にわたる疼痛の数値評価尺度の変化を比較する。カテゴリーアウトカム(例えば、疼痛の完全な解消)については、Xまたはフィッシャーの正確確率検定を使用して、60分および120分でのアウトカムを比較する。EDにおける急性疼痛の言語によって行われた評価尺度の検証ならびに言語的および視覚的な疼痛尺度の比較に基づいて、本発明者らは、60分および120分の疼痛評価での2つの群間の臨床的に意味のある最小差2ポイントからなる主要アウトカムを使用する。
予想されるアウトカム:主要アウトカムには、ベースラインから60分の時点での疼痛の数値評価尺度(NRS)の疼痛スコアの相対的減少が含まれる。副次アウトカムには、レスキュー鎮痛の必要性、有害作用の割合、および120分までの疼痛スコアの変化が含まれる。
SAE報告:介入を必要とする重篤な有害事象は、研究スタッフによって発見から24時間以内にIRBに報告される。それほど重篤でない有害事象は発見から1週間以内に報告される。受けている処置および薬物には既知の予想されるアウトカムおよび副作用があり、これらは標準治療と同じリスク/副作用であり、重篤で介入が必要な場合は報告される。
実施例4.大うつ病性障害の処置における経口抗うつ剤治療の補助剤としての経口VTS-K(VTS-アスピリンと経口ケタミンの組合せ)
この実施例は、うつ病の処置におけるケタミンの使用を試験する。486mgのアスピリン(二重経路の口腔内/経口投与)および1.2mg/kgのケタミン(二重経路の口腔内/経口投与)は経口抗ううつ剤処置の補助剤として、ベースラインから、Montgomery-Åsbergうつ病評価尺度(MADRS)における最初の投与後7日目までのスコアの変化に基づいて、うつ病症状の軽減をもたらすと想定される。
対象:本試験は、DSM-IV-TR基準による精神病性の特徴のない大うつ病性障害と診断され、評価のために精神科クリニックを受診している18歳以上の医学的に安定した(身体検査、病歴、バイタルサインに基づく)成人患者の前向き観察概念実証試験である。患者は、投与前の1日目に、Montgomery-Åsbergうつ病評価尺度(MADRS)で22以上のスコアを有する(to have)。参加者は、試験への登録前に受けていた経口抗うつ剤治療を継続することに同意する必要がある。
適格基準:
診療所に来院時のMADRSスコアが22を超えるTRDを有する成人患者。参加者は、1またはそれを超える非治験抗うつ剤による標準治療処置に同意する必要がある。
参加者は、試験への登録前に受けていた経口抗うつ剤治療を継続することに同意する必要がある。すべての参加者は、インフォームド・コンセントを提供することに(to provide and informed consent)同意しなければならない。
除外基準:
行動する意図のある最近または現在の自殺念慮、行動する意図のある殺人念慮、知的障害、精神病を伴う大うつ病性障害、外傷後ストレス障害、強迫性障害、物質使用障害、***性人格障害、境界型人格障害、または異常な精神状態の精神病性障害の現在または過去の診断、アスピリンおよびケタミンに対するアレルギー、妊娠中の患者、不安定なバイタルサイン(収縮期血圧<90または>180mmHg、脈拍数<50または>150拍/分、および呼吸数<10また>30呼吸/分)、EDに到着して6時間以内のアスピリンまたはNSAIDの摂取、活動性PUD、GI出血の病歴、ならびに腎機能不全および肝機能不全の病歴をもつ成人患者。
デザイン:
本試験は、DSM-IV-TR基準による精神病性の特徴のないTRDと診断され、評価のために精神科クリニックを受診している18歳以上の医学的に安定した(身体検査、病歴、バイタルサインに基づく)成人患者の前向き観察概念実証試験である。適格参加者は、486mgのアスピリン(二重経路の口腔内/経口投与)および1.2mg/kgのケタミン(二重経路の口腔内/経口投与)を経口抗うつ薬処置の補助剤として週に2回、1週間(週の1日目および4日目に)投与される。すべての参加者は、薬物投与を受けた後に外来診療で4時間観察され、彼らのうつ症状は、MADRS尺度およびQIDS-SR尺度(自己記入式簡易抑うつ症状尺度)によって4時間の時点で評価され、VTS=K投与に関連する彼らの有害作用は、臨床医管理解離状態尺度(CADSS)ならびにMOAA/S尺度およびRASS尺度を使用して評価される。
試験の設定
担当の薬剤師は、非経口使用のための注射可能な形態を使用することによってケタミンの経口用量を調製する。担当ED薬剤師は、SPSS(バージョン24;IBM Corp、Armonk、NY)で作成される所定のリストに従って薬剤を含む注射器/投薬カップを準備する。ケタミンを含有する注射器に1mlの経口甘味料溶液を添加する。研究薬剤師は、薬剤を投与する患者の看護師に注射器/投薬カップを届ける。対象は、最初にアスピリンの外層を約30~60秒間吸引し、次いで錠剤を嚥下するように指示される。経口抗うつ薬は、1日目にすべての参加者に対して開始または最適化される。スクリーニング時に最近開始された抗うつ薬を服用している参加者は、試験薬による処置中に同じ投与量で抗うつ薬を継続することができる。治験責任医師は、30分、60分、2時間および4時間の時点でVSおよび有害作用を記録する。患者は、全観察期間中(最大2~4時間)、治験責任医師によって有害作用について綿密に監視される。
有効性評価
研究員および治験責任医師は、1日目および4日目および7日目に、Montgomery-Åsbergうつ病評価尺度(MADRS)を用いてうつ病症状の重症度を評価する(1日目および4日目の場合、これには投与前、投与後40分、120分および240分が含まれる)。患者はまた、Beck自殺念慮尺度を使用してスクリーニングされ、1日目の投与前および投与4時間後と、4日目および7日目の投与前に、Beck絶望感尺度を使用して絶望感をスクリーニングされる。
安全性評価
試験期間中、薬物投与前および薬物投与後1、2、4時間にバイタルサインがチェックされる。有害事象は、試験全体を通して監視される。臨床医管理解離状態尺度(CADSS)は、1日目および4日目の投与前ならびに投与後40分、2時間および4時間に実施する。さらにModified Observer’s Alertness/Sedation Scale(MOAA/S)を使用して、鎮静のレベルを評価する。
経口ケタミンに関連する一般的な有害作用は、非現実感、めまい、悪心、嘔吐、鎮静および解離である。VTS-アスピリンに関連する一般的な有害作用は、悪心、消化不良、上腹部不快感である。
データ収集手順:各患者は、処置する精神科医によって評価されて試験の適格基準を満たすと判断された後に、書面によるインフォームド・コンセントおよび医療保険の携行性と責任に関する法律の認可を取得するために治験責任医師から打診を受けることになる。英語が参加者の主要言語ではない場合は、言語に応じた同意書が使用され、治験責任医師ではない、病院で雇用された、訓練された通訳者または資格をもつ電話通訳者がインフォームド・コンセントの取得を支援する。MADRSによるベースラインうつ病スコアは、治験責任医師によって記録される。患者の性別、人口統計、病歴、およびバイタルサインを含むすべてのデータは、データ収集シートに記録され、研究マネージャによってSPSS(バージョン24.0;IBM Corp)に入力される。すべての参加者の書面による同意取得の確認、および統計分析は、データ収集とは関係なく作業する統計学者によって行われる。
データ分析:データ分析には、ベースラインMADRSスコアを共変量とする反復測定による混合効果モデルが含まれ、処置相互作用による時間を固定効果、患者をランダム効果とする。
予想されるアウトカム:
主要アウトカムには、ベースライン(投与前1日目)および7日目からのMontgomery-Åsbergうつ病評価尺度(MADRS)におけるうつ病症状の変化が含まれる。
副次アウトカムには、ベースライン(1日目および4日目の投与前)および投薬4時間後からのMontgomery-Åsbergうつ病評価尺度(MADRS)におけるうつ病症状の変化が含まれる。
副作用の割合は、臨床医管理解離状態尺度(CADSS)、解離性麻酔薬の副作用評価尺度(SERSDA)、およびModified Observer’s Alertness/Sedation Scale(MOAA/S)を使用して報告される。SERSDA尺度には、疲労、めまい、悪心、頭痛、非現実感、聴力の変化、気分の変化、一般的な不快感、および幻覚が含まれ、それぞれの重症度は患者が5段階尺度で評点をつけ、「0」は有害作用がないことを表し、「4」は非常に厄介な副作用を表す。
SAE報告:介入を必要とする重篤な有害事象は、研究スタッフによって発見から24時間以内にIRBに報告される。それほど重篤でない有害事象は発見から1週間以内に報告される。受けている処置および薬物には既知の予想されるアウトカムおよび副作用があり、これらは標準治療と同じリスク/副作用であり、重篤で介入が必要な場合は報告される。
実施例5.二重ケタミン/アスピリンの治療効果
この実施例は、実施例1で概説した試験の結果を、同じ医療センターにおいて、同じ研究チームおよび同じ統計的手法により、他の薬剤、同じ試験プロトコルおよび疼痛測定尺度を用いた同様の試験から収集されたデータと比較して示す。試験薬剤および投与量を表1に列挙する。
Figure 2024502598000002
各薬剤による急性筋骨格痛を軽減する有効性を、実施例1に記載のように測定した。結果を図1に示す。予想通り、IVモルヒネが最も高い有効性を有し、急性筋骨格痛の5.1ポイントの減少をもたらした。最も効果が低かったのは、経口イブプロフェンであった(2ポイント減少)。IVケタミンおよび鼻腔内(噴霧)ケタミンは両方とも有効であり、経口モルヒネおよびパーコセットと同様の約4ポイントの減少を達成した。
全く意外なことに、二重経路ケタミンおよび二重経路アスピリンは、急性筋骨格痛の3.84ポイントの減少を達成した。上記で説明したように、ケタミンの経口バイオアベイラビリティは、IV注射によるアベイラビリティの約1/5であることが実証されている。ここで、二重経路ケタミン(0.5mg/kg)およびアスピリンの測定された有効性(3.84ポイント)は、IVケタミン(0.3mg/kg)の有効性(3.8ポイント)と同等である。したがって、これらのデータは、0.5mg/kgの二重経路ケタミン(アスピリンを含む)が従来の経口ケタミン1.5mg/kgと同等であることを示唆している。これは、従来の経口ケタミンと比較して有効性が3倍増加している。
ケタミンの典型的な副作用は鎮静であり、これは表2Aに記載されるリッチモンド興奮鎮静尺度(RASS)で測定された。結果は、RASS尺度または表2Bに記載されるMOAA/S尺度(Modified Observer’s Assessment of Alertness/Sedation)のいずれかを使用した公開されている結果と比較される。公開されたデータには、Motov 2017(Motov S.ら、Ann Emerg Med.、2017年8月;70(2):177-184)、Motov 2019(Motov S.ら、Am J Emerg Med、2019年2月;37(2):220-227)、およびSpravato(登録商標)エスケタミン(鼻腔内ケタミン)の薬剤ラベルのものが含まれる。
Figure 2024502598000003

Figure 2024502598000004
結果を、刊行物からの対照データと共に図2に示す。二重経路ケタミンおよびアスピリンを投与された患者のうち、鎮静副作用を有していたのは8%のみであり、中等度以上の鎮静副作用を報告したのはわずか4%であった(RASS≦-3またはMOAA/S≦3)。このような割合は、IVケタミンおよび鼻腔内ケタミンの両方よりもかなり低い。二重経路ケタミンおよびアスピリンがIVおよび鼻腔内ケタミンと同程度に有効であったことを考えると、その鎮静副作用の大幅な減少は本当に驚くべきことであった。
ケタミンの別の一般的な副作用は解離であり、これは表3Aに記載の解離性麻酔薬の副作用評価尺度(SERSDA)尺度で測定した。結果を、SERSDA尺度または表3Bに記載されている臨床医管理解離状態尺度(CADSS)のいずれかを使用した公開されている結果と比較する。公開されたデータには、Motov 2017、Motov 2019、およびSpravato(登録商標)エスケタミン(鼻腔内ケタミン)の薬剤ラベルのデータが含まれる。
Figure 2024502598000005

Figure 2024502598000006
結果を、刊行物からの対照データと共に図3に示す。二重経路のケタミンとアスピリンを投与された患者のうち、何らかの解離副作用があったのは4%のみであり(SERSDA非現実感;CADSS>4ポイント発生)、重大な解離副作用を報告した患者はいなかった(0%)(SERSDA非現実感:厄介+;CADSS>10ポイント発生)。このような割合は、IVケタミンおよび鼻腔内ケタミンの両方よりもかなり低い。二重経路ケタミンおよびアスピリンがIVおよび鼻腔内ケタミンと同程度に有効であったことを考えると、その解離副作用の大幅な減少はやはり本当に驚くべきことであった。
実施例6.さまざまな組み合わせの追加試験
この実施例は、本開示の様々な組成物の疼痛軽減効果および関連する有害作用に関して追加の臨床試験の結果を提供する。
この新たな試験は、同じ部位での実施例5の研究を延長したものであり、同様にERの急性筋骨格痛(例えば、急性背部痛、または手首骨折)を有する患者を対象とした。試験した製剤を以下に記載する。
最初の分析では、骨折のある患者のみから収集されたデータが分析された。これらを、アスピリン/ケタミン(何らかのASA/KET)群(N=11)および二重経路(口腔内および経口)ケタミン(二重経路KET)群(N=4)に分けた。主に、3またはそれを超える任意のSERSDAスコア(すなわち、中等度または重度の「厄介」)として定義される安全性エンドポイントを調べた。図4に示すように、アスピリンとケタミンの両方を投与された患者(何らかのASA/KET)にはいずれも中等度または重度の有害事象は見られなかったが、二重経路ケタミン(二重経路KET)を投与された患者の25%に有害事象が見られた。
アスピリン/ケタミン群を、二重経路アスピリン+二重経路ケタミン(二重経路A/K)アームと、経口アスピリン+経口ケタミン(経口A/K)アームにさらに分けた。この比較では、SERSDA2+のすべての有害事象を調べた。図5に示すように、経口A/Tアームは、二重経路A/Kアームよりも有意に高い(65%多い)SERSDA2+事象を有していた。
2番目の分析では、これも骨折を有する患者のみについて、ASA/KETの任意の組合せ(何らかのASA/KET)を有する患者を、二重経路(口腔内および経口)ケタミン(二重経路KET)を投与された患者と比較した。図6に示すように、ASA/KET組合せの疼痛軽減効果は、二重経路KETアームよりも約36%高かった。ASA/KET群を2つの下位群(すなわち、二重経路A/Kおよび経口アスピリン+経口ケタミン(経口A/K))に分けた場合、両下位群は二重経路ケタミンよりも優れていた(図7)。
3番目の分析では、経口アスピリンおよび経口ケタミンを投与された患者(経口A/K、N=25)を、二重経路A/Kを投与された患者と比較した(N=10)。患者のいずれもSERSDA3+を経験しなかった。SERSDA2+事象の比較を図8に示すが、これは、二重経路A/K患者よりも65%多くのASA/KET患者に有害事象があったことを示している。
疼痛軽減に関して、二重経路A/K患者は、図9に示すように、3.84対2.7と、42%多い疼痛軽減を有した。また、発症までの時間(疼痛軽減の50%)に関して、二重経路A/Kアームは、図10に示すように、23分対60分というはるかに速い疼痛緩和を経験した。
実施例7.製剤の効力および長時間作用効果
この実施例では、ケタミンおよびアスピリンの様々なレジメンが、都市の医療センターの救急科での治験において再び試験された。
試験したレジメンには、経口ケタミン(0.5mg/kg)+経口アスピリン(324mg)(「K1/A1」)、経口ケタミン+口腔内ケタミン(0.5mg/kg組合せ、「K2」)、および二重経路ケタミン(0.5mg/kg組合せ)+二重経路アスピリン(324mg組合せ)(「K2/A2」)が含まれていた。0~10ポイントの尺度で少なくとも5の疼痛スコアをもつ急性疼痛を呈する患者を研究に含めた(患者8名)。疼痛測定、ならびに鎮静および解離尺度の測定は、0、15、30、60、90および120分に行った。
データを、疼痛管理に使用される経口舌下ケタミンであるiX BiopharmaによるWafermine、投与量70mgおよび100mg、ならびにIVケタミンをはじめとする、パブリックドメインにあるケタミンの既存の最良のバージョンと比較した。Wafermineの臨床データは、第2b相FDA試験(患者80~120人)を通して入手可能である。患者集団を最もよく比較するために、Wafermine試験が臼歯抜歯手術後にあったことを考慮して、この実施例は、骨折による急性疼痛を呈した患者を特に分析した(他の潜在的に比較が少ない種類の疼痛、例えば慢性背部痛の急性憎悪は除く)。
Wafermineは現在、最も進歩した「疼痛のための経口ケタミン」と考えられている。しかし、その有効性(図11)は、一般に低く(2ポイント未満の低下)、作用時間が短い。これは、外来で使用する場合に副作用の懸念があることから、使用されるケタミンの量が少ないことに起因すると考えられる。
図11に示すように、K2レジメン(経口ケタミン+口腔内ケタミン)は、Wafermineよりも驚くべき臨床的に有意な改善を示した。その疼痛軽減は、4ポイント(約60分)を超えてピークに達し、研究終了(120分)まで非常に有効なままであった。
興味深いことに、K1/A1レジメンはまた、Wafermineと比較してより強く、より長い疼痛軽減を示した(驚くべきことであり、臨床的に意味のあることである)。その疼痛軽減は、約90分でピークに達し、ほぼ3ポイントの軽減であった(図11)。
K2/A2レジメンは、IVケタミンをはじめとする他のすべてのケタミンレジメンよりも明らかに優れており、IVオピオイドよりも効力が弱いだけであった(図11)。K2/A2は、K2よりもわずかに強い疼痛軽減を示すが(5対4.4)、K2よりも作用が長く、K1/A1と同様である(疼痛軽減のピークは90分で、研究が120分で終了したときに依然として非常に強い疼痛軽減を示した)。IVケタミンは、より強力な疼痛軽減剤であり得る。しかし、その疼痛軽減効果は約5分でピークとなる。さらに、IVケタミンは非常に高い副作用を伴う。
したがって、この実施例は、本開示のケタミンレジメンの有効性をさらに確認する。
* * *
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の方法および組成物に様々な修正および変形を加えることができることは当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にある限り、本発明の修正および変形を包含することが意図される。

Claims (46)

  1. 第1の量のケタミンを含む第1の部分と、第2の量のケタミンを含む第2の部分を含む医薬組成物であって、対象への経口投与の際に、前記第1の部分は口腔内で崩壊または溶解して前記第1の部分の前記ケタミンを迅速に放出し、前記第2の部分は前記第1の部分よりも口腔内で崩壊または溶解するのがかなり困難であるが、前記対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能である、医薬組成物。
  2. 前記第1の部分が、前記組成物のケタミンの総量の少なくとも20%を構成する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記第1の部分が、第1の量のアスピリンをさらに含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記第2の部分が、第2の量のアスピリンをさらに含む、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 錠剤またはカプセル剤の形態の、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記第2の部分が前記第1の部分内に封入されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 前記第1の部分が咀嚼可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 前記第1の部分が成形された粉砕物の形態である、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 前記第2の部分が圧縮されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 前記第2の部分の硬度が、少なくとも約10キロパスカル(kp)である、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. 前記第2の部分が、前記第1の部分に存在しない薬学的に許容され得る香味剤をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. 好ましくは有効性が改善され、有害作用が減少し、または安全域が改善された、ケタミンを対象に投与する方法であって、前記対象に(a)第1の量のケタミンを含む第1の組成物および(b)第2の量のケタミンを含む第2の組成物を投与することを含み、前記第1の組成物は口腔内で崩壊または溶解して第1の部分のケタミンを迅速に放出し、前記第2の組成物は、前記対象の消化管路で摂取および放出される方法。
  13. 前記第1の組成物が、少なくとも約20%の前記治療有効量のケタミンを含み、前記第2の組成物が、少なくとも約20%の前記治療有効量のケタミンを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1の組成物が、第1の量のアスピリンをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記第2の組成物が、第2の量のアスピリンをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. (a)少なくとも約10mgのケタミンを含む外側部分と;
    (b)少なくとも約10mgのケタミンを含む内側部分と
    を含む錠剤であって、
    前記外側部分は、対象の口腔内で溶解して前記対象の口腔粘膜を横切って前記ケタミンを放出するように製剤化されており、前記内側部分は、前記外側部分よりも硬く、前記対象の胃、腸、または胃腸管のさらに遠位で溶解するように製剤化されている、錠剤。
  17. 前記内側部分が、対象の舌によって認識可能なテクスチャを表面に含む、請求項16に記載の錠剤。
  18. 前記外側部分が風味付けされているかまたは甘味付けされている、請求項16または17に記載の錠剤。
  19. 前記外側部分が、水溶性の糖または糖代替物を含む、請求項16から17のいずれか一項に記載の錠剤。
  20. 前記内側部分が腸溶コーティングを含む、請求項16から19のいずれか一項に記載の錠剤。
  21. ケタミンおよびグルタミン酸イオンチャネル型受容体NMDA型サブユニット2A(GRIN2A)モジュレーターを含む医薬組成物。
  22. 前記GRIN2Aモジュレーターが、アスピリン、ニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびGQ1bからなる群から選択される、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 前記GRIN2Aモジュレーターが口腔内または経口投与用に製剤化されている、請求項21に記載の医薬組成物。
  24. 前記GRIN2Aモジュレーターがアスピリンである、請求項21に記載の医薬組成物。
  25. 第1の量の前記アスピリンを含む第1の部分と、第2の量の前記アスピリンを含む第2の部分を含み、対象への経口投与の際に、前記第1の部分は口腔内で崩壊または溶解して前記第1の部分の前記アスピリンを迅速に放出し、前記第2の部分は前記第1の部分よりも口腔内で崩壊または溶解するのがかなり困難であるが、前記対象の消化管路において摂取可能かつ放出可能である、請求項24に記載の医薬組成物。
  26. 対象にケタミンおよびGRIN2Aモジュレーターを投与することを含む、ケタミンを前記対象に投与する方法。
  27. 前記GRIN2Aモジュレーターが、アスピリン、ニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびGQ1bからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記GRIN2Aモジュレーターが口腔内または経口投与用に製剤化されている、請求項26に記載の方法。
  29. 前記GRIN2Aモジュレーターがアスピリンである、請求項26に記載の方法。
  30. 前記アスピリンが、(a)第1の量のアスピリンを含む第1の組成物および(b)第2の量のアスピリンを含む第2の組成物として投与され、前記第1の組成物は口腔内で崩壊または溶解して前記第1の部分の前記アスピリンを迅速に放出し、第2の組成物は、前記対象の消化管路で摂取および放出される、請求項29に記載の方法。
  31. 疼痛緩和の有効性の増強またはケタミンの副作用の低減に使用するためのGRIN2Aモジュレーター。
  32. アスピリン、ニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびGQ1bからなる群から選択される、請求項31に記載の使用のためのGRIN2Aモジュレーター。
  33. 外来使用に許容され得るケタミンの経口製剤。
  34. 患者の急性疼痛を処置するための方法であって、有効量のケタミンを前記患者に経口投与することを含む方法。
  35. 前記有効量が、0.01mg/kg~0.8mg/kg、好ましくは0.1mg/kg~0.6mg/kg、より好ましくは0.5mg/kgである、請求項34に記載の方法。
  36. 有効量のケタミンを前記患者に経口投与することを含む、患者の頭痛を処置するための方法であって、前記頭痛が、必要に応じて急性頭痛、慢性頭痛または慢性頭痛の急性憎悪である、方法。
  37. 前記有効量が、0.5mg/kg~1.5mg/kg、好ましくは0.7mg/kg~1mg/kg、より好ましくは0.85mg/kgである、請求項36に記載の方法。
  38. 患者のうつ病を処置するための方法であって、有効量のケタミンを前記患者に経口投与することを含む方法。
  39. 前記有効量が、0.75mg/kg~1.75mg/kg、好ましくは1mg/kg~1.5mg/kg、より好ましくは1.2mg/kgである、請求項38に記載の方法。
  40. 患者のカンナビノイド悪阻症候群の増悪を処置するための方法であって、有効量のケタミンを前記患者に経口投与することを含む方法。
  41. 前記有効量が、0.2mg/kg~1mg/kg、好ましくは0.2mg/kg~0.6mg/kg、そしてより好ましくは0.4mg/kgである、請求項40に記載の方法。
  42. 前記患者にGRIN2Aモジュレーターを投与することをさらに含む、請求項35~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記GRIN2Aモジュレーターが、アスピリン、ニコチン、プロポフォール、メラトニンおよびGQ1bからなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
  44. 前記GRIN2Aモジュレーターが口腔内または経口投与用に製剤化されている、請求項42に記載の方法。
  45. 前記GRIN2Aモジュレーターがアスピリンである、請求項42に記載の方法。
  46. 前記アスピリンが、(a)第1の量のアスピリンを含む第1の組成物および(b)第2の量のアスピリンを含む第2の組成物として投与され、前記第1の組成物は口腔内で崩壊または溶解して前記第1の部分の前記アスピリンを迅速に放出し、前記第2の組成物は、対象の消化管路で摂取および放出される、請求項45に記載の方法。
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