JP2024095376A - ショベル - Google Patents

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Abstract

【課題】ショベルの動きの安定性を向上させる。【解決手段】一態様に係るショベルは、当該ショベルを駆動させるための油圧回路と、油圧回路に油を供給する油圧ポンプと、油圧回路に接続される構成から検出部が検出した油の圧力の上昇速度に応じて、油圧ポンプから吐出される油の量を調整するように構成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、ショベルに関する。
従来から、油圧ポンプから供給される作動油によって、ショベルの各構成を動作させる油圧回路を備えるショベルが知られている。
ショベルにおいては、油圧ポンプから、油圧回路に作動油を供給することで、各構成を動作させる。油圧回路を用いて各構成の動作を制御するために様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1においては、パワーコントロールに用いられる作動油の吐出量及びネガティブコントロールを実現するための作動油の吐出量のうちいずれか小さい方の吐出量が出力されるように油圧ポンプの制御を行う技術が提案されている。
特許第4843105号
特許文献1に記載されたような従来の技術においては、操作者からの操作等に応じて、油圧回路内を流れる作動油に関する制御が行われる。例えば、操作者からの操作によっては油圧回路内の圧力を上昇させる制御が行われる。油圧回路内の圧力の上昇度合いによっては、例えばアタッチメント等の動きに急加速が生じて、不安定な挙動が生じる可能性がある。
本発明の一態様は、油の圧力が上昇する場合に油の吐出量を調整することで、ショベルの動きの安定性を向上させる技術を提供する。
本発明の一態様に係るショベルは、当該ショベルを駆動させるための油圧回路と、油圧回路に油を供給する油圧ポンプと、油圧回路に接続される構成から検出部が検出した油の圧力の上昇速度に応じて、油圧ポンプから吐出される油の量を調整するように構成されている。
本発明の一態様によれば、ショベルの動きの安定性を向上させる。
図1は、実施形態に係るショベルの側面図である。 図2は、実施形態に係るショベルに搭載される駆動システムの構成例を示す図である。 図3は、実施形態に係る吐出量制御機能を実現するコントローラの構成例を示した図である。 図4は、実施形態に係るサージ圧力制御部における指令値を調停するための構成を示した図である。 図5は、実施形態に係るサージ圧力制御部における、アーム開きアシスト押しのけ容積を算出するための構成を例示した図である。 図6は、実施形態に係るサージ圧力制御部における、旋回アシスト押しのけ容積を算出するための構成を例示した図である。 図7は、実施形態に係るサージ圧力制御部における、高圧時押しのけ容積を算出するための構成を例示した図である。 図8は、ブームの下げ及びアームの開き動作が行われた場合のメインポンプに関する従来の制御を説明した図である。 図9は、ブームの下げ及びアームの開き動作が行われた場合における実施形態に係るサージ圧力制御部が行う制御を説明した図である。 図10は、旋回動作が行われた場合のメインポンプに関する従来の制御を説明した図である。 図11は、旋回動作が行われた場合に実施形態に係るサージ圧力制御部が行う制御を説明した図である。 図12は、掘削アーム閉じリリーフが行われた場合のメインポンプに関する従来の制御を説明した図である。 図13は、掘削アーム閉じリリーフが行われた場合に実施形態に係るサージ圧力制御部が行う制御を説明した図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。また、以下で説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
(作業機械の概要)
本実施形態では、作業機械の一例としてショベルを用いる例について説明するが、ショベルに制限するものではない。建設機械、標準機、応用器、林業機械、又は油圧ショベルをベースとした搬送機械に適用してもよい。
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係る作業機械としての掘削機(ショベル100)について説明する。図1はショベル100の側面図である。図1に示すショベル100の下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。上部旋回体3には作業要素としてのブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端には作業要素としてのアーム5が取り付けられ、アーム5の先端に作業要素及びエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成している。ブーム4は、ブームシリンダ7により駆動され、アーム5は、アームシリンダ8により駆動され、バケット6は、バケットシリンダ9により駆動される。上部旋回体3には、キャビン10が設けられ、且つ、エンジン11等の動力源が搭載されている。
ブームシリンダ7にはブームロッド圧センサS7R及びブームボトム圧センサS7Bが取り付けられている。アームシリンダ8にはアームロッド圧センサS8R及びアームボトム圧センサS8Bが取り付けられている。バケットシリンダ9にはバケットロッド圧センサS9R及びバケットボトム圧センサS9Bが取り付けられている。
ブームロッド圧センサS7R、ブームボトム圧センサS7B、アームロッド圧センサS8R、アームボトム圧センサS8B、バケットロッド圧センサS9R及びバケットボトム圧センサS9Bは、集合的に「シリンダ圧センサ」(検出部の例)とも称される。
ブームロッド圧センサS7Rはブームシリンダ7のロッド側油室の圧力(以下、「ブームロッド圧」とする。)を検出し、ブームボトム圧センサS7Bはブームシリンダ7のボトム側油室の圧力(以下、「ブームボトム圧」とする。)を検出する。
アームロッド圧センサS8Rはアームシリンダ8のロッド側油室の圧力(以下、「アームロッド圧」とする。)を検出し、アームボトム圧センサS8Bはアームシリンダ8のボトム側油室の圧力(以下、「アームボトム圧」とする。)を検出する。
バケットロッド圧センサS9Rはバケットシリンダ9のロッド側油室の圧力(以下、「バケットロッド圧」とする。)を検出し、バケットボトム圧センサS9Bはバケットシリンダ9のボトム側油室の圧力(以下、「バケットボトム圧」とする。)を検出する。
シリンダ圧センサは、検知結果を、コントローラ30(図2参照)に出力する。
図2は、図1のショベル100に搭載される駆動システムの構成例を示す図である。図2では、機械的動力伝達ラインが二重線で示され、作動油ラインが実線で示され、パイロットラインが破線で示され、且つ、電気制御ラインが一点鎖線で示されている。
ショベル100の駆動システムは、主に、エンジン11、ポンプレギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、操作装置26、吐出圧センサ(検出部の例)28、操作センサ29、及びコントローラ30等を含む。本実施形態に係る駆動システムは、メインポンプ14から油路を介して各構成に作動油が供給される油圧回路を含んでいる。
エンジン11は、ショベル100の駆動源の一例である。駆動源は、電動モータ、燃料電池、又は水素エンジン等であってもよい。本実施形態では、エンジン11は、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
メインポンプ14は、油圧ポンプの一例であり、作動油をコントロールバルブユニット17に供給できるように構成されている。本実施形態では、メインポンプ14は、斜板式可変容量型油圧ポンプであり、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rを含む。
ポンプレギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。本実施形態では、ポンプレギュレータ13は、コントローラ30からの指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節してメインポンプ14の吐出量を制御する。ポンプレギュレータ13は、斜板傾転角に関する情報をコントローラ30に対して出力してもよい。具体的には、ポンプレギュレータ13は、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する左ポンプレギュレータ13L、及び、右メインポンプ14Rの吐出量を制御する右ポンプレギュレータ13Rを含む。
パイロットポンプ15は、操作装置26を含む各種油圧機器に作動油を供給するように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。但し、パイロットポンプ15は、省略されてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブユニット17に作動油を供給する機能とは別に、絞り等により作動油の圧力を低下させた後で操作装置26等に作動油を供給する機能を備えていてもよい。
コントロールバルブユニット17は、複数の制御弁を動作可能に収容するように構成されている。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、メインポンプ14が吐出する作動油の流れを制御する複数の制御弁を含む。コントロールバルブユニット17は、それら制御弁を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できるように構成されている。複数の制御弁は、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクT1に流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行用油圧モータ20、及び旋回用油圧モータ21を含む。走行用油圧モータ20は、左走行用油圧モータ20L及び右走行用油圧モータ20Rを含む。
旋回用油圧モータ21は、上部旋回体3を旋回させる油圧モータである。旋回用油圧モータ21のポートに接続される油路21Pは、リリーフ弁24及びチェック弁23を介して油路44に接続されている。具体的には、油路21Pは、左油路21PL及び右油路21PRを含む。リリーフ弁24は、左リリーフ弁24L及び右リリーフ弁24Rを含む。チェック弁23は、左チェック弁23L及び右チェック弁23Rを含む。
左リリーフ弁24Lは、左油路21PLにおける作動油の圧力が所定のリリーフ圧に達した場合に開き、左油路21PLにおける作動油を油路44に排出する。また、右リリーフ弁24Rは、右油路21PRにおける作動油の圧力が所定のリリーフ圧に達した場合に開き、右油路21PRにおける作動油の作動油を油路44に排出する。
左チェック弁23Lは、左油路21PLにおける作動油の圧力が油路44における作動油の圧力より低くなった場合に開き、油路44から左油路21PLに作動油を補給する。右チェック弁23Rは、右油路21PRにおける作動油の圧力が油路44における作動油の圧力より低くなった場合に開き、油路44から右油路21PRに作動油を補給する。この構成により、チェック弁23は、旋回用油圧モータ21の制動時に吸い込み側ポートに作動油を補給できる。
操作装置26は、操作者が油圧アクチュエータの操作のために用いる装置である。本実施形態では、操作装置26は、油圧式であり、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を油圧アクチュエータのそれぞれに対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力であるパイロット圧は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する、操作装置26を構成するレバー又はペダルの操作方向及び操作量に応じた圧力である。但し、操作装置26は電気式であってもよい。
具体的には、操作装置26は、左操作レバー、右操作レバー、左走行レバー、右走行レバー、左走行ペダル、及び右走行ペダル等を含む。左操作レバーは、アーム操作レバー及び旋回操作レバーとして機能する。右操作レバーは、ブーム操作レバー及びバケット操作レバーとして機能する。以下では、左走行レバー、右走行レバー、左走行ペダル、及び右走行ペダルの少なくとも一つは「走行操作装置26D」と称される場合がある。また、左走行レバー及び右走行レバーは「走行レバー」と称される場合があり、左走行ペダル及び右走行ペダルは「走行ペダル」と称される場合がある。また、左走行レバー及び左走行ペダルの少なくとも一つは「左走行操作装置」と称される場合があり、右走行レバー及び右走行ペダルの少なくとも一つは「右走行操作装置」と称される場合がある。
温度センサ27は、作動油タンクT1における作動油の温度を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力するように構成されている。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、左メインポンプ14Lの吐出圧を検出する左吐出圧センサ28L、及び、右メインポンプ14Rの吐出圧を検出する右吐出圧センサ28Rを含む。
操作センサ29は、操作装置26の操作方向及び操作量に応じて変化するパイロット圧を検出し、その検出値をコントローラ30に対して出力する。本実施形態は、パイロット圧を検出する圧力センサに制限するものではなく、操作角センサ、加速度センサ、角速度センサ、レゾルバ、電圧計、又は電流計等、圧力センサ以外の装置を用いて操作内容を検出してもよい。
操作センサ29は、例えば、操作者の操作内容として、左操作レバーに対する前後方向への傾きを、アーム5の開き操作又は閉じ操作として検出できる。具体的には、操作センサ29は、アーム5の開き操作又は閉じ操作に対応する操作量(傾き)として、アーム5の開閉制御を行うためのパイロット圧(以下、アームパイロット圧と称する)を検出する。
また、操作センサ29は、例えば、操作者の操作内容として、左操作レバーに対する左右方向への傾きを、上部旋回体3の左旋回操作又は右旋回操作として検出できる。具体的には、操作センサ29は、上部旋回体3を旋回操作に対応する操作量(傾き)として、上部旋回体3を旋回させるためのパイロット圧(以下、旋回パイロット圧と称する)を検出する。
コントローラ30は、処理回路の一例であり、ショベル100を制御するための制御装置として機能する。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置等を備えたコンピュータで構成されている。
センターバイパス油路40は、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁を通る作動油ラインであり、左センターバイパス油路40L及び右センターバイパス油路40Rを含む。
制御弁170は、走行直進弁としてのスプール弁である。制御弁170は、下部走行体1の直進性を高めるべくメインポンプ14から左走行用油圧モータ20L及び右走行用油圧モータ20Rのそれぞれに作動油が供給されるように作動油の流れを切り換える。具体的には、走行用油圧モータ20と他の何れかの油圧アクチュエータとが同時に操作された場合、左メインポンプ14Lが左走行用油圧モータ20L及び右走行用油圧モータ20Rの双方に作動油を供給できるように制御弁170は切り換えられる。他の油圧アクチュエータが何れも操作されていない場合には、左メインポンプ14Lが左走行用油圧モータ20Lに作動油を供給でき、且つ、右メインポンプ14Rが右走行用油圧モータ20Rに作動油を供給できるように、制御弁170は切り換えられる。
制御弁171は、メインポンプ14が吐出する作動油を走行用油圧モータ20へ供給し、且つ、走行用油圧モータ20が吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。具体的には、制御弁171は、制御弁171L及び制御弁171Rを含む。制御弁171Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行用油圧モータ20Lへ供給し、且つ、左走行用油圧モータ20Lが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換える。制御弁171Rは、左メインポンプ14L又は右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行用油圧モータ20Rへ供給し、且つ、右走行用油圧モータ20Rが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換える。
制御弁172は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をオプションの油圧アクチュエータへ供給し、且つ、オプションの油圧アクチュエータが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。オプションの油圧アクチュエータは、例えば、グラップル開閉シリンダである。
制御弁173は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回用油圧モータ21へ供給し、且つ、旋回用油圧モータ21が吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁174は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するためのスプール弁である。
制御弁175は、メインポンプ14が吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。具体的には、制御弁175は、制御弁175L及び制御弁175Rを含む。制御弁175Lは、ブーム4の上げ操作が行われた場合にのみ作動し、ブーム4の下げ操作が行われた場合には作動しない。
制御弁176は、メインポンプ14が吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。具体的には、制御弁176は、制御弁176L及び制御弁176Rを含む。
本実施形態では、制御弁170~176はパイロット式スプール弁であるが、操作装置26が電気式である場合には、電磁スプール弁であってもよい。
操作装置26としての操作レバーが電気式である場合、レバー操作量は、電気信号としてコントローラ30へ入力される。また、パイロットポンプ15と各制御弁のパイロットポートとの間には電磁弁が配置される。電磁弁は、コントローラ30からの電気信号に応じて動作するように構成される。この構成により、操作レバーを用いた手動操作が行われると、コントローラ30は、レバー操作量に対応する電気信号によって電磁弁を制御してパイロット圧を増減させることで各制御弁を移動させることができる。なお、各制御弁は、上述のように電磁スプール弁で構成されていてもよい。この場合、電磁スプール弁は、電気式の操作レバーのレバー操作量に対応するコントローラ30からの電気信号に応じて動作する。
戻り油路41は、コントロールバルブユニット17内に配置された作動油ラインであり、左戻り油路41L及び右戻り油路41Rを含む。油圧アクチュエータから流出して制御弁171~176を通過した作動油は、戻り油路41を通って作動油タンクT1に向かって流れる。
パラレル油路42は、センターバイパス油路40に並行する作動油ラインである。本実施形態では、パラレル油路42は、左センターバイパス油路40Lに並行する左パラレル油路42L、及び、右センターバイパス油路40Rに並行する右パラレル油路42Rを含む。左パラレル油路42Lは、制御弁171L、172、173、又は175Lによって左センターバイパス油路40Lを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。右パラレル油路42Rは、制御弁171R、174、又は175Rによって右センターバイパス油路40Rを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
ここで、図2の油圧システムで採用されるネガティブコントロールについて説明する。センターバイパス油路40には、最も下流にある制御弁176のそれぞれと作動油タンクT1との間に絞り18が配置されている。メインポンプ14が吐出した作動油の流れは、絞り18で制限される。そして、絞り18は、ポンプレギュレータ13を制御するための制御圧(ネガティブコントロール圧)を発生させる。具体的には、絞り18は、開口面積が固定である固定絞りであり、左絞り18L及び右絞り18Rを含む。絞り18は、開口面積が大きいほど、制御圧の急変に対する安定性を高める傾向を有する。また、絞り18は、開口面積が小さいほど、制御圧の応答性を高める傾向を有する。左メインポンプ14Lが吐出した作動油の流れは、左絞り18Lで制限される。そして、左絞り18Lは、左ポンプレギュレータ13Lを制御するための制御圧を発生させる。同様に、右メインポンプ14Rが吐出した作動油の流れは、右絞り18Rで制限される。そして、右絞り18Rは、右ポンプレギュレータ13Rを制御するための制御圧を発生させる。
制御圧センサ19は、絞り18の上流で発生する制御圧(ネガティブコントロール圧)を検出するセンサであり、左制御圧センサ19L及び右制御圧センサ19Rを含む。本実施形態では、制御圧センサ19は、検出した値をコントローラ30に対して出力するように構成されている。コントローラ30は、制御圧に応じた指令をポンプレギュレータ13に対して出力する。ポンプレギュレータ13は、指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節することによって、メインポンプ14の吐出量を制御する。具体的には、ポンプレギュレータ13は、制御圧が大きいほどメインポンプ14の吐出量を減少させ、制御圧が小さいほどメインポンプ14の吐出量を増加させる。
ネガティブコントロールにより、図2の油圧システムは、油圧アクチュエータが何れも操作されていない場合には、メインポンプ14における無駄なエネルギ消費を抑制できる。無駄なエネルギ消費は、メインポンプ14が吐出する作動油がセンターバイパス油路40で発生させるポンピングロスを含む。油圧アクチュエータが操作されている場合には、メインポンプ14から必要十分な作動油を操作対象の油圧アクチュエータに確実に供給できるようにする。
センターバイパス油路40及び戻り油路41は、絞り18の下流で油路43の合流点に接続される。油路43は、コントロールバルブユニット17の外にある油路45に接続される。すなわち、センターバイパス油路40及び戻り油路41のそれぞれを流れる作動油は油路43で合流した後で油路45を通って作動油タンクT1に至る。また、油路43は、旋回用油圧モータ21の吸い込み側における作動油の不足を補填するための作動油ラインである油路44を介して旋回用油圧モータ21に接続されている。
油路45は、油路43と作動油タンクT1とを接続する作動油ラインである。油路45は、一端が油路43に接続され、他端が作動油タンクT1に接続されている。油路45には、(図示しない)チェック弁、及び(図示しない)オイルクーラが配置されてもよい。例えば、チェック弁が配置された場合、油路43及び油路44における作動油の圧力を開弁圧より高いレベルに維持でき、旋回用油圧モータ21の吸い込み側における作動油の不足を確実に補填できる。
次に、図3を参照し、コントローラ30がメインポンプ14の吐出量を制御する機能(以下、「吐出量制御機能」とする。)の一例について説明する。図3は、吐出量制御機能を実現するコントローラ30の構成例を示した図である。本実施形態では、コントローラ30は、パワー制御部30A、省エネルギ制御部30B、最小値選択部30C、サージ圧力制御部30D、最大値設定部30E、及び電流指令出力部30Fを有する。
パワー制御部30Aは、メインポンプ14の吐出量を制御する機能の1つであるパワーコントロールを実現する制御部であり、メインポンプ14の吐出圧Pdに基づいて吐出量Qの指令値Qdを導き出すように構成されている。吐出量Qは、例えば、メインポンプ14が一回転する際にメインポンプ14が吐出する作動油の量である押しのけ容積である。パワーコントロールは、メインポンプ14の吐出量と吐出圧との積で表される吸収パワーがエンジン11の出力パワー以下となるようにメインポンプ14の吐出量を調整する機能である。本実施形態では、パワー制御部30Aは、吐出圧センサ28が出力する吐出圧Pdを取得する。そして、パワー制御部30Aは、参照テーブルを参照し、取得した吐出圧Pdに対応する指令値Qdを導き出す。参照テーブルは、メインポンプ14の許容最大吸収パワー(例えば許容最大吸収馬力)と吐出圧Pdと指令値Qdとの対応関係を参照可能に保持するPQ線図に関する参照テーブルであり、不揮発性記憶装置に予め記憶されている。パワー制御部30Aは、例えば、予め設定されているメインポンプ14の許容最大吸収馬力と吐出圧センサ28が出力する吐出圧Pdとを検索キーとして参照テーブルを参照することで、吐出量(押しのけ容積)の指令値Qdを一意に決定できる。なお、参照テーブルは、従来から用いられている対応関係でもよく、説明を省略する。
省エネルギ制御部30Bは、メインポンプ14の吐出量を制御する機能の1つであるネガティブコントロールを実現する制御部であり、制御圧Pnに基づいて吐出量(押しのけ容積)の指令値Qnを導き出すように構成されている。本実施形態では、省エネルギ制御部30Bは、制御圧センサ19が出力する制御圧Pnを取得する。そして、省エネルギ制御部30Bは、参照テーブルを参照し、取得した制御圧Pnに対応する指令値Qnを導き出す。参照テーブルは、制御圧Pnと指令値Qnとの対応関係を参照可能に保持する参照テーブルであり、不揮発性記憶装置に予め記憶されている。参照テーブルは、従来から用いられている対応関係でもよく、説明を省略する。
最小値選択部30Cは、複数の入力値から最小値を選択して出力するように構成されている。本実施形態では、最小値選択部30Cは、指令値Qdと指令値Qnのうちの小さい方を吐出量(押しのけ容積)の押しのけ容積指令値Qfとして出力するように構成されている。
省エネルギ制御部30Bが導き出す指令値Qnは、典型的には、仕上げ作業、均し作業、又は走行動作等の比較的低負荷の作業が行われる場合に、最小値選択部30Cによって選択される。すなわち、低負荷作業特性が採用される。一方で、パワー制御部30Aが導き出す指令値Qdは、典型的には、掘削作業等の比較的高負荷の作業が行われる場合に、最小値選択部30Cによって選択される。すなわち、低負荷作業特性が採用される。このように、最小値選択部30Cによって選択される指令値Qdにより、メインポンプ14は、低負荷作業特性に基づいて制御されるか高負荷作業特性に基づいて制御されるかが決定される。
サージ圧力制御部30Dは、吐出圧センサ28及びシリンダ圧センサ(例えば、アームロッド圧センサS8R)のうち少なくとも一つから検出された圧力の上昇速度に応じて、最小値選択部30Cから入力された押しのけ容積指令値Qfで示された吐出量(押しのけ容積)を調整するように構成されている。そして、サージ圧力制御部30Dは、調整した後の吐出量(押しのけ容積)が示された押しのけ容積最終指令値Qgを、電流指令出力部30Fに出力する。
例えば、操作者が、旋回動作又はアーム5の開閉動作を行うために、操作装置26に対して非操作から急にフル操作(動きの大きい操作)を行う場合に、アームシリンダ8又は旋回用油圧モータ21に流入する作動油が増加することで、圧力が急峻に上昇する。圧力が急速に上昇すると共にメインポンプ14から供給される吐出量も上昇する場合には、上部旋回体3の旋回又はアーム5の開閉に急加速が生じるので、ショベル100の機体がアタッチメントに振られることになり、ショベル100の動きが不安定になる可能性がある。
そこで、本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dは、検出された圧力の上昇速度に応じて、押しのけ容積指令値Qfで示された吐出量を減少させる。これにより、アーム5の開閉動作又は上部旋回体3の旋回動作における急な加速を抑制できる。なお、本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dの制御は、圧力の上昇速度に応じて吐出量を減少させる手法に制限するものではない。例えば、吐出量の上昇度合いを少なくするなど、アタッチメント又は上部旋回体3の動きについて急加速が抑止可能な吐出量の調整であればよい。
本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dは、圧力の上昇速度として、例えば、吐出圧センサ28が検出するメインポンプ14の吐出圧の上昇速度、及びアームロッド圧センサS8Rが検出するアームロッド圧の上昇速度のうち、いずれか一つ以上を取得する。なお、取得する圧力の上昇速度は、メインポンプ14の吐出圧の上昇速度及びアームロッド圧の上昇速度のうちいずれか一つ以上に制限するものではなく、他の圧力の上昇速度を取得してもよい。例えば、サージ圧力制御部30Dは、アームボトム圧の上昇速度など、上述したシリンダ圧センサが検出する圧力の上昇速度であれば取得してよい。そして、サージ圧力制御部30Dは、シリンダ圧センサが検出する圧力の上昇速度を用いて、以下に示す制御を行ってもよい。
圧力の上昇速度は、例えば、吐出圧センサ28及びシリンダ圧センサにより今回検出された圧力と、吐出圧センサ28及びシリンダ圧センサにより前回検出された圧力との差を、圧力の検出間隔で除算することで算出される。本実施形態においてはコントローラ30が、当該圧力の上昇速度を算出する。なお、本実施形態では圧力の上昇速度の算出手法は、上記の手法に制限するものではなく、他の手法を用いて算出してもよい。また、本実施形態は、コントローラ30が算出する態様に制限するものではなく、例えば、吐出圧センサ28及びシリンダ圧センサが算出してもよい。
例えば、吐出圧センサ28が検出するメインポンプ14の吐出圧、又はアームロッド圧センサS8Rが検出するアームロッド圧の上昇速度が高い場合、メインポンプ14からの作動油の吐出量が多いと、作動油で動作する構成に急な加速が生じることで、ショベル100の機体がアタッチメント等に振られて、不安定な動きを生じさせる可能性がある。
そこで、本実施形態では、メインポンプ14の吐出圧、及びアームロッド圧センサS8Rが検出するアームロッド圧の各々の上昇速度に対して、目標値(所定値)を設定した。そして、サージ圧力制御部30Dは、検出された圧力の上昇速度と目標値とを比較して、比較結果に応じて、メインポンプ14から作動油の吐出量を調整するように制御する。
なお、上述したメインポンプ14の吐出圧、又はアームロッド圧の上昇速度の変化は、操作者による操作装置26に対する操作に基づいている。
そこで、本実施形態では、コントローラ30が、操作センサ29からの信号に基づいて、操作者が行った操作を判定し、判定結果をサージ圧力制御部30Dに出力する。これにより、サージ圧力制御部30Dは、操作者に行われた操作に従って、作動油の吐出量の調整を行うか否かを切り替えることができる。本実施形態のサージ圧力制御部30Dの具体的な構成については後述する。
最大値設定部30Eは、最大指令値Qmaxを出力するように構成されている。最大指令値Qmaxは、メインポンプ14の最大吐出量に対応する指令値である。本実施形態では、最大値設定部30Eは、不揮発性記憶装置等に予め記憶されている最大指令値Qmaxを電流指令出力部30Fに出力するように構成されている。
電流指令出力部30Fは、ポンプレギュレータ13に対して電流指令を出力するように構成されている。本実施形態では、電流指令出力部30Fは、サージ圧力制御部30Dから入力される押しのけ容積最終指令値Qgと最大値設定部30Eが出力する最大指令値Qmaxとに基づいて導き出される電流指令Iをポンプレギュレータ13に対して出力する。なお、電流指令出力部30Fは、押しのけ容積最終指令値Qgに基づいて導き出される電流指令Iをポンプレギュレータ13に対して出力してもよい。
このようにして、コントローラ30は、メインポンプ14の吐出量を制御する。図示例では、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量と右メインポンプ14Rの吐出量とを別々に制御する。具体的には、コントローラ30は、左吐出圧センサ28Lが検出する左メインポンプ14Lの吐出圧と、左制御圧センサ19Lが検出する左センターバイパス油路40Lにおける作動油の圧力である制御圧とに基づいて左ポンプレギュレータ13Lに対する電流指令を導き出す。そして、コントローラ30は、左ポンプレギュレータ13Lに対して電流指令を出力することによって左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。また、コントローラ30は、右吐出圧センサ28Rが検出する右メインポンプ14Rの吐出圧と、右制御圧センサ19Rが検出する右センターバイパス油路40Rにおける作動油の圧力である制御圧とに基づいて右ポンプレギュレータ13Rに対する電流指令を導き出す。そして、コントローラ30は、右ポンプレギュレータ13Rに対して電流指令を出力することによって右メインポンプ14Rの吐出量を制御する。
図4は、本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dにおける指令値を調停するための構成を示した図である。図4に示される例では、サージ圧力制御部30Dは、調整を行うための構成として、MIN演算器421と、出力調停部422と、第1スイッチ回路423と、加算器424と、調整判定部425と、を備える。
図4に示される構成は、左メインポンプ14Lの吐出量を調整する場合について説明する。つまり、左メインポンプ14Lがアーム開閉動作及び旋回動作を行うための作動油を供給するので、左メインポンプ14Lが制御対象となっている場合について説明する。なお、右メインポンプ14Rの吐出量を調整する場合の構成も図4と同様の制御を行うものとして説明を省略する。右メインポンプ14Rの吐出量の調整は、例えばブーム4の上下動作を行う場合に用いられる。
図4に示される構成には、押しのけ容積指令値Qfと、アーム開き出力調整値401、旋回出力調整値402と、高圧時出力調整値403と、が入力される。
押しのけ容積指令値Qfは、最小値選択部30Cからサージ圧力制御部30Dに入力された指令値とする。
アーム開き出力調整値401は、アーム5の開き動作における圧力の上昇速度に対応する、メインポンプ14の吐出量の調整値を示している。本実施形態に係る吐出量の調整値は、予め定められた目標値を基準として、圧力の上昇速度が目標値より大きいか否かに基づいて算出される。具体的なアーム開き出力調整値401の算出手法は後述する。
旋回出力調整値402は、上部旋回体3の旋回動作における圧力の上昇速度に対応する、メインポンプ14の吐出量の調整値を示している。本実施形態に係る吐出量の調整値は、目標値を基準として、圧力の上昇速度が目標値より大きいか否かに基づいて算出される。目標値はショベル100の状況に応じて変化してもよい。具体的な旋回出力調整値402の算出手法は後述する。
アーム開き出力調整値401、及び旋回出力調整値402は、非操作からフル操作(動きが大きい操作の例)を急に行う場合に調整される吐出量を示している。しかしながら、本実施形態は、吐出量の調整は、非操作からフル操作(動きが大きい操作の例)を行う場合に制限するものではなく、リリーフ動作、及び操作レバーの戻し操作に対応して行ってもよい。なお、本実施形態は、吐出量の調整を未操作からフル操作が行われた場合に制限するものではなく、未操作から、ショベル100の動きが大きい(圧力が大きくなるような)操作が行われた場合に適用できる。本実施形態に係るリリーフ動作は、掘削アーム閉じリリーフ動作を行う場合として、例えば、掘削を行うためにアーム5を閉じる動作を行う際に、左油路21PLにおける作動油の圧力が所定のリリーフ圧に達して、左リリーフ弁24Lを油圧リリーフ状態にする動作をいう。なお、本実施形態は、リリーフ動作の一例を示したものであり、油圧リリーフ状態にする他の動作でもよい。
高圧時出力調整値403は、リリーフ動作によってメインポンプ14が高圧になった場合に対応する、メインポンプ14の吐出量の調整値を示している。本実施形態に係る吐出量の調整値は、目標値を基準として算出される。本実施形態に係る目標値は、メインポンプ14の吐出圧に応じて変化するが、ショベル100の状況に応じて変化してもよい。具体的な高圧時出力調整値403の算出手法は、後述する。
そして、図4に示される構成は、図4に示される構成による演算結果として、押しのけ容積最終指令値Qgを出力する。
出力調停部422は、アーム開き出力調整値401、旋回出力調整値402、及び高圧時出力調整値403のうちいずれか一つの出力調整値を選択し、選択された出力調整値を出力する。本実施形態に係る出力調停部422は、例えば、入力された複数の出力調整値のうち、調整される吐出量が最も小さい出力調整値を選択し、出力する。調整される吐出量が最も小さい出力調整値の選択とは、例えば、複数の出力調整値のうち、吐出量を減少させる量が最も小さい出力調整値を選択することが考えられる。
MIN演算器421は、押しのけ容積指令値Qf、及び第1スイッチ回路423から出力された押しのけ容積最終指令値Qgの前回値のうち、小さい値を出力する。図4で示される吐出量の調整が行われる際、押しのけ容積指令値Qfが急峻に増加した場合、MIN演算器421から出力された、押しのけ容積最終指令値Qgの前回値が調整の対象となる。これにより吐出量の急峻な増加を抑制できる。
加算器424は、MIN演算器421により選択された小さい値(押しのけ容積指令値Qf、又は押しのけ容積最終指令値Qgの前回値)に対して、出力調停部422から入力された出力調整値を加算する。例えば、調整判定部425により吐出量の調整が必要な操作が行われたと判定された場合、加算器424は、MIN演算器421により選択された小さい値(押しのけ容積指令値Qf、又は押しのけ容積最終指令値Qgの前回値)に対して、出力調停部422により選択された出力調整値を加算する。加算器424による加算が、圧力の上昇速度に対応する吐出量の調整となる。つまり、加算器424は、圧力に応じて調整された押しのけ容積を出力する。
第1スイッチ回路423は、調整判定部425の判定結果に応じて、出力する値を切り替える。第1スイッチ回路423は、調整判定部425により吐出量の調整が必要となる操作が行われたと判定された場合に、加算器424により加算された(吐出量が調整された)押しのけ容積を、押しのけ容積最終指令値Qgとして出力する。
第1スイッチ回路423は、調整判定部425により吐出量の調整が必要な操作が行われていないと判定された場合に、押しのけ容積指令値Qfを、押しのけ容積最終指令値Qgとして出力する。
調整判定部425は、コントローラ30による吐出量の調整が必要な操作が行われたか否かを判定している。調整判定部425は、吐出量の調整が必要な複数の操作のうち少なくとも一つが行われた場合に、吐出量の調整が必要な操作が行われたと判定する。そして、調整判定部425による判定結果に応じて、接続されている第1スイッチ回路423のオン/オフを切り替える制御が行われる。
例えば、調整判定部425は、コントローラ30による、アーム5の急な開き操作が行われたか否かを判定している。アーム5の急な開き操作であるか否かの判定基準としては、アーム5の開きを示すアームパイロット圧(以下、アーム開きパイロット圧と称する)が所定の基準より大きくなったか否かを含んでよい。
また、調整判定部425は、コントローラ30による、上部旋回体3の急な旋回操作が行われたか否かを判定している。上部旋回体3の急な旋回操作であるか否かの判定基準としては、旋回を示すパイロット圧(以下、旋回パイロット圧と称する)が所定の基準より大きくなったか否かを含んでよい。
また、調整判定部425は、コントローラ30による、リリーフ動作が行われたか否かを判定している。リリーフ動作であるか否かの判定は、アーム5の閉じを示すアームパイロット圧(以下、アーム閉じパイロット圧と称する)に基づいてもよい。
調整判定部425による操作の判定は、一例を示したものであって、他の操作について判定を行ってもよい。例えば、調整判定部425は、レバー戻し操作が行われたか否かを判定してもよい。
つまり、調整判定部425による判定結果に基づいて、アーム5の急な開き操作が行われた場合、上部旋回体3の急な旋回操作が行われた場合、又は、リリーフ動作が行われた場合に、調整判定部425に接続された第1スイッチ回路423をオンにする制御が行われる。したがって、サージ圧力制御部30Dは、非操作からフル操作が急に行われた場合、又はリリーフ動作が行われた場合等に、吐出量を調整する制御を行うことができる。
図4に示される例では、調整判定部425により吐出量の調整が必要な操作が行われたと判定された場合に、左メインポンプ14Lの吐出量の調整制御が行われる。例えば、アーム5の急な開き操作が行われた場合、上部旋回体3の急な旋回操作が行われた場合、又は、リリーフ動作が行われた場合に、吐出量の調整が行われる。例えば、非操作状態から動きが大きい操作が開始された場合、又はリリーフ動作によって左メインポンプ14Lの圧力が上昇した場合等で、左メインポンプ14Lの吐出量を調整できるので、ショベル100の動きの安定性を向上させることができる。
次に、図4に示される構成に入力される出力調整値について説明する。
図5は、本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dにおける、アーム開き出力調整値401を算出するための構成を例示した図である。算出されたアーム開き出力調整値401は、上述した図4で示した構成に入力される。
図5に示される例では、サージ圧力制御部30Dは、アーム開き出力調整値401を算出するための構成として、出力値算出部511を備える。
目標値501は、アームロッド圧の上昇速度502の目標となる所定値である。
図5に示される例では、アームロッド圧の上昇速度502と、アームロッド圧の上昇加速度503と、が入力される。アームロッド圧の上昇速度502及びアームロッド圧の上昇加速度503は、アームロッド圧センサS8Rから入力されるアームロッド圧に基づいて、コントローラ30が算出する。算出手法は従来と同様の手法を用いればよい。
ゲインAは、予め定められたゲインとする。ゲインAの数値は、例えば正の数であって、実施態様に応じて定められる。
ゲインBは、予め定められたゲインとする。ゲインBの数値は、例えば正の数であって、実施態様に応じて定められる。
出力値算出部511は、入力された値に基づいて、アーム開き出力調整値401を算出する。本実施形態では、出力値算出部511は、以下に示す式(1)を用いて算出する。
アーム開き出力調整値401=-((上昇速度502-目標値501)×ゲインA+上昇加速度503×ゲインB)……(1)
図5に示されるように、サージ圧力制御部30Dは、アームロッド圧の上昇速度502が、目標値501(所定値の例)より大きいか否かに基づいて、メインポンプ14から吐出される油の量を調整するためのアーム開き出力調整値401を算出する。
例えば、"上昇速度502-目標値501"が正で、上昇加速度が'0'の場合、式(1)からアーム開き出力調整値401が負の値として算出される。そして、アーム開き出力調整値401が、図4に示す構成に入力された場合、前回値又は押しのけ容積指令値Qfを減少させる処理が行われる。これにより、アームロッド圧の上昇速度が急に大きくなっている場合(目標値501を上回る程度に大きくなっている場合)にはメインポンプ14の吐出量を減少させる制御が行われる。
他の例としては、"上昇速度502-目標値501"が負で、上昇加速度が'0'の場合、式(1)からアーム開き出力調整値401が正の値として算出される。そして、がアーム開き出力調整値401が、図4に示す構成に入力された場合、前回値又は押しのけ容積指令値Qfのうち小さい方を増加させる処理が行われる。これにより、上昇速度が目標値を下回る場合には、吐出量は緩やかに増加してもよい。
図5で示される例では、本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dは、アーム開き動作(アタッチメントの駆動の一例)を行うために油圧回路に作動油が供給している場合に、アームロッド圧の上昇速度と共に、アームロッド圧の上昇加速度に応じて、メインポンプ14の吐出量を調整する制御を行う。なお、図5で示される例では、アタッチメントを駆動させる場合に、当該アタッチメントのシリンダ圧の上昇速度及び上昇加速度に基づいて吐出量を調整する例について説明する。しかしながら、上昇速度及び上昇加速度に基づいた吐出量の調整は、アタッチメントを駆動させる場合に制限するものではなく、例えば旋回動作の場合に行ってもよい。本実施形態では、上昇加速度を考慮した吐出量の調整を行うことで、アーム開き動作の安定性を向上させることができる。
図6は、本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dにおける、旋回出力調整値402を算出するための構成を例示した図である。算出された旋回出力調整値402は、上述した図4で示した構成に入力される。
図6に示される例では、サージ圧力制御部30Dは、旋回出力調整値402を算出するための構成として、出力値算出部611を備える。
目標値601は、メインポンプ14の吐出圧の上昇速度602の目標となる所定値である。
図6に示される例では、メインポンプ14の吐出圧の上昇速度602が入力される。メインポンプ14の吐出圧の上昇速度602は、吐出圧センサ28から入力される吐出圧に基づいて、コントローラ30が算出する。算出手法は従来と同様の手法を用いればよい。
ゲインCは、予め定められたゲインとする。ゲインCは、例えば正の数であって、実施態様に応じて定められる。
出力値算出部611は、入力された値に基づいて、旋回出力調整値402を算出する。本実施形態では、出力値算出部611は、以下に示す式(2)を用いて算出する。
旋回出力調整値402=-(上昇速度602-目標値601)×ゲインC……(2)
図6に示されるように、サージ圧力制御部30Dは、メインポンプ14の吐出圧の上昇速度602が目標値(所定値の例)より大きいか否かに基づいて、メインポンプ14から吐出される油の量を調整するための旋回出力調整値402を算出する。なお、目標値は、アーム開きパイロット圧に応じて定められる。
例えば、"上昇速度602-目標値601"が正の場合、式(2)から旋回出力調整値402が負の値として算出される。そして、旋回出力調整値402が、図4に示す構成に入力された場合、押しのけ容積指令値Qfを減少させる処理が行われる。これにより、吐出圧の上昇速度が急に大きくなっている場合(目標値を上回る程度に大きくなっている場合)にはメインポンプ14の吐出量を減少させる制御が行われる。
図7は、本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dにおける、高圧時出力調整値403を算出するための構成を例示した図である。算出された高圧時出力調整値403は、上述した図4で示した構成に入力される。
図7に示される例では、サージ圧力制御部30Dは、高圧時出力調整値403を算出するための構成として、目標値出力部711と、出力値算出部712と、を備える。
図7に示される例では、メインポンプ14の吐出圧701と、メインポンプ14の吐出圧の上昇速度702と、が入力される。メインポンプ14の吐出圧の上昇速度702は、吐出圧センサ28から入力される吐出圧に基づいて、コントローラ30が算出する。算出手法は従来と同様の手法を用いればよい。
ゲインDは、予め定められたゲインとする。ゲインDは、例えば正の数であって、実施態様に応じて定められる。
リリーフ動作が行われた際に、状況に応じてゲインを切り替えてもよい。例えば、出力値算出部712に出力されるゲインとして、ゲインDの他に、ゲインEが存在してもよい。メインポンプ14の吐出圧が、所定の閾値より大きいか否かに応じて、ゲインDを用いるか、ゲインEを用いるかを切り替えてもよい。このように、検出された圧力(例えば、メインポンプ14の吐出圧)に応じてゲインを変更してもよい。
目標値出力部711は、メインポンプ14の吐出圧701と目標値との対応関係を保持している。つまり、メインポンプ14の吐出圧の上昇速度602の目標となる所定値が、メインポンプ14の吐出圧701と対応付けて設定されている。当該対応関係は、例えば、メインポンプ14の吐出圧701が高くなるにしたがって、目標値が小さくなるように対応付けられている。そして、目標値出力部711は、入力されたメインポンプ14の吐出圧701に対応する目標値を出力する。
出力値算出部712は、入力された値に基づいて、高圧時出力調整値403を算出する。本実施形態では、出力値算出部712は、以下に示す式(3)を用いて算出する。
高圧時出力調整値403=-(上昇速度702-目標値)×ゲインD……(3)
図7に示されるように、サージ圧力制御部30Dは、目標値(所定値の例)を基準として、メインポンプ14の吐出圧の上昇速度702に基づいて、メインポンプ14から吐出される油の量を調整するための高圧時出力調整値403を算出する。
例えば、"上昇速度702-目標値"が正の場合、式(3)から高圧時出力調整値403が負の値として算出される。そして、高圧時出力調整値403が、図4に示す構成に入力された場合、押しのけ容積指令値Qfを減少させる処理が行われる。これにより、サージ圧力制御部30Dは、高圧時に、圧力の上昇速度がある程度生じている場合には、メインポンプ14の吐出量を減少させる制御を行う。
また、"上昇速度702-目標値"は、目標値出力部711が保持する対応関係からメインポンプ14の吐出圧が高いほど大きい値となる。このため、メインポンプ14の吐出圧が高いほど、出力値算出部712で算出される高圧時出力調整値403の絶対値が大きくなる。つまり、サージ圧力制御部30Dは、メインポンプ14の吐出圧が高いほど、メインポンプ14の吐出量を減少させる制御を行う。
次に、本実施形態に係る上述した制御を行った場合の効果について説明する。
図8は、ブームの下げ及びアームの開き動作が行われた場合のメインポンプに関する従来の制御を説明した図である。なお、図8に示されるショベルの構成は、本実施形態に係るショベル100と同様の構成を備えている。
図8に示される例では、アーム開きパイロット圧を示す線1802を示す。線1802に示される例では、時刻t1からアームの未操作からフル操作が行われた例とする。当該操作に従って、時刻t1から時刻t3までアームパイロット圧が上昇している。
線1801が、アームロッド圧とする。線1802で示されるアームパイロット圧の上昇に伴って、線1801で示されるアームロッド圧も時刻t1から上昇する。線1801に示されるように、時刻t2に、アームロッド圧Pm11に到達する。
線1803が、左メインポンプの吐出量とする。線1803に示される例では、時刻t1から吐出量が上昇し、時刻t2に吐出量(押しのけ容積)Q11まで上昇した後、吐出量が降下(減少)していく。
線1804が、左メインポンプによるポンプトルクとする。線1805がトルクの上限値とする。線1804に示されるように、左メインポンプの吐出量及びアームロッド圧の上昇に従って、時刻t2までに急峻に上昇した後、上昇と降下とが繰り返される。
図8に示される例では、アームロッド圧の上昇と共に、吐出量も上昇している。これにより、ポンプトルクも急峻に上昇する。このように、従来のショベルでは、アーム開きに急な加速が生じる可能性がある。
これに対して、本実施形態に係るコントローラ30は、アームロッド圧の上昇速度に応じて、左メインポンプ14Lの吐出量を調整する。
図9は、ブーム4の下げ及びアーム5の開き動作が行われた場合における本実施形態に係るサージ圧力制御部30Dが行う制御を説明した図である。図9に示される例では、サージ圧力制御部30Dが、アーム開き出力調整値401を算出し、アーム開き出力調整値401を用いた吐出量の調整が行われた例を示している。
図9に示される例では、アーム5開きのアームパイロット圧を示す線1902を示す。線1902で示すアームパイロット圧は、図8の線1802で示すアームパイロット圧と同様とする。
線1901が、アームロッド圧とする。線1902で示されるアームパイロット圧の上昇に伴って、線1901で示されるアームロッド圧も時刻t1から上昇する。
線1903が、左メインポンプ14Lの吐出量とする。線1903に示される例では、時刻t1から吐出量が上昇する。本実施形態では、未操作からフル操作が行われた場合に、アームロッド圧の上昇速度に応じて、サージ圧力制御部30Dが、左メインポンプ14Lの吐出量を調整する制御を行う(図5参照)。これにより時刻t2で、左メインポンプ14Lの吐出量Q12となる。吐出量Q12は、図8の吐出量Q11と比べて低いことが確認できる。
線1903で示されるように、左メインポンプ14Lの吐出量が抑制されるので、線1901で示されるアームロッド圧の上昇も、図8の線1801で示されるアームロッド圧の上昇と比べて緩やかになる。
線1901に示されるように、時刻t2に、アームロッド圧Pm12に到達する。アームロッド圧Pm12は、図8のアームロッド圧Pm11と比べて低いことが確認できる。
線1904が、左メインポンプ14Lによるポンプトルクとする。線1905がトルクの上限値とする。
本実施形態は、従来と比べて、左メインポンプ14Lの吐出量が調整され且つアームロッド圧の上昇が緩やかになる。このため、線1904に示されるポンプトルクは、図8の線1804で示されるポンプトルクと比べて上昇速度が緩やかになる。したがって、本実施形態ではアーム5開きの急加速を抑制できるので、ショベル100の動きの安定性を向上させることができる。さらには、ポンプトルクの上昇速度が緩やかになるため従来と比べて省エネルギ化を実現できる。
図10は、旋回動作が行われた場合のメインポンプ14に関する従来の制御を説明した図である。なお、図10に示されるショベルの構成は、本実施形態に係るショベル100と同様の構成を備えている。
図10に示される例では、旋回パイロット圧を示す線2002を示す。線2002に示される例では、時刻t11から旋回の未操作からフル操作が行われた例とする。当該操作に従って、時刻t11から徐々に旋回パイロット圧が上昇していく。
線2001が、左メインポンプの吐出圧とする。線2002で示される旋回パイロット圧の上昇に伴って、線2001で示される左メインポンプの吐出圧も時刻t11から上昇する。線2001に示されるように、時刻t12に、左メインポンプの吐出圧Pm21に到達した後、当該吐出圧Pm21が維持される。
線2003が、左メインポンプの吐出量とする。線2003に示される例では、時刻t11から吐出量が上昇し、時刻t12に吐出量Q21まで上昇した後、一度吐出量が降下(減少)する。その後、再び吐出量が上昇していく。
線2004が、左メインポンプによるポンプトルクとする。線2005がトルクの上限値とする。線2004に示されるように、左メインポンプの吐出量及び吐出圧の上昇に従って、時刻t12までに急峻に上昇した後、当該ポンプトルクが維持される。
図10に示される例では、左メインポンプの吐出圧の上昇と共に、吐出量も上昇している。これにより、ポンプトルクも急峻に上昇する。さらには、従来のショベルでは、アーム開きに急な加速が生じる可能性がある。
これに対して、本実施形態に係るコントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出圧の上昇速度に応じて、左メインポンプ14Lの吐出量を調整する。
図11は、旋回動作が行われた場合のサージ圧力制御部30Dが行う制御を説明した図である。図11に示される例では、サージ圧力制御部30Dが、旋回出力調整値402を算出し、旋回出力調整値402を用いた吐出量の調整が行われた例を示している。
図11に示される例では、旋回パイロット圧を示す線2102を示す。線2102で示す旋回パイロット圧は、図10の線2002で示す旋回パイロット圧と同様とする。
線2101が、左メインポンプ14Lの吐出圧とする。線2102で示される旋回パイロット圧の上昇に伴って、線2101で示される左メインポンプ14Lの吐出圧も時刻t1から上昇する。
線2103が、左メインポンプ14Lの吐出量とする。線2103に示される例では、時刻t1から吐出量が上昇する。本実施形態では、未操作からフル操作が行われた場合に、左メインポンプ14Lの吐出圧の上昇速度に応じて、サージ圧力制御部30Dが、左メインポンプ14Lの吐出量を調整する制御を行う(図6参照)。これにより左メインポンプ14Lの吐出量は、図10の線2003で示される吐出量と比べて緩やかに上昇していくことが確認できる。
線2103で示されるように、左メインポンプ14Lの吐出量の上昇が緩やかになるため、線2101で示される左メインポンプ14Lの吐出圧の上昇速度も、図10の線2001で示される吐出圧の上昇速度と比べて緩やかになる。
線2104が、左メインポンプ14Lによるポンプトルクとする。線2105がトルクの上限値とする。
本実施形態は、従来と比べて、左メインポンプ14Lの吐出量が調整され且つ吐出圧の上昇が緩やかになる。このため、線2104に示されるポンプトルクは、図10の線2004で示されるポンプトルクと比べて上昇速度が緩やかになる。したがって、本実施形態では旋回の急加速を抑制できるので、ショベル100の動きの安定性を向上させることができる。さらには、ポンプトルクの上昇速度が緩やかになるため従来と比べて省エネルギ化を実現できる。
上述した実施形態では、アーム開き動作及び旋回動作を行う場合について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、メインポンプ14の作動油の吐出量の調整の対象となる動作の一例を示したものであって、上述した動作以外にも適用できる。例えば、ブーム上げ動作等を行う場合に、上述したメインポンプ14の作動油の調整を行ってもよい。
さらには、動作開始時に吐出量の調整を行う手法に制限するものではなく、リリーフ動作を行う場合に吐出量の調整を行ってもよい。
図12は、掘削アーム閉じリリーフ動作が行われた場合のメインポンプに関する従来の制御を説明した図である。なお、図12に示されるショベルの構成は、本実施形態に係るショベル100と同様の構成を備えている。
図12に示される例では、アーム閉じを示すアームパイロット圧(アーム閉じパイロット圧と称する)を示す線2202を示す。線2202に示される例では、アーム閉じによって掘削するためのリリーフ動作が行われる例とする。当該操作に従って、アーム閉じパイロット圧が上昇していく。
線2201が、左メインポンプの吐出圧とする。線2202で示されるアーム閉じパイロット圧の上昇に伴って、線2201で示される左メインポンプの吐出圧も上昇する。線2201に示されるように、時刻t21に、左メインポンプの吐出圧Pm31に到達した後、当該吐出圧Pm31が維持される。つまり、吐出圧Pm31の高圧状態が維持される。
線2203が、左メインポンプの吐出量とする。線2203に示される例では、時刻t21に吐出量Q31まで上昇した後、一度吐出量が降下(減少)する。その後、吐出量Q32より大きくなった後、再び吐出量が上昇していく。
線2204が、左メインポンプによるポンプトルクとする。線2205がトルクの上限値とする。線2204に示されるように、左メインポンプの吐出量及び吐出圧の上昇に従って、時刻t21までに急峻に上昇した後、当該ポンプトルクが一度下降(減少)した後、再び上昇し、線2205で示される上限値の最大値となる値近傍で維持される。
図12に示される例では、ポンプトルクが上限値の最大値となる値近傍で維持されるのでエネルギの消費度合いが大きくなる。
これに対して、本実施形態に係るコントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出圧が高圧の場合に、左メインポンプ14Lの吐出量を調整する。
図13は、掘削アーム閉じリリーフ動作が行われた場合のサージ圧力制御部30Dが行う制御を説明した図である。図13に示される例では、サージ圧力制御部30Dが、高圧時出力調整値403を算出し、高圧時出力調整値403を用いた吐出量の調整が行われた例を示している。
図13に示される例では、アーム閉じパイロット圧を示した線2302が表されている。線2302で示すアーム閉じパイロット圧は、図12の線2202で示すアーム閉じパイロット圧と同様とする。
線2301が、左メインポンプ14Lの吐出圧とする。線2302で示される旋回パイロット圧の上昇に伴って、線2301で示される左メインポンプ14Lの吐出圧も時刻t1から上昇する。
線2301が、左メインポンプ14Lの吐出圧とする。線2302で示されるアーム閉じパイロット圧の上昇に伴って、線2301で示される左メインポンプ14Lの吐出圧も上昇する。線2301に示されるように、時刻t21に、左メインポンプ14Lの吐出圧Pm31に到達した後、当該吐出圧Pm31が維持される。つまり、吐出圧Pm31の高圧状態が維持される。このため、目標値出力部711から出力される、当該高圧状態に対応する目標値に基づいて、高圧時出力調整値403が算出される。そのうえで、当該高圧時出力調整値403を用いた吐出量の調整が行われる。
線2303が、左メインポンプ14Lの吐出量とする。線2303に示される例では、時刻t21に吐出量Q31まで上昇した後、一度吐出量が降下(減少)する。その後、高圧時出力調整値403を用いた調整によって吐出量Q32近傍で維持される。このように、左メインポンプ14Lの吐出量は、図12の線2203で示される吐出量と比べて低い状態が維持される。
線2304が、左メインポンプ14Lによるポンプトルクとする。線2305がトルクの上限値とする。
本実施形態は、従来と比べて、左メインポンプ14Lの吐出量が調整されたので、線2304に示されるポンプトルクは、図12の線2204で示されるポンプトルクと比べて時刻t21の後において上昇速度が緩やかになる。したがって、従来と比べて省エネルギ化を実現できる。
図13に示されるように、本実施形態においては、非操作からフル操作を行う場合のみならず、リリーフする場合も吐出量の制御を行うことで省エネルギ化を実現できる。
上述した実施形態で示した吐出量の調整の一例を示したものである。例えば、旋回動作及びアーム5開き動作のために、未操作からフル操作が行われる場合について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、吐出量の調整するための動作を、旋回動作及びアーム5開き動作に制限するものではなく、他の動作に適用してもよい。
また、上述した実施形態では、未操作から動きが大きくなる操作(例えばフル操作)、及びリリーフ動作等が行われる場合に、吐出量を調整する例について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、吐出量の調整が必要な操作を制限するものではなく、他の操作に適用してもよい。
本実施形態においてショベル100が油圧ショベルの場合について説明した。しかしながら、本実施形態は、油圧ショベルに制限するものではなく、油圧ポンプを搭載したショベルであればよい。例えばエンジンの代わりにモータが油圧ポンプを動作させる電動式ショベル又はハイブリッドショベルに適用してもよい。
上述した実施形態においては、コントローラ30が、シリンダ圧センサ又は吐出圧センサが検出した圧力の上昇速度に応じて、メインポンプ14から吐出される油の量を調整するように構成されている。したがって、ショベル100のアタッチメント等の急加速を抑制できる。したがって、ショベル100の動きの安定性を向上させることができる。これによりショベル100の安全性を向上させることができる。さらには、ポンプトルクの出力を抑制できるので、省エネルギ化を実現できる。
以上、本発明に係るショベルを含む作業機械の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
100 ショベル
1 下部走行体
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム(アタッチメント)
5 アーム(アタッチメント)
6 バケット(作業具)
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
14R、14L メインポンプ
21 旋回用油圧モータ
26 操作装置
28 吐出圧センサ
29 操作センサ
30 コントローラ
30A パワー制御部
30B 省エネルギ制御部
30C 最小値選択部
30D サージ圧力制御部
30E 最大値設定部
30F 電流指令出力部
S7R ブームロッド圧センサ
S7B ブームボトム圧センサ
S8R アームロッド圧センサ
S8B アームボトム圧センサ
S9R バケットロッド圧センサ
S9B バケットボトム圧センサ

Claims (8)

  1. 当該ショベルを駆動させるための油圧回路と、
    前記油圧回路に油を供給する油圧ポンプと、
    前記油圧回路に接続される構成から検出部が検出した圧力の上昇速度に応じて、前記油圧ポンプから吐出される前記油の量を調整するように構成されている、
    ショベル。
  2. 前記上昇速度が増加している場合に、前記油圧ポンプから吐出される前記油の量を減少させるように構成されている、
    請求項1に記載のショベル。
  3. 前記上昇速度と共に、前記検出部が検出した圧力の上昇加速度に応じて、前記油圧ポンプから吐出される前記油の量を調整するように構成されている、
    請求項1又は2に記載のショベル。
  4. アタッチメントをさらに、備え、
    前記アタッチメントを駆動させるために前記油圧回路が前記油を供給している場合に、前記上昇速度と共に、前記上昇加速度に応じて、前記油圧ポンプから吐出される前記油の量を調整するように構成されている、
    請求項3に記載のショベル。
  5. 前記上昇速度と所定値との比較結果に応じて、前記油圧ポンプから吐出される前記油の量を調整するように構成されている、
    請求項1に記載のショベル。
  6. 前記ショベルのアタッチメントの動作に応じて、前記油圧回路に設けられているリリーフ弁のリリーフ状態が生じた場合に、前記検出部が検出した圧力に応じて、前記所定値を調整する、又は、前記油圧ポンプから吐出される前記油の量を調整するためのゲインを変更する、
    請求項5に記載のショベル。
  7. さらに、操作状態に応じて、前記油圧ポンプから吐出される前記油の量を調整するか否かを切り替えるように構成されている、
    請求項1に記載のショベル。
  8. 前記油圧回路の絞りによって生じる制御圧に基づいたネガティブコントロールに用いる前記油の量、及び、前記ショベルのエンジンの出力に基づいたパワーコントロールに用いる前記油の量のうちいずれか小さい方として選択された前記油の量に対して、前記上昇速度に応じて調整するように構成されている、
    請求項1に記載のショベル。
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