JP2024089294A - 印刷物欠陥検出システムおよび印刷物欠陥検出プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】 印刷物の欠陥を短時間で高精度に検出することができる印刷物欠陥検出システムおよび印刷物欠陥検出プログラムを提供する。【解決手段】 印刷物の欠陥を検出する印刷物欠陥検出システムは、印刷装置による印刷物の印刷の基になったマスター画像を特定の大きさの複数の範囲に分割し（Ｓ５２）、印刷物から読取装置によって読み取られた読取画像のうち、Ｓ５２において生成されたマスター画像範囲と大きさおよび位置が同一である領域と、この領域の周囲の特定の大きさのマージンの領域とからなる領域としての読取画像マージン付領域の中から、マスター画像範囲と大きさが同一であって、マスター画像範囲との類似度が最も高い領域としての読取画像領域を特定し（Ｓ５５およびＳ５６）、マスター画像範囲と、読取画像領域との画像の差分に基づいて印刷物の欠陥を検出する（Ｓ５７）ことを特徴とする。【選択図】 図３

Description

本発明は、印刷物の欠陥を検出する印刷物欠陥検出システムおよび印刷物欠陥検出プログラムに関する。

従来の印刷物欠陥検出システムとして、印刷装置による印刷物の印刷の基になったマスター画像を特定の大きさの複数の所定範囲に分割し、印刷物から読取装置によって読み取られた読取画像の中から、マスター画像の所定範囲と大きさが同一であって、マスター画像の所定範囲と各画素の画素値の差分値の合計値が最も小さい領域を特定し、マスター画像の所定範囲と、この所定範囲に対して特定した、読取画像の領域との差分に基づいて印刷物の欠陥を検出するものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。

特開２０１６－１２１９８０号公報

しかしながら、特許文献１に記載された印刷物欠陥検出システムにおいては、読取画像全体の中から、マスター画像の所定範囲と大きさが同一であって、マスター画像の所定範囲と各画素の画素値の差分値の合計値が最も小さい領域を特定するので、読取画像の中から、マスター画像の所定範囲と大きさが同一であって、マスター画像の所定範囲と各画素の画素値の差分値の合計値が最も小さい領域を特定するための計算量が多く、その結果、印刷物の欠陥の検出時間が長いという問題がある。

また、特許文献１に記載された印刷物欠陥検出システムにおいては、読取画像全体の中から、マスター画像の所定範囲と大きさが同一であって、マスター画像の所定範囲と各画素の画素値の差分値の合計値が最も小さい領域を特定するので、マスター画像が、例えば図７に示すように格子縞が描かれた画像など、互いに類似する複数の箇所を含む画像である場合に、読取画像のうち、マスター画像の所定範囲と大きさが同一であって、マスター画像の所定範囲と各画素の画素値の差分値の合計値が最も小さい領域として、読取画像の中から、マスター画像の所定範囲と大きさが同一であるが、マスター画像の所定範囲と位置が同一でもなく類似もしていない領域を、誤って特定してしまう可能性があり、その結果、印刷物の欠陥の検出精度が低いという問題がある。

そこで、本発明は、印刷物の欠陥を短時間で高精度に検出することができる印刷物欠陥検出システムおよび印刷物欠陥検出プログラムを提供することを目的とする。

本発明の印刷物欠陥検出システムは、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出部を備え、前記欠陥検出部は、印刷装置による前記印刷物の印刷の基になったマスター画像と、前記印刷物から読取装置によって読み取られた読取画像との一方を特定の大きさの複数の範囲に分割し、前記欠陥検出部は、前記マスター画像および前記読取画像の他方のうち、前記一方の前記範囲としての一方範囲と大きさおよび位置が同一である領域と、この領域の周囲の特定の大きさのマージンの領域とからなる領域としての他方マージン付領域の中から、前記一方範囲と大きさが同一であって、前記一方範囲との類似度が最も高い領域としての他方領域を特定し、前記欠陥検出部は、前記一方範囲と、前記他方領域との画像の差分に基づいて前記欠陥を検出することを特徴とする。

この構成により、本発明の印刷物欠陥検出システムは、マスター画像および読取画像の他方全体の中からではなく、マスター画像および読取画像の他方のうちの他方マージン付領域の中から、一方範囲と大きさが同一であって、一方範囲との類似度が最も高い他方領域を特定するので、マスター画像および読取画像の他方の中から、一方範囲と大きさが同一であって、一方範囲との類似度が最も高い他方領域を特定するための計算量を低減することができ、その結果、印刷物の欠陥の検出時間を短縮することができる。また、本発明の印刷物欠陥検出システムは、マスター画像および読取画像の他方全体の中からではなく、マスター画像および読取画像の他方のうちの他方マージン付領域の中から、一方範囲と大きさが同一であって、一方範囲との類似度が最も高い他方領域を特定するので、マスター画像が、互いに類似する複数の箇所を含む画像である場合であっても、マスター画像および読取画像の他方のうち、一方範囲と大きさが同一であって、一方範囲との類似度が最も高い他方領域として、マスター画像および読取画像の他方の中から、一方範囲と大きさが同一であるが、一方範囲と位置が同一でもなく類似もしていない領域を、誤って特定してしまう可能性を低減することができ、その結果、印刷物の欠陥の検出精度を向上することができる。したがって、本発明の印刷物欠陥検出システムは、印刷物の欠陥を短時間で高精度に検出することができる。

本発明の印刷物欠陥検出システムにおいて、前記一方は、前記マスター画像であっても良い。

この構成により、本発明の印刷物欠陥検出システムは、読取画像の中から、マスター画像の分割した範囲と類似度が最も高い領域を特定し、マスター画像の分割した範囲と、読取画像のうち特定した領域との画像の差分に基づいて印刷物の欠陥を検出するので、マスター画像の中から、読取画像の分割した範囲と類似度が最も高い領域を特定し、読取画像の分割した範囲と、マスター画像のうち特定した領域との画像の差分に基づいて印刷物の欠陥を検出する構成と比較して、印刷装置による印刷の実行時に印刷媒体に発生するスキューや伸びの影響を受けていないマスター画像を基準にする分だけ、印刷物の欠陥の検出精度を向上することができる。

本発明の印刷物欠陥検出プログラムは、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出部をコンピューターに実現させ、前記欠陥検出部は、印刷装置による前記印刷物の印刷の基になったマスター画像と、前記印刷物から読取装置によって読み取られた読取画像との一方を特定の大きさの複数の範囲に分割し、前記欠陥検出部は、前記マスター画像および前記読取画像の他方のうち、前記一方の前記範囲としての一方範囲と大きさおよび位置が同一である領域と、この領域の周囲の特定の大きさのマージンの領域とからなる領域としての他方マージン付領域の中から、前記一方範囲と大きさが同一であって、前記一方範囲との類似度が最も高い領域としての他方領域を特定し、前記欠陥検出部は、前記一方範囲と、前記他方領域との画像の差分に基づいて前記欠陥を検出することを特徴とする。

この構成により、本発明の印刷物欠陥検出プログラムを実行するコンピューターは、マスター画像および読取画像の他方全体の中からではなく、マスター画像および読取画像の他方のうちの他方マージン付領域の中から、一方範囲と大きさが同一であって、一方範囲との類似度が最も高い他方領域を特定するので、マスター画像および読取画像の他方の中から、一方範囲と大きさが同一であって、一方範囲との類似度が最も高い他方領域を特定するための計算量を低減することができ、その結果、印刷物の欠陥の検出時間を短縮することができる。また、本発明の印刷物欠陥検出プログラムを実行するコンピューターは、マスター画像および読取画像の他方全体の中からではなく、マスター画像および読取画像の他方のうちの他方マージン付領域の中から、一方範囲と大きさが同一であって、一方範囲との類似度が最も高い他方領域を特定するので、マスター画像が、互いに類似する複数の箇所を含む画像である場合であっても、マスター画像および読取画像の他方のうち、一方範囲と大きさが同一であって、一方範囲との類似度が最も高い他方領域として、マスター画像および読取画像の他方の中から、一方範囲と大きさが同一であるが、一方範囲と位置が同一でもなく類似もしていない領域を、誤って特定してしまう可能性を低減することができ、その結果、印刷物の欠陥の検出精度を向上することができる。したがって、本発明の印刷物欠陥検出プログラムを実行するコンピューターは、印刷物の欠陥を短時間で高精度に検出することができる。

本発明の印刷物欠陥検出システムおよび印刷物欠陥検出プログラムは、印刷物の欠陥を短時間で高精度に検出することができる。

本発明の一実施の形態に係る印刷システムのブロック図である。 １台のコンピューターによって構成される場合の図１に示す印刷物欠陥検出システムのブロック図である。 印刷物の欠陥を検出する場合の図２に示す印刷物欠陥検出システムの動作のフローチャートである。 （ａ）図３に示す動作によって特定の大きさの複数の範囲に分割されたマスター画像の一部の一例を示す図である。 （ｂ）図３に示す動作によって特定の大きさの複数の範囲に分割された読取画像の一部の一例を示す図である。 （ａ）図３に示す動作における特定の時点における対象のマスター画像範囲の一例を示す図である。 （ｂ）図３に示す動作における特定の時点における対象の読取画像マージン付領域の一例を示す図である。 図３に示す動作における特定の時点における読取画像領域の一例を示す図である。 従来の印刷物欠陥検出システムにおいて使用されるマスター画像の一例を示す図である。

以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。

まず、本発明の一実施の形態に係る印刷システムの構成について説明する。

図１は、本実施の形態に係る印刷システム１０のブロック図である。

図１に示すように、印刷システム１０は、印刷を実行する印刷装置２０と、印刷装置２０によって印刷された印刷物から画像を読み取る読取装置３０と、印刷装置２０によって印刷された印刷物の欠陥を検出する印刷物欠陥検出システム４０とを備えている。

印刷装置２０は、例えば、プリンター専用機、ＭＦＰ（Ｍｕｌｔｉｆｕｎｃｔｉｏｎ Ｐｅｒｉｐｈｅｒａｌ）などによって構成されている。

読取装置３０は、例えば、スキャナーによって構成されている。

印刷物欠陥検出システム４０は、例えばＰＣ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ）、画像形成装置などの１台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。例えば、印刷物欠陥検出システム４０は、クラウドサーバーによって構成されても良い。

図２は、１台のコンピューターによって構成される場合の印刷物欠陥検出システム４０のブロック図である。

図２に示すように、印刷物欠陥検出システム４０は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部４１と、種々の情報を表示する例えばＬＣＤ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）などの表示デバイスである表示部４２と、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部４３と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部４４と、印刷物欠陥検出システム４０全体を制御する制御部４５とを備えている。

記憶部４４は、印刷物の欠陥を検出するための印刷物欠陥検出プログラム４４ａを記憶している。印刷物欠陥検出プログラム４４ａは、例えば、印刷物欠陥検出システム４０の製造段階で印刷物欠陥検出システム４０にインストールされていても良いし、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）メモリーなどの外部の記憶媒体から印刷物欠陥検出システム４０に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から印刷物欠陥検出システム４０に追加でインストールされても良い。

制御部４５は、例えば、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）と、制御部４５のＣＰＵの作業領域として用いられるメモリーとしてのＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）とを備えている。制御部４５のＣＰＵは、記憶部４４または制御部４５のＲＯＭに記憶されているプログラムを実行する。

制御部４５は、印刷物欠陥検出プログラム４４ａを実行することによって、印刷物の欠陥を検出する欠陥検出部４５ａを実現する。

次に、印刷物欠陥検出システム４０の動作について説明する。

利用者は、印刷装置２０によって印刷が実行されると、印刷装置２０によって印刷された印刷物から画像を読み取ることを読取装置３０に指示することができる。したがって、読取装置３０は、印刷装置２０によって印刷された印刷物から画像を読み取る。

そして、利用者は、印刷装置２０によって印刷された印刷物の欠陥を検出することを印刷物欠陥検出システム４０に指示することができる。したがって、印刷物欠陥検出システム４０は、図３に示す動作を実行する。

図３は、印刷物の欠陥を検出する場合の印刷物欠陥検出システム４０の動作のフローチャートである。

図３に示すように、欠陥検出部４５ａは、印刷装置２０による印刷物の印刷の基になったマスター画像と、印刷装置２０によって印刷された印刷物から読取装置３０によって読み取られた画像（以下「読取画像」という。）とに基づいて、マスター画像に対する読取画像の画像全体としてのスキューおよび伸びを例えばアフィン変換によって修正する（Ｓ５１）。Ｓ５１の処理を実行する理由は、印刷装置２０による印刷の実行時に印刷媒体にスキューや伸びが発生するからである。印刷装置２０による印刷物の印刷の基になったマスター画像は、マスター画像自体が印刷装置２０から印刷物欠陥検出システム４０に送信されても良いし、マスター画像の基になる情報が印刷装置２０から印刷物欠陥検出システム４０に送信されて、この情報に基づいて印刷物欠陥検出システム４０によって生成されても良い。また、読取画像は、読取装置３０から印刷物欠陥検出システム４０に送信されても良い。例えば、印刷物がＡ４サイズ（２１０ｍｍ×２９７ｍｍ）の用紙に３００ｄｐｉで印刷されたものである場合、マスター画像および読取画像は、それぞれ、約２４８０ピクセル×約３５０８ピクセルの矩形の画像である。

欠陥検出部４５ａは、Ｓ５１の処理が終了すると、マスター画像および読取画像のそれぞれを特定の大きさの複数の範囲に分割する（Ｓ５２）。Ｓ５２の処理によってマスター画像および読取画像を複数の範囲に分割する理由は、印刷装置２０による印刷の実行時に印刷媒体に局所的に発生したスキューや伸びが以降の画像の比較に与える影響を低減させるためである。Ｓ５２において分割される範囲のそれぞれは、例えば、６４ピクセル×６４ピクセルの矩形の範囲である。印刷物がＡ４サイズの用紙に３００ｄｐｉで印刷されたものであって、Ｓ５２において分割される範囲のそれぞれが６４ピクセル×６４ピクセルの矩形の範囲である場合、マスター画像および読取画像は、それぞれ、Ｓ５２において約２１４５個に分割される。

以下、Ｓ５２において分割されたマスター画像の複数の範囲のそれぞれを「マスター画像範囲」という。マスター画像範囲は、本発明の一方範囲を構成している。

図４（ａ）は、図３に示す動作によって特定の大きさの複数の範囲に分割されたマスター画像７１の一部の一例を示す図である。図４（ｂ）は、図３に示す動作によって特定の大きさの複数の範囲に分割された読取画像７２の一部の一例を示す図である。

図４（ａ）において、格子を形成する複数の線７１ａは、Ｓ５２において生成された複数の範囲の境界を示す線であって、マスター画像７１に実際に含まれる線ではない。同様に、図４（ｂ）において、格子を形成する複数の線７２ａは、Ｓ５２において生成された複数の範囲の境界を示す線であって、読取画像７２に実際に含まれる線ではない。

例えば、図４（ａ）における範囲７１ｂの、マスター画像７１全体における位置と、図４（ｂ）における範囲７２ｂの、読取画像７２全体における位置とは、同一である。しかしながら、図４（ａ）における範囲７１ｂ内の画像と、図４（ｂ）における範囲７２ｂ内の画像とは、位置が微妙にずれている。

図３に示すように、欠陥検出部４５ａは、Ｓ５２の処理が終了すると、Ｓ５２において生成した複数のマスター画像範囲のうち、未だＳ５３において対象にしていない１つのマスター画像範囲を対象にする（Ｓ５３）。

欠陥検出部４５ａは、Ｓ５３の処理が終了すると、読取画像のうち、マスター画像範囲と大きさおよび位置が同一である、Ｓ５２において生成された範囲と、この範囲の周囲の特定の大きさのマージンの領域とからなる領域（以下、「読取画像マージン付領域」という。）を対象にする（Ｓ５４）。印刷装置２０による印刷の実行時に印刷媒体に発生するスキューや伸びの影響は、比較的小さいマスター画像範囲と同一の大きさの範囲においては比較的小さいと考えられる。したがって、Ｓ５４におけるマージンは、例えば、１０ピクセルの大きさである。読取画像マージン付領域は、本発明の他方マージン付領域を構成している。

図５（ａ）は、図３に示す動作における特定の時点における対象のマスター画像範囲７１ｃの一例を示す図である。図５（ｂ）は、図３に示す動作における特定の時点における対象の読取画像マージン付領域７２ｃの一例を示す図である。

図５（ａ）に示すマスター画像７１は、図４（ａ）に示すマスター画像７１と同一のものである。図５（ｂ）に示す読取画像７２は、図４（ｂ）に示す読取画像７２と同一のものである。

図５（ａ）において、マスター画像範囲７１ｃの境界は、太枠で示している。同様に、図５（ｂ）において、読取画像マージン付領域７２ｃの境界は、太枠で示している。

図５（ｂ）に示す読取画像マージン付領域７２ｃは、読取画像７２のうち、図５（ａ）に示すマスター画像範囲７１ｃと大きさおよび位置が同一である範囲７２ｂ（図４（ａ）参照。）と、この範囲７２ｂの周囲の特定の大きさのマージンの領域とからなる領域である。

図３に示すように、欠陥検出部４５ａは、Ｓ５４の処理が終了すると、現在の対象の読取画像マージン付領域の中から、現在の対象のマスター画像範囲との類似度が最も高い位置を特定する（Ｓ５５）。ここで、欠陥検出部４５ａは、現在の対象の読取画像マージン付領域の中から、現在の対象のマスター画像範囲との類似度が最も高い位置を特定する方法として、例えば、一般的なテンプレートマッチングを採用しても良い。

欠陥検出部４５ａは、Ｓ５５の処理が終了すると、現在の対象の読取画像マージン付領域の中から、Ｓ５５において特定した位置において、現在の対象のマスター画像範囲と大きさが同一である領域（以下「読取画像領域」という。）を特定する（Ｓ５６）。読取画像領域は、本発明の他方領域を構成している。

図６は、図３に示す動作における特定の時点における読取画像領域７２ｄの一例を示す図である。

図６に示す読取画像７２は、図４（ｂ）および図５（ｂ）に示す読取画像７２と同一のものである。

図６において、読取画像領域７２ｄの境界は、太枠で示している。

図６に示す読取画像領域７２ｄは、図５（ｂ）に示す読取画像マージン付領域７２ｃの中から特定されたものである。

図３に示すように、欠陥検出部４５ａは、Ｓ５６の処理が終了すると、現在の対象のマスター画像範囲と、Ｓ５６において特定した読取画像領域との画像の差分に基づいて印刷物の欠陥を検出する（Ｓ５７）。例えば、欠陥検出部４５ａは、現在の対象のマスター画像範囲と、Ｓ５６において特定した読取画像領域との画像の差分を印刷物の欠陥として検出しても良い。また、欠陥検出部４５ａは、現在の対象のマスター画像範囲と、Ｓ５６において特定した読取画像領域との各画素の差分値の合計値が特定の閾値を超える場合に、Ｓ５６において特定した読取画像領域に対応する印刷物の位置を、欠陥が存在する位置として検出しても良い。

欠陥検出部４５ａは、Ｓ５７の処理が終了すると、Ｓ５２において生成した複数のマスター画像範囲のうち、未だＳ５３において対象にしていないマスター画像範囲が存在するか否かを判断する（Ｓ５８）。

欠陥検出部４５ａは、Ｓ５２において生成した複数のマスター画像範囲のうち、未だＳ５３において対象にしていないマスター画像範囲が存在するとＳ５８において判断すると、Ｓ５３の処理を実行する。

欠陥検出部４５ａは、Ｓ５２において生成した複数のマスター画像範囲のうち、未だＳ５３において対象にしていないマスター画像範囲が存在しないとＳ５８において判断すると、図３に示す動作を終了する。

以上に説明したように、印刷物欠陥検出システム４０は、読取画像全体の中からではなく、読取画像のうちの読取画像マージン付領域の中から、マスター画像範囲と大きさが同一であって、マスター画像範囲との類似度が最も高い読取画像領域を特定する（Ｓ５５およびＳ５６）ので、読取画像の中から、マスター画像範囲と大きさが同一であって、マスター画像範囲との類似度が最も高い読取画像領域を特定するための計算量を低減することができ、その結果、印刷物の欠陥の検出時間を短縮することができる。

また、印刷物欠陥検出システム４０は、読取画像全体の中からではなく、読取画像のうちの読取画像マージン付領域の中から、マスター画像範囲と大きさが同一であって、マスター画像範囲との類似度が最も高い読取画像領域を特定するので、マスター画像が、例えば図７に示すように格子縞が描かれた画像など、互いに類似する複数の箇所を含む画像である場合であっても、読取画像のうち、マスター画像範囲と大きさが同一であって、マスター画像範囲との類似度が最も高い読取画像領域として、読取画像の中から、マスター画像範囲と大きさが同一であるが、マスター画像範囲と位置が同一でもなく類似もしていない領域を、誤って特定してしまう可能性を低減することができ、その結果、印刷物の欠陥の検出精度を向上することができる。

したがって、印刷物欠陥検出システム４０は、印刷物の欠陥を短時間で高精度に検出することができる。

印刷物欠陥検出システム４０は、読取画像の中から、マスター画像の分割した範囲としてのマスター画像範囲と類似度が最も高い領域としての読取画像領域を特定し（Ｓ５５およびＳ５６）、マスター画像範囲と、読取画像領域との画像の差分に基づいて印刷物の欠陥を検出する（Ｓ５７）ので、マスター画像の中から、読取画像の分割した範囲と類似度が最も高い領域を特定し、読取画像の分割した範囲と、マスター画像のうち特定した領域との画像の差分に基づいて印刷物の欠陥を検出する構成と比較して、印刷装置２０による印刷の実行時に印刷媒体に発生するスキューや伸びの影響を受けていないマスター画像を基準にする分だけ、印刷物の欠陥の検出精度を向上することができる。

なお、印刷物欠陥検出システム４０は、マスター画像の中から、読取画像の分割した範囲と類似度が最も高い領域を特定し、読取画像の分割した範囲と、マスター画像のうち特定した領域との画像の差分に基づいて印刷物の欠陥を検出する構成でも良い。すなわち、印刷物欠陥検出システム４０は、図３に示す動作において、マスター画像および読取画像の役割を逆にしても良い。

印刷装置２０は、本実施の形態において、読取装置３０とは別に存在している。しかしながら、印刷装置２０は、読取装置３０を備えても良い。

印刷物欠陥検出システム４０は、本実施の形態において、印刷装置２０および読取装置３０とは別に存在している。しかしながら、印刷物欠陥検出システム４０は、印刷装置２０および読取装置３０の少なくとも１つを備えても良い。

読取装置３０は、本実施の形態において、印刷装置２０によって印刷された印刷物から画像を読み取る動作を利用者からの指示に応じて実行する。しかしながら、読取装置３０は、印刷装置２０によって印刷が実行されると、印刷装置２０によって印刷された印刷物から自動で画像を読み取るように構成されても良い。同様に、印刷物欠陥検出システム４０は、印刷装置２０によって印刷が実行されると、印刷装置２０によって印刷された印刷物の欠陥を自動で検出するように構成されても良い。

２０ 印刷装置
３０ 読取装置
４０ 印刷物欠陥検出システム（コンピューター）
４４ａ 印刷物欠陥検出プログラム
４５ａ 欠陥検出部
７１ マスター画像
７１ｂ 範囲
７１ｃ マスター画像範囲（一方範囲）
７２ 読取画像
７２ｃ 読取画像マージン付領域（他方マージン付領域）
７２ｄ 読取画像領域（他方領域）

Claims (3)

1. 印刷物の欠陥を検出する欠陥検出部を備え、
   前記欠陥検出部は、印刷装置による前記印刷物の印刷の基になったマスター画像と、前記印刷物から読取装置によって読み取られた読取画像との一方を特定の大きさの複数の範囲に分割し、
   前記欠陥検出部は、前記マスター画像および前記読取画像の他方のうち、前記一方の前記範囲としての一方範囲と大きさおよび位置が同一である領域と、この領域の周囲の特定の大きさのマージンの領域とからなる領域としての他方マージン付領域の中から、前記一方範囲と大きさが同一であって、前記一方範囲との類似度が最も高い領域としての他方領域を特定し、
   前記欠陥検出部は、前記一方範囲と、前記他方領域との画像の差分に基づいて前記欠陥を検出することを特徴とする印刷物欠陥検出システム。
2. 前記一方は、前記マスター画像であることを特徴とする請求項１に記載の印刷物欠陥検出システム。
3. 印刷物の欠陥を検出する欠陥検出部をコンピューターに実現させ、
   前記欠陥検出部は、印刷装置による前記印刷物の印刷の基になったマスター画像と、前記印刷物から読取装置によって読み取られた読取画像との一方を特定の大きさの複数の範囲に分割し、
   前記欠陥検出部は、前記マスター画像および前記読取画像の他方のうち、前記一方の前記範囲としての一方範囲と大きさおよび位置が同一である領域と、この領域の周囲の特定の大きさのマージンの領域とからなる領域としての他方マージン付領域の中から、前記一方範囲と大きさが同一であって、前記一方範囲との類似度が最も高い領域としての他方領域を特定し、
   前記欠陥検出部は、前記一方範囲と、前記他方領域との画像の差分に基づいて前記欠陥を検出することを特徴とする印刷物欠陥検出プログラム。

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