JP2024085020A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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隆弘 横川
真実 近藤
一樹 岩谷
恭弘 鴛海
雄介 野崎
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Abstract

Figure 2024085020000001
【課題】EV走行モードからHV走行モードへの移行時に駆動力応答要求を満たしつつ最大駆動力を出力する。
【解決手段】第2MG2の出力のみで走行するEV走行モードと、少なくともエンジン3の出力で走行するHV走行モードとの間で切替え可能なハイブリッド車両100のECU30であって、ECU30は、EV走行モードからHV走行モードへ移行する場合に、エンジン回転速度NeがT/M入力回転速度Ninに同期するまでの目標同期時間Tlim以内に到達可能な同期回転速度Nsynを算出し、同期回転速度Nsynに基づいて自動変速機7の下限変速段を予測し、変速線から算出される自動変速機7の変速段が下限変速段を下回る場合には、予測した下限変速段に制限する変速制御部41を備える。
【選択図】図2

Description

本開示は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来から、車両の走行中にエンジン(内燃機関)を再始動してクラッチを係合するときのショックを抑制する車両制御装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開2015-117738号公報
アクセル開度が比較的大きい場合に電動機の出力のみで走行する第1走行モードから少なくともエンジンの出力で走行する第2走行モードへ移行する時には、駆動力の応答性だけではなく駆動力の大きさも要求される。要求駆動力を満たすため、早期にエンジンを結合させてエンジンの出力トルクを加え、また、変速機をダウンシフトさせてエンジンからの出力トルクを増幅させることが好ましい。
しかしながら、従来の技術では、ダウンシフトによって変速機の入力回転速度が大きくなるため、エンジンの回転速度が変速機の入力回転速度に同期するまでの時間が長くなり、駆動力応答要求が満たせなくなってしまう。
そこで、本開示の技術は、上記課題に鑑み、第1走行モードから第2走行モードへの移行時に駆動力応答要求を満たしつつ最大駆動力を出力することを目的とする。
上記課題を解決するため、本開示の一態様によれば、
電動機の出力のみで走行する第1走行モードと、少なくとも内燃機関の出力で走行する第2走行モードとの間で切替え可能なハイブリッド車両の制御装置であって、
前記第1走行モードから前記第2走行モードへ移行する場合に、前記内燃機関の回転速度が変速機の入力回転速度に同期するまでの目標同期時間以内に到達可能な同期回転速度を算出し、前記同期回転速度に基づいて前記変速機の下限変速段を予測し、変速線から算出される前記変速機の変速段が前記下限変速段を下回る場合には、予測した前記下限変速段に制限する変速制御部を備える、ハイブリッド車両の制御装置が提供される。
本開示の一態様によれば、第1走行モードから第2走行モードへの移行時に駆動力応答要求を満たしつつ最大駆動力を出力することができる。
一実施形態に係る制御装置を搭載するハイブリッド車両の構成図である。 一実施形態に係る制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 一実施形態に係る制御装置のタイムチャートである。
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
(制御装置の制御対象)
まず本実施形態に係る制御装置の制御対象について説明する。図1は一実施形態に係る制御装置を搭載したハイブリッド車両100の構成図である。
ハイブリッド車両100は、例えば、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、及びレンジエクステンダEV等のいずれか一つである。ハイブリッド車両100は、原動機として、第1MG(電動発電機)1と、第2MG2と、エンジン(内燃機関)3と、を備えている。第2MG2は、電動機の一例である。
ハイブリッド車両100は、パートタイム四輪駆動車両である。ハイブリッド車両100は、左前輪16L,右前輪16R(前輪16と称する)と、左後輪17L,右後輪17R(後輪17と称する)と、エンジン3等からの駆動力を前輪16及び後輪17へそれぞれ伝達する動力伝達装置18と、を備えている。後輪17は、二輪駆動走行及び四輪駆動走行の双方において駆動輪となる主駆動輪である。前輪16は、二輪駆動走行において従動輪となり、四輪駆動走行において副駆動輪となる。ハイブリッド車両100は、FR(Front-Engine Rear-drive)駆動方式をベースとする四輪駆動車両である。
なお、ハイブリッド車両100は、フルタイム四輪駆動車両であってもよいし、又は二輪駆動車両であってもよい。またハイブリッド車両100は、FF(Front-engine Front-drive)、RR(Rear-engine Rear-drive)、及びMR(Mid-engine Rear-drive)等の他の駆動方式をベースとした車両でもよい。また第1MG1、第2MG2、及びエンジン3については、特に区別しない場合は、動力源と称する。
第1MG1及び第2MG2は、いずれもハイブリッド車両100の走行用動力源となる。第1MG1及び第2MG2は、いずれも電動機及び発電機として機能するが、電動機のみとして機能する構成であってもよい。第1MG1及び第2MG2は、PCU(Power Control Unit:電力制御装置)20を介してバッテリ22に接続されている。バッテリ22は、第1MG1及び第2MG2に電力を供給すると共に第1MG1及び第2MG2から電力を受け取る蓄電装置である。第1MG1及び第2MG2は、制御装置の一例であるECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)30によってPCU20が制御されることにより、第1MG1及び第2MG2の出力トルクが制御される。
なお、第1MG1及び第2MG2は、異なる2個のバッテリ22にそれぞれ接続されてもよく、ECU30によって異なる2個のPCU20が個別に制御されてもよい。PCU20は、例えば、昇圧コンバータ及びインバータ等を備えている。第1MG1及び第2MG2の出力トルクは、加速方向の正トルクが力行トルクになり、減速方向の負トルクが回生トルクになる。
第1MG1は、発電機であるオルタネータの位置に配置されるP0タイプのISG(Integrated Starter Generator)である。第1MG1は、ベルト4を介してエンジン3のクランクシャフトに接続されている。第1MG1は、エンジン始動時には、エンジン3のクランクシャフトを回転(クランキング)させるスタータとして機能し、エンジン始動時以外の場面では、主にオルタネータとして機能する。なお、第1MG1は、エンジン3と、T/M(トランスミッション)の一部である自動変速機7と、の間に配置されるP1タイプ又はP2タイプのISGであってもよい。
第2MG2は、自動変速機7の下流側に配置されるP3タイプのMGである。第2MG2は、回生ブレーキ時には、発電機として機能するが、回生ブレーキ時以外の場面では、主にハイブリッド車両100の走行用の動力源として機能する。なお、第2MG2は、自動変速機7の内部に配置されてもよいし、又は、駆動輪に配置されるインホイールモータ等のP4タイプ又はP5タイプのMGであってもよい。
エンジン3は、ハイブリッド車両100の走行用動力源であって、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン等のいずれか一つの内燃機関である。エンジン3は、ECU30によってスロットルアクチュエータ、燃料噴射装置、及び点火装置等のいずれか一つを含むエンジンアクチュエータ24が制御されることによりエンジン3の出力トルクが制御される。
動力伝達装置18は、エンジン3の下流側で順に、ダンパ装置5と、T/Mの一部であるトルクコンバータ6と、自動変速機7と、を備えている。また動力伝達装置18は、自動変速機7の下流側で順に、トランスファ9、リヤプロペラシャフト10、リヤディファレンシャルギヤ11、及び左右一対のリヤドライブシャフト12L,12Rを備えている。さらに動力伝達装置18は、トランスファ9の下流側で順に、フロントプロペラシャフト13、フロントディファレンシャルギヤ14、及び左右一対のフロントドライブシャフト15L,15Rを備えている。
ダンパ装置5は、エンジン3と自動変速機7との間の動力伝達経路に配置されている。ダンパ装置5は、例えばフライホイール及びスプリング等を備えていて、フライホイールがエンジン3のクランクシャフトに連結され、スプリングによりエンジン3のトルク変動を吸収して振動を低減し、トルクコンバータ6に動力を伝達する。
トルクコンバータ6は、エンジン3と自動変速機7との間の動力伝達経路に配置されている。トルクコンバータ6は、クラッチ機能及びトルク増幅機能を有する流体式伝動装置である。トルクコンバータ6は、例えば、ポンプインペラ、タービンランナ、ステータ、及びロックアップクラッチ等を備えている。ポンプインペラは、トルクコンバータ6の入力部材であって、ダンパ装置5の出力軸に連結されている。ポンプインペラは、ダンパ装置5の出力軸の回転に応じて回転して、作動油を介してタービンランナを回転させる。ダービンランナは、トルクコンバータ6の出力部材であって、自動変速機7の入力軸に連結されている。ステータは、タービンランナのトルクを増幅させるように作動油を整流する。トルクコンバータ6は、エンジン3からの動力を自動変速機7へ滑らかに伝達する。
ロックアップクラッチは、ポンプインペラとタービンランナとを結合させてエンジン3と自動変速機7とを直結する多板式クラッチである。ロックアップクラッチは、HCU(Hydraulic Control Unit:油圧制御装置)23で調圧された係合油圧で係合されることにより作動状態が切替えられる。ロックアップクラッチの作動状態には、ロックアップクラッチが解放される完全解放状態、ロックアップクラッチが滑りを伴って係合されたスリップ状態、及び、ロックアップクラッチが係合される完全係合状態等がある。
ロックアップクラッチの完全解放状態では、トルクコンバータ6のステータによるトルク増幅作用が得られる。ロックアップクラッチのスリップ状態では、完全解放状態に比べてエンジン回転速度の吹き上がりが抑制されるか、又は、完全係合状態に比べて車内こもり音等が抑制される。ロックアップクラッチの完全係合状態では、トルクコンバータ6のポンプインペラ及びタービンランナが一体的に回転してエンジン3と自動変速機7が直結される。
自動変速機7は、エンジン3と第2MG2との間の動力伝達経路に配置されている。自動変速機7は、変速比の異なる複数の変速段(ギヤ段)を複数の変速用クラッチにより選択的に切替え可能な有段式変速機である。自動変速機7は、遊星歯車式変速機であるが、DCT(Dual Clutch Transmission)等の他の機構方式の変速機であってもよい。自動変速機7は、変速用クラッチ等の各種クラッチがHCU23により調圧された係合油圧で係合されることにより変速段が切替えられる。
トランスファ9は、自動変速機7からの動力をリヤプロペラシャフト10に伝達する。またトランスファ9は、前輪駆動用クラッチを備えていて、自動変速機7からの動力をフロントプロペラシャフト13に分配可能である。なお、ハイブリッド車両100がフルタイム四輪駆動車両である場合は、トランスファ9が前輪駆動用クラッチを備えていない構成になる。
リヤプロペラシャフト10に伝達された動力は、リヤディファレンシャルギヤ11及び左右一対のリヤドライブシャフト12L,12Rを介して後輪17に伝達される。またフロントプロペラシャフト13に分配された動力は、フロントディファレンシャルギヤ14及び左右一対のフロントドライブシャフト15L,15Rを介して前輪16に伝達される。
(制御装置の構成例)
ECU30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェイス等を備えたマイクロコンピュータを備えている。ECU30は、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、プログラムをCPUで実行させることにより、ハイブリッド車両100の各種制御を実行する。
ECU30は、CAN(Controller Area Network)を介して通信可能な複数のECUにより構成されてもよい。またECU30の少なくとも一部の機能は、ハイブリッド車両100と通信可能な情報処理施設における情報処理装置が担当してもよいし、又は、ハイブリッド車両100と通信可能な他車両のECUが担当してもよい。ECU30は、制御装置の一例であるが、情報処理装置が制御装置であってもよく、又は、他車両のECUが制御装置であってもよい。
ECU30には、ハイブリッド車両100に搭載された各種センサの検出値に基づく各種検出信号がそれぞれ入力される。各種センサには、例えば、アクセル開度センサ31、エンジン回転速度センサ32、タービン回転速度センサ33、MG回転速度センサ34、車速センサ35、及びバッテリセンサ36等の車両状態センサが含まれる。
各種検出信号には、ハイブリッド車両100の乗員によるアクセル操作量であるアクセル開度θacc〔%〕と、エンジン3の回転速度であるエンジン回転速度Ne〔rpm〕と、が含まれる。また各種検出信号には、T/M入力回転速度Nin〔rpm〕と同値であるタービン回転速度Nt〔rpm〕が含まれる。さらに各種検出信号には、第1MG1の回転速度である第1MG回転速度Nm1〔rpm〕と、第2MG2の回転速度である第2MG回転速度Nm2〔rpm〕と、が含まれる。また各種検出信号には、ハイブリッド車両100の車速V〔km/h〕と、バッテリ22のバッテリ温度THbat〔℃〕と、バッテリ充放電電流Ibat〔A〕と、が含まれる。
ECU30からは、ハイブリッド車両100に搭載された各種装置に各種指令信号がそれぞれ出力される。各種装置には、PCU21、HCU23、及びエンジンアクチュエータ24等のいずれか一つのアクチュエータが含まれる。
各種指令信号には、エンジン3を制御するためのエンジン制御信号Seと、第1MG1を制御するための第1MG制御信号Sm1と、第2MG2を制御するための第2MG制御信号Sm2と、が含まれる。また各種指令信号には、自動変速機7の各種クラッチ弁を制御するためのAT(自動変速機)制御信号Scbと、トルクコンバータ6のロックアップクラッチ弁を制御するためのLU(ロックアップクラッチ)制御信号Sluと、が含まれる。
ECU30は、各種機能部として、ハイブリッド制御部40と、変速制御部41と、を備えている。各種機能部は、例えばECU30のマイクロコンピュータに各種処理を実行させるプログラムによって実現される。
ハイブリッド制御部40は、例えば、アクセル開度θacc〔%〕及び車速V〔km/h〕に基づいて駆動輪における要求駆動トルク〔Nm〕を算出する。ハイブリッド制御部40は、要求駆動トルク〔Nm〕の代わりに、車速Vにおける要求駆動力〔W〕を算出してもよい。
ハイブリッド制御部40は、動力伝達損失、自動変速機7の変速比、及びバッテリ22の充電可能電力Win〔W〕及び放電可能電力Wout〔W〕等を考慮して、要求駆動トルク〔Nm〕を実現する。ハイブリッド制御部40は、要求駆動トルク〔Nm〕を満たすように、エンジン3を制御するエンジン制御信号Seと、第1MG1を制御する第1MG制御信号Sm1と、第2MGを制御する第2MG制御信号Sm2と、の少なくとも一つを出力する。
エンジン制御信号Seは、例えば、現在のエンジン回転速度Ne〔rpm〕におけるエンジントルク指令値〔Nm〕である。第1MG制御信号Sm1は、例えば、現在の第1MG回転速度Nm1〔rpm〕における第1MGトルク指令値Tm1*〔Nm〕である。第2MG制御信号Sm2は、例えば、現在の第2MG回転速度Nm2〔rpm〕における第2MGトルク指令値Tm2*〔Nm〕である。
バッテリ22の充電可能電力Win〔W〕は、バッテリ22の入力電力の制限を規定する入力可能な最大電力であり、バッテリ22の入力制限を示している。バッテリ22の放電可能電力Wout〔W〕は、バッテリ22の出力電力の制限を規定する出力可能な最大電力であり、バッテリ22の出力制限を示している。バッテリ22の充電可能電力Win〔W〕及び放電可能電力Wout〔W〕は、例えばバッテリ温度THbat〔℃〕及びバッテリ充電状態値SOC〔%〕(State Of Charge)に基づいてECU30により算出される。バッテリ充電状態値SOCは、予め定めた満充電容量に対する実際に蓄電されている充電量の比〔%〕である。
ハイブリッド制御部40は、第2MG2の出力のみで要求駆動トルクを賄える場合には、第2MG2の出力のみで走行するEV(電動)走行モードとする。EV走行モードでは、変速制御部41がLU制御信号SluをHCU23に出力することによりトルクコンバータ6のロックアップクラッチを解放させてエンジン3を停止させる。ハイブリッド制御部40は、第2MG制御信号Sm2をPCU21に出力することにより第2MG2のみから走行用動力を出力させて、ハイブリッド車両100を走行させる。EV走行モードは、第1走行モードの一例である。
一方、ハイブリッド制御部40は、少なくともエンジン3の出力を用いないと要求駆動トルクを賄えない場合には、少なくともエンジン3の出力で走行するHV(ハイブリッド)走行モードとする。HV走行モードでは、変速制御部41がLU制御信号SluをHCU23に出力することによりトルクコンバータ6のロックアップクラッチを係合させてエンジン3と自動変速機7とを直結した状態にする。ハイブリッド制御部40は、エンジン制御信号Seをエンジンアクチュエータ24に出力することにより少なくともエンジン3から走行用動力を出力させて、ハイブリッド車両100を走行させる。HV走行モードは、第2走行モードの一例である。
他方、ハイブリッド制御部40は、第2MG2の出力のみで要求駆動トルクを賄える場合でも、バッテリ22の充電状態値SOC〔%〕が予め定めたエンジン始動閾値未満となる場合、又は、エンジン3等の暖機が必要な場合等では、HV走行モードを実行する。エンジン始動閾値は、エンジン3を始動してバッテリ22を充電する必要がある充電状態値SOCであることを判定するための予め定めた閾値である。以上のように、ハイブリッド制御部40は、要求駆動トルク〔Nm〕等に基づいて、EV走行モードとHV走行モードとを適宜切替える。
特にアクセル開度θacc〔%〕が比較的大きい場合のEV走行モードからHV走行モードへの移行時には、ハイブリッド制御部40が第1MG制御信号Sm1をPCU21に出力することにより第1MG1でエンジン3を始動させる。変速制御部41は、エンジン回転速度Ne〔rpm〕がT/M入力回転速度Nin〔rpm〕に同期した後に、LU制御信号SluをHCU23に出力してトルクコンバータ6のロックアップクラッチを係合させてエンジン3と自動変速機7とを直結した状態にする。変速制御部41は、T/M制御信号ScbをHCU23に出力することにより自動変速機7の変速段をダウンシフトさせて、要求駆動トルクを満たすようにする。
自動変速機7の変速段をダウンシフトさせることにより、エンジン3からの出力トルクを増幅させて要求駆動トルク〔Nm〕を満たすことができる。しかし、ダウンシフトさせると、T/M入力回転速度Nin〔rpm〕が大きくなるため、エンジン回転速度Ne〔rpm〕とT/M入力回転速度Nin〔rpm〕とが同期するまでの時間が長くなり、駆動トルク応答要求〔s〕を満たせなくなってしまう。
そこで、変速制御部41は、EV走行モードからHV走行モードへの移行時に、エンジン回転速度Ne〔rpm〕がT/M入力回転速度Nin〔rpm〕に同期するまでの目標同期時間Tlim〔s〕以内に到達可能な同期回転速度Nsyn〔rpm〕を算出する。そして変速制御部41は、同期回転速度Nsyn〔rpm〕に基づき自動変速機7の下限変速段を予測し、変速線から算出される自動変速機7の変速段が下限変速段を下回る場合には、予測した下限変速段に制限する。
なお、変速線とは、例えば、車速V及び要求駆動トルクを変数とする二次元座標上に、自動変速機7の変速を判断するために予め定められたATギヤ段変速マップ上の複数の変速線のいずれか一つを意味する。
以上により、早期にエンジン3を自動変速機7に結合させてエンジン3の出力トルク〔Nm〕を加え、また、自動変速機7のダウンシフトによってエンジン3の出力トルク〔Nm〕を増幅させることができる。従って、ハイブリッド車両100は、駆動トルク応答要求〔sec〕を満たしつつ最大駆動トルク〔Nm〕を出力することができる。
(制御装置の処理手順)
以下、図2及び図3を参照して、ECU30の処理手順について説明する。図2は一実施形態に係る制御装置の処理手順を示すフローチャートであり、図3は一実施形態に係る制御装置のタイムチャートである。
図2に示すフローチャートは、ECU30のマイクロコンピュータに実行させるプログラムにより実現される。特にステップS10~ステップS11は、ハイブリッド制御部40により実現され、ステップS12~ステップS17は、変速制御部41により実現される。
<ステップS10>
ECU30は、EV走行モード中であるか否かを判定する。ECU30は、EV走行モード中でない場合は(ステップS10のNO)、ハイブリッド制御部40により処理を終了する。
<ステップS11>
ECU30は、EV走行モード中である場合は(ステップS10のYES)、EV走行モードからHV走行モードへ移行したことを検出する。ECU30は、EV走行モードからHV走行モードへの移行を検出しない場合は(ステップS11のNO)、ステップS11においてEV走行モードからHV走行モードへの移行の検出を繰り返す。
なお、ステップS11において、ECU30は、図3に示すように、EV走行モードからHV走行モードへの移行時にアクセル開度θaccが所定の閾値を超えたことを検出してもよい。
<ステップS12>
ECU30は、EV走行モードからHV走行モードへの移行を検出した場合は(ステップS11のYES)、バッテリ温度THbat〔℃〕及びバッテリ充電状態値SOC〔%〕に基づき、バッテリ22の放電可能電力Wout〔W〕を算出して取得する。
<ステップS13>
次にECU30は、エンジン回転速度Ne〔rpm〕がT/M入力回転速度Nin〔rpm〕に同期するまでの目標同期時間Tlim〔s〕以内に到達可能な同期回転速度Nsyn〔rpm〕を算出する。
以下、目標同期時間Tlim〔s〕以内に到達可能な同期回転速度Nsyn〔rpm〕の算出方法について説明する。まずECU30は、バッテリ22の放電可能電力Wout〔W〕に基づき、次の式(1)及び式(2)からエンジン予想角加速度α〔rad/s2〕を算出する。
Figure 2024085020000002
Figure 2024085020000003
上記の式において、Nm1は現在の第1MG回転速度〔rpm〕であり、Tm1*はバッテリ22の放電可能電力Woutの制限下における第1MGトルク指令値〔Nm〕であり、Wm1losは第1MGモータ損失〔W〕である。またIeは、エンジンイナーシャ(慣性モーメント)〔kgm2〕である。
次にECU30は、エンジン回転速度Ne〔rpm〕がT/M入力回転速度Nin〔rpm〕に同期するまでの目標同期時間Tlim〔s〕と、予想エンジン角加速度α〔rad/s2〕と、に基づき、エンジン回転速度変化量dR〔rpm〕を算出する。
Figure 2024085020000004
そしてECU30は、エンジン回転速度変化量dR〔rpm〕と、現在のT/M入力回転速度Nin〔rpm〕と、を加算することにより、目標同期時間Tlim〔s〕以内に到達可能な同期回転速度Nsyn〔rpm〕を算出する。
Figure 2024085020000005
図3には、バッテリ22の放電可能電力Wout〔W〕の制限下で目標同期時間Tlim〔s〕以内に到達可能な同期回転速度Nsyn〔rpm〕が示されている。
<ステップS14>
次にECU30は、目標同期時間Tlim〔s〕以内に到達可能な同期回転速度Nsyn〔rpm〕以下で最も近い回転速度になる自動変速機7の下限変速段を算出する。つまりECU30は、図3に示すように、バッテリ22の放電可能電力Wout〔W〕の制限下で目標同期時間Tlim〔s〕以内に到達可能な自動変速機7の下限変速段を算出する。
<ステップS15>
またECU30は、算出した下限変速段と、変速線から算出される自動変速機7の変速段と、を比較する。
<ステップS16>
ECU30は、変速線から算出される変速段が下限変速段を下回る場合には(ステップS15のYES)、下限変速段に制限する。つまりECU30は、下限変速段よりも低い変速段には自動変速機7を変速させないように制限を掛けることにより、早期にエンジン回転速度Ne〔rpm〕をT/M入力回転速度Nin〔rpm〕に同期させる。
<ステップS17>
ECU30は、変速線から算出される変速段が下限変速段を上回る場合には(ステップS15のYES)、変速線から算出される変速段に切替える。つまりECU30は、下限変速段よりも速く同期可能な変速段に切替えることができる。
(本実施形態の作用効果)
以上のようにECU30は、EV走行モードからHV走行モードへの移行時に、エンジン回転速度Ne〔rpm〕がT/M入力回転速度Nin〔rpm〕に同期するまでの目標同期時間Tlim〔s〕以内に到達可能な同期回転速度Nsyn〔rpm〕を算出する。そしてECU30は、同期回転速度Nsyn〔rpm〕に基づいて自動変速機7の下限変速段を予測し、変速線から算出される自動変速機7の変速段が下限変速段を下回る場合には、予測した下限変速段に制限する。
従って、早期にエンジン3を自動変速機7に結合させてエンジン3の出力トルク〔Nm〕を加え、また、自動変速機7のダウンシフトによってエンジン3の出力トルク〔Nm〕を増幅させることができる。従って、ハイブリッド車両100は、アクセル開度θaccが比較的大きい場合のEV走行モードからHV走行モードへの移行時でも、駆動トルク応答要求〔sec〕を満たしつつ最大駆動トルク〔Nm〕を出力することができる。
以上の実施形態に示す各種機能部は、一つまたは複数の処理回路によって実現することが可能である。処理回路には、各種機能を実行するように設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等が含まれる。
以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
100 ハイブリッド車両
1 第1MG
2 第2MG
3 エンジン
7 自動変速機
30 ECU
41 変速制御部
Ne エンジン回転速度
Nin T/M入力回転速度
Nsyn 同期回転速度
Tlim 目標同期時間
α エンジン予想角加速度

Claims (1)

  1. 電動機の出力のみで走行する第1走行モードと、少なくとも内燃機関の出力で走行する第2走行モードとの間で切替え可能なハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記第1走行モードから前記第2走行モードへ移行する場合に、前記内燃機関の回転速度が変速機の入力回転速度に同期するまでの目標同期時間以内に到達可能な同期回転速度を算出し、前記同期回転速度に基づいて前記変速機の下限変速段を予測し、変速線から算出される前記変速機の変速段が前記下限変速段を下回る場合には、予測した前記下限変速段に制限する変速制御部を備える、ハイブリッド車両の制御装置。
JP2022199319A 2022-12-14 ハイブリッド車両の制御装置 Pending JP2024085020A (ja)

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